JP3959775B2 - インクジェットプリンタ及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微少なインク滴を吐出し、文字、記号、画像等を記録するインクジェットプリンタに関し、特にインクジェットヘッドのノズルで増粘したインクを排除するために行うインクジェットヘッドの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタに於いては、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止するために印刷開始前、ないしは印刷の休止期間中にインク滴を数発吐出する動作、いわゆる予備吐出を行っている。即ち、ヘッドを駆動しない状態で長時間プリンタを放置した場合、ヘッド先端のノズルよりインクの溶媒である水分等が蒸発し、その部分のインクの粘度が上昇し、印刷の際にインクが吐出しなくなったり、吐出しても本来の大きさやスピードのインク滴が吐出されなくなる、いわゆるノズル目詰まりを防止するためと、インクの粘度が上昇することにより、ノズルに対するインクのリフィル速度が遅くなり、吐出インク量に対してリフィル量が追いつかず、インクの中に気泡が混入することでインク滴が吐出されなくなる、いわゆる不吐状態を防止するために予備吐出を行っている。
【0003】
この予備吐出におけるインクジェットヘッドの駆動方法として、特開平3−15556号公報や特公平6−39163号公報に開示されている技術がある。前者の方法は、インクを吐出可能な値の電力を記録手段に印加して記録を行った後に、インクを吐出可能な値未満の値の電力を記録手段に印加することにより、安定した印字品位の記録を得るものである。後者の方法は、予備吐出動作時にインクジェットヘッドを駆動する周波数を、文字や画像等の記録時の最高駆動周波数よりも低く設定することにより、ヘッドの回復を促進し、ヘッドの特性を急速に立ち上げ、速やかに記録動作への移行を可能にするものである。
【0004】
また、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、次にその電気パルスを解除することにより、振動板の復元力によりインク滴を吐出するインクジェットヘッドにおいては、ヘッドの繰り返しの駆動により、振動板及び電極間の誘電体に電荷が残留し、この残留電荷が作り出す電界により、振動板が完全に復元せずに撓みを含むことになる。それでは振動板と電極の相対変位量が低下し、これにより、インク滴の吐出量や吐出スピードの低下等の不良となり、例えば印字濃度や画素ずれ等の印刷品質不良や画素抜け等の信頼性の低下を招くという問題がある。これを防止するため、特願平7−81088号公報に記載されている技術が開示されている。この方法は、記録の際のパルス電圧とは逆方向のパルス電圧を、1ドット若しくは1行印字する毎、又はノズルの回復処理動作を行う前に、振動板と個別電極間に印加して残留電荷を消滅させることにより、振動板を完全に復元させ振動板と個別電極との相対変位量が低下しないようにするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平3−15556号公報の技術においては、記録終了後に所定の電力を記録手段に印加するため、短期間の記録休止後のヘッドの回復性はよいが、長期間の休止後のノズル目詰まりの回復性が劣るという課題があった。また、特公平6−39163号公報の技術においては、予備吐出動作時の駆動周波数における周期と、記録時の最高駆動周波数における駆動の最短周期との間の時間は、ただ単にヘッドが休止している状態であり、ノズル目詰まりの回復性が劣るという課題があった。
【0006】
更に、振動板と電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によってインク滴を吐出するインクジェットヘッドにおいては、予備吐出のためのヘッド駆動中にも、振動板及び電極間の誘電体に電荷が残留し、この残留電荷が作り出す電界により、振動板が変形し難くなることにより、ノズル目詰まりの回復性が低下するという課題があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、インクジェットプリンタのノズル目詰まり防止のための予備吐出を効率よく行うためのヘッド駆動方法を提供することを目的とする。更に、振動板と電極間に発生する静電気力によってインク滴を吐出するインクジェットプリンタの予備吐出を効率よく行うためのヘッド駆動方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するオンデマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズルからインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像等を印刷するインクジェットプリンタの駆動方法であって、印刷工程におけるヘッド駆動電圧と略同一の大きさの第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧とは逆電位であり、且つ、前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の大きさの第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有し、印刷工程に先立って、前記インクジェットヘッドを駆動する予備吐出時において、前記印刷工程の駆動周期と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の電圧印加手段を作動し、次に前記第1の電圧印加手段を作動する単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、より短い時間に予備吐出のためのヘッドの駆動を多く行うため、ノズル目詰まり回復のための効率が良く、上記の課題を解決することができる。
【0010】
そして、第1の電圧の値が、印刷工程におけるヘッド駆動電圧の値と略同一であり、第2の電圧の絶対値が、第1の電圧の絶対値より小さく、前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の電圧であることから、第1の電圧ではインクが吐出するが、第2の電圧ではインクが吐出しないため、たとえノズル部のインクの粘度が上昇しインクのリフィル速度が遅くなっても、インクの中に気泡が混入することが無く、不吐状態を招くことはない。更に第1の電圧を印加する前に、第2の電圧を印加することによって、前記圧力発生素子がPZT等の電気機械変換素子の場合には、ノズルにできたインクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下することにより、また前記圧力発生素子がサーマルヘッド等の電気熱変換素子の場合には、素子の発熱によりインクの粘度が低下することによって、インクが吐出し易くなり、ひいてはノズル目詰まり回復性が良くなるという効果を奏する。
【0011】
また、インクジェットヘッドが、少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、第2の電圧が、第1の電圧と逆電圧であることから、印刷工程に先だって行う予備吐出に於いて、第2の電圧を振動板と電極間に印加することにより残留電荷を消滅させている。このため、残留電荷による振動板の撓みはなくなり、振動板と電極との相対的変位量は低下しないため、第1の電圧を振動板と電極間に印加することにより行うインク吐出を効率よく行うことができ、上記の課題を解決することができる。
【0012】
また本発明は、少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するオンデマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズルからインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像等を印刷するインクジェットプリンタであって、印刷工程におけるヘッドの駆動電圧と略同一の大きさの第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧とは逆電位であり、且つ、前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の大きさの第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有し、印刷工程に先立って、前記印刷工程の駆動周期と略同一、又はより短い周期で複数回分前記第2の電圧印加手段を作動し、次に前記第1の電圧印加手段を作動する単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明に用いるインクジェットプリンタの一例について以下に説明する。図5は本発明に用いるインクジェットプリンタの実施例における動作部分の外観斜視略図である。201はインクジェットヘッド、202はインクジェットヘッド201を搭載するキャリッジ、203はキャリッジ202を支持し、印刷用紙220上を往復走査させるためのキャリッジ軸、204はインクジェットヘッド201に駆動信号を導通させるためのFPCである。220は被記録媒体であるところの印刷用紙、211は用紙220を案内する紙案内、210はプリンタ全体を支持するフレーム、213はモータ(図示されていない)へ駆動信号を入力するリード線とそのコネクタである。また、214はモータの回転を伝えるモータ歯車、215はキャリッジ202に嵌合し、モータ歯車214に係合してキャリッジ202を駆動するタイミングベルト、216a及び216bはタイミングベルト215を案内するプーリである。
【0017】
インクジェットヘッド201をキャリッジ202に搭載し、タイミングベルト215を介してモータにより、用紙220上を用紙幅方向に走査し、モータ信号と同期した信号により選択的にインクジェットヘッド201の任意のノズルを駆動させて、ドットを印刷することにより文字等の情報を印刷する。
【0018】
231は紙送り用の傘歯歯車で、232は紙送り歯車231の円筒上に彫られた紙送り駆動力の切り替えのための円筒カムである。217はモータ歯車214から紙送り歯車231に駆動力を伝達するための伝達歯車である。233は紙送りの切り替えレバーであり、234はレバー233に設けられ紙送り切り替えカム232に係合したカムフォロアピンである。235は紙送り用の動力を紙送り歯車231の円筒部側面から取り出すための紙送り動力伝達レバーであり、切り替えレバー233と係合し、紙送りローラ(図示せず)に所定の紙送り動力がキャリッジ202の往復動作に同期して与えられるよう構成されている。
【0019】
250はインク受け部で、251はインク受け部250に収納されたインク吸収体であり、フェルトや発泡ゴム等の多孔質材料等よりなる。インク吸収体251はフレーム210内にも通じて収納されており、十分なインク量を吸収してもプリンタ外部にはインクが漏出しないように設けられている。このインク吸収体251はインクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止する際に所定量のインクを吐出するノズル目詰まり回復処理動作時にインクを受ける為に設置されている。
【0020】
ノズル目詰まり回復処理動作ではキャリッジ202をインクジェットヘッド201のノズル部がインク受け部250に対向する位置までモータによりタイミングベルト215を介して移動させる。ノズル目詰まり回復処理動作により吐出されたインクはインク吸収体251に吸収されて収蔵される。
【0021】
更に、インク受け部250に隣接して、ノズルをキャップするキャッピング部を設置し、長期間の放置によってノズルの目詰まりが制御上の手段によっても回復できないほどに進行しないような構成にする事も可能である。
【0022】
図4は本発明の一実施例の機能構成図である。420はプリンタを作動可能にする電源スイッチであり、電源には一例としてAC電源を駆動源として用いてこれにDCレギュレーターが接続されている。401はノズル、圧力発生素子を有し、ノズルよりインク滴を吐出させる機能を有するインクジェットヘッドである。402はインクジェットヘッドを移動させたり、紙などの被記録媒体を移動させたりする機能を有する駆動モータである。404は計時手段で、時間の計測を行う。406はノズル目詰まりの回復処理を制御する回復処理手段である。
【0023】
また、410は印刷演算制御手段であり、パソコン等の外部指令装置からの印刷データをプリンタ言語に展開すると共に、印刷指令信号に基づき、インクジェットヘッド401及び駆動モータ402を印刷制御信号により制御し印刷制御を実行する。更に印刷演算制御手段410は、液晶パネル等からなる表示手段409の表示制御等を行うと共に、上記計時手段404を起動するための初期化信号を出力する。411は記憶手段であり、印刷演算制御手段が演算処理等をする時に用いるものであり、印刷データや展開されたプリンタ言語を一時記憶する。412も記憶手段であり、ノズル目詰まり回復処理に必要なデータや、計時手段404の計時結果を一時記憶する。
【0024】
一方、プリンタの電源が投入された時点や、印刷指令信号が入力された時点では一般的に長時間プリンタが使用されていない可能性が極めて高いので、この時点で回復処理手段406を作動し、インクジェットヘッド401及び駆動モータ402を制御して回復処理を行う。
【0025】
その回復処理と同時に、計時手段404をリセットする。計時手段404は所定の時間の計測を行い、その計時情報を回復処理手段406に伝達する。回復処理手段406は計時情報に基づいて、回復処理信号により、インクジェットヘッド401及び駆動モータ402を制御して回復処理を行う。一般に回復処理はインク受け部までキャリッジを移動して実行されるため駆動モータの制御が必要となる。しかしながら、記録紙の上に吐出しても、この後所定の紙送り動作を実行すれば印刷結果と混同することはないので必ずしも駆動モータの制御を必要としない。
【0026】
図1は本発明のインクジェットプリンタの制御方法の一例を示すフローチャートであり、(a)はメインルーチンを、(b)はサブルーチンを示している。
【0027】
プリンタの電源スイッチ420が投入されると、まず、ステップS0で回路、プリンタ機構部等のイニシャライズが実行される。ステップS1で未使用期間中に増粘したインクからの回復を促進するため、回復処理手段406を作動し、ノズル目詰まり回復処理動作を行う。ノズル目詰まり回復処理動作は図中ノズル目詰まり回復処理動作ルーチン(b)のステップSS1からSS3で示され、インクジェットヘッドの回復処理を行う一連の動作により示される。ステップSS1でインクジェットヘッドを搭載したキャリッジを待機位置より、インク吸収体が収納されたインク受け部へ移動する。次にステップSS2でノズル目詰まり回復処理を行う。ノズル目詰まり回復処理とは、インクジェットヘッドのノズル部で増粘したインク等の、インク吐出不良の原因となる不良インクを排出するために、全ノズルに対応する圧力発生素子を駆動することで、全てのノズルからインクを所定回数吐出させることである。通常、ノズル当たり、数発から数百発の吐出を行い、増粘した不良インクをノズル外に排出する。電源投入時は一般的に長時間ヘッドが使用されていない可能性が高いので、数百発という、ノズル目詰まり回復処理動作による回復可能な最大処理回数のインク吐出が実行される。ノズル目詰まり回復処理終了後、ステップSS3で再び待機位置へキャリッジを復帰させて、一連のノズル目詰まり回復処理動作を終了する。
【0028】
ノズル目詰まり回復処理動作終了後、計時手段404のリセットが行われ、所定時間を計測し始める。この計時はノズル目詰まり回復処理の必要な最低時間の経過を判断するためと、更にその時点からの経過時間を計測する。ステップS2で計時手段が所定の時間を計測したかどうか判断するために、タイマーアップ信号の発生の有無を判断する。ここで、タイマーアップ信号が発生していた場合には、ステップS8へ進み、ノズル目詰まり回復処理動作ルーチンに示されるノズル目詰まり回復処理動作を行って、ステップS3へ進む。ここで行うノズル目詰まり回復処理における吐出回数は、計時手段404の設定時間によって予め決められている。ステップS2でタイマーアップ信号が無かった場合には、ステップS3へ進む。ステップS3では印刷を行うか否かの判断を行う。印刷を行わない場合にはステップS2へ戻る。パソコン等からの印刷指令信号があり、印刷を行う場合には、ステップS4で、ノズル目詰まり回復処理動作ルーチンに示されるノズル目詰まり回復処理動作を行って、ステップS5で計時手段404をリセットする。ステップS6で、印刷を実行し、ステップS7でキャリッジを待機位置へ復帰させ、ステップS9で電源がON状態かどうか判断しON状態ならステップS2へ戻る。電源がOFFされていれば一連の動作を終了する。
【0029】
このようにして、本発明の一実施例によれば、電源投入直後にノズル目詰まり回復処理動作による回復処理をし、その後、印刷が行われなければ、所定時間毎に回復処理を行うことになる。又、印刷の直前にも回復処理を行う。
【0030】
電源投入時に一度回復処理を実行しておくので、プリンタを実際に使用する直前でのノズル目詰まり回復処理はきわめて短時間、及び小回数に抑制でき印刷待ち時間を抑制することが可能である。
【0031】
印刷直前のノズル目詰まり回復処理は、それ以前の未使用時間の間にインクジェットヘッドのノズル部で増粘したインク等の不良インクを排出するために行うものであるが、所定時間毎に回復処理を行っているため、印刷直前のノズル目詰まり回復処理時間、回数を更に抑制できる。
【0032】
電源投入直後に行うノズル目詰まり回復処理回数、所定時間毎に行うノズル目詰まり回復処理回数とその所定時間、印刷の直前に行うノズル目詰まり回復処理回数は、全て記憶手段412にテーブルとして記憶されていて、回復処理手段406はこのデータに基づいて、ノズル目詰まり回復処理回数と所定時間を設定する。
【0033】
またノズルのキャッピング機構やポンピング機構と組み合わせることにより更に信頼性を高めることができる。本実施例においては、プリンタの電源投入直後と所定時間毎にノズル目詰まり回復処理を行っているが、キャッピング機構やポンピング機構を有する場合には、これらのノズル目詰まり回復処理を実施しない場合もある。
【0034】
図2は、本発明のプリンタの動作を記述したタイミングチャートである。40aは電源の状態を、40bは計時手段のカウント状態、すなわちタイマー信号を示している。図中一点鎖線40fはタイマー信号40bのタイマーアップ時間を示し、タイマー信号40bが時間あるいはクロックを計数する所定の値を示している。
【0035】
40cはタイマーアップした時に計時手段により出されるタイマーアップ信号である。また、40dは印刷信号を、40eはノズル目詰まり回復処理信号を示している。電源投入a41後、ノズル目詰まり回復処理動作e31によりノズル目詰まり回復処理を行う。次に所定時間内に印刷信号40dがなく、印刷が行われないのでタイマーアップ信号40cはタイマーアップc41を発生し、ノズル目詰まり回復処理e42が実行される。その後間もなく、印刷d41が行われ、この印刷の最初に印刷信号により計時手段はリセットされると共に、ノズル目詰まり回復処理動作e51が実行される。以降、印刷信号40dが長時間なければタイマーアップc42、c43、c44毎にノズル目詰まり回復処理動作e43、e44、e45が実行される。
【0036】
ここで前述のタイマーアップ時間40fが短いと、頻繁にノズル目詰まり回復処理を行うため、これに消費されるインク量が多くなり、印刷に使えるインク量が少なくなるため、1つのヘッドないし、1つのカートリッジ当たりの印刷可能文字数が低下する。更にキャリッジを移動するためこれに要するエネルギー消費が無視できない。またタイマーアップ時間40fが余り長いとノズル部分における不良インク量が多くなり、印刷直前の回復処理回数が大幅に多くなり、印刷待ち時間が長くなる。このため、タイマーアップ時間40fは放置によるインクジェットヘッドのノズル内のインクの粘度の増加が印刷直前の回復処理により回復可能となる時間以内に設定される。言い換えると、タイマーアップ信号40cによるノズル目詰まり回復処理動作e42、e43、e44、e45、e46での消費インク量と、印刷信号40dによるノズル目詰まり回復処理動作e51、e52での消費インク量の総和が最少になるように設定される。本実施例では、タイマーアップまでの所定時間を60分間とし、吐出回数をノズル当り3回から10回の単位回復処理工程としている。
【0037】
長時間印刷を行わない場合、ノズル部でのインクの増粘が生ずるので、上記のようにタイマーアップ毎にノズル目詰まり回復処理動作による回復処理を行うことにより、安定したインク吐出を行い、優れた印刷品質を確保することができるのである。
【0038】
上記印刷信号による計時手段のリセットには一連の印刷データの最初に発生する信号であっても良いし、一行に一回発生する信号であっても良い。更に印刷終了時の印刷終了信号でも良い。これらは印刷演算制御手段の処理によって任意に選択可能である。上記実施例では一連の印刷の最初の信号を用いている。
【0039】
ここで本実施例におけるノズル目詰まり回復処理信号によるヘッド駆動方法の基本的考え方を、図3のタイミングチャートを用いて更に詳細に説明する。図3のタイミングパルス310は、ヘッド駆動の基本となるタイミングパルス波形であり、所定の周期T0でパルスt1、t2、t3、t4、t5…が出力されている。印刷におけるヘッド駆動は、パルスt1、t2、t3…に基づき行われる。すなわち印刷において連続してインク滴を吐出する場合には、t1、t2、t3、t4、t5…と周期T0でインク滴を吐出する。また時間をあけてインク滴を吐出する場合には、例えばt1、 t5とT0の4倍の周期でインク滴を吐出する。311はノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号であり、便宜的に縦軸はヘッド駆動電圧を示す。一定周期T1で出力されるノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3、f4のヘッ ド駆動電圧は、印刷の際のヘッド駆動電圧と同じVHであり、その間にタイミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル目詰まり回復処理信号f11、 f12、f13、f21、f22、f23、f31、f32、f33、f41、f42、f43のヘッド駆動電圧は、VHより小さいVLである。すなわち図のようにタイミングパルス波形の周期と同じT0で駆動電圧VLで3回ヘッドを駆動し、更に周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VHで1回ヘッドを駆動する。この一連の動作を周期T1で4回繰り返す。
【0040】
こうすることにより、f11、f12、f13のヘッド駆動電圧VLはVHより小さいため、吐出インク量が小さく、予備吐出による無駄なインク消費量は少なくなる。
【0041】
更にヘッド駆動電圧VLをインクを吐出させない最大値とする場合には、予備吐出による無駄なインク消費量は更に少なくなると共に、f11、f12、f13のヘッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下するか、素子の発熱によりインクが加熱され、インクの粘度が低下することによりインクが吐出し易くなり、f1信号のヘッド駆動によるインクの吐出において、より効率よくノズル目詰まり回復がなされる。この場合更に、インクの溶媒である水分等が蒸発することで、たとえノズル部のインクの粘度が上昇しても、上記理由でインクが活性化されているため、インクのリフィル速度が遅くなることによるインクへの気泡の混入が無く、不吐状態を招くことはない。
【0042】
本実施例においては、ノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13等の周期を印刷におけるヘッド駆動信号の周期T0と同一にしたが、これより短くしても構わない。またノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3、f4それぞれの前のヘッド駆動を、信号f11、f12、f13等と3回実施したが、3回にこだわることはなく、2回以上であれば何回でも構わない。更に印加電圧がVLであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13と印加電圧がVHであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f1の単位回復処理工程を4回行ったが、2回以上何回でも構わない。これらの周期と処理回数は、ノズル部におけるインクの増粘のし易さ(インクの溶媒の蒸発のし易さ)、インクジェットヘッドのインク吐出性能、ノズル目詰まり回復処理で消費できるインク量、ノズル目詰まり回復処理に当てられる時間等から決定される。
【0043】
図6は本発明の一実施例のインクジェットプリンタに用いるインクジェットヘッドの振動部すなわちアクチュエータ部の分解斜視図である。インクジェットヘッド10は次に詳述する構造を持つ3枚の基板1、2、3を重ねて接合した積層構造となっている。
【0044】
中間の第1の基板1は、シリコンウエハーからできており、複数のノズル孔4を構成するように、基板1の表面に一端より平行に等間隔で形成された複数のノズル溝11と、各々のノズル溝11に連通し、底壁を振動板5とする吐出室6を構成することになる凹部12と、インク流入口のための細溝13と、各々の吐出室6にインクを供給するための共通のインクキャビティ8を構成することになる凹部14とがあらかじめ形成される。また、振動板5の下面には、シリコンの熱酸化により絶縁層(図6においては図示せず)が形成され、更に下部には電極を被着し振動室9を構成することになる凹部15が設けられている。
【0045】
また、第1の基板1には共通電極17が付与されているが、共通電極17の材料として、本実施例ではクロムを下付けとした金を使用しているが、これに限定されるものではなく、シリコンウエハー及び電極材料の特性により別の組合わせでもよい。また、本実施例で用いられるシリコンウエハーの抵抗率は8〜12Ωcmである。
【0046】
第1の基板1の下面に接合される第2の基板2にはホウ珪酸系ガラスを使用し、この第2の基板2の接合によって振動室9を構成するとともに、第2の基板2上の振動板5に対応する各々の位置に、金を略0.1μmスパッタリングにより被着し、振動板5とほぼ同じ形状に金パターンを形成して個別電極21としている。個別電極21はリード部22と端子部23を持つ。更に、電極端子部を除きパイレックスガラスのスパッタ膜を全面に0.2μm被覆して絶縁層24を形成し、インクジェットヘッド駆動時の絶縁破壊、ショートを防止するための膜を形成している。
【0047】
第1の基板1の上面に接合される第3の基板3は、第2の基板2と同じくホウ珪酸系ガラスを用いている。この第3の基板3の接合によって、ノズル孔4、吐出室6、オリフィス7及びインクキャビティ8が構成される。そして、第3の基板3にはインクキャビティ8に連通するインク供給口31が設けられる。インク供給口31はパイプ32及びチューブ33を介して図示しないインクタンクに接続される。
【0048】
次に、第1の基板1と第2の基板2を適当な位置で重ね合わせた後、300〜500℃の周囲温度において、500〜800Vの電圧を印加し、いわゆる陽極接合し、また同条件で第1の基板1と第3の基板3を接合し、インクジェットヘッドを組み立てる。陽極接合後に、振動板5と第2の基板2上の個別電極21との間の間隔は、凹部15の深さと個別電極21の厚さとの差であり、本実施例では0.5μmとしてある。また、振動板5と個別電極21上の絶縁層24との空隙間隔は0.3μmとなっている。
【0049】
上記のように構成されたアクチュエータ部を固定するように外装部品で被ってインクジェットヘッドと成し、図示しないインクタンクよりインク供給口31を経て第1の基板1の内部、インクキャビティ8、吐出室6、ノズル孔4等にインクを供給すると共に、共通電極17と個別電極21の端子部23にそれぞれFPC204の端子部を結線し、ヘッド制御部102に接続する。ヘッド制御部102は、図4に示す印刷演算制御手段、回復処理手段等から構成されている。このようにして構成したインクジェットヘッドを図5に斜視外観を、図4に機能構成を示すインクジェットプリンタに搭載し、図1のフローチャートに示す制御方法と図2のタイミングチャートに従って駆動する。
【0050】
次に上記のように構成された本実施例のインクジェットヘッドのアクチュエータ部の電気的接続について説明する。
【0051】
金属−絶縁層−半導体層からなる構造、いわゆるMIS構造において、印加電圧の極性により、電流の値に大きな差がある場合と差のない場合が生ずることが、空間電荷層(空乏層ともいう)の影響から現象として知られている。基板材質である半導体がP形シリコンの場合は、基板電極側にプラス電圧をかけた時は導体とみなせるが、マイナス電圧をかけた時は空間電荷層の存在により導体とはみなせずに容量を持つことがわかっている。
【0052】
図7及び図8は本実施例におけるインクジェットヘッドの駆動原理を示す振動板5と個別電極21の部分の動作説明図であり、電荷の様子を模式化して示したものである。第1の基板1にP形シリコンを用い、第1の基板1(振動板5)側、すなわち共通電極17をプラス極性、個別電極21側をマイナス極性になるように駆動回路102に接続し、パルス電圧を印加した場合である。
【0053】
P形シリコンはボロンをドープしており、電子がドープされたボロンの数だけ不足するので、ドープ量と等しい正孔を持っていることが知られている。P形シリコン中の正孔19は共通電極17のプラス電荷により、絶縁層26側へ反発させられる。この正孔19の移動により、アクセプター(イオン化したボロン)は、共通電極17から電荷の供給を受けるので、第1の基板1内には正孔の流れが生じ、空間電荷層を発生せず導体とみなすことができる。また個別電極21側はマイナス電荷が帯電され、この結果、印加したパルス電圧が振動板5を撓ませるに充分な静電気による吸引力を発生する。したがって、振動板5は個別電極21側へ撓むことになる。
【0054】
次に振動板と個別電極との間にある誘電体の残留電荷について説明する。前述したように振動板5は半導体であり、共通電極17は金属で形成され、それらは、オーミック接続されている。
【0055】
この振動板5は絶縁層26で覆われている。そして、個別電極21に形成された絶縁層24はギャップ16を介して絶縁層26と対向しており、これらの絶縁層26、ギャップ16及び絶縁層24は全体として絶縁層27を形成している。従って、ここでは振動板5と個別電極21とによって構成される平行平板コンデンサ内に誘電体が介在したモデルとしてとらえることができる。誘電体は保護膜絶縁層24,26に相当する。平行平板に電圧を印加すると、誘電体は印加電界を打ち消すような方向の(電界とは逆方向に)分極を発生する。この分極のほとんどは印加電圧を切り、コンデンサに蓄えられた電荷を抵抗を介して放電すると短い時間で消滅する。放電後から分極が消滅するまでの遅れ時間を緩和時間といい、分極の種類によって大きく異なる。
【0056】
本実施例の振動板5と個別電極21の内部の誘電体(絶縁層)の分極の場合には、緩和時間の短い原子分極や電子分極以外に、イオン分極や界面分極と呼ばれる比較的分極緩和時間の長い分極成分を含んでいる。イオン分極は絶縁層内部のNa+,K+,B+等が印加電界に沿って移動することによって発生するものであり、界面分極は、誘電体が不均質構造である場合、誘電率の異なる媒質が接触する境界面に発生する分極であり、酸化シリコンと純シリコンの境界面に生ずるものである。このため、本実施例の振動板5と個別電極21の内部の誘電体(24,26)は、電界の繰返し印加もしくは長時間の連続印加により分極の一部が完全に消失せず分極が長時間にわたって残る。これにより誘電体は残留分極を有するようになり、振動板5−電極21間に残留する分極が作り出す残留電界Pが振動板5と個別電極21とのギャップを小さくし結果として相対変位量の低下を招く。
【0057】
このような振動板5と個別電極21との相対変位量の低下は、インク滴の吐出量や吐出スピードの低下等の吐出不良の原因となり、インクジェットプリンタの信頼性や印刷品質に悪影響を及ぼしてしまう。また、一度吐出不良が発生したノズルではインクの粘度が徐々に増加し、通常の吐出動作では、増粘したインクを排出することができなくなってしまう。この相対変位量の低下は、ノズル目詰まり回復処理のための予備吐出中においても発生する。そこで、本実施例においては後述するように、振動板5と個別電極21との間に予備吐出とは逆方向の電界の印加を施すことにより、上述の残留電荷を消滅させ、ノズル目詰まり回復処理の効果を向上させている。
【0058】
本実施例におけるノズル目詰まり回復処理信号によるヘッド駆動方法を、図3のタイミングチャートを用いて説明する。図3における312が、本実施例におけるノズル目詰まり回復処理の為のヘッド駆動信号であり、信号311と同様に、便宜的に縦軸はヘッド駆動電圧を示す。一定周期T2で出力されるノズル目詰まり回復処理信号g1、g2、g3のヘッド駆動電圧は、印刷の際のヘッド駆動電圧と同じVHであり、その間にタイミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル目詰まり回復処理信号g11、g12、g13、g14、g21、g22、g23、g24、g31、g32、g33、g34のヘッド駆動電圧は、VHより小さく逆電位のVLLである。すなわち図のようにタイミングパルス波形の周期と同じT0で駆動電圧VLLで4回ヘッドを駆動し、更に周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VHで1回ヘッドを駆動する。この一連の動作を周期T2で3回繰り返す。
【0059】
こうすることにより、g1のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g21、g22、g23、g24のヘッド駆動により消滅させ、同様にg2のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g31、g32、g33、g34のヘッド駆動により消滅させることにより、ノズル目詰まり回復処理信号g2、g3によるヘッド駆動において、振動板5と個別電極21との相対変位量は低下することなく、本来の吐出量やインクスピードのインク滴が吐出されるため、ノズル目詰まり回復処理の効果が向上する。更に前述した予備吐出による無駄なインク消費量は少ないこと、g21、g22、g23、g24のヘッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下することによりインクが吐出し易くなり、g1、g2、g3信号のヘッド駆動によるインクの吐出において、より効率よくノズル目詰まり回復がなされること、インクのリフィル速度が遅くなることによるインクへの気泡の混入が無く、不吐状態を招くことが無いこと等の効果を合わせて持つ。
【0060】
本実施例においては、ノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g21、g22、g23、g24等の周期を印刷におけるヘッド駆動信号の周期T0と同一にしたが、これより短くしても構わない。またノズル目詰まり回復処理信号g1、g2、g3それぞれの前のヘッド駆動を、信号g11、g12、g13、g14等と4回実施したが、4回にこだわることはなく、2回以上であれば何回でも構わない。更に印加電圧がVLLであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g11、g12、g13、g14と印加電圧がVHであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g1から構成される単位回復処理工程を3回行ったが、2回以上何回でも構わない。これらの周期と処理回数は、ノズル部におけるインクの増粘のし易さ(インクの溶媒の蒸発のし易さ)、インクジェットヘッドのインク吐出性能、ノズル目詰まり回復処理で消費できるインク量、ノズル目詰まり回復処理に当てられる時間等から決定される。
【0061】
図9は、本発明の参考例を示すものであり、ノズル目詰まり回復処理信号によるヘッド駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0062】
図9のタイミングパルス310は、ヘッド駆動の基本となるタイミングパルス波形であり、所定の周期T0でパルスt1、t2、t3、t4、t5…が出力されている。印刷におけるヘッド駆動は、パルスt1、t2、t3…に基づき行われる。すなわち印刷において連続してインク滴を吐出する場合には、t1、t2、t3、t4、t5…と周期T0でインク滴を吐出する。また時間をあけてインク滴を吐出する場合には、例えばt1、 t5とT0の4倍の周期でインク滴を吐出する。313はノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号であり、便宜的に縦軸はヘッド駆動電圧を示す。一定周期T1で出力されるノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3のヘッド駆動電圧は、印刷の際のヘッド駆動電圧と同じVHであり、その前にタイミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル目詰まり回復処理信号f11、f12、f13、f21、f22、f23、f31、f32、f33のヘッド駆動電圧は、VHより小さいVLである。また、信号f1、f2、f3の後にタイミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル目詰まり回復処理信号g11、g12、g21、g22、g31、g32のヘッド駆動電圧は、VHより小さく逆電位のVLLで ある。すなわち図のようにタイミングパルス波形の周期と同じT0で駆動電圧VLで3回ヘッドを駆動し、更に周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VHで1回ヘッドを駆動し、更に周期T0後に、タイミングパルス波形の周期と同じT0で駆動電圧VLLで2回ヘッドを駆動する。この一連の動作を周期T1で3回繰り返す。
【0063】
こうすることにより、f11、f12、f13のヘッド駆動電圧VLはVHより小さいため、吐出インク量が小さく、予備吐出による無駄なインク消費量は少なくなる。
【0064】
更にヘッド駆動電圧VLをインクを吐出させない最大値とする場合には、予備吐出による無駄なインク消費量は更に少なくなると共に、f11、f12、f13のヘッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下するため、インクが吐出し易くなり、f1信号のヘッド駆動によるインクの吐出において、より効率よくノズル目詰まり回復がなされる。この場合更に、インクの溶媒である水分等が蒸発することで、たとえノズル部のインクの粘度が上昇しても、上記理由でインクが活性化されているため、インクのリフィル速度が遅くなることによるインクへの気泡の混入が無く、不吐状態を招くことはない。
【0065】
また更にf11、f12、f13とf1信号のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g11、g12のヘッド駆動により消滅させ、f21、f22、f23とf2信号のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g21、g22のヘッド駆動により消滅させることにより、ノズル目詰まり回復処理信号f2、f3によるヘッド駆動において、振動板5と個別電極21との相対変位量は低下することなく、本来の吐出量やインクスピードのインク滴が吐出されるため、ノズル目詰まり回復処理の効果が向上する。
【0066】
またヘッド駆動電圧VLLをインクを吐出させない最大値とする場合には、予備吐出による無駄なインク消費量は更に少なくなる。
【0067】
本参考例においては、ノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13やg21、g22等の周期を印刷におけるヘッド駆動信号の周期T0と同一にしたが、これより短くしても構わない。またノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3それぞれの前のヘッド駆動を、信号f11、f12、f13等と3回実施したが、3回にこだわることはなく、2回以上であれば何回でも構わない。またノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3それぞれの後のヘッド駆動を、信号g11、g12等と2回実施したが、2回にこだわることはなく、1回以上であれば何回でも構わない。更に印加電圧がVLであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13と印加電圧がVHであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f1と印加電圧がVLLであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g11、g12から構成される単位回復処理工程を3回行ったが、2回以上何回でも構わない。これらの周期と処理回数は、ノズル部におけるインクの増粘のし易さ(インクの溶媒の蒸発のし易さ)、インクジェットヘッドのインク吐出性能、ノズル目詰まり回復処理で消費できるインク量、ノズル目詰まり回復処理に当てられる時間等から決定される。
【0068】
図3、図9に示すヘッド駆動信号311、313は、以下に説明する駆動回路によって生成することができる。図10は、図6のインクジェットヘッド10を駆動するためのドライバ102の主要部分を示す回路図である。なお、図11は、図10の回路図の入力信号と出力電圧を示す論理図である。
【0069】
図中、180は、印刷データ、もしくは予備吐出データに基づいてヘッド側に出力されるデータ信号D1〜Dnに従って、各ノズルN1〜Nnに駆動信号を与えるための駆動パルス生成回路である。
【0070】
駆動パルス生成回路180では、所定幅のパルス幅をもつタイミングパルスTpが各NAND素子181の一方の入力端子に入力され、データ信号D1〜DnをNOT素子182で反転したものが、各NAND素子181の他方の入力端子に入力される。
【0071】
ドライバ102は、共通電極17側を駆動するためのドライバ190aと、データ信号D1〜Dnに従って、各個別電極21を駆動するための190bとから構成される。ドライバ190aは、共通電極17側の電圧をV1とGND(0V)に切り換え、ドライバ190bは、個別電極21側の電圧をV2とGND(0V)に切り換える機能を有する。従って、対向電極間(振動板5−個別電極21間)には、V1、V1−V2の2種類の電圧を印加することが可能である(0Vを含むと3種類)。ドライバ190aは、主として、トランジスタQ1、Q2、抵抗R1、R2とからなり、その入力端子にはタイミングパルスTpが入力される。タイミングパルスTpがON状態(H論理)に切り換わると、トランジスタQ1がONし、共通電極17側に電圧V1が印加される。タイミングパルスTpがOFF状態(L論理)になると、トランジスタQ1がOFFし、同時にトランジスタQ2がONし、共通電極17はGND(0V)に接続する。
【0072】
一方、ドライバ190bは、主としてトランジスタQ3、Q4、抵抗R3、R4とからなる回路が、各個別電極21の本数分(n個)設けられている。ドライバ190bの各入力端子は、駆動パルス生成回路180の各出力端子に接続されている。X番目のノズルNxに着目すると、ノズルNxのデータDxがH論理にあるとき、即ち、ノズルNxから吐出を行おうとするとき、タイミングパルスTpがON状態(H論理)に切り換わると、トランジスタQ4がONし、対応する個別電極10xは、GNDに接続する。
【0073】
また、ノズルNxのデータDxがL論理にあるとき、即ち、ノズルNxから吐出しないとき、タイミングパルスTpがON状態(H論理)に切り換わると、トランジスタQ3がONし、対応する個別電極10xには、電圧V2が印加される。
【0074】
以上、タイミングパルスTp、データ信号Dxと、対向電極間の電位の関係をまとめると図12のようになる。即ち、2種類の電圧V1、V1−V2を対向電極間(振動板5−個別電極21間)に印加することが可能となる。
【0075】
このように、インクジェットヘッドには、共通端子に印加される電気パルスと、セグメント端子に印加される電気パルスの差分が印加されることになる。各電気パルスは、各駆動手段によって、独立してインクジェットヘッドに印加されるため、複雑な制御を行うことなく振幅の異なる2つの電気パルスを選択的に印加できる。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ノズル目詰まり回復のための予備吐出において、ノズル内のインクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下するか、素子の発熱によりインクが加熱され、インクの粘度が低下することによりインクが吐出し易くなり、より効率よくノズル目詰まり回復がなされる。よって、インクジェットヘッドの状態に対応して最適なノズル回復処理が実行され、極めて効率的に、ノズルの目詰まり防止、あるいは回復処理を実行することが可能となった。
【0077】
また本発明によれば、インクの溶媒である水分等が蒸発することで、たとえノズル部のインクの粘度が上昇していても、インクが活性化されているため、インクのリフィル速度が遅くならず、インクへの気泡の混入による不吐状態を招くことが無くなった。
【0078】
更に本発明によれば、回復処理時の余計なインク消費を抑制できるようになった。
【0079】
また本発明によれば、印刷工程の直前に、ノズル目詰まり回復のためのインク吐出を実行することにより、ノズルの回復あるいは目詰まり防止を達成し、ノズル近傍のインクを均一化し、印字ドットの形成を常に安定化することが可能となった。
【0080】
本発明によれば、個別電極とこれに対向して配置された振動板との間に静電引力を働かせてインク吐出を行うインクジェットヘッドにおいて、ノズル目詰まり回復のための予備吐出を、アクチュエータの残留電荷を除去しながら実行することにより、予備吐出におけるインク滴の吐出量や吐出速度が安定し、ノズルの回復あるいは目詰まり防止と振動板の復元とを同時に達成し、ノズル近傍のインクを均一化し振動板と個別電極との相対変位量の低下を防止し、ドットの形成を常に安定化することが可能となった。これにより、長寿命で消費電力が少ないという優れた特徴を有する静電アクチュエータを応用した実用的な印刷装置を提供することが可能となった。
【0081】
更に、以上の効果の結果、ローコストのインクジェットプリンタに最適な処理装置を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のインクジェットプリンタの制御方法を示したフローチャートである。
【図2】 前記実施例のインクジェットプリンタの動作を記述したタイミングチャートである。
【図3】 前記実施例のインクジェットヘッドの駆動を記述したタイミングチャートである。
【図4】 前記実施例のインクジェットプリンタの機能構成図である。
【図5】 本発明の一実施例のインクジェットプリンタの外観斜視略図である。
【図6】 本発明の一実施例のインクジェットプリンタに用いるインクジェットヘッドのアクチュエータ部の分解斜視図である。
【図7】 本実施例におけるインクジェットヘッドの駆動原理を示す振動板と個別電極の部分の動作説明図である。
【図8】 本実施例におけるインクジェットヘッドの駆動原理を示す振動板と個別電極の部分の動作説明図である。
【図9】 本発明の参考例のインクジェットヘッドの駆動を記述したタイミングチャートである。
【図10】 本発明に適用される駆動回路の一実施例を示す回路図である。
【図11】 図10の回路図の入力信号と出力電圧を示す論理図である。
【符号の説明】
201 インクジェットヘッド
202 キャリッジ
203 キャリッジ軸
204 FPC
210 フレーム
211 紙案内
220 印刷用紙
250 インク受け部
251 インク吸収体
310 ヘッド駆動のタイミングパルス波形
311 ノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号
312 ノズル目詰まり回復処理における別のヘッド駆動信号

Claims (3)

  1. 少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するオンデマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズルからインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像等を印刷するインクジェットプリンタの駆動方法であって、
    印刷工程におけるヘッド駆動電圧と略同一の大きさの第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧とは逆電位であり、且つ、前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の大きさの第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有し、
    印刷工程に先立って、前記インクジェットヘッドを駆動する予備吐出時において、前記印刷工程の駆動周期と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の電圧印加手段を作動し、次に前記第1の電圧印加手段を作動する単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴とするインクジェットプリンタの駆動方法。
  2. 少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するオンデマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズルからインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像等を印刷するインクジェットプリンタにおいて、印刷工程におけるヘッド駆動電圧と略同一の大きさの第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧とは逆電位であり、且つ、前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の大きさの第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段と、印刷工程に先立って、前記印刷工程の駆動周期と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の電圧印加手段を作動し、次に前記第1の電圧印加手段を作動する単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行する回復処理手段とを有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクジェットプリンタが印刷指令を受信後、該印刷指令に基づく印刷工程に先立って、前記単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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