JP3965272B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マトリクス表示方式のプラズマディスプレイパネルに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、大型でかつ薄型のカラー画面表示装置として、マトリクス表示方式のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)が注目を集めている。
【0003】
このようなマトリクス表示方式のディスプレイパネルとしては、AC型のPDPが知られている。
【0004】
このAC型のPDPは、前面基板の内面にそれぞれ一表示ラインを構成するように形成された複数の行電極対と、前面基板と放電空間を介して対向する背面基板の内面に形成されて行電極対と直交する方向に配列された複数の列電極とを備えており、行電極対と列電極との各交差点において、互いにマトリクス状に配列された放電セルが形成される構造になっている。
【0005】
そして、これらの行電極対と列電極が放電空間に対して誘電体層によって被覆され、また、背面基盤の内面の列電極上に蛍光体層が形成されている。
【0006】
このようなPDPにおいて中間調を表示させるための方法として、従来、1フィールドの表示期間をNビットの表示データの各ビット桁の重み付けに対応した回数だけ発光するN個のサブフィールドに分割する、いわゆる、サブフイールド法が知られている。
【0007】
このサブフイールド法において、各サブフィールドは、図12に示されるように、それぞれ、一斉リセット期間Rcとアドレス期間Wc,維持放電期間Icによって構成されている。
【0008】
先ず、一斉リセット期間Rcでは、互いに対をなす行電極X1-nとY1-n間にリセットパルスRPx,RPyが一斉に印加されることによって、全ての放電セルにおいて一斉に放電が行われ、これによって、一旦、各放電セル内に所定量の壁電荷が形成される。
【0009】
次のアドレス期間Wcでは、行電極対の一方の行電極Y1-nに、順次、走査パルスSPが印加されるとともに、列電極D1-mに、各表示ライン毎に表示データに対応した表示データパルスDP1-nが印加されて、選択放電(選択消去放電)が生起される。
【0010】
このとき、各放電セルは、表示データに対応して、消去放電が発生せずに壁電荷が形成されたままの発光セルと、消去放電が発生して壁電荷が消滅した非発光セルとに分けられる。
【0011】
次の維持発光期間Icでは、互いに対をなす行電極X1-nとY1-n間に維持パルスIPx,IPyが各サブフィールドの重み付けに対応した数だけ印加され、これによって、壁電荷が残留したままの発光セルのみが、印加される維持パルスIPx,IPyの数に対応した数だけ維持放電を繰り返す。
【0012】
そして、前面基板と背面基板の間の放電空間内には、キセノンXeを5体積パーセントだけ含むNe−Xeガスが封入されており、維持放電によってキセノンXeから波長147nmの真空紫外線が放射される。
【0013】
PDPにおける画像表示は、この真空紫外線により背面基板上に形成された蛍光体層が励起されて可視光が発生されることによって行われる。
【0014】
ここで、上記のようなPDPは、サブフイールド法の一斉リセット期間Rcにおけるリセット放電によって全ての放電セルの放電空間内にプライミング粒子(荷電粒子)が形成されるが、このプライミング粒子は時間の経過とともに減少してゆくために、一斉リセットが動作された後、次の選択動作が行われる(走査パルスSPが印加される)までの時間間隔が長くなってしまう表示ライン(例えば、最終走査ラインとなるn行目の表示ライン)ほどプライミング粒子が少なくなってしまう。
【0015】
このため、このようなプライミング粒子が少ない放電セルにおいては、放電遅れ時間が増大したり、また、放電遅れ時間のばらつきが増大したりするために、アドレス期間Wcにおける選択放電動作が不安定になって誤放電が生じ易くなり、このために、表示される画像の品質が悪化するという問題がある。
【0016】
この発明は、上記のような従来のプラズマディスプレイパネルにおける問題点を解決するために為されたものである。
すなわち、この発明は、誤放電を防止して表示する画像の品質を向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、上記目的を達成するために、放電空間を挟んで前面基板と背面基板が対向され、前面基板に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられているとともにこの前面基板の放電空間に面する側に保護誘電体層が形成されており、背面基板に列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記前面基板と背面基板との間に放電空間を単位発光領域毎に仕切る隔壁が配置され、前記保護誘電体層と隔壁の保護誘電体層に対向する部分との間の単位発光領域に面する位置のみに、所要の波長を有する紫外線によって励起されて紫外線を0.1msec以上放射し続ける残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成された紫外域発光層が配置されていることを特徴としている。
【0018】
この第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、一斉リセット期間に、互いに対をなす行電極間にリセットパルスが一斉に印加されることによって全ての単位発光領域において一斉に放電が行われて、各単位発光領域内に所定量の壁電荷が形成される。
【0019】
次のアドレス期間に、行電極対の一方の行電極に順次走査パルスが印加されるとともに、列電極に各表示ライン毎に表示データに対応した表示データパルスが印加されて、選択放電が生起される。
【0020】
このとき、各放電セルは、表示データに対応して、消去放電が発生せずに壁電荷が形成されたままの発光セルと、消去放電が発生して壁電荷が消滅した非発光セルとに分けられる。
【0021】
次の維持発光期間に、互いに対をなす行電極間に維持パルスが印加されて壁電荷が残留したままの発光セルのみが維持放電を行うことにより、画像の形成が行われる。
そして、この画像形成時のリセット放電の際に、放電空間に封入された放電ガスから放射される紫外線により紫外域発光層が励起されて、紫外線が放射される。
【0022】
この紫外域発光層は、この紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体の残光特性によって紫外線を0.1msec以上放射し続け、この紫外線によって保護誘電体層から2次電子が放出されることによって、次のアドレス期間中、発光セルの放電空間内にプライミング粒子が再生成されて、各発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0023】
以上のように、上記第1の発明によれば、発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制されることによって、一斉リセット期間が終了した後、次のアドレス期間において走査パルスが印加されるまでの時間間隔が長くなってしまう表示ラインにおいても、放電遅れ時間が増大するのを抑制することが出来、さらに、放電遅れ時間にばらつきが生じるのを抑制することが出来るので、走査パルスや表示データパルスのパルス幅が狭くなっても、アドレス期間における選択放電動作が不安定になって誤放電が発生するのを防止して、高品質な画像の形成を行うことが出来るようになる。
【0024】
第2の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体が、msec以上の残光特性を有する発光材料であることを特徴としており、これによって、一斉リセット期間の終了後、次のアドレス期間中、プライミング粒子を再生成して、各発光セルにおけるプライミング粒子量の減少を抑制することが出来る。
【0025】
第3の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記紫外域発光層が、前記行電極対と対向する位置において行方向に延びるように形成されて、列方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされていることを特徴としており、これによって、紫外域発光層からこの紫外域発光層が列方向において隣接する発光セルである単位発光領域内に紫外線が放射され、この紫外線により保護誘電体層から放出される2次電子によって、発光セル内にプライミング粒子が再生成されて、この発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0026】
第4の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記紫外域発光層が、行方向において隣接する単位発光領域の間の位置に列方向に延びるように形成されて、行方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされていることを特徴としており、これによって、紫外域発光層からこの紫外域発光層が行方向において隣接する発光セルである単位発光領域内に紫外線が放射され、この紫外線により保護誘電体層から放出される2次電子によって、発光セル内にプライミング粒子が再生成されて、この発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0027】
第5の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記前面基板の行方向または列方向において隣接する単位発光領域の間の非発光領域に対向する部分であって前記紫外域発光層に対して背面基板と反対側位置に光吸収層が形成されていることを特徴としており、これによって、前面基板を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0028】
第6の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記隔壁が行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部を備え、前記紫外域発光層が保護誘電体層と隔壁の横壁部との間に形成されていることを特徴としており、これによって、紫外域発光層からこの紫外域発光層が列方向において隣接する発光セルである隔壁によって仕切られた単位発光領域内に紫外線が放射され、この紫外線により保護誘電体層から放出される2次電子によって、発光セル内にプライミング粒子が再生成されて、この発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0029】
第7の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記隔壁が行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部を備え、前記紫外域発光層が保護誘電体層と隔壁の縦壁部との間に形成されていることを特徴としており、これによって、紫外域発光層からこの紫外域発光層が行方向において隣接する発光セルである隔壁によって仕切られた単位発光領域内に紫外線が放射され、この紫外線により保護誘電体層から放出される2次電子によって、発光セル内にプライミング粒子が再生成されて、この発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0032】
図1ないし6は、この発明によるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の実施形態の第1の例を示すものであって、図1はこの第1の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図2は図1のV1−V1線における断面図、図3は図1のV2−V2線における断面図、図4は図1のW1−W1線における断面図、図5は図1のW2−W2線における断面図、図6は図1のW3−W3線における断面図である。
【0033】
この図1ないし6に示されるPDPは、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図1の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0034】
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0035】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0036】
この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図1の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0037】
バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
【0038】
前面ガラス基板10の背面には、列方向において隣接する行電極対(X,Y)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極XbとYbの間に、このバス電極Xb,Ybに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されており、さらに、隔壁35の縦壁35aに対向する部分に、光吸収層(遮光層)31が形成されている。
【0039】
前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、この誘電体層11の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の隣り合うバス電極XbおよびYbと対向する位置および隣り合うバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域と対向する位置に、誘電体層11の背面側に突出する嵩上げ誘電体層11Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0040】
そして、この誘電体層11と嵩上げ誘電体層11Aの背面側には、MgOからなる保護層(保護誘電体層)12が形成されている。
【0041】
一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0042】
背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に、隔壁35が形成されている。
【0043】
隔壁35は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁35aと、嵩上げ誘電体層11Aに対向する位置において行方向に延びる横壁35bとによって梯子状に形成されている。
【0044】
そして、この梯子状の隔壁35によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
【0045】
隔壁35の縦壁35aの表示側の面は保護層12に当接されておらず(図3および4参照)、その間に隙間rが形成されており、また、横壁35bの表示側の面も、保護層12の嵩上げ誘電体層11Aを被覆している部分に直接当接されていない(図2,3および5参照)。
【0046】
放電空間Sに面する隔壁35の縦壁35aおよび横壁35bの側面と誘電体層14の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層16が、それぞれ順に形成されている。
【0047】
この蛍光体層16の色は、各放電空間S毎にR,G,Bの色が行方向に順に並ぶように設定されている(図4参照)。
そして、放電空間S内には、キセノンXeを含む放電ガスが封入されている。
【0048】
この放電空間Sを区画する梯子状の各隔壁35の横壁35bは、表示ライン間の光吸収層30と重なる位置に設けられた隙間SLによって、列方向において隣接する他の隔壁35の横壁35bと離間されている。
【0049】
すなわち、それぞれ梯子状に形成された隔壁35は、表示ライン(行)L方向に沿って延び、表示ラインLに沿って延びる隙間SLを介して互いに平行になるように列方向に配列されている。
【0050】
各横壁35bの幅は、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように設定されている。
【0051】
このPDPには、さらに、図2および3,6に示されるように、保護層12の背面側で各隔壁35の横壁35bの表示側の面と対向する部分に、紫外域発光層17が形成されており、この紫外域発光層17が横壁35bの表示側の面に当接されることによって、各放電空間Sと隙間SLとの間が遮蔽されている。
【0052】
なお、この紫外域発光層17は、隔壁35の横壁35bの表示側の面上に形成するようにしても良い。
【0053】
この紫外域発光層17は、放電によって放電空間S内に封入された放電ガスに含まれるキセノンXeから放射される波長147nmの真空紫外線に励起されることにより、0.1msec以上、好ましくは、1msec以上(すなわち、アドレス期間Wcの時間長程度)の紫外線を放射し続けるような残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成されている。
【0054】
このような残光特性を有する紫外域発光蛍光体としては、例えば、BaSi25:Pb2+(発光波長:350nm)やSrB47F:Eu2+(発光波長:360nm),(Ba,Mg,Zn)3Si27:Pb2 (発光波長:295nm),YF3:Gd,Prなどが挙げられる。
【0055】
上記のPDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、梯子状の隔壁35によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
【0056】
このPDPにおける画像表示は、図12において説明したのと同様に、サブフイールド法によって行われる。
【0057】
すなわち、一斉リセットの後、アドレス操作によって、各放電セルCにおいて行電極対(X,Y)と列電極Dとの間で選択的に放電が行われ、全表示ラインLに発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成された放電セルC)と非発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成されなかった放電セルC)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
【0058】
このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X,Y)に対して交互に放電維持パルスが、各サブフィールドの重み付けに対応した数だけ印加され、この放電維持パルスが印加される毎に各発光セルにおいて面放電が生起されて紫外線が発生され、この紫外線によって放電空間S内のR,G,Bの各蛍光体層16がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
【0059】
以上のようにしてPDPにおける画像の形成が行われるが、この画像形成時のリセット放電の際に、放電ガス中のキセノンXeから放射される波長147nmの真空紫外線によって、保護層12の背面側に形成された紫外域発光層(紫外域発光蛍光体層)17が励起されて、紫外線が放射される。
【0060】
この紫外域発光層17から放射される紫外線は、保護層(MgO層)12から2次電子を放出させて、1サブフィールドにおけるアドレス期間Wc(図12参照)の間、プライミング粒子を放電セルCの放電空間内に再生成し続けるため、各発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0061】
したがって、この発光セルにおけるプライミング粒子量の減少の抑制によって、一斉リセット期間Rcが終了した後、次のアドレス期間Wcにおいて走査パルスSPが印加されるまでの時間間隔が長くなってしまう表示ライン(図12参照)においても、放電遅れ時間が増大するのが抑制され、さらに、放電遅れ時間にばらつきが生じるのも抑制されるために、走査パルスや表示データパルスのパルス幅が狭くなっても、アドレス期間Wcにおける選択放電動作が不安定になって誤放電が発生するのが防止され、これによって、高品質な画像の形成を行うことが出来るようになる。
【0062】
図7の(A)は、上記PDPにおける放電遅れ時間と放電発光のばらつきをオシログラフによって測定した結果を示すグラフであって、Fが放電発光を示し、Tlが放電遅れ時間を、また、Fuが放電発光のばらつきをそれぞれ示している。
【0063】
この図7の(A)のグラフを、紫外域発光層17が設けられていない場合の放電遅れ時間Tl’と放電発光のばらつきFu’を示す(B)のグラフと比較すると、放電遅れ時間および放電発光のばらつきがともに減少していることが分かる。
【0064】
なお、上記PDPは、列方向において互いに隣接している隔壁35の横壁35bが行方向に延びる隙間SLによって互いに離間されているとともに、この横壁35bの幅がそれぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように設定されていることによって、隔壁35の焼成時に、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13に反りが発生したり、また、隔壁35の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0065】
さらに、上記PDPは、前面ガラス基板10の背面の放電空間Sに対向する部分以外の部分が、光吸収層30,31および二層構造に形成されたバス電極Xb,Ybの黒色導電層Xb’,Yb’によってカバーされていることにより、前面ガラス基板10を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0066】
なお、この例において、光吸収層30と31のうち何れか一方のみを形成するようにしてもよい。
また、前面ガラス基板10の背面に、対向する放電空間S内の蛍光体層16の色(R,G,B)に対応する色のカラーフィルタ層(図示せず)を、各放電セルC毎に形成することも出来る。
【0067】
この場合、光吸収層30,31は、各放電空間Sに対向するように島状に形成されたカラーフィルタ層の間隙またはこの間隙に対応する位置に形成される。
【0068】
上記の例においては、紫外域発光層17が保護層12の背面側の面と隔壁35の横壁35bの表示側の面との間にのみ配置されているが、図8に示されるように、紫外域発光層17を、隔壁35の縦壁35aの表示側の面上に形成したり、また、この縦壁35aに対向する保護層12の背面側に形成して、縦壁35aと保護層12との間の各放電セルCの放電空間内に臨まされる位置に配置するようにしても良い。
【0069】
これによって、放電セルCの放電空間に接している紫外域発光層17’の面積が増加して、1サブフィールドのアドレス期間Wcにおけるプライミング粒子量の減少がさらに抑制される。
【0071】
図9ないし11は、この発明によるPDPの実施形態の第2の例を示すものであって、図9はこの第2の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図10は図9のV3−V3線における断面図、図11は図9のW4−W4線における断面図である。
【0072】
この図9ないし11に示されるPDPは、上記第1の例の隔壁が縦壁と横壁よによって放電セルの四方を囲んで区画する構成になっていたのに対し、この例におけるPDPは、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13との間の放電空間Sが、列方向に延びるストライプ状の隔壁45によって区画されるものである。
【0073】
このPDPの他の構成は、行電極X1,Y1の透明電極X1a,Y1aの形状および誘電体層11に嵩上げ誘電体層が形成されていない他は、第1の例のPDPと同様であり、行電極X1,Y1のバス電極X1b,Y1bが、それぞれ、表示面側の黒色導電層X1b’,Y1b’と背面側の主導電層X1b”,Y1b”の二層構造に形成されているとともに、前面ガラス基板10の背面に、列方向において隣接する行電極対(X1,Y1)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極X1bとY1bの間に、このバス電極X1b,Y1bに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されている。
【0074】
そして、誘電体層11の背面側の互いに背中合わせになったバス電極X1bとY1bおよびこのバス電極X1bとY1bの間に形成された光吸収層30に対向する部分に、紫外域発光層27が、行方向に沿って延びるとともに放電空間S’に臨まされるように形成されている。
【0075】
この例においても、第1の例の場合と同様に、画像形成時のリセット放電の際に、放電ガス中のキセノンXeから放射される真空紫外線によって、保護層12’の背面側に形成された紫外域発光層27が励起されて、紫外線を放射する。
【0076】
そして、この紫外線が、1サブフィールドにおけるアドレス期間の間、プライミング粒子を発光セルの放電空間内に再生成し続けることによって、各発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制され、これによって、次のアドレス期間における放電遅れ時間が増大するのが抑制され、さらに、放電遅れ時間にばらつきが生じるのも抑制される。
【0077】
なお、この例におけるPDPは、列方向においては、各放電セルC’を区画する隔壁が存在しないが、行電極X1,Y1のそれぞれの透明電極X1a,Y1aがバス電極X1b,Y1bから列方向に突出して互いに対向するように形成されているので、列方向において隣接する放電セルC’間における放電の干渉が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の例を模式的に表す平面図である。
【図2】図1のV1−V1線における断面図である。
【図3】図1のV2−V2線における断面図である。
【図4】図1のW1−W1線における断面図である。
【図5】図1のW2−W2線における断面図である。
【図6】図1のW3−W3線における断面図である。
【図7】同例において、放電遅れ時間と放電遅れ時間のばらつきとを示すグラフである。
【図8】紫外域発光層の他の例を示す平面図である。
【図9】この発明の第2の例を模式的に表す平面図である。
【図10】図9のV3−V3線における断面図である。
【図11】図9のW4−W4線における断面図である。
【図12】プラズマディスプレイパネルにおけるサブフィールド法を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 …前面ガラス基板(前面基板)
11 …誘電体層
11A …嵩上げ誘電体層
12 …保護層(保護誘電体層)
13 …背面ガラス基板(背面基板)
14 …誘電体層
16 …蛍光体層
17,17’,27…紫外域発光層
30 …光吸収層
31 …光吸収層
35 …隔壁
35a …縦壁(縦壁部)
35b …横壁(横壁部)
45 …隔壁
X,X1 …行電極
Y,Y1 …行電極
Xa,X1a …透明電極
Ya,Y1a …透明電極
Xb,X1b …バス電極(本体部)
Yb,Y1b …バス電極(本体部)
Xb’,Yb’ …黒色層(光吸収層)
Xb”,Yb” …白色層(光反射層)
D …列電極
S,S’ …放電空間
SL …隙間
C,C’ …放電セル(単位発光領域)
L …表示ライン
g …ギャップ
r …隙間
Tl …放電遅れ時間
F …放電発光
Fu …放電発光のばらつき

Claims (7)

  1. 放電空間を挟んで前面基板と背面基板が対向され、前面基板に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられているとともにこの前面基板の放電空間に面する側に保護誘電体層が形成されており、背面基板に列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられているプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記前面基板と背面基板との間に放電空間を単位発光領域毎に仕切る隔壁が配置され、
    前記保護誘電体層と隔壁の保護誘電体層に対向する部分との間の単位発光領域に面する位置のみに、所要の波長を有する紫外線によって励起されて紫外線を0.1msec以上放射し続ける残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成された紫外域発光層が配置されている、
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体が、1msec以上の残光特性を有する発光材料である請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記紫外域発光層が、前記行電極対と対向する位置において行方向に延びるように形成されて、列方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記紫外域発光層が、行方向において隣接する単位発光領域の間の位置に列方向に延びるように形成されて、行方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記前面基板の行方向または列方向において隣接する単位発光領域の間の非発光領域に対向する部分であって前記紫外域発光層に対して背面基板と反対側位置に光吸収層が形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記隔壁が行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部を備え、前記紫外域発光層が保護誘電体層と隔壁の横壁部との間に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記隔壁が行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部を備え、前記紫外域発光層が保護誘電体層と隔壁の縦壁部との間に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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