JP3961306B2 - 黒麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子 - Google Patents

黒麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、黒麹菌のフェリクローム生合成に必要なオルニチンモノオキシゲナーゼとペプチドシンテターゼ蛋白質、該蛋白質をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組み換えベクター、該組み換えベクターを含有する形質転換体、該遺伝子を含有する組み換え麹菌、該形質転換体を用いるオルニチンモノオキシゲナーゼ、ペプチドシンテターゼ蛋白質を生成させることによってフェリクローム高生産麹菌を育種する方法、両フェリクローム生合成遺伝子を麹菌以外の生物に導入して生産させる方法、及び黒麹菌ペプチドシンテターゼ蛋白質を用いて任意のペプチドを合成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄イオンは一部の乳酸菌を除く、ほとんどすべての生物にとって必須の原子である。鉄は、生体内ではFe(II)やFe(III)の形態で利用され、主に酸化還元に関与する酵素群の補欠因子として機能する。特に好気性を示す生物群では、多大なエネルギーを生産する電子伝達系の反応に鉄イオンは欠くことができない。しかしながら、一般的に鉄は自然界において鉄鉱石として存在し、可溶化されたイオン状態としてはほとんど存在しない。さらに鉄鉱石から微生物の働きにより可溶化された鉄イオンも、すぐに不溶性の酸化物や水酸化物となるため、生物が利用できる鉄イオンはきわめて微量である。細菌や放線菌、真核微生物はこのような微量な鉄イオンを効率的に獲得するために、シデロフォアと呼ばれる分子量1500以下の低分子の鉄イオンキレート物質を生産する。このシデロフォアに鉄イオンをキレートすることにより、貴重な鉄イオンの不溶化を防ぎ、鉄イオンを優先的に利用することを図っている。また鉄イオンは生物にとって必須のイオンであるが、過剰に存在すると遊離のラジカルの発生を促し、逆に生体に危害を加える。シデロフォアは鉄イオンの獲得と同時に、このような鉄イオンの無害化にも大きく寄与している。シデロフォアは非キレート状態では無色であるが、鉄イオンをキレートすると、赤色を示し、可視光の吸収を示すことが知られている。
【0003】
現在までに様々なシデロフォアが同定されているが、糸状菌が生産するシデロフォアはhydroxamates familyと呼ばれ、一般に構成アミノ酸誘導体としてN−ヒドロキシオルニチンを含む。研究用モデル糸状菌、工業用微生物、病原性糸状菌として幅広く研究が進められているアスペルギルス属糸状菌はhydroxamates familyの中でもフェリクローム類とフザリニン類と呼ばれるシデロフォアを生産する。前者は、N−ヒドロキシオルニチンのトリペプチドにグリシン、セリン、アラニンが環状ペプチドを形成している。一方、後者では一部のN−ヒドロキシオルニチンのN位が無水メバロン酸によってアシル化されている特徴を有する。糸状菌はこのような多種多様なシデロフォアを生産することにより、鉄イオンを優先的に獲得し、自然界での生存競争に活用しているものと考えられる。
【0004】
一方、清酒醸造では、アスペルギルス・オリゼを蒸米上に生育させて「麹」を作成し、清酒醸造の原料として利用している。この麹造りにおいてアスペルギルス・オリゼが大量のフェリクローム類(中でも主成分はフェリクリシン)を生産し、これが酒造用水の鉄イオンをキレートし、清酒が着色することが知られている。従って、清酒醸造においては、シデロフォアであるフェリクローム類が、品質劣化の原因であり、できるだけフェリクローム類を生産しない菌株の育種が進められてきた。
【0005】
このように、黄麹菌(Aspergillus oryzae)はフェリクローム類を大量に生産することが古くから知られているが、黄麹菌と類縁で焼酎、泡盛製造に関わる黒麹菌もまた、麹などの固体培養においてフェリクローム化合物を生産することが知られている。実際の焼酎、泡盛の蒸留酒では商品中でのフェリクロームについては問題視されていないが、黒麹菌もまた黄麹菌と同様にフェリクローム生産が可能な微生物と考えられる。また黒麹菌も長年食品微生物として使用されており、その安全性が高く評価されている。これらの点から、黒麹菌が生産するフェリクロームは貧血症の医薬または機能性食品の利用が期待される。しかしながら黒麹菌のフェリクローム生合成についてはその生合成に関与する遺伝子が未解明のため、生産量を上げるなどの有効利用ができず、いまだに効率的な活用がなされていない。
【0006】
もし、フェリクローム類の生合成遺伝子が同定されれば、黒麹菌によるフェリクローム類の生産を自由に調節できる可能性がある。例えば、医薬品製造においては、フェリクローム生合成に関与する遺伝子の発現をより活発に誘導させることにより、大量のフェリクローム生産が可能となる。さらに黒麹菌が生産するフェリクロームは清酒や泡盛その他飲食品として長年摂取されており、極めて安全性の高い物質である。黒麹菌によりフェリクロームが大量に生産できれば、医薬品から食品まで幅広い応用が可能となる。
このように、黒麹菌のフェリクローム生産についてはさまざまな分野に応用が期待されるが、その生合成遺伝子が未解明なため、いまだに効率的な活用がなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Aspergillus niger等の黒麹菌のフェリクローム生産を自由に制御するために、黒麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子群を提供することにある。本発明の他の目的は本遺伝子群を含有する組み換えベクターとこの組み換えベクターを含有する形質転換体を提供することにある。
【0008】
黄麹菌(Aspergillus oryzae)におけるフェリクロームの生合成経路については、Ustilago maydisやAureobasidium pullulansなどの他の糸状菌におけるフェリクローム類の合成経路の研究をもとにして、我々は、既にその生合成の第一段階を担うオルニチンN5−オキシゲナーゼをコードする遺伝子asb1(特願2001−176264)とフェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼをコードするasb2(特願2001−324112)を同定するのに成功するとともに、asb1、asb2遺伝子がフェリクローム生合成遺伝子クラスターを形成していることも確認している。
【0009】
一方、黒麹菌(例えば、Aspergillus niger、Aspergillus awamori、Aspergillus kawachii、Aspergillus usamii、Aspergillus shirousamii、Aspergillus saitoiなど)もまた、黄麹菌と同様に、長年焼酎、泡盛製造に利用されており、安全性の高い有望なフェリクローム生産菌である。そして各方面から検討の結果、これら黒麹菌の真のフェリクローム高生産を実現するために、フェリクローム生合成遺伝子クラスターを形成する遺伝子の取得が必要である点に本発明者らははじめて着目した。これら黒麹菌のフェリクローム生合成遺伝子クラスターが取得できれば、安全性の高いフェリクロームを工業的に食品、医薬品へ供給することが可能となる。
【0010】
したがって本発明の目的は、黒麹菌のフェリクローム生合成を形成するクラスター遺伝子を開発することである。また、本発明の他の目的は、フェリクローム生合成クラスター遺伝子群の発現を遺伝子工学的手法を用いて高めることによって、あらゆる培養条件下でフェリクロームを高生産する麹菌を提供することにある。またこうして生産されたフェリクロームを鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供するのが可能となる。またさらなる目的はこれらの麹菌のフェリクローム生合成に関わる遺伝子クラスターを麹菌以外の生物に導入してフェリクローム類を生産させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、先ずはじめに黒麹菌(アスペルギルス・ニガー:Aspergillus niger等)について検討を行った。
【0012】
黒麹菌(例えば、Aspergillus niger、Aspergillus awamori、Aspergillus kawachii、Aspergillus usamii、Aspergillus shirousamii、Aspergillus saitoiなど)は、焼酎、泡盛などの我が国の伝統的醗酵産業で使用されてきた糸状菌である。本菌株は、上記醗酵産業で有用な蛋白質や低分子を非常に大量に生産することが知られている。本菌株が持つ高い蛋白質生産能と醸造微生物としての安全性から、異種蛋白質生産の宿主として注目されている。(Biotechnology、6、1419(1988)、特開昭62−272988)発明者らの研究から、A.nigerを用いた異種蛋白質生産においては、アスペルギルス属などの近種の遺伝子であれば、その生産能はさらに増大することが認められた。またA.nigerは、上記のような蛋白質、酵素のみならず、クエン酸などの有機酸発酵のように産業的にも非常に貴重な低分子成分の生産も報告されている。黒麹菌が生産する低分子化合物の中でフェリクロームは、近年貧血などの鉄欠乏症用の機能性成分としても非常に注目されている物質である。
【0013】
この黒麹菌のフェリクロームを医薬・食品に利用するためには、生産性をさらに向上させる必要があるが、変異法などの既存の菌株育種方法では、工業生産レベルにまで生産性が向上した変異株の取得はできなかった。そこで、フェリクローム生合成に関与する遺伝子を単離し、これらの遺伝子の発現能を強化することによりフェリクロームの大量生産が可能であると考えた。アスペルギルス属菌におけるフェリクロームの生合成遺伝子群については、Ustilago maydisやAureobasidium pullulansなどの他の糸状菌におけるフェリクローム類の合成経路の研究をもとにして、我々は既に黄麹菌A.oryzaeよりフェリクローム生合成の第一段階を担うオルニチンN5−オキシゲナーゼをコードする遺伝子asb1(特願2001−176264)とフェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼをコードするasb2(特願2001−324112)を同定している。
【0014】
本発明者らは、この取得方法に着目し、この取得方法を黒麹菌に適用すれば黒麹菌のasb1、asb2遺伝子も取得できるという可能性について、新規着想を得た。そして、黒麹菌においてもこれらのクラスター遺伝子が取得できれば、フェリクロームの生産を自由に制御できる遺伝子組み換え黒麹菌を育種でき、フェリクロームの工業生産が可能になるとの着想を得、そこで我々は、黒麹菌が生産する鉄イオンキレート低分子フェリクロームを貧血改善用の機能性成分などとして大量生産させるために、そのフェリクローム生合成クラスターの遺伝子クローニングを行い、フェリクロームの工業生産に適した遺伝子組み換え黒麹菌を育種することを、新規技術課題として新たに設定した。
【0015】
一方、本発明者らの研究の結果、黄麹菌Aspergillus oryzaeにおいては、フェリクロームの生合成経路に属するオルニチンN5−オキシゲナーゼをコードするasb1(特願2001−83640)とフェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼをコードするasb2(特願2001−324112)について、他の関連生合成遺伝子群と約36−kbのクラスターを形成していた(特願2001−324181)。他に、Aureobasidium pullulansのフェリクローム生合成遺伝子においても、オルニチンN5−オキシゲナーゼ遺伝子、フェリクロームのABCトランスポーター遺伝子、フェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子が約30−kbのクラスターを形成することが報告された。また、Ustilago maydisにおいても、オルニチンN5オキシゲナーゼ遺伝子とペプチドシンテターゼ遺伝子が4.3−kbの塩基を介してクラスターを形成していることが報告された(Walter MY, et al., J. Bacteriol., 183, pp4040-4051, 2001)。
【0016】
これらを検討した結果、本発明者らは、黒麹菌においても、フェリクローム生合成は、他の糸状菌のフェリクローム生合成遺伝子群と同様に、染色体上でクラスターを形成する可能性について、はじめて、その着想を得た。そして、鋭意研究を行い、黒麹菌において、フェリクローム生合成クラスターを形成する遺伝子を単離、確認し、遂に本発明の完成に至ったものである。
以下、黒麹菌フェリクローム生合成遺伝子群の単離方法を具体的に述べる。
【0017】
フェリクローム生合成の第一段階であるL−オルニチンN5−オキシゲナーゼをコードする遺伝子は、Ustilago maydis、Pseudomonas sp. B10、Pseudomonas aeruginosa、Burkholderia cepacia由来のものがクローニングされている。そこで、これらのシデロフォア生合成に関与するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ蛋白質の相同性から、非常に保存性の高い2つの領域を見いだし、この領域それぞれに対応する縮重合成プライマーを設計した。本プライマーを用いてA.nigerの染色体DNAに対してPCRを行った結果、約160bpの遺伝子断片が増幅した。本遺伝子の塩基配列を決定した結果、Aureobasidium pullulansの推定オキシゲナーゼ、Pseudomonas aeruginosaのL-オルニチンN5-オキシゲナーゼをコードする遺伝子と相同性を示した。
【0018】
得られた遺伝子断片の塩基配列をプローブとしてA.nigerの染色体DNAライブラリーのスクリーニングを行い、陽性クローンを得た。本クローンの全塩基配列を決定した結果、本遺伝子は、499アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしており、1つのイントロンを含んでいた。得られた遺伝子をnsb1と命名した。さらに、本遺伝子のcDNAを大腸菌BL21(DE3)株に導入して、得られた形質転換体は、菌体内に著量のL−オルニチンN5−オキシゲナーゼを生産することを確認した。よって、得られたnsb1遺伝子には黒麹菌のフェリクリシン生合成の律速となるL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ蛋白質がコードされていることが明らかとなった。
【0019】
次に、ヒドロキシオルニチンを含むシデロフォアの生合成に必須な糸状菌のペプチドシンテターゼをコードする遺伝子は、Ustilago maydis、Aureobasidium pullulans、Trichoderma harzianum由来のものがクローニングされている。そこで、これらのシデロフォア生合成に関与するペプチドシンテターゼ蛋白質の相同性から、非常に保存性の高い2つの領域を見いだし、それぞれに対応する縮重合成プライマーを設計した。本プライマーを用いてA.nigerの染色体DNAに対してPCRを行った結果、約800bpの部分遺伝子断片が増幅した。本遺伝子の塩基配列を決定した結果、Alternaria alternataのペプチドシンテターゼをコードする遺伝子と相同性を示した。
【0020】
得られた遺伝子断片をプローブとしてA.nigerのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、陽性クローンが得られた。その結果、得られた部分遺伝子の全長DNAが取得できた。本クローンの全塩基配列を決定した結果、本遺伝子は7064アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしており、イントロンを2つ含んでいた。得られた遺伝子をnsb2と命名した。nsb2遺伝子は、A.niger染色体上でnsb1の上流約2−kbに位置しており、他の生物と同様にクラスターを形成することが明らかとなった。
【0021】
単離した遺伝子は単独であるいはmelOやglaB遺伝子プロモーター(特願平11−154271、特開平11−243965)のような高発現プロモーターと共に、A.oryzaeにて発現させて、フェリクロームの生産を制御しうるものである。遺伝子導入方法は、例えば宿主としてniaD変異株を用いる公知方法により、目的遺伝子とマーカー遺伝子であるniaD遺伝子を同時に導入する(E.S.Unkleら、Mol. Gen. Genet.,218, p. 99-104、1989)。この遺伝子導入の際に、ベクター配列などの異種遺伝子を排除することにより、異種遺伝子を全く含まないセルフクローニング株の形質転換体を得ることができる。niaD変異株(硝酸を資化できない麹菌変異株:Nitrate Reductase欠損株)としては、例えば、Aspergillus oryzae 1013-niaD (FERM P-17707)を使用することができる。
以下に、本発明の詳細について述べる。
【0022】
まず、鉄制限下でヒドロキシオルニチン類を基本構成アミノ酸とするシデロフォア生産が報告されている微生物の中で、L−オルニチンN5−オキシゲナーゼをコードする遺伝子がクローニングされているものを選択した。現在までにUstilago maydis、Pseudomonas sp. B10、Pseudomonas aeruginosa、Burkholderia cepaciaの4つの株でのクローニングが報告されている。これらの遺伝子のアミノ酸レベルでの相同性を比較した結果、少なくとも2つのアミノ酸配列保存領域を見出した。1つは、Ala-Val-Ile-Gly-(Ala or Ser)-Gly-Gln-Ser-(Ser or Ala)-(Thr or Ala)-Glu-(Met or Ile)-Phe-Met-Asn-Leu-(His or Pro)-Ser-(Arg or Gln)-Phe-Pro(配列番号5:図48)、もう1つはAla-Leu-(Val or Arg)-Pro-Ser-Asp-Asp-(Ser or Thr)-(Gly or Pro)-Phe-Val-Asn-(Ser or Glu)-Ala-(Ala or Val)-Phe-Asp-Pro-Glu-Arg-Thr-Asp(配列番号6:図49)である。これら2種類の部分アミノ酸配列をもとに作製した縮重オリゴヌクレオチドプローブを用いて、A.nigerの染色体DNAに対してPCRを行った結果、約160bpの遺伝子断片が増幅した。本遺伝子の塩基配列を決定した結果、Aureobasidium pullulansの推定オキシゲナーゼ遺伝子と高い相同性を示した。
【0023】
得られた遺伝子断片の塩基配列をプローブとして、A.nigerの染色体DNAライブラリーに対してスクリーニングを行った。その結果、得られた部分遺伝子の全長クローンが取得できた。本クローンの全塩基配列を決定した結果、本遺伝子は、499アミノ酸残基(配列番号1:図4、5)からなる蛋白質をコードしていた。プロモーター領域は配列番号2の1から1379bp、コーディング領域は配列番号2の1380から2936bp、ターミネーター領域は配列番号2の2937から3482bpまでである。イントロンは、1つ含まれており、配列番号2の2246から2302bpまでである。得られた遺伝子をnsb1(配列番号2:図6、7)と命名した。nsb1の機能を同定するために、本遺伝子の大腸菌での大量発現を試みた。nsb1の全長cDNAをpET23bベクター中のT7プロモーター下流に挿入した。本プラスミドを大腸菌BL21(DE3)株に形質転換した。
【0024】
得られた形質転換体のIPTG誘導培養を行った結果、菌体内に著量のL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ活性が確認された。よって、得られたnsb1遺伝子には麹菌のフェリクリシン生合成の律速となるL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ蛋白質がコードされていることが明らかとなった。本菌株をEscherichia coli NSID1と命名し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号FERM P−18679として寄託した。本寄託菌株を用いることによって、1mM IPTG誘導培養条件下でT7プロモーター支配下でnsb1蛋白質を大腸菌で生産提供することが出来る。
【0025】
一方、ペプチドシンテターゼをコードする遺伝子は、既にクローニングされているUstilago maydis、Aureobasidium pullulans、Trichoderma harzianum由来のペプチドシンテターゼ蛋白質の相同性から、少なくとも2つのアミノ酸配列保存領域を見出した。1つは、Tyr-(Val or Leu)-Phe-Thr-Ser-Gly-Ser-Thr-Gly-Lys-Pro-Lys-(Gly or Ala)-Val(配列番号9:図52)、もう1つはAsp-(Thr or Arg)-Gln-Val-Lys-Val-(Arg or Asn)-Gly-Gln-Arg-(Ile or Met)-Glu-Leu-(Gly or Asp)-Glu(配列番号10:図53)である。これら2種類の部分アミノ酸配列をもとに作製した縮重オリゴヌクレオチドプローブを用いて、A.nigerの染色体DNAに対してPCRを行った結果、約800bpの遺伝子断片が増幅した。本遺伝子の塩基配列を決定した結果、Alternaria alternataのペプチドシンテターゼ遺伝子と高い相同性を示した。
【0026】
得られた遺伝子断片をプローブとして、A.nigerのラムダEMBL3ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、得られた部分遺伝子の全長遺伝子をコードするクローンが取得できた。本クローンの全塩基配列を決定した結果、本遺伝子は、7064アミノ酸残基(配列番号3:図8〜図35)からなる蛋白質をコードしており、イントロンを2つ含んでいた。プロモーター領域は配列番号4の1から1725bp、コーディング領域は配列番号4の1726から23024bp、ターミネーター領域は配列番号4の23025から23114bpまでである。イントロンは、配列番号4の11191から11240bpと19170から19223bpであった。得られた遺伝子をnsb2(配列番号6:図36〜図47)と命名した。nsb2遺伝子は、A.niger染色体上でnsb1の上流約2−kbに位置しており、他の生物と同様にクラスターを形成することが明らかとなった。
【0027】
以上の結果よりクローニングした遺伝子断片nsb1、nsb2は、黒麹菌A.nigerのフェリクローム生合成遺伝子であることが明らかとなり、両遺伝子はクラスターを形成していた。この遺伝子を用いて、黒麹菌のフェリクロームを高生産あるいは非生産させることが可能であり、用途に応じたフェリクローム生産の改変が分子レベルで可能となり、様々な産業分野に応用が可能である。
【0028】
【実施例1】
nsb1遺伝子のクローニングと塩基配列の決定
黒麹菌A.nigerのフェリクローム生合成の第1段階を触媒するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼの遺伝子クローニングを行うために、既にクローニングが報告される他の微生物由来L−オルニチンN5−オキシゲナーゼのアミノ酸配列保存領域を比較した。現在までにUstilago maydis、Pseudomonas sp. B10、Pseudomonas aeruginosa、Burkholderia cepaciaの4つの株でのクローニングが報告されている。これらの遺伝子のアミノ酸レベルでの相同性を比較した結果、少なくとも2つのアミノ酸配列保存領域を見出した。
【0029】
一方のアミノ酸配列保存領域(1)は、配列番号5(図48)に示されるアミノ酸配列を有し(配列中、左から1番目のXaaはAla又はSer、2番目のXaaはSer又はAla、3番目のXaaはThr又はAla、4番目のXaaはMet又はIle、5番目のXaaはHis又はPro、6番目のXaaはArg又はGlnをそれぞれ、示す。)、他のアミノ酸配列保存領域(2)は、配列番号6(図49)に示されるアミノ酸配列を有した(配列中、左から1番目のXaaはVal又はArg、2番目のXaaはSer又はThr、3番目のXaaはGly又はPro、4番目のXaaはSer又はGlu、5番目のXaaはAla又はValを、それぞれ、示す。)。
【0030】
これら保存配列(1)、(2)をもとに、2本の縮重オリゴヌクレオチドDNA合成プライマーP1、P2をそれぞれ合成した。プライマーP1の塩基配列を配列番号7(図50)に示し、プライマーP2の塩基配列を配列番号8(図51)に示す。これらの配列において、n(図中I)はデオキシイノシン残基、sはG又はC、wはA又はT、rはA又はG、yはT又はC、mはA又はCのIUBコードによる縮重塩基を示す。
【0031】
上記した縮重プライマーP1、P2を用いて、Aspergillus niger IFO 4067株より調製したゲノムDNAを鋳型にPCRを行った。反応条件の一例は次のとおりである。
【0032】
(PCR条件)
・ 96℃(5分)、1サイクル
・ 96℃(20秒)、45℃(1分)、72℃(3分)、30サイクル
・ 72℃(7分)、1サイクル
【0033】
反応液をアガロースゲル電気泳動で解析を行った結果、約160bpのフラグメントの増幅が認められた。本遺伝子増幅産物の塩基配列を決定した結果、Aureobasidium pullulansの推定オキシゲナーゼと相同性を示した。得られた部分遺伝子160−bpをプローブとして黒麹菌A.niger IFO4067株のラムダEMBL3ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングを行った。アマシャムファルマシア社製のGene Imageラベリングキットを用いてプローブのフルオレッセンラベルを行い、約5000個のファージクローンをスクリーニングした。得られた陽性クローンに含まれる全塩基配列をジデオキシ法を用いて決定した。
【0034】
その結果、本遺伝子は、499アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしていた。プロモーター領域は配列番号2の1から1379bp、コーディング領域は配列番号2の1380から2936bp、ターミネーター領域は配列番号2の2937から3482bpまでである。イントロンは、1つ含まれており、配列番号2の2246から2302bpまでである。得られた遺伝子をnsb1と命名した。その塩基配列を配列番号2(図6、図7)に示し、それに対応するアミノ酸配列を配列番号1(図4、図5)に示す。
【0035】
【実施例2】
nsb2遺伝子のクローニングと塩基配列の決定
黒麹菌A.nigerのフェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼの遺伝子クローニングを行うために、既にクローニングが報告される他の糸状菌由来シデロフォア生合成に関与するペプチドシンテターゼのアミノ酸配列保存領域を比較した。現在までにヒドロキシオルニチンを含むシデロフォアの生合成に必須な糸状菌のペプチドシンテターゼをコードする遺伝子は、Ustilago maydis、Aureobasidium pullulans、Trichoderma harzianum由来のものがクローニングされている。そこでこれらのシデロフォア生合成に関与するペプチドシンテターゼ蛋白質の相同性から、麹菌におけるペプチドシンテターゼ活性を担う遺伝子が取得できると考えた。これらの遺伝子のアミノ酸レベルでの相同性を比較した結果、少なくとも2つのアミノ酸配列保存領域を見出した。
【0036】
一方のアミノ酸配列保存領域(3)は、配列番号9(図52)に示されるアミノ酸配列を有し(配列中、左から1番目のXaaはVal又はLeu、2番目のXaaはGly又はAlaを、それぞれ、示す。)、他のアミノ酸配列保存領域(4)は、配列番号10(図53)に示されるアミノ酸配列を有した(配列中、左から1番目のXaaはThr又はArg、2番目のXaaはArg又はAsn、3番目のXaaはIle又はMet、4番目のXaaはGly又はAspを、それぞれ、示す。)。
【0037】
これら保存配列(3)、(4)をもとに、2本の縮重オリゴヌクレオチドプライマーP3、P4をそれぞれ合成した。プライマーP3の塩基配列を配列番号11(図54)に示し、プライマーP4の塩基配列を配列番号12(図55)に示す。これらの配列において、n(図中I)はデオキシイノシン残基、SはG又はC、rはA又はG、yはT又はCのIUBコードによる縮重塩基を示す。
【0038】
上記した縮重プライマーP3、P4を用いて、Aspergillus niger IFO 4067株より調製した染色体DNAに対してPCRを行った。反応条件はnsb1と同様に行った。
【0039】
反応液をアガロースゲル電気泳動で解析を行った結果、約800bpのフラグメントの増幅が認められた。本遺伝子増幅産物の塩基配列を決定した結果、確かに上記P3、P4配列を含んでおり、相同性を検索した結果、Alternaria alternataのペプチドシンテターゼをコードする遺伝子と相同性を示した。得られた部分遺伝子800−bpをプローブとして黒麹菌A.nigerのラムダEMBL3ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングを行った。アマシャムファルマシア社製のGene Imageラベリングキットを用いてプローブのフルオレッセンラベルを行い、約5000個のファージクローンをスクリーニングした。その結果、1つの陽性クローンが得られた。得られたクローンに含まれる全塩基配列をジデオキシ法を用いて決定した。
【0040】
その結果、本遺伝子は、7064アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしており、イントロンを2つ含んでいた。プロモーター領域は配列番号4の1から1725bp、コーディング領域は配列番号4の1726から23024bp、ターミネーター領域は配列番号4の23025から23114bpまでである。イントロンは、配列番号4の11191から11240bpと19170から19223bpであった。得られた遺伝子をnsb2と命名した。またnsb2遺伝子は、図1に示すようにA.niger染色体上でnsb1の上流約2−kbに位置しており、他の生物と同様にクラスターを形成することが明らかとなった。
【0041】
nsb2遺伝子の塩基配列を配列番号4(図36〜図47)に示し、それに対応するアミノ酸配列を配列番号3(図8〜図35)に示す。本遺伝子は、プローブとしてフルオレッセンラベル化した後、アスペルス・ニガー IFO 4067株のラムダEMBL3ファージを用いたゲノム遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることにより取得することができた。また、本遺伝子については、A.niger染色体上の位置を特定されているし、その塩基配列及びそれがコードする蛋白質のアミノ酸配列も本発明者らによって明らかにされているので、A.niger染色体から分離することにより、本遺伝子を取得ることができ、本発明の実施は容易である。
【0042】
【実施例3】
nsb1遺伝子の大腸菌での大量発現と酵素アッセイ
nsb1遺伝子の機能を同定するために、本遺伝子の大腸菌での大量発現を行った。nsb1のcDNAの取得をまず試みた。具体的には30℃、4日間鉄制限培地(2%グルコース、0.6%アスパラギン、0.1%リン酸1水素2カリウム、0.1%硫酸マグネシウム、0.04%塩化カルシウム、pH6.0)で液体培養した麹菌A.nigerからニッポンジーン社ISOGENを利用して全RNAを抽出した。その全RNAから宝酒造Oligotex-dT30<Super>mRNA purification kitを用いてmRNAを抽出した。得られたmRNA 0.5μgをもとに全長cDNA領域(配列番号2の1380から2933 bp)をRT−PCRで増幅後、T4ポリヌクレオチドキナーゼとT4 DNAポリメラーゼを用いて平滑末端断片を調製した。本断片をノバジェン社pET−23bベクターのHincII部位へT7プロモーターと正方向にサブクローニングした。
【0043】
本プラスミドをnsb1大腸菌高発現プラスミドpENS1(図2)とした。本プラスミドをノバジェン社大腸菌BL21(DE3)へ形質転換後、アンピシリン耐性を示す形質転換体を選択した。得られた形質転換体を37℃でOD0.6までLB培地で培養後、最終1mM IPTGを加えてさらに30℃で3時間培養した。得られた大腸菌の菌体内蛋白質から東洋紡のMag ExtractorHis-Tag kitを用いて精製した(図3)。得られた精製蛋白質を100mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6)で抽出後、上清に最終1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L−オルニチンを加え、37℃で好気的に約2時間インキュベートした。10%トリクロロ酢酸で反応停止後、遠心上清中のヒドロキシアミンをヨード酸化法(GillamらAnal. Chem. 5:841-844、1981)に従って定量した。比活性は1分当たりに1nmolのヒドロキシアミンを産生する酵素量を1 unitとして、菌体蛋白質mgあたりの生産量を算出し、下記表1に示した。
【0044】
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【0045】
表1に示したようにL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ活性が認められた。よって、nsb1がフェリクローム生合成の第1段階を触媒するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼをコードすることが明らかとなった。本菌株をエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)NSID1と命名し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号FERM P−18679として寄託した。本寄託菌株を用いることによって、1mM IPTG誘導培養条件下でT7プロモーター支配下でnsb1蛋白質を大腸菌で生産提供することが出来る。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、クローニングした遺伝子断片nsb1には、フェリクローム類生合成の第1段階を触媒するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼがコードされていることが確認できた。またクローニングした遺伝子断片nsb2には、フェリクローム生合成におけるペプチド結合の合成に関与するペプチドシンテターゼがコードされていた。nsb1とnsb2はクラスターを形成していた。またこの遺伝子を用いて、フェリクローム類を高生産あるいは非生産させることが可能であり、用途に応じたフェリクローム類生産が可能となった。本発明により大量生産可能となったフェリクローム類は非常に安全性が高く、食品、医薬、研究用試薬など様々な産業分野に利用が可能である。またnsb2にコードされるペプチドシンテターゼ蛋白質の各ドメインを、蛋白質工学的に組み換えることにより任意のペプチドを設計することも可能となる。
【0047】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】黒麹菌アスペルギルス・ニガーのフェリクローム生合成遺伝子クラスターを示す。
【図2】nsb1遺伝子の大腸菌発現プラスミドpENS1を示す写真である(図面代用写真)。
【図3】nsb1大腸菌発現蛋白質の精製とSDS−PAGEのパターンを示す写真である(図面代用写真)。
【図4】オルニチンモノオキシゲナーゼ蛋白質のアミノ酸配列を示す。
【図5】同上続きを示す。
【図6】nsb1遺伝子の塩基配列を示す。
【図7】同上続きを示す。
【図8】ペプチドシンテターゼ蛋白質のアミノ酸配列を示す。
【図9】同上続きを示す。
【図10】同上続きを示す。
【図11】同上続きを示す。
【図12】同上続きを示す。
【図13】同上続きを示す。
【図14】同上続きを示す。
【図15】同上続きを示す。
【図16】同上続きを示す。
【図17】同上続きを示す。
【図18】同上続きを示す。
【図19】同上続きを示す。
【図20】同上続きを示す。
【図21】同上続きを示す。
【図22】同上続きを示す。
【図23】同上続きを示す。
【図24】同上続きを示す。
【図25】同上続きを示す。
【図26】同上続きを示す。
【図27】同上続きを示す。
【図28】同上続きを示す。
【図29】同上続きを示す。
【図30】同上続きを示す。
【図31】同上続きを示す。
【図32】同上続きを示す。
【図33】同上続きを示す。
【図34】同上続きを示す。
【図35】同上続きを示す。
【図36】nsb2遺伝子の塩基配列を示す。
【図37】同上続きを示す。
【図38】同上続きを示す。
【図39】同上続きを示す。
【図40】同上続きを示す。
【図41】同上続きを示す。
【図42】同上続きを示す。
【図43】同上続きを示す。
【図44】同上続きを示す。
【図45】同上続きを示す。
【図46】同上続きを示す。
【図47】同上続きを示す。
【図48】アミノ酸保存領域(1)のアミノ酸配列を示す。
【図49】アミノ酸保存領域(2)のアミノ酸配列を示す。
【図50】プライマーP1を示す。
【図51】プライマーP2を示す。
【図52】アミノ酸保存領域(3)のアミノ酸配列を示す。
【図53】アミノ酸保存領域(4)のアミノ酸配列を示す。
【図54】プライマーP3を示す。
【図55】プライマーP4を示す。

Claims (7)

  1. 以下の(a)または(b)の蛋白質:
    (a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質、
    (b)アミノ酸配列(a)においてアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、且つフェリクローム生合成の第1段階を触媒するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ蛋白質。
  2. 請求項1に記載の蛋白質をコードする遺伝子、あるいは、該遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つフェリクローム生合成の第1段階を触媒するL−オルニチンN5−オキシゲナーゼ遺伝子(配列番号2)のDNA。
  3. 請求項2に記載のDNAの内、少なくともコーディング領域を含んでなる組換えベクター。
  4. 組換えベクターが、形質転換体、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)NSID1(FERM P−18679)に保持されている組換えベクターpENS1である、請求項3に記載の組換えベクター。
  5. 請求項3又は4に記載の組換えベクターを挿入してなる形質転換体。
  6. 形質転換体、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)NSID1(FERM P−18679)。
  7. 請求項3又は4に記載の組換えベクターを含む組換え麹菌。
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