JP3964368B2 - 新しい遺伝子型のcmsダイコン系統のカルス及び植物体並びにこれから生産された雑種種子 - Google Patents

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Description

本発明は、新しい遺伝子型の細胞質雄性不(cytoplasmic male sterility:以下、単に「CMS」と記載する場合もある)ダイコン系統のカルス及び植物体並びにこれから製造された雑種種子及びNWB−CMSダイコン系統の植物体選抜用DNA標識因子に関するものである。より詳しくは、配列番号5または6の塩基配列を含有するNWB−CMSダイコン系統のカルスと、前記カルスから誘導され、組織培養により無性繁殖されるダイコン系統植物体と、前記植物体を雄性不を導入しようとする植物体と交配して製造された雑種種子と、配列番号5または6で表される塩基配列を有するNWB−CMSダイコン系統の植物体選抜用DNA標識因子に関するものである。
雄性不(male sterility)は、花粉、葯、雄蕊などの雄性器官に異常が生じて不が起こる現象である。雄性不には、遺伝的原因によるものと、環境の影響によるものがあるが、雄性器官のうち花粉の不により起こる場合が最も多い。花粉の不が起こる遺伝的原因には、染色体に異常が生じて花粉母細胞の減数分裂に混乱が起こる場合と、核内遺伝子や細胞質因子(cytoplasmic factor)の突然変異により花粉母細胞を取り囲むタペート細胞(tapetal cell)に異常が生じて、花粉が成熟途中に破壊される場合がある。
前者では雌蕊などの雌性器官にも異常が生じるが、後者では花粉のみが不になり、雌性器官は受精能力を有する。従って、雌性器官は正常的に受精能力を有し、花粉のみが不になる後者の雄性不を、交配母本に導入すると、人工交配で花粉を除去する除雄(castration)を行う必要がないため、雑種種子を改良・育成する雑種強勢育種法におけるF1採種(seed-gathering)に利用することができる。
核内遺伝子による雄性不は、「核遺伝子雄性不(genic male sterility)」と言われるが、これは、主に劣性遺伝をし、劣性同型(homozygously recessive)である場合に不性を有する。従って、これを用いてF1雑種種子を生産する場合、約50%のみの不株を得ることができるので、F1個体の性を確認するためには、必ず各個体を開花させて花粉の生成有無を確認する過程が必要である。また、雄性不系の維持及び増殖にも多くの努力が必要であり、作物によっては花が小さくて性の判別が難しく、花が咲くまで長時間がかかる作物には適用し難い。
一方、細胞質因子による雄性不は、「細胞質雄性不(cytoplasmic male sterility:CMS」と言われるが、これは、細胞質要因によりミトコンドリアが正常的な機能を果たせず、非正常的な花粉を生成することによって、自家受精能力を有しない現象をいう。CMSは、母系遺伝(maternal inheritance)であって、いずれの可系を交配しても100%不株が得られるので、雄性不系の維持が非常に容易であり、葉、幹など栄養器官を利用する作物に適用するのが非常に便利である。
このような理由で、雑種種子生産にCMSを利用しようとする試みが続いており、このために多くの植物体のCMSに対する分子水準の研究が進んで来た。その結果、CMSを起こす多くの細胞質要因が明らかになった。現在、アブラナ科(Cruciferae family)作物のうちCMSを有する系統として、アブラナ属(Brassica sp.)では、ポリマ(Polima)、オグラ(Ogura)、ナプス(Napus)、アナンド(Anand)などが知られており、ダイコン属(Raphanus sp.)ではオグラ(Ogura)、コセナ(Kosena)などが知られている。これらの系統は、いずれも細胞質内のミトコンドリア遺伝子の構造的変形または新しいORF(open reading frame)の生成により、CMSを起こすと報告されている(非特許文献1〜3)。
現在まで知られたCMSダイコン系統のうちオグラ−CMS系統が、雄性不の導入率及び安定性の面において、最も優秀であると知られている。従って、ダイコンのF1雑種種子生産に、オグラ−CMS系統を主に使用している。しかし、オグラ−CMS系統の雄性不は、完全な細胞質要因により起こるものでなく、核内要因によっても影響を受けるものと明らかになった。また、オグラ−CMS系統を、雑種種子生産のための交配母本として利用した場合、育種系によってCMSの導入可否が顕著に異なると知られている。このような問題点により、オグラ−CMS系統を用いたF1雑種種子生産は、限界があると指摘されて来た。
従って、F1雑種種子に対して高い雄性不導入率を有する新しいCMSダイコン系統に関する開発の必要性が切実に要求されている。しかし、微生物の分離・同定過程とは異なり、植物のCMS特性を確認する過程は多くの時間と努力を必要とするため、これに対する開発が活発に進んでいない実情である。
一方、植物育種では、特定形質を有する系統を選抜するために、前記形質と関連した特性を標識因子として利用する。過去には、形態的特性(例:花色)の変移による標識因子を利用したが(非特許文献4)、殆どの形態的標識因子は、環境によって変化する可能性があるだけでなく(例:キュウリの遺伝子de(determinate habit gene of cucumber))、標識因子の数が非常に制限されているという短所がある。
これにより、最近、DNA塩基配列水準で現れる変移を利用する分子標識因子(DNA標識因子)を開発しようとする研究が進んでいる。DNA標識因子は、形態的標識因子に比較できない程度、植物体にたくさん存在しており、植物体の機能や生理に障害を与えないため、標識因子として利用するのに有利である(非特許文献5)。ダイコン属のCMS系統において、オグラ−CMS系統及びコセナ−CMS系統に対するDNA標識因子は、既に開発されている。前記標識因子を増幅するためのプライマーを用いてPCRを行うことで、各系統に特異的な標識因子(PCR産物)の検出によって各CMS系統を選抜することができる。従って、F1雑種種子に対して高い雄性不導入率を有する新しいCMSダイコン系統の開発と共に、これを選抜するための標識因子の開発も要求されている。
Cardi, T. et al., Theor. Appl. Genet., 94:204-212,1997 Grelon, M. et al., Mol. Gen. Genet., 243(5):540-547,1994 Iwabuchi, M. et al. Plant Mol. Biol., 39(1):183-188,1997 Staub, J.E. et al., HortScience, 31(5):729-741,1996 ones, N. et al., New Phytol., 137:165-177,1997
本発明の目的は、新しい遺伝子型の細胞質雄性不特性を有するNWB−CMSダイコン系統のカルスと、前記カルスから誘導され、組織培養により無性繁殖されるNWB−CMSダイコン系統植物体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記NWB−CMSダイコン系統植物体を、雄性不を導入しようとする雄性可ダイコン系統植物体と交配して製造された、NWB−CMSダイコン系統の雑種種子及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、NWB−CMSダイコン系統植物体選抜用DNA標識因子、及び、前記DNA標識因子を増幅するためのプライマーを提供することにある。
これにより、本発明者は、新しいCMSダイコン系統を開発するために研究を重ねた結果、従来知られたオグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統とは異なる遺伝子型のCMSを有するNWB−CMSダイコン系統を分離・同定し、前記NWB−CMSダイコン系統のF1植物体に対する雄性不導入率が、従来F1雑種種子生産に利用されるオグラ−CMSダイコン系統より高いことを確認すると共に、前記NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を開発することによって本発明を完成した。
本発明によるNWB−CMSダイコン系統の植物体は、F1植物体に対する雄性不導入率が高いため、CMS系統の雑種種子の生産に非常に有用に利用され得る。
本発明において「NWB−CMSダイコン系統」とは、本発明で分離・同定したダイコン系統であって、従来CMSとは異なる新しい遺伝子型のCMSを有するダイコン系統を意味する。
本発明は、新しい遺伝子型の細胞質雄性不特性を有し、配列番号5及び配列番号6の塩基配列を含有することを特徴とするNWB−CMSダイコン系統のカルス(寄託番号:KCTC 10339BP)を提供する。
また、本発明は、前記カルスから誘導され、組織培養により無性繁殖されるNWB−CMSダイコン系統植物体を提供する。
また、本発明は、(a)請求項1のカルスから新梢(shoot)を誘導する段階と、(b)前記新梢が形成されたカルスから抜根を誘導する段階と、(c)前記抜根が形成されたカルスを土壌改良及び再分化過程を経て、植物体を形成する段階と、を備えることを特徴とするNWB−CMSダイコン系統植物体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記NWB−CMSダイコン系統植物体を、雄性不を導入しようとする雄性可ダイコン系統植物体と交配して製造された、CMSダイコン系統雑種種子及びその製造方法を提供する。
また、本発明は、配列番号5及び配列番号6で表される塩基配列を有するNWB−CMSダイコン系統植物体選抜用DNA標識因子と、前記標識因子を増幅するためのプライマーと、前記プライマー及びPCR反応混合物を含むNWB−CMSダイコン系統植物体の選抜キットとを提供する。
前記プライマーは、配列番号1及び2、または配列番号3及び4のプライマー対であることを特徴とする。
本発明者は、新しい遺伝子型のCMSを有するダイコン系統を開発するために、中国吉林省地域の野生青皮ダイコン約100余種を対象にし、CMS特性を保有しているダイコンを選抜した。野生青皮ダイコンを交配母本にし、雄性可個体と交配を実施した。CMSの確認は、前記野生青皮ダイコンを雄性可系統と交配して生産されたF1個体を、さらに雄性可系統と戻し交雑(back cross)を実施してF2個体を生産した後、生産されたF2個体の花粉生成有無を調べることによって行った。
この時、F2個体から雄性可と雄性不が両方とも検出されると、交配母本の雄性不は、核内因子と細胞質因子により起こったものである。また、雄性不個体のみが検出されると、純粋な細胞質因子により雄性不が起こったものである。数回の検査により最終的にCMS特性を安定的に保有していると確認されたダイコンを選抜した。
次に、選抜されたダイコンのF1個体に対する雄性不導入率を調べるために、前記選抜されたダイコンを交配母本とし、F1雑種種子を生産した。その結果、他の系統との交配による前記ダイコンの雄性不導入率が、従来F1採種に利用されるオグラ−CMSダイコン系統に比べて、顕著に高いということを確認した(表1参照)。
次に、本発明者は、前記ダイコンが従来知られたCMSダイコン系統であるか否かを確認するために、オグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を増幅するためのプライマーを用いてPCRを行った。その結果、本発明で選抜されたダイコンでは、オグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子が検出されなかった(図1参照)。これにより、本発明で選抜されたダイコンが従来知られたCMSダイコン系統と異なる系統であることを確認し、「NWB−CMS」と命名した。
本発明によるNWB−CMSダイコン系統の植物体は、当業界で公知である一般の組織培養方法により無性繁殖することができる。例えば、アブラナ系野菜、ダイコンなどのアブラナ科植物の組織培養に容易な器官発生による微細増殖法(形成された器官のない葉、葉袋、幹節、子葉、子葉軸などの組織を培養し、新しい芽を前記組織の表面に誘導する方法)またはカルス誘導による再分化方法などで無性繁殖することができる。
具体的に、本発明では、系統の種子を1/2MS培地に置床して培養した後、4日目僅かの葉柄を含む子葉を剥がし、これをMS培地で分化させてカルスを誘導した。その後、前記カルスから新梢を誘導し、新梢が形成されたカルスを根誘導培地に移し、抜根を誘導した。次に、土壌改良及び再分化過程を経て完全な植物体に成長させた。本発明者は、NWB−CMSダイコン系統のカルスを2002年9月18日付で韓国生命工学研究院(Korea Research Institute of Bioscience & Biotechnology:KRIBB)遺伝子銀行に寄託した(寄託番号:KCTC 10339BP)。
本発明によれば、前記NWB−CMSダイコン系統の植物体を、雄性不を導入しようとする植物体(雄性可ダイコン系統)と交配させることによって、F1雑種種子を生産することができる。
本発明の雑種種子生産方法は、あらゆる雄性可系統に適用することができ、その例としては、ソウルボム(seoul spring)1523、ソウルボム1978、総太1642、晋州大坪340、時無1462、聖護院52、総太1968、総太2015、1934(義城半青と総太の分離系統)、Mn002、Mn003、YB−1、1825(青皮と総太の分離系統)、AD1002、Mn006、三季ボム1634、宮重総太JA046、宮重総太JA048、宮重総太JA049、宮重総太JA053、宮重総太1642、宮重総太1921、宮重総太1923、宮重総太1929、宮重1706、晩抽宮重2004、晩抽総太1916、晩抽総太1917、晩抽総太1918、美濃2113、ソウルボム1861、ソウルボム2064、聖護院1877、聖護院1947、龍ケン1709、円白分離Mn005、円白分離1935及び総太1946などがある。
一方、図1から、従来知られたオグラ−及びコセナ−CMS系統選抜用DNA標識因子では、本発明によるNWB−CMSダイコン系統を選抜できないと確認されたが、前記オグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統に特異的な標識因子では、本発明のNWB−CMSダイコン系統と雄性可系統を区分できなかった。従って、本発明者は、NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を開発するための基礎作業として、アブラナ科内に存在する多様なCMS系統間のRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)を分析した。
具体的に、本発明では、近縁種間の細胞質区別に非常に有用で、豊富な系統学的資料を提供するミトコンドリアDNAのRFLPを行った。各系統で抽出した総DNAを6個の制限酵素(BamH I, Dra I, EcoR I, EcoR V, Hind 3及びXba I)で各々切断して電気泳動した後、サザンブロットを実施してRFLPパターンを比較した。
この時、プローブとしては、アブラナ科植物の1つであるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)から明らかになった32個のミトコンドリア遺伝子を利用した(表2参照)。RFLPの結果により多形性のある部位(polymorphic site)を探索することができたが、プローブとして利用した32個の遺伝子のうち、atp6及びatp9遺伝子の3'部分に変移が起こったことを確認した(図2及び図3参照)。
また、各遺伝子のRFLPパターンを比較した結果、nad3遺伝子をプローブとして使用した場合は、atp6遺伝子及びatp9遺伝子をプローブとして使用した場合と、それぞれ類似したバンドパターンが現れることを確認することができた(図4及び5参照)。この結果から、ミトコンドリアゲノム上において、atp6遺伝子及びatp9遺伝子が、nad3遺伝子と隣接した位置に存在すると推定された。
本発明者は、前記RFLP分析結果を参考にして、NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を選抜した。このために、atp6遺伝子及びnad3遺伝子の塩基配列を参考にして、atp6遺伝子の5'部分とnad3遺伝子の間を増幅するための正方向及び逆方向プライマーを製作した。前記プライマーを各々「ia6f」、「rn3f」と命名し、これらの塩基配列を配列番号1及び2と記載した。前記プライマーを利用し、NWB−CMSダイコン系統のDNAを鋳型にして、PCRを行った結果、NWB−CMSダイコン系統でのみ約1.8kbサイズのバンドが検出されたことを確認することができた(図6A参照)。
また、atp9遺伝子及びnad3遺伝子の塩基配列を参考にして、atp9遺伝子の3'部分とnad3遺伝子の間を増幅するための正方向及び逆方向プライマーを製作した。前記プライマーを各々「ia9f」、「n31r」と命名し、これらの塩基配列を配列番号3及び4と記載した。その後、前記プライマーを用いてPCRを行った結果、NWB−CMSダイコン系統でのみ約2.3kbサイズのバンドが検出されたことを確認することができた(図6B参照)。
また、本発明者は、NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子の塩基配列を分析した。本発明によるDNA標識因子の1つである、ia6f及びrn3fプライマーにより増幅されるPCR産物の塩基配列を配列番号5と記載した。本発明によるDNA標識因子の他の1つである、ia9f及びn31rプライマーにより増幅されるPCR産物の塩基配列を配列番号6と記載した。
本発明の標識因子を提供するためのプライマーには、配列番号5または配列番号6のDNA標識因子を増幅するために、当業者がデザインできるあらゆるプライマーが含まれる。その一例としては、本発明で製作した配列番号1及び2で表される塩基配列を有するia6f及びrn3fプライマー、配列番号3及び4で表される塩基配列を有するia9f及びn31rプライマーがある。
本発明のNWB−CMSダイコン系統選抜キットに含まれるPCR反応混合物には、PCR反応に必要な一般の物質、例えばTaqポリメラーゼ(polymerase)、反応緩衝溶液、dNTP混合物、MgCl2、BSA及び適量の水などが含まれる。また、本発明によるキットには、PCR産物の検出可否を確認することができるアガロースと電気泳動緩衝溶液がさらに含まれる。
作物育種において、迅速性、正確性及び敏感性の高いPCR技術を用いてDNA標識因子を検出すれば、努力と経費が少なくかかるだけでなく、目標形質をより正確に選抜できると知られている。従って、本発明によるプライマーを用いてPCRを行うことで、前記プライマーにより増幅される本発明によるDNA標識因子の検出可否を調べることによって、NWB−CMSダイコン系統をより迅速でかつ正確に選抜できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するだけで、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
NWB−CMSダイコン系統の開発及びこれを用いたF1雑種種子生産
本発明者は、新しい遺伝子型のCMSを有するダイコンを開発するために、中国吉林省地域の野生青皮ダイコン100余種を対象にし、花器組織(flower organ tissue)の花粉発達及び自家受精程度を調べて、1次的に雄性不の特性を保有していると判定されるダイコン20種を選抜した。その後、選抜されたダイコンを対象にして、さらに2次調査を実施し、最終的にCMS特性を保有している1つのダイコンを選抜した。この時、CMSの確認は、雄性可系統と交配を実施して生産されたF1個体を、さらに雄性可系統と戻し交雑をしてF2を生産した後、生産されたF2個体の花粉生成有無を調べることによって行った。
次に、本発明者は、選抜されたCMSダイコン系統が、F1採種のための交配母本として使用できるか否かを確認するために、雄性不の導入が必要である育種系統との交配実験を行った。この時、CMSを導入する育種系統には、下記表1に記載された16種類の育種系統((株)農牛バイオ社)を使用し、対照群には、従来雑種種子生産に主に利用されるオグラ−CMSダイコン系統を使用した。この時、前記オグラ−CMSダイコン系統には、白光(興農種苗)、献夏(日本サカタ種苗)及び冬みね(日本サカタ種苗)を使用した。生産されたF1雑種種子への雄性不の導入可否は、花器組織の花粉発達及び自家受粉程度を調べて確認した。オグラ−CMSダイコン系統を利用した実験(対照群)で、一つのオグラ−CMSダイコン系統(白光)からCMSが導入されたことと明確に確認された場合には、他のオグラ−CMS系統(献夏及び冬みね)との交配実験を行わなかった。
その結果、下記表1に記載された通り、オグラ−CMSダイコン系統を交配母本として利用した場合には、16種類の育種系統のうち約50%程度でのみ雄性不系統が検出され、またオグラ−CMSダイコン系統のCMS導入可否が系統別に顕著に差異が生じることを確認することができた。
一方、本発明で選抜されたCMSダイコン系統を交配母本として利用した場合には、16種類のあらゆる育種系統で雄性不系統が検出されたことを確認することができた。また、宮重総太JA046、宮重総太JA048、宮重総太JA049、宮重総太JA053、宮重総太1642、宮重総太1921、宮重総太1923、宮重総太1929、宮重1706、晩抽宮重2004、晩抽総太1916、晩抽総太1917、晩抽総太1918、美濃2113、ソウルボム1861、ソウルボム2064、聖護院1877、聖護院1947、龍ケン1709、円白分離Mn005、円白分離1935及び総太1946との交配実験でも、100%雄性不系統が検出されたことを確認することができた。
これにより、本発明で選抜されたCMSダイコン系統の雄性不導入率が、従来オグラ−CMSダイコン系統より非常に優秀であることを確認することができた。また、本発明で選抜されたCMSダイコン系統が、F1雑種種子生産のための交配母本として、一層優秀であることを確認することができた。

本発明で選抜されたCMSダイコン系統のCMS遺伝子型の確認
他の系統との交配によるCMS導入能力において、前記実施例1から選抜されたCMSダイコン系統が、従来知られたオグラ−CMSダイコン系統に比べて顕著に優秀であることを、前記実施例1から確認した。その後、本発明者は、前記CMSダイコン系統が、従来知られたCMSダイコン系統と同一系統なのか、それとも新しいCMS系統なのか確認するために、オグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統選抜用プライマーを用いて、PCRを行った。
2−1)オグラ−CMSダイコン系統選抜用プライマーを用いたPCR実施
まず、本発明で選抜されたCMSダイコン系統からDNAを分離した後、これを鋳型にして、配列番号7及び8で表される塩基配列を有するプライマーを用いてPCRを行った。PCRは、(株)バイオニア社のPCRキット(AccuPower Premix)を用いて行った。
反応条件は、95℃で5分間、前変性化(pre-denaturation)させた後、95℃で30秒;55℃で30秒;及び72℃で1分を1サイクルとし、30回繰り返した後、72℃で10分間最終反応させた。この時、対照群としては、10種類のオグラ−CMSダイコン系統、遺伝子型が確認されないCMS系統(円白)、2種類の雄性可系統(MF1及びMF2)を使用し、これらに対する情報は表4に記載した。その後、1%アガロースゲル電気泳動を行った。
その結果、図1のAに示したように、既存のオグラ−CMSダイコン系統では、540bpサイズのバンドが検出されたが、本発明によるCMSダイコン系統では検出されなかった。また、雄性可系統であるMF1及びMF2、遺伝子型が明らかでない雄性不系統の円白においても、バンドが検出されなかったことを確認することができた。
2−2)コセナ−CMSダイコン系統選抜用プライマーを用いたPCR実施
配列番号9及び10で表される塩基配列を有するプライマーを用いて、前記参考例2−1)と同様な方法によりPCRを行った。この時、対照群としては、前記参考例2−1)と同様なダイコン系統を利用した。前記プライマーを用いてPCRを行うと、コセナ−CMSダイコン系統の場合、約250bpサイズのバンドが検出され、オグラ−CMSダイコン系統の場合には、約278bpサイズのバンドが検出されると報告されたことがある(Yamagishi et al., Theor Appl Genet., 93:325-332, 1996)。
その結果、図1のBに示したように、オグラ−CMSダイコン系統では、約278bpサイズのバンドが検出されたのに対して、本発明によるCMSダイコン系統及び雄性可系統では、コセナ−及びオグラ−CMS系統に特異的なバンドが検出されなかったことを確認することができた。
前記結果から、本発明によるCMSダイコン系統が、従来知られたオグラ−及びコセナ−CMS系統とは異なる系統であることを確認することができ、これを「NWB−CMS」と命名した。
NWB−CMSダイコン系統のカルス誘導及び再分化
本発明によるNWB−CMS系統の種子を1/2MS培地に置床して培養した後、4日目僅かの葉柄を含む子葉を剥がし、これをMS培地(zeatin 5mg/liter, NAA 0.1mg/literを含む)から分化させ、カルスを誘導した。カルスを新梢誘導培地から新梢を誘導した後、新梢が形成されたカルスを根誘導培地に移し、1週間抜根を誘導した。
次に、抜根が誘導された幼植物体を選別して根の培地をきれいに洗浄した後、殺菌された土が入っている植木鉢に移し植えた。この時、1週間ビニールで植木鉢を覆い、徐々に環境に適応させた。約1週間後には、ビニールを除去して完全な植物体に再分化させた。本発明者は、NWB−CMSダイコン系統のカルスを2002年9月18日付で韓国生命工学研究院遺伝子銀行に寄託した(寄託番号:KCTC 10339BP)。
NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子開発のためのRFLP実施
前記実施例1及び2から、本発明者は、NWB−CMSダイコン系統が従来CMS系統とは完全に異なる系統であることを確認し、またオグラ−及びコセナ−CMSダイコン系統に特異的な標識因子では、雄性可系統及びCMSの遺伝子型が明らかでない系統(円白)と、NWB−CMS系統とを区分できないことを確認した。従って、本発明者は、NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を開発するためにRFLPを行った。
4−1)RFLPのためのプローブ(probe)製造
CMSは、細胞質内のミトコンドリアが正常的な機能を果たせず、非正常的な花粉を生成することによって、植物が自家受精能力を有しない現象である。これに、本発明者は、シロイヌナズナから明らかになったミトコンドリア遺伝子をRFLPのプローブとして使用するために、次のような実験によりプローブを製造した。
まず、下記表2に記載された32個のシロイヌナズナのミトコンドリア遺伝子の塩基配列を参考にして、プライマーを製作し、各プライマーの配列を下記表3に記載した。32個の遺伝子の塩基配列及びこの遺伝子情報は、ウンゼルト等の論文(Unseld, M. et al., Nature Genetics, 15:57-61, 1997)及びジェンバンク(Genbank)登録番号NC_001284を参考にした。
次に、NWB−CMSダイコン系統からDNAを分離した後、これを鋳型にしてPCRを行った。PCRは、(株)バイオニア社のPCRキット(AccuPower Premix)を用いて行った。PCRは、94℃で5分間前変性化(pre-denaturation)させた後、94℃で30秒;55℃で30秒;及び72℃で2分を1サイクルにして、35回繰り返した後、72℃で10分間最終拡張(extension)させて反応を終結させた。その後、PCR産物をゲル溶出(gel elution)により分離した。32個の遺伝子のうち、下記表3のNo.25のorf240遺伝子は、NWB−CMSダイコン系統のDNAを鋳型にしたPCRでは増幅されないので、シロイヌナズナのDNAを鋳型にしてPCRを行うことによって得られた。


4−2)RFLP分析
NWB−CMSダイコン系統に特異的なDNA標識因子を開発するための基礎作業として、アブラナ科内に存在する多様なCMS系統間のRFLPを分析した。このために、NWB−CMS系統を含む下記表4のNo.1〜8及びNo.15〜17の雄性不及び雄性可系統を実験対象として使用した。
各系統から当業界で公知されたDNAの分離方法によって総DNAを分離した後、これを6個の制限酵素(BamH I, Dra I, EcoR I, EcoR V, Hind 3及びXba I)で各々切断(digestion)した。切断されたDNAをアガロースゲルで電気泳動した後、これをナイロン膜に移してサザンブロットを実施した。この時、プローブとしては、前記実施例4−1)で得られた32個のミトコンドリア遺伝子を利用した。このように、RELPを実施して32個の遺伝子に対するRFLPパターンを比較した。


その結果、プローブとして使用した32個の遺伝子のうち、19個の遺伝子では、多形性(NWB−CMSダイコン系統に特異的なバンド)が現れなかった(結果図示せず)。また、残りの13個の遺伝子のうちでも、atp6及びatp9遺伝子を除外した11個の遺伝子をプローブとして用いた場合には、6個の制限酵素のうち2個未満の制限酵素でのみ多形性が現れ、これは、単純な点突然変異(point mutation)により現れたと推定された。
しかし、atp6遺伝子をプローブとして使用した場合、6個の制限酵素のうち、BamHI, DraI, EcoRI, EcoRV及びXbaIの5個の制限酵素で多形性が現れたことを確認することができ、そのうちEcoRV及びXbaIの結果を図2に示した。
また、atp9遺伝子をプローブとして使用した場合には、DraI, EcoRI, EcoRV及びHind3の4個の制限酵素で多形性が現れたことを確認することができ、そのうちEcoRV及びHind3の結果を図3に示した。これにより、atp6及びatp9遺伝子の場合に現れた多形性は、単純な点突然変異によるものでなく、ミトコンドリアゲノム内の遺伝子組み換え、欠失または挿入により現れたものと推定された。
一方、各系統のDNAをEcoRとEcoRVに各々切断した後、atp6遺伝子及びnad3遺伝子をプローブとし、サザンブロットを実施した場合、NWB−CMSダイコン系統で類似したサイズのバンドが現れることを確認することができた(図4参照)。この結果から、atp6遺伝子とnad3遺伝子が、ミトコンドリアゲノム上で互いに隣接した位置に存在すると推定された。
また、各系統のDNAをDraIとEcoRVに各々切断した後、atp9遺伝子とnad3遺伝子をプローブとし、サザンブロットを実施した結果、Dra1の場合には、あらゆる系統で類似したバンドが現れ(図5A参照)、EcoR5の場合には、オグラ−CMSダイコン系統で類似したサイズのバンドが現れることを確認した(図5B)。この結果から、atp9遺伝子とnad3遺伝子も、ミトコンドリアゲノム上で互いに隣接した位置に存在すると推定された。
NWB−CMSダイコン系統選抜用プライマー製作
本発明者は、前記実施例4により、atp6遺伝子とatp9遺伝子のPRF(open reading frame)に変移が起こったことを確認した。また、nad3遺伝子が、atp6遺伝子及びatp9遺伝子と各々類似したRFLPパターンを現すことから、nad3遺伝子が、atp6遺伝子及びatp9遺伝子とミトコンドリアゲノム上で、隣接した位置に存在すると推定した。従って、本発明者は、前記3個の遺伝子の塩基配列を参考にして、変移が起こったと推定された部分の塩基配列を増幅するためのプライマーを製作した。
まず、atp6遺伝子の5'部分とnad3遺伝子の間を増幅するための正方向及び逆方向プライマーを製作した。製作されたプライマーを各々「ia6f」、「rn3f」と命名し、その塩基配列を配列番号1及び2と記載した。また、atp9遺伝子の5'部分とnad3遺伝子の間を増幅するための正方向及び逆方向プライマーを製作した。製作されたプライマーを各々「ia9f」、「n31r」と命名し、その塩基配列を配列番号3及び4と記載した。
本発明によるプライマーを用いたアブラナ科作物におけるPCR分析
本発明者は、前記実施例5で製作したプライマーにより、NWB−CMSダイコン系統に特異的なPCR産物が増幅されるか否かを確認するために、次のような実験を行った。このための実験材料としては、前記表4に記載されたダイコンとキャベツの雄性可及び雄性不系統を用いた。
6−1)ia6f及びrn3fプライマーを用いたPCR実施
まず、各系統から分離したDNAを鋳型にし、配列番号1及び2と記載される塩基配列を有するia6f及びrn3fプライマーを用いて、PCRを行った。PCRは、(株)バイオニア社のPCRキット(AccuPower Premix)を用いて行った。反応条件は、95℃で5分間前変性化(pre-denaturation)させた後、95℃で1分;55℃で1分;72℃で2分を1サイクルにし、30回繰り返した後、72℃で10分間最終反応させた。その後、1%アガロースゲル電気泳動を行った。その結果、図6Aに示したように、NWB−CMSダイコン系統でのみ約1.8kbサイズの特異的なバンドが検出されたことを確認した。
6−2)ia9f及びn31rプライマーを用いたPCR実施
配列番号3及び4と記載される塩基配列を有するia9f及びn31rプライマーを用いたこと以外には、前記実施例6−1)と同様な方法によりPCRを行った。その結果、図6Bに示したように、NWB−CMSダイコン系統でのみ約2.3kbサイズの特異的なPCR産物が検出されたことを確認することができた。雄性可系統である緑風3と秋強でもPCR産物が検出されたが、このPCR産物は、NWB−CMSダイコン系統で現れたPCR産物とそのサイズが異なり、これにより、雄性可系統で増幅されたPCR産物が、NWB−CMSダイコン系統で増幅されたPCR産物と異なることを確認することができた。
本発明によるプライマーにより増幅されたPCR産物の配列分析
前記実施例6で得られた2個のPCR産物の塩基配列を(株)バイオネクス社に依頼して分析した。ia6f及びrn3fプライマーにより増幅されたPCR産物の塩基配列を分析した結果、atp6遺伝子とnad3遺伝子とは、約1290bp程度離れて存在すると確認され、前記2つのプライマーは、atp6遺伝子とnad3遺伝子の間を増幅すると確認された(図7参照)。ia6f及びrn3fプライマーにより増幅されたPCR産物の全体塩基配列を配列番号5と記載した。
また、ia9f及びn31rプライマーにより増幅されたPCR産物の全体塩基配列を分析した結果、前記2つのプライマーは、本発明者の予想とは異なり、atp9遺伝子とnad3遺伝子の間の部分を増幅しないと確認された。ただし、前記PCR産物の配列には、n31rプライマーの塩基配列を含むその附近に、nad3遺伝子の一部と類似した塩基配列(図8の塩基配列のうち、2596〜2640に該当する配列)が存在すると確認された(図8参照)。ia9f及びn31rプライマーにより増幅されたPCR産物の全体塩基配列を配列番号6と記載した。
以上説明したように、本発明は、新しいCMSダイコン系統であるNWB−CMSダイコン系統のカルスと、前記カルスから誘導された植物体及びこれを用いて製造された雑種種子を提供する。本発明によるNWB−CMSダイコン系統の植物体は、F1植物体に対する雄性不導入率が高いため、CMS系統の雑種種子の生産に非常に有用に利用されることができる。また、特異的なDNA標識因子を含有していて、検出が容易であるという長所があり、有用である。
オグラ−CMSダイコン系統に特異的なプライマー(A)及びコセナ−CMSダイコン系統に特異的なプライマー(B)でPCRを行った結果を示すゲル写真である。レーン1:白光 レーン2:新真珠 レーン3:YR拓洋レーン4:献夏 レーン5:NWB1 レーン6:NWB2レーン7:MF1 レーン8:MF2 レーン9:大根の葉レーン10:白玉春 レーン11:円白 レーン12:春作レーン13:太白 レーン14:紅風1 レーン15:紅風3 各CMSダイコン系統のDNAをEcoRI(A)及びXbaI(B)で各々切断した後、atp6遺伝子をプローブとして使用し、サザンブロットを行った結果を示す図である。 各CMSダイコン系統のDNAをEcoRV(A)及びHind3(B)で各々切断した後、atp6遺伝子をプローブとして使用し、サザンブロットを行った結果を示す図である。 各CMSダイコン系統のDNAをEcoRI(A)及びEcoRV(B)で各々切断した後、atp6遺伝子及びnad3遺伝子をプローブとして使用し、サザンブロットを実施した結果を比較して示す図である。レーン1:NWB1 レーン2:NWB2 レーン3:白光レーン4:新真珠 レーン5:MF1 レーン6:MF2 各CMSダイコン系統のDNAをDraI(A)及びEcoRV(B)で各々切断した後、atp6遺伝子及びnad3遺伝子をプローブとして使用し、サザンブロットを実施した結果を比較して示す図である。レーン1:NWB1 レーン2:NWB2 レーン3:白光レーン4:新真珠 レーン5:MF1 レーン6:MF2 本発明によるia6f及びrn3fのプライマー(A)、ia9f及びn31rプライマーのプライマー(B)を用いて、PCRを行った結果を示すゲル写真である。M:分子量標識因子レーン1:NWB1 レーン2:NWB2 レーン3:白光レーン4:新真珠 レーン5:夏童 レーン6:YR拓洋レーン7:献夏 レーン8:冬みね レーン9:大根の葉レーン10:白玉春 レーン11:春作 レーン12:太白レーン13:紅風1 レーン14:紅風3 レーン15:円白レーン16:MF1 レーン17:MF2 レーン18:小松菜レーン19:ドンスキヤ レーン20:ジャサイ レーン21:アナンドレーン22:緑風3 レーン23:秋強 本発明によるia6f及びrn3fFプライマー(黒色陰影のイタリック体で表示する)により増幅される部位を示す図で、プライマー配列を含む灰色陰影で表された塩基配列(226-999及び2290-2645)は、各々atp6遺伝子及びnad3遺伝子を示す。 本発明によるia9f及びn31rプライマー(黒色陰影のイタリック体で表示する)により増幅される部位を示す図で、プライマー配列を含む灰色陰影で表示された部分(102-321及び2596-2640)は、各々atp9遺伝子及びnad3遺伝子の塩基配列と類似した部分を示す。

Claims (7)

  1. 細胞質雄性不(CMS)特性を有し、配列番号5及び配列番号6の塩基配列を含有することを特徴とするNWB−CMSダイコン系統のカルス(寄託番号:KCTC 10339BP)。
  2. 請求項1に記載のカルスから誘導され、組織培養により無性繁殖されるNWB−CMSダイコン系統植物体。
  3. (a)請求項1に記載のカルスから新梢(shoot)を誘導する段階と、
    (b)前記新梢が形成されたカルスから抜根を誘導する段階と、
    (c)前記抜根が形成されたカルスを土壌改良及び再分化過程を経て植物体を形成する段階と、
    を備えることを特徴とするNWB−CMSダイコン系統植物体の製造方法。
  4. 請求項2に記載のNWB−CMSダイコン系統植物体を、雄性不を導入しようとする雄性可ダイコン系統植物体と交配することを特徴とするCMSダイコン系統雑種種子の製造方法。
  5. 請求項2に記載のNWB−CMSダイコン系統植物体を、雄性不を導入しようとする雄性可ダイコン系統植物体と交配して製造されたNWB−CMSダイコン系統の雑種種子。
  6. 前記雄性可ダイコン系統は、ソウルボム(Seoul Bom)1523、ソウルボム1978、総太1642、晋州大坪340、時無1462、聖護院52、総太1968、総太2015、1934、Mn002、Mn003、YB−1、1825、AD1002、Mn006、三季ボム1634、宮重総太JA046、宮重総太JA048、宮重総太JA049、宮重総太JA053、宮重総太1642、宮重総太1921、宮重総太1923、宮重総太1929、宮重1706、晩抽宮重2004、晩抽総太1916、晩抽総太1917、晩抽総太1918、美濃2113、ソウルボム1861、ソウルボム2064、聖護院1877、聖護院1947、龍ケン1709、円白分離Mn005、円白分離1935及び総太1946よりなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のCMSダイコン系統の雑種種子。
  7. 配列番号5及び配列番号6で表される塩基配列を有するNWB−CMSダイコン系統植物体選抜用DNA標識因子を増幅するための配列番号1及び2、または配列番号3及び4の一対であるプライマー。
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