JP3960924B2 - 高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体及びその製造方法とこれを用いたサンドブラスト用ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性に優れた炭化ホウ素焼結体及びその製造方法とこれを用いたサンドブラスト用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から炭化ホウ素焼結体は、高硬度材料として知られ、耐摩耗性の要求される部材への使用が検討されてきた。しかしながら、同時に炭化ホウ素は、代表的な難焼結性材料であり、高密度の焼結体を得るためには、高温、高圧下での熱間加圧焼成が必要であり、その結果、高コストの材料となって実用化を妨げている。
【0003】
これを改善するために、窒化ホウ素をはじめとするホウ化物、窒化アルミニウムをはじめとする窒化物、カーボン等の焼結を促進する各種の添加剤が提案されてきたが(例えば特許文献1)、未だ普及には至らず、充分とは言えない。炭化ホウ素に期待される最も重要な特性である耐摩耗性に劣るためである。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−345534号公報
【0005】
一方、現在市販されている炭化ホウ素材についても、耐摩耗性は製造方法や製造元、時には製造装置によってかなり異なり、実際に使用してみないと判らないことが多いうえ、原料ロットの切替等でも変わることもあり、実用化の拡大には安定した耐摩耗性の確保は急務であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、本質的に耐摩耗性に影響を及ぼす焼結体の微構造、組成を定めることで、耐摩耗性に優れた炭化ケイ素焼結体を得、また、その製造方法及びこれを用いたサンドブラスト用ノズルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、平均粒子径が1.9〜2.2μmかつ最大粒子径が5.7〜6.5μmの炭化ホウ素粒子からなる焼結体であって、カーボン分とホウ素分のモル比(B/C)が3.9〜4.2かつ含有窒素量が0.2質量%以下、相対密度99.4%以上、摩耗量が0.0025mm/hr以下であることを特徴とする高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体である。また、本発明は、平均粒子径が0.3〜1.8μmかつ最大粒子径が6μm以下の炭化ホウ素粉末に、B/Cモル比が3.8〜4.2かつ含有窒素量0.5質量%以下となるように炭素質物質を混合し、それを、真空又は非窒化性雰囲気下、温度2090〜2140℃、圧力20〜30MPa、3〜6時間の熱間加圧焼結を行った後、室温まで平均300〜450℃/hrで降温することを特徴とする請求項1記載の高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体の製造方法である。更に、本発明は、上記高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体で構成されてなることを特徴とするサンドブラスト用ノズルである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
炭化ホウ素は材料自体、非常に硬く、摩耗し難い。摩耗は焼結体を構成する炭化ホウ素粒子の脱落によって主に進行する。従って、粒子の脱落を防ぐことが、耐摩耗性の向上に繋がる。具体的には、(1)焼結体を構成する粒子が微細であること、(2)焼結体が高密度であること、(3)粒界にカーボンや窒素等の不純物が少ないこと、の三点が重要である。以下、この点について更に詳細に説明する。
【0010】
焼結体を構成する粒子が微細であると、粒子間を繋ぐ面積が大きくなって粒子間の結合が強固になり、粒子の脱落が生じにくい。逆に、粒子が粗大であると、単に粒子の脱落が生じ易いばかりか、脱落した跡が大きな欠陥、即ち次の脱落や破壊の起点となって、脱落が更に進行し易くなる。但し、微細な粒子構造とするためには、微細な原料が必要となるが、あまり微細な粒子は入手が困難で、非常に高価であり、粉砕等で微細な粒子を得ようとすると、非常に長時間の粉砕や特殊な粉砕を必要とするため、単に高価になるばかりではなく、酸化し易くなり、その結果として、却って焼結体の耐摩耗性が低下する。そのため、本発明においては、焼結体を構成する粒子の平均粒子径が1.9〜2.2μmかつ最大粒子径が5.7〜6.5μmであることが必要となる。
【0011】
本発明における焼結体の平均粒子径及び最大粒子径は、破断面を観察、測定して得られる。粒子形状が充分に認識できる大きさに拡大した破断面を観察して少なくとも200ケ以上の粒子径を測定して算出するものである。拡大方法は特に限定するものではないが、エッチング後、走査型電子顕微鏡で、数千から数万倍に拡大すれば、容易に観察できる。
【0012】
焼結体が緻密である程、粒子間に隙間は少なく、粒子の脱落は生じ難い。粒子間に隙間が多いと、単に粒子間の結合が弱いだけでなく、隙間そのものが欠陥即ち次の脱落や破壊の起点となって、脱落が更に進行し易くなる。本発明の高耐摩耗性を発現するためには、相対密度99.4%以上が必要である。
【0013】
粒界にカーボンや窒素等の不純物が多いと粒子間の結合力が弱まり、粒子の脱落が生じ易くなる。但し、カーボンは、焼結体の焼き付き防止効果もあり、実用性の点から適正値がある。本発明においては、焼結体中のホウ素分とカーボン分のモル比B/Cで3.9〜4.2が適正である。また、窒素については、粒子そのものに含まれても、粒子の硬度が低下して耐摩耗性が低下するため、0.2質量%以下とする。
【0014】
本発明において、ホウ素分及びカーボン分は以下のようにして測定される。先ず、ホウ素分は、試料を融解合剤(無水炭酸ナトリウムと炭酸カリウムを1:1で配合したもの)と融解促進剤(硝酸カリウム)で融解した後、塩酸に溶解させ、酸性下で煮沸して二酸化炭素を追い出し、放置冷却する。この溶液中のホウ酸以外の酸を水酸化ナトリウム溶液で中和した後、マンニットを加え、乖離したホウ酸を水酸化ナトリウム標準溶液で滴定してホウ素を定量する。次に、カーボン分は、試料を助燃剤(金属鉄及び金属タングステン)とともに酸素ガス気流中で、高周波加熱燃焼させ、試料中のカーボン分を二酸化炭素とし、赤外吸収法により定量する。また、本発明における含有窒素量は、試料をアルカリ分解後、ケルダール法による水蒸気蒸留を行い、留出液中の全窒素を中和滴定法により定量される。
【0015】
本発明における摩耗量は、次のようにノズル摩耗試験法によって測定される。ノズルとしてサンドブラストに取り付け、アルミナ砥粒#60を圧力0.5MPaで、100hrs吹き付けた時の出口径の変化を測定する。この場合の注意すべきことは、通常のサンドブラスト機では、砥粒が回収されて再使用されるので、摩耗試験を続けると、砥粒が次第に細かくなって、摩耗し難くなってくることである。装置による摩耗速度の測定差を抑えるため、10hrs毎に砥粒を交換するということである。評価は、次式によって摩耗速度を求めて行う。勿論、摩耗速度が小さい方が好ましい。本発明においては、ノズル摩耗試験の摩耗速度は0.0025mm/hr以下である。
【0016】
摩耗速度(mm/hr)=(試験前の出口径−試験後の出口径)/100
【0017】
本発明の高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体は以下の方法で得られる。即ち、適正な粒度を有する原料炭化ホウ素粉末を、適正な組成に調整し、適正な条件で熱間加圧焼成する。
【0018】本発明の炭化ホウ素原料は、前述したように微細であることが好ましいが、あまり微細であると、高価であったり、高酸素化し易いため、平均粒子径が0.3〜1.8μmかつ最大粒子径が6μm以下の炭化ホウ素粉末を使用する。本発明における平均粒子径および最大粒子径とは、各々レーザー回折散乱法で測定した粒度分布の50%径(いわゆるD50)と100%径(D100)を指す。測定は、水中に分散して行い、その分散方法は超音波分散で5〜10分程度行い、沈降が生じる前に測定する。
【0019】
次に、本発明の炭化ホウ素原料は、B/Cモル比を3.8〜4.2かつ含有窒素量0.5質量%以下に調整される。不足分のカーボン分は炭素質物質の添加で行い、含有窒素量は、窒素含有量の少ない原料を選択して、非窒化雰囲気で混合することで達成される。炭素質物質としては、カーボンブラックやアセチレンブラックと称されるカーボン粉末を用いるが、窒素をはじめとする不純物が少なく、均一に混合できれば、これらに限定するものではない。偏析を防ぐために、造粒粉を用いることも効果的である。また、混合方法も均一に混合されれば、特にこれを限定するものではないが、その一部を例示すると、ボールミル、振動ミル、アトライターミル、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等である。但し、撹拌翼を用いるタイプの混合機を長時間使用して混合すると、炭化ホウ素は、非常に硬い材料であるため、撹拌翼の摩耗が著しく進み、不純物として混入する恐れがあるため、好ましくない。
【0020】
本発明における非窒化性雰囲気は、高温、特に500℃以上で、窒素やアンモニア等の窒化作用のあるガスを不可避的な不純物量以上に含まない雰囲気であることが好ましい。低温であっても、例えば混合の際にメカノケミカル効果により窒化が著しく促進される場合でも同様に窒化作用のあるガスを不可避的な不純物量以上に含まない雰囲気であることが好ましい。上記原料は、真空または不活性な非窒化性雰囲気下で焼成されなければならない。これは、窒素含有量の増加を防ぐためである。雰囲気の一部を例示すると、He、Ar及びその混合ガスや10Pa以下の真空雰囲気である。コストの点から、Ar雰囲気が最も好ましい。
【0021】
本発明においては、上記原料を上記真空又は非窒化性雰囲気下で、温度2090〜2140℃、圧力20〜30MPa、3〜6時間の熱間加圧焼結を行い、室温まで平均300〜 450℃/hrで降温・冷却する。焼成温度は、コストの点から出来るだけ低い方が好ましいが、あまり低いと十分緻密な焼結体が得られない。また、あまり高いと、液相が生じて焼結体の形が崩れたり、治具との焼き付きが発生するので好ましくない。焼結体の温度が均一に加熱できれば、加熱方法は、特に限定するものではないが、1950℃以上の温度で使用できる加熱方法は比較的限定されており、その一部を例示すると、カーボン系の断熱材若しくは、モリブデン製のリフレクターを備え、カーボン発熱体を有する抵抗加熱炉、高周波加熱炉、集光式のイメージ炉、プラズマ焼結炉等である。
【0022】
本発明においては、熱間加圧焼成を行うので、加熱と同時に加圧も行う。炭化ホウ素は、焼結の際に加圧によって著しい配向性を示すことないので、加圧は等方圧でなくともよく、一般的にホットプレスと称される一軸圧で構わない。ホットプレスの圧力は、通常カーボン製のダイスを通して焼結体にかけられる。前述したように炭化ホウ素は、代表的な難焼結性材料であり、本発明の原料から十分緻密な焼結体を得るためには、20〜30MPaの加圧が必要である。圧力が低過ぎると十分な密度が得られ難く、逆に、あまり高い圧力は、設備コストがかさむ上、圧力媒体になる冶具も特殊な材料に限定されるためコスト面から好ましくない。尚、本発明においては、圧力は焼結に関係ない低温では、この範囲になくてもよい。具体的には、1500℃以上で、この圧力下にあれば十分である。
【0023】
本発明における焼成時間とは、前述の焼成温度、圧力範囲に保持した時間を指す。高温での焼成であるので、コストの点からは短時間であることが好ましいが、あまり短時間過ぎると、均一な焼結体が得られ難いので、適正範囲は3〜6hrsである。
【0024】
本発明においては、更に、焼成後の降温速度を条件として加える。急冷して取り出した焼成体は、マイクロレベルも含めて欠陥が生じやすく、安定した耐摩耗性が得られ難い。即ち、十分緻密化して欠陥の少ない高耐摩耗性炭化ホウ素材料を得るためには、室温まで、平均300〜450℃/hrの降温速度で冷却することが必要である。本発明における平均の降温速度とは、焼成温度と取り出し温度の差を、焼成時間後取り出しが可能な温度までの所要時間で割った値である。取り出しは、200℃以下、好ましくは150℃、特に好ましくは100℃以下である。200℃〜室温で取り出しても焼結体の特性には影響が小さく、低温では冷却速度が非常に遅くなるので、効率的な加熱サイクルを保つために物温100〜200℃で取り出すことは可能である。
【0025】
最後に、本発明の高耐摩耗性炭化ホウ素の用途について述べる。炭化ホウ素は、耐摩耗材としての用途以外にも、非常に特殊ではあるが熱中性子吸収係数が高い10Bがホウ素分の中に多く含まれる(天然で約20%)ことを利用して原子炉の制御材や遮蔽材への用途や非常に硬くて軽い特性を利用して防弾板に利用する用途もある。本発明の高耐摩耗性材料が、その効果を発現するのは、耐摩耗性を特に必要とする用途であり、現在、最も本発明の技術が必要とされているのは、研磨剤の吹き出し口すなわちサンドブラストノズルである。
【0026】
【実施例】
以下、実施例と比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
【0027】
原料には、炭化ホウ素として、電気化学工業社製商品名「デンカボロン#1200」、炭素質物質として、電気化学工業社製アセチレンブラックを用いた。炭化ホウ素の平均粒子径は、1.3μm、最大粒子径は5.3μmである。比較例に用いた炭化ホウ素の炭化ホウ素粉末は、平均径3.5μm、最大粒子径10.6μmであった。これらを、表1に示すB/Cモル比に調整して、それぞれボールミルで2hrs混合し、窒素含有量を測定して原料粉末とした。B/C=4.5の試料は金属ホウ素を添加し、窒素含有量1.0質量%の試料は、窒化ホウ素(電気化学工業社製商品名「デンカボロンナイトライド」を添加して調整した。
【0028】
【表1】
【0029】
粒度は、水中に8分間超音波した懸濁液を、レーザー回折散乱法による測定装置、Leeds & Northrup社のMicrotrac SPA7997を用いて、粒度分布を求め、累積値が50%になる粒径を平均粒子径、100%となる粒子径を最大粒径とした。
【0030】
B/Cモル比については、以下の方法で測定した。試料約0.1gを白金坩堝に精秤し、融解合剤5gと融解促進剤0.1gを加えて翼混合したのち、電気炉に入れて800 まで昇温して30分間融解。放置冷却後ビーカーに白金坩堝ごと入れ、濃塩酸を2倍希釈した塩酸20mlを加えて融解物を溶解。白金坩堝を取り出した後メチルレッド指示薬を数滴添加し、加熱して二酸化炭素を追い出し、冷却。更に1N水酸化ナトリウム溶液を加えてpH3〜4に調整した後、電位差滴定装置を用い、0.2N水酸化ナトリウム標準溶液で正確にpH5.0とする。最後にマンニット約25gを加えてよく撹拌した後、0.2N水酸化ナトリウム標準溶液でpH8.5になるまで滴定し、その消費量からホウ素を式(1)により算出した。
【0031】
ホウ素(質量%)=100×(A−b)×F/W ・・・・(1)
F:0.2N水酸化ナトリウム標準溶液の力価[gB/ml]
A:0.2N水酸化ナトリウム標準溶液消費量[ml]
b:空試験値[ml]
W:試料秤取り量[g]
【0032】
カーボン分は、LECO社製CS―444LSを用いて、助燃剤に金属鉄(IRON CHIP)及び金属タングステン(LECOCEL II)を使用して、日本鉄鋼標準試料 鉄鋼シリーズAを標準試料として試料燃焼用の磁性坩堝に入れて純度99.5%以上の酸素中で燃焼して測定した。
【0033】
含有窒素量は、以下の方法で求めた。すなわち、先ず、試料0.1gをアルミナ坩堝に精秤し、二酸化ケイ素を加えて混合、メタノールで湿潤したのち、約4〜6gの水酸化ナトリウムを加えた。次に分解装置にセットして、窒素ガスを流しながら320〜330℃まで昇温し、水蒸気を導入後450℃まで昇温して5分間保持。窒素ガスを15分間流して完全置換して吸収を終了し、0.2N硫酸溶液にて滴定し、式(2)によって窒素量を算出した。
【0034】
窒素量(質量%)=A×f×0.002801/w …(2)
A:0.2N硫酸溶液の消費量[ml]
f:硫酸溶液の力価
0.002801:0.2Nスルファミン酸1mlのNの量
【0035】
次に、各々の原料を、黒鉛製の容器に詰め、高周波炉を用いて表2に示す条件でホットプレス焼成して試料を作製した。試料は、外径20mmφ、内径7mmφ、長さ60mmのノズル形状で、各々10本づつ作製した。以下の測定は、10本すべてを測定して最大値と最小値をカットした平均値で表す。
【0036】
【表2】
【0037】
試料は、先ず、アルキメデス法で密度を測定し、次にノズル摩耗試験を実施した。ノズル摩耗性試験は、アルミナ砥粒#60を圧力0.5MPaで、100hrs吹き付けた時の出口径の変化を測定することにより、上式によって摩耗速度を求めて行った。
【0038】
ノズル摩耗試験後の試料は破断して、走査型電子顕微鏡(SEM)で400〜500ケの粒子をカウントすることによって平均粒子径と最大粒子径を求めた。最後に、B/Cモル比および含有窒素量を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表から明らかなように、本発明の炭化ホウ素焼結体は、比較例に比べて、大幅に摩耗量が低減されており、耐摩耗性に優れた材料であることがわかる。これは、サンドブラストノズルの寿命を大幅に向上させ、付加価値を高めるものである。即ち、適用装置によって異なるが、ノズル出口径が一定の値を超えるとノズル交換の必要が生じる。つまり、ノズルの寿命は摩耗速度に反比例する。そこで、例えば上記実施例及び比較例で、ノズルを交換する出口径を10mmとすれば、実施例の寿命は、連続使用1200hrs、1364hrsとなるのに対し、比較例では、380hrs〜789hrsとなり、本発明のサンドブラストノズルの寿命が大幅に延びるものとなる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性に優れた炭化ホウ素焼結体とその製造方法が提供される。また、本発明のサンドブラストノズルによれば、寿命を大幅に延びたものとなる。
Claims (3)
- 平均粒子径が1.9〜2.2μmかつ最大粒子径が5.7〜6.5μmの炭化ホウ素粒子からなる焼結体であって、カーボン分とホウ素分のモル比(B/C)が3.9〜4.2かつ含有窒素量が0.2質量%以下、相対密度99.4%以上、摩耗量が0.0025mm/hr以下であることを特徴とする高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体。
- 平均粒子径が0.3〜1.8μmかつ最大粒子径が6μm以下の炭化ホウ素粉末に、B/Cモル比が3.8〜4.2かつ含有窒素量0.5質量%以下となるように炭素質物質を混合し、それを、真空又は非窒化性雰囲気下、温度2090〜2140℃、圧力20〜30MPa、3〜6時間の熱間加圧焼結を行った後、室温まで平均300〜450℃/hrで降温することを特徴とする請求項1記載の高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体の製造方法。
- 請求項1記載の高耐摩耗性炭化ホウ素焼結体で構成されてなることを特徴とするサンドブラスト用ノズル。
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