JP3965851B2 - 生コンの搬送方法及びこの方法に用いられるホッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダムなどの構築現場における生コンの搬送方法及びこの方法に用いられるホッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
地形が狭隘であるなど、ダム構築現場近傍にコンクリート製造プラントが構築できない場合であって、コンクリート打設位置に直接ミキサー車が入れない場所に生コンを搬入するためには、一般道路又は工事用道路を通じてコンクリートミキサー車によりピストン輸送を行い、ダム構築場所近傍に形成された引込み道路から駐機場にミキサー車を導入し、生コンを直接コンクリートバケットに移送している。バケットに移し替えられた生コンは、ダムサイトに配置されたクレーンにより揚重され、コンクリート打設現場に移送、投入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の搬送方法においては、コンクリート打設現場への生コンの移送・投入効率が悪く、ダム構築作業の工期が遅れるといった課題がある。これに対し、複数(例えば2基)のコンクリートバケットを用意し、それぞれのコンクリートバケットにミキサー車が順に生コンを移し替えつつ、クレーンによりバケットを交互に打設現場に移送、投入する方法を採用している。
【0004】
しかしながら、このように二台のバケットを交互にクレーンで吊って移送する場合では、玉掛作業回数が増すことから、移送効率が減殺されるほか、玉掛作業に熟練した人員を配置しなければならないといった課題がある。
【0005】
本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、サイクルロスタイムを生ずることなく、外部から搬入された生コンを効率良く打設位置に搬送できるようにした生コンの搬送方法及びこの方法に用いられるホッパーを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明に係る生コンの搬送方法は、コンクリートミキサー車の駐機位置に上端が開口して生コンが投入される複数の並列配置されたホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンを前記コンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間に前記コンクリートバケットを往復移動させることを特徴とするものである(請求項1)。従って、本発明では、生コンをホッパー、移送車、バケットを通じて打設現場に搬送できるため、サイクルロスタイムを生ずることなく、作業能率が向上する。
【0007】
また、本発明に係る生コンの搬送方法は、コンクリートミキサー車の駐機位置に配置され、生コンが投入されるよう上部に設けられた生コンの受け口、及び、下部に設けられた開閉ゲートをそれぞれ備えた複数の分割ホッパーに仕切る仕切りを具備したホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンを前記コンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間に前記コンクリートバケットを往復移動させることを特徴としている(請求項2)。
【0008】
また、本発明に係るホッパーは、コンクリートミキサー車の駐機位置に上端が開口して配置され生コンが投入されるホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンをコンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間にバケットを往復移動させる生コンの搬送方法に用いられ、上部に設けられた生コンの受け口、及び、下部に設けられた開閉ゲートをそれぞれ備えた複数の分割ホッパーに仕切る仕切りを具備してなることを特徴としている(請求項3)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明方法によるシステムの全体構成を示すものである。同図において、1は一般道路からの引込み線上から延長して仮設された駐機場所、2は駐機場所1の先端に連続して上部開口された状態に配置されたサージングホッパー、3は駐機場所1の下部にあって、ホッパー2の下部供給口とコンクリートバケット4の待機位置とを結ぶ下部側道路であり、その延長上にダム5が構築されている。
【0010】
そして、駐機場所にはコンクリートミキサー車6が導入され、ホッパー2に順次搭載した生コンを投入する。またホッパー2の下部供給位置と待機位置との間をコンクリート移送車7が往復し、順次バケット4にコンクリートを受渡す。さらに、ダム5の近傍にはクローラクレーン8が仮固定され、待機位置に位置するバケット4を吊上げて、ダム5の背面のコンクリート打設位置に受渡す作業を行っている。
【0011】
図2〜図4はホッパー2の部分を拡大して示す平面図、側面図並びに正面図である。図において、駐機場所1は、先端に車止1aが設置されたもので、複数(本実施形態では二台)のミキサー車6が並列駐車出来る二車線分のスペースとなっており、誘導係などの誘導によって、その後部をホッパー2の上部開口位置近傍に向けて停車する。
【0012】
ホッパー2は駐機場所1に連続して組立てられた枠組中に固定されたものであって、その上部開口が共通で、内部で中央の仕切り2aにより並列に分岐された一対の分割ホッパー20,21を有するもので、各分割ホッパー20,21の容量は、例えば左右のミキサー車6の一台の容量に設定され、それぞれの下部にゲート20a,21aを備える。左右のミキサー車1が、仕切り2aで振り分けられたそれぞれの分割ホッパー20,21の内部に生コンを投入すると、生コンはそれぞれの分割ホッパー20,21に一時貯留される。
【0013】
移送車7はダンプトラックに傾斜容器状の生コン収納容器7aを搭載したもので、例えば、容器7aの容量はミキサー車6の搭載用量の二倍に設定され、車体もそれに相当した大きさに設定されている。また、バケット4の搭載容量も同様である。従って、二台のミキサー車6によりホッパー2内に受渡されたコンクリートはそれぞれのゲート20a,21aの開放により、収納容器7a内に移し替えされ、この状態で移送車7は道路3上を移動して、待機位置に設置されたバケット4に移し替えられる。移し替え後、玉掛け作業を要することなく、クレーン8により打設位置まで移送され、空になったバケット4は再び待機位置に戻される。
【0014】
以後同様のサイクルで順次搬送作業が繰返されることにより、一作業サイクル毎に同時にミキサー車複数台(本実施形態では二台)分の容量の生コンが打設現場に輸送されることになるので、玉掛け作業が不要となることと相俟って、コンクリートの搬送効率が向上する。
【0015】
なお、以上の実施形態では、サージングホッパ内を二分割し、それぞれの容量をミキサー車一台分としたが、一台一台のホッパをそれぞれミキサー車の受入れ容量分とし、それを二列以上平行に配列することでも良い。
【0016】
また、上記実施形態のホッパー2は、ダム5の構築現場における生コンの搬送方法に用いられるものであったが、これに限定されず、ダム以外の構築現場において生コンの搬送に用いられるものであってもよいことは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による生コンの搬送方法及びこの方法に用いられるホッパーにあっては、十分な量の生コンをサイクルロスタイムを生ずることなく、外部供給位置から打設現場まで効率良く搬送することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用した搬送システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】サージングホッパー近傍の平面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】同正面図である。
【符号の説明】
1 駐機場所
2 ホッパー
4 バケット
5 ダム
6 コンクリートミキサー車
7 生コン移送車
8 クローラクレーン
20,21 分割ホッパー
Claims (3)
- コンクリートミキサー車の駐機位置に上端が開口して生コンが投入される複数の並列配置されたホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンを前記コンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間に前記コンクリートバケットを往復移動させることを特徴とする生コンの搬送方法。
- コンクリートミキサー車の駐機位置に配置され、生コンが投入されるよう上部に設けられた生コンの受け口、及び、下部に設けられた開閉ゲートをそれぞれ備えた複数の分割ホッパーに仕切る仕切りを具備したホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンを前記コンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間に前記コンクリートバケットを往復移動させることを特徴とする生コンの搬送方法。
- コンクリートミキサー車の駐機位置に上端が開口して配置され、生コンが投入されるホッパーの下部と、コンクリートバケットのクレーン吊り上げ待機位置との間を、前記ホッパーから受渡された生コンをコンクリートバケットに移し替える生コン移送車が往復し、クレーンにより前記吊り上げ待機位置とコンクリート打設位置間にバケットを往復移動させる生コンの搬送方法に用いられ、上部に設けられた生コンの受け口、及び、下部に設けられた開閉ゲートをそれぞれ備えた複数の分割ホッパーに仕切る仕切りを具備してなることを特徴とするホッパー。
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- 1999-12-24 JP JP36727799A patent/JP3965851B2/ja not_active Expired - Fee Related
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