JP3963653B2 - 建設機械のトラックフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械の走行部ベースフレームを構成するトラックフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルに代表される建設機械の走行部のベースフレームは、図4及び図5に示すように、走行部のベースとなるカーボディ5と、そのカーボディ5の両側部において、クローラシュー7が巻回されるトラックフレーム6とからなる。
【0003】
そして、トラックフレーム6は、図4に示すように、カーボディ5端部が溶接される曲げ構造のラッパプレート60と、該ラッパプレート60端部に溶接されるローラセットプレート61との2つのプレートから構成された断面門形状の形態となっている。トラックフレーム6内部には、図5(a)及び図6に示すように、テンション装置8(テンションスプリング、アジャスタシリンダなど)が配置される一方、トラックフレーム6下端の、ローラセットプレート61によって形成されるフランジには、トラックローラ9が螺着される。そして、トラックフレーム6の上部側は、泥はけ性の向上と、カーボディ5との接合を考慮することが要請される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような構造の従来のトラックフレーム6は、ラッパプレート60とローラセットプレート61とが溶接によって接合されていたので(62は溶接部)、溶接による熱歪みが発生することがあり、精度の良いトラックフレームが得られないことがあった。
【0005】
また、実際には、トラックフレーム6の形状は、機体重量、掘削力、安定性、走行性など強度や性能面から要求される概略全体形状(長さ・幅・高さ)に加え、トラックフレーム6の幅方向の形状は、図5に示すように、トラックローラ9の大きさ及び取付ピッチ(ネジ止め位置63)により、トラックフレーム6の高さ方向の形状は、図6に示すように、テンション装置8の大きさにより(それとのクリアランスαから)、おおよその形状が決定されるものとなっている。このため、溶接による熱歪みが発生した場合、これら形状を決定する要素を、当初の規格どおりのもので用いることが困難となっていた。
【0006】
一方、トラックフレーム6の形状が上記要素によってほぼ決定されるので、泥はけ性と、カーボディ5との接合性を考慮した外形形状の自由度が大きく制限されていたという問題があった。
【0007】
さらに、トラックローラ9の取付は、ローラセットプレート61によって形成されるフランジにネジ止めするため、図5(b)に示すように、ローラの取付ネジ位置63とラッパプレート60の立て板とはオフセットの位置関係となり、トラックローラ9から荷重がかかった場合、局部的な曲げモーメントが、オフセット位置の1枚のラッパプレート60の立て板に発生してしまうという問題もあった。
【0008】
この発明は、従来技術の以上のような問題に鑑み創案されたもので、ローラセットプレート接合による熱歪みがなく、また形状の自由度が大きく、さらに強度の向上が図れる構造のトラックフレームを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
このため、この発明に係る建設機械のトラックフレームは、鋼管を加圧して断面門形状に形成させたうえ、脚部先端となる門形両側部の下方箇所を除いた所定箇所で管内面相互を接触させてその接触部を接合させることにより、少なくとも、門形上部箇所と、脚部先端となる門形両側部の下方箇所とを含む複数箇所に閉断面部が形成され、脚部先端となる門形両側部の下方箇所における閉断面部の形成により脚部先端端部が幅をもって形成されることを特徴とする。
【0010】
ここで、加圧するとは、圧力を加えて鋼管の断面形状を変形させるような工程を広くいうものであり、もちろん加熱したうえで加圧するような工程も含むものである。また、前記脚部とは、門形状の開口(例えば図1では12)を形成する両側部をいい(例えば図1では10)、前記脚部先端とは、門型状の開口口縁部のこと(例えば図1では11)を指す。
【0011】
本発明に係るトラックフレームは、基本的に、鋼管を加圧して、所定箇所で管内面相互を接触させつつ、その断面形状を、脚部先端が幅を持つ門形状に形成してなる。これは、例えば加圧により、まず鋼管の断面外形を所定形状に形成し(例えば異型鋼管)、次に下方となる面側の中間部から管内部側にさらに加圧していけば、門形状に形成されることになり、さらに、所定箇所において(ここで脚部先端は幅を持たせる必要があるため、脚部先端となるべき箇所は除外される)、管内面相互が接触するように、その所定箇所を加圧すれば、その形状が得られる。このような加圧工程は複数工程に分けても、また一度に行っても良い。このような形状では、脚部先端、すなわち開口の口縁部が所定幅を持つことになるので、脚部先端をトラックローラの螺着部として利用できる。したがって、本発明では、基本的には、ローラセットプレートが不要となることになり、それを溶接によって取り付けることも不要となる。
【0012】
そして本発明では、前記形状において、脚部先端となる門形両側部の下方箇所を除いた所定箇所で管内面相互を接合させ、少なくとも、門形上部箇所と、脚部先端となる門形両側部の下方箇所とを含む複数箇所に閉断面部が形成されるものとなっており、トラックフレーム全体としてみると、複数の閉断面部が形成される構造となる。すなわち、1の鋼管から閉断面部が複数形成される構造となり、剛性がより向上して、強度的により有利な構造となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的実施形態例を図面に基づき説明する。なお、以下の形態例はあくまで一例であり、本発明が本形態例に限定されるものでないことは当然である。
【0014】
図1は第1形態例に係るトラックフレーム1の断面図を示している。この形態例は、鋼管を加圧により、その断面外形を変形五角形状の異型鋼管に形成し、次に下方となる面側の中間部から管内部側に開口12を形成するようにさらに加圧していき、上部の2箇所15と側部の中間部2箇所16において管内面相互を接触させつつ、断面形状をその脚部先端が幅を持つ門形状(脚部10)に形成し、さらに管内面相互の接触部15,16を電子ビーム照射で融接して得たものである。接触部15,16の融接手段としては、レーザ照射でも良い。この工程において、断面外形を形成する前工程の際は、その上方の形状について、泥はけ性とカーボディの溶接性とを考慮した形状に加圧し、一方開口12を形成する後工程の際は、トラックローラの大きさ・取付ピッチ及びテンション装置の大きさ・形状を考慮した形状に加圧する。
【0015】
図2は第2形態例に係るトラックフレーム2を、図3は第3形態例に係るトラックフレーム3の断面図をそれぞれ示している。これら形態例の形成工程は、基本的に第1形態例と同じであるが、第2形態例では、外形の形成について、上部24を平坦にするとともに、脚部20の下部を外側に張り出すようなスカート状に形成している点、さらに管内面相互の接触部25を側部の中間部4箇所としている点で、また第3形態例では、管内面相互の接触部34を上部2箇所だけにしている点で、それぞれ第1形態例と異なっている。
【0016】
これらの形態例では、所定断面形状に形成した鋼管について、下方となる面側の中間部から管内部側に加圧していくものであり、また管内面相互の接触部15,16,25,34も脚部先端11,21,31以外に形成され融接されているので、加圧によって形成される開口12,22,32の口縁部となる脚部先端11,21,31が所定幅をもって形成される。したがって、この脚部先端11,21,31をトラックローラの螺着部(ネジ止め位置13,23,33)として利用することができる。すなわち、部材としてのローラセットプレートが不要であり、それを接合するための溶接部分もなく、このため、溶接による熱歪みが発生する余地がなく、精度の良い構造となっている。
【0017】
また、これらの形態例では、外形を形成する外板と、開口を形成する内板とによる二重構造となり、それゆえ、外形形状と、開口12,22,32による内形形状とは、相互に別々に考慮して形成できる。したがって、これら形態例のように、外形形状は泥はけ性とカーボディとの接合性を考慮し、かつ内形形状はトラックローラの大きさ及び取付ピッチを考慮すると言った、それぞれの形状形成の自由度がより大きなものとなっている。
【0018】
さらに、二重構造となることに加え、管内面相互の接触部15,16,25,34が融接されて、少なくとも、門形上部箇所と、脚部先端となる門形両側部の下方箇所とを含む複数箇所に閉断面部が形成される構造となり、トラックローラからの荷重は、脚部10,20,30を構成する外板と内板とで受けて荷重が分散されるのみならず、複数の閉断面形状で受けることになるので剛性が向上し、強度的にもより有利になる。
【0019】
なお、トラックローラ螺着部となる脚部先端11,21,31あるいはネジ強度をより向上させたい場合は、図3(b)に示すように、セットプレート35を追加するような形態としても良い。セットプレート35が溶接によって接合される場合であっても、脚部先端31は幅があり、このため同図に示すように、セットプレート35の上面全体と脚部先端31とが当接した状態で溶接されるので、熱歪みによる影響は、従来の構造と比べて、最小限に抑えることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る建設機械のトラックフレームによれば、ローラセットプレートを溶接によって取り付ける必要がなくなり、このため溶接部分がなくなって、ローラセットプレート接合の溶接熱による熱歪みが発生せず、精度の良い構造物となる。
【0021】
また、外形形状と内形形状とをそれぞれの条件に応じた形状に形成することができ、形状の自由度が向上する。
【0022】
さらに、1つの部材で閉断面部が複数形成できる構造であり、荷重を分散させる二重構造であることのみならず、剛性が格段に向上し、強度的により有利な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態例の断面図である。
【図2】第2形態例の断面図である
【図3】第3形態例の断面図を示し、(a)はトラックローラを直接取り付ける態様、(b)はローラセットプレートを追加する態様をそれぞれ示している。
【図4】一般的な建設機械のトラックフレームの構造の概略を説明した断面図である。
【図5】図4のトラックフレームにおけるトラックローラの配置関係を説明した断面図である。
【図6】図5のトラックフレームにおけるテンション装置の配置関係を説明した断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,6 トラックフレーム
5 カーボディ
7 クローラシュー
8 テンション装置
9 トラックローラ
10,20,30,40 脚部
11,21,31,41 脚部先端
12,22,32,42 開口
13,23,33,63 ネジ止め位置
15,16,25,34 管内面相互の接触部
Claims (1)
- 鋼管を加圧して断面門形状に形成させたうえ、脚部先端となる門形両側部の下方箇所を除いた所定箇所で管内面相互を接触させてその接触部を接合させることにより、少なくとも、門形上部箇所と、脚部先端となる門形両側部の下方箇所とを含む複数箇所に閉断面部が形成され、脚部先端となる門形両側部の下方箇所における閉断面部の形成により脚部先端端部が幅をもって形成されることを特徴とする建設機械のトラックフレーム。
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