JP3959236B2 - 可変容量ターボ過給機 - Google Patents

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Description

技術分野
この発明は、タービン室内にタービン翼車を囲繞して回動可能なガイドベーンが複数配置され、タービン室を区画する両側壁とガイドベーンとの間の隙間を保持する保持機能を有する可変容量ターボ過給機に関する。
技術背景
従来の可変容量ターボ過給機のタービンにおいては、タービン室を区画する両側壁の熱変形によるガイドベーンのスティック(動かなくなること)を防止するために、両側壁とガイドベーンとの間に隙間を設ける必要があり、この隙間が大きくなるとタービン効率の低下を引き起こす問題があった。
特公平7−13468号公報では、ロッド状の流路スペーサを具備した可変タービンノズルの実施態様が示されており、流路スペーサが羽根全体の半径方向外側縁部に配設され、軸長が羽根の軸長より僅かに長手にされている。また一方の流路スペーサは好ましくはノズルリングに設けられた穴部内にプレス嵌めされ固定される。別の流路スペーサが少なくとも3個、等間隔離間させ、且つノズルリングと内側壁との間に所定の空間を与えるように配設されている。
また、特開平2−196131号公報では、過給機のタービン室内にタービン翼車を囲繞して複数のガイドベーンを配置し、これらガイドベーンの少なくとも一つをタービン室の両側壁間に固定し、他のガイドベーンを翼角調節自在に構成している。このような構成により、タービン室両側壁と可動ガイドベーンとの間の隙間を最小に保つことができ、高いタービン効率を保持することができる。
しかし、特公平7−13468号公報に記載されたロッド状の流路スペーサを用いた場合、ガスの流れに対して各流路スペーサの背後に剥離領域を形成し、流体的なエネルギーの損失を生じる。さらに、剥離領域は下流側に後流となって伸び、タービン翼車入口位置での平均流速の減少及び、周方向に不均一な流速分布を生じることにより、タービン効率の低下を招くという問題がある。また、ガイドベーンの回動角度によっては、流路スペーサとガイドベーン間の流れがガイドベーンに沿わず、ガイドベーンの内側に剥離領域が形成される状態となる。このとき、剥離領域を伴うガイドベーンから後の流は下流側に長さを増し、それによって一層タービン効率が低下する。
また、特開平2−196131号公報では、ガスの流れについては言及されておらず、前記剥離領域を考慮したガイドベーンの形状や寸法については記載が無い。
発明の開示
本発明の目的は、ガスの流れが流路スペーサの背後とガイドベーン内側で剥離することを抑制し、流体的なエネルギー損失の低減、およびタービン翼車入口位置における均一かつ高い平均流速の分布の実現により、高効率の可変容量ターボ過給機を提供することにある。
本発明は、流路スペーサの外周の一部に嘴状の突起部を配し、この突起部をタービン翼車側に所定の角度で突出させるか、又は、流路スペーサを可動な構造とする。或いは流路スペーサの外周の一部にロッド状部材を配し、このロッド状部材を前記タービン翼車側に所定の角度で隣接させる。或いは、流路スペーサの外周の一部に回転軸から前縁側を削除したガイドベーンを配し、その回転軸を前記タービン翼車側に所定の角度で隣接させる。このことによって、ガスの流れが流路スペーサの背後およびガイドベーン内側で剥離することを抑制し、高いタービン効率が得られる。
また、タービン室を区画するケーシング、及び、ガイドベーン台の材料として炭素含有量の少ない耐熱鋳鋼を使用し、流路スペーサの代わりに、タービン室を区画するケーシング、及び、ガイドベーン台の両側壁自体がガイドベーンとの間の隙間を最小に保つ構造とする。これによって、流路スペーサに起因して生じるガスの剥離を無くすことができ、高いタービン効率が得られる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
第1図は、本発明の可変容量ターボ過給機タービン部の一実施例を示したものである。
このタービン部は、ケーシング1と、ケーシング1内に配設された回動可能なガイドベーン2と、ガイドベーン2のピッチ間に配設された外形が円柱状の流路スペーサ3と、流路スペーサ3の外周の一部に位置する嘴状突起部4と、ガイドベーン2、流路スペーサ3および嘴状突起部4の内側に位置するタービン翼車5とから構成される。この嘴状突起部4はその突起部を、所定の角度θ=45°でタービン翼車5側に突出させた配置となっている。ここで角度θは、タービン翼車5の軸中心O、流路スペーサ3の中心O’および嘴状突起部4の突起先端部Pによって形成される∠OO’Pの大きさで定義される。この角度θは15°<θ<75°の範囲であれば剥離の発生を抑制できるが、好ましくは本実施例のように略θ=45°とすればよい。
各ガイドベーン2は、ガイドベーン台6外に延出した回転軸7によって支持されており、外部の駆動機構(図示せず)によって回転軸7と共に回動される。本実施例ではタービン翼車5の外径はφ40mm程度、ガイドベーン2の回転軸7の軸中心とタービン翼車5の軸中心Oの距離は35mm程度である。また、流路スペーサ3の中心O’とタービン翼車5の軸中心Oの距離は38mm程度である。
ガイドベーン2の翼弦長は20mm程度、最大ベーン厚さは3mm程度である。ケーシング1やガイドベーン台6の熱変形による応力を考慮して、流路スペーサ3の外径はφ9mm程度としている。また、嘴状突起部4の幅Cおよび長さLは、流路スペーサ3の外径程度である。流路スペーサ3の個数は3個であり、周方向に3等分割した位置にある。9枚のガイドベーン2のうち3枚ずつが周期対称的に配置されており、ガイドベーン2は全体として不等ピッチとなっている。
第2図には第1図におけるA−A’断面を示す。ボルト8はガイドベーン台6および流路スペーサ3を貫通し、流路スペーサ3を挟んで対向するケーシング1に締結される。流路スペーサ3とボルト8の材料には、ガイドベーン2と同一の線膨張係数である材料(例えばSCH22(JIS規格))を用いている。流路スペーサ3の幅hsはガイドベーン2の幅hnよりも僅かに大きく設計されており、タービン室を区画するケーシング1およびガイドベーン台6の両側壁とガイドベーン2との間の隙間が最小に保たれる。
第3図は、第1図におけるB−B’断面中における流路スペーサ3の周辺を示す。ケーシング1およびガイドベーン台6の側壁には、各々hc、hgの深さの穴が設けられている。円柱状のピン9は、嘴状突起部4を貫通し、その両端部が各穴に挿設されている。これにより、嘴状突起部4はタービン室内に固定され、前述の角度θはピン9の位置によって決まる。嘴状突起部4の幅hfは流路スペーサ3の幅hsより小さく、前記のガイドベーン2の幅hnと同程度となっている。また、ピン9の長さhpは流路スペーサ3の幅hsより大きく、幅(hs+hc+hg)よりも小さい。
嘴状突起部4を支持するのはピン9のみであるが、第1図に示すように嘴状突起部4の一部は流路スペーサ3の円柱状の外周に沿って密着する構造となっており、ピン9を中心として大きく振れ回ることはない。なお、ケーシング1側壁或いはガイドベーン台6側壁のいずれか一方を利用して嘴状突起部4を支持してもよい。また、ピン9の代わりに、ネジや溶接によって嘴状突起部4を支持してもよい。
第1図において、ケーシング1入口より導入されたガスは、ガイドベーン2同士の間、或いはガイドベーン2と流路スペーサ3の間を流路としてタービン翼車5に導かれる。ガイドベーン2の回動角度を変えることによってガイドベーン2同士の間の流路幅Wnと、ガイドベーン2と流路スペーサ3との間の流路幅Wsを同時に小さくでき、ガスを増速させてタービン翼車5に流入させることができる。これによりタービン翼車5の回転数が上昇し、同時にタービン翼車5と同軸のコンプレッサ翼車(図示せず)も高回転となるため過給効果が得られる。
本実施例では、外形が円柱状である流路スペーサ3の外周の一部に嘴状の突起部4を配しているが、これを用いない従来の場合、第4図に示すように、ケーシング1の入口からのガスの流れに対して流路スペーサ3の背後に剥離領域Rsが形成される。また、第4図のように流路スペーサ3にガイドベーンの前縁2aが近づいた状態では、流路スペーサ3とガイドベーン2間の流れが、ガイドベーン2に沿わずガイドベーン2の内側にも剥離領域Rnが形成される。このような流れの剥離による流体的なエネルギーの損失は、タービン効率低下の一因となっている。さらに、流路スペーサ3或いはガイドベーン2で生じた剥離領域からは低流速の後流が下流側に長く伸びる。このため、第5図に示すようにタービン翼車5の入口位置における周方向の流速分布は低流速のピークXを持った不均一な分布となる。このため、タービン翼車5での損失が増大し、高いタービン効率が得られない。
第6図には、本実施例における流路スペーサ3およびガイドベーン2周辺のガスの流れの状態を示す。本実施例では嘴状突起部4を設けることにより、流路スペーサ3の背後における剥離領域の発生を防ぐことができる。また、流路スペーサ3にガイドベーンの前縁2aが近づいた状態においても、嘴状突起部4が流路スペーサ3とガイドベーン2間の流れをガイドベーン2側に押しやり、流れがガイドベーン2の内側に沿うために剥離領域は形成されない。従って、流れの剥離により流体的なエネルギーの損失が生じることを回避できる。さらに、剥離領域が生じないことにより、流路スペーサ3或いはガイドベーン2からの後流の長さが抑制される。その結果、低流速のピークXが小さくなり、第5図のように、タービン翼車5入口位置における周方向の流速分布は、従来よりも均一な分布となるため、タービン翼車5での損失が減少する。また、タービン翼車5入口位置における周方向の平均流速が増すことにより、ガスの流れがタービン翼車5で成す仕事の量も増加する。
本実施例の構成とすることで、第7図に示すように、嘴状突起部4を設けた場合の方が、従来の嘴状突起部4がない場合よりも高いタービン効率が実現できる。なお、本実施例では、嘴状突起部4と流路スペーサ3とは、別体で構成したが、流路スペーサ3を嘴状突起部4と一体化した構造としても同様の作用効果が得られる。
また、第8図には、嘴状突起部4を可動とした一実施例を示す。嘴状突起部4は溶接等により、アーム10を介して回転軸7に接合されている。一方、流路スペーサ3はボルト8を使用せず、溶接等によりケーシング1側壁とガイドベーン台6側壁に固定してある。また、円筒状の流路スペーサ3の一部には切り欠き部3aが設けられている。回転軸7は流路スペーサ3内部に配置され、アーム10は流路スペーサ3の切り欠き部3a内で周方向に可動できる構成としてある。本実施例における嘴状突起部4は外部の駆動機構(図示せず)により、回転軸7を介して15°<θ<75°の範囲で回動可能である。なお、嘴状突起部4を可動する外部の駆動機構は、ガイドベーン2を可動する駆動機構と兼用する構成とすることで駆動機構を増やす必要がない。
第8図の構成で、第9図の一点鎖線から実線の状態に可動できる。流路スペーサ3にガイドベーンの前縁2aが近づいた状態(実線)において、嘴状突起部4の先端部Pを第6図よりもさらにガイドベーン2に近接させることができる。このため、流路面積の減少により流路スペーサ3とガイドベーン2間の流れが絞られ、増速効果が高まる。その結果、タービン翼車5入口位置における周方向の流速分布はさらに均一な分布となり、且つ平均流速が増すことにより、タービン効率が向上する。ガイドベーンの前縁2aが流路スペーサ3から離れ、一点鎖線で示した配置とした場合、嘴状突起部4も一点鎖線で示す位置に移動するため、ガイドベーン2の回動を妨げない。なお、嘴状突起部4と回転軸7とアーム10は一体化された構造としても良い。
第10図は本発明に係わる可変容量ターボ過給機タービン部の第二の実施例である。流路スペーサ3およびガイドベーン2周辺におけるガスの流れの状態を示している。本実施例の構成は第一の実施例の構成とほぼ同じであるが、嘴状突起部4の代わりに外径がφ4mm程度のロッド状部材11を配している点が異なる。なお、このロッド状部材11はガイドベーン2と同一の線膨張係数である材料であり、所定の角度θ=45°でタービン翼車5側に隣接させた配置となっている。ここで角度θは、ロッド状部材11の中心Qを用いた∠OO’Qの大きさで定義される。
第11図には、流路スペーサ3およびロッド状部材11の断面図を示す。ケーシング1およびガイドベーン台6の側壁には各々hc、hgの深さの穴が設けられており、ロッド状部材11の両端部は各穴に挿設されている。また、ロッド状部材11の長さhは流路スペーサ3の幅hsより大きく、幅(hs+hc+hg)よりも小さい。なお、ケーシング1側壁、或いは、ガイドベーン台6側壁のいずれか一方を利用してロッド状部材11を固定してもよい。また、ケーシング1やガイドベーン台6の側壁に穴を設けず、ネジや溶接によってロッド状部材11を固定してもよい。
このロッド状部材11によって流路スペーサ3の背後で生じる剥離領域Rsの広さを小さくでき、流れの剥離による流体的なエネルギーの損失を低減できる。また、流路スペーサ3にガイドベーンの前縁2aが近づいた状態では、ロッド状部材11が流路スペーサ3とガイドベーン2間の流れをガイドベーン2側に押しやるため、ガイドベーン2の内側の剥離領域Rnの広さはロッド状部材11を用いない場合に比べて小さくなる。従って、流れの剥離による流体的なエネルギーの損失を低減することができる。
さらに、剥離領域が減少することにより、流路スペーサ3或いはガイドベーン2からの後流の長さが抑制される。その結果、タービン翼車5入口位置における周方向の流速分布は、従来よりも均一な分布となり、タービン翼車5での損失が減少する。また、タービン翼車5入口位置における周方向の平均流速が増すことにより、ガスの流れがタービン翼車5で成す仕事の量も増加する。従って、本実施例によれば、ロッド状部材11を用ることによって、従来の場合よりも高いタービン効率が実現できる。
第12図は、本発明に係わる可変容量ターボ過給機タービン部の第三の実施例を示したものである。第1図で示した第一の実施例では流路スペーサ3の背後に嘴状突起部4が配置されていたが、本実施例では回転軸7より前縁側を削除したガイドベーン12が配置されている。ガイドベーン12の回転軸7は所定の角度θ=35°でタービン翼車5側に隣接させた配置となっている。ここで角度θは、ガイドベーン12の回転軸7の中心Rを用いた∠OO’Rの大きさで定義される。
ガイドベーン2、12はガイドベーン台6外に延出した回転軸7によって支持されており、外部の駆動機構(図示せず)により回転軸7を介して同時に回動される。ガイドベーン2、12の回転軸7の軸中心とタービン翼車5の軸中心Oの距離は33mm程度であり、流路スペーサ3の中心O’とタービン翼車5の軸中心Oの距離は42mm程度である。本実施例では第一の実施例よりも流路スペーサ3を外径側に、回転軸7を内径側に配置することにより、ガイドベーン2、12が全て等ピッチとなっている。
ガイドベーン12は流路スペーサ3の背後における剥離領域の発生を防ぐ。また、流路スペーサ3にガイドベーンの前縁2aが近づいた状態においても、ガイドベーン12が流路スペーサ3とガイドベーン2間の流れをガイドベーン2側に押しやるため、ガイドベーン2の内側に剥離領域を生じさせない。従って、流れの剥離による流体的なエネルギーの損失が抑えられる。
一方、剥離領域が生じないことにより、流路スペーサ3或いはガイドベーン2からの後流の長さが抑制される。また、第9図に示した可動の嘴状突起部4と同様、流路スペーサ3とガイドベーン2間の流路面積の減少によって流れを絞ることができるため、増速効果が高まる。また、本実施例では第一の実施例よりもガイドベーン2、12が内径側にある。このため、ガイドベーン2、12とタービン翼車5入口間において、ケーシング1やガイドベーン台6の側壁での摩擦による流速の減衰を低減できる。さらに、本実施例ではガイドベーン2、12が全て等ピッチとなっているため、ガイドベーン間の流れの差異は小さい。以上より、タービン翼車5入口位置において高い平均流速、且つ均一な周方向分布が得られ、タービン効率が向上する。
流路スペーサ3とガイドベーン12間の隙間は流れの乱れを発生させ、流体的なエネルギーの損失を生じる。従って、ガイドベーン12は流路スペーサ3に近接させたほうがよい。第13A図では流路スペーサ3の外周の一部に窪みを設け、第13B図では流路スペーサ3の外周の一部を切り欠くことにより、ガイドベーン12を第12図の場合よりも近接させている。また、第13C図ではボルト8を用いず、外周の一部を切り欠いた流路スペーサ3を溶接等によりケーシング1およびガイドベーン台6に固定し、ガイドベーン12を流路スペーサ3に近接させている。
第14図は、本発明に係わる可変容量ターボ過給機タービン部の第四の実施例を示したものである。第1図で示した第一の実施例では、タービン室を区画するケーシング1側壁とガイドベーン台6側壁の熱変形によるガイドベーンのスティック(動かなくなること)を防止するため、両側壁とガイドベーン2との間の隙間を最小に保つ流路スペーサ3が用いられていた。しかし、本実施例では流路スペーサ3を使用せず、12枚のガイドベーン2が等ピッチで配置されている。各ガイドベーン2の回転軸7の軸中心とタービン翼車5の軸中心Oの距離は35mm程度である。外形がφ5mmのボルト13は、周方向に3等分割した位置に3個配置されている。また、ボルト13の中心とタービン翼車の軸中心Oの距離は58mm程度である。
第15図には第14図のA−A’断面を示す。外径がφ5mmのボルト13はガイドベーン台6のケーシング1側に延長した部分を貫通し、ガイドベーン台6をケーシング1に締結している。従来、ケーシング1の材料としてレジストD5S(ATSM規格)、ガイドベーン台6の材料としてSUS304(JIS規格)、ガイドベーン2の材料としてSCH22(JIS規格)等が用いられているが、レジストD5SやSUS304はSCH22に比べて線膨張係数が大きく、熱変形しやすい材料である。本実施例ではこれらの材料に代えて、ケーシング1、ガイドベーン台6、ガイドベーン2の材料として炭素含有量の少ない耐熱鋳鋼HK40(ATSM規格)を使用している。HK40は約20〜1000℃の範囲において線膨張係数が18.2×10−6mm/℃であり、レジストD5Sの線膨張係数20.8×10−6mm/℃よりも小さい。なお、HK40はSCH22とほぼ同じ材質である。ケーシング1およびガイドベーン台6の両側壁間の距離は第15図のha−hbで規定され、ガイドベーン2の幅hnよりも僅かに大きく設計されている。
本実施例ではケーシング1およびガイドベーン台6の材料として熱変形の小さい耐熱鋳鋼を用いた。すなわち、タービン室を区画する両側壁が熱変形しないため、これによってガイドベーンとの間の隙間を最小に保つ構造としている。流路スペーサ3をなくすことによって、流路スペーサ3に起因して生じるガスの剥離を防止でき、ガイドベーンを等間隔に配置することで、ガイドベーン2同士間の流れの不均一性を無くすことができる。従って、流体的なエネルギー損失の低減、タービン翼車5入口位置における高い平均流速、且つ均一な周方向流速分布の実現により、高いタービン効率が得られる。また、耐熱鋳鋼は炭素含有量が少ないため、耐酸化性も向上し、材質の劣化も抑制される。
なお、本実施例では耐熱鋳鋼としてHK40を使用しているが、この材料に限定するものではなく、ケーシング1、ガイドベーン台6、ガイドベーン2の各材料としてHK40以上に線膨張係数の小さい材料を用いてもよい。また、ガイドベーン台6をケーシング1に固定するボルト13の個数や周方向の取付け位置は実施例で示したものに限定されない。
以上の実施例ではガイドベーン2、12として直線翼部材を用いているが、本発明は円弧翼部材を採用した可変容量ターボ過給機にも同様に適用できる。また、嘴状突起部4あるいはロッド状部材11の形状・寸法は、実施例で示したものに限定されない。
産業上の利用可能性
本発明にかかる可変容量ターボ過給機は、自動車、船舶、航空機、発電機等のエネルギー変換システムのデバイスとして用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第一実施例による可変容量ターボ過給機タービン部の断面図であり、第2図は、第1図のタービン部のA−A’断面図であり、第3図は、第1図のB−B’断面中における流路スペーサの周辺を示した図であり、第4図は、嘴状突起部を用いない従来例における、流路スペーサおよびガイドベーン周辺のガスの流れを示した図であり、第5図は、従来例と本実施例における、タービン翼車入口位置における周方向の流速分布の違いを示した図であり、第6図は、本発明の第一実施例における、流路スペーサおよびガイドベーン周辺のガスの流れを示した図であり、第7図は、従来例と本実施例における、タービン効率の違いを示した図であり、第8図は、嘴状突起部を可動とした場合における、流路スペーサおよび嘴状突起部周辺の構造を示した立体図であり、第9図は、可動の嘴状突起部を用いた場合における、流路スペーサおよびガイドベーン周辺のガスの流れを示した図であり、第10図は、本発明の第二実施例における、流路スペーサおよびガイドベーン周辺のガスの流れを示した図であり、第11図は、本発明の第二実施例における、流路スペーサおよびロッド状部材の断面図であり、第12図は、本発明の第三実施例による可変容量ターボ過給機タービン部の断面図であり、第13A図−第13C図は、本発明の第三実施例において、流路スペーサとガイドベーンの配置を変えた場合の流路スペーサ形状を示した図であり、第14図は、本発明の第四実施例による可変容量ターボ過給機タービン部の断面図であり、第15図は、第14図のタービン部のA−A’断面図である。

Claims (7)

  1. タービン室内にタービン翼車を囲繞して回動可能なガイドベーンが複数配置され、タービン室を区画するケーシングとガイドベーン台の両側壁とガイドベーンとの間の隙間を保持する流路スペーサを有する可変容量タービンにおいて、
    前記流路スペーサの外周の一部に嘴状の突起部を配し、前記流路スペーサ中心と前記タービン翼車中心を結ぶ線に対して前記突起部の先端を前記タービン翼車側に所定の角度θで突出させたことを特徴とする可変容量ターボ過給機。
  2. 前記所定の角度θを15°<θ<75°の範囲としたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の可変容量ターボ過給機。
  3. 前記突起部が15°<θ<75°の範囲で回動可能としたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の可変容量ターボ過給機。
  4. タービン室内にタービン翼車を囲繞して回動可能なガイドベーンが複数配置され、タービン室を区画するケーシングとガイドベーン台の両側壁とガイドベーンとの間の隙間を保持する流路スペーサを有する可変容量タービンにおいて、
    前記流路スペーサの外周であって、前記流路スペーサ中心と前記タービン翼車中心を結ぶ線に対して前記タービン翼車側に所定の角度θでロッド状部材を隣接させたことを特徴とする可変容量ターボ過給機。
  5. 前記所定の角度θを15°<θ<75°の範囲としたことを特徴とする請求の範囲第4項記載の可変容量ターボ過給機。
  6. タービン室内にタービン翼車を囲繞して回動可能なガイドベーンが複数配置され、タービン室を区画するケーシングとガイドベーン台の両側壁とガイドベーンとの間の隙間を保持する流路スペーサを有する可変容量タービンにおいて、
    流路スペーサの外周側の前記タービン翼車側に、回転軸に対して前縁側を削除したガイドベーンを隣接させて、前記タービン翼車中心と前記流路スペーサ中心を結ぶ線と、前記回転軸中心と前記流路スペーサとを結ぶ線が所定の角度θとなるように配置したことを特徴とする可変容量ターボ過給機。
  7. 前記回転軸から前縁側を削除した前記ガイドベーンの回転軸を、前記タービン翼車側に前記所定の角度θが15°<θ<75°の範囲にあるように配置したことを特徴とする請求の範囲第6項記載の可変容量ターボ過給機。
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