JP3962273B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば移動体識別(RFID)システムにおいて、種々の物体に装着する無線タグとして好適な無線通信装置に関する。
【0002】
本発明において、用語「大略的に台形状」は、各辺に相当する部分の線の形状を限定せず、たとえば前記線が、直線、波線、階段状の線およびその他の線である形状を含む。
【0003】
また本発明において、用語「大略的に錐台状」は、各面に相当する部分の面の形状を限定せず、たとえば前記面が、平面、波面、階段状の面およびその他の凹凸面である形状を含む。
【0004】
【従来の技術】
無線通信システムの1つに、移動体識別(RFID)システムがある。このRFIDシステムは、読出し・書込み機能を有するシステムであって、質問器と無線タグとを備える。無線タグは、質問器の指示に従い情報を蓄え、また蓄えられた情報を送信する。
【0005】
RFIDシステムで用いられる無線タグとして、特にマイクロ領域では、バッテリを内蔵した無線タグがファクトリオートメーション(Factory Automation;略称FA)分野などでよく利用されているが、半導体の進展、つまり半導体を用いた無線通信回路の技術の進展によって、質問器に基づく信号から駆動電力を得るバッテリを持たない無線タグが開発され、多くの分野で様々な活用が検討されている。この無線タグは、特に物流、流通関連において、さらなる活用が期待されている。
【0006】
図19は、RFIDシステム1の基本構成を示す図である。RFIDシステム1は、質問器2と、無線タグ3とを備える。
【0007】
図20は、従来の技術の無線タグ4aを示す正面図である。この無線タグ4aは、誘電体基板5aと、ダイポールアンテナ6と、通信機能を実行するタグIC7aとを含む。誘電体基板5aは、ポリプロピレンまたはポリイミドなどから成る。ダイポールアンテナ6は、誘電体基板5a上に形成される。タグIC7aは、ダイポールアンテナ6に電気的に接続され、誘電体基板5aに実装される。無線タグ4aのアンテナとしては、ダイポールアンテナ6の代わりに、ループアンテナを用いることもある。
【0008】
無線タグ4aは、ダイポールアンテナ6の軸線の周囲に関して、幅広く信号を送受信することができ、各種の用途があるが、装着する物体が金属物体など電波を反射する物体の場合、または電波を吸収する物体の場合には、通信感度が著しく低下し、使用不可能となることがある。この不具合を解決するための技術として、オンメタルタグと呼ばれ、金属物体をはじめあらゆる物体に装着しても、使用可能な無線タグが用いられている。
【0009】
図21は、従来の技術の他の無線タグ4bを示す正面図である。図22は、図21の切断面線I―Iから見た無線タグ4bの断面図である。この無線タグ4bは、オンメタルタグの1つであり、放射導電層8とアース導電層9との間に、誘電体基板5bが介在され、放射導電層8とアース導電層9とがタグIC7bによって、電気的に接続されて構成される。このように放射導電層8とアース導電層9とによってアンテナを構成することによって、アース導電層9が導電体に接触した状態で設置されても良好な放射特性が得られ、通信することができる。このようにして図20に示される無線タグ4aの課題を解決することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体基板5bの誘電体損失は、無線タグ4bにおけるアンテナの特性に大きな影響を与え、誘電体損失が大きいほど、無線タグ4bの放射効率は低下する。また誘電体損失は、周波数が高くなるほど大きくなる。したがって無線タグ4bには、全体が誘電体損失の低い誘電体基板5bが利用される。このように誘電体損失の低い誘電体基板5bを有する無線タグ4bは、放射効率を高くすることができる。
【0011】
ところが誘電体損失のより低い誘電体基板5bは、製造が難しく、非常に高価である。したがって全体が誘電体損失の低い誘電体基板5bを有する無線タグ4bは、種々の用途で幅広い活用が望まれているが、製造が困難で、製造コストが高くなり、また無線タグ4bを保護するケースの素材選定や製作方法等に問題がある。
【0012】
さらに他の従来の技術として、特開平5−298923号公報には、誘電体基板に比誘電率が連続的または段階的に変化する部分を設け、比誘電率の変化に応じてストリップラインの線幅を変える技術が示されている。このような技術であっても、製造が困難で、製造コストが高くなるという問題を解決することができない。
【0013】
そこで、放射効率が高く、かつ用途が広く、さらに製造が容易で、製造コストが低い無線タグが望まれている。
【0014】
本発明の目的は、放射効率が高く、かつ用途が広く、さらに製造が容易で、製造コストが低い無線通信装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射導電層と、
放射導電層に対して間隔をあけて設けられるアース導電層と、
主誘電体部および補助誘電体部を有し、放射導電層とアース導電層との間に積層される誘電体基板であって、主誘電体部は補助誘電体部に比べて優れた高周波特性を有し、放射導電層とアース導電層とに挟まれる領域には主誘電体部が配置される誘電体基板と、
放射導電層およびアース導電層に電気的に接続され、通信機能を実行する通信制御モジュールとを含むことを特徴とする無線通信装置である。
【0016】
本発明に従えば、放射導電層とアース導電層との間に誘電体基板が積層され、放射導電層およびアース導電層に通信制御モジュールが電気的に接続されるので、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信することができ、また通信制御モジュールからの信号を電波放射面から送信することができる。
【0017】
また放射導電層とアース導電層とによってアンテナが構成されるので、アース導電層が導電体に接触した状態で設置されても良好な放射特性が得られ、用途の広い無線通信装置を実現することができる。
【0018】
また信号の受信および送信のとき、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域は電界強度が高く、その周囲は電界強度が低いので、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域の誘電体損失は放射効率への影響が大きいが、その周囲の誘電体損失は放射効率への影響が小さい。この点を考慮し、本発明における誘電体基板は、補助誘電体部とこの補助誘電体部に比べて優れた高周波特性を有する主誘電体部とを有し、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域に、主誘電体部が配置されて構成されている。このように誘電体基板は、送受信のときの電界強度に応じて、主誘電体部および補助誘電体部が配置されて構成されているので、放射効率が高く、かつ製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。
【0019】
また本発明は、主誘電体部は、少なくとも、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域と、電界端部効果を生じる領域とに配置されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、主誘電体部は、少なくとも、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域と、電界端部効果を生じる領域とに配置される。信号の受信および送信のとき、前記各領域は、残余の領域に比べて電界強度が高く、前記各領域の誘電体損失は放射効率への影響が大きい。このような前記各領域に、誘電体損失の低い主誘電体部が配置されるので、高い放射効率を確保することができる。
【0021】
また本発明は、放射導電層、アース導電層、誘電体基板の主誘電体部および通信制御モジュールを収納するためのケース体を備え、このケース体の一部によって、補助誘電体部が構成されることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、ケース体の一部によって、補助誘電体部が構成されるので、ケース体を用いる場合に、補助誘電体部を別部品で構成するのに比べて、部品点数を少なくして、構成を簡単にし、製造が容易で、製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。
【0023】
また本発明は、ケース体は、少なくとも放射導電層の電波放射面が空気層に臨むように、電波放射面から間隔をあけて形成されることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、ケース体に収納される状態で、放射導電層の電波放射面は空気層に臨むので、電波放射面が、形成時の状態および使用状態において、共に空気層に臨むようにして、同一の配置状態として、放射特性を同一にすることができる。したがって電波放射面の設計および形成作業が容易となる。
【0025】
また本発明は、放射導電層の電波放射面は、矩形状または矩形状を放射特性に応じて変形した形状であることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、放射導電層の電波反射面は、矩形状または矩形状を放射特性に応じて変形した形状であるので、予め定める周波数帯を利用する無線通信装置の電波放射面としては、正方形状および円形状に比べて、面積が小さくなる。したがって高価な主誘電体部を小さくすることができ、製造コストを低くすることができる。また主誘電体部に応じて、残余の部分も小さくすることによって、無線通信装置を小形化することができる。
【0027】
また本発明は、アース導電層のアース面に電気的に接続され、そのアース導電層のアース面よりも広いアース面を有する補助基板を含むことを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、補助基板は、誘電体基板のアース導電層のアース面よりも広いアース面を有し、この補助基板のアース面は、アース導電層のアース面に電気的に接続される。このような広いアース面を有する補助基板が誘電体基板に対して厚み方向他方側に設けられることによって、放射特性が向上される。また電波放射面およびアース面を有する誘電体基板と、アース面を有する補助基板とは個別に形成することができ、これによって製造が容易となる。
【0029】
また本発明は、補助基板は、金属から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、補助基板は金属から成るので、補助基板の厚さを小さくすることができ、これによって無線通信装置を薄形化することができる。
【0030】
また本発明は、通信制御モジュールは、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に位置するように設けられることを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、通信制御モジュールは、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に位置するように設けられるので、主誘電体部が小さくまた全体が小形の無線通信装置を実現することができる。
【0032】
また本発明は、通信制御モジュールは、主誘電体部内に設けられることを特徴とする。
【0033】
本発明に従えば、通信制御モジュールは、主誘電体部内に設けられるので、種々の環境ストレスから保護される。
【0034】
また本発明は、通信制御モジュールは、主誘電体部の厚み方向一方側表面部または主誘電体部の厚み方向他方側表面部に設けられることを特徴とする。
【0035】
本発明に従えば、通信制御モジュールは、主誘電体部の厚み方向一方側表面部または主誘電体部の厚み方向他方側表面部に設けられるので、通信制御モジュールの実装が容易となる。
【0036】
また本発明は、補助基板には、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に、収容空間が形成され、この収容空間に通信制御モジュールが設けられることを特徴とする。
【0037】
本発明に従えば、補助基板には、収容空間が形成され、この収容空間に通信制御モジュールが設けられるので、通信制御モジュールと補助基板との電気的および物理的な接触が防がれる。また前記収容空間は、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に設けられるので、小形の無線通信装置を実現することができる。
【0038】
また本発明は、誘電体基板の主誘電体部は、厚み方向一方表面部から厚み方向他方表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が大きくなるように形成されることを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、誘電体基板の主誘電体部は、厚み方向一方側表面部から厚み方向他方側表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が大きくなるように形成される。つまり主誘電体部は、電界端部効果を生じる領域を含むように形成され、かつ断面形状が大略的に台形状となる大略的に錐台状に形成されるため、誘電体基板における比誘電率などの急激な変化がなく、電気的な不連続による電波放射の乱れが軽減される。
【0040】
また本発明は、通信制御モジュールは、少なくとも変調部と、情報を蓄積するメモリ部とを有し、放射導電層の電波放射面で信号を受信したとき、その信号に基づいて、メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部で電波放射面の反射特性を変化させて、電波放射面で受信した信号を反射させることを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、通信制御モジュールは、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信すると、その信号に基づいて、メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部で電波放射面の反射特性を変化させて、電波放射面で受信した信号を反射させることができる。これによって、メモリ部に蓄積される情報、たとえば本発明の無線通信装置が装着される物体に関する情報などを、その無線通信装置とは異なる他の無線通信装置を用いて読出すことができる。
【0042】
また本発明は、通信制御モジュールは、少なくとも復調部と、情報を蓄積するメモリ部とを有し、放射導電層の電波放射面で信号を受信したとき、その信号に基づいて、情報をメモリ部に書込むことを特徴とする。
【0043】
本発明に従えば、通信制御モジュールは、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信すると、その信号を復調部で復調して、メモリ部に書込む。このように通信制御モジュールを構成することによって、本発明の無線通信装置に対して、たとえばその無線通信装置が装着される物体に関する情報などを、その無線通信装置とは異なる他の無線通信装置から送信して、本発明の無線通信装置の通信制御モジュールが有するメモリ部に書込み、蓄積することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態である無線通信装置20を示す正面図である。図2は、図1の切断面線II―IIから見た無線通信装置20の断面図である。図3は、無線通信装置20を含む移動体識別(RFID)システム31の基本構成を示す図である。本実施の形態の無線通信装置20は、RFIDシステム31の無線タグであって、誘電体基板21と、放射導電層22と、アース導電層23と、タグIC(Integrated Circuit)24とを含んで構成される。
【0045】
誘電体基板21は、高周波特性が優れた、すなわち誘電体損失の低い主誘電体部25と、主誘電体部25と材質の異なった補助誘電体部26とを有する。主誘電体部25は、略直方体形状であり、補助誘電体部26は、たとえば直方体形状の偏平な立体から、その中央部分を厚み方向に貫通してくりぬき、略直方体形状の凹所を形成した閉ループ状であり、凹所は主誘電体部25を隙間のない状態で嵌め込むことができる形状である。この補助誘電体部26は、たとえば補助誘電体部26を挟んで配置される内周面27と外周面28とが平行であり、かつ各面27,28間の距離d1が周方向全周にわたって等しくなるように形成される。
【0046】
たとえば主誘電体部25は、照射ポリスチレン系の誘電体から成る。この照射ポリスチレン系の誘電体は、比誘電率が2.53程度であり、誘電体損失が6.6×10-4程度である。補助誘電体部26は、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(略称ABS樹脂)から成る。このABS樹脂は、比誘電率が2.4以上3.1以下であり、誘電体損失が(80×1400)×10-4程度である。
【0047】
放射導電層22は、正方形の電波放射面22aを有し、誘電体基板21の厚み方向一方側表面部21aの中央の一部に設けられる。アース導電層23は、電波放射面22aよりも広い正方形のアース面23aを有し、誘電体基板21の厚み方向他方側表面部21bの全体にわたって設けられる。放射導電層22およびアース導電層23は、電波放射面22aおよびアース面23aが平行となるように形成される。
【0048】
主誘電体部25は、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域に配置され、補助誘電体部26は、主誘電体部25の周囲に、主誘電体部25に当接して設けられる。本実施の形態において、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域は、電波放射面22aおよび電界端部効果を生じる領域表面を含む等価電波放射面と、アース面23aとに挟まれる領域である。主誘電体部25および放射導電層22は、電波放射面22aの縁辺29と、主誘電体部25の厚み方向一方側の面における縁辺30とが平行であり、かつ各縁辺29,30間の距離d2が周方向全周にわたって等しくなるように設けられる。
【0049】
タグIC24は、通信機能を実行する通信制御モジュールであって、半導体集積回路によって実現され、復調部と、変調部と、情報を蓄積するメモリ部とを有し、放射導電層22およびアース導電層23に電気的に接続される。タグIC24は、誘電体基板21の厚み方向から見たとき、電波放射面22aが形成される領域内に位置するように設けられる。タグIC24は、主誘電体部25内、主誘電体部25の厚み方向一方側表面部または主誘電体部25の厚み方向他方側表面部に設けられる。本実施の形態では、タグIC24は、たとえば主誘電体部25内に設けられる。
【0050】
このようにタグIC24は、誘電体基板21の厚み方向から見たとき、電波放射面22aが形成される領域内に位置するように設けられるので、その領域の外側にタグIC24を設置するための領域が必要なく、主誘電体部25を小さくし、誘電体基板21の厚み方向に垂直な方向の寸法を小さくすることができ、無線通信装置を小形化することができる。タグIC24は、主誘電体部25内に設けられた場合、種々の環境ストレスから保護される。
【0051】
タグIC24は、電波放射面22aで受信した到来信号を復調部で復調する。復調した信号が応答命令を表す場合、タグIC24の変調部は、メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて電波放射面22aの反射特性を変化させ、電波放射面22aによって到来信号の一部を変調して反射送信する。また、復調した信号が書込み命令を表す場合、タグIC24は、指定された情報をメモリ部に書込む。タグIC24は、応答命令および書込み命令の両方に対応する機能を有する必要はなく、応答命令に対応する機能のみを有するとしてもよい。
【0052】
このように誘電体基板21の厚み方向一方側表面部21aに放射導電層22が設けられ、誘電体基板21の厚み方向他方側表面部21bにアース導電層23が設けられ、この放射導電層22およびアース導電層23に前述のようなタグIC24が電気的に接続されるので、到来信号を電波放射面22aで受信することができ、また電波放射面22aによって到来信号の一部を変調して反射送信することができる。
【0053】
また放射導電層22とアース導電層23とによってアンテナが構成されるので、アース導電層23が導電体に接触した状態で設置されても良好な放射特性が得られ、用途の広い無線通信装置を実現することができる。放射特性は、電波の放射特性である。
【0054】
信号の受信および送信のとき、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域は電界が集中して電界強度が高く、その周囲は電界強度が低いので、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域の誘電体損失は放射効率への影響が大きいが、その周囲の誘電体損失は放射効率への影響が小さい。放射効率は、電波の放射効率である。また誘電体損失の高い誘電体から成る基板は、誘電体損失の低い誘電体から成る基板に比べて、製造が容易で、製造コストが低い。
【0055】
上述の点を考慮して、誘電体基板21は、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域に、高周波特性が優れた、すなわち誘電体損失の低い主誘電体部25が配置され、その周囲に主誘電体部25と材質が異なり、誘電体損失の高い安価な補助誘電体部26が配置されて構成されている。このように誘電体基板21は、送受信のときの電界強度に応じて、主誘電体部25および補助誘電体部26が配置されて構成されているので、放射効率が高く、かつ製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。さらに、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域は、電波放射面22aおよび電界端部効果を生じる領域表面を含む等価電波放射面と、アース面23aとに挟まれる領域とされているので、電界強度が高い領域には、誘電体損失の低い主誘電体部25が配置され、高い放射効率を確実に確保することができる。
【0056】
さらに、主誘電体部25の周囲に補助誘電体部26が設けられているので、アース面23aを電波放射面22aに比べて広くして安定した放射特性を確保することができるとともに、取付けなどの取扱いを容易にすることができる。
【0057】
さらに、主誘電体部25と補助誘電体部26とが隙間なく接触しているので、補助誘電体部26を用いることによって、放射効率への影響を最小限にすることができる。
【0058】
さらに、補助誘電体部26の前記内周面27と外周面28との間の距離d1が周方向全周にわたって等しく、かつ電波放射面22aの縁辺29と、主誘電体部25の電波放射面22aが形成される面における縁辺30との間の距離d2が周方向全周にわたって等しいので、放射特性を周方向全周にわたって等しくし、かつ主誘電体部25を最小にすることができる。
【0059】
本実施の形態の無線通信装置20は、図3に示すようなRFIDシステム31に含まれる。RFIDシステム31は、質問器32と、応答器として無線タグである無線通信装置20とを含む。
【0060】
質問器32は、質問を生成し、質問を表す質問信号を無線通信装置20に送信する。無線通信装置20は、電波放射面22aで質問信号を受信して、質問に対する回答を生成して、回答を表す応答信号を電波放射面22aから送信する。無線通信装置20の電波放射面22aから送信される応答信号は、質問器32で受信される。これによって、無線通信装置20が有する情報が取り出される。またRFIDシステム31では、質問器32から情報を無線通信装置20に送信し、無線通信装置20に情報を書込み蓄積することができる。
【0061】
図4は、本発明の第2の実施の形態である無線通信装置35を示す断面図である。本実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同じ部分には、同一の参照符を付して説明を省略する。本実施の形態の無線通信装置35では、前述の第1の実施の形態の誘電体基板21に代えて、略正四角錐台状の主誘電体部36と、直方体形状の偏平な立体から、その中央部分を厚み方向に貫通してくりぬき、略正四角錐台形状の凹所を形成した閉ループ状の補助誘電体部37とを有する誘電体基板38が設けられる。
【0062】
本実施の形態の主誘電体部36および補助誘電体部37は、前述の第1の実施の形態における主誘電体部25および補助誘電体部26と同一の材料から成る。主誘電体部36は、厚み方向一方側表面部から厚み方向他方側表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が連続的に大きくなる。補助誘電体部37の前記凹所は、主誘電体部36を隙間のない状態で嵌め込むことができる形状である。このように、主誘電体部36と補助誘電体部37との境界面が厚み方向に対して傾斜している。
【0063】
このように主誘電体部36は、電界端部効果を生じる領域を含むように形成され、かつ断面形状が大略的に台形状、本実施の形態では、略台形状となる大略的に錐台状、本実施の形態では、略正四角錐台状に形成されるため、誘電体基板38における比誘電率などの急激な変化がなく、電気的な不連続による電波放射の乱れが軽減される。
【0064】
放射導電層22は、誘電体基板38の厚み方向一方側表面部38aの中央の一部に設けられる。アース導電層23は、誘電体基板38の厚み方向他方側表面部38bの全体にわたって設けられる。放射導電層22およびアース導電層23は、電波放射面22aおよびアース面23aが平行となるように形成される。主誘電体部36は、電波放射面22aとアース面23aとに挟まれる領域およびその近傍領域に配置され、補助誘電体部37は、主誘電体部36の周囲に、主誘電体部36に当接して設けられる。このように主誘電体部36と補助誘電体部37とが隙間なく接触しているので、補助誘電体部37を用いることによって、放射効率への影響を最小限にすることができる。
【0065】
また放射導電層22、主誘電体部36および補助誘電体部37は、電波放射面22aの縁辺29と、主誘電体部36の厚み方向一方側の面における縁辺39と、補助誘電体部37の厚み方向一方側の面における縁辺40とが平行であり、かつ各縁辺29,39,40間の距離が周方向全周にわたって等しくなるように設けられる。このように構成されるので、放射特性を周方向全周にわたって等しくすることができる。
【0066】
図5は、本発明の第3の実施の形態である無線通信装置41を示す断面図である。本実施の形態において、前述の第1および2の実施の形態と同じ部分には、同一の参照符を付して説明を省略する。本実施の形態の無線通信装置41は、基本的には前述の第2の実施の形態と同様であるが、誘電体基板42は、主誘電体部43および補助誘電体部44の境界面が、厚み方向一方側表面部から厚み方向他方側表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が段階的に大きくなるように形成されている。つまり、主誘電体部43は、電界端部効果を生じる領域を含むように形成され、かつ断面形状が大略的に台形状、本実施の形態では、厚み方向に対して傾斜している辺に相当する部分の線は階段状の線となる大略的に錐台状、本実施の形態では、厚み方向に対して傾斜している面に相当する部分の面は階段状の面に形成される。このように誘電体基板44を構成しても、前述の第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0067】
図6は、本発明の第4の実施の形態である無線通信装置50を示す断面図である。本実施の形態の無線通信装置50は、図1および2に示される無線通信装置20と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。図6において、タグIC24は省略している。
【0068】
無線通信装置50では、アース導電層51は、主誘電体部25の厚み方向他方側表面部に設けられる。また無線通信装置50は、補助アース導電層52と、補助基板53と、ケース体54とを含む。アース導電層51と補助アース導電層52は同一のものとしてもよい。
【0069】
補助アース導電層52は、アース導電層51のアース面51aよりも広い補助アース面52aを有し、補助基板53の厚み方向一方側表面部の全体にわたって設けられる。補助アース導電層52は、アース導電層51に当接して設けられ、補助アース導電層52の補助アース面52aは、アース導電層51のアース面51aに電気的に接続される。
【0070】
このように広い補助アース面52aを有する補助基板53が設けられることによって、放射特性が向上される。また電波放射面22aおよびアース面51aを有する主誘電体部25と、補助アース面52aを有する補助基板53とは個別に形成することができ、これによって製造が容易となる。
【0071】
ケース体54は、誘電体損失が比較的低く、耐候性に優れ、かつ安価なポリプロピレンなどの誘電体から成る。ケース体54は、放射導電層22、主誘電体部25、アース導電層51、補助アース導電層52および補助基板53を、厚み方向一方側および厚み方向に垂直な方向から隙間のない状態で覆うように設けられる。このようにケース体54は、各部分を収納し、それらを保護する。ケース体54は補助基板53を覆うように構成してもよい。
【0072】
また無線通信装置50では、図1および2に示される無線通信装置20の補助誘電体部26に相当する部分が、ケース体54の一部によって構成されている。このように構成されているので、補助誘電体部を別部品で構成するのに比べて、部品点数を少なくして、構成を簡単にし、製造が容易で、製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。
【0073】
図7は、本発明の第5の実施の形態である無線通信装置55を示す断面図である。本実施の形態の無線通信装置55は、図6に示される無線通信装置50と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0074】
無線通信装置55では、ケース体56は、主誘電体部25の厚み方向一方側の面と電波放射面22aとから間隔をあけて形成され、主誘電体部25の厚み方向一方側の面とケース体56とに囲まれる空間には、空気が介在される。
【0075】
このようにケース体56に収納される状態で、電波放射面22aは空気層57に臨むので、電波放射面22aが、形成時の状態および使用状態において、共に空気層57に臨むようにして、同一の配置状態として、放射特性を同一にすることができる。したがって電波放射面22aの設計および形成作業が容易となる。
【0076】
図8は、本発明の第6の実施の形態である無線通信装置58を示す断面図である。本実施の形態の無線通信装置58は、図1および2に示される無線通信装置20と類似する構成と、図6に示される無線通信装置50と類似する構成とを有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0077】
無線通信装置58では、ケース体59は、誘電体基板21、放射導電層22、アース導電層23、補助アース導電層52および補助基板53を含む部分を覆うように設けられ、かつ誘電体基板21の厚み方向一方側の面と電波放射面22aとから間隔をあけて形成され、主誘電体部25の厚み方向一方側の面とケース体59とに囲まれる空間には、空気が介在される。
【0078】
このようにケース体59に収納される状態で、電波放射面22aは空気層60に臨むので、電波放射面22aが、形成時の状態および使用状態において、共に空気層60に臨むようにして、同一の配置状態として、放射特性を同一にすることができる。したがって電波放射面22aの設計および形成作業が容易となる。
【0079】
本実施の形態では、補助誘電体部26は、ケース体59とは別に設けるので、図6に示される無線通信装置50および図7に示される無線通信装置55に比べて、構成は複雑となるが、空気層60を広く設けることができ、電波放射面22aの設計および形成作業がより容易となる。
【0080】
図9は、本発明の第7の実施の形態である無線通信装置61を示す斜視図である。図10は、無線通信装置61を示す正面図である。図11は、図10の切断面線III―IIIから見た無線通信装置61の断面図である。図12は、図10の切断面線IV―IVから見た無線通信装置61の断面図である。図13は、無線通信装置61のアース導電層64を示す図である。本実施の形態の無線通信装置61は、図1および2に示される無線通信装置20と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0081】
無線通信装置61では、正方形の電波放射面22aを有する放射導電層22に代えて、矩形状の電波放射面62aを有する放射導電層62が設けられる。ここで、電波放射面62aの長辺の長さをL1、短辺の長さをWとする。電波放射面62aの長辺の長さL1は共振波長λとの関係でほぼ定まり、次式のように表される。
L1=λ/2√(εr
ここで、εrは主誘電体部25の比誘電率である。
【0082】
共振電界の分布は、図11に示されるように、電波放射面62aの長辺方向の中心部では「0」となり、電波放射面62aの長辺方向の両端では開放の電界分布となる。電波放射面62aの長辺方向の両端では電界が外側に漏れている。この漏れ電界の影響によって、電波放射面62aの長辺の長さaは等価的に長くなり、これによって、共振波長λ(および共振周波数)が変化する。このような電界端部効果は、主誘電体部25の比誘電率が高いほど小さく、また主誘電体部25の厚み寸法が小さいほど小さい。この電界端部効果を生じる領域表面と電波放射面62aとを含む面が等価電波放射面である。電波放射面62aの長辺の長さL1と、等価電波放射面の長辺の長さL2との関係は、たとえば新アンテナ光学―移動通信時代のアンテナ技術―総合電子出版社1996年4月第1版の119頁に詳述されており、次式で与えられる。
L1/L2=f(h,L1,εr
【0083】
主誘電体部63は、電波放射面62aおよび上述のような電界端部効果を生じる領域表面を含む等価電波放射面と、アース面64aとに挟まれる領域に配置される。このように電界端部効果を考慮して主誘電体部63が設けられるので、高い放射効率を確保することができる。
【0084】
また図1および2に示される無線通信装置20に比べて、電波放射面62aの面積が小さいので、この電波放射面62aに応じて、高価な主誘電体部63を小さくすることができ、より低い製造コストで無線通信装置を実現することができる。また主誘電体部63に応じて、主誘電体部63以外の部分、すなわち主誘電体部63の周囲に設けられる補助誘電体部65なども小さくすることができ、これによって無線通信装置を小形化することができる。
【0085】
無線通信装置61は、補助アース導電層66と、補助基板67とを含む。補助基板67には、厚み方向から見たとき、電波放射面62aが形成される領域内に、収容空間68が形成され、この収容空間68にタグIC24が設けられる。このように構成することによって、タグIC24と補助基板67との電気的および物理的な接触が防がれる。
【0086】
アース導電層64は、一部が取除かれ、取除かれた部分には、必要により整合回路69が形成される。この整合回路69の一端は放射導電層62に接続され、他端はタグIC24の一方端子に接続される。タグIC24の他方端子は、アース導電層64に接続される。このように構成されることによって、タグIC24は、放射導電層62とアース導電層64との間でインピーダンス整合される。
【0087】
本実施の形態では、製造の便宜上、図9および10に仮想線で示されるように、主誘電体部25が、電波放射面62aの長辺方向に長く延びた構成であってもよい。
【0088】
図14は、本発明の第8の実施の形態である無線通信装置70のアース導電層を示す図である。本実施の形態の無線通信装置70は、図9〜図13に示される無線通信装置61と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0089】
無線通信装置70では、図9〜図13に示される無線通信装置61のアース面64に比べて、面積の小さいアース面71aを有するアース導電層71が設けられる。このようにアース面71aの面積を小さくすることによって、アース導電層71と補助アース導電層66とを電気的に接続するためのハンダ付けなどの作業が容易となる。
【0090】
図15は、本発明の第9の実施の形態である無線通信装置75を示す断面図である。図16は、無線通信装置75を示す正面図である。本実施の形態の無線通信装置75は、図9〜図13に示される無線通信装置61と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0091】
主誘電体部76には、厚み方向から見たとき、電波放射面77aが形成される領域内に、収容空間が形成され、この収容空間にタグIC24が設けられる。このように構成されるので、電波放射面77a上の電磁界の乱れを軽減することができる。
【0092】
放射導電層77は、一部が取除かれ、取除かれた部分には、必要により整合回路78が形成される。この整合回路78の一端はタグIC24の一方端子に接続され、他端はアース導電層79に接続される。タグIC24の他方端子は、放射導電層77に接続される。このように構成されることによって、タグIC24は、放射導電層77とアース導電層79との間でインピーダンス整合される。
【0093】
本実施の形態では、電波放射特性を向上させるために、一部が取除かれた放射導電層77を導電体材料などでカバーしてもよい。
【0094】
図17は、本発明の第10の実施の形態である無線通信装置80を示す正面図である。図18は、図17の切断面線V−Vから見た無線通信装置80の断面図である。本実施の形態の無線通信装置80は、図1および図2に示される無線通信装置20と類似する構成を有しており、異なる構成を有する部分についてだけ説明し、同一の構成を有する部分については、同一の参照符を付して説明を省略する。
【0095】
無線通信装置80では、ボウタイ(Bow-Tie)アンテナと呼ばれるアンテナ方式を採用しており、正方形の電波放射面22aを有する放射導電層22に代えて、略矩形状の電波放射面81aを有する放射導電層81が設けられる。電波放射面81aは、その長手方向Aの中央部付近において、中央部に近づくにつれて対向する縁辺が相互に近接し、かつその中央部において、2つの領域に分離している。前記各領域は同一の形状を有する。
【0096】
主誘電体部82は、前述のような電波放射面81aおよび電界端部効果を生じる領域表面を含む等価電波放射面と、電波放射面81aに平行なアース導電層83のアース面83aとに挟まれる領域に配置され、この主誘電体部82の周囲には、補助誘電体部84が設けられる。タグIC24は、放射導電層81およびアース導電層83に電気的に接続される。
【0097】
注目すべきは、タグIC24は、主誘電体部82内ではなく、主誘電体部82の厚み方向一方側表面部または主誘電体部82の厚み方向他方側表面部に実装される。本実施の形態では、タグIC24は、主誘電体部82の厚み方向一方側表面部に実装される。具体的に述べると、前述のような電波放射面81aを有する放射導電層81の長手方向Aの中央部に、放射導電層81をその厚み方向に横切るように、すなわち放射導電層81の厚み方向の両側に部分的に突出するように実装される。このような構成にすることによって、タグIC24が主誘電体部82内に実装されるのに比べて、タグIC24の実装が容易となる。
【0098】
前述のような実装は、アンテナ方式を、ボウタイアンテナに代えて、たとえばアース面付ダイポールアンテナなどにした場合においても、同様に適用することができる。
【0099】
本発明のさらに他の実施の形態では、電波放射面は、正方形状または矩形状に限らず、それらを放射特性に応じて変形した形状であってもよい。たとえば電波放射面は、切込みを有する構成とされてもよい。また電波放射面は円形状であってもよい。円形状の電波放射面の半径寸法rは、
r=λ/2√(επ)
程度である。ここで、εは誘電体基板5bの比誘電率であり、λは波長である。すなわち電波放射面は、誘電体基板上での電波等価波長の約半波長程度の直径を必要とする。アース面の面積は、電気的特性上、電波放射面に比べてできるだけ大きくとることが望ましいが、用途および製造コストの面から適切に設定される。このような構成においても、前述の各実施の形態と同様な効果を達成することができる。
【0100】
本発明のさらに他の実施の形態では、主誘電体部をセラミックまたはポリテトラフルオロエチレンなどの誘電体で実現してもよい。このような材料で主誘電体部を構成しても、同様の効果を達成することができる。
【0101】
本発明のさらに他の実施の形態では、タグICを電波放射面上に設けてもよい。この場合、タグICと放射導電層およびアース導電層とを電気的に接続する作業が容易となり、タグICの実装が容易となる。
【0102】
本発明のさらに他の実施の形態では、補助基板を有する各実施の形態において、補助基板は金属によって実現されてもよい。このように構成することによって、補助基板の厚さを小さくすることができ、これによって無線通信装置を薄形化することができる。
【0103】
本発明のさらに他の実施の形態では、補助基板を有する各実施の形態において、アース導電層および補助アース導電層を一体としてもよい。
【0104】
上述の各実施の形態では、同じ程度の比誘電率を有する主誘電体部25および補助誘電体部26を設ければ、それらの境界面における比誘電率の不連続による電界分布の乱れを軽減することができる。
【0105】
本発明は、マイクロ波など超高周波帯を利用するRFIDシステムの無線タグとして好適に実施することができ、製造分野から、物流、流通および各種物品管理など極めて多くの分野で幅広く活用することができる。また本発明は、RFIDシステムだけでなく、その他の無線通信システムにおける無線通信装置としても好適に実施することができる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、放射導電層とアース導電層との間に誘電体基板が積層され、放射導電層およびアース導電層に通信制御モジュールが電気的に接続されるので、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信することができ、また通信制御モジュールからの信号を電波放射面から送信することができる。
【0107】
また放射導電層とアース導電層とによってアンテナが構成されるので、アース導電層が導電体に接触した状態で設置されても良好な放射特性が得られ、用途の広い無線通信装置を実現することができる。
【0108】
また信号の受信および送信のとき、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域は電界強度が高く、その周囲は電界強度が低いので、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域の誘電体損失は放射効率への影響が大きいが、その周囲の誘電体損失は放射効率への影響が小さい。この点を考慮し、本発明における誘電体基板は、補助誘電体部とこの補助誘電体部に比べて優れた高周波特性を有する主誘電体部とを有し、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域に、主誘電体部が配置されて構成されている。このように誘電体基板は、送受信のときの電界強度に応じて、主誘電体部および補助誘電体部が配置されて構成されているので、放射効率が高く、かつ製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。
【0109】
また本発明によれば、主誘電体部は、少なくとも、放射導電層アース導電層とに挟まれる領域と、電界端部効果を生じる領域とに配置される。信号の受信および送信のとき、前記各領域は、残余の領域に比べて電界強度が高く、前記各領域の誘電体損失は放射効率への影響が大きい。このような前記各領域に、誘電体損失の低い主誘電体部が配置されるので、高い放射効率を確保することができる。
【0110】
また本発明によれば、ケース体の一部によって、補助誘電体部が構成されるので、ケース体を用いる場合に、補助誘電体部を別部品で構成するのに比べて、部品点数を少なくして、構成を簡単にし、製造が容易で、製造コストが低い無線通信装置を実現することができる。
【0111】
また本発明によれば、ケース体に収納される状態で、放射導電層の電波放射面は空気層に臨むので、電波放射面が、形成時の状態および使用状態において、共に空気層に臨むようにして、同一の配置状態として、放射特性を同一にすることができる。したがって電波放射面の設計および形成作業が容易となる。
【0112】
また本発明によれば、放射導電層の電波反射面は、矩形状または矩形状を放射特性に応じて変形した形状であるので、予め定める周波数帯を利用する無線通信装置の電波放射面としては、正方形状および円形状に比べて、面積が小さくなる。したがって高価な主誘電体部を小さくすることができ、製造コストを低くすることができる。また主誘電体部に応じて、残余の部分も小さくすることによって、無線通信装置を小形化することができる。
【0113】
また本発明によれば、補助基板は、誘電体基板のアース導電層のアース面と同等か、より広いアース面を有し、この補助基板のアース面は、アース導電層のアース面に電気的に接続される。このような広いアース面を有する補助基板が誘電体基板に対して厚み方向他方側に設けられることによって、放射特性が向上される。また電波放射面およびアース面を有する誘電体基板と、アース面を有する補助基板とは個別に形成することができ、これによって製造が容易となる。
【0114】
また本発明によれば、補助基板は金属から成るので、補助基板の厚さを小さくすることができ、これによって無線通信装置を薄形化することができる。
【0115】
また本発明によれば、通信制御モジュールは、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に位置するように設けられるので、主誘電体部が小さくまた全体が小形の無線通信装置を実現することができる。
【0116】
また本発明によれば、通信制御モジュールは、主誘電体部内に設けられるので、種々の環境ストレスから保護される。
【0117】
また本発明によれば、通信制御モジュールは、主誘電体部の厚み方向一方側表面部または主誘電体部の厚み方向他方側表面部に設けられるので、通信制御モジュールの実装が容易となる。
【0118】
また本発明によれば、補助基板には、収容空間が形成され、この収容空間に通信制御モジュールが設けられるので、通信制御モジュールと補助基板との電気的および物理的な接触が防がれる。また前記収容空間は、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に設けられるので、小形の無線通信装置を実現することができる。
【0119】
また本発明によれば、誘電体基板の主誘電体部は、厚み方向一方側表面部から厚み方向他方側表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が大きくなるように形成される。つまり主誘電体部は、電界端部効果を生じる領域を含むように形成され、かつ断面形状が大略的に台形状となる大略的に錐台状に形成されるため、誘電体基板における比誘電率などの急激な変化がなく、電気的な不連続による電波放射の乱れが軽減される。
【0120】
また本発明によれば、通信制御モジュールは、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信すると、その信号に基づいて、メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部で電波放射面の反射特性を変化させて、電波放射面で受信した信号を反射させることができる。これによって、メモリ部に蓄積される情報、たとえば本発明の無線通信装置が装着される物体に関する情報などを、その無線通信装置とは異なる他の無線通信装置を用いて読出すことができる。
【0121】
また本発明によれば、通信制御モジュールは、到来信号を放射導電層の電波放射面で受信すると、その信号を復調部で復調して、メモリ部に書込む。このように通信制御モジュールを構成することによって、本発明の無線通信装置に対して、たとえばその無線通信装置が装着される物体に関する情報などを、その無線通信装置とは異なる他の無線通信装置から送信して、本発明の無線通信装置の通信制御モジュールが有するメモリ部に書込み、蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である無線通信装置20を示す正面図である。
【図2】図1の切断面線II―IIから見た無線通信装置20の断面図である。
【図3】無線通信装置20を含む移動体識別(RFID)システム31の基本構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である無線通信装置35を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態である無線通信装置41を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態である無線通信装置50を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態である無線通信装置55を示す断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態である無線通信装置58を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態である無線通信装置61を示す斜視図である。、
【図10】無線通信装置61を示す正面図である。
【図11】図10の切断面線III―IIIから見た無線通信装置61の断面図である。
【図12】図10の切断面線IV―IVから見た無線通信装置61の断面図である。
【図13】無線通信装置61のアース導電層64を示す図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態である無線通信装置70のアース導電層を示す図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態である無線通信装置75を示す断面図である。
【図16】無線通信装置75を示す正面図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態である無線通信装置80を示す正面図である。
【図18】図17の切断面線V−Vから見た無線通信装置80の断面図である。
【図19】RFIDシステム1の基本構成を示す図である。
【図20】従来の技術の無線タグ4aを示す正面図である。
【図21】従来の技術の他の無線タグ4bを示す正面図である。
【図22】図21の切断面線I―Iから見た無線タグ4bの断面図である。
【符号の説明】
20,35,41,50,55,58,61,70,75,80 無線通信装置
21,38,42 誘電体基板
22,62,77 放射導電層
22a,62a,77a 電波放射面
23,51,64,71,79,83 アース導電層
23a,51a,64a,71a,83a アース面
24 タグIC
25,36,43,63,76,82 主誘電体部
26,37,44,65,84 補助誘電体部
52,66 補助アース導電層
52a,66a 補助アース面
53,67 補助基板
54,56,59 ケース体
57,60 空気層
68 収容空間

Claims (14)

  1. 放射導電層と、
    放射導電層に対して間隔をあけて設けられるアース導電層と、
    主誘電体部および補助誘電体部を有し、放射導電層とアース導電層との間に積層される誘電体基板であって、主誘電体部は補助誘電体部に比べて優れた高周波特性を有し、放射導電層とアース導電層とに挟まれる領域には主誘電体部が配置される誘電体基板と、
    放射導電層およびアース導電層に電気的に接続され、通信機能を実行する通信制御モジュールとを含むことを特徴とする無線通信装置。
  2. 主誘電体部は、少なくとも、放射導電層とアース導電層とに挟まれる領域と、電界端部効果を生じる領域とに配置されることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 放射導電層、アース導電層、誘電体基板の主誘電体部および通信制御モジュールを収納するためのケース体を備え、このケース体の一部によって、補助誘電体部が構成されることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
  4. ケース体は、少なくとも放射導電層の電波放射面が空気層に臨むように、電波放射面から間隔をあけて形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
  5. 放射導電層の電波放射面は、矩形状または矩形状を放射特性に応じて変形した形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信装置。
  6. アース導電層のアース面に電気的に接続され、そのアース導電層のアース面よりも広いアース面を有する補助基板を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信装置。
  7. 補助基板は、金属から成ることを特徴とする請求項6記載の無線通信装置。
  8. 通信制御モジュールは、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に位置するように設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信装置。
  9. 通信制御モジュールは、主誘電体部内に設けられることを特徴とする請求項8記載の無線通信装置。
  10. 通信制御モジュールは、主誘電体部の厚み方向一方側表面部または主誘電体部の厚み方向他方側表面部に設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信装置。
  11. 補助基板には、誘電体基板の厚み方向から見たとき、放射導電層の電波放射面が形成される領域内に、収容空間が形成され、この収容空間に通信制御モジュールが設けられることを特徴とする請求項6記載の無線通信装置。
  12. 誘電体基板の主誘電体部は、厚み方向一方表面部から厚み方向他方表面部に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の無線通信装置。
  13. 通信制御モジュールは、少なくとも変調部と、情報を蓄積するメモリ部とを有し、放射導電層の電波放射面で信号を受信したとき、その信号に基づいて、メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部で電波放射面の反射特性を変化させて、電波放射面で受信した信号を反射させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の無線通信装置。
  14. 通信制御モジュールは、少なくとも復調部と、情報を蓄積するメモリ部とを有し、放射導電層の電波放射面で信号を受信したとき、その信号に基づいて、情報をメモリ部に書込むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の無線通信装置。
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