JP3967276B2 - 端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュール - Google Patents

端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー装置に係り、特に、端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールとしては、以下に開示するようなものがあった。
【0003】
図8は従来のレーザー利得モジュールの構成図、図9は図8のA部拡大模式図である。
【0004】
これらの図において、101はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、102は微細ロッド形状のレーザー結晶(以下、単にレーザー結晶という)、103はヒートシンク、104は金フィルム、105はレーザービーム、111は第1のレーザーダイオード(LD)、112は光ファイバ、113はレンズ、114はレーザー結晶102のレーザービーム105の出射側に斜め方向から入射する励起光、121は第2のレーザーダイオード(LD)、122は光ファイバ、123はレンズ、124はレーザー結晶102のレーザビーム105のもう一方側に斜め方向から入射する励起光である。
【0005】
これらの図に示すように、従来のレーザー利得モジュールでは、励起光114,124をレーザー結晶102の両端面に対し斜め方向に入射し、レーザー結晶102中での励起光114,124の伝搬距離を伸ばし、レーザー結晶102の内側面で多重反射させて、励起光114,124の強度分布の均一化を行う。
【0006】
レーザー結晶102の内側面で励起光114,124を反射させるためには、誘電体の全反射膜、高反射膜や、反射率の高い金属である金や銀などのコーティングやフィルム104などを用いる。このとき、非常に長くて厚みが薄いレーザー結晶102を用いることにより、常温でのレーザーの高効率動作が可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なレーザーである4準位レーザーは、レーザー結晶中のレーザーイオンの数が少なすぎると、励起光の吸収効率が低下するため、励起光からレーザー出力光への変換効率が悪くなる。しかし、準4準位レーザーは、4準位レーザーと異なり、レーザー下準位の分布がゼロではなく、レーザーイオンの数が多いと損失が増える。このため、準4準位レーザーの場合、効率を上げるにはレーザーイオン数を最適にする必要がある。
【0008】
同様の理由により、励起パワー密度を上げなければ下準位分布を上回る上準位分布を得ることは出来ないため、高効率動作は難しく、また、励起密度を高くすると熱レンズ効果が高くなり、レーザー結晶の温度が上昇する。更には、レーザー結晶の温度上昇によりレーザー下準位分布が増大するために効率が低下する。このため、高効率動作のためには冷却効率を高くする必要がある。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、準4準位レーザーの高出力かつ高効率動作に必要な高励起密度と高冷却効率を達成することができる端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールにおいて、微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(12)の第1の端面に1個の励起光装置(15)からの連続波である励起光を放物面鏡(16)又は球面鏡を介して照射するとともに、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(12)の第2の端面に折り返しミラー(14)を配置し、この折り返しミラー(14)より戻ってきた励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(12)の内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡(16)又は球面鏡で平行光線にし、この平行光線を更に平面鏡(17)で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする。
【0011】
〔2〕上記〔1〕記載の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールにおいて、前記折り返しミラー(14)に代えて、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(22)の第2の端面側にも放物面鏡(27)又は球面鏡及び平面鏡(28,29)を配置して、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(22)における励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(22)の両内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡(25,27)又は球面鏡で平行光線にし、この平行光線を平面鏡(26,28,29)で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔1〕記載の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールにおいて、前記折り返しミラー(14)に代えて、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(32)の第2の端面側にも第2の励起光装置(37)からの連続波である励起光を放物面鏡(38)又は球面鏡及び平面鏡(39)を介して照射する手段を配置して、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(32)における励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶(32)の両内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡(35,38)又は球面鏡で平行光線にし、この平行光線を平面鏡(36,39)で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする。
【0013】
本発明では、準4準位レーザーの問題を以下のようにして克服する。
【0014】
(1)結晶長が長く、結晶の厚みが非常に薄く、レーザーイオン濃度が薄い、ロッド(又はスラブ)型のレーザー利得モジュールとする。
【0015】
レーザー結晶の冷却効率を上げるために、冷却方向の結晶の厚みを薄く、結晶の体積に対して冷却面積を広く、レーザーイオン濃度を薄くする。
【0016】
(2)斜め入射多重光路励起
上記の結晶長が長く、結晶の厚みが非常に薄く、イオン濃度の薄い結晶を高密度に励起するために、両端面励起を行う。更には、結晶中のイオン数を増やさずに励起光を効率よく吸収させるために、
(i) 斜め励起を行い、励起光の伝搬距離を増やす。
【0017】
(ii) 多重光路励起を行い、励起光の伝搬距離を増やす。
【0018】
(3)多重反射励起による励起光強度分布の均一化
一般に、固体レーザー励起用の高出力レーザーダイオードは出力レーザービームの強度分布が歪んでおり、そのまま集光して励起すると、励起光の強度分布が歪むため、レーザーの効率やレーザー光のビーム品質が下がってしまう。この問題を解決するため、励起光を結晶に入射させた後、レーザー結晶内側面で多重反射させ、励起光の強度分布を均一にする。
【0019】
なお、本発明では、折り返しミラー(図1、図2および図5に示す折り返しミラーを除く)は、ルーフミラー(ミラー2枚を90度に合わせて、反射光を丁度入射光の方向へ返すミラー)やコーナーキューブミラー(ミラー3枚をそれぞれ120度に合わせて、反射光を丁度入射光の方向へ返すミラー)を含むものである(以下の実施例においても同様)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明の第1参考例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0022】
この図において、1はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、2は微細ロッド(thin−rod)形状の準4準位レーザー結晶(以下、単にレーザー結晶)、3はヒートシンク、4は折り返しミラー、5は第1の励起光装置であり、この第1の励起光装置5は、第1のレーザーダイオード(LD)5A、レンズ5B、第1の励起光5Cからなる。また、6は第2の励起光装置であり、この第2の励起光装置6は、第2のレーザーダイオード(LD)6A、レンズ6B、第2の励起光6Cからなる。また、7はレーザービームである。
【0023】
このように、第1、第2の励起光5C,6Cをレーザー結晶2の第1の端面に斜め入射させ、入射側と反対側の第2の端面に配置した折り返しミラー4で折り返し、2重光路(2重パス)で励起する。
【0024】
このように構成したので、斜め入射される第1,第2の励起光5C,6Cの吸収に必要とされるレーザーイオンの数が半分ですむため、レーザー発振の閾値が半分になり、従来よりも高効率動作が可能となる。
【0025】
その場合、結晶長が長く、結晶の厚みが非常に薄く、レーザーイオン濃度が薄い、ロッド(又はスラブ)型のレーザー利得モジュールとすると効果的である。
【0026】
また、レーザー結晶の冷却効率を上げるために、冷却方向の結晶の厚みを薄く、結晶の体積に対して冷却面積を広く、レーザーイオン濃度を薄くすることが望ましい。
【0027】
この第1参考例では、斜め励起を行うようにしたので、励起光の伝搬距離を増やすことができる。また、多重光路励起を行うようにしたので、更に、励起光の伝搬距離を増やすことができる。
【0028】
図2は本発明の第1実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0029】
この実施例では、非常に結晶の厚みが薄く、結晶長が長く、イオン濃度の薄い結晶を斜め入射多重光路励起を行う。
【0030】
この図において、11はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、12は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、13はヒートシンク、14は折り返しミラー、15は励起光装置であり、この励起光装置15は、レーザーダイオード(LD)15A、レンズ15B、励起光15Cからなる。また、16は放物面鏡(または球面鏡でもよい)、17は平面鏡、18はレーザービームである。
【0031】
そこで、励起光15Cを放物面鏡(または球面鏡)16で反射させてレーザー結晶12の第1の端面に集光して入射させ、入射側と反対側の第2の端面に配置した折り返しミラー14で折り返す。戻ってきた励起光15Cは、レーザー結晶12内側面での多重反射により大きく広がるため、これをまた放物面鏡16で平行光線にし、この平行光線を平面鏡17で折り返せば、多重光路(2重パス)を形成させることが可能になる。このとき、戻り光は大きく広がっているため、レーザーダイオード15Aへの戻り光は少ない。もし無視できないほど多いとしても、光アイソレータなどを用いれば問題はない。
【0032】
このように、この実施例によれば、励起光15Cの多重光路を形成することができるので、効率をさらに上げることができる。
【0033】
また、このように、斜め励起を行うことで、結晶中のイオン数を増やさずに励起光を効率よく吸収できるため、励起光の伝搬距離を増やすことができる。更に、多重光路励起を行うようにしたので、励起光の伝搬距離を増やすことができる。また、励起光を結晶に入射させた後、折り返しミラーに反射して戻ってきた励起光を結晶内側面で多重反射させるようにしたので、励起光の強度分布を均一化することができる。
【0034】
図3は本発明の第2実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0035】
この図において、21はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、22は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、23はヒートシンク、24は励起光装置であり、この励起光装置24は、レーザーダイオード(LD)24A、レンズ24B、励起光24Cからなる。また、25は第1の放物面鏡(または球面鏡でもよい)、26,28,29は平面鏡、27は第2の放物面鏡(または球面鏡でもよい)、30はレーザービームである。
【0036】
この実施例では、第1実施例(図2)の作用効果を奏するとともに、その第実施例に比べて、レーザー結晶22の入射側と反対側の端面の励起光の折り返しミラーが不要であるため、この利得モジュールを使ったレーザー発振器又は増幅器の設計に自由度が増え、様々な構成に利用できる。
【0037】
図4は本発明の第3実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0038】
この図において、31はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、32は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、33はヒートシンク、34は第1の励起光装置であり、この第1の励起光装置34はレーザーダイオード(LD)34A、レンズ34B、励起光34Cからなる。また、35は第1の放物面鏡(または球面鏡でもよい)、36,39は平面鏡、37は第2の励起光装置であり、この第2の励起光装置37はレーザーダイオード37A、レンズ37B、励起光37Cからなる。38は第2の放物面鏡(または球面鏡でもよい)、40はレーザービームである。
【0039】
このように第3実施例では、レーザー結晶32は両端面より励起される構成としたので、第2実施例(図3)の作用効果を奏するとともに、第2実施例をさらに発展させることができる。
【0040】
また、本発明の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールは、図5〜図7に示すように、光路の途中にレンズを組み込むように構成してもよい。
【0041】
図5は本発明の第2参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0042】
この図において、41はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、42は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、43はヒートシンク、44は折り返しミラー、45は励起光装置であり、この励起光装置45はレーザーダイオード(LD)45A、レンズ45B、励起光45Cからなる。また、46はレンズ、47はミラー又はルーフリフレクター、48はレーザービームである。
【0043】
図6は本発明の第3参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0044】
この図において、51はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、52は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、53はヒートシンク、54は励起光装置であり、この励起光装置54はレーザーダイオード(LD)54A、レンズ54B、励起光54Cからなる。また、55,57はレンズ、56,58はミラー又はルーフリフレクターである。
【0045】
図7は本発明の第4参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【0046】
この図において、61はレーザー結晶(Yb:YAG)装置、62は微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶、63はヒートシンク、64は第1の励起光装置であり、この第1の励起光装置64はレーザーダイオード(LD)64A、レンズ64B、励起光64Cからなる。また、65はレンズ、66はミラー又はルーフリフレクター、67は第2の励起光装置であり、この第2の励起光装置67はレーザーダイオード(LD)67A、レンズ67B、励起光67Cからなる。また、68はレンズ、69はミラー又はルーフリフレクター、70はレーザービームである。
【0047】
これらの方式は、ロッド型、スラブ型レーザー結晶の励起を中心に考えたものであるが、ディスク型レーザーの励起にも用いることが可能であり、汎用性が非常に高い。また、これらの方式は側面励起の場合にも応用することができる。
【0048】
従来の方式では、準4準位レーザーを側面励起する場合、レーザー結晶に励起光を効率よく吸収させるためにはイオン数を多くしなければならず、発振閾値が上がり効率が低下するため、パルス励起を行わなければ高効率動作は難しかった。しかしながら、本発明による多重パス励起を行えば、励起光を吸収させるのに必要なイオン数を劇的に減らし、発振閾値を下げることが可能であるため、1kWを超える高出力レーザー用の利得モジュールの高効率化も可能である。
【0049】
上記した本発明の実施例及び参考例では、励起光をレーザー結晶端面または内側面に集光し、レーザー結晶端面又は内側面から出てきた励起光をコリメートするために、レーザー結晶から焦点距離の位置に放物面鏡、球面鏡又はレンズを設置したが、その代わりに焦点距離の2倍の位置に放物面鏡、球面鏡又はレンズを設置すれば、その代用も可能である。
【0050】
また、レーザー結晶の構造としては、ロッド型、スラブ型、及びレーザーイオンを添加した結晶とレーザーイオンを添加しない結晶を組み合わせたコアドープ型の結晶でどれも適用可能である。一般に、コアドープ型の結晶を用いると、励起光とレーザー光のモードマッチング効率を上げる一方、励起光の吸収効率が悪くなるという問題点があるが、本発明のように多重パス励起にすることにより、励起光の吸収効率の低下を補うことができる。
【0051】
本発明によれば、高平均出力のナノ秒からフェムト秒域のパルスレーザーの性能や信頼性が従来に比べ非常に高くなるため、レーザーの低価格化がみ、高出力レーザーの産業応用が促進される。このため、レーザープロセシングやレーザー微細加工など、新しい製造技術を産業化し、これからの社会を支えるシーズ技術となる。
【0052】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0054】
(1)両端面励起により、非常に結晶の厚みが薄く、結晶長が長く、イオン濃度の薄い結晶を高密度に励起することができる。更には、結晶中のイオン数を増やさずに励起光を効率よく吸収させるために、斜め励起させるようにしたので、励起光の伝搬距離を増やすことができる。また、多重光路励起を行うようにしたので、更に、励起光の伝搬距離を増やすことができる。
【0055】
(2)多重反射励起により励起光強度分布の均一化を図ることができる。すなわち、一般に、固体レーザー励起用の高出力レーザーダイオードは出力レーザービームの強度分布が歪んでおり、そのまま集光して励起すると、励起光の強度分布も歪んでしまい、レーザーの効率やレーザー光のビーム品質を下げる。しかし、本発明によれば、励起光を結晶に入射させた後、結晶内側面で多重反射させることで、励起光の強度分布を均一にすることができる。
【0056】
(3)従来に比べ、低濃度で細長い結晶を用いるため、冷却効率に優れ、結晶の温度上昇による利得の低下が少ない。励起光の吸収長を非常に長く取れるため、励起効率が高い。また、利得長を長く取れるため利得が高く、レーザー共振器及び増幅器内部の損失が大きくとも効率的に動作させることが可能である。
【0057】
また、ファイバレーザーに比べ桁違いに断面積が大きいため、10mJを超す高いパルスエネルギーと10MW以上の高いピーク出力を得ることも可能であり、パルスレーザーの高平均出力化及び高エネルギー化が容易になる。
【0058】
(4)一般に、準4準位レーザーの場合、レーザー下準位の分布があるため、高効率動作のためには高密度励起が必要である。このため、レーザー結晶内部のレーザービームが通る断面積を小さくする必要があるため、1パルスあたりのエネルギーをあげることが困難である。これに対して、本発明の多重パス励起を用いれば、レーザー下準位損失を減らすことができる。このため、励起密度を下げても高効率動作が可能になり、レーザービームが通る断面積を大きくすることができ、1パルスあたりのエネルギーをあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図4】 本発明の第3実施例を示す端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図5】 本発明の第2参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図6】 本発明の第3参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図7】 本発明の第4参考例を示す光路の途中にレンズを組み込んだ端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図8】 従来の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールの構成図である。
【図9】 図5のA部拡大模式図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61 レーザー結晶(Yb:YAG)装置
2,12,22,32,42,52,62 微細ロッド形状の準4準位レーザー結晶
3,13,23,33,43,53,63 ヒートシンク
4,14,44 折り返しミラー
5,34,64 第1の励起光装置
5A 第1のレーザーダイオード(LD)
5B,6B,15B,24B,34B,37B,45B,46,54B,55,57,64B,65,67B,68 レンズ
5C 第1の励起光
6,37,67 第2の励起光装置
6A 第2のレーザーダイオード(LD)
6C 第2の励起光
7,18,30,40,48,59,70 レーザービーム
15,24,45,54 励起光装置
15A,24A,34A,37A,45A,54A,64A,67A レーザーダイオード(LD)
15C,24C,34C,37C,45C,54C,64C,67C 励起光
16 放物面鏡(または球面鏡でもよい)
17 平面鏡
25,35 第1の放物面鏡(または球面鏡でもよい)
26,28,29,36,39 平面鏡
27,38 第2の放物面鏡(または球面鏡でもよい)
47,56,58,66,69 ミラー又はルーフリフレクター

Claims (3)

  1. 微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の第1の端面に1個の励起光装置からの連続波である励起光を放物面鏡又は球面鏡を介して照射するとともに、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の第2の端面に折り返しミラーを配置し、該折り返しミラーより戻ってきた励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡又は球面鏡で平行光線にし、該平行光線を更に平面鏡で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュール。
  2. 請求項1記載の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールにおいて、前記折り返しミラーに代えて、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の第2の端面側にも放物面鏡又は球面鏡及び平面鏡を配置して、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶における励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の両内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡又は球面鏡で平行光線にし、該平行光線を平面鏡で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュール。
  3. 請求項1記載の端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュールにおいて、前記折り返しミラーに代えて、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の第2の端面側にも第2の励起光装置からの連続波である励起光を放物面鏡又は球面鏡及び平面鏡を介して照射する手段を配置して、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶における励起光を、前記微細なロッド形状の準4準位レーザー結晶の両内側面での多重反射により大きく広げて、前記放物面鏡又は球面鏡で平行光線にし、該平行光線を平面鏡で折り返し、多重光路を形成させることを特徴とする端面励起微細ロッド型レーザー利得モジュール。
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