JP3961972B2 - 火炎検知素子の取付け構造 - Google Patents

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    • F23NREGULATING OR CONTROLLING COMBUSTION
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    • F23N2900/05005Mounting arrangements for sensing, detecting or measuring devices

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として燃焼筐に収納するバーナの火炎を検知する火炎検知素子の取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼筐にバーナを収納する場合は、燃焼筐を構成する板部材の外側面に火炎検知素子の取付金具を配置して、板部材に形成したバーリング穴に取付金具を螺子止めし、取付金具に保持される火炎検知素子を板部材に形成した挿入孔を通してバーナ上に臨ませるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、従来は、図8に示すように、取付金具aに当接する板部材bの平坦部にバーリング穴cを形成している。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−54179号公報(第2頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バーリング穴cの口元部にはアールが付いており、そのため、図8(a)に示す如く、バーリング穴cの内径より距離Lだけ径方向に離れた位置で板部材bが取付金具aに接触することになる。そして、螺子dの締付け力をFとして、取付金具aに対する板部材bの接触部にF×Lの曲げモーメントMが作用する。そのため、螺子dを強く締め込むと、図8(b)に示す如く、板部材bが取付金具aから浮くように変形する。その結果、板部材bの取付金具aの配置箇所が外側に変位し、バーナに対する火炎検知素子の位置ずれを生じて、火炎検知の精度が悪化する。
螺子dの締付けトルクを厳密に管理すれば、このような不具合は解消できるが、これでは螺子締め作業が面倒になり、生産性が低下する。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、締付けトルクを管理しなくてもバーナに対する火炎検知素子の位置ずれを防止できるようにした火炎検知素子の取付け構造を提供することをその課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、バーナの側方に配置される板部材の外側面に火炎検知素子の取付金具を配置して、板部材に形成したバーリング穴に取付金具を螺子止めし、取付金具に保持される火炎検知素子を板部材に形成した挿入孔を通してバーナ上に臨ませるものにおいて、板部材に、取付金具に対する当接部よりも内側に窪む、テーパー状の周壁部を有する窪み部を形成し、窪み部の底部に、バーリング穴を形成している。
【0008】
上記の構成によれば、窪み部の周壁部がテーパー状であるため、バーリング穴の孔軸方向に作用する螺子の締付け力に対する周壁部の座屈強度が弱化される。そのため、締付け力を強くしても、周壁部の座屈で窪み部が変形し、この変形で締付け力が吸収される。従って、板部材が取付金具から浮くように変形することがなく、バーナに対する火炎検知素子の位置ずれが防止される。その結果、締付けトルクの管理が不要になり、作業性が大幅に向上する。
【0009】
特に、バーナが燃焼筐に収納されるものであって、燃焼筐を構成する板を上記板部材とする場合、燃焼筐の構成板は薄板で変形し易いため、本発明は、バーナに対する火炎検知素子の位置ずれを防止する上で非常に有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は温風暖房器を示している。この温風暖房器の器体1内には、下部の送風ファン2と、その上方に位置する、バーナ3を内蔵する燃焼筐4と、燃焼筐4の配置部を上方から前方に亘って囲う仕切板5とが配置されている。そして、器体1内に、仕切板5によって燃焼筐4の周囲の通風路6を画成し、送風ファン2の作動により器体1の背面の吸込み口1aから通風路6に空気を吸込み、燃焼筐4からの燃焼排ガスと空気とを混合して、器体1の前面下部の吹出し口1bから温風として吹出すようにしている。
【0011】
燃焼筐4には、吸込み口1aからの空気の一部を燃焼用空気として取入れる後面下部の空気取入口4aと、上端の排気口4bとが開設されている。そして、排気口4b上に遮熱板7を設けて、排気口4bからの燃焼排ガスが遮熱板7の下側を通って燃焼筐4の前面側の通風路6の部分に吸引排気されるようにしている。
【0012】
図2を参照して、燃焼筐4の左右の側板40,41は、通風路6及び送風ファン2のファンケース2aの左右を閉塞する側板に兼用されている。そして、両側板40,41間に、燃焼筐4用の前板42と後板43とを配置し、前後の各板42,43の側縁に突設した爪片42a,43aを各側板40,41に形成したスリットに挿通して、燃焼筐4を組立てる。また、遮熱板7をその左右の側縁に形成した上方に屈曲する引掛け片7aにおいて両側板40,41の上縁部に係止し、更に、仕切板5をその左右の側縁部において両側板40,41の上縁部と前縁部とに螺子止めしている。
【0013】
バーナ3は、図2〜図4に示す如く、横方向に長手であって、上方に開口するバーナ本体30と、バーナ本体30に上面の開口部を覆うように取り付けた炎口板31と、炎口板31の上方空間を囲うように取り付けた二次空気カバー32とを備えている。そして、炎口板31に形成した多数のスリット状の炎口31aから噴出するガスを二次空気カバー32内で二次空気を制限した状態で一次燃焼させた後、二次空気カバー32の上面の開口部32a上で二次燃焼させるようにし、窒素酸化物の発生を抑制している。
【0014】
バーナ本体30は、プレス成形された前後2枚の板材30a,30aを両板材のフランジ部30bにおいて接合して成る板金製のものである。バーナ本体30には、上面の開口部の前後両側の外曲げフランジ30cが形成されており、このフランジ30cに炎口板31の前後の側部を重ね合わせて、両者をスポット溶接等で固定している。そして、フランジ30cと炎口板31との重ね合わせ部に複数の通気孔31bを形成して、二次空気カバー32内に通気孔31bから制限された量の二次空気が流入するようにしている。
【0015】
二次空気カバー32は、その前後の側板32bの下縁の横方向2箇所において、炎口板31のヘミング加工部31cにより炎口板31にカシメ固定されている。そして、二次空気カバー32の側板32bに、ヘミング加工部31cの両脇に位置させて、炎口板31に対する二次空気カバー32の熱膨張差を吸収する切欠き部32cを形成し、熱膨張差に起因するきしみ音の発生を防止している。この場合、切欠き部32cが炎口板31の上面上の燃焼空間に臨むと、切欠き部32cからも二次空気が流入して二次空気量が過多になる。そこで、二次空気カバー32の前後の側板32bを炎口板31の上面より下方に延長すると共に、炎口板31の前後両側縁に下方に屈曲する垂下板部31dを形成している。そして、垂下板部31dの下縁に、二次空気カバー32の前後の側板32bの下縁を隙間を存して受けるU字状の受け部31eを形成し、この受け部31eを横方向に離れた2箇所でヘミング加工して、このヘミング加工部31cにより二次空気カバー32を炎口板31にカシメ固定している。これにより、二次空気カバー32の前後の側板32bに形成する、ヘミング加工部31cの両脇の切欠き部32cが炎口板31の上面より下方に位置し、二次空気カバー32内の燃焼空間に切欠き部32cを介して二次空気が流入することが防止される。尚、受け部31eと側板32bとの間には、ヘミング加工部31c以外の部分において、隙間が空いているため、二次空気カバー32の熱膨張により受け部31eと側板32bとの間できしみ音が発生することはない。
【0016】
燃焼筐4の右の側板41には、バーナ挿入口44が開設されており、バーナ3をこの挿入口44を通して燃焼筐4内に挿入自在としている。バーナ3には、炎口板31の左端部を一旦上方に折り曲げて左方に屈曲させることにより形成した支持爪33と、バーナ本体30の左端下部に突設した係合爪34とが設けられている。そして、燃焼筐4の左の側板40に形成したスリット状の各係合孔に支持爪33と係合爪34とを差し込んで、バーナ3の左端を左側板40に位置決めして支持させている。
【0017】
また、バーナ本体30には混合管部35が一体に形成されている。燃焼筐4内にバーナ3を収納した状態で混合管部35は燃焼筐4の右側板41の外方に露出する。そして、右側板41に、バーナ挿入口44の下縁との間に混合管部35を挿通する空隙が空くように、バーナ挿入口44を覆う蓋板45を取付けている。蓋板45は、炎口板31の右端部を上方に折り曲げて形成した当板部36に当接し、バーナ3を横方向に位置決めする。また、蓋板45には、点火プラグ8の挿入孔450と、プラグ取付金具80を螺子81止めする、挿入孔450の両脇のバーリング穴451とが形成されている。点火プラグ8は、当板部36に形成した挿通孔360を通して炎口板31上に臨む。尚、当接板36には、挿通孔360の両脇に位置させて、バーリング穴451を隙間を存して受け入れる逃げ穴361が形成されている。
【0018】
図5に示されているように、バーナ挿入口44の下縁には、混合管部35を受け入れる溝部44aと、その底部に位置する、混合管部35の下側の接合フランジ部30bを隙間を存して受け入れるスリット状の逃げ溝44bが形成され、また、蓋板45にも、混合管部35の上側の接合フランジ部30bを隙間を存して受け入れるスリット状の逃げ溝45aが形成されている。
【0019】
バーナ挿入口44の開口縁部には、更に、混合管部34を受け入れる溝部44aの前後両側に位置させて、炎口板31の右端部下面を受ける前後一対の受け座46,46が立設されている。各受け座46の上端は、横方向内方に屈曲しており、この屈曲部46aが炎口板31の右端部下面に当接する。また、屈曲部46aは、炎口板31の前後各側の垂下板部31dの内面に接する。かくして、バーナ3は、その右端部において、両受け座46,46により上下方向および前後方向に位置決めして支持される。しかも、受け座46が当接するのは炎口板31であるため、炎口板31は燃焼筐4に対し高精度で位置決めされる。 図2、図4を参照して、燃焼筐4の前板42には、火炎検知素子たる熱電対9の挿入孔420と、熱電対9の取付金具90を螺子91止めする、挿入孔420の上方と下方に位置するバーリング穴421とが形成されている。熱電対9は二次空気カバー32に形成した挿通孔320を通して炎口板31上に臨む。ここで、本実施形態では、上記の如く、受け座46によって燃焼筐4に対する炎口板31の位置決め精度が確保されるため、燃焼筐4に取付金具90を介して取付けられる熱電対9と炎口板31との相対位置精度も確保される。従って、炎口板31上に生成される火炎と熱電対9との位置関係が一定になり、熱電対9の起電力が安定して、酸欠時の炎のリフトアップといった微妙な火炎検知も精度良く行うことができる。
【0020】
ところで、前板42の平坦部分にバーリング穴421を形成した場合、螺子91を強く締め込むと、前板42が取付金具90から浮くように変形する(図8参照)。その結果、前板42の取付金具90の配置箇所が外側、即ち、前方に変位し、炎口板31に対し熱電対9の位置が前方にずれ、熱電対9の起電力が低下して、火炎検知の精度が悪化する。
【0021】
そこで、本実施形態では、前板42に、取付金具90に対する当接部に対し内側に窪ませた窪み部422を形成し、この窪み部422の底部にバーリング穴421を形成している。ここで、窪み部422の周壁部422aはテーパー状に形成され、バーリング穴421に作用する螺子91の締付け力に対する周壁部422aの座屈強度を弱化させている。
【0022】
これによれば、螺子91を強く締め付けても、図6に示す如く、窪み部422がその周壁部42の座屈で変形し、この変形で締付け力が吸収される。そのため、取付金具90に対する前板42の当接部が取付金具90から浮くように変形することを防止できる。その結果、炎口板31に対する熱電対9の位置ずれを防止して、火炎検知の精度を向上させることができる。更に、螺子91の締付けトルクの管理が不要になり、トルク管理が困難なエアードライバによる螺子締め作業が可能になって、作業性も向上する。
【0023】
尚、取付金具90は、金具本体92と、金具本体92に熱電対9を挟み込むようにして固定する押え金具93と、平板状のスペーサ94とで構成されており、金具本体92の内側にスペーサ94を重ね合わせた状態で、金具本体92とスペーサ94とを螺子91により前板42に共締めしている。スペーサ94は、温風暖房器の機種によって異なる前板42とバーナ3との間の前後方向距離に応じて熱電対9の前後方向位置を調整する部材であり、機種によってはスペーサ94を設けないこともある。
【0024】
また、上記実施形態では、前板42に、上下一対のバーリング穴421に対応させて上下一対の窪み部422を形成しているが、図7に示すように、上下に連続した窪み部422を形成し、この窪み部422の底部に上下一対のバーリング穴421を形成しても良い。
【0025】
更に、上記実施形態では、火炎検知素子として熱電対9を用いているが、フレームロッド等の他の火炎検知素子を使用する場合にも同様に本発明を適用できる。
【0026】
また、温風暖房器以外のガス器具に設ける火炎検知素子の取付け構造としても本発明は広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る火炎検知素子の取付け構造を具備する温風暖房器の全体断面図。
【図2】温風暖房器の要部の分解斜視図。
【図3】燃焼筐の切断正面図。
【図4】図3のIV―IV線で切断した切断側面図。
【図5】図3のV―V線で切断した切断側面図。
【図6】バーリング穴を形成した窪み部の螺子締め時における変形状態を示す図。
【図7】窪み部を形成する他の実施形態を示す断面図。
【図8】平坦部にバーリング穴を形成した場合における螺子締め時の力のかかり方と、変形状態とを示す図。
【符号の説明】
3…バーナ 4…燃焼筐 42…燃焼筐の前板(板部材) 420…挿入孔 421…バーリング穴 422…窪み部 422a…周壁部 9…熱電対(火炎検知素子) 90…取付金具 91…螺子

Claims (2)

  1. バーナの側方に配置される板部材の外側面に火炎検知素子の取付金具を配置して、板部材に形成したバーリング穴に取付金具を螺子止めし、取付金具に保持される火炎検知素子を板部材に形成した挿入孔を通してバーナ上に臨ませるものにおいて、
    板部材に、取付金具に対する当接部よりも内側に窪む、テーパー状の周壁部を有する窪み部を形成し、窪み部の底部に、バーリング穴を形成することを特徴とする火炎検知素子の取付け構造。
  2. 前記バーナは燃焼筐に収納され、前記板部材は燃焼筐を構成する板であることを特徴とする請求項1に記載の火炎検知素子の取付け構造。
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