JP3961672B2 - 樹脂封止チップ体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、小型電子部品等の微小物品(以下、「チップ体」ともいう)の樹脂封止体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
一般的に、ICチップ等の電子部品は、回路面を保護するために、樹脂により封止されている。従来このような樹脂封止されたチップ体は、個々のチップ体をそれぞれ別個にリードフレームにマウントした後、一つ一つを金型を用いて樹脂封止することにより製造されていた。
【0003】
しかし、このような方法では、1個または少数のデバイス毎に樹脂封止するため、作業効率の向上には限界があった。また、ICチップの形状、大きさは様々であるため、それぞれの形状・大きさに合わせた金型が必要になり、工程管理が煩雑になる。さらに、金型を用いる関係上、バリが発生することがあるため、バリの除去工程が必要になる場合もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、金型を用いることなく、しかも複数個のチップを同時に樹脂封止することにより、作業効率を改善し、工程管理を容易にすることを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係る樹脂封止チップ体の製造方法は、
複数のチップ体をリードフレームにマウントし、
該チップ体がマウントされたリードフレームを、耐熱性基材と該耐熱性基材上に剥離可能に形成された異方導電性接着剤層とからなるテープの該異方導電性接着剤層上に載置し、
該チップ体およびリードフレームを覆うように、熱硬化性樹脂を注入または塗布後、加熱硬化して、チップ体およびリードフレームを樹脂封止し、
該樹脂封止体を、チップ体毎に切断分離し、切断分離されたリードフレームに異方導電性接着剤層を伴って、耐熱性基材上から剥離する
ことを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の樹脂封止チップ体の製造方法は、
複数のチップ体をリードフレームにマウントし、
該チップ体がマウントされたリードフレームのチップ体面を、耐熱性基材上に剥離可能に形成された接着剤層上に載置し、
該リードフレームと該接着剤層とから形成される空隙に熱硬化性樹脂を注入後、加熱硬化して、チップ体およびリードフレームを樹脂封止し、
該樹脂封止体を、チップ体毎に切断分離し、
切断分離されたチップ体面に接着剤層を伴って、耐熱性基材上から剥離することを特徴としている。
【0008】
上記において、接着剤層は、好ましくはポリイミド系異方導電性接着剤からなる。
このような本発明によれば、金型を用いることなく、しかも複数個のチップを同時に樹脂封止できるので、作業効率が改善され、工程管理が容易になる。
【0009】
【発明の具体的説明】
本発明に係る樹脂封止チップ体の製造方法について、図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
【0010】
本発明に係る樹脂封止チップ体の製造方法では、まず、図1に示すように、複数のチップ体1をリードフレーム2にマウントする。チップ体1としては、主に電子回路が形成された半導体装置が用いられるが、本発明においては、これに限らず、樹脂封止されて使用に供される物品(たとえば種々の電子部品)であれば、特に制限されることなく用いられる。
【0011】
リードフレーム2は、図1に示すように、複数のチップ体搭載部が連結した構造になっている。
チップ体1のリードフレーム2へのマウントは、常法により行われ、チップ体としてICを用いる場合には、例えば銀ペースト、導電性接着剤等によりチップ体搭載部にチップ体を固定する。
【0012】
次いで、図2に示すように、チップ体1がマウントされたリードフレーム2を、耐熱性基材3を有するテープ4上に載置する。テープ4は、粘着剤層等の固定手段を備えていてもよいが、後述する熱硬化性樹脂の注入・硬化によりチップ体1およびリードフレーム2をテープ4上に固定できるので、必ずしも固定手段を設ける必要はない。
【0013】
耐熱性基材3は、耐熱性の樹脂からなり、該樹脂の融点は好ましくは180℃以上、さらに好ましくは260℃以上である。または該温度領域で融解せず、熱分解するものが好ましい。
【0014】
このような耐熱性基材3としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテル・エーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリ(4-メチルペンテン-1)フィルム等が用いられる。また、これらフィルムの積層体であってもよい。さらに、上記フィルムと、他のフィルムとの積層体であってもよい。
【0015】
また、後述する異方導電性接着剤層やポリイミド系接着剤層を、チップ体1やリードフレーム2に転写する場合には、耐熱性基材3の中でも、剥離可能な面を有する耐熱性基材が好ましく用いられ、特に表面張力が40dyne/cm 未満、好ましくは30dyne/cm 以上40dyne/cm 未満の基材が好ましい。このため、用途によっては、耐熱性基材3の表面をアルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、オレフィン系あるいはワックス系の剥離剤で処理することもできる。
【0016】
耐熱性基材3の膜厚は、その材質にもよるが、通常は10〜300μm程度であり、好ましくは16〜100μm程度である。
チップ体1がマウントされたリードフレーム2を、耐熱性基材3を有するテープ4上に載置する際、図2では、リードフレーム面がテープ4上に位置する場合を示したが、チップ体の用途によっては、チップ体1がテープ4上に位置するように載置することもできる。たとえば、チップ体1としてICを用いる場合には、デバイスの形状により、何れの面を載置するかを適宜に選択できる。
【0017】
次いで、図3に示すように、チップ体1およびリードフレーム2を覆うように、熱硬化性樹脂5を注入または塗布後、加熱硬化して、チップ体1およびリードフレーム2を樹脂封止する。
【0018】
この際に用いる熱硬化性樹脂5としては、クレゾールノボラック型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、ビフェニル型エポキシあるいは芳香族多官能型エポキシを主原料とし、フェノールノボラック等の一般に用いられる硬化剤およびシリカ、シリコーン、カーボン、フィラー等を混合した樹脂が好ましく用いられる。加熱硬化の条件は、使用する熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜に定められる。
【0019】
樹脂を硬化した後、バルク状の樹脂封止体を、チップ体毎に切断分離することにより、樹脂封止チップ体が得られる(図4)。切断分離の手段としては、従来半導体ウェハ等をダイシングするために使用されているダイサー等を用いることができる。
【0020】
次いで、必要に応じテープ4のエキスパンドを行う。エキスパンドにより、チップ間隔が拡張するので、樹脂封止チップ体のピックアップを容易に行うことができる。
【0021】
かくして、図5に示すように、樹脂封止チップ体をピックアップし、所定の基体上にマウントする。
また、本発明では、前記テープ4として、耐熱性基材3と、その上に形成されたアクリル系放射線硬化型粘着剤層とからなるテープを用いることもできる。
【0022】
アクリル系放射線硬化型粘着剤層は、たとえばアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物からなる。アクリル系粘着剤は、アクリル酸エステルを主たる構成単位とする。
【0023】
アクリル酸エステルとしては、たとえば、炭素数1〜10のアルキルアルコールのアクリル酸エステル、炭素数1〜10のアルキルアルコールのメタクリル酸エステル等が用いられる。
【0024】
また、この他にも、本発明の目的を損なわない範囲で、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、グリシジル基等を含有するアクリル酸エステル;および(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルアルキルエーテル等から導かれる構成単位が、アクリル系粘着剤中に含有されていてもよい。
【0025】
これらのモノマーを重合して得られる共重合体の分子量は、1.0×105 〜10.0×105 であり、好ましくは4.0×105 〜8.0×105 である。
上記のようなアクリル系粘着剤は、架橋剤を使用することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等がある。
【0026】
またアクリル系放射線硬化型粘着剤に用いられる放射線重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196,956号公報および特開昭60−223,139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
【0027】
さらに放射線重合性化合物として、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物たとえば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネートなどを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートたとえば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを反応させて得られる。
【0028】
粘着剤中のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物との配合比は、アクリル系粘着剤100重量部に対して放射線重合性化合物は50〜200重量部、好ましくは50〜150重量部、特に好ましくは70〜120重量部の範囲の量で用いられることが望ましい。この場合には、得られる粘着シートは初期の接着力が大きく、しかも放射線照射後には粘着力は大きく低下する。したがって、樹脂封止チップ体とアクリル系放射線硬化型粘着剤層との界面での剥離が容易になり、樹脂封止チップ体をピックアップできる。
【0029】
また、アクリル系放射線硬化型粘着剤層は、側鎖に放射線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体から形成されていてもよい。このような放射線硬化型共重合体は、粘着性と放射線硬化性とを兼ね備える性質を有する。側鎖に放射線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体は、たとえば、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等にその詳細が記載されている。
【0030】
上記のようなアクリル系放射線硬化型粘着剤は、放射線照射前には被着体に対して充分な接着力を有し、放射線照射後には接着力が著しく減少する。すなわち、放射線照射前には、樹脂封止チップ体を充分な接着力で保持するが、放射線照射後には、樹脂封止チップ体を容易に剥離することができる。
【0031】
このようなアクリル系放射線硬化型粘着剤層の膜厚は、通常は、3〜50μm程度であり、好ましくは5〜30μm程度である。
さらに上記のアクリル系放射線硬化型粘着剤層中に、UV照射用の場合には、UV開始剤を混入することにより、UV照射による重合硬化時間ならびにUV照射量を少なくすることができる。
【0032】
このようなUV開始剤としては、具体的には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。
【0033】
また、本発明では、耐熱性基材3と、その上に形成されたシリコーン系粘着剤層とからなるテープ4を用いることもできる。
シリコーン系粘着剤としては、従来より汎用のシリコーン系粘着剤が特に制限されることなく用いられ、このようなシリコーン系粘着剤は、耐熱性に優れるので、熱硬化性樹脂4として、比較的高温において硬化するものを用いたとしても、熱により粘着剤が劣化することがないため、樹脂封止チップ体を汚損することもなくなる。
【0034】
シリコーン系粘着剤層の膜厚は、好ましくは1〜50μm程度であり、特に好ましくは5〜20μm程度である。
さらに、本発明では、耐熱性基材3と、その上に形成されたポリイミド系接着剤層とからなるテープ4を用いることもできる。
【0035】
ポリイミド系接着剤は、ポリイミド樹脂自体および/またはポリイミド樹脂の前駆体を主成分とする。ポリイミド樹脂は、側鎖または主鎖にイミド結合を有する。またポリイミド樹脂前駆体とは、硬化により、上記のポリイミド樹脂を与えるものをいう。このようなポリイミド系樹脂としては、具体的には、ポリイミド樹脂、ポリイソイミド樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ−イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド樹脂等が挙げられ、これらの樹脂単独もしくは2つ以上混合させて使用することができる。これらの中でも特にポリイミド樹脂が好ましい。
【0036】
ポリイミド系樹脂の分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000、特に好ましくは50,000〜100,000程度である。
また、ポリイミド系樹脂に、他のポリマーやオリゴマー、低分子化合物を添加したポリイミド系接着剤を用いてもよい。たとえば、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、アミド酸樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの各種ポリマーやオリゴマー;トリエタノールアミンやα,ω−(ビス3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテルなどの含窒素有機化合物などが添加剤として挙げることができる。
【0037】
ポリイミド系接着剤層3の膜厚は、好ましくは1〜50μm程度であり、特に好ましくは5〜20μm程度である。
さらに、本発明では、耐熱性基材3と、その上に形成された異方導電性接着剤層とからなるテープ4を用いることもできる。
【0038】
異方導電性接着剤は、バインダーポリマー中に導電性粒子を含む接着剤であり、テープの圧着前には導電性粒子同士は互いに接触しない範囲でバインダーポリマー中に存在し、テープの圧着により接着剤層の厚さ方向にのみ導電性粒子が接触し、異方導電性を発現するものである。
【0039】
バインダーポリマーとして用いられる材料は、通常の接着剤として使用されている樹脂が特に制限されることなく用いられ、たとえばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。
【0040】
導電性粒子として用いられる材料は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属あるいは合金の粉体や繊維状体やカーボンブラックあるいは、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子の粉体や繊維状体が用いられる。これらの材料は、それぞれ単独で用いてもよく、また複数種を組み合わせて用いてもよい。また、粉体等の形状についても、導電性材料単独で形成されているものであってもよく、またスチレン、アクリル等の樹脂にコーティングあるいはメッキしたものであってもよい。粉体あるいは繊維状体の大きさは、1〜20μm程度が好ましい。
【0041】
このような導電性粒子は、上記バインダーポリマー100重量部に対して、1〜500重量部程度の割合で用いられる。
異方導電性接着剤層3の膜厚は、好ましくは1〜50μm程度であり、特に好ましくは10〜30μm程度である。
【0042】
このような異方導電性接着剤層を有するテープを用いる場合には、基材3として、前述の剥離可能な面を有する耐熱性基材を用いることが好ましい。このようにすると、樹脂封止チップ体に異方導電性接着剤層をともなって、チップ体をピックアップでき、回路基板等との接続に他の導通手段を用いることなく、固定および配線を同時に行うことができる。
【0043】
また、本発明の他の樹脂封止チップ体の製造方法では、図6に示すように、複数のチップ体1がマウントされたリードフレーム2をテープ4上に載置する。この際、テープ4は、剥離可能な面を有する耐熱性基材3と、基材3の剥離可能な面に形成された接着剤層7とからなり、チップ体1の背面が接着剤層7に貼着される。剥離可能な面は、たとえば基材3の表面を前述したような剥離剤6で処理することで形成でき、また基材3を構成する樹脂を適宜に選択することで剥離処理を省略することもできる。
【0044】
次いで、図7に示すように、リードフレーム2上の導通部を覆わないように、リードフレーム2と接着剤層7とから形成される空隙に熱硬化性樹脂5を注入後、加熱硬化して、チップ体およびリードフレームを樹脂封止する。樹脂を硬化した後、ダイサー等によりチップ体毎に切断分離して樹脂封止チップ体を得る(図8)。
【0045】
続いて、必要に応じてテープ4のエキスパンドを行い、図9に示すように樹脂封止チップ体を所定の基体上にマウントする。ピックアップの際、接着剤層7はチップ体1の背面に転写され、保護層を形成する。
【0046】
このような樹脂封止チップ体の製造方法では、接着剤層7としては、前述のポリイミド系接着剤が耐熱性に優れるため好ましい。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明によれば、金型を用いることなく、しかも複数個のチップを同時に樹脂封止できるので、作業効率が改善され、工程管理が容易になる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0049】
[参考例1]
〔第1のテープの製造〕
耐熱性基材として、厚さ50μmのポリイミドフィルム(デュポン社製 Kapton H)の片面に、n-ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体(重量平均分子量=50万)100重量部と、ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量=8000)100重量部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製、イルガキュア 184)5重量部と、硬化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)10重量部とからなるアクリル系放射線硬化型粘着剤を厚さ20μmになるように塗布し、第1のテープを製造した。
〔樹脂封止チップ体の製造〕
5列×20列のリードフレームマトリクスに、5mm×7mmの半導体チップがダイボンディングされ、ワイヤーボンディングされ、その反対面に直径0.5mmのハンダ製ボール電極が1デバイス当たり48個形成されたBGA(ボールグリッドアレイ)基板を用意した。
【0050】
該BGA基板のボール電極面に第1のテープのアクリル系放射線硬化型粘着剤面を貼付し、ダイシング用フラットリング(8インチ用、ディスコ社製、2−8−1)に固定した。
【0051】
続いて、封止樹脂(クレゾールノボラック系エポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック系樹脂50重量部、溶融シリカ500重量部、イミダゾール系触媒1重量部、カーボンブラック0.5重量)をスクリーン印刷機により重ね塗りし、半導体チップ面上に100μm厚になるように、BGA基板上に平滑に塗布し、180℃2時間の硬化条件により硬化した。
【0052】
次に、DISCO社製ダイサー(DFD640)にて、ブレード厚200μm、回転数30000rpm、速度50mm/秒の条件で、切込み深さ50μmでチップ毎にフルカットダイシングし、第1のテープの基材面から紫外線(80W、5秒、距離100mm)を照射した。
【0053】
得られたデバイスは、テープから問題無く剥離でき、従来のデバイスの製造方法よりも簡単な方法で、大量のデバイスを生産できた。
【0054】
[参考例2]
〔第2のテープの製造〕
耐熱性基材として、厚さ50μmのポリイミドフィルム(デュポン社製 Kapton H)の片面に、メチルビニルシリコーンゴム100重量部と、メチルフェニルシリコーンゴム50重量部と、ベンゾイルパーオキサイド0.1重量部とからなるシリコーン系粘着剤を厚さ20μmになるように塗布し、第2のテープを製造した。
〔樹脂封止チップ体の製造〕
第1のテープに代えて、第2のテープを用いた以外は、参考例1と同様にして樹脂封止チップ体を製造した。なお、紫外線照射は行わなかった。
【0055】
得られたデバイスは、テープから問題無く剥離でき、従来のデバイスの製造方法よりも簡単な方法で、大量のデバイスを生産できた。
【0056】
[参考例3]
〔第3のテープの製造〕
耐熱性基材として、厚さ50μmのポリイミドフィルム(デュポン社製 Kapton H)の片面に熱硬化型ポリイミド系接着剤(宇部興産社製UPA−AH)を厚さ20μmになるように塗布し、第3のテープを製造した。
〔樹脂封止チップ体の製造〕
第1のテープに代えて、第3のテープを用いた以外は、参考例1と同様にして樹脂封止チップ体を製造した。なお、紫外線照射は行わなかった。
【0057】
得られたデバイスは、テープから問題無く剥離でき、従来のデバイスの製造方法よりも簡単な方法で、大量のデバイスを生産できた。
【0058】
[実施例1]
〔第4のテープの製造〕
耐熱性基材として、厚さ50μmのポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラー)の片面に、シリコーン系離型剤で、剥離処理を施した。該剥離処理面に、熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部と、粒径5μmのニッケル粉体50重量部とからなる異方導電性接着剤を厚さ20μmになるように塗布し、第4のテープを製造した。
〔樹脂封止チップ体の製造〕
参考例1で準備したBGA基板の電極面を第4のテープの異方導電性接着剤に180℃で5kg/cm2 の圧力を加えて熱圧着し、ダイシング用フラットリング(8インチ用、ディスコ社製2−8−1)に固定した(図2)。以下、参考例1と同様にして樹脂封止チップ体を製造した。なお、紫外線照射は行わなかった。
【0059】
得られたデバイスは、テープから問題無く剥離でき、従来のデバイスの製造方法よりも簡単な方法で、大量のデバイスを生産できた。また該デバイスは裏面に異方導電性接着剤層を同伴して剥離できた。したがって、この異方導電性接着剤層を介して、デバイスを他の被着体に貼付できた。
【0060】
[実施例2]
〔第5のテープの製造〕
図6に示す構成の第5のテープを以下のようにして製造した。
【0061】
すなわち、耐熱性基材として、厚さ50μmのポリイミドフィルム3(デュポン社製 Kapton H)の片面に、剥離剤6としてアルキド樹脂をコートし、該剥離処理面に、ポリイミド系接着剤7(宇部興産社製UPA−AH)を厚さ20μmになるように塗布し、第5のテープ4を製造した。
〔樹脂封止チップ体の製造〕
参考例1で準備したBGA基板のチップ面を、ポリイミド系接着剤層7上に載置し、180℃で5kg/cm2の圧力を加え、BGA基板をポリイミド系接着剤層7に熱圧着し、DISCO社ダイシング用フラットリング(8インチ用、2−8−1)に固定した(図6)。
【0062】
続いて、上述の封止樹脂5を、リードフレーム2とテープ4との間に注入し、180℃2時間の硬化条件により硬化した(図7)。
次に、DISCO社製ダイサー(DFD640)にて、ブレード厚200μm、回転数30000rpm、速度50mm/秒の条件で、切込み深さ50μmでチップ毎にフルカットダイシングした(図8)。
【0063】
得られたデバイスは、テープから問題無く剥離でき(図9)、従来のデバイスの製造方法よりも簡単な方法で、大量のデバイスを生産できた。得られたデバイスのチップ面にはポリイミド系接着剤層が転写されて保護層を形成し、信頼性の高いものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図2】 本発明に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図3】 本発明に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図4】 本発明に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図5】 本発明に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図6】 本発明の別の態様に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図7】 本発明の別の態様に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図8】 本発明の別の態様に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【図9】 本発明の別の態様に係る樹脂封止チップ体の製造工程を示す。
【符号の説明】
1…チップ体 2…リードフレーム
3…耐熱性基材 4…テープ
5…熱硬化性樹脂(封止樹脂) 6…剥離剤
7…ポリイミド系接着剤
Claims (3)
- 複数のチップ体をリードフレームにマウントし、
該チップ体がマウントされたリードフレームを、耐熱性基材と該耐熱性基材上に剥離可能に形成された異方導電性接着剤層とからなるテープの該異方導電性接着剤層上に載置し、
該チップ体およびリードフレームを覆うように、熱硬化性樹脂を注入または塗布後、加熱硬化して、チップ体およびリードフレームを樹脂封止し、
該樹脂封止体を、チップ体毎に切断分離し、切断分離されたリードフレームに異方導電性接着剤層を伴って、耐熱性基材上から剥離する
ことを特徴とする樹脂封止チップ体の製造方法。 - 複数のチップ体をリードフレームにマウントし、
該チップ体がマウントされたリードフレームのチップ体面を、耐熱性基材上に剥離可能に形成された接着剤層上に載置し、
該リードフレームと該接着剤層とから形成される空隙に熱硬化性樹脂を注入後、加熱硬化して、チップ体およびリードフレームを樹脂封止し、
該樹脂封止体を、チップ体毎に切断分離し、切断分離されたチップ体面に接着剤層を伴って、耐熱性基材上から剥離する
ことを特徴とする樹脂封止チップ体の製造方法。 - 前記接着剤層が、ポリイミド系接着剤からなることを特徴とする請求項2に記載の樹脂封止チップの製造方法。
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