JP3962532B2 - 抗糖尿病剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然植物を起源とする新しい抗糖尿病剤に関する。
更に詳しくは、本発明は、ザクロ(Punica granatum、ザクロ科)の花の成分とタラノキ(Aralia elata、ウコギ科)、ホオキギ(Kochia scoparia、アカザ科)、紅景天属(Rhodiola)、サラシア属(Salacia)から選ばれた植物成分を組合わせてなる新規な生体安全性と経済性に優れる抗糖尿病剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本人の通常の食事の60〜70%を占める炭水化物(糖質)は、唾液や膵液さらに腸液中の種々の糖質分解酸素により最終的にはブドウ糖などの単糖に分解され、小腸から吸収され、血糖値の上昇を見てエネルギーとして活用される。
【0003】
しかしながら、昨今、食生活における高カロリー食物の摂取や過食、あるいは運動不足などが原因で糖尿病患者が増大しており、かつ、健常者と比較して血糖値が高めのいわゆる糖尿病予備軍が増大しており、国内外で大きな問題となっている。
【0004】
近年、抗糖尿病薬に分類される医薬品として消化管粘膜に存在する二糖類分解酵素(α−グルコシダーゼ)の活性能を阻害し、ブドウ糖の生成を抑制することにより血糖値上昇を抑制するα−グルコシダーゼ阻害薬が数種類発売され、糖尿病患者の治療に使用されている。
しかしながら、これらの医薬品については作用効果、副作用、安全性などの観点から改善の余地を残すものである。
【0005】
また、糖尿病の治療用として医薬品ではないが食品として手軽に用いられている伝承薬物も数多くみられる。しかしながらこれらの天然素材系の伝承薬物については、効能や作用効果について実証されているものがほとんどないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記した従来技術の限界に鑑み、特に天然物由来の抗糖尿病剤について幾つかの提案をなしている。
例えば、本発明者は、天然物由来の抗糖尿病剤として、サラシア属植物を利用したもの(特願平11−296961号)を提案している。
【0007】
また、本発明者は、体内に入るエネルギーとして糖質のほかにアルコール分も大きな位置を占めているという観点から、天然物由来のアルコール吸収阻害剤として、前記紅景天属物植物やサラシア属植物を利用したものも提案している(特願平11−302090号)。
【0008】
天然物由来の抗糖尿病剤を開発する場合、効能に優れているものを開発することに加えて、素材が天然物であることから天候等に左右されない安定供給の問題を解決しなければならない。特に、天然物素材は、天候により収穫量が大きく左右されてしまうという欠点を内包している。
【0009】
本発明は、天然物由来の抗糖尿病剤として、前記した安定供給の観点から単一の植物でなく相乗的に優れた効能を発現する二種以上の植物を併用したものを提供しようとするものである。即ち、本発明は、天然物素材を併用することにより相乗効果を発現させ、各成分の使用量を低減化した天然物由来の抗糖尿病剤を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明は、抗糖尿病剤が、
1.ザクロ(Punica granatum、ザクロ科)の花の粉末及び/又は抽出物、及び、
2.(1)タラノキ(Aralia elata,ウコギ科)植物、
(2)ホオキギ(Kochia scoparia、アカザ科)の種子、
(3)紅景天属(Rhodiola属、ベンケイソウ科)植物、及び、
(4)サラシア属(Salacia属、ニシキギ科)植物、
から成る群れから選ばれる少なくとも1種の粉末及び/又は抽出物、
を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤に関するものである。
【0011】
以下、本発明の技術的構成及び実施態様について詳しく説明する。
【0012】
周知のように、糖尿病は、唯一の体内血糖降下ホルモンである“インスリン”の分泌不全と感受性低下、またはこれらの合併により発生するものである。
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を活性化し、インスリンの分泌を促進させる抗糖尿病剤として、古くはスルホニル尿素剤が知られている。しかしながら、この薬剤の長期の服用は、序々に膵臓のβ細胞の疲弊を招来し、序々にインスリンの分泌低下が生じ、糖尿病の治療からほど遠い薬物療法になってしまうという欠点がある。
【0013】
また、次世代型の抗糖尿病剤として、最近、インスリンの感受性を高めるチアゾリジン誘導体であるトリグリタゾンやビオグリタゾンが上市され、骨格筋への糖の取込み促進、肝臓での糖新生の抑制、などにより血糖値の改善に有効性が認められている。しかしながら、この種の薬物療法には副作用(肝障害)が強く死亡例が続出しており、その販売が制限されているのが現状である。
【0014】
一方、本発明の抗糖尿病剤は、前記したように特定植物の二種以上の併用系の天然物由来のものであって、天然物ということから安定供給の観点から相乗的に効能を改善して各成分の使用量を低減化することに成功した生体安全性に優れる天然物由来のものである。
【0015】
以下、本発明の天然物由来の抗糖尿病剤を構成する各成分について説明する。
【0016】
ザクロ(Punica granatum,ザクロ科)の花は、日本においては民間薬として積極的に健康茶などとして使用されていない。
一方、中国広東省においては茶として歯痛の時に飯用されることが文献上知られている。
なお、日本薬局方には、以前、ザクロの根皮(ザクロ皮)が駆虫剤になる生薬であるとして収載されていたが、今日では削除されている。
【0017】
タラノキ(Aralia elata)は、日本全土に広く分布する落葉低木であり、その根皮や樹皮は糖尿病に対する民間薬として知られている。また、その若芽(頂芽、タラノメ)は山菜として独特の香味が喜ばれ、和物や煮物、てんぷらや炒め物として食用されている。
また、中国においては、タラノキの根皮や樹皮を“刺老鴉”と称して、強精、神経衰弱、関節炎、糖尿病の治療に用いられている。
【0018】
タラノキのアルコール吸収阻害能などについては、本発明者は既に報告している。例えば、Chem,Pharm,Bull 41,1948〜1954(1999)、あるいは、Chem,Pharm,Bull 45,1300〜1305(1997)に報告している。
例えば、本発明者は、タラノキの根皮や樹皮におけるアルコール及び糖吸収の阻害(抑制)活性物質がトリテルペン配糖体のElatoside(A)〜(F)であることを明らかにしている。
また、本発明者は、食用とされるタラノメ(頂芽)のトリテルペン配糖体について樹皮や根皮のトリテルペン配糖体分画と糖吸収抑制活性を比較し、タラノメのトリテルペン配糖体分画にも樹皮や根皮のトリテルペン配糖体分画と同等の活性があることをつきとめている。
【0019】
しかしながら、タラノキのアルコール吸収阻害に有効な作用成分であるサポニン類は、胃の運動を抑制する作用を有するものであり(Europian,J.Pham,368,237〜243(1999))、有効量を飯用した場合、胃のもたれや胸やけ感が生じる可能性があるものである。
【0020】
前記ホオキギ(Kochia scoparia、アカザ科)、例えばホオキギの種子は、漢方薬の原料となるものであり、中国では地膚子(ジフシ)と呼ばれている。
【0021】
本発明は、先に、前記ホオキギの種子から抽出されるサポニン(saponin;配糖体)のうち、トリテルペノイドサポニン(triterpenoidsaponin)が抗肥満症剤に有効であることを提案している(特願平10−21648号、同10−121649号参照)。
また、ホオキギは、アルコール吸収阻害能を有するが、前記タラノキと同様に、そのアルコール吸収阻害活性成分であるサポニン類は、胃の運動を抑制する作用を有し、従って有効量の引用の場合、胃のもたれや胸やけ感が生じる可能性があるものである。
【0022】
本発明者は、先に、紅景天、特に、大花紅景天、茎地紅景天、全弁紅景天及び四列紅景天のすべてに顕著な血糖上昇の抑制効果のあることを初めて見い出している。
【0023】
ベンケイソウ科に属する紅景天(Rhodiola属)は、主として中国高山岩石地帯のチベットや雲南、貴州などにおいては基源植物の違いにより、それぞれの生薬名が付けられている。その用途は、中国の代表的な薬用植物辞典である「中薬大辞典」(上海科学技術出版)によると、止血、鎮咳などの目的に内服したり、打撲傷や、火傷に外用することが示されている。またチベットや旧ソ連においては、前記した目的で用いる他に強壮薬として用いることも知られている。
【0024】
前記したようにベンケイソウ科に属する紅景天は、中国などにおいては伝承薬物として位置づけられているが、現代医学的な薬効の評価がなされていないものである。
本発明者は、多くの伝承薬物について新しい用途開発も含め、多方面から研究を行い、紅景天属植物が、過食や運動不足からくる種々の疾患の危険因子である食後の過血糖を抑制する素材であることを、即ち、α−グルコシダーゼの活性阻害作用を有する素材であることを初めて見い出している。
【0025】
本発明の併用系の抗糖尿病剤の有効成分である紅景天属(Rhodiola)植物を例示すると、次の通りである。なお、以下、植物名(学名/産地)の順に例示す。
喜冷紅景天(R.algida/青海、海北、海西)、唐古紅景天(R.algida var.Tangutica/青海、四川)、西川紅景天(R.alsia/四川)、小座紅景天(R.dumulosa/四川、甘粛)、大花紅景天(R.euryphylia/雲南西北、チベット)、長鞭紅景天(R.fastigiata/雲南西北、チベット)、長鱗紅景天(R.gelida/宇天山)、豌豆七紅景天(R.henryi/甘粛、河南、湖北、四川、貴州)、昇歯紅景天(R.heterodonta/新彊、四川、チベット)、庫頁紅景天(R.sachalinensis/黒龍江、吉林)、茎地紅景天(全弁)(R.sacra/雲南西北部、チベット東南)、▲造▼紅景天(R.scrabrida/四川西部、雲南西北部)、粗茎紅景天(R.wallichiana/雲南西北部、チベット東南)、大株粗茎紅景天(R.wallichianavar.cholaensis/青海、雲南西北部)、雲南紅景天(R.yunnnansis/湖北西部)、
などを例示することができる。
【0026】
前記紅景天属植物の産地としては、中華人民共和国のチベット、四川省、雲南省などが有名である。
また、前記紅景天植物、例えば紅景天において、全ての部位を利用することができるが、特に全草部を用いるのが経済的でもありかつ効率的である。
【0027】
本発明の併用系の抗糖尿病剤の有効成分であるサラシア属(Salacia属、ニシキギ科)に属する植物を例示すると、サラシアプリノイデス(Salacia prinoides)、サラシア オブロンガ(Salacia oblonga)、サラシア レティキュラータ(Salacia reticulata)、などがある。
【0028】
本発明者は、これらサラシア属ニシキギ科に属する植物は、α−グルコシターゼの活性阻害作用を有していること、かつ真に有効なα−グルコシターゼに対する阻害活性物質(新規化合物)についても解明している。前記α−グルコシターゼに対する阻害活性物質は、一種のチオ糖であり、分子式C9H18S2O9を有するものである(特願平9−195197号参照)。
【0029】
本発明の前記各種の植物(または当該植物の特定の部位)を併用してなる抗糖尿病剤において、その有効成分であるザクロの花や紅景天属植物などは、粉末状のもの、あるいは水やアルコールなどの所望の溶媒により抽出した抽出物、更にはこれら混合物の形態のものであってもよいものである。
【0030】
前記したザクロの花や紅景天属植物などから粉末体または抽出物を調製するには、所望の態様で行えばよいが、以下にその一例を示す。
例えば、紅景天の粉末体は、通常の粉砕機によって100〜150メッシュ程度の粉末状にすればよい。
また、紅景天の溶媒抽出物は、紅景天の粉末1kgに対して3〜51の溶媒(水あるいはメタノールやエタノールなどのアルコールなど)を加え、加温または冷温下で抽出する。加温の場合は80〜90℃で3時間、冷温の場合は室温で3日間放置後いずれも濾過し、その濾液を45℃以下で減圧濃縮し、溶媒を留去して、乾燥エキスとすればよい。
【0031】
本発明において、前記溶媒抽出法に用いる溶媒は、水、含水アルコール、アルコールなどであるが、アルコールとしては、低級アルコール、特に安全性の面からエチルアルコールが好ましい。また、前記含水アルコールの濃度は特に限定しないが、30〜90%、通常40〜70%濃度のものを使用すればよい。
【0032】
本発明において、前記紅景天属植物やサラシア属植物などの粉末体や抽出エキスに、適当な賦形剤あるいは乳糖や澱粉などを加え、顆粒や錠剤の形態の抗糖尿病剤としてもよいことはいうまでもないことである。
【0033】
本発明の抗糖尿病剤の投与量は、年齢や症状によって異なるが、通常成人の有効量は1回について粉末では500〜1000mg、エキスでは200mg〜500mgが妥当である。また、服用は、食前15〜30分で1日3回程度とすることが望ましい。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく詳細に説明する。
なお、本発明は実施例のものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0035】
(1)検体の調整法
各検体(各抗糖尿病剤)の調製は、粉末の場合は各薬剤成分を100メッシュ以上に粉砕して調製した。また、アルコールエキスや熱水抽出エキスの場合は各薬剤成分の5倍量の溶媒を加え、2時間加熱抽出し、ろ過後ろ液を減圧下45℃以下で濃縮して乾燥末を調製した。
【0036】
(2)実験方法:
食事、特に過食由来による食後の高血糖モデルとして、ラットを用いて蔗糖(砂糖)負荷により血糖値を上昇させ、各検体がこの過血糖をコントロールすることができるのかかどうかにより抗糖尿病剤の性能を評価した。この動物実験モデルを用いる方法は、食後の高インスリン血症の防止、膵臓のβ細胞の過多刺激、それに基づく疲弊防止の観点から好ましいものである。
前記動物実験は、体重140〜150g雄性Wistar系ラットを一群6匹とし、蔗糖1g/kgを投与する30分前に各検体を経口投与して実験した。次いで蔗糖の投与後30分目に採血し、グルコースパーオキシターゼ法により血糖値を求める。
また絶食を伴なう実験の場合、20時間絶食させてから行った。
【0037】
実験に使用した各植物の種類や部位を下記の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
各植物のアルコール抽出エキスおよび熱水抽出エキスの収率を下記の表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
(実験例1)
各検体の蔗糖1g/kg負荷後の血糖値の抑制効果を下記の表3に示す。
なお、表3において(*)印は、0.5%、(**)印は、0.01%の危険率で有為差のあることを意味する。
なお、比較対照薬として、スルホニル尿素剤系抗糖尿病剤であるトルブタマイド(シグマ社製)を使用した。
表3に示されるように、作用機作には差があるもののザクロ花以外は、いずれも有意に糖上昇を抑制した。
【0042】
【表3】
【0043】
(実験例2)
次に、絶食20時間ラットに対する各検体の作用効果を調べた。
この実験は、検体自体に糖利用促進や肝臓での糖新生抑制の効果があるのかないのかを調べるものである。
結果を下記の表4に示す。
表4に示されるように、トルブタマイドは膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進し、血糖値を低下(低血糖)させたが、他の検体はほとんど影響がなかった。
【0044】
【表4】
【0045】
(実験例3)
天然物利用の抗糖尿病剤において当該天然物がインスリンの分泌を促進したり、あるいはインスリン様の作用を持つ場合、低血糖症状を惹起させる可能性がある。従って、当該天然物が前記した作用を有するものであるか否かを事前に調べておくべきである。
周知のように、肥満では無くインスリン分泌が低下している場合、従来からスルホン尿素系を中心とした薬物療法がなされて来ている。
ところが、肥満でありインスリン分泌が正常の場合、この種のスルホン尿素剤を使用すると、高インスリン血症を惹起したり肥満を助長することが考えられる。
【0046】
このため、本実験においては、アロキサンを用いて膵臓のβ細胞を破壊し、インスリンが分泌しない病態モデルに対して各検体がどのように作用するかを調べた。
アロキサンによる糖尿病のモデルは、dd−Y雄性マウス(体重25〜30g)を1時間絶食させ、アロキサン(シグマ社製)50mg/kgを静脈内投与し、その後3日間観察した。次いで、実験前18時間絶食、実験開始直前に血糖値を測定して選別と群分けを行った。
各検体を経口投与後60分目に眼窩静脈から採血して血糖値を調べた。
結果を下記の表5に示す。
表5からわかるように、本発明の抗糖尿病剤を構成する各植物の有効成分は、前記した作用に基づく低血糖症作用を惹起する性能が小さく、ザクロの花の場合には他の検体よりも多少強いものの安全であることがわかる。
【0047】
【表5】
【0048】
(実施例)
次に、本発明の天然物由来のかつ併用系の抗糖尿病剤の実験結果を示す。
本実験においては、末梢での糖の取込みや利用の促進による血糖値の上昇抑制能において特に強い効果ではなかったザクロの花の有効成分を必須の成分とし、かつ、他の有効成分を併用する天然物由来の抗糖尿病剤の性能評価を行った。
病態モデルとしては、前記実験例3(アロキサン糖尿病マウスを使用した実験)と同様に発症させたマウスを用いた。
結果を下記の表6で示す。
【0049】
【表6】
【0050】
表6に示されるように、ザクロの花の粉末及び抽出物は、他の植物と併用した場合、単独使用の場合と比較して(表5参照)、相乗的に血糖値の抑制(降下)作用が改善されることがわかる。
また、先のアロキサン糖尿病マウスの実験結果(表5参照)を踏まえると、末梢での糖の利用亢進が考えられ、インスリン分泌を促進するような薬剤の使用が不適当な場合、本発明の抗糖尿病剤は極めて有望であることが判る。
【0051】
(急性毒性試験)
ザクロの花の単独系あるいは他の植物との併用系において、マウスに対して物理的に投与可能な2000mg/kgを1回経口投与して急性毒性を調べた。
即ち、体重20〜22gの雄性dd−Y系マウスを一群8匹とし、エサ、水は自由に摂取させ、投与後1週間、一般症状の観察を含めて生死の判定を行った。その結果、いずれの併用系においても死亡例は観察されず、かつ、異常行動の群れもなかったことから、本発明の天然物由来の抗糖尿病剤は極めて安全であることが確認された。
【0052】
【発明の効果】
1992年の抗糖尿病剤の主流はスルホニル尿素やスルホンアミド系薬物であり、その市場は200億円未満であった。その2年後の1994年には410億、1998年には880億円と倍々に増加し、今世紀中には1000億円以上になるものと推定されている。
【0053】
厚生省の糖尿病調査研究班の国民生活基調によると、1997年にHbaick値が6.1%以上の人と5.6〜6.0%のいわゆる糖尿病予備軍を入れると約1370万人もの糖尿病患者の可能性があるとされている。
【0054】
抗糖尿病剤としての化学的合成薬は、常に有用性と副作用が問題となる。
これに対して本発明の天然物由来の抗糖尿病剤は、古来から用いられて来ている天然物(天然資源)を上手に活用し生活習慣病の予防と治療に資することができるため、極めて有用である。
Claims (5)
- 抗糖尿病剤であって、
1.ザクロ(Punica granatum、ザクロ科)の花の粉末及び/又は抽出物、並びに
2.(1)タラノキ(Aralia elata、ウコギ科)植物、
(2)ホオキギ(Kochia scoparia、アカザ科)の種子、
(3)紅景天属(Rhodiola属、ベンケイソウ科)植物、及び、
(4)サラシア属(Salacia属、ニシキギ科)植物、
から成る群から選ばれる少なくとも1種の粉末及び/又は抽出物であり、
当該サラシア属植物が、サラシア オブロンガ(Salacia oblonga)及び/又はサラシア プリノイデス(Salasia prinoides)から選ばれたもの、
を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。 - ザクロの花の粉末及び/又は抽出物、並びにタラノキ植物の粉末及び/又は抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。
- ザクロの花の粉末及び/又は抽出物、並びにホオキギの種子の粉末及び/又は抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。
- ザクロの花の粉末及び/又は抽出物、並びに紅景天属植物の粉末及び/又は抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。
- ザクロの花の粉末及び/又は抽出物、並びにサラシア オブロンガ(Salacia oblonga)及び/又はサラシア プリノイデス(Salasia prinoides)の粉末及び/又は抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。
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