JP3960218B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に係り、特に複数チャンネルの出力を備えた固体撮像素子を有する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体撮像素子を用いた撮像装置の画素数は、大規模半導体集積回路(LSI)プロセスの微細加工技術の進歩発展と、市場の高解像度化の要求もあって、飛躍的に増加する傾向にある。この高解像度化に伴う撮像装置の多画素化により、固体撮像素子の1ライン当りの画素数が増加することとなるが、固体撮像素子から1ラインの映像信号を出力するための時間はテレビジョン方式の規格によって規定されるため、一般的に信号読み出し用クロック周波数が画素数に比例して高くなり、これに応じて後段の信号処理回路の動作周波数も高くなり、回路設計上の制約が増大する。また、ノイズ対策及び輻射対策等をより入念に行う必要も生じる。
【0003】
そこで、従来より、これらの手間を回避するための手段として、固体撮像素子の撮像エリアを例えば図6(a)又は図6(b)に示すように左右に2分割し、それぞれ独立に信号出力チャンネルを設けて読み出すことにより、撮像エリアを分割しない撮像装置で必要とされる半分の周波数で、固体撮像素子から信号出力を読み出す構成の撮像装置が知られている。
【0004】
図6(a)に示す従来の撮像装置は、その撮像エリアが左右に2分割された分割撮像エリア1A、1Bと、分割撮像エリア1A、1Bの垂直方向の端部に設けられた水平方向光学的黒レベルエリア(OBエリア)2A、2Bと、分割撮像エリア1A、1Bの水平方向の上端部に設けられた垂直方向OBエリア3と、分割撮像エリア1A、1Bの水平方向の下端部に設けられた垂直方向OBエリア4とを有する。
【0005】
また、下端部の垂直方向OBエリア4は、CCD(電荷転送素子)で構成された水平転送路(以下、水平転送CCD)5A、5Bに接続され、更に水平転送CCD5A、5Bは出力アンプ6A、6Bに接続されている。出力アンプ6A、6Bからは撮像エリア1A、1Bで撮像されたチャンネル(ch)1、2の映像信号が出力される。
【0006】
分割撮像エリア1A、1Bは、それぞれ二次元マトリックス状に配列された多数の画素と、各画素の出力信号電荷を垂直方向に転送するCCDで構成された垂直転送路(以下、垂直転送CCD)とが配置されている。垂直転送CCDを転送された信号電荷は、水平転送CCD5A、5Bに入力された後、水平転送され、更に出力アンプ6A、6Bで増幅された後、各々ch1、ch2の映像信号として出力される。
【0007】
また、図6(b)に示す撮像装置は、垂直方向OBエリア4の画面左端から中央までの部分と、中央から画面右端間までの部分が、それぞれ斜めシフト領域8A、8Bを介して水平転送CCD9A、9Bに接続されており、水平転送方向が図6(a)に示した撮像装置と異なる。すなわち、図6(a)に示した撮像装置では、垂直転送されて水平転送CCD5A、5Bに入力された信号電荷は、画面左端、画面右端の各画素から画面中央の画素に向かってそれぞれ水平転送されて出力アンプ6A、6Bから読み出される。
【0008】
これに対し、図6(b)に示した撮像装置では、垂直転送CCDで垂直転送され、斜めシフト領域8A、8Bをそれぞれ経て水平転送CCD9A、9Bに入力された信号電荷は、画面中央付近の画素から画面の左端の画素の方向、画面中央付近の画素から画面の右端の画素の方向に水平転送されて出力アンプ6A、6Bから読み出される。なお、OBエリア2A、2B、3及び4は、それぞれ各ラインあたり複数の画素から構成されているが、入射光を遮光する構成とされているため、無光量時の信号レベルを出力する。
【0009】
ここで、一例として、図6(a)、(b)に示す従来の撮像装置に用いられる固体撮像素子は、分割撮像エリア1A及び1Bの合計の画素数を水平方向1600画素、垂直方向1200画素、垂直方向OBエリア6画素とし、水平方向OBエリア2A、2Bの各画素数を水平方向40画素である、正方格子のIL(インターライン)方式のCCDであるものとする。また、NTSC方式映像信号を出力する場合に必要な読み出し画素数を、1600×480画素(960ライン)とすると、1ch当りの出力は、800+40+BLKである(ただし、BLKはブランキングする時間領域で、ここでは垂直に転送を行う時間である。)。また、このときのクロック周波数は40.5MHzとする。
【0010】
この場合の、図6(a)に示した従来装置の各信号は図7に示すようになる。図7(A)は水平基準パルスHDを示し、ここでは出力映像信号の水平走査周波数fhの2574倍の周波数である40.5MHz(=クロック周波数)とし、一つの分割撮像エリア1A又は1Bの水平駆動パルスTGHDは、図7(B)に示すように水平基準パルスHDの1/2倍の周期であり、一つの出力アンプ6A又は6Bの出力信号は、図7(C)に示すように、1ラインあたり40画素の水平方向OBエリア2A又は2Bの出力と800画素の映像信号とからなる。
【0011】
また、図7(D)に示す垂直基準パルスVDに対し、垂直方向には同図(E)に模式的に示すように、TGHD×480、すなわち960ラインの映像信号が出力アンプ6A又は6Bから出力される。高速転送期間では60×TGHD+60×TGHD、すなわち120ラインずつ計240ラインが高速に出力される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来の撮像装置は、IL方式CCDの場合であり、PSCCD(プログレッシブスキャン方式CCD)で同様に読み出し画素数を実現するためには、PSCCDが垂直方向の2画素の信号電荷を混合せずに出力する全画素読み出し方式であるため、IL方式CCDのほぼ2倍の周波数のクロックでの駆動が必要である。すなわち、水平転送クロックを上記図6に示した固体撮像素子の画素数で実現するためには、PSCCDでは91.0(=40.5×2)MHzの水平転送クロックによる駆動が必要となる。
【0013】
また、IL方式のCCDであっても、上記画素数(1600×1200)以上の画素数で構成されるCCDを動画像(NTSC/PAL)の撮像で使用するためには、上記で示したように40.5MHz以上の高周波数のクロックを生成することが必要となる。しかし、現状のCCDプロセスと駆動電圧ではCDS(相関二重サンプリング)回路及びADC(AD変換器)などのアナログ回路動作においても、40.5MHz駆動が民生用としては限界である。また、これ以上の周波数のクロックでの駆動は消費電力の面でも不利である。
【0014】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、固体撮像素子の動画時駆動周波数を上げることなく、固体撮像素子の多画素化と高フレームレート動画出力の両立を実現し得、また、駆動周波数低下による消費電力低減を実現し得る撮像装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、撮像エリアを水平方向に複数に分割して得られた複数の分割撮像エリアの各々が、入射光に応じたレベルの信号電荷を生成する、水平方向にN個(Nは2以上の自然数)、垂直方向に所定個マトリクス状に配列された第1の画素と、入射光を遮光して無光量時の信号電荷を生成する光学的黒レベルエリアを構成する水平方向にM個(MはNより小なる自然数)、垂直方向に所定個マトリクス状に配列された第2の画素と、同一の水平方向に配列された1ラインの第1及び第2の画素の信号電荷を垂直方向に並列に転送する垂直転送路と、垂直転送路により並列に垂直転送された第1及び第2の画素からの信号電荷を同時に蓄積した後、水平方向に直列に転送して映像信号として出力する水平転送路とを備え、複数の分割撮像エリアにそれぞれ設けられた垂直転送路による垂直転送と水平転送路による水平転送とを交互に1ラインずつ繰り返して複数の分割撮像エリアの各水平転送路から別々に複数チャンネルの映像信号出力する撮像装置において、
複数の分割撮像エリアの各々に、分割撮像エリアの垂直転送路により垂直方向に同時に転送される第1及び第2の画素からの信号電荷のうち、水平方向にN個配列された第1の画素のうち水平方向のN1個(N1はN未満の自然数)の画素からの信号電荷を遮蔽する電荷遮蔽領域を設けると共に、水平方向のN2個(N2はN1との和がNと等しく、かつ、Mとの和がN1と等しい条件を満足する自然数)の第1の画素からの信号電荷と第2の画素からの信号電荷とを垂直転送路により同時に垂直転送して水平転送路へそれぞれ蓄積させ、複数の分割撮像エリアのそれぞれにおいて、垂直転送路の垂直転送後に、水平転送路に蓄積されているM個の第2の画素からの信号電荷に対応した信号と、N個の第1の画素のうち電荷遮蔽領域で遮蔽されずに垂直転送されて1ライン前に水平転送路に蓄積されているN2個の画素からの信号電荷に対応した信号とを、水平転送路を駆動して水平転送路による水平転送により水平転送路の外部へ出力させた後、垂直転送路を駆動することを交互に繰り返すことを特徴とする。
【0016】
この発明では、分割撮像エリアにおいて、入射光に応じたレベルの信号電荷を生成する水平方向にN個の第1の画素と、光学的黒レベルエリアを構成する水平方向にM個の第2の画素とのうち、同一の水平方向に配列された1ラインの第1及び第2の画素の信号電荷を垂直転送路により垂直方向に並列に転送して水平転送路に蓄積する際に、N1個の第1の画素からの信号電荷は電荷遮蔽領域により遮蔽して水平転送路に蓄積せず、N2(=NーN1)個の第1の画素からの信号電荷のみを水平転送路に蓄積するようにしたため、分割撮像エリアの水平方向の全画素(N+M)よりも少ない画素数(N−N1+M)の画素からの信号電荷を水平転送路により水平転送して撮像信号として出力できる。
【0017】
また、本発明は上記の目的を達成するため、上記の電荷遮蔽領域は、外部制御信号により動作及び不動作の一方に任意に選択制御可能な構成とされており、電荷遮蔽領域の動作時には分割撮像エリアの垂直転送路により垂直方向に同時に転送されて水平転送路に蓄積される第1及び第2の画素からの信号電荷のうち、水平方向にN個配列された第1の画素のうち水平方向のN1個の画素からの信号電荷を遮蔽して水平転送路での蓄積を阻止し、電荷遮蔽領域の動作停止時にはN1個の第1の画素からの信号電荷を遮蔽することなく、N2個の第1の画素からの信号電荷及び第2の画素からの信号電荷と共に垂直転送路により同時に垂直転送して水平転送路へそれぞれ蓄積させる構成としたものである。
【0018】
この発明では、電荷遮蔽領域を外部制御信号により動作及び不動作の一方に任意に選択制御可能な構成とし、電荷遮蔽領域の動作時は水平方向にN個配列された第1の画素のうち水平方向のN1個の画素からの信号電荷を遮蔽して水平転送路での蓄積を阻止し、電荷遮蔽領域の動作停止時(不動作時)はN1個の第1の画素からの信号電荷を遮蔽することなく水平転送路に垂直転送させて蓄積させるようにしたため、電荷遮蔽領域の動作時には高フレームレートを実現でき、電荷遮蔽領域の動作停止時は分割撮像エリアの全画素からの信号電荷をすべて水平転送させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる撮像装置の第1の実施の形態の構成図を示す。同図において、第1の実施の形態の撮像装置は、その撮像エリアが左右に2分割された分割撮像エリア11A、11Bと、分割撮像エリア11A、11Bの垂直方向の左右端部にそれぞれ設けられた水平方向光学的黒レベルエリア(OBエリア)12A、12Bと、分割撮像エリア11A、11Bの水平方向の上端部と下端部にそれぞれ設けられた垂直OBエリア13A、13Bとを有する。
【0020】
分割撮像エリア11A、11Bは、二次元マトリックス状に配置された多数の画素と、垂直方向に配列されている各画素の出力信号電荷を垂直方向に転送するCCDで構成された垂直転送路(以下、垂直転送CCD)とが配置されている。ここでは、分割撮像エリア11A、11Bは、その水平方向の画素数がそれぞれ800画素であり、また、水平方向OBエリア12A、12Bの水平方向の画素数はそれぞれ40画素であるものとする。
【0021】
また、分割撮像エリア11Aの水平方向800画素のうち、画面左端から420画素は、垂直転送CCD及び電荷遮蔽領域14Aを介して水平転送CCD15Aに接続され、画面左端から421画素から中央の800画素までの残りの380画素は垂直転送CCD及び垂直OBエリア13Bを介して水平転送CCD15Aに接続されている。
【0022】
同様に、もう一方の分割撮像エリア11Bの水平方向800画素のうち、画面右端から420画素は、垂直転送CCD及び電荷遮蔽領域14Bを介して水平転送CCD15Bに接続され、画面右端から421画素から中央の800画素までの残りの380画素は垂直転送CCD及び垂直OBエリア13Bを介して水平転送CCD15Bに接続されている。
【0023】
水平転送CCD15A及び15BはOBエリア12A、12Bの各40画素を含む840(=800+40)画素分の信号電荷を蓄積し、かつ、出力アンプ16A、16Bへ水平転送する構成とされている。従って、水平転送CCD15A、15Bにそれぞれ入力される840画素のうち、OBエリア12A、12Bの40画素と、電荷遮蔽領域14A、14Bの420画素を除いた380画素が読み出し有効画素となる。すなわち、電荷遮蔽領域14A、14Bの画素数は、有効画素380画素に、OBエリア12A、12Bの40画素を加算した画素数に設定される。
【0024】
次に、図1に示す本実施の形態の動作について説明する。ch1側及びch2側の動作は同じであるので、代表してch1側の動作について図2及び図3を併せ参照して説明する。いま、垂直転送CCDから水平転送CCD(HCCD)15Aへ図2(A)に示すように、ある1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a1と、電荷遮蔽領域14Aで遮蔽された420画素b1と、有効画素である380画素の信号電荷c1とからなる840画素分のうち、信号電荷a1と信号電荷c1が垂直転送されて蓄積されているものとする。
【0025】
この状態で、水平転送CCD15Aが図3(A)に示す水平基準パルスHDにより水平転送動作を行い、図2(B)に示すように、40画素の信号電荷a1と、電荷遮蔽領域14Aで遮蔽された420画素b1のうちの画面左端側の380画素が出力アンプ16Aで増幅されてch1の出力映像信号として出力される。電荷遮蔽領域14Aで遮蔽された420画素b1のうちの残りの40画素と有効画素の信号電荷c1とはまだ、水平転送CCD15A内にある。
【0026】
続いて、垂直転送CCDより水平転送CCD(HCCD)15Aに図2(C)に示すように、次の1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a2と、有効画素である380画素の信号電荷c2とからなる420画素分の信号電荷が垂直転送されて蓄積される。この垂直転送は、図3(D)に示す垂直基準パルスVDに同期して行われる。
【0027】
ここで、水平転送CCD15A内の上記の電荷遮蔽領域14Aに対応する420画素の領域のうち、41画素目以降の380画素の領域部分には前記有効画素の信号電荷c1が蓄積されているが、上記の垂直転送があっても電荷が電荷遮蔽領域14Aで遮蔽されるため影響を受けることはない。また、上記の電荷遮蔽領域14Aに対応する420画素の領域のうち、40画素までは、OBエリア12Aの40画素の信号電荷a2が蓄積される。
【0028】
続いて、水平転送CCD15Aが図3(A)に示す水平基準パルスHDにより水平転送動作を行い、図2(D)に示すように、OBエリア12Aの40画素の信号電荷a2と、有効画素である380画素の最初の1ラインの信号電荷c1が出力アンプ16Aで増幅されてch1の出力映像信号として出力される。次の1ラインの有効画素の信号電荷c2は水平転送されるも、まだ水平転送CCD15A内にある。
【0029】
続いて、垂直転送CCDより水平転送CCD(HCCD)15Aに図2(E)に示すように、更に次の1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a3と、電荷遮蔽領域14Aで遮蔽された420画素と、有効画素である380画素の信号電荷c3とからなる840画素分の信号電荷が垂直転送されて蓄積される。
【0030】
ここで、水平転送CCD15A内の上記の電荷遮蔽領域14Aに対応する420画素の領域のうち、41画素目以降の380画素の領域部分には直前の1ラインの有効画素の信号電荷c2が蓄積されているが、上記の垂直転送があっても電荷が電荷遮蔽領域14Aで遮蔽されるため影響を受けることはない。また、上記の電荷遮蔽領域14Aに対応する420画素の領域のうち、先頭から40画素までは、OBエリア12Aの40画素の信号電荷a3が蓄積される。
【0031】
以下、上記と同様にして垂直転送と水平転送とが交互に行われ、OBエリア12Aの信号電荷(OBデータ)と分割撮像エリア11Aの有効画素の信号電荷(CCDデータ)とが連続してライン順に出力される。この結果、図3(C)に模式的に示すように、出力映像信号の水平走査周波数fhの2574倍の周波数である40.5MHz駆動で1HD期間(=2574T;ただし、Tは1水平走査期間)に4ライン分のCCDデータとOBデータ(420T×4:1680T+ブランキング期間)が出力される。
【0032】
また、図3(B)は一つの分割撮像エリア11A又は11Bの水平駆動パルスTGHDであり、水平基準パルスHDの1周期でTGHDが4周期となるように、HDの1周期内でTGHDの4つの期間はそれぞれ643T、643T、643T、645Tとされている。なお、HDの1周期に対応するTGHDの4つの期間を643T、643T、644T、644Tとしてもよい。
【0033】
また、図3(E)は1VD期間の撮像装置の出力画素数を模式的に示しており、1VD期間では、一つの分割撮像エリア11A又は11Bからは480ライン(11A及び11Bの2つで960ライン)の撮像信号が、240HD期間(=480TGHD期間)で読み出され、その前後の60ライン(11A及び11Bの2つで120ライン)の撮像信号が読み出される。
【0034】
なお、以上の説明は、電荷遮蔽領域14A及び14Bを動作させて高フレームレートで動画出力を得るモードの説明であるが、電荷遮蔽領域14A及び14Bは外部からの制御信号により不動作とすることもできる。例えば、電荷遮蔽領域14A及び14Bを制御信号により入力される信号電荷をすべて基板などへ捨てる動作をさせることにより電荷遮蔽動作を行い、上記の動作を停止させることで入力される信号電荷を水平転送CCD15A、15Bへそのまま転送させることができる。電荷遮蔽領域14A及び14Bを不動作とした場合は、分割撮像エリア11A、11Bの水平方向800画素の信号電荷による高精細の2チャンネル映像信号を出力アンプ16A、16Bより出力させることができる。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、電荷遮蔽領域14A及び14Bを動作させることにより、従来装置に比べて、2倍の速度でOBデータとCCDデータとを連続して読み出すことができるため、高フレームレートの動画出力ができ、また、電荷遮蔽領域14A及び14Bを不動作(動作停止)とすることで多画素の映像信号を出力することができ、また、同じ画素数であればHDの動画時駆動周波数の低減が可能であり、それに伴い消費電力の低減も可能である。
【0036】
次に、本発明になる撮像装置の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明になる撮像装置の第2の実施の形態の構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図4に示す第2の実施の形態の撮像装置は、分割撮像エリア11Aの水平方向800画素のうち、画面左端から420画素は、垂直転送CCD、電荷遮蔽領域14A及び斜めシフト領域18Aを介して水平転送CCD19Aに接続され、画面左端から421画素から中央の800画素までの残りの380画素は垂直転送CCD、垂直OBエリア13B及び斜めシフト領域18Aを介して水平転送CCD19Aに接続されている。
【0037】
同様に、もう一方の分割撮像エリア11Bの水平方向800画素のうち、画面右端から420画素は、垂直転送CCD、電荷遮蔽領域14B及び斜めシフト領域18Bを介して水平転送CCD19Bに接続され、画面右端から421画素から中央の800画素までの残りの380画素は、垂直転送CCD、垂直OBエリア13B及び斜めシフト領域18Bを介して水平転送CCD19Bに接続されている。
【0038】
水平転送CCD19A及び19Bは840(=800+40)画素分の信号電荷を蓄積し、かつ、出力アンプ16A、16Bへ水平転送する構成とされている。従って、水平転送CCD19A、19Bにそれぞれ入力される840画素のうち、OBエリア12A、12Bの40画素と、電荷遮蔽領域14A、14Bの420画素を除いた380画素が読み出し有効画素となる点は、第1の実施の形態の水平転送CCD15A、15Bと同様であるが、読み出し方向が異なる。
【0039】
すなわち、図1に示した撮像装置では、垂直転送されて水平転送CCD15A、15Bに入力された信号電荷は、画面左端、画面右端の各画素から画面中央の画素に向かってそれぞれ水平転送されて出力アンプ16A、16Bから読み出される。これに対し、図4に示した撮像装置では、垂直転送CCDで垂直転送され、斜めシフト領域18A、18Bをそれぞれ経て水平転送CCD19A、19Bに入力された信号電荷は、画面中央付近の画素から画面の左端の画素の方向、画面中央付近の画素から画面の右端の画素の方向に水平転送されて出力アンプ16A、16Bから読み出される。
【0040】
次に、図4に示す本実施の形態の動作について説明する。ch1側及びch2側の動作は同じであるので、代表してch1側の動作について図5を併せ参照して説明する。いま、垂直転送CCDから斜めシフト領域18Aを介して水平転送CCD(HCCD)19Aへ図5(A)に示すように、ある1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a1と、電荷遮蔽領域14Aで遮蔽された420画素b1と、有効画素である380画素の信号電荷c1とからなる840画素分のうち、信号電荷a1と信号電荷c1が垂直転送されて蓄積されているものとする。
【0041】
この状態で、水平転送CCD19Aが水平基準パルスHDにより有効画素の380画素の信号電荷c1が水平転送動作により水平転送CCD19Aから出力されて出力アンプ16Aで増幅されてch1の出力映像信号として出力された後、垂直転送CCDより斜めシフト領域18Aを介して水平転送CCD19Aに図5(B)に示すように、次の1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a2と、有効画素である380画素の信号電荷c2とからなる420画素分の信号電荷が垂直転送されて蓄積される。
【0042】
ここで、上記の垂直転送直前では水平転送CCD19A内の上記の電荷遮蔽領域14Aに対応する420画素の領域のうち、読み出し先頭より381画素目から420画素目までの40画素の領域部分に直前の1ラインのOBエリア12Aの信号電荷a1が蓄積されているが、他の領域は信号が蓄積されていないため、図5(B)に示すように、上記の垂直転送により次の1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a2と、有効画素である380画素の信号電荷c2とが水平転送CCD19Aに蓄積される。
【0043】
続いて、水平基準パルスHDにより有効画素の380画素の信号電荷c2とOBエリア12Aの40画素の信号電荷a1とが水平転送動作により水平転送CCD19Aから出力されて出力アンプ16Aで増幅されてch1の出力映像信号として出力された後、垂直転送CCDより斜めシフト領域18Aを介して水平転送CCD19Aに図5(C)に示すように、次の1ラインのOBエリア12Aの40画素の信号電荷a3と、有効画素である380画素の信号電荷c3とからなる420画素分の信号電荷が垂直転送されて蓄積される。
【0044】
以下、上記と同様にして垂直転送と水平転送とが交互に行われ、OBエリア12Aの信号電荷(OBデータ)と分割撮像エリア11Aの有効画素の信号電荷(CCDデータ)とが連続してライン順に出力される。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と読み出し方向が異なるだけで、基本的な動作は第1の実施の形態と同様であるため、固体撮像素子の多画素化と高フレームレートの動画出力の両立が可能であり、また、同じ画素数であれば動画時駆動周波数の低減が可能であり、それに伴い消費電力の低減も可能である。
【0046】
なお、以上の実施の形態は、IL方式CCD及びPSCCDのいずれにも適用可能である。また、画素数は実施の形態に限定されるものではないことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電荷遮蔽領域を動作させて分割撮像エリアの水平方向の画素の全画素数よりも少ない読み出し画素数の画素からの信号電荷を水平転送して撮像信号として出力するか、電荷遮蔽領域を不動作として分割撮像エリアの全画素からの信号電荷を水平転送して撮像信号として出力するようにしたため、従来の撮像装置に比べて撮像装置の多画素化と高フレームレート動画出力の両立を実現できる。
【0048】
また、本発明によれば、従来の撮像装置と同じ画素数であれば、動画時駆動周波数の低減が可能であり、それに伴い消費電力の低減もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の撮像装置の第1の実施の形態の構成図である。
【図2】図1の水平転送CCDの蓄積信号と読み出し信号の説明図である。
【図3】図1の読み出し動作説明用信号波形図である。
【図4】本発明の撮像装置の第2の実施の形態の構成図である。
【図5】図4の水平転送CCDの蓄積信号と読み出し信号の説明図である。
【図6】従来の撮像装置の一例の構成図である。
【図7】図6の読み出し動作説明用信号波形図である。
【符号の説明】
11A、11B 分割撮像エリア
12A、12B 水平方向光学的黒レベルエリア(OBエリア)
13A、13B 垂直方向光学的黒レベルエリア(OBエリア)
14A、14B 電荷遮蔽領域
15A、15B、19A、19B 水平転送CCD(HCCD)
16A、16B 出力アンプ
18A、18B 斜めシフト領域

Claims (2)

  1. 撮像エリアを水平方向に複数に分割して得られた複数の分割撮像エリアの各々が、
    入射光に応じたレベルの信号電荷を生成する、水平方向にN個(Nは2以上の自然数)、垂直方向に所定個マトリクス状に配列された第1の画素と、前記入射光を遮光して無光量時の信号電荷を生成する光学的黒レベルエリアを構成する水平方向にM個(Mは前記Nより小なる自然数)、垂直方向に前記所定個マトリクス状に配列された第2の画素と、同一の水平方向に配列された1ラインの前記第1及び第2の画素の信号電荷を垂直方向に並列に転送する垂直転送路と、前記垂直転送路により並列に垂直転送された前記第1及び第2の画素からの信号電荷を同時に蓄積した後、水平方向に直列に転送して映像信号として出力する水平転送路とを備え、
    前記複数の分割撮像エリアにそれぞれ設けられた前記垂直転送路による垂直転送と前記水平転送路による水平転送とを交互に1ラインずつ繰り返して前記複数の分割撮像エリアの各水平転送路から別々に複数チャンネルの映像信号出力する撮像装置において、
    前記複数の分割撮像エリアの各々に、前記分割撮像エリアの垂直転送路により垂直方向に同時に転送される前記第1及び第2の画素からの信号電荷のうち、水平方向に前記N個配列された前記第1の画素のうち水平方向のN1個(N1は前記N未満の自然数)の画素からの信号電荷を遮蔽する電荷遮蔽領域を設けると共に、水平方向のN2個(N2は前記N1との和が前記Nと等しく、かつ、前記Mとの和が前記N1と等しい条件を満足する自然数)の前記第1の画素からの信号電荷と前記第2の画素からの信号電荷とを前記垂直転送路により同時に垂直転送して前記水平転送路へそれぞれ蓄積させ、
    前記複数の分割撮像エリアのそれぞれにおいて、前記垂直転送路の前記垂直転送後に、前記水平転送路に蓄積されている前記M個の前記第2の画素からの信号電荷に対応した信号と、前記N個の前記第1の画素のうち前記電荷遮蔽領域で遮蔽されずに垂直転送されて1ライン前に該水平転送路に蓄積されている前記N2個の画素からの信号電荷に対応した信号とを、前記水平転送路を駆動して該水平転送路による水平転送により該水平転送路の外部へ出力させた後、前記垂直転送路を駆動することを交互に繰り返すことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記電荷遮蔽領域は、外部制御信号により動作及び不動作の一方に任意に選択制御可能な構成とされており、前記電荷遮蔽領域の動作時には前記分割撮像エリアの垂直転送路により垂直方向に同時に転送されて前記水平転送路に蓄積される前記第1及び第2の画素からの信号電荷のうち、水平方向に前記N個配列された前記第1の画素のうち水平方向の前記N1個の画素からの信号電荷を遮蔽して前記水平転送路での蓄積を阻止し、前記電荷遮蔽領域の動作停止時には前記N1個の前記第1の画素からの信号電荷を遮蔽することなく、前記N2個の前記第1の画素からの信号電荷及び前記第2の画素からの信号電荷と共に前記垂直転送路により同時に垂直転送して前記水平転送路へそれぞれ蓄積させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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