JP3962724B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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本発明は、例えば各種カテーテルを誘導するのに用いられるガイドワイヤに関する。
生体内へカテーテルを挿入する場合、そのカテーテルのルーメン内にガイドワイヤを挿通し、これを操作することによって、カテーテルの先端部を誘導し、血管の分岐の選択等を円滑かつ確実に行うようにしている。
従来のガイドワイヤとしては、ステンレス鋼や超弾性合金(Ni−Ti合金)で構成されたものが知られている。
ところで、生体内へのカテーテルの挿入は、X線透視下で行われるため、カテーテルには、X線造影性が付与されている。
近年、核磁気共鳴装置:MRI(Magnetic Resonance Imaging)による検査、診断が行われているが、技術の進歩により、このMRIによる画像をモニターしつつ、被検者の体内にカテーテルおよびガイドワイヤを挿入し、検査、診断、治療等の医療行為を行うことも可能となってきた。
この場合、ステンレス鋼で構成された従来のガイドワイヤは、その材料特性および線材への加工の際に生じる加工硬化により、磁性を帯び、そのため、MRIの強力な磁場中におかれた場合、過剰に反応してMRIモニター画像上に大きなアーチファクト(実在しない像)が出現し、ガイドワイヤが実際の太さの10倍以上に視認されてしまう。その結果、生体内におけるガイドワイヤの先端部の位置を正確に認識することができなくなり、前記医療行為の妨げとなるおそれが生じる。
さらに、MRIの強力な磁化作用によって、ガイドワイヤが発熱し、同様に前記医療行為の妨げとなったり、生体に対し悪影響を及ぼしたりすることがあり得る。
また、逆に、超弾性合金(Ni−Ti合金)で構成された従来のガイドワイヤは、MRIモニター画像上に生じるアーチファクトが、ガイドワイヤの実際の太さより小さく、そのため、生体内におけるガイドワイヤの先端部の位置を確認しにくい。
本発明の目的は、MRIによるモニター画像で適正に視認することができるガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 弱磁性体または非磁性体で構成されたワイヤ本体を有するガイドワイヤであって、
前記ワイヤ本体の先端部外周に、遷移金属または遷移金属を含む合金で構成された厚さ0.01〜1.0μm、幅0.2〜10mmの薄膜をリング状に設け、
前記薄膜が設けられた部位は、MRI画像において造影性を有する造影部を構成し、
前記造影部は、グラジエントエコー法により撮影したMRI画像中において実際の外径の1〜8倍のアーチファクトを生じるものであることを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記ワイヤ本体は、先端部に先端細径部を有し、前記薄膜は、前記先端細径部の外周に設けられている上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記ワイヤ本体の少なくとも前記薄膜が設けられた部分に、その外周を被覆する被覆層が形成されている上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記被覆層は、有機高分子材料で構成されている上記(3)に記載のガイドワイヤ。
(5) 前記被覆層の厚さは、0.05〜0.3mmである上記(3)または(4)に記載のガイドワイヤ。
本発明のガイドワイヤでは、前記薄膜は、気相または液相成膜法により形成されたものであることが好ましい。
前記薄膜は、ガイドワイヤの長手方向に沿って所定間隔をおいて複数形成されていることが好ましい。
前記ワイヤ本体は、常温付近における外径方向の磁化率が5.0×10-4以下である金属材料で構成されていることが好ましい。
前記被覆層の構成材料中に、X線不透過材料が含まれていることが好ましい。
前記ワイヤ本体は、異なる2種以上の材料を組み合わせたもので構成されていることが好ましい。
前記ワイヤ本体は、芯材にコイルを巻回したものであることが好ましい。
本発明のガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの位置や形状、特に先端部の位置をMRIによるモニター画像で適正に視認することができる。
そのため、MRIによるモニター下で本発明のガイドワイヤを使用しつつ、検査、診断、治療等の医療行為を行う場合に、その医療行為を円滑、適正に行うことが可能となる。
特に、本発明では、薄膜の組成、寸法、形成位置、形成パターン等の条件の設定により、ガイドワイヤの実際の外径に対するアーチファクトの大きさや該アーチファクトが生じる部位を適宜調整することができ、所望の特性を容易に得ることができる。
以下、本発明のガイドワイヤを、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のガイドワイヤの実施形態を示す斜視図である。以下、図1中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
図1に示す本発明のガイドワイヤ1Aは、核磁気共鳴装置:MRI(Magnetic Resonance Imaging)の作動下で、検査、診断、治療等の医療行為を行う際に使用することができるものである。
このガイドワイヤ1Aは、弾性を有するワイヤ本体2を備えている。本実施形態の場合、ワイヤ本体2は、中実の線材よりなる芯材で構成されている。このワイヤ本体2は、ガイドワイヤ1Aの剛性を担う部分であり、適度な剛性と弾性とを有している。
ワイヤ本体2の構成材料は、MRI画像中におけるアーチファクトの増大を抑制するために、弱磁性体または非磁性体とされるのが好ましい。具体的には、例えば、超弾性合金(Ni−Ti合金)、Ni−Cr−Mo合金のような金属材料が挙げられる。
また、ワイヤ本体2を金属材料で構成する場合、その金属材料は、常温付近(10〜40℃程度)における外径方向の磁化率が、好ましくは5.0×10-4以下、より好ましくは0.5×10-4〜4.0×10-4程度、さらに好ましくは1.0×10-4〜3.5×10-4程度のものとされる。
このような磁気特性の金属材料(低磁化率金属材料)をワイヤ本体2の全部または一部に用いることにより、後述するようなアーチファクトを有効に生ぜしめることができる。
ここで、磁化率とは、次のように定義される。
図4に示すMH磁化曲線(磁気ヒステリシス曲線)において、保磁力Hcと(単位体積[cm3]当たりの)残留磁化Mrの座標を持つ点Aと、原点0とを結ぶ直線の傾きを磁化率とする。
この磁化率Xは、
磁化率X=M(磁化:単位[G])/H(磁場:単位[Oe])
=Mr[emu]/(体積[cm3]×Hc[Oe])
で表される。
ワイヤ本体2の径は、特に限定されないが、通常、0.25〜1.57mm程度であるのが好ましく、0.40〜0.97mm程度であるのがより好ましい。
なお、図示の例では、ワイヤ本体2の径は、その全長に渡りほぼ同一であるが、これに限らず、例えば、ワイヤ本体2の先端部おいて、先端方向に向かってその外径が漸減するテーパ状をなしているもの(先端細径部)でもよい。このような構成により、ガイドワイヤ1Aの先端部5の剛性(曲げ剛性、捩り剛性等)は、先端方向に向かって漸減する。その結果、ガイドワイヤ1Aのトルク伝達性、押し込み性(プッシャビリティ)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)を十分に維持しつつ、先端部5の柔軟性が向上し、より高い安全性を確保することができる。
また、ワイヤ本体2は、異なる2種以上の材料を組み合わせたもので構成されていてもよい。例えば、ワイヤ本体2の基端側部分と先端側部分とをそれぞれ異なる第1の材料と第2の材料とで構成し、第1の材料の剛性が第2の材料の剛性より高いものとすることができる。この場合、第1の材料と第2の材料との接合は、例えば溶接、ろう接、かしめ等により行うことができる。
ワイヤ本体2の先端部には、その外周を覆うように薄膜3が形成されている。この薄膜3の構成材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルトのような遷移金属またはこれらを含む合金(例えば、ステンレス鋼)である。このような材料の薄膜3を設けることにより、MRI画像中において後述するような適度なアーチファクトが得られる。
この薄膜3は、例えば、電気メッキ、溶融メッキ、無電解メッキ等の各種メッキ法(液相成膜法)や、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、PVD等の気相成膜法により形成されたものが挙げられ、特に、前記気相成膜法により形成されたものであるのが好ましい。このような方法により形成された薄膜3は、膜成長の過程で、原子配列の配向性が変化し、強磁性体であっても、後述するような適度なアーチファクトを発現する。
薄膜3の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.001〜2.5μmであるのが好ましく、0.01〜1.0μm程度であるのがより好ましい。このような範囲であると、より適したアーチファクトが得られる。
本実施形態における薄膜3は、ワイヤ本体2の先端部外周の全周を帯状に覆うように、すなわちリング状に形成されている。この場合、薄膜3の幅Wは、特に限定されないが、より適度なアーチファクトを得るために、0.2〜10mm程度が好ましく、0.5〜5mm程度がより好ましい。
なお、薄膜3の形成パターンは、図示のものに限定されるものではなく、例えば、ワイヤ本体2の長手方向に沿って線状、帯状等に形成されているもの、螺旋状に形成されているもの、あるいは、これらのパターンと前記リング状パターンとを組み合わせたもの等、いかなるパターンのものでもよい。
また、薄膜3は、1層のものに限らず、複数の層を積層したもの(多層薄膜)であってもよい。
このようなガイドワイヤ1Aは、グラジエントエコー(gradient echo)法により撮影したMRI画像中において実際のガイドワイヤの外径の好ましくは1〜8倍、より好ましくは1.5〜7.5倍、さらに好ましくは2〜7倍のアーチファクト(artifact)を生じる造影部を有している。アーチファクトが大きすぎると、体腔内におけるガイドワイヤの位置の確認が困難になり、小さすぎると、MRIの他の撮影方法であるスピンエコー法によるMRI画像で、アーチファクトが見にくくなってしまう場合がある。
この造影部は、本実施形態の場合、ガイドワイヤ1Aの先端部5、すなわち、薄膜3が形成されている部分の近傍となる。
このような適度なアーチファクトは、ワイヤ本体2の構成材料、薄膜3の組成、厚さ、幅W等の諸条件により、適宜調整することができる。
図2は、本発明のガイドワイヤの他の実施形態を示す縦断面図である。同図に示すガイドワイヤ1Bは、被覆層4を有し、それ以外は同様である。以下、相違点を中心に説明する。
ワイヤ本体2のほぼ全長に渡る外周には、被覆層4が被覆形成されている。この被覆層4は、有機高分子材料で構成されているのが好ましい。
被覆層4を構成する有機高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
また、被覆層4中には、X線透視下でガイドワイヤ1Bを使用した場合にも、その位置を確認できるように、例えば硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステンのようなX線不透過材料が別途配合されていてもよい。
この被覆層4は、その構成材料の選定等により、ワイヤ本体2や薄膜3の保護、ガイドワイヤの滑り性の向上、表面潤滑性ポリマーのコーティング層の形成を可能とする等の効果をもたらす。
被覆層4の厚さは、特に限定されないが、厚さ(平均)0.05〜0.3mm程度が好ましく、0.1〜0.2mm程度がより好ましい。
また、被覆層4の厚さは、被覆層4全体に渡って均一でも、部位により異なっていてもよい。
なお、被覆層4は、図示のごとき1層のものに限らず、複数の層を積層したものであってもよい。
このような構成のガイドワイヤ1Bでは、先端部(造影部)5において前述したようなアーチファクトが生じることとなる。
図3は、本発明のガイドワイヤの他の実施形態の先端部分を拡大して示す縦断面図である。同図に示すガイドワイヤ1Cは、ワイヤ本体2の先端部が細径化され、被覆層4はガイドワイヤの外径を一定にするよう先端部5で厚くなっており、それにより先端部5が柔軟化されている点と、薄膜3の形成パターンとが前記ガイドワイヤ1Bと異なっており、それ以外は同様である。以下、相違点を中心に説明する。
図3に示すガイドワイヤ1Cは、ワイヤ本体2の先端細径部21の外周において、前記と同様のリング状の薄膜3が、ガイドワイヤ1Cの長手方向に沿って所定間隔をおいて複数形成されている。この場合、薄膜3の幅Wは、1mm〜5mm程度であるのが好ましく、隣接する薄膜3同士の間隙距離Lは、1mm〜5mm程度であることが好ましい。また、薄膜3の好ましい構成材料、形成方法、厚さ等のについては、前記と同様である。
このような構成のガイドワイヤ1Cでは、先端部(造影部)5において前述したようなアーチファクトが生じることとなる。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の各実施形態について説明したが、本発明のガイドワイヤは、これらの構成に限定されないことは、言うまでもない。
例えば、ワイヤ本体2は、図示のごとき中実の線材(芯材)に限らず、その全部または一部が中空のものであってもよい。また、ワイヤ本体2は、複数本の線材を束ねたもの、多重管構造のもの、線材(芯材)にコイルを巻回したもの、コイルそのもの、あるいはこれらのうちの任意の組み合わせ等であってもよい。
以下、本発明の具体的実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す構造のガイドワイヤを製造した。このガイドワイヤの各条件は、次の通りである。
ガイドワイヤの全長:1500mm
ワイヤ本体:中実の円形断面を有する線材(芯材)
ワイヤ本体の構成材料:超弾性合金(Ni−49at%Ti合金)
ワイヤ本体の外径:0.5mm
薄膜の組成:Ni
薄膜の形状:リング状
薄膜の寸法:幅2mm、厚さ0.05μm
薄膜の形成位置:薄膜の幅方向の中心がワイヤ本体先端から3mmの位置
薄膜の形成方法:蒸着
(実施例2)
薄膜の条件を次のように変更した以外は実施例1と同様のガイドワイヤを製造した。
薄膜の組成:Ni−Co−Cr−Al−Cu合金
薄膜の形状:リング状
薄膜の寸法:幅W=2mm、厚さ=0.05μm
薄膜の形成位置:薄膜の幅方向の中心がワイヤ本体先端から3mmの位置
薄膜の形成方法:スパッタリング
(実施例3)
実施例1と同様のガイドワイヤに下記条件の被覆層を形成して、図2に示す構造のガイドワイヤを製造した。
被覆層の形成領域:ガイドワイヤのほぼ全長に渡る領域
被覆層の樹脂組成:ポリウレタン
被覆層中のX線不透過材料:タングステン(W)を45wt%添加
被覆層厚さ:0.2mm
(実施例4)
実施例2と同様のガイドワイヤに実施例3と同様の被覆層を形成して、図2に示す構造のガイドワイヤを製造した。
(実施例5)
図3に示す構造のガイドワイヤを製造した。このガイドワイヤの各条件は、次の通りである。
ガイドワイヤの全長:1500mm
ワイヤ本体:中実の円形断面を有する線材(芯材)
ワイヤ本体の構成材料:超弾性合金(Ni−49at%Ti合金)
ワイヤ本体の外径:0.5mm
ワイヤ本体の先端細径部の外径:0.16mm
薄膜の組成:Ni
薄膜の形状:リング状(3個)
薄膜の寸法:幅W=2mm、厚さ=0.05μm、間隙距離L=8mm
薄膜の形成位置:ワイヤ本体先端から5〜35mmの範囲
薄膜の形成方法:無電解メッキ
被覆層の樹脂組成:ポリウレタン
被覆層中のX線不透過材料:タングステンを45wt%添加
被覆層厚さ(平均):0.2mm
(比較例1)
ワイヤ本体の構成材料をステンレス鋼(SUS304、磁化率:15.23×10-4)とし、薄膜を設けなかった以外は、実施例1と同様のガイドワイヤを製造した。
(比較例2)
薄膜を設けなかった以外は、実施例5と同様のガイドワイヤを製造した。
<実験1>
実施例1〜5、比較例1、2の各ガイドワイヤを水中に置いたものについて、MRI(GEメディカル社製)を用い、グラジエントエコー法により撮影し、そのMRI画像をモニターした。
実施例1〜4の各ガイドワイヤでは、実際のガイドワイヤの輪郭7(図5中の点線)と、MRI画像に現れたガイドワイヤのアーチファクト8(図5中の実線)とは、図5に示すような形状(模式的に示す)となった。
また、実施例5のガイドワイヤでは、実際のガイドワイヤの輪郭7(図6中の点線)と、MRI画像に現れたガイドワイヤのアーチファクト8(図6中の実線)とは、図6に示すような形状(模式的に示す)となった。
一方、比較例1のガイドワイヤでは、実際のガイドワイヤの輪郭7(図7中の点線)と、MRI画像に現れたガイドワイヤのアーチファクト8(図7中の実線)とは、図7に示すような形状(模式的に示す)となった。
また、比較例2のガイドワイヤでは、実際のガイドワイヤの輪郭7(図8中の点線)と、MRI画像に現れたガイドワイヤのアーチファクト8(図8中の実線)とは、図8に示すような形状(模式的に示す)となった。なお、この場合、アーチファクトは、特にその先端が非常に不鮮明であり、視認しにくいものであった。
MRI画像から、ガイドワイヤの造影部の実際の外径に対するアーチファクトの倍率(各部の平均値)を測定したところ、次のような結果となった。
実施例1 :6.6倍
実施例2 :6.0倍
実施例3 :3.7倍
実施例4 :3.3倍
実施例5 :1.2倍
比較例1 :25.6倍
比較例2 :0.5倍
以上の結果より、実施例1〜5の各ガイドワイヤでは、MRIのモニター画像において、ガイドワイヤの位置、特に先端部の位置や形状をより正確に把握することができることが確認された。
これに対し、比較例1のガイドワイヤでは、ガイドワイヤの実際の外径より、アーチファクトが極端に大きく現れ、また、比較例2のガイドワイヤでは、ガイドワイヤの像が不鮮明であり、いずれの場合にも、ガイドワイヤの位置や形状を正確に把握することができない。
<実験2>
実施例3〜5の各ガイドワイヤについて、定法に従い、X線透視下でその画像をモニターしたところ、いずれのガイドワイヤも、その全体形状または先端部の位置等を正確に把握することができた。
本発明のガイドワイヤの実施形態を示す斜視図である。 本発明のガイドワイヤの他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの他の実施形態の先端部分を拡大して示す縦断面図である。 MH磁化曲線を示す図である。 ガイドワイヤ(本発明)の輪郭と、MRI画像におけるガイドワイヤのアーチファクトの形状を示す模式図である。 ガイドワイヤ(本発明)の輪郭と、MRI画像におけるガイドワイヤのアーチファクトの形状を示す模式図である。 ガイドワイヤ(比較例)の輪郭と、MRI画像におけるガイドワイヤのアーチファクトの形状を示す模式図である。 ガイドワイヤ(比較例)の輪郭と、MRI画像におけるガイドワイヤのアーチファクトの形状を示す模式図である。
符号の説明
1A〜1C ガイドワイヤ
2 ワイヤ本体
21 先端細径部
3 薄膜
4 被覆層
5 先端部
7 ガイドワイヤの輪郭
8 アーチファクト

Claims (5)

  1. 弱磁性体または非磁性体で構成されたワイヤ本体を有するガイドワイヤであって、
    前記ワイヤ本体の先端部外周に、遷移金属または遷移金属を含む合金で構成された厚さ0.01〜1.0μm、幅0.2〜10mmの薄膜をリング状に設け、
    前記薄膜が設けられた部位は、MRI画像において造影性を有する造影部を構成し、
    前記造影部は、グラジエントエコー法により撮影したMRI画像中において実際の外径の1〜8倍のアーチファクトを生じるものであることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記ワイヤ本体は、先端部に先端細径部を有し、前記薄膜は、前記先端細径部の外周に設けられている請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記ワイヤ本体の少なくとも前記薄膜が設けられた部分に、その外周を被覆する被覆層が形成されている請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記被覆層は、有機高分子材料で構成されている請求項3に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記被覆層の厚さは、0.05〜0.3mmである請求項3または4に記載のガイドワイヤ。
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