JP3959166B2 - 水質測定装置 - Google Patents
水質測定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3959166B2 JP3959166B2 JP36494297A JP36494297A JP3959166B2 JP 3959166 B2 JP3959166 B2 JP 3959166B2 JP 36494297 A JP36494297 A JP 36494297A JP 36494297 A JP36494297 A JP 36494297A JP 3959166 B2 JP3959166 B2 JP 3959166B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- measurement
- water quality
- water
- dissolved oxygen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川や湖沼、海などの水質調査や、養殖や液耕栽培における水質管理などに用いて好適な水質測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水質の測定対象としては、溶存酸素、導電率、酸化還元電位、水素イオン(以下、pH)、pH以外の各種イオン(塩化物イオンやフッ化物イオンなど)、濁度など多項目があり、併せて、測定時の水温や水深、更には、導電率を基にして演算される塩分濃度や密度の測定も行われる。
【0003】
これらの測定を個々に専用の測定装置で行うことは、コスト的な問題に加えて作業が煩雑になることから、本出願人は既に、水質の基本的な指標である導電率と、この導電率を基にして演算される塩分濃度と、pHと、濁度と、溶存酸素量と、水温との合計六項目を同時に測定し、かつ、その測定値をメモリーできる水質測定装置を提案している。
【0004】
この場合、pH以外の各種イオンと酸化還元電位との測定に際しては、それ専用の装置を用意し、密度の測定に際しては密度計を用意して、それぞれの測定を行っている。
【0005】
一方、所定の水深での水質測定のためには、水質測定装置の吊り下げ保持ケーブルに目盛りを付して、または、沈降用の錘を備えたメジャーを用意して、目視によって水深を確認した上で、各種の水質測定を行っているが、この水深測定を水質測定と並行して行うことは非常に面倒で、操作が煩雑なものになっていたのである。
【0006】
そこで今般、上記した六項目の測定に加えて、酸化還元電位とpH以外の各種イオンの測定、更に、水深の測定を1台で行える水質測定装置を開発したのであり、この際、圧力センサによって水圧を検知して、この水圧の検知に基づいて水深を測定するようにし、更に、水中の溶存炭酸ガスなどを測定するためのセンサを、溶存酸素の測定センサに代えて接続できるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、溶存酸素や溶存炭酸ガスなどの測定のために、隔膜式のセンサを用いたのであるが、この隔膜式のセンサによる水質の測定値は、大気圧の変化によって変動することから、大気圧を1013mbに固定した場合、大気圧がそれよりも低い時には、測定値は真の値よりも高い数値で示されることになり、測定誤差が生じることになる。
【0008】
そこで、大気圧の変化に応じて隔膜式センサの大気校正をするために、気圧計を用いて大気圧を計測するようにし、隔膜式センサの大気校正に際しての気圧補正を手動で行うようにしたのであるが、専用の気圧計を必要とするだけでなく、このような作業を計測のたびに繰り返し行うことは非常に厄介であり、かつ、補正作業を失念し易い点でも問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かゝる実情に鑑みて本発明は、水質測定用の隔膜式センサと、水圧検知に基づいて水深を測定をするための圧力センサとを備えた水質測定装置において、水深測定のための圧力センサを利用して、この圧力センサによる大気圧の測定結果に基づいて、隔膜式センサの大気校正に際しての気圧補正を自動的に行わせるようにして、隔膜式センサによる溶存酸素量などの水質測定を正確に行えるようにしたのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態による水質測定装置の斜視図を示し、図2は水質測定装置のブロック構成図を示している。
【0011】
これらの図において、図中の1はセンサ装置本体で、電源2と、メモリー機能部3aを有する演算部3と、演算された測定データを時系列的に記録するデータロガー4とを、耐圧構造の水密ケース5に内蔵して成る。
【0012】
6Aは水圧の検知に基づいて水深を測定する圧力センサで、センサ装置本体1に埋設されている。6Bは導電率の測定センサで、演算部3において、導電率に基づいて塩分濃度と密度とを演算させるものであり、温度センサ7を一体に備えている。
【0013】
6Cは濁度の測定センサ、6Dは溶存酸素の測定センサで、このうちの導電率測定センサ6Bと濁度測定センサ6Cとについては、6極タイプのコネクタ8Aを介して、かつ、溶存酸素の測定センサ6Dについては、これを3極タイプのコネクタ8Bを介して、それぞれ取り外し可能にセンサ装置本体1に接続しているが、この内の溶存酸素の測定センサ6Dに代えて、水中の溶存炭酸ガスなどを測定するためのセンサ6Wを接続できるようにしている。
【0014】
6Eは比較電極とガラス電極とを複合させたpHの測定センサ、6Fは酸化還元電位の測定センサ、6GはpH以外の例えば塩化物イオンの測定センサで、pH以外のイオン測定センサには、上記の塩化物イオンの測定センサ6Gの外に、フッ化物イオンの測定センサ6Hと、硝酸イオンの測定センサ6Iと、カルシウムイオンの測定センサ6Jと、シアンイオンの測定センサ6Kと、硫化物イオンの測定センサ6Lと、ヨウ素イオンの測定センサ6Mと、臭素イオンの測定センサ6Nと、銅イオンの測定センサ6Pと、カドミウムイオンの測定センサ6Qと、鉛イオンの測定センサ6Rと、チオシアンイオンの測定センサ6Sと、銀イオンの測定センサ6Tとがある。
【0015】
これらの測定センサ6G〜6Tと、pH測定センサ6Eと、酸化還元電位の測定センサ6Fとは、信号回路用の2極にセンサ識別用の2極を加えた4極タイプのコネクタ8Cを介して、互換性を持たせてセンサ装置本体1側のコネクタ部分に取り外し可能に接続しており、測定センサ6A〜6Tのいずれもが、水没状態で応答部が接水するようにセンサ装置本体1に接続される。
【0016】
9はディスプレイ装置で、水質の測定データなどを表示するディスプレイ10の他に、電源キー11、機能キー12、測定の開始・終了キー13、校正キー14、セレクトキー15、アップダウンキー16,17などを備えており、このディスプレイ装置9とセンサ装置本体1とを、センサ装置本体1の吊り下げ保持を兼ねる防水タイプの通信ケーブル18によって連結している。
【0017】
上記各種の水質測定センサ6A〜6Tの内、溶存酸素の測定センサ6Dと、これに代えて接続できるようにした溶存炭酸ガスなどの測定センサ6Wとは、いわゆる隔膜式のセンサを用いており、この隔膜式の測定センサ6D,6Wによる水質の測定値は、大気圧の変化によって変動することから、大気校正の際に気圧補正することが必要であることは既述した通りである。
【0018】
そこで本発明では、これら隔膜センサ6D,6Wの大気校正に際しての気圧補正を、水深測定のための圧力センサ6Aによる大気圧の測定結果に基づいて自動的に行わせて、溶存酸素量やpH以外の各種イオンの測定を正確に行えるようにしたのである。
【0019】
即ち、例えば水中の溶存酸素量は、図3に示すように、温度センサ7と溶存酸素測定センサ6Dとからの出力をプリアンプ19で増幅し、これをA/D変換器20を通して演算部3に送り込み、温度値ならびに溶存酸素出力値から溶存酸素値を演算することで測定されるが、この一方、大気校正時に、圧力センサ6Aからの出力をプリアンプ19で増幅して、これをA/D変換器20を通して演算部3に送り込み、この大気圧値をメモリー機能部3aに記憶させておいて、溶存酸素値測定時に次式(1)に基づいて補正を行うことで、気圧補正された真の溶存酸素値をディスプレイ10に表示させるようにしているのである。
【0020】
DO(P)=DO×P/1013mb ……式(1)
DO(P);気圧補正された溶存酸素値
DO ;気圧補正されていない溶存酸素値
P ;大気校正時に記憶された大気圧値(mb)
【0021】
水中の溶存炭酸ガスなどの測定についても、演算された大気圧値を、大気校正時にメモリー機能部3aに記憶させることで、同様の補正が成されるのであって、水深測定のための圧力センサ6Aを利用して、気圧補正を自動的に行わせるようにしたことで、専用の気圧計を要しないことは勿論、厄介である上に失念し易い補正作業を繰り返し行うことを一切不要にして、溶存酸素量や溶存炭酸ガス量などの測定を正確に行うことができる。
【0022】
上記の構成にかゝる水質測定装置によれば、通信ケーブル18を操ってセンサ装置本体1を水没させると、各種測定センサからの出力に基づく測定データがメモリー機能部3aにメモリーされ、かつ、その測定値がディスプレイ10に表示される。
【0023】
更に、任意に機能キー12によってデータロガー4のデータの取り込みスイッチSを操作することで、測定データがデータロガー4にロギングされるもので、溶存酸素量、導電率、酸化還元電位、pH、pH以外の各種イオン、濁度、水温、更に、導電率を基にして演算される塩分濃度と密度、必要に応じて溶存炭酸ガス量などと、測定時の水深測定を高精度で行うことができる。
【0024】
そして、各種の水質測定データと、その水質測定時の水深測定データとを、正確に関連させてメモリー機能部3aから呼び出せることは勿論、データロガー4の情報をプリンターに入力させることで、その測定データをプリントすることもできる。
【0025】
上記の実施の形態では、溶存酸素の測定センサ6Dに代えて、溶存炭酸ガスなどの測定センサ6Wを接続できるようにしているが、測定センサ6W専用のコネクタをセンサ装置本体1に備えさせて、溶存酸素の測定と並行して溶存炭酸ガスなどを測定できるようにしてもよいのである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかゝる水質測定装置によれば、各種の水質測定に併せて水深を自動的に測定することができる上に、この水深測定のための圧力センサを利用して、隔膜式センサの大気校正に際しての気圧補正を自動的に行わせるようにしたことで、専用の気圧計を要しないことは勿論、厄介である上に失念し易い補正作業を繰り返し行うことを一切不要にして、溶存酸素量などの測定を、より正確に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水質測定装置の斜視図である。
【図2】 水質測定装置のブロック構成図である。
【図3】 上記ブロック構成図の一部の詳細図である。
【符号の説明】
6A…圧力センサ、6D、6G〜6T…隔膜式の水質測定センサ。
Claims (1)
- 水質測定用の隔膜式センサと、水圧検知に基づいて水深を測定をするための圧力センサとを備えた水質測定装置において、隔膜式センサの大気校正に際しての気圧補正を、前記圧力センサによる大気圧の測定結果に基づいて自動的に行わせることを特徴とする水質測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36494297A JP3959166B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 水質測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36494297A JP3959166B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 水質測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11183464A JPH11183464A (ja) | 1999-07-09 |
JP3959166B2 true JP3959166B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=18483044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36494297A Expired - Fee Related JP3959166B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 水質測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3959166B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4732406B2 (ja) * | 2007-08-03 | 2011-07-27 | 株式会社堀場製作所 | 水質測定装置 |
JP5148415B2 (ja) * | 2008-09-02 | 2013-02-20 | 株式会社堀場製作所 | 溶存酸素センサ等の液センサ用フローセル及び水質分析装置 |
-
1997
- 1997-12-18 JP JP36494297A patent/JP3959166B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11183464A (ja) | 1999-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4586136A (en) | Digital computer for determining scuba diving parameters for a particular diver | |
JP4394411B2 (ja) | 計測装置 | |
EP1543768A4 (en) | METHOD OF MEASURING MOISTURE IN THE MOUTH AND WATER CONTENT MEASURING INSTRUMENT AND SPARE COVER FOR A PART OF THE WATER CONTENT MEASURING INSTRUMENT TO BE INTRODUCED TO THE MOUTH | |
EP3285066B1 (en) | Method of measuring ph of analyte solution, and ph measuring device | |
US5156055A (en) | Ascent rate meter for SCUBA divers | |
JP3959166B2 (ja) | 水質測定装置 | |
JP4068700B2 (ja) | 水質測定装置 | |
JP2948164B2 (ja) | 深海用pHセンサー | |
US20050194296A1 (en) | pH measurement system for buoyant water chlorinator | |
JP3808995B2 (ja) | 水質測定装置 | |
JP2001228139A (ja) | 水質測定装置の校正方法および校正用混合標準液 | |
JP3967808B2 (ja) | 水質測定装置 | |
JP5075768B2 (ja) | 水質分析装置 | |
JPH11248696A (ja) | 水質測定装置 | |
JPH11153594A (ja) | 水質測定装置 | |
RU2112974C1 (ru) | Экспресс-анализатор жидких сред | |
JPH11148928A (ja) | 水質測定装置 | |
JP4322555B2 (ja) | 残留塩素濃度測定方法及び残留塩素濃度測定装置 | |
JP2006053019A (ja) | 電気化学式測定装置 | |
JPS5942694Y2 (ja) | 残留塩素計 | |
JPH0136118Y2 (ja) | ||
CA2772706A1 (en) | Water analysis measurement arrangement | |
WO2020250622A1 (ja) | 液体分析装置及びセンサユニット | |
JP2024011528A (ja) | 計測装置 | |
CN111103032A (zh) | 一种两线制水位水温与抽水试验检测仪器及方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040603 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070508 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070514 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |