JP3965230B2 - シャシーフレーム用サイドメンバーおよびその製造方法 - Google Patents

シャシーフレーム用サイドメンバーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に用いられるシャシーフレーム用サイドメンバーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14に示すように、RVやトラック等の自動車に用いられるシャシーフレームaは、車幅方向に所定間隔を隔てて配置された一対のサイドメンバーb、bと、それらサイドメンバーb、bの間に掛け渡されたクロスメンバーcとから構成されている。上記サイドメンバーbは、図15に示すように、断面コ字状に形成された外側片dとそれより一回り小さな断面コ字状の内側片eとを対向させて係合させ、それらを溶接部fで接合して構成されている。
【0003】
従来、上記外側片dは、最も強度が必要な部位に応じた肉厚のシート材をプレス加工することにより、図14に示すように車体の前後方向に一体的に形成され、他方、上記内側片eは、各部位の必要強度に応じた肉厚のシート材をそれぞれプレス加工することにより、車体の前後方向に3分割されていた。すなわち、従来のサイドメンバーbは、厚さ一定の一体物の外側部材dに厚さの異なる3個の内側部材eを溶接して構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、車両の衝突安全性が問題となっているが、これを踏まえて、上述のように外側片dを一体物とすると共に内側片eを3分割とし、外側片dの板厚を最も強度が必要な部位に合わせて設定すると、たとえ各内側片e、e、eの板厚をそれぞれ異ならせても、強度が不要な部位の外側片dの板厚が過剰に厚くなり、所謂オーバクォリティとなることがある。そこで、長手方向の部位に応じた最適な板厚分布を実現できるサイドメンバーの開発が望まれていた。
【0005】
また、外側片dを車体の前後方向に一体物のプレス品とするには、大型のプレス加工機が必要となるため、不経済である。また、左右1個ずつの外側片dと、左右3個ずつの内側片e、e、eとを、それぞれ異なった形状にプレス加工しなければならないため、金型の数が増えて高コスト化の原因となっていた。そこで、製造に際して、小型のプレス加工機で成形でき、金型の数も少なくなるサイドメンバーの開発が望まれていた。
【0006】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、長手方向の部位に応じた最適な板厚分布を実現でき安全性が向上するのみならず、小型のプレス加工機で成形できる上に金型の数も少なくて済み低コスト化をも推進できるシャシーフレーム用サイドメンバーおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るシャシーフレーム用サイドメンバーは、車体の前後方向に伸びるサイドメンバーを屈曲部と直線部とに分割し、それら分割された各メンバー片を直列に接続してなり、上記メンバー片が、断面重心に対して点対称な中空部材をその断面重心を通る直線で2分割した形状の2個の分割片を有し、それら分割片を閉断面構造となるように対向させて溶接してなるシャシーフレーム用サイドメンバーであって、上記メンバー片のうちの一のメンバー片が、一方の分割片の端部に外側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、これに隣接する他のメンバー片が、一方の分割片の端部に内側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入してその周囲を溶接してなるものである。
【0008】
本発明によれば、各メンバー片の板厚を異ならせることにより、長手方向の部位に応じた最適な板厚分布を実現できる。よって、安全性が向上する。また、各メンバー片を屈曲部と直線部としたので、少なくとも直線部をサイドメンバーの左右で共用でき、金型の数が減る。また、各メンバー片の長さが短くなるので小型のプレス加工機を用いることができる。よって、低コスト化を推進できる。
【0009】
また、上記メンバー片が、断面重心に対して点対称な中空部材をその断面重心を通る直線で2分割した形状の2個の分割片を有し、それら分割片を閉断面構造となるように対向させて溶接してなるものとしたので、メンバー片を構成する2個の分割片の断面形状が同一となるため、それをプレス成形するための金型の共用化が図れ、さらに低コスト化を推進できる。
【0010】
また、上記メンバー片のうちの一のメンバー片が、一方の分割片の端部に外側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、これに隣接する他のメンバー片が、一方の分割片の端部に内側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入してその周囲を溶接してサイドメンバーを構成するようにしたので、一のメンバー片の内面およびこれに挿入される他のメンバー片の外面にはジョグルが突出しないため、挿入することによりそれらが密着して接続強度が向上する。
【0011】
また、上記一のメンバー片を構成する一方の分割片と他方の分割片との長手方向の端部を段違いとし、上記他のメンバー片を構成する一方の分割片と他方の分割片との長手方向の端部を逆段違いとし、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を段違いとしてもよい。こうすれば、溶接線が車体の前後方向に段違いにズレるので、応力の集中が分散されて接続強度が高まる。
また、上記一のメンバー片の長手方向の端部に切込部を形成し、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を上記一のメンバー片の切込部に沿って形成してもよい。こうすれば、溶接長が長くなるので接続強度が高まる。
また、上記一のメンバー片の長手方向の端部を斜めに形成し、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を上記一のメンバー片の長手方向の端部に沿って形成してもよい。こうすれば、溶接長が長くなるので接続強度が高まる。
【0012】
また、車高方向に屈曲した中空部材をその断面重心を通る直線で長手方向に沿って2分割した形状の分割片を2個用意し、それら分割片を閉断面構造となるように対向させて溶接して車高方向に屈曲した中間体を製作し、その中間体を車幅方向に屈曲させてメンバー片とし、そのメンバー片をサイドメンバーの一部として組み込むようにしてもよい。
【0013】
このように、車高方向および車幅方向に屈曲したメンバー片を製造する際に、まず車高方向のみに屈曲した中間体をプレス加工により製作し、これを車幅方向に後曲げすることにより、中間体を構成する各分割片の形状がサイドメンバーの左右で同一となるため、プレス加工の金型の共通化を図ることができ、低コスト化を推進できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、この自動車用のシャシーフレーム1は、車幅方向に所定間隔を隔てて配置され車体の前後方向に伸びる一対のサイドメンバー2、2と、それらサイドメンバー2、2の間に掛け渡されたクロスメンバー3とから構成されている。
【0016】
サイドメンバー2は、図2にも示すように、フロント部メンバー片2aと、センター部メンバー片2bと、リヤー部メンバー片2cと、エンド部メンバー片2dとに分割され、それら各メンバー片2a、2b、2c、2dを直列に接続して構成されている。フロント部メンバー片2aは、車高方向の屈曲K(以下キックアップという)と車幅方向に屈曲O(以下オフセットという)とを有しており、特許請求の範囲の請求項1の屈曲部に相当する。リヤー部メンバー片2cは、キックアップのみを有し、同様に屈曲部に相当する。センター部メンバー片2bおよびエンド部メンバー片2dは、ともに直柱状に形成されており、特許請求の範囲の請求項1の直線部に相当する。
【0017】
このように、サイドメンバー2を長手方向に4分割したので、各メンバー片2a、2b、2c、2dの板厚を異ならせることにより、長手方向の部位に応じた最適な板厚分布を実現できる。すなわち、フロント部メンバー片2aにはその前端部4にてエネルギ吸収し立上部5にて座屈をコントロールする前面衝突性能が要求され、センター部メンバー片2bにはフロントアクスル6からの入力とリヤアクスル7からの入力とによる曲げモーメントが加わるため曲げ剛性が要求され、リヤー部メンバー片2cには立上部8、9にて座屈をコントロールする後面衝突性能が要求され、エンド部メンバー片2dには、車種ごとに異なる荷台長が要求されるが、これらの要求に合わせた最適な板厚をそれぞれのメンバー片2a、2b、2c、2dに応じて選択できる。
【0018】
また、サイドメンバー2を屈曲部(メンバー片2a、2c)と直線部(メンバー片2b、2d)とに別けて分割したので、例えばメンバー片2a、2b、2c、2dの断面形状を図15に示すように断面コ字状に形成された外側片dとそれより一回り小さな断面コ字状の内側片eとを対向させて溶接した構造とした場合であっても、少なくとも直線部(メンバー片2b、2d)における外側片dと内側片eとをサイドメンバー2,2の左右で共用でき、それをプレス加工する金型の数が減る。よって、低コスト化を推進できる。また、各メンバー片2a、2b、2c、2dの長さは、サイドメンバー2を長手方向に4分割しているため、図14に示すようにサイドメンバーbの全長に亘って一体物の外側片dをプレスしていた従来と比べ大幅に短くなり、小型のプレス加工機を用いて成形できる。よって、この点からも経済的といえる。
【0019】
本実施形態においては、上記各メンバー片2a、2b、2c、2dは、図3に示すように、断面重心10に対して点対称な略四角筒状の中空部材をその断面重心10を通る直線11で2分割した形状の2個の分割片12、12を有し、それら分割片12、12を閉断面構造となるように対向させて溶接して構成されている。図中13は溶接部である。これによれば、各分割片12、12の断面形状が同一となる。各分割片12、12は、ウェブ部14とフランジ部15、15とからコ字断面状に形成されており、平面状のシート材をプレス加工して成形される。各分割片12の一方のフランジ部15には、閉断面構造の外側へ向けてジョグル16が形成されている。ジョグル16には、別の分割片1のフランジ部15が係合され、双方の分割片12、12のフランジ部15、15が面一となっている。なお、上記ジョグル16は、閉断面構造の内側へ向けて形成してもよく(図9(b) 参照)、分割片1の両方のフランジ部15、15に形成してもよい。
【0020】
図4は、センター部メンバー片2bの斜視図である。図示するように、センター部メンバー片2bは、直柱状に形成されているため、左右のサイドメンバー2、2において、分割片12bの形状が全て同一となる。よって、左右のセンター部メンバー片2b、2bを製作する際には、1種類の分割片12bのみをプレス加工によって製造し、それを組み合わせればよく、部品の共用化すなわち金型の共通化が図れるため、低コスト化を推進できる。また、センター部メンバー片2bの長さは、サイドメンバー2を4分割しているため、図14に示すようにサイドメンバーbの全長に亘って一体物の外側片dをプレスしていた従来と比べ大幅に短くなり、小型のプレス加工機を用いることができる。以上のことは、同じく直柱状のエンド部メンバー片2dについても同様にいえる。
【0021】
また、センター部メンバー片2bには、図2に示すようにフロントアクスル6からの入力とリヤアクスル7からの入力とによる曲げモーメントが加わるため所定の曲げ剛性が要求されるが、他のメンバー片2a、2c、2dとは分離されているため、他のメンバー片2a、2c、2dの板厚とは全く無関係に、それらの要求に合致した最適な板厚および形状を選択できる。また、ホイールベースが異なる車種には、当該センター部メンバー片2bの長さのみを異ならせ、他のメンバー片2a、2c、2dをそのまま用いればよいため、極めて低コストで車種展開が可能となる。他方、荷台長が異なる車種には、エンド部メンバー片2dの長さのみを異ならせ、他のメンバー片2a、2b、2cをそのまま用いればよいため、この場合にも極めて低コストで車種展開が可能となる。
【0022】
図5は、リヤー部メンバー片2cの斜視図である。図示するように、リヤー部メンバー片2cは、キックアップのみであるため、当該メンバー片2cを構成する分割片12C1、12C2の形状がサイドメンバーの左右で同一となる。すなわち、図6(b) に示すキックアップとオフセットとを有するフロント部メンバー片2a、2aでは、サイドメンバー2、2の左右において、各分割片12の形状が異なるため4種類の金型が必要となるが、図5に示すキックアップのみのリヤー部メンバー片2bでは、分割片12C1と12C1とが同一形状となり、分割片12C2と12C2とが同一形状となるため、それらをプレス加工するときの金型を共用できる。このため、図5の如き左右のリヤー部メンバー片2b、2bを製作する際には、2種類のみの金型を用意すればよく、低コスト化を推進できる。
【0023】
また、リヤー部メンバー片2bには、図2に示すようにリヤアクスル7から入力が加わるためそれを支持する剛性と、立上部8、9にて座屈をコントロールする所定の後面衝突性能が要求されるが、他のメンバー片2a、2b、2dとは分離されているため、他のメンバー片2a、2b、2dの板厚とは全く無関係に、それらの要求に合致した最適な板厚および形状を選択できる。また、リヤー部メンバー片2cの長さは、サイドメンバー2を4分割しているため、図14に示すようにサイドメンバーbの全長に亘って一体物の外側片dをプレスしていた従来と比べ大幅に短くなり、小型のプレス加工機を用いて成形できる。
【0024】
図6は、左右のフロント部メンバー片2a、2aを製造する工程の概要図である。フロント部メンバー片2aを製造する際には、先ず図6(a) に示すように、車高方向Hに屈曲した中空部材をその断面重心10を通る直線11で長手方向に沿って2分割した形状の分割片12X1、12X2を用意し(図3参照)、それら分割片12X1、12X2を閉断面構造となるように対向させて溶接して車高方向Hに屈曲したキックアップのみを有する中間体2x、2xを製作する。この中間体2x、2xは、キックアップのみを有するという点で本質的には図5に説明したリヤー部メンバー片2b、2bと同様であるので、サイドメンバー2、2の左右にて分割片12X1用の金型と分割片12X2用の金型との2種類のみの金型で製作できる。その後、図6(b) に示すように、上記中間体2x、2xを車幅方向内側Lに屈曲させ、オフセットをも備えたフロント部メンバー片2a、2aとするのである。これにより、最初から図6(b) に示す形状のフロント部メンバー片2a、2aの分割片12をプレス加工すると4種類の金型が必要であるのが、金型数を半減できるのである。よって、低コストとなる。
【0025】
また、図7(a)に示すように、車高方向Hにキックアップしたプレス加工品として上記分割片12x1,12x2を製作しておき(図例では、分割片12x2のみを示す)、これを図7(b)に示すように車幅方向内側Lに曲げ加工してオフセットを付け、それら分割片12,12を図7(c)に示すように閉断面構造に組み合わせてフロント部メンバー片2aを製作してもよい。この場合も、図7(a)に示す分割片12x1,12x2をプレス加工する金型は2種類のみで済むので、金型数が半減する。また、フロント部メンバー片2aには、図2に示すようにフロントアクスル6から入力が加わるためのそれを支持する剛性と、所定の前面衝突性能が要求されるが、他のメンバー片2b、2c、2dとは分離されているため、他のメンバー片2b、2c、2dの板厚とは全く無関係に、それらの要求に合致した最適な板厚および形状を選択できる。また、フロント部メンバー片2aの長さは、サイドメンバー2を4分割しているため、図13に示すようにサイドメンバーbの全長に亘って一体物の外側片dをプレスしていた従来と比べ大幅に短くなり、小型のプレス加工機を用いることができる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態に係るサイドメンバー2によれば、フロント部メンバー片2aを製作するための金型が2個となり、センター部メンバー片2bを製作するための金型が1個となり、リヤー部メンバー片2cを製作するための金型が2個となり、エンド部メンバー片2dを製作するための金型が1個となるため、合計で6個の金型を用いて左右のサイドメンバー2、2を製造できる。これに対して、図14に示す従来のものでは、左右いずれか一方のサイドメンバーbを製造するために、外側片dを製作するための金型が1個必要であり、内側片e、e、eを製作するための金型が3個必要であり、合計4個の金型が必要となる。よって、左右の両方のサイドメンバーb,bを製造するためには、4×2=8個の金型が必要となる。よって、本実施形態によれば、金型数を削減でき低コスト化を推進できる。また、本実施形態によれば、従来と比べて小型のプレス加工機を用いることができるので、経済性に優れる。
【0027】
次に、各メンバー片2a、2b、2c、2d同士の接続について説明する。
【0028】
各メンバー片2a、2b、2c、2d同士の接続には、突き合わせ溶接を用いてもよいが、接続強度を高めるためには、図1および図2に示すように、印籠継ぎ構造17が好ましい。印籠継ぎ構造17の詳細を図8および図9に示す。これらの図8および図9はフロント部メンバー片2aとセンター部メンバー片2bとの接続例を示す。図9(a) に示すように、フロント部メンバー片2aは、前述と同様に、一方の分割片12の端部に閉断面構造の外側へ向けてジョグル16を形成し、そのジョグル16に他方の分割片12の端部を嵌め、それらを溶接部13にて一体化して構成されている。他方、図9(b) に示すように、これに接続されるセンター部メンバー片2bは、上記ジョグル16を閉断面構造の内側に向けて形成し、それらを溶接部18にて一体化して構成されており、溶接部18が表面から突出しないようになっている。そして、図9(c) に示すように、フロント部メンバー片2aの内面の寸法は、センター部メンバー片2bの外面の寸法より僅かに大きく設定されている。
【0029】
こうすれば、受入側のフロント部メンバー片2aの内面および挿入側のセンター部メンバー片2bの外面には受入および挿入の邪魔になるジョグル16が存在せず、しかもフロント部メンバー片2aの内面の寸法とセンター部メンバー片2bの外面の寸法とが受入&挿入にピッタリに調整されているので、挿入時にフロント部メンバー片2aの内面にセンター部メンバー片2bの外面が密着する。よって、図8に示すように、フロント部メンバー片2aの端部とセンター部メンバー片2bの外面とを周方向に沿って溶接し、溶接部18によってそれらを一体化させることにより、フロント部メンバー片2aとセンター部メンバー片2bとが高い接続強度で接続される。
【0030】
なお、上記印籠継ぎ構造17は、センター部メンバー片2bとリヤー部メンバー片2cとの接続や、リヤー部メンバー片2cとエンド部メンバー片2dとの接続にも、同様に用いられている。また、挿入側と受入側とを逆の関係とし、例えば図8および図9において、フロント部メンバー片2aを挿入側とし、センター部メンバー片2bを受入側としてもよい。
【0031】
図10は、さらに接続強度を高めるようにしたものであり、受入側のメンバー片(例えば2a)を構成する一方の分割片12と他方の分割片12との長手方向の端部を段違いとし、挿入側のメンバー片(例えば2b)を構成する一方の分割片12と他方の分割片12との長手方向の端部を逆段違いとしたものである。こうすれば、受入側のメンバー片2aの内部に挿入側のメンバー片2bを挿入したときに、その周囲の溶接部18の溶接線が車体の前後方向に段違いにズレるので、応力の集中が分散されて接続強度が高まる。
【0032】
図11は、受入側のメンバー片(例えば2a)のウェブ部14に溶接部18の溶接長を稼ぐための半円状の切込部19を形成したものであり、図12は、受入側のメンバー片(例えば2a)の端部20を斜めに形成して溶接部18の溶接長を稼ぐようにしたものである。これらによれば、溶接部18の溶接長が図8のものに比べて長くなるので、接続強度が向上する。
【0033】
図13は、図8に示すメンバー片2a、2bの断面形状の参考例を示す図である。この場合にあっても、各メンバー片2a、2bは、断面重心10に対して点対称な中空部材をその断面重心10を通る直線11で2分割した形状の2個の分割片12、12を有し、それら分割片12、12を閉断面構造となるように対向させて突合溶接して構成されている。従って、この場合であっても、分割片12の断面形状が等しくなり、図3乃至図7に示すものと同様に、部材の共用化を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るシャシーフレーム用サイドメンバーおよびその製造方法によれば、サイドメンバーの長手方向の部位に応じた最適な板厚分布を実現できるので衝突安全性が向上すると共に、小型のプレス加工機で成形できる上に金型の数も少なくなるので低コスト化を推進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るサイドメンバーを備えたシャシーフレームの説明図であり、図1(a) は平面図であり、図1(b) は側面図である。
【図2】 上記サイドメンバーの側面図である。
【図3】 図2の III-III線断面図であり、上記サイドメンバーの断面図である。
【図4】 センター部メンバー片を示す斜視図である。
【図5】 リヤー部メンバー片を示す斜視図である。
【図6】 フロント部メンバー片の製造工程を示す概要図である。
【図7】 フロント部メンバー片の別の製造工程を示す概要図である。
【図8】 各メンバー片の接続の様子を示す側面図である。
【図9】 図9(a) は図8のa−a線断面図、図9(b) は図8のb−b線断面図、図9(c) は 図8のc−c線断面図である。
【図10】 各メンバー片の接続の変形例を示す平面図である。
【図11】 各メンバー片の接続の変形例を示す側面図である。
【図12】 各メンバー片の接続の変形例を示す側面図である。
【図13】 各メンバー片の断面形状の参考例を示す断面図であり、図13(a) は図8のa−a線断面図、図13(b) は図8のb−b線断面図、図13(c) は図8のc−c線断面図である。
【図14】 従来例としてのサイドメンバーを備えたシャシーフレームの説明図であり、図14(a) は平面図であり、図14(b) は側面図である。
【図15】 図14のXV- XV線断面図である。
【符号の説明】
1 シャシーフレーム
2 サイドメンバー
2a メンバー片(屈曲部)
2b メンバー片(直線部)
2c メンバー片(屈曲部)
2d メンバー片(直線部)
2x 中間体
10 断面重心
11 直線
12 分割片
ジョグル
19 切込部

Claims (5)

  1. 車体の前後方向に伸びるサイドメンバーを屈曲部と直線部とに分割し、それら分割された各メンバー片を直列に接続してなり、
    上記メンバー片が、断面重心に対して点対称な中空部材をその断面重心を通る直線で2分割した形状の2個の分割片を有し、それら分割片を閉断面構造となるように対向させて溶接してなるシャシーフレーム用サイドメンバーであって、
    上記メンバー片のうちの一のメンバー片が、一方の分割片の端部に外側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、これに隣接する他のメンバー片が、一方の分割片の端部に内側へ向けて形成されたジョグルに他方の分割片の端部を嵌めてなり、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入してその周囲を溶接してなることを特徴とするシャシーフレーム用サイドメンバー。
  2. 上記一のメンバー片を構成する一方の分割片と他方の分割片との長手方向の端部を段違いとし、上記他のメンバー片を構成する一方の分割片と他方の分割片との長手方向の端部を逆段違いとし、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を段違いとした請求項1記載のシャシーフレーム用サイドメンバー。
  3. 上記一のメンバー片の長手方向の端部に切込部を形成し、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を上記一のメンバー片の切込部に沿って形成した請求項記載のシャシーフレーム用サイドメンバー。
  4. 上記一のメンバー片の長手方向の端部を斜めに形成し、上記一のメンバー片の内部に上記他のメンバー片を挿入し、その周囲の溶接線を上記一のメンバー片の長手方向の端部に沿って形成した請求項記載のシャシーフレーム用サイドメンバー。
  5. 車高方向に屈曲した中空部材をその断面重心を通る直線で長手方向に沿って2分割した形状の分割片を2個用意し、それら分割片を閉断面構造となるように対向させて溶接して車高方向に屈曲した中間体を製作し、その中間体を車幅方向に屈曲させてメンバー片とし、そのメンバー片をサイドメンバーの一部とするようにしたことを特徴とするシャシーフレーム用サイドメンバーの製造方法。
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