JP3961094B2 - コンテナ荷役車輌における電源接続装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上にコンテナを積卸し可能なコンテナ荷役車輌において、車体側とコンテナ側とを電気的に接続するための電源接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体上にコンテナが積卸し自在に構成されたコンテナ荷役車輌が多数提供されている。
【0003】
そして、コンテナには照明装置等の適宜な電気設備が配備されたものも見られ、このように電気設備を配備したコンテナにおいては、車体側とコンテナ側とにコネクタをそれぞれ設け、これらコネクタを接続することで、車体側とコンテナ側とを電気的に接続し、コンテナの電気設備を作動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコンテナ荷役車輌では、車体側とコンテナ側とのコネクタの接続が作業者の手動により行っているため、作業効率が悪いという問題があった。
【0005】
また、車体からコンテナを卸す際において、作業者のコネクタの外し忘れ等の人為的ミスによってコネクタを接続した状態のままでコンテナを卸してしまう虞もあり、これによりコネクタや電気回路の損傷などを起こすという問題があった。
【0006】
さらに、コンテナには制御装置により制御される機器が搭載されることもあるが、従来では車体側とコンテナ側とを上述と同様にコネクタを介して電気的に接続することによって、車体側において上記機器の制御装置の操作を行っており、上述と同様な問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のコンテナ荷役車輌における電源接続装置は、車体に設けた荷役アームのフックをコンテナの係止部に係合させて車体上と地上との間でコンテナが積卸し可能に構成されるとともに、車体上へのコンテナの最終的な格納がコンテナの水平移動により行われるコンテナ荷役車輌において、前記車体側に車輌のバッテリーと連結した第1接点部が配置されるとともに、前記コンテナ側に上記第1接点部と接触してコンテナに電源を供給する第2接点部が配置され、車体上へのコンテナの格納時において上記第1接点部に第2接点部が側方から摺接するように構成されたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1乃至図7は、コンテナ荷役車輌における電源接続装置の全体構成を示している。
【0015】
コンテナ荷役車輌は、図5に示すように、車体1上に荷役装置2を介してコンテナCが載置されており、荷役装置2によりコンテナCが車体1上と地上との間で積卸し自在に構成されている。
【0016】
荷役装置2は、図6及び図7に示すように、基端部が車体1に枢支されたL字状の荷役アーム21が、伸縮シリンダ22により回動自在に設けられたもので、荷役アーム21の先端には、コンテナCに設けられた係止部C1と係脱自在なフック23が設けられている。
【0017】
よって、車体1に載置されたコンテナCは、荷役アーム21を後方に回動させることで、図5に示す状態から図6に示す状態を経て図7に示すように地上に卸すことができる。また、上述した逆の動作によって地上のコンテナCを車体1上に積み込むことができる。
【0018】
車体1の後端には、上述したコンテナCの積卸し時にコンテナCの底面を支持するロール11が設けられており、このロール11でコンテナCを安定的に支持する。
【0019】
コンテナCは、その底面前部に支持部材C2が設けられるとともに、底面後部に支持ローラC3が設けられており、地上に卸した場合には支持部材C2及び支持ローラC3が接地してコンテナ本体を支持する。
【0020】
このように構成されたコンテナCには、図示はしないが適宜な電気設備が配備されている。
【0021】
電気設備としては、例えば照明設備など、コンテナCの利用態様に応じて配備される。
【0022】
そして、上述のように構成されたコンテナ荷役車輌には、前記コンテナC側とと車体1側とを電気的に接続するためのコネクタ3が設けられている。つまり、コネクタ3を介してコンテナC側と車体1側とを接続することで、車輌側の電源を使用してコンテナC側の電気設備を作動させる。
【0023】
コネクタ3は、図1に示すコンテナ側コネクタ4と、図2に示す車体側コネクタ5とが着脱自在に構成されたものである。
【0024】
コンテナ側コネクタ4は、前記コンテナCの前面に固設されており、図1に示すように、車体側コネクタ5の本体5aの接続端面となる一端面に複数の接続ピン41が突出配置されている。これら接続ピン41は、各基端部がコネクタC側の電気回路に接続されたケーブル42と接続されている。
【0025】
なお、各接続ピン41は、伝導性部材で形成されており、樹脂等の非伝導性の支持部材43で支持されている。
【0026】
また、支持部材43の奥行き側には、スプリング44が介装され、スプリング44によって当該支持部材43及び接続ピン41が上記奥行き側とは反対側、つまり接続ピン41が突出する方向に付勢されている。
【0027】
車体側コネクタ5は、車体1側に配置されており、前記コンテナ側コネクタ4の接続端面となる本体5aの一端面には前記接続ピン41に対応してこの接続ピン41の先端部が挿入可能な複数の接続孔51が形成されている。
【0028】
各接続孔51の奥行き側には各接続ピン41の先端と当接する接続部材52がそれぞれ配置されている。
【0029】
前記接続ピン41の先端が当接する接続部材52の先端には、当該接続ピン41の先端に対応する形状の凹部53が形成されている。
【0030】
また、前記凹部53には、コンテナ側コネクタ4のピン41がスムースに当接するようにピン41を凹部53にガイドするためのテーパが形成されている。
【0031】
前記接続部材52は、前記接続ピン41と同様に導電性部材で構成されており、接続孔51の奥行き側はスライド自在な非導電性の支持部材54で支持されている。
【0032】
接続部材52の基端部は、車体1側の電源回路に接続されたケーブル55の一端が接続されている。
【0033】
さらに、接続部材52の奥行き側には、支持部材54を介してスプリング56が介装され、スプリング56によって当該接続部材52が上記奥行き側とは反対側に付勢されている。
【0034】
このように構成されたコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とは、図3に示すように、接続ピン41を接続孔51に挿入させ、接続ピン41の先端が接続部材52と当接し、接続ピン41がスプリング44の付勢力に抗して接続ピン41の奥行き側に後退した状態、及び接続部材52がスプリング56の付勢力に抗して接続孔51の奥行き側に後退した状態で接続される。この際、両者はコンテナ側コネクタ4に設けた電磁石45の磁力により強固に接続される。
【0035】
電磁石45は、後述する電気回路によりコイルを励磁することで磁力が生じるように構成されており、この電磁石45の磁力によりコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを接続した状態で強固に保持する。
【0036】
そして、電磁石45の磁力がなくなると、スプリング44、スプリング56の付勢力により接続ピン41を接続孔51から外方へ押し出すように作用することで、車体側コネクタ5がコンテナ側コネクタ4から離脱する。
【0037】
図4は、コンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを接続または離脱させるための電気回路の構成を示している。
【0038】
図4において、61は荷役アーム21がコンテナCを卸すために車体1上から上方に回動しようとする際の動作を検出する検出装置、62はコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5との離脱を行う離脱スイッチ、R1,R2,R3はリレー、r1,r2はリレーR1,R2に対応する常時閉のリレー接点、r3はリレーR3に対応する常時開のリレー接点、63は磁石のコイルである。
【0039】
このようにして電気回路が構成されたことにより、上述したようにコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを接続すると、リレーR3が励磁されてリレー接点r3が閉じ、これによりコイル63が励磁する自己保持回路が作動する。
【0040】
このコイル63の励磁によりコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とが接続状態で強固に保持され、コンテナC側と車体1側とが電気的に接続された状態を保持する。
【0041】
そして、検出装置61もしくは離脱スイッチ62が閉じることで、リレーR1もしくはR2が励磁されてリレー接点r1もしくはr2が開き、コイル63が消磁され、これによって前述したようにコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とが自動的に離脱する。
【0042】
つまり、離脱スイッチ62の操作による意図的な操作に係わらず、検出装置61が荷役アーム21が車体1上から上方に回動しようとすることを検出した際、即ち、コンテナCを車体1から卸す操作を行った場合でも、コンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とが自動的に離脱する。
【0043】
このように、検出装置61の検出によりコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを自動的に離脱させることで、コンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを接続した状態でコンテナCを車体1上から卸すことがなく、これに起因するコネクタ等の損傷などを防止することができる。
【0044】
なお、検出装置61は、荷役アーム21の動作を検出するリミットスイッチなどでも良く、また、荷役アーム21を操作する操作スイッチを併用してもよい。上述した実施の形態では、コンテナを卸す際のコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5との離脱を自動的に行うものについて説明したが、請求項3記載のようにコンテナCを積み込んだ際にコンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを自動的に接続可能なように構成することで、車体1に対するコンテナCの積卸しに際して、コンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5との脱着を自動的に行うようにしてもよい。
【0045】
コンテナ側コネクタ4と車体側コネクタ5とを自動的に接続する具体的構成としては、例えば、コンテナCを車体1上積み込んだ状態において、車体側コネクタ5を下方に、コンテナ側コネクタ4をこの車体側コネクタ5の上方に配置し、上下に脱着するように構成すればよい。
【0046】
図8及び図9は、コンテナ荷役車輌における電源接続装置の他の構成を示している。
【0047】
このコンテナ荷役車輌は、図8に示すように、荷役装置2により行われる車体1上へのコンテナCの最終的な格納がコンテナCの伏倒移動によってなされるものであり、車体1側にバッテリー72と接続した第1接点部71が配置されるとともに、コンテナC側に上記第1接点部71と接触してコンテナCに配備された電気設備に電源を供給する第2接点部73が配置されている。
【0048】
前記第1接点部71は、図9に示すように、車体1上に適宜な取付部材74を介して所定高さに配置された板状体75の上面に配置されている。
【0049】
前記第2接点部73は、先端部73aが略U字状に湾曲形成され、前記第1接点部71に弾発的に接触するように構成されている。
【0050】
そして、これら第1接点部71と第2接点部73とは、車体1上へのコンテナCの最終格納動作時において両者が同一垂線上に配置されるように前記コンテナCと車体1とに配設されている。
【0051】
図8及び図9に示す符号76、77は、第1接点部71、第2接点部73に接続された電気ケーブルであり、電気ケーブル76が前記バッテリー72に接続され、電気ケーブル77が電気設備に接続されている。
【0052】
このように電源接続装置を構成することで、車体1上へコンテナCを格納する場合には、その最終格納動作時においてコンテナCが車体1側に伏倒することで第2接点部73の先端部73aが第1接点部71に上方から接触して撓み、これによりコンテナCに配備された電気設備が電気的に接続される。
【0053】
また、コンテナCを車体1から卸す場合は、荷役装置2によりコンテナを上方に傾動させることで、第1接点部71に上方から接触しただけの第2接点部73が離脱する。
【0054】
つまり、車体1に対するコンテナCの積卸しに際して、車体1側とコンテナC側との電気的接続が自動的に行われる。
【0055】
図10及び図11は、コンテナ荷役車輌における電源接続装置のもう一つの構成を示している。
【0056】
このコンテナ荷役車輌は、図10に示すように、荷役装置2により行われる車体1上へのコンテナCの最終的な格納がコンテナCの前方へのスライド(水平移動)によってなされるものであり、車体1側にバッテリー72と連結した第1接点部71が配置されるとともに、コンテナC側に上記第1接点部71と接触してコンテナCに配備された電気設備に電源を供給する第2接点部73が配置されている。
【0057】
なお、第1接点部71及び第2接点部73自体の構成は、前述した第1接点部71及び第2接点部73の構成と同様であり、説明は省略する。
【0058】
そして、これら第1接点部71と第2接点部73とは、図11に示すように、車体1上へのコンテナCの最終格納動作時において両者が同一水平線上に配置されるように前記コンテナCと車体1とに配設されている。
【0059】
このように電源接続装置を構成することで、車体1上へコンテナCを格納する場合には、その最終格納動作時においてコンテナCが車体1上でその前方にスライドすることで第2接点部73の先端部73aが第1接点部71の上面に側方から接触して撓み、これによりコンテナCに配備された電気設備が電気的に接続される。
【0060】
また、コンテナCを車体1から卸す場合は、荷役装置2によりコンテナCを後方にスライドさせることで、第1接点部71に接触しただけの第2接点部73が第1接点部71の側方に離脱する。
【0061】
つまり、車体1に対するコンテナCの積卸しに際して、車体1側とコンテナC側との電気的接続が自動的に行われる。
【0062】
図12は、コンテナ荷役車輌における操作装置の構成を示している。なお、前述したコンテナ荷役車輌と同様な構成については、同部材に同符号を付して説明は省略する。
【0063】
コンテナCには、制御装置81により制御される図示しない適宜な機器が搭載されている。
【0064】
そして、コンテナCには、上記制御装置81に接続された受信手段としての受信装置82が設けられている。
【0065】
一方、車体1側には、作業者が操作を行うための操作手段としての操作装置83が設けられるとともに、この操作装置83からの操作信号を前記受信装置82に発振する発振手段としての発振装置84が設けられている。
【0066】
前記操作装置83は、例えば運転席内に配置されており、図13に示すように複数の操作スイッチ83aを備えている。
【0067】
なお、コンテナC側への電源供給は、前述した電源接続装置を用いればよい。
よって、運転席内において作業者が操作スイッチ83aを操作すると、この操作信号が発振装置84から受信装置82に発振され、受信装置82で受信した操作信号を制御装置81に入力する。そして、制御装置81では、この操作信号に基づいてコンテナCに搭載された機器を制御する。つまり、作業者は車体1側とコンテナC側間でのケーブル接続作業をすることなく、コンテナC側の機器の制御を車体1側の操作装置83によって行うことができる。
【0068】
上述のようにして制御する機器としては、例えば、コンテナ内を空調する場合の空調機器などである。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1記載のコンテナ荷役車輌における電源接続装置によれば、車体に対してコンテナを積卸す際の車体側とコンテナ側との電気的接続を自動的に行うことができ、作業者による接続が不要になり、作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンテナ側コネクタの構成を示す一部断面の側面図である。
【図2】 車体側コネクタの構成を示す一部断面の側面図である。
【図3】 コンテナ側コネクタと車体側コネクタとが接続した状態を示す一部断面の側面図である。
【図4】 コンテナ側コネクタと車体側コネクタとを接続する電気回路を示す図である。
【図5】 コンテナ荷役車輌の全体構成を示す概略の側面図である。
【図6】 コンテナの積卸しを説明する図である。
【図7】 コンテナの積卸しを説明する図である。
【図8】 コンテナ荷役車輌における電源接続装置の他の全体構成を示す側面図である。
【図9】 電源接続装置を構成する第1接点部及び第2接点部の構成を示す拡大の側面図である。
【図10】 コンテナ荷役車輌における電源接続装置のもう一つの全体構成を示す側面図である。
【図11】 電源接続装置を構成する第1接点部及び第2接点部の構成を示す拡大の側面図である。
【図12】 コンテナ荷役車輌における操作装置の構成を示す側面図である。
【図13】 操作装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車体
3 コネクタ
4 コンテナ側コネクタ
5 車体側コネクタ
61 検出装置
71 第1接点部
72 バッテリー
73 第2接点部
81 制御装置
82 受信装置(受信手段)
83 操作装置(操作手段)
84 発振装置(発振手段)
C コンテナ
Claims (1)
- 車体に設けた荷役アームのフックをコンテナの係止部に係合させて車体上と地上との間でコンテナが積卸し可能に構成されるとともに、車体上へのコンテナの最終的な格納がコンテナの水平移動により行われるコンテナ荷役車輌において、前記車体側に車輌のバッテリーと連結した第1接点部が配置されるとともに、前記コンテナ側に上記第1接点部と接触してコンテナに電源を供給する第2接点部が配置され、車体上へのコンテナの格納時において上記第1接点部に第2接点部が側方から摺接するように構成されたことを特徴とするコンテナ荷役車輌における電源接続装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP00147598A JP3961094B2 (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | コンテナ荷役車輌における電源接続装置 |
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JP00147598A Expired - Fee Related JP3961094B2 (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | コンテナ荷役車輌における電源接続装置 |
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