JP3961978B2 - スライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体側面に前後スライド自在に取付けられたスライドドアを、モータ駆動部により開閉するようにした自動開閉装置が知られている。この種の自動開閉装置は、車体の側面に前後方向に沿うスライドレールが設置され、このスライドレールに前後摺動自在に設けられたスライドブラケットに対して、スライドドアを連結している。
【0003】
スライドレールの内部には、その前後両端部から、モータ駆動部により正逆方向に移動自在なケーブルの両端部が導入され、スライドレールの内部で、前記スライドブラケットに結合されている。従って、モータ駆動部により移動するケーブルを介して、駆動力がスライドブラケットに伝達され、スライドブラケットがスライドドアごと前後に移動する構造になっている。
【0004】
ケーブルの方向を変換してスライドレール内に導くためのプーリは、ケーブルの外れを防止するために、ケースの内部に回転自在な状態で収納されている。ケースには、スライドレール側の第1ケーブル挿通口と、モータ駆動部側の第2ケーブル挿通口とが形成され、モータ駆動部からのケーブルは、第2ケーブル挿通口からケース内に入って、プーリで方向変換された後に、第1ケーブル挿通口からスライドレール内に入る。
【0005】
第2ケーブル挿通口は、ケーブルを通過させるだけの小さなものだが、第1ケーブル挿通口は、ケース内にプーリを最初に入れるための挿入口でもあるため、大きな開口サイズになっている。また、この第2ケーブル挿通口は、スライドレールの端部に隣接した車体に固定される部分でもある。隣接する車体にはケーブルが通過する導入口が形成され、この導入口にプーリを収納したケースの第1ケーブル挿通口がグロメットを介して固定される。
【0006】
スライドレールの端部におけるケーブルの位置は、スライドドアのスライド位置によって水平方向で変位する(振れる)ため、ケースの第1ケーブル挿通口を塞ぐグロメットには、このケーブルの変位を許容するための長孔が形成され、ケーブルはこの長孔内を変位しながら前後に移動している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−115736号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構造にあっては、ケースの第1ケーブル挿通口が、プーリの挿入口も兼ねている理由から、大きな開口サイズで形成されている。この第1ケーブル挿通口は、グロメットにより塞がれてはいるが、ケーブルの変位のバラツキ等の要因により、グロメットがケーブルと接触して変形することもあり、グロメットと第1ケーブル挿通口との間に隙間が生じて、水がケース内に侵入し、水密性の面で不利となる。ケース内に水が侵入すると、ケーブルに水が付着して、付着した水がケーブルを介して、モータ駆動部を含むケーブルの経路全体に伝わるため、錆発生等の原因に成りうる。第1ケーブル挿通口の開口サイズが大きければ大きいほど、生じる隙間も大きくなるため、第1ケーブル挿通口の開口サイズが大きいこと自体が、水密性の面で不利な構造となっている。
【0009】
また、グロメットにはケーブルの変位(振れ)を許容するための長孔が形成され、ここからの水の侵入もあるため、水密性の面から、グロメットに対するケーブルの変位を極力抑え、長孔をなるべく短くしたい要請もある。もし、ケーブルの変位を小さく抑えることができれば、長孔でなく、ケーブルを隙間なく貫通させる別の弾性部材(ブーツ部材など)で第1ケーブル挿通口を塞ぎ、その弾性部材の弾性変形範囲内でケーブルの変位を許容できるようになる。
【0010】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、ケースの第1ケーブル挿通口を小さくでき、またケーブルの第1ケーブル挿通口に対する変位を小さくすることができるスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、モータ駆動部により正逆方向に移動自在で且つスライドドアに駆動力を伝達するためのケーブルを、プーリを介して、スライドレールの前後両端部からスライドレール内に導入すると共に、該プーリが、スライドレール側の第1ケーブル挿通口と、モータ駆動部側の第2ケーブル挿通口を有するケース内に回転自在に収納されているスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、前記ケースを、第1ケーブル挿通口を有し且つ反対側にプーリの挿入が可能なサイズの開口部を有するケース本体と、該ケース本体の開口部を覆った状態で取付けられるカバーとから構成された二分割構造にすると共に、第1ケーブル挿通口を、ケーブルの挿入が最低限可能とされる開口サイズ未満で、且つケーブルの変位が最低限許容される開口サイズ以上にし、ケーブルの導入口が形成された車体に対して、該導入口を跨いだ状態で対向する一対の側面部を有するベースブラケットを固定し、該ベースブラケットの側面部間に該側面部間を貫通するシャフトにて、ケースと内部のプーリとをそれぞれ回転自在に支持したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明にあっては、前記第1ケーブル挿通口は、ケース本体のスライドレール側の面にケーブルに対して略直交する斜面部を形成した。
【0014】
請求項3の発明にあっては、第1ケーブル挿通口を、ケーブルが隙間なく貫通する挿通孔を有する弾性変形容易なブーツ部材にて塞いだことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明にあっては、ケース本体側にプーリをシャフトを通して回転支持したことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明にあっては、ケース本体の互いに対向した側面部から外側に向けて先端がベースブラケットの側面部の内面に当接するボス部を形成し、該ボス部にシャフトを通したことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明にあっては、ケース本体とカバーとを、一方に形成した係合爪部と、他方に形成した係合受部との係合により一体化すると共に、カバーの側面部にケース本体のボス部に当接する凹部を形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明にあっては、ケース本体の周囲にフランジを形成すると共に、フランジと車体の導入口周辺部との間に弾性変形自在なシール部材を介在させたことを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明にあっては、シール部材に、ベースブラケットと車体との間で挟持される延長片を一体形成したことを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ケースをケース本体とカバーとの二分割構造にして、プーリはケース本体の開口部から挿入するようにしたため、第1ケーブル挿通口の開口サイズを、プーリの大きさに関係なく小さくすることができ、第1ケーブル挿通口における水密性が向上する。また、第1ケーブル挿通口を小さくしても、ケーブルの変位を許容する開口サイズは最低限確保されているため、ケーブルの第1ケーブル挿通口内での移動に支障はない。また、ケースをベースブラケットにより回転自在に支持したため、第1ケーブル挿通口に対するケーブルの相対的な変位がより小さくなり、第1ケーブル挿通口を更に小さくすることができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ケースにおいて第1ケーブル挿通口が形成される部分を、ケース本体のスライドレール側の面にケーブルに対して略直交する斜面部としたため、第1ケーブル挿通口の開口サイズをより小さくすることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、第1ケーブル挿通口をケーブルが隙間なく貫通するブーツ部材で塞いだため、第1ケーブル挿通口におけるケーブルの貫通部での水密性は完全なものとなる。また、ケーブルが隙間なく貫通するブーツ部材で塞いでも、ケース自体がベースブラケットにより回転自在に支持されていることで、ケーブルの相対的変位が小さくなっているため、ケーブルの変位はブーツ部材の弾性変形の範囲内で許容することができ、ブーツ部材がケーブルの変位により外れたり、ケーブルとの強い摩擦により傷ついたりすることはない。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、カバー側でなく、ケース本体側にシャフトを貫通させて、プーリをベースブラケットに対して回転可能に支持するようにしたため、カバーを取付ける前の段階において、ケース本体の開口部からプーリに対するケーブルの掛かり具合を目視で確認でき、ケーブルの配索作業が行いやすい。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、ケース本体とベースブラケットとの接触が、ボス部の先端だけなので、ケースの回転抵抗が少ない。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、カバーの側面部にケース本体のボス部に当接する凹部を形成したため、カバーの取付け時に強い力で押しても、カバーはケース本体に対する正規位置で停止し、係合爪部と係合受部との確実な係合状態が得られる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、ケース本体の周囲に形成したフランジと、車体に形成された導入口の周辺部との間に弾性変形自在なシール部材を介在させたため、導入口からケース周辺に水が入り込むのを防止することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、シール部材に一体形成した延長片を、ベースブラケットと車体との間で挟持したため、シール部材の位置ずれが防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1は、スライドドア1の自動開閉装置が適用された自動車の一例を示す外観斜視図である。スライドドア1の上下端部は、車体の上下に設けられた上下トラック部(図示せず)に前後スライド自在に連結され、中央部は車体の後部ウエスト部付近に固定されたスライドレール2に前後スライド自在に連結されている。
【0030】
スライドレール2は、図2に示すように、前側部分が内側に向けて曲がっている。これは、スライドドア1により車体側面に形成されたドア開口(図示せず)を閉じた際に、スライドドア1と車体との外面を同一面にするためである。尚、図2において、上側が車体後方、下側が車体前方、左側が車内側、右側が車外側をそれぞれ示す。
【0031】
スライドレール2には、スライドレール2に沿って前後移動するスライドブラケット3が設けられ、このスライドブラケット3にスライドドア1が連結されている。
【0032】
スライドレール2内には、このスライドブラケット3を前後に移動させるケーブル4の両端部4aが導入される。両端部4aはボール状で、この部分がスライドブラケット3に結合される。
【0033】
ケーブル4は、車体側に固定されたモータ駆動部5により前後に駆動される。すなわち、一方を繰り出して、他方を引き込むように駆動し、スライドブラケット3を介してループ状になったケーブル4を、モータ駆動部5により正逆方向へ移動させることができる。
【0034】
スライドレール2の前後には、プーリ構造6、7が設置されている。このプーリ構造6、7のプーリ8にケーブル4を掛け回すことにより、ケーブル4の向きを変換して、スライドレール2内へ導いている。
【0035】
スライドレール2内に配索されたケーブル4は、スライドブラケット3のスライド位置の変化に応じて、水平方向で変位する(振れる)。例えば、図3に示すように、スライドブラケット3がスライドレール2の前側部分に至るコーナー部2aを通過する時に、スライドブラケット3が後方のストレート部分にある時よりも車両外側へ振られる。従って、スライドドア1を前後にスライドさせる過程において、スライドレール2の前端部ではケーブル4が左右に変位することになる。
【0036】
次に、プーリ構造6、7について説明する。尚、前後のプーリ構造6、7は同じ構造のため、前側のプーリ構造6を代表して説明する。
【0037】
プーリ8を収納しているケース9は、ケース本体10とカバー11とから構成されている。ケース本体10は一端側に斜めに傾斜した大きな開口部12を有している。この開口部12はプーリ8の挿入が可能な大きさになっている。また、ケース本体10の互い対向する側面部の開口部12側には、それぞれ一対の係合受部13が形成されている。
【0038】
更に、ケース本体10の側面部には、内部が貫通した円筒状のボス部14が外側に突出形成されている。また、開口部12とは反対側には、ケース本体10の周囲にわたるフランジ15が形成されている。更に、ケース本体10の他端側(スライドレール2側)の端部には、開口部12と同様に斜めに傾斜した斜面部16が形成されている(図7参照)。
【0039】
この斜面部16に第1ケーブル挿通口17が形成されている。この第1ケーブル挿通口17は四角形で、小さな開口サイズで形成されている(図8参照)。この第1ケーブル挿通口17は、ここからプーリ8を挿入する必要がないため、十分に小さな開口サイズとなっている。具体的には、後述する取付状態において、第1ケーブル挿通口17を通過するケーブル4の変位を(変位方向において)少なくとも許容できる開口サイズになっている。
【0040】
また、ケース本体10における開口部12の後側には、モータ駆動部5側へケーブル4を導く切欠状の第2ケーブル挿通口18が開口部12と連続した状態で形成されている。
【0041】
一方、カバー11においては、その側面部の対応部に、ケース本体10の係合受部13に係合する係合爪部19がそれぞれ形成されている。また、係合爪部19間には、ケース本体10のボス部14に合致した形状の凹部20が形成されている。この凹部20は側面部に形成されたリブ21により補強されている。
【0042】
スライドレール2の端部付近には車体22の一部が存在し、プーリ構造6はこの車体22に固定される。車体22にはケーブル4を通過させるための導入口23が形成され、この導入口23を跨いだ状態で対向する一対の側面部24を有するベースブラケット25が車体22に固定されている。ベースブラケット25は、一対の側面部24が後面部26により連結され、側面部24の下端からは下面部27が外側へ開いた状態で曲折形成されている。ベースブラケット25の側面部24には、一対の支持孔28が形成され、後面部26の上端には切欠29が形成され、下面部27には固定孔30が形成されている。
【0043】
次に、プーリ構造6の組み立て方を説明する。ベースブラケット25は、軟質発泡樹脂材により形成されたシール部材31を介在させた状態で、ボルト・ナット手段32により車体22に固定される。シール部材31の本体は、ケース本体10のフランジ15に相応する形状で所定の厚さを有し、その両端からはベースブラケット25の下面部27に相応する形状で薄い厚さの延長片33が形成されている。この延長片33が、ベースブラケット25の下面部27と車体22との間に挟持される。延長片33が挟持されるため、シール部材31の位置ずれは生じない。
【0044】
次いで、ケース本体10をベースブラケット25の上から入れて、シール部材31の上に載せる。そして、プーリ8をケース本体10の内部に開口部12から挿入し、プーリ8の中心孔34と、ケース本体10のボス部14と、ベースブラケット25の支持孔28とを合致させ、それらにシャフト35を貫通させることで、ケース本体10及びプーリ8をそれぞれ回転自在に支持した状態にする。
【0045】
シャフト35を貫通させることにより、ケース本体10のフランジ15がシール部材31に押し付けられ、ケース本体10のフランジ15と、車体22の導入口23の周辺部との間が、シール部材31により塞がれた状態となる。
【0046】
この状態で、プーリ8にケーブル4を掛け回す。モータ駆動部5からのケーブル4は、ケース9の切欠29を通過してケース9の内部に入る。ケース9とモータ駆動部5との間のケーブル4はアウタチューブ37により被覆されている。
【0047】
ケース9内に入ったケーブル4は第2ケーブル挿通口18を通過してから、プーリ8に掛け回され、その後、斜面部16に形成された第1ケーブル挿通口17からスライドレール2内に入る。第1ケーブル挿通口17には、ケーブル4が隙間なく貫通する弾性変形容易なブーツ部材36が設けられている。このように、プーリ8をケース本体10側に支持したことにより、プーリ8が開口部12から露出し、開口部12からプーリ8に対するケーブル4の掛かり具合を目視で確認しやすいため、作業性が良い。
【0048】
そして、最後にカバー11をケース本体10の開口部12内に押し込んで、係合爪部19を係合受部13に係合させて、カバー11をケース本体10に一体化する。この時、カバー11の側面部にケース本体10のボス部14に当接する凹部20が形成されているため、カバー11の取付け時に強い力で押しても、カバー11はケース本体10に対する正規位置で停止し、係合爪部19と係合受部13との確実な係合状態が得られる。これにより、プーリ構造6の組み立ては完了する。
【0049】
このようにして組み立てられたプーリ構造6は、ケーブル4がスライドレール2におけるスライドブラケット3の位置に応じて水平方向で変位しても、図9及び図10に示すように、プーリ8を内蔵したケース9自体が、ケーブル4の変位に追従した状態で、シャフト35を中心に回転するため、第1ケーブル挿通口17に対するケーブル4の相対的な変位は小さくなる。ケース9自体の回転に関しては、ベースブラケット25に接する部分がボス部14の先端だけなので、回転抵抗は小さい。
【0050】
ケース9がこのように回転しても、ケース9と車体22との間のシール部材31の変形により、ケース9のフランジ15と、車体22の導入口23との間が塞がれた状態は維持される。従って、導入口23からの水がケース9周辺に至ることはない。
【0051】
また、ケース9の回転に加えて、第1ケーブル挿通口17を形成するケース本体10の斜面部16を、ケーブル4に対して略直交させたことも、第1ケーブル挿通口17に対するケーブル4の相対的な変位を小さくできる要因となり、トータルとして、第1ケーブル挿通口17の開口サイズを従来に比べて格段と小さくすることができる。
【0052】
ケース9がケーブル4に追従して完全にフリーな状態で回転すれば、ケーブル4の第1ケーブル挿通口17に対する相対変位はゼロになるが、シール部材31の弾性反力によりケース9の回転にも制限があるため、ケーブル4の変位は多少ある。第1ケーブル挿通口17は、この多少残されたケーブル4の変位を許容できる最低限の開口サイズは確保されている。
【0053】
また、第1ケーブル挿通口17自体が小さいため、そのこと自体で第1ケーブル挿通口17の水密性は向上する。従って、この実施形態の第1ケーブル挿通口17を、仮に従来のような長孔付きのグロメットで塞いだとしても、第1ケーブル挿通口17が小さい分だけ水密性の向上が図れ、またグロメット自体も小さくなるため、変形しにくく、第1ケーブル挿通口17との間に隙間が生じにくい。
【0054】
この実施形態では、従来のグロメットに代えて、第1ケーブル挿通口17をブーツ部材36により塞いでいるため、第1ケーブル挿通口17の水密性はより完全である。第1ケーブル挿通口17をこのようなブーツ部材36により塞げるのも、前述のように、ケーブル4の相対変位が小さく、その相対変位をブーツ部材36の弾性変形の範囲内で許容できるからである。ケーブル4の相対変位がもし大きければ、ブーツ部材36の弾性変形の範囲内で処理できず、ブーツ部材36が外れたり、また外れないにしても、ケーブル4とブーツ部材36とが強く擦れて、ケーブル4によりブーツ部材36が傷つけられることになる。
【0055】
尚、以上の実施形態では、シール部材31として、ケース本体10のフランジ15に相応し、所定の厚さを有する単純形状のものを採用したが、シール部材31の変形を更に容易にするため、ブーツ部材36をジャバラ状の断面を有する形状のものに変更しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的なスライドを備えた車両を示す外観斜視図。
【図2】 この発明の一実施形態であるスライドレールとモータ駆動部との間にケーブルを巻回した状態を示す一部断面の平面図。
【図3】 図2のスライドレールのコーナー部を示す拡大図。
【図4】 図2のプーリ構造を示す側面図。
【図5】 図4中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図6】 図4のプーリ構造を示す分解斜視図。
【図7】 図6のプーリ構造におけるケース本体の斜面部を示す側面図。
【図8】 図7中矢示DA方向から見た底面図。
【図9】 図4におけるケースが一方へ回転した状態を示す側面図。
【図10】 図4におけるケースが他方へ回転した状態を示す側面図。
【符号の説明】
1 スライドドア
2 スライドレール
3 スライドブラケット
4 ケーブル
5 モータ駆動部
6、7 プーリ構造
8 プーリ
9 ケース
10 ケース本体
11 カバー
12 開口部
13 係合受部
14 ボス部
15 フランジ
16 斜面部 17 第1ケーブル挿通口
18 第2ケーブル挿通口
19 係合爪部
20 凹部
22 車体
23 導入口
24 ベースベラケットの側面部
25 ベースブラケット
31 シール部材
33 延長片
35 シャフト
36 ブーツ部材
Claims (8)
- モータ駆動部により正逆方向に移動自在で且つスライドドアに駆動力を伝達するためのケーブルを、プーリを介して、スライドレールの前後両端部からスライドレール内に導入すると共に、
該プーリが、スライドレール側の第1ケーブル挿通口と、モータ駆動部側の第2ケーブル挿通口を有するケース内に回転自在に収納されているスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
前記ケースを、第1ケーブル挿通口を有し且つ反対側にプーリの挿入が可能なサイズの開口部を有するケース本体と、該ケース本体の開口部を覆った状態で取付けられるカバーとから構成された二分割構造にすると共に、
第1ケーブル挿通口を、ケーブルの挿入が最低限可能とされる開口サイズ未満で、且つケーブルの変位が最低限許容される開口サイズ以上にし、
ケーブルの導入口が形成された車体に対して、該導入口を跨いだ状態で対向する一対の側面部を有するベースブラケットを固定し、該ベースブラケットの側面部間に該側面部間を貫通するシャフトにて、ケースと内部のプーリとをそれぞれ回転自在に支持したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項1記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
前記第1ケーブル挿通口は、ケース本体のスライドレール側の面にケーブルに対して略直交する斜面部を形成したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項1又は請求項2記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
第1ケーブル挿通口を、ケーブルが隙間なく貫通する挿通孔を有する弾性変形容易なブーツ部材にて塞いだことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項2又は請求項3記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
ケース本体側に、プーリをシャフトを通して回転支持したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項4記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
ケース本体の互いに対向した側面部から外側に向けて先端がベースブラケットの側面部の内面に当接するボス部を形成し、該ボス部にシャフトを通したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項5記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
ケース本体とカバーとを、一方に形成した係合爪部と、他方に形成した係合受部との係合により一体化すると共に、カバーの側面部にケース本体のボス部に当接する凹部を形成したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項2〜6のいずれか1項に記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
ケース本体の周囲にフランジを形成すると共に、フランジと車体の導入口周辺部との間に弾性変形自在なシール部材を介在させたことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。 - 請求項7記載のスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造であって、
シール部材に、ベースブラケットと車体との間で挟持される延長片を一体形成したことを特徴とするスライドドア駆動用ケーブルのプーリ構造。
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