JP3964526B2 - 運搬容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空の運搬容器(以下、運搬容器を、単に、「容器」ともいう。)を積み重ねる際には、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれ、また、内容物が収納された容器を積み重ねる際には、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれないように積み重ねることが可能な運搬容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
容器の側壁の両端部付近に、側壁の内壁に形成された容器の深さのほぼ半分の深さを有するポケットと側壁の外壁に形成された支脚との組み合わせからなるポケット支脚部を、それぞれ、形成した容器が知られている。このような容器は、下に位置する容器と上に位置する容器とが、同じ向きに積み重ねられた際には、下に位置する容器の開口部に形成されたフランジ上に、上に位置する容器の支脚が載置されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされ、また、スタッキング状態から、上に位置する容器を、水平面上を180度回転させることにより、上に位置する容器の支脚が、下に位置する容器のポケットに挿入されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に,ほぼ半分程度,嵌め込まれる、所謂、ネスティングされることになる。
【0003】
また,平面形状が矩形状の2つの容器を,その長辺側壁が,当接或いは接近するように併設するとともに,その上に,同じく,長辺側壁が,当接或いは接近するように併設された2つの容器を,上に位置する2つの容器の長辺側壁と下に位置する2つの容器の長辺側壁とが,直交するように積み重ねる,所謂,クロス積みが行われている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上に位置する容器の一方を持ち上げるとともに、持ち上げられた側と反対側に位置する支脚を、下に位置する容器のフランジに沿ってスライドさせることにより、上に位置する容器を、下に位置する容器上に積み重ねる,所謂,スライドスタッキングが行われるが、この際に、上に位置する容器の支脚が,下に位置する容器のポケットに嵌まり込み,スライドスタッキングが,スムースに行えないという問題があった。
【0005】
以下に,図24〜図26を用いて,上述した発明が解決しようとする課題について,具体的に説明する。
【0006】
C’は,合成樹脂で一体に成形された容器であり,容器C’は,相対する長辺側壁1a’,1b’と相対する短辺側壁2a’,2b’と底部3’とを有しており,長辺側壁1a’,1b’と短辺側壁2a’,2b’の上端には,外方向に延設された水平なフランジ4’が,容器C’の開口部を囲むように形成されている。
【0007】
p1’は,一方の長辺側壁1a’の両端部付近の側壁が,外側に膨出するようにして形成された,容器C’の深さのほぼ半分の深さを有するポケットであり,容器C’の内側及び上部が開放されている。s1’は,ポケットp1’より長辺側壁1a’の中央寄りで,且つ,ポケットp1’に隣接して,長辺側壁1a’の外壁に形成された支脚であり,支脚s1’は,少なくとも,底部3’付近の長辺側壁1a’の外壁に形成されており,図24には,長辺側壁1a’の高さとほぼ同じ高さを有するとともに,上半分が,ネスティングの際に,下に位置する容器C’のポケットに挿入される下半分より突出している支脚が示されている。そして,上記のポケットp1’と支脚s1’により,第1ポケット支脚部A’が構成されている。
【0008】
s2’は,もう一方の長辺側壁1b’の外壁の両端部付近に形成された支脚であり,支脚s2’は,少なくとも,底部3’付近の長辺側壁1b’の外壁に形成されており,図24には,上述した支脚s1’と同様に,長辺側壁1b’の高さとほぼ同じ高さを有するとともに,上半分が,ネスティングの際に,下に位置する容器C’のポケットに挿入される下半分より突出している支脚が示されている。p2’は,支脚s2’より長辺側壁1b’の中央寄りで,且つ,支脚s2’に隣接するとともに,側壁が,外側に膨出するようにして形成された,容器C’の深さのほぼ半分の深さを有するポケットであり,容器C’の内側及び上部が開放されている。上記の支脚s2’とポケットp2’により,第2ポケット支脚部B’が構成されている。
【0009】
一方の長辺側壁1a’の両端部付近に形成された第1ポケット支脚部A’と,もう一方の長辺側壁1b’の外壁の両端部付近に形成された第2ポケット支脚部B’は,長辺側壁1a’,1b’に平行な容器C’の中心線に対して線対称に配置されている。第1ポケット支脚部A’のポケットp1’は,第2ポケット支脚部B’のポケットp2’より,幅が広く,また,第2ポケット支脚部B’の支脚s2’は,第1ポケット支脚部A’の支脚s1’より,幅が広く形成されており,ネスティングの際に,第1ポケット支脚部A’のポケットp1’に,第2ポケット支脚部B’の支脚s2’が挿入され,また,第2ポケット支脚部B’のポケットp2’に,第1ポケット支脚部A’の支脚s1’が挿入されるように構成されている。そして,第2ポケット支脚部B’の支脚s2’の幅は,第2ポケット支脚部B’のポケットp2’の幅より広く形成されている。
【0010】
下に位置する容器C’と上に位置する容器C’とが、同じ向き,例えば,第1ポケット支脚部A’が配設された長辺側壁1a’が,共に,同じ側に位置するように積み重ねられた際には、下に位置する容器C’のフランジ4’上に、上に位置する容器C’の支脚s1’,s2’が載置されて、上に位置する容器C’が、下に位置する容器C’に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされ、また、スタッキング状態から、上に位置する容器C’を、水平面上を180度回転させることにより、上に位置する容器C’の第1ポケット支脚部A’の支脚s1’が,下に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’のポケットp2’に挿入され,また,上に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’の支脚s2’が,下に位置する容器C’の第1ポケット支脚部A’のポケットp1’に挿入されて,上に位置する容器C’が、下に位置する容器C’に,ほぼ半分程度,嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるように構成されている。
【0011】
スライドスタッキングする際には,下に位置する容器C’と上に位置する容器C’とが、同じ向き,例えば,第1ポケット支脚部A’が配設された長辺側壁1a’が,共に,同じ側に位置するように配置するとともに,上に位置する容器C’の一方の第1ポケット支脚部A’の支脚s1’と第2ポケット支脚部B’の支脚s2’とを,下に位置する容器C’の一方の短辺側壁2b’側に位置するフランジ4’上に載置する。次いで,上記支脚s1’,s2’を,下に位置する容器C’の長辺側壁1a’,1b’側のフランジ4’上を,下に位置する容器C’の一方の短辺側壁2a’方向にスライドさせることにより,下に位置する容器C’上に,上に位置する容器C’を積み重ねるが,図26に示されているように,上に位置する容器C’の第1ポケット支脚部A’の支脚s1’は,その幅が狭く,且つ,下に位置する容器C’の第1ポケット支脚部A’のポケットp1’の幅は広く形成されているので,スライドスタッキングの際に,上に位置する容器C’に配設された第1ポケット支脚部A’の支脚s1’が,下に位置する容器C’に配設された第1ポケット支脚部A’のポケットp1’に深く落ち込んで,スライドスタッキングが行えないという問題があった。なお,上に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’の支脚s2’は,その幅が広く,また,下に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’のポケットp1’の幅は狭く形成されているので,上に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’の支脚s2’が,下に位置する容器C’の第2ポケット支脚部B’のポケットp1’に落ち込むようなことがないように構成されている。
【0012】
また,平面形状が矩形状の2つの容器を,その長辺側壁が,当接或いは接近するように併設するとともに,その上に,同じく,長辺側壁が,当接或いは接近するように併設された2つの容器を,下に位置する2つの容器の長辺側壁と下に位置する2つの容器の長辺側壁とが,直交するように積み重ねる,即ち,クロス積みすると,上に位置する容器が,がたついて,安定してクロス積みすることができないという問題があった。
【0013】
本発明の目的は,上述した従来の運搬容器が有する課題を解決するとともに,多数の容器を縦方向にスタッキングした際に,即ち,段積みした際に,安定した状態で段積みすることが可能な運搬容器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、同一方向でスタッキング及び反対方向でネステイング可能で,且つ,クロス積み可能な運搬容器であって,相対する長辺側壁の一方及び相対する短辺側壁の一方に,側壁の外壁に形成された幅広支脚と,該幅広支脚の両側付近の側壁を外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有する一対の幅狭ポケットとより構成された第1ポケット支脚部を配設するとともに,上記相対する長辺側壁のもう一方及び上記相対する短辺側壁のもう一方に,容器の側壁が外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有する幅広ポケットと,該幅広ポケットの両側付近に形成された一対の幅狭支脚とより構成される第2ポケット支脚部を配設したものであり,第2には,幅広支脚及び一対の幅狭支脚を,側壁の高さとほぼ同じ高さに形成し,運搬容器をスタッキングした際に,幅広支脚及び一対の幅狭支脚が,上下方向に連続するようにしたものであり,第3には,長辺側壁側のフランジが当接するとともに,同一方向に併設された複数の容器の上に,短辺側壁のポケット支脚部と同一のポケット支脚部を有する長辺側壁方向へ90度回転させた状態の複数の容器を載置することによりクロス積みするようにしたものであり,第4には,小型容器及び該小型容器の側壁の長さと短辺側壁が同一寸法で,且つ,長辺側壁の長さが,小型容器の側壁の長さの整数倍である大型或いは中型容器を,互いに,スタッキング或いはネスティング可能としたものであり,第5には,容器に,容器の所定箇所を識別する印を施したものであり,第6には,容器を着色することにより,容器の所定箇所を識別するようにしたものである。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0016】
図1において,Cは,合成樹脂で一体に成形された容器であり,容器Cは,相対する長辺側壁1a,1bと相対する短辺側壁2a,2bと底部3とを有しており,長辺側壁1a,1bと短辺側壁2a,2bの上端には,外方向に延設された水平なフランジ4が,容器Cの開口部を囲むように形成されている。
【0017】
次に,図3及び図4を用いて,本実施例において,側壁に配設されるポケット支脚部について説明する。なお,後述するように,ポケット支脚部は,長辺側壁1a,1bに限らず,短辺側壁2a,2bにも配設することができるので,ポケット支脚部の構成を説明する際には,長辺側壁1a,1b及び短辺側壁2a,2bを,単に,側壁と称し,符号1を付した。
【0018】
図3において,s1は,側壁1の外壁に形成された,後述するもう一方のポケット支脚部を構成する支脚より幅が広い幅広支脚であり,幅広支脚s1は,少なくとも,底部3付近の側壁1の外壁に形成されており,図3には,側壁1の高さとほぼ同じ高さを有するとともに,上半分が,ネスティングの際に,下に位置する容器のポケットに挿入される下半分より突出している支脚が示されている。p1は,幅広支脚s1の両側付近の側壁1を,外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有するとともに,後述するもう一方のポケット支脚部を構成するポケットより幅が狭い幅狭ポケットであり,該幅狭ポケットp1は,容器の内側及び上部が開放されている。上記のように,幅広支脚s1と該幅広支脚s1の両側に形成された一対の幅狭ポケットp1により,第1ポケット支脚部Aが構成されている。
【0019】
図4において,p2は,容器の側壁1が外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有するとともに,容器の内側及び上部が開放された,上述した第1ポケット支脚部Aを構成する幅狭ポケットp1より幅が広い,幅広ポケットである。s2は,幅広ポケットp2の両側で,幅広ポケットp2に接近するように,側壁1の外壁に形成された,上述した第1ポケット支脚部Aを構成する幅広支脚s1より幅が狭い一対の幅狭支脚であり,幅狭支脚s2は,少なくとも,底部3付近の側壁1の外壁に形成されており,図4には,側壁1の高さとほぼ同じ高さを有するとともに,上半分が,ネスティングの際に,下に位置する容器のポケットに挿入される下半分より突出している支脚が示されている。上記のように,幅広ポケットp2と該幅広ポケットp2の両側に形成された,一対の幅狭支脚s2により,第2ポケット支脚部Bが構成されている。
【0020】
図5に示されているように,容器を上下に積み重ねた際に,下に位置する容器C1に配設された第1ポケット支脚部Aと,上に位置する容器C2に配設された第1ポケット支脚部Aとが上下方向に一致した場合には,下に位置する容器C1のフランジ4上に,上に位置する容器C2に配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1が載置されるように構成されている。同様に,図6に示されているように,容器を上下に積み重ねた際に,下に位置する容器C1に配設された第2ポケット支脚部Bと,上に位置する容器C2に配設された第2ポケット支脚部Bとが上下方向に一致した場合には,下に位置する容器C1のフランジ4上に,上に位置する容器C2に配設された第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2が載置されるように構成されている。
【0021】
また,図7に示されているように,容器を上下に積み重ねた際に,下に位置する容器C1に配設された第1ポケット支脚部Aと,上に位置する容器C2に配設された第2ポケット支脚部Bとが上下方向に一致した場合には,下に位置する容器C1に配設された第1ポケット支脚部Aの一対の幅狭ポケットp1に,上に位置する容器C2に配設された第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2が挿入されるように構成されている。同様に,図8に示されているように,容器を上下に積み重ねた際に,下に位置する容器C1に配設された第2ポケット支脚部Bと,上に位置する容器C2に配設された第1ポケット支脚部Aとが上下方向に一致した場合には,下に位置する容器C1に配設された第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に,上に位置する容器C2に配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1が挿入されるように構成されている。なお,第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1の幅は,該第1ポケット支脚部Aの幅狭ポケットp1の幅より広く形成されている。
【0022】
上述した構成を有する第1ポケット支脚部Aと第2ポケット支脚部Bとの配置の一例を,図1及び図2を用いて説明する。
【0023】
この実施例においては,一方の長辺側壁1aの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配置され,そして,もう一方の長辺側壁1bの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配置されいる。そして,長辺側壁1aに配設された第2ポケット支脚部Bと長辺側壁1bに配設された第1ポケット支脚部Aとは,長辺側壁1a,1bに平行な容器Cの中心線に対して線対称に配置されている。
【0024】
下に位置する容器C1と上に位置する容器C2とが、同じ向き,例えば,第1ポケット支脚部Aが配設された長辺側壁1bが,共に,同じ側に位置するように積み重ねられた際には、図5及び図6に示されているように,下に位置する容器C1のフランジ4上に、上に位置する容器C2に配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1及び第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2が載置されて、上に位置する容器C2が、下に位置する容器C1に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされることになる。また、上記のスタッキング状態から、上に位置する容器C2或いは下に位置する容器C1を、水平面上を180度回転させることにより、図7に示されているように,上に位置する容器C2の第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C1の第1ポケット支脚部Aの一対の幅狭ポケットp1に挿入され,また,図8に示されているように,上に位置する容器C2の第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1が,下に位置する容器C1の第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に挿入されて,上に位置する容器C2が、下に位置する容器C1に,ほぼ半分程度,嵌め込まれる、所謂、ネスティングされることになる。
【0025】
次に,図9及び図10を用いて,下に位置する容器C1のフランジ4上に,上に位置する容器C2の幅広支脚s1及び幅狭支脚s2を載置するとともに,上に位置する容器C2の幅広支脚s1及び幅狭支脚s2を,下に位置する容器C1のフランジ4上をスライドさせながら,上に位置する容器C2を移動させるようにして容器をスタッキングさせる,所謂,スライドスタッキング作業について説明する。
【0026】
先ず最初に,図9に示されているように,上に位置する容器C2の長辺側壁1a,1bの端部付近に配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1及び第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2のうちスライド方向前方に位置する幅狭支脚s2(図9において,上に位置する容器C2の左端に位置する幅狭支脚s2で,以下,単に,「スライド方向前方の幅狭支脚」という。また,該スライド方向前方の幅狭支脚の直ぐ後方に位置する幅狭支脚s2を,単に,「スライド方向後方の幅狭支脚」という。)のスライド方向前方の角部を,図9において,下に位置する容器C1に配設された一対の第2ポケット支脚部Bのうち,右側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2より,右側に位置するフランジ4に載置する。
【0027】
次いで,上に位置する容器C2の下に位置する容器C1のフランジ4に載置されたスライド方向前方の幅狭支脚s2に対して反対側に位置する短辺側壁2bを上方に持ち上げた状態で,上に位置する容器C2を,下に位置する容器C1の一方の短辺側壁2a方向に移動させると,上に位置する容器C2の第2ポケット支脚部Bの一対の幅狭支脚s2のうち,スライド方向前方の幅狭支脚s2の下端部は,下に位置する容器C1に配設された右側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に嵌まり込むが,上に位置する容器C2のスライド方向前方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C1に配設された右側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2のスライド方向側,即ち,左側の側壁w1に当接する前に,上に位置する容器C2のスライド方向後方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C2のフランジ4に載置されるように構成されているので,上に位置する容器C2のスライド方向前方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C2に配設された右側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に深く嵌まり込むことがないので,上に位置する容器C2を,下に位置する容器C1の短辺側壁2a方向に大きな抵抗を生じることなく移動させることができ,スムースなスライドスタッキングを行うことができる。
【0028】
上に位置する容器C2の長辺側壁1bの端部付近に配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1は,スライドスタッキングの際には,下に位置する容器C1の該幅広支脚s1の幅より狭い幅を有する第1ポケット支脚部Aの幅狭ポケットp1を通過するので,該幅狭ポケットp1に嵌まり込むようなことがないので,スムースなスライドスタッキングの障害になるようなことがない.
【0029】
同様に,上に位置する容器C2のスライド方向前方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C1に配設された左側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2のスライド方向側,即ち,左側の側壁w1に当接する前に,上に位置する容器C2のスライド方向後方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C2のフランジ4に載置されるように構成されているので,上に位置する容器C2のスライド方向前方の幅狭支脚s2が,下に位置する容器C2に配設された左側に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に深く嵌まり込むことがないので,上に位置する容器C2を,下に位置する容器C1の短辺側壁2a方向に大きな抵抗を生じることなく移動させることができ,スムースなスライドスタッキングを行うことができる。
【0030】
上述したように,幅広支脚s1と該幅広支脚s1の両側に形成された一対の幅狭ポケットp1により第1ポケット支脚部Aを構成するとともに,幅広ポケットp2と該幅広ポケットp2の両側に形成された,一対の幅狭支脚s2により,第2ポケット支脚部Bを構成したので,スムースなスライドスタッキングを行うことができる。
【0031】
また,幅広ポケットp2の両側に,一対の幅狭支脚s2を形成するとともに,幅広支脚s1及び一対の幅狭支脚s2を,側壁の高さとほぼ同じ高さに形成し,多数の容器Cをスタッキングした際に,図5及び図6に示されているように,幅広支脚s1及び一対の幅狭支脚s2が,上下方向に連続するように構成したので,容器を多段に積み重ねた際に,幅広支脚s1或いは幅狭支脚s2が変形したり,座屈を起こすようなことがなく,従って,安定した状態で,多数の容器を多段に積み重ねることができる。
【0032】
なお,図11に示されている実施例は,上述した長辺側壁1a,1bに第1ポケット支脚部Aと第2ポケット支脚部Bを配設したと同様に,短辺側壁2a,2bにも第1ポケット支脚部Aと第2ポケット支脚部Bを配設したものである。この場合にも,一方の短辺側壁2aの両端部付近に第1ポケット支脚部Aを配設するとともに,もう一方の短辺側壁2bの両端部付近に第2ポケット支脚部Bを配設する。第1ポケット支脚部Aと第2ポケット支脚部Bとは,短辺側壁2a,2bに平行な容器Cの中心線に対して線対称に配置される。
【0033】
次に,図12〜図19を用いて,本発明の運搬容器の別の実施例について説明する。なお,図中において,大きな×印は,幅広支脚s1を,小さな×印は,幅狭支脚s2を,大きな四角は,幅広ポケットp2を,そして,小さな四角は,幅狭ポケットp1を表す。従って,大きな×印を挟んで2つの小さな四角がある印は,図3に示されている第1ポケット支脚部Aを表し,また,大きな四角を挟んで2つの小さな×印がある印は,図4に示されている第2ポケット支脚部Bを表している。
【0034】
図12に示されている容器C3(以下,大型容器という。)は,一方の長辺側壁1aの両端部付近に,それぞれ第2ポケット支脚部Bを配設するとともに,長辺側壁1aの垂直中心線を挟んで,それぞれ第2ポケット支脚部Bを配設したもので,長辺側壁1aには,合計4つの第2ポケット支脚部Bが配設されている。もう一方の長辺側壁1bの両端部付近に,それぞれ第1ポケット支脚部Aを配設するとともに,長辺側壁1bの垂直中心線を挟んで,それぞれ第1ポケット支脚部Aを配設したもので,長辺側壁1bには,合計4つの第1ポケット支脚部Aが配設されている。そして,長辺側壁1aに配設された4個の第2ポケット支脚部Bと長辺側壁1bに配設された4つの第1ポケット支脚部Aとは,長辺側壁1a,1bに平行な容器Cの中心線に対して線対称に配置されている。
【0035】
また,一方の短辺側壁2aの両端部付近に,それぞれ第1ポケット支脚部Aを配設するとともに,もう一方の短辺側壁2bの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されている。そして,短辺側壁2aに配設された2つの第1ポケット支脚部Aと短辺側壁2bに配設された2つの第2ポケット支脚部Bとは,短辺側壁2a,2bに平行な容器の中心線に対して線対称に配置されている。
【0036】
長辺側壁1bの両端部付近に配設された第1ポケット支脚部Aと,長辺側壁1bの垂直中心線側に配設された第1ポケット支脚部Aとの間隔d(一方の第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1の垂直中心線と,もう一方の第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1の垂直中心線との間隔をいう。以下,同じ。)は,同じであり,また,短辺側壁2aの両端部付近に配設された第1ポケット支脚部Aの間隔dも同じである。同様に,長辺側壁1aの両端部付近に配設された第2ポケット支脚部Bと,長辺側壁1aの垂直中心線側に配設された第2ポケット支脚部Bとの間隔d(一方の第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2の垂直中心線と,もう一方の第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2の垂直中心線との間隔をいう。以下,同じ。)は,同じであり,また,短辺側壁2bの両端部付近に配設された第2ポケット支脚部Bの間隔dも同じである。更に,第1ポケット支脚部A間の間隔dと,第2ポケット支脚部B間の間隔dも同じになるように構成されている。
【0037】
更に,この実施例においては,長辺側壁1a,1bの長さは,短辺側壁2a,2bの長さに2倍になるように構成されているとともに,底部3の短辺側壁2a,2bに平行な中央部には,フランジ4のほぼ2倍の幅を有する凹溝5が形成されている。
【0038】
図13に示されている容器C4は,図12に示されている容器の短辺側壁2a,2bの長さを,側壁6の長さとする,平面形状が正方形の小型容器であり,小型容器C4の一方の相対する側壁6a,6bのうち一方の側壁6aの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されており,また,もう一方の側壁6bの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されている。そして,小型容器C4のもう一方の相対する側壁6c,6dのうち一方の側壁6cの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されており,また,もう一方の側壁6dの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されている。
【0039】
小型容器C4の各側壁6b,6cに配設された一対の第1ポケット支脚部Aの間隔は,互いに同じであり,また,小型容器C4の各側壁6a,6dに配設された一対の第2ポケット支脚部Bの間隔も,互いに同じであり,且つ,上記の一対の第1ポケット支脚部A間の間隔と,上記の一対の第2ポケット支脚部B間の間隔も同じになるように構成されている。
【0040】
また,大型容器C3の上述した第1ポケット支脚部A間の間隔d及び第2ポケット支脚部B間の間隔dと,小型容器C4の上述した第1ポケット支脚部A間の間隔及び第2ポケット支脚部B間の間隔とは,全て同じになるように構成されている。
【0041】
次に,図14及び図15を用いて,大型容器C3同士のスタッキング及びネスティングについて説明する。
【0042】
図14に示されている大型容器C3の上に,図15に示されている大型容器C3を載せた場合には,下に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bが位置し,また,下に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aが位置することになるので,大型容器C3同士がネスティングされることになる。また,図15に示されている大型容器C3を,水平面上を180度回転させた後に,図14に示されている大型容器C3の上に載せた場合には,下に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aが位置し,また,下に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bが位置することになるので,大型容器C3同士がスタッキングされることになる。また,このように,1つ側壁に多数のポケット支脚部を設けても,ネスティング状態となり落ち込むことがないので,スライドスタッキングが可能となる。
【0043】
次に,図16を用いて,小型容器C4同士のスタッキング及びネスティングについて説明する。
【0044】
図16の左側に示されている小型容器C4の上に,右側に示されている小型容器C4を載せた場合には,下に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aが位置し,また,下に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bが位置することになるので,小型容器C3同士がスタッキングされることになる。また,右側に示されている小型容器C4を,水平面上を180度回転させた後に,左側に示されている小型容器C4の上に載せた場合には,下に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bが位置し,また,下に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aが位置することになるので,小型容器C4同士がネスティングされることになる。
【0045】
次に,図14及び図16を用いて,大型容器C3と小型容器C4とのスタッキング及びネスティングについて説明する。
【0046】
図14に示されている大型容器C3の上に,図16に示されている何方か一方の小型容器C4を載せた場合には,下に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aが位置し,また,下に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bが位置することになるので,大型容器C3に,小型容器C4がスタッキングされることになる。また,実施例では,大型容器C3上に,小型容器C4が2つ並べて積載できるが,小型容器C4が,単独で積載された場合,小型容器C4が,大型容器C3上を長辺側壁1a,1b方向にずれることがなるが,この場合も,小型容器C4が,大型容器C3に落ち込む心配がない。そして,小型容器C4を,スタッキング状態から,水平面上を180度回転させた後に,大型容器C3の上に載せた場合には,下に位置する大型容器C3の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C4の第2ポケット支脚部Bが位置し,また,下に位置する大型容器C3の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C4の第1ポケット支脚部Aが位置することになるので,大型容器C3内に,小型容器C4がネスティングされることになる。そして,上述したように,大型容器C3の長辺側壁1a,1bの長さは,短辺側壁2a,2bの長さに2倍になるように構成されているとともに,小型容器C4は,大型容器C3の短辺側壁2a,2bの長さを,その側壁6の長さとする,平面形状が正方形に形成されているので,大型容器C3には,2つの小型容器C4が,スタッキング或いはネスティングできるように構成されている。また,大型容器C3の長辺側壁1a,1bの両端を除く,中央寄りのポケット支脚部A,A,B,Bは,基本的にポケットのみで,支脚が無くても使用できるが,支脚を設けた方が,安定よくスタッキングでき,望ましい。
【0047】
次に,図17及び図18を用いて,上述した大型容器C3をクロス積みする場合について説明する。
【0048】
図17には,長辺側壁1a,1b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向,例えば,第1ポケット支脚部Aが配設されている長辺側壁1bが,上方に位置するように配置された,クロス積みの際に,下に位置する2つの大型容器C3が示されている。また,図18には,図17に示されている2つの大型容器C3を,時計方向に90度回転させた,クロス積みの際に,上に位置する2つの大型容器C3が示されている。このように配置された図18に示されている2つの大型容器C3を,そのままの状態を保って,図17に示されている2つの大型容器C3の上に載置して,下に位置する2つの大型容器C3の長辺側壁1a,1bと上に位置する2つの大型容器C3の長辺側壁1a,1bとが直交するように積む,即ち,クロス積みすることが行われる。
【0049】
この際,図12に示されているように,大型容器C3の底部3の裏面には,フランジ4のほぼ2倍の幅を有する凹溝5が設けられているので,上に位置する大型容器C3の凹溝5に,下に位置する大型容器C3のフランジ4が挿入されることになる。凹溝5が形成されていない場合には,上に位置する大型容器C3の底部3が,下に位置する大型容器C3のフランジ4上に載置されるために,上に位置する大型容器C3が,下に位置する大型容器C3のフランジ4上に載置された底部3を中心に,シーソーのように,長辺側壁1a,1b方向に沿って揺らぐことになる。
【0050】
上述したように,長辺側壁1a,1b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向に併設された2つの大型容器C3の上に,該2つの大型容器C3を時計方向に90度回転させた状態の2つの大型容器C3を載置すると,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2aの第1ポケット支脚部Aの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1bに配設された第1ポケット支脚部Aが位置するとともに,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2bの第2ポケット支脚部Bの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1aに配設された第2ポケット支脚部Bが位置するので,即ち,図5及び図6に示されているように,スタッキング状態に配置されるので,上に位置する大型容器C3の角部が,上下方向にふらつくようなことがなく,安定した状態で,多段にクロス積みを行うことができる。また,クロス積みされた上に位置する大型容器C3が,単独の場合,下に位置する容器の長辺側壁1a,1b方向にずれることになるが,この場合も,第1ポケット支脚部A及び第2ポケット支脚部Bが,常に,スタッキング状態に配置されているので,落ち込む心配がない。
【0051】
一方,長辺側壁1a,1b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向に併設された2つの大型容器C3の上に,該2つの大型容器C3を反時計方向に90度回転させた状態の2つの大型容器C3を載置すると,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2aの第1ポケット支脚部Aの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1aに配設された第2ポケット支脚部Bが位置するとともに,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2bの第2ポケット支脚部Bの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1bに配設された第1ポケット支脚部Aが位置するので,即ち,図7及び図8に示されているように,ネスティング状態に配置されるので,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2a,2bに配設された第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1の下端部及び第2ポケット支脚部Bの幅狭支脚s2の下端部が,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1a,1bに配設された第2ポケット支脚部Bの広幅ポケットp2及び第1ポケット支脚部Aの幅狭ポケットp1に入り込み,上に位置する大型容器C3の角部が,上下方向にふらついて,多段にクロス積みされた容器が不安定になる。
【0052】
なお,上述したように,第1ポケット支脚部Aと第2ポケット支脚部Bとが,ネスティング状態に配置される場合でも,例えば,図19に示されているように,下に位置する第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に,上に位置する第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1が挿入されないように,第1ポケット支脚部Aの幅広支脚s1の位置を,第2ポケット支脚部Bの幅広ポケットp2に対してずらして配置することができる。このように構成した場合には,同一方向に併設された2つの大型容器C3の上に,2つの大型容器C3を,時計方向或いは反時計方向の何方かの方向に90度回転させても,安定した状態で,クロス積みすることができる。
【0053】
従って,長辺側壁1a,1b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向に併設された2つの大型容器C3の上に,該2つの大型容器C3と同じように,長辺側壁1a,1b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向に併設された2つの大型容器C3を,安定的にクロス積みする場合には,上に載置される2つの大型容器C3を,上記の下に位置する2つの大型容器C3を,90度時計方向に回転させた状態で,クロス積みすることが必要である。
【0054】
なお,上述した実施例においては,上に載置される2つの大型容器C3の回転方向を,時計方向に90度回転させた例が示されているが,クロス積みの際に,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2a,2bに配設されたポケット支脚部と同一のポケット支脚部を有する,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1a,1b方向へ,上に載置される2つの大型容器C3を,90度回転させることにより,上に位置する大型容器C3の角部が,上下方向にふらつくようなことがなく,安定した状態で,多段にクロス積みを行うことができることになる。
【0055】
ところで,図20に示されているように,ベルトコンベヤーやローラーコンベヤー等の搬送装置Tにより,長辺側壁1a,1bに沿って搬送されてくる上述した大型容器C3を,作業員が,搬送装置Tから下ろすとともに,順次,クロス積みすることが行われている。この際,上述したように,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2aの第1ポケット支脚部Aの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1bに配設された第1ポケット支脚部Aが位置するとともに,上に位置する大型容器C3の短辺側壁2bの第2ポケット支脚部Bの下には,下に位置する大型容器C3の長辺側壁1aに配設された第2ポケット支脚部Bが位置するように,即ち,図5及び図6に示されているように,スタッキング状態に配置する必要があるが,次々に搬送されてくる大型容器C3の第1ポケット支脚部Aや第2ポケット支脚部Bの位置をいちいち判別しながら,上記のように,スタッキング状態になるようにクロス積みすると,クロス積みの作業性が悪くなるとともに,人手を増やさなければならない。
【0056】
そこで,容器の所定箇所に印を付して,該印を目安にしてクロス積みすることにより,クロス積みの作業性を向上させることができるとともに,人手を減らすことができる。
【0057】
一例として,図17に示されている大型容器C3の第1ポケット支脚部Aが配設されている短辺側壁2a側のフランジ4や該短辺側壁2a側に位置する大型容器C3の半分を着色することにより,大型容器C3の第1ポケット支脚部Aが配設されている短辺側壁2aを他の部分から識別するように構成する。作業員は,搬送装置Tにより送られてくる大型容器C3を,着色された短辺側壁2aが,例えば,図20において,左側に位置するように,2つ併設する。次いで,2つ併設して配置された大型容器C3の上に,着色された短辺側壁2aが上に位置するようにクロス積みする。
【0058】
上述したように,容器の所定箇所に,着色を施したり,ラベルを貼着したりして,容器の所定箇所を識別することにより,確実に,且つ,迅速に,上に位置する容器の短辺側壁の第1ポケット支脚部Aの下には,下に位置する容器の長辺側壁に配設された第1ポケット支脚部Aが位置するとともに,上に位置する容器の短辺側壁の第2ポケット支脚部Bの下には,下に位置する容器の長辺側壁に配設された第2ポケット支脚部Bが位置するようにすることができ,従って,安定したクロス積みの作業性が向上することになる。
【0059】
図21には,短辺側壁7a,7bの長さが,長辺側壁8a,8bの長さの4倍の大型容器C5が示されている。そして,上述した容器と同様に,相対する短辺側壁7a,7bの一方の短辺側壁7aの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されており,もう一方の短辺側壁7bの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されている。そして,相対する長辺側壁8a,8bの一方の長辺側壁8aには,その両端部付近を含め8つの第2ポケット支脚部Bが配設されており,もう一方の長辺側壁8bには,その両端部付近を含め8つの第1ポケット支脚部Aが配設されている。上述した容器と同様に,2つの大型容器C5を,同方向に積み重ねることにより,スタッキングされ,スタッキング状態から,上に位置する大型容器C5を,水平面上を180度回転させることにより,ネスティングされるように構成されている。
【0060】
また,上述したように,長辺側壁8a,8b側のフランジ4が当接するとともに,同一方向に併設された4つの大型容器C5の上に,この状態から時計方向に90度回転させられた4つの大型容器C5を載置することにより,上に位置する大型容器C5の短辺側壁7aに配設された第1ポケット支脚部Aの下には,下に位置する大型容器C5の長辺側壁8bに配設された第1ポケット支脚部Aが位置するとともに,上に位置する大型容器C5の短辺側壁7bに配設された第2ポケット支脚部Bの下には,下に位置する大型容器C5の長辺側壁8aに配設された第2ポケット支脚部Bが位置するようにクロス積みを行うことができる。
【0061】
図22に示された容器は,図21に示されている大型容器C5の短辺側壁7a,7bの長さを,側壁9の長さとする,平面形状が正方形の小型容器C6であり,小型容器C6の一方の相対する側壁9a,9bのうち一方の側壁9aの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されており,また,もう一方の側壁9bの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されている。そして,小型容器C6のもう一方の相対する側壁9c,9dのうち一方の側壁9cの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されており,また,もう一方の側壁9dの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されている。そして,下に位置する大型容器C5の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C6の第1ポケット支脚部Aが位置し,また,下に位置する大型容器C5の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C6の第2ポケット支脚部Bが位置するように,小型容器C6を大型容器C5上に配置することにより,小型容器C6を,大型容器C5にスタッキング状態に積み重ねることができ,また,このスタッキング状態から,小型容器C6を,水平面上を180度回転させた後に,大型容器C5の上に載せた場合には,下に位置する大型容器C5の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する小型容器C6の第2ポケット支脚部Bが位置し,また,下に位置する大型容器C5の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する小型容器C6の第1ポケット支脚部Aが位置することになるので,小型容器C6が,大型容器C5にネスティングされることになる。
【0062】
図23に示されている容器は,短辺側壁10a,10bの長さが,上述した大型容器C5の短辺側壁7a,7bの長さ及び小型容器C6に側壁9の長さと同じで,長辺側壁11a,11bの長さが,大型容器C5の長辺側壁8a,8bの長さの半分及び小型容器C6に側壁9の長さの2倍になるように構成された中型容器C7である。そして,中型容器C7の相対する短辺側壁10a,10bの一方の短辺側壁10aの両端部付近には,第1ポケット支脚部Aが配設されており,もう一方の短辺側壁10bの両端部付近には,第2ポケット支脚部Bが配設されている。そして,相対する長辺側壁11a,11bの一方の長辺側壁11aには,その両端部付近を含め4つの第2ポケット支脚部Bが配設されており,もう一方の長辺側壁11bには,その両端部付近を含め4つの第1ポケット支脚部Aが配設されている。
【0063】
下に位置する大型容器C5の第1ポケット支脚部Aの上に,上に位置する中型容器C7の第1ポケット支脚部Aが位置し,また,下に位置する大型容器C5の第2ポケット支脚部Bの上に,上に位置する中型容器C7の第2ポケット支脚部Bが位置するように配置することにより,下に位置する大型容器C5に中型容器C7をスタッキングすることができ,このスタッキング状態から,上に位置する中型容器C7を,水平面上を180度回転させることにより,下に位置する大型容器C5に中型容器C7をネスティングすることができるように構成されている。同様にして,中型容器C7同士,或いは,中型容器C7と小型容器C6とを,スタッキング或いはネスティングすることができる。
【0064】
上述した実施例のように,同一側面に,同一のポケット支脚部を配設したことにより,同一方向では,ネスティング状態となっても落ち込む位置がなく,長短辺側壁のどちらの方向でも,スライドスタッキングが可能となる。
【0065】
以上,本発明の実施例について説明したが,容器の大きさやクロス積みの際の下に位置する容器の数やクロス積みの際の上に位置する容器の数等は,上述した実施例に何ら限定されることない。
【0066】
上述した実施例においては,小型容器の平面形状が正方形の場合について説明したが,小型容器の平面形状を矩形状にすることもできる。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような構成を有するので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0068】
上に位置する容器を,下に位置する容器に対して,スムースにスライドスタッキングすることができるとともに,安定した状態でクロス積みすることができる。
【0069】
容器をスタッキングした際に,幅広支脚及び一対の幅狭支脚が,上下方向に連続するように構成したので,幅広支脚或いは幅狭支脚が変形したり,座屈を起こすようなことがなく,従って,安定した状態で,多数の容器を多段に積み重ねることができる。
【0070】
長辺側壁側のフランジが当接するとともに,同一方向に併設された複数の容器の上に,上記長辺側壁側に配設されたポケット支脚部と同じポケット支脚部が配設された短辺側壁が位置するように,長辺側壁側のフランジが当接するとともに,同一方向に併設された複数の容器を回転させてクロス積みしたので,安定した状態で,多段にクロス積みすることができる。
【0071】
容器に,容器の所定箇所を識別する印を施したので,クロス積みの作業性を向上させることができるとともに,人手を減らすことができる。
【0072】
容器を着色することにより,容器の所定箇所を識別するようにしたので,更に,クロス積みの作業性を向上させることができるとともに,人手を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の運搬容器の斜視図である。
【図2】図2は図1に示されている運搬容器の平面図である。
【図3】図3は本発明の運搬容器の第1ポケット支脚部付近の斜視図である。
【図4】図4は本発明の運搬容器の第2ポケット支脚部付近の斜視図である。
【図5】図5は本発明の運搬容器がスタッキング状態に配置された場合の第1ポケット支脚部付近の正面図である。
【図6】図6は本発明の運搬容器がスタッキング状態に配置された場合の第2ポケット支脚部付近の正面図である。
【図7】図7は本発明の運搬容器がネスティング状態に配置された場合の第1ポケット支脚部及び第2ポケット支脚部付近の正面図である。
【図8】図8は本発明の運搬容器がネスティング状態に配置された場合の第1ポケット支脚部及び第2ポケット支脚部付近の正面図である。
【図9】図9は本発明の運搬容器をスライドスタッキングする際の正面図である。
【図10】図10は同じく本発明の運搬容器をスライドスタッキングする際の正面図である。
【図11】図11は本発明の運搬容器の他の実施例の平面図である。
【図12】図12は本発明の別の実施例の運搬容器の斜視図である。
【図13】図13は本発明の更に別の実施例の運搬容器の斜視図である。
【図14】図14は図12に示されている運搬容器の平面図である。
【図15】図15は同じく図12に示されている運搬容器の平面図である。
【図16】図16は図13に示されている2つの運搬容器の平面図である。
【図17】図17は図12に示されている2つの運搬容器の平面図である。
【図18】図18は同じく図12に示されている2つの運搬容器の平面図である。
【図19】図19は本発明の運搬容器がネスティング状態に配置された場合の第1ポケット支脚部及び第2ポケット支脚部付近の正面図である。
【図20】図20は搬送装置により搬送される運搬容器の平面図である。
【図21】図21は本発明の更に別の実施例の運搬容器の平面図である。
【図22】図22は図21に示されている運搬容器にネスティング或いはスタッキングされる運搬容器の平面図である。
【図23】図23は同じく図21に示されている運搬容器にネスティング或いはスタッキングされる運搬容器の平面図である。
【図24】図24は従来の運搬容器の斜視図である。
【図25】図25は図24に示されている従来の運搬容器の平面図である。
【図26】図26は従来の運搬容器をスライドスタッキングする際の正面図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・運搬容器
A・・・・・・・・第1ポケット支脚部
B・・・・・・・・第2ポケット支脚部
4・・・・・・・・フランジ
p1,p2・・・・ポケット
s1,s2・・・・支脚
Claims (6)
- 同一方向でスタッキング及び反対方向でネステイング可能で,且つ,クロス積み可能な運搬容器であって,相対する長辺側壁の一方及び相対する短辺側壁の一方に,側壁の外壁に形成された幅広支脚と,該幅広支脚の両側付近の側壁を外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有する一対の幅狭ポケットとより構成された第1ポケット支脚部を配設するとともに,上記相対する長辺側壁のもう一方及び上記相対する短辺側壁のもう一方に,容器の側壁が外側に膨出するようにして形成された,容器の深さのほぼ半分の深さを有する幅広ポケットと,該幅広ポケットの両側付近に形成された一対の幅狭支脚とより構成される第2ポケット支脚部を配設したことを特徴とする運搬容器。
- 幅広支脚及び一対の幅狭支脚を,側壁の高さとほぼ同じ高さに形成し,運搬容器をスタッキングした際に,幅広支脚及び一対の幅狭支脚が,上下方向に連続するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の運搬容器。
- 長辺側壁側のフランジが当接するとともに,同一方向に併設された複数の容器の上に,上記長辺側壁側に配設されたポケット支脚部と同じポケット支脚部が配設された短辺側壁が位置するように,長辺側壁側のフランジが当接するとともに,同一方向に併設された複数の容器を回転させてクロス積みすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運搬容器。
- 小型容器及び該小型容器の側壁の長さと短辺側壁が同一寸法で,且つ,長辺側壁の長さが,小型容器の側壁の長さの整数倍である大型或いは中型容器を,互いに,スタッキング或いはネスティング可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の運搬容器。
- 容器に,容器の所定箇所を識別する印を施したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の運搬容器。
- 容器を着色することにより,容器の所定箇所を識別することを特徴とする請求項5に記載の運搬容器。
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