JP3962472B2 - トンネル用コンクリート打設方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内に二次覆工用のコンクリートを密実に締め固めて打設する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
元来、トンネル内への二次覆工用のコンクリート打設は、コンクリート打設させる移動式型枠を、コンクリート打設終了後、前方に折畳んで搬送し、展開させて設置し、順次コンクリート打設を行う形式の移動式型枠により行われていた。
【0003】
この移動式型枠をトンネル内の所定位置に設置した後、移動式型枠に多数設けられた所定位置の開閉自在の検査窓あるいは打設口からコンクリートを移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填し、養生硬化させていた。
【0004】
また、移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリートの充填は、トンネルの掘削側と反対(既コンクリート打設)側の下部、トンネルの掘削側の下部、トンネルの掘削側と反対側の上部、トンネルの掘削側の上部へと順次充填するのが、常である。
【0005】
このため、まずコンクリートの充填は所定位置の検査窓を開放させて搬出口とし、コンクリート供給するためのコンクリート搬送管の先端をこの検査窓から突出させ、このコンクリート搬送管の先端からコンクリートを、移動式型枠とトンネル内壁面との間へ充填するか、あるいは打設口にコンクリート搬送管を連結させ、この打設口からコンクリートを、移動式型枠とトンネル内壁面との間へ充填していた。
【0006】
次に、作業員がコンクリート充填位置より下方の検査窓から、移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリートの充填量を目視し、規定量のコンクリートが充填された後、作業員が窓閉鎖板を回動させると共に、固定手段(固定孔・ボルト)を介して固定させて検査窓を閉鎖し、コンクリート充填された検査窓より上方の検査窓へ作業員が移動し、再びコンクリートの充填量を目視した後、この検査窓を閉鎖する。
【0007】
また、充填させたコンクリートを締め固めるため、コンクリート充填させている検査窓とは別の検査窓からバイブレーター等の振動機を、充填させたコンクリート内に挿入させ、振動を与えることにより、コンクリートを締め固めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来は前記の通り、各検査窓付近にコンクリートが充填される毎に、窓閉鎖板の回動、ボルトの装脱という検査窓の閉鎖作業が必要となり、この作業が非常に煩雑であると共に、作業能率が良くないことが問題となっていた。
【0009】
また、充填コンクリートの振動において、バイブレーター等の振動機を使用する作業員の熟練度等により仕上がりが不均一となるばかりか、検査窓を介した作業であるため、作業能率が良くないことが問題となっていた。
【0010】
前記充填コンクリートの振動に関する問題点を解消するため、特開平7−48994号公報記載のコンクリート締め固め方法が提案されている。
【0011】
本例は、型枠の検査窓とは別に開口を設け、この開口に可動板を駆動体を介して往復駆動自在に装着させ、コンクリート充填時に可動板を往復駆動させるものである。
【0012】
本例は、かかる構成であるため、検査窓の開閉作業の問題点は解消されることがなく、型枠の検査窓とは別に開口および可動板を設けなければならず、このため製造コストが増大することが問題となっていた。
【0013】
また、バイブレーター等の振動機を使用することなく、可動板の往復駆動による押圧力だけにより型枠とトンネル内壁面との間に充填させるコンクリートを締め固めていたため、コンクリートの締め固めに正確性、完全性を欠き、締め固め効率が良くないことが問題となっていた。
【0014】
本発明は、このような欠点に鑑み、本願出願人が先に提案した検査窓の開閉を自動的に行うための特開平7−91192号公報(特許第2711627号)記載の検査窓開閉機を改良し、検査窓の窓閉鎖板を振動させながら往復動させることにより、充填させるコンクリートを密実に締め固めることができ、作業能率を向上させることができるトンネル用コンクリート打設方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動式型枠を使用してトンネル内に二次覆工用のコンクリートを打設する方法において、移動式型枠とトンネル内壁面との間に、移動式型枠に設けられた打設口あるいは検査窓から二次覆工用のコンクリートを充填させた後、移動式型枠に設けられたコンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間の二次覆工用のコンクリートの充填量感知により、コンクリート充填される検査窓の窓閉鎖板を閉鎖させた後、閉鎖させた窓閉鎖板を移動式型枠の外方に向けて往復動させると共に、窓閉鎖板に装着された振動機を振動させることにより、移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填させるコンクリートを締め固めた後、コンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填されたコンクリートの充填圧力感知により、窓閉鎖板の往復動、振動機の駆動、およびコンクリートの充填、を停止させ、移動式型枠が設置されたトンネル内に二次覆工用のコンクリートを打設することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する移動式型枠12は、トンネル14内に二次覆工用のコンクリートを打設するための型枠の上円部分16および下円部分18がそれぞれ折畳み搬送可能なものである。
【0017】
本発明に係るトンネル用コンクリート打設装置は、図1〜図8に示すように、以下の構成からなるものである。
【0018】
移動式型枠12の外方に、トンネル内壁面20と移動式型枠12との間へのコンクリート充填量および充填圧力を感知するコンクリートセンサー22が複数個設けられている。
【0019】
コンクリートセンサー22は、図3に示すように、本体24の先端に、絶縁体を介して電極を取付けた感知部26を、装着したものであり、移動式型枠12の内方から外方に伸縮させるため、伸縮シリンダー30を介して移動式型枠12に設置されている。
【0020】
図4〜図6に示すように、移動式型枠12に複数個設けられた検査窓32に窓閉鎖板34が、コンクリートセンサー22のコンクリート充填量の感知により開閉自在、かつ外方に向けて往復動自在に設けられている。本例において、窓閉鎖板34は移動式型枠12に枢着され、その回動および往復動は油圧シリンダー36により行い、窓閉鎖板34の往復動方向はトンネル14の周方向である。
【0021】
窓閉鎖板34の内側に振動機38が装着されている。本例において、振動機38は振動モーターであり、窓閉鎖板34の開閉端寄り(図4において上側)に2個設置されている。
【0022】
また、コンクリートセンサー22と、油圧シリンダー36、振動機38および後述のコンクリート供給機構42には制御機構40が連結され、この制御機構40により連動制御させてある。
【0023】
図7および図8に示すように、コンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管の検査窓32からの伸縮を機械的に行うため、各コンクリート搬送管の先端にコンクリート搬出管44が伸縮自在に連結されている。
【0024】
このコンクリート搬出管44は、二重構造に嵌合させた管を油圧シリンダー46を介して伸縮させることにより伸縮自在構造としてあり、各コンクリート搬送管の先端にそれぞれ連結されている。
【0025】
また、コンクリート搬出管44の伸縮もコンクリートセンサー22および制御機構40により連動制御させてある。
【0026】
なお、図中48はガントリー、50は移動式型枠12内に充填コンクリートが流れ込むのを防止するために検査窓32および窓閉鎖板34に設けられたガイド板、52は二次覆工用のコンクリート、54は油圧ユニット、56は固定孔、58は固定具、60は打設口を示す。
【0027】
本装置を使用してトンネル14内に二次覆工用のコンクリート52を打設する際、まず本装置をトンネル14の所定位置まで移動させる。
【0028】
次に、使用するコンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管の先端のコンクリート搬出管44を使用する検査窓32から伸長させて突出させる。この際、コンクリート搬出管44は油圧シリンダー46を介して伸長させる。
【0029】
この際、使用する検査窓32の窓閉鎖板34は油圧シリンダー36を介して開放しておく。
【0030】
次に、コンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管を経て、使用するコンクリート搬出管44から、所定個所の移動式型枠12とトンネル内壁面20との間に、コンクリート52を充填させる。
【0031】
この際、移動式型枠12の外方に設けられたコンクリートセンサー22により、コンクリート52の充填量を感知すると共に、コンクリート充填近部の検査窓32に開閉自在に枢着された窓閉鎖板34を油圧シリンダー36を介して回動させて検査窓32を閉鎖する。
【0031】
次に、コンクリート充填に伴い閉鎖された検査窓32の窓閉鎖板34を外方に向けて往復動させると共に、この窓閉鎖板34に装着された振動機38を駆動させ、充填されるコンクリート52に往復動および振動を付与する。
【0032】
この窓閉鎖板34の往復動による押圧力および振動機38の振動力により、充填されたコンクリート52の流動性が向上し、気泡等を含まない密実な状態となる。
【0033】
この窓閉鎖板34の往復動の外方への押出動を引込動より速くする、例えば押出速度20〜30cm/秒、引込速度を押出速度の1/10とすることにより、粘性の高いコンクリート52でも確実に流動させることが可能となる。
【0034】
次に、コンクリート充填量およびコンクリート充填圧力が規定量になったことをコンクリートセンサー22が感知し、コンクリート52が充填される各窓閉鎖板34の往復動、各窓閉鎖板34に装着された振動機38の駆動、を停止させると共に、コンクリート供給機構42からのコンクリート52の供給を停止する。
【0035】
この際、コンクリートセンサー22は移動式型枠12の外方に伸縮シリンダー30を介して伸長させた状態でコンクリートの充填量および充填圧力を測定感知し、その後伸縮シリンダー30を介して移動式型枠12内に収納する。
【0036】
次に、使用したコンクリート搬出管44を油圧シリンダー46を介して縮短させることにより移動式型枠12の内側へ収納させると共に、コンクリート搬出管44を縮短させた検査窓32の窓閉鎖板34を油圧シリンダー36を介して閉鎖する。
【0037】
次に、移動式型枠12の次の個所(トンネル14の掘削側の下部)へコンクリート52を充填するのに使用するコンクリート供給機構42を介して前記同様コンクリート52を充填させる。
【0038】
このようにして、トンネル14の掘削側と反対側の下部、トンネル14の掘削側の下部、トンネル14の掘削側と反対側の上部、トンネル14の掘削側の上部へと順次コンクリート52を充填させる。
【0039】
トンネル14の天井部である移動式型枠12の天端部へのコンクリート充填は、打設口60を介して行う。
【0040】
また、本例において、コンクリート搬送機構42であるコンクリート搬送管には伸縮自在のコンクリート搬出管44を装着させてあるが、コンクリート搬出管44を省略し、従前通り作業員によりコンクリート搬送管の検査窓32からの突出作業を行うことは自明のことである。
【0041】
また、窓閉鎖板34の往復動方向はトンネル14の周方向であるが、トンネル14の長さ方向とすることは自由である。
【0042】
また、窓閉鎖板34に装着させる振動機38は2個設置してあるが、少なくとも1個以上とすることにより、本発明の効果は十分得られる。
【0043】
また、トンネル用コンクリート打設装置に、コンクリート供給機構42を複数個設置させることにより、移動式型枠12とトンネル内壁面20との間へ、複数個所から同時にコンクリートを充填させ、トンネル14内へのコンクリート打設の均一性を図ることができる。
【0044】
また、本例は半円形のトンネルにおけるコンクリート打設におけるものであるが、円形のトンネル、例えば海中トンネル、下水道等にも利用できることは自明のことである。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係るトンネル用コンクリート打設方法および装置によれば、コンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリート充填量および充填圧力の感知により、窓閉鎖板の開閉、窓閉鎖板の外方への往復動、窓閉鎖板に装着された振動機の駆動、コンクリート供給、停止を順次行うことにより、移動式型枠が設置されたトンネル内に二次覆工用のコンクリートを、振動機による振動力および窓閉鎖板の往復動による押圧力により密実に締め固めて打設することができる。
【0046】
また、検査窓を開閉する窓閉鎖板の開閉、窓閉鎖板に装着された振動機の駆動、停止、およびコンクリートの供給、停止は、コンクリートセンサーのコンクリート充填量および充填圧力の感知により行うため、従来煩雑であった検査窓の開閉作業、バイブレーター等の振動機による充填コンクリートの締め固め作業、コンクリート充填量の確認作業が皆無となり、作業能率の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル用コンクリート打設装置の正面図。
【図2】同、平面図。
【図3】コンクリートセンサーを示す正面図。
【図4】検査窓および窓閉鎖板の要部側面図。
【図5】同、正面図。
【図6】同、使用状態を示す正面図。
【図7】コンクリート搬出管の正面図。
【図8】同、使用状態を示す正面図。
【符号の説明】
12 移動式型枠
14 トンネル
20 トンネル内壁面
22 コンクリートセンサー
32 検査窓
34 窓閉鎖板
38 振動機
52 コンクリート
60 打設口
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内に二次覆工用のコンクリートを密実に締め固めて打設する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
元来、トンネル内への二次覆工用のコンクリート打設は、コンクリート打設させる移動式型枠を、コンクリート打設終了後、前方に折畳んで搬送し、展開させて設置し、順次コンクリート打設を行う形式の移動式型枠により行われていた。
【0003】
この移動式型枠をトンネル内の所定位置に設置した後、移動式型枠に多数設けられた所定位置の開閉自在の検査窓あるいは打設口からコンクリートを移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填し、養生硬化させていた。
【0004】
また、移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリートの充填は、トンネルの掘削側と反対(既コンクリート打設)側の下部、トンネルの掘削側の下部、トンネルの掘削側と反対側の上部、トンネルの掘削側の上部へと順次充填するのが、常である。
【0005】
このため、まずコンクリートの充填は所定位置の検査窓を開放させて搬出口とし、コンクリート供給するためのコンクリート搬送管の先端をこの検査窓から突出させ、このコンクリート搬送管の先端からコンクリートを、移動式型枠とトンネル内壁面との間へ充填するか、あるいは打設口にコンクリート搬送管を連結させ、この打設口からコンクリートを、移動式型枠とトンネル内壁面との間へ充填していた。
【0006】
次に、作業員がコンクリート充填位置より下方の検査窓から、移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリートの充填量を目視し、規定量のコンクリートが充填された後、作業員が窓閉鎖板を回動させると共に、固定手段(固定孔・ボルト)を介して固定させて検査窓を閉鎖し、コンクリート充填された検査窓より上方の検査窓へ作業員が移動し、再びコンクリートの充填量を目視した後、この検査窓を閉鎖する。
【0007】
また、充填させたコンクリートを締め固めるため、コンクリート充填させている検査窓とは別の検査窓からバイブレーター等の振動機を、充填させたコンクリート内に挿入させ、振動を与えることにより、コンクリートを締め固めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来は前記の通り、各検査窓付近にコンクリートが充填される毎に、窓閉鎖板の回動、ボルトの装脱という検査窓の閉鎖作業が必要となり、この作業が非常に煩雑であると共に、作業能率が良くないことが問題となっていた。
【0009】
また、充填コンクリートの振動において、バイブレーター等の振動機を使用する作業員の熟練度等により仕上がりが不均一となるばかりか、検査窓を介した作業であるため、作業能率が良くないことが問題となっていた。
【0010】
前記充填コンクリートの振動に関する問題点を解消するため、特開平7−48994号公報記載のコンクリート締め固め方法が提案されている。
【0011】
本例は、型枠の検査窓とは別に開口を設け、この開口に可動板を駆動体を介して往復駆動自在に装着させ、コンクリート充填時に可動板を往復駆動させるものである。
【0012】
本例は、かかる構成であるため、検査窓の開閉作業の問題点は解消されることがなく、型枠の検査窓とは別に開口および可動板を設けなければならず、このため製造コストが増大することが問題となっていた。
【0013】
また、バイブレーター等の振動機を使用することなく、可動板の往復駆動による押圧力だけにより型枠とトンネル内壁面との間に充填させるコンクリートを締め固めていたため、コンクリートの締め固めに正確性、完全性を欠き、締め固め効率が良くないことが問題となっていた。
【0014】
本発明は、このような欠点に鑑み、本願出願人が先に提案した検査窓の開閉を自動的に行うための特開平7−91192号公報(特許第2711627号)記載の検査窓開閉機を改良し、検査窓の窓閉鎖板を振動させながら往復動させることにより、充填させるコンクリートを密実に締め固めることができ、作業能率を向上させることができるトンネル用コンクリート打設方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動式型枠を使用してトンネル内に二次覆工用のコンクリートを打設する方法において、移動式型枠とトンネル内壁面との間に、移動式型枠に設けられた打設口あるいは検査窓から二次覆工用のコンクリートを充填させた後、移動式型枠に設けられたコンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間の二次覆工用のコンクリートの充填量感知により、コンクリート充填される検査窓の窓閉鎖板を閉鎖させた後、閉鎖させた窓閉鎖板を移動式型枠の外方に向けて往復動させると共に、窓閉鎖板に装着された振動機を振動させることにより、移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填させるコンクリートを締め固めた後、コンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間に充填されたコンクリートの充填圧力感知により、窓閉鎖板の往復動、振動機の駆動、およびコンクリートの充填、を停止させ、移動式型枠が設置されたトンネル内に二次覆工用のコンクリートを打設することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する移動式型枠12は、トンネル14内に二次覆工用のコンクリートを打設するための型枠の上円部分16および下円部分18がそれぞれ折畳み搬送可能なものである。
【0017】
本発明に係るトンネル用コンクリート打設装置は、図1〜図8に示すように、以下の構成からなるものである。
【0018】
移動式型枠12の外方に、トンネル内壁面20と移動式型枠12との間へのコンクリート充填量および充填圧力を感知するコンクリートセンサー22が複数個設けられている。
【0019】
コンクリートセンサー22は、図3に示すように、本体24の先端に、絶縁体を介して電極を取付けた感知部26を、装着したものであり、移動式型枠12の内方から外方に伸縮させるため、伸縮シリンダー30を介して移動式型枠12に設置されている。
【0020】
図4〜図6に示すように、移動式型枠12に複数個設けられた検査窓32に窓閉鎖板34が、コンクリートセンサー22のコンクリート充填量の感知により開閉自在、かつ外方に向けて往復動自在に設けられている。本例において、窓閉鎖板34は移動式型枠12に枢着され、その回動および往復動は油圧シリンダー36により行い、窓閉鎖板34の往復動方向はトンネル14の周方向である。
【0021】
窓閉鎖板34の内側に振動機38が装着されている。本例において、振動機38は振動モーターであり、窓閉鎖板34の開閉端寄り(図4において上側)に2個設置されている。
【0022】
また、コンクリートセンサー22と、油圧シリンダー36、振動機38および後述のコンクリート供給機構42には制御機構40が連結され、この制御機構40により連動制御させてある。
【0023】
図7および図8に示すように、コンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管の検査窓32からの伸縮を機械的に行うため、各コンクリート搬送管の先端にコンクリート搬出管44が伸縮自在に連結されている。
【0024】
このコンクリート搬出管44は、二重構造に嵌合させた管を油圧シリンダー46を介して伸縮させることにより伸縮自在構造としてあり、各コンクリート搬送管の先端にそれぞれ連結されている。
【0025】
また、コンクリート搬出管44の伸縮もコンクリートセンサー22および制御機構40により連動制御させてある。
【0026】
なお、図中48はガントリー、50は移動式型枠12内に充填コンクリートが流れ込むのを防止するために検査窓32および窓閉鎖板34に設けられたガイド板、52は二次覆工用のコンクリート、54は油圧ユニット、56は固定孔、58は固定具、60は打設口を示す。
【0027】
本装置を使用してトンネル14内に二次覆工用のコンクリート52を打設する際、まず本装置をトンネル14の所定位置まで移動させる。
【0028】
次に、使用するコンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管の先端のコンクリート搬出管44を使用する検査窓32から伸長させて突出させる。この際、コンクリート搬出管44は油圧シリンダー46を介して伸長させる。
【0029】
この際、使用する検査窓32の窓閉鎖板34は油圧シリンダー36を介して開放しておく。
【0030】
次に、コンクリート供給機構42であるコンクリート搬送管を経て、使用するコンクリート搬出管44から、所定個所の移動式型枠12とトンネル内壁面20との間に、コンクリート52を充填させる。
【0031】
この際、移動式型枠12の外方に設けられたコンクリートセンサー22により、コンクリート52の充填量を感知すると共に、コンクリート充填近部の検査窓32に開閉自在に枢着された窓閉鎖板34を油圧シリンダー36を介して回動させて検査窓32を閉鎖する。
【0031】
次に、コンクリート充填に伴い閉鎖された検査窓32の窓閉鎖板34を外方に向けて往復動させると共に、この窓閉鎖板34に装着された振動機38を駆動させ、充填されるコンクリート52に往復動および振動を付与する。
【0032】
この窓閉鎖板34の往復動による押圧力および振動機38の振動力により、充填されたコンクリート52の流動性が向上し、気泡等を含まない密実な状態となる。
【0033】
この窓閉鎖板34の往復動の外方への押出動を引込動より速くする、例えば押出速度20〜30cm/秒、引込速度を押出速度の1/10とすることにより、粘性の高いコンクリート52でも確実に流動させることが可能となる。
【0034】
次に、コンクリート充填量およびコンクリート充填圧力が規定量になったことをコンクリートセンサー22が感知し、コンクリート52が充填される各窓閉鎖板34の往復動、各窓閉鎖板34に装着された振動機38の駆動、を停止させると共に、コンクリート供給機構42からのコンクリート52の供給を停止する。
【0035】
この際、コンクリートセンサー22は移動式型枠12の外方に伸縮シリンダー30を介して伸長させた状態でコンクリートの充填量および充填圧力を測定感知し、その後伸縮シリンダー30を介して移動式型枠12内に収納する。
【0036】
次に、使用したコンクリート搬出管44を油圧シリンダー46を介して縮短させることにより移動式型枠12の内側へ収納させると共に、コンクリート搬出管44を縮短させた検査窓32の窓閉鎖板34を油圧シリンダー36を介して閉鎖する。
【0037】
次に、移動式型枠12の次の個所(トンネル14の掘削側の下部)へコンクリート52を充填するのに使用するコンクリート供給機構42を介して前記同様コンクリート52を充填させる。
【0038】
このようにして、トンネル14の掘削側と反対側の下部、トンネル14の掘削側の下部、トンネル14の掘削側と反対側の上部、トンネル14の掘削側の上部へと順次コンクリート52を充填させる。
【0039】
トンネル14の天井部である移動式型枠12の天端部へのコンクリート充填は、打設口60を介して行う。
【0040】
また、本例において、コンクリート搬送機構42であるコンクリート搬送管には伸縮自在のコンクリート搬出管44を装着させてあるが、コンクリート搬出管44を省略し、従前通り作業員によりコンクリート搬送管の検査窓32からの突出作業を行うことは自明のことである。
【0041】
また、窓閉鎖板34の往復動方向はトンネル14の周方向であるが、トンネル14の長さ方向とすることは自由である。
【0042】
また、窓閉鎖板34に装着させる振動機38は2個設置してあるが、少なくとも1個以上とすることにより、本発明の効果は十分得られる。
【0043】
また、トンネル用コンクリート打設装置に、コンクリート供給機構42を複数個設置させることにより、移動式型枠12とトンネル内壁面20との間へ、複数個所から同時にコンクリートを充填させ、トンネル14内へのコンクリート打設の均一性を図ることができる。
【0044】
また、本例は半円形のトンネルにおけるコンクリート打設におけるものであるが、円形のトンネル、例えば海中トンネル、下水道等にも利用できることは自明のことである。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係るトンネル用コンクリート打設方法および装置によれば、コンクリートセンサーの移動式型枠とトンネル内壁面との間へのコンクリート充填量および充填圧力の感知により、窓閉鎖板の開閉、窓閉鎖板の外方への往復動、窓閉鎖板に装着された振動機の駆動、コンクリート供給、停止を順次行うことにより、移動式型枠が設置されたトンネル内に二次覆工用のコンクリートを、振動機による振動力および窓閉鎖板の往復動による押圧力により密実に締め固めて打設することができる。
【0046】
また、検査窓を開閉する窓閉鎖板の開閉、窓閉鎖板に装着された振動機の駆動、停止、およびコンクリートの供給、停止は、コンクリートセンサーのコンクリート充填量および充填圧力の感知により行うため、従来煩雑であった検査窓の開閉作業、バイブレーター等の振動機による充填コンクリートの締め固め作業、コンクリート充填量の確認作業が皆無となり、作業能率の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル用コンクリート打設装置の正面図。
【図2】同、平面図。
【図3】コンクリートセンサーを示す正面図。
【図4】検査窓および窓閉鎖板の要部側面図。
【図5】同、正面図。
【図6】同、使用状態を示す正面図。
【図7】コンクリート搬出管の正面図。
【図8】同、使用状態を示す正面図。
【符号の説明】
12 移動式型枠
14 トンネル
20 トンネル内壁面
22 コンクリートセンサー
32 検査窓
34 窓閉鎖板
38 振動機
52 コンクリート
60 打設口
Claims (2)
- 移動式型枠(12)を使用してトンネル(14)内に二次覆工用のコンクリート(52)を打設する方法において、
移動式型枠(12)とトンネル内壁面(20)との間に、移動式型枠(12)に設けられた打設口(60)あるいは検査窓(32)から二次覆工用のコンクリート(52)を充填させた後、
移動式型枠(12)に設けられたコンクリートセンサー(22)の移動式型枠(12)とトンネル内壁面(20)との間の二次覆工用のコンクリート(52)の充填量感知により、コンクリート充填される検査窓(32)の窓閉鎖板(34)を閉鎖させた後、
閉鎖させた窓閉鎖板(34)を移動式型枠(12)の外方に向けて往復動させると共に、窓閉鎖板(34)に装着された振動機(38)を振動させることにより、移動式型枠(12)とトンネル内壁面(20)との間に充填させるコンクリート(52)を締め固めた後、
コンクリートセンサー(22)の移動式型枠(12)とトンネル内壁面(20)との間に充填されたコンクリート(52)の充填圧力感知により、窓閉鎖板(34)の往復動、振動機(38)の駆動、およびコンクリート(52)の充填、を停止させ、移動式型枠(12)が設置されたトンネル(14)内に二次覆工用のコンクリート(52)を打設することを特徴とするトンネル用コンクリート打設方法。 - トンネル(14)内に二次覆工用のコンクリート(52)を打設するための移動式型枠(12)に設けられた検査窓(32)に、窓閉鎖板(34)が、開閉自在、かつ外方に向けて往復動自在に設けられると共に、窓閉鎖板(34)に振動機(38)を装着させ、移動式型枠(12)にコンクリート(52)の充填量および充填圧力を感知するコンクリートセンサー(22)が複数個設けられてなり、
コンクリートセンサー(22)の移動式型枠(12)とトンネル内壁面(20)との間へのコンクリート充填量、充填圧力の感知により、窓閉鎖板(34)の開閉、窓閉鎖板(34)の往復動および振動機(38)の駆動、停止、コンクリート(52)の充填、停止を行うことを特徴とするトンネル用コンクリート打設装置。
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