JP2948164B2 - 深海用pHセンサー - Google Patents

深海用pHセンサー

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JP2948164B2
JP2948164B2 JP9033917A JP3391797A JP2948164B2 JP 2948164 B2 JP2948164 B2 JP 2948164B2 JP 9033917 A JP9033917 A JP 9033917A JP 3391797 A JP3391797 A JP 3391797A JP 2948164 B2 JP2948164 B2 JP 2948164B2
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Denryoku Chuo Kenkyusho
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深海の海水のよう
な約20気圧以上の高圧がかかった状態の溶液のpHを
直接かつリアルタイムに測定する深海用pHセンサーに
関する。更に詳述すると、本発明は深海用pHセンサー
の電極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】深海における海水のpHを直接にリアル
タイムで測定するためには、いわゆる現場型の深海用p
Hセンサーが使用される。この深海用pHセンサーは主
として水深200m以下、すなわち20気圧以上の高い
水圧中で使用されるため、深海用pHセンサーの指示電
極と参照電極とは圧力補償機構を有するガラス電極とさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た深海用pHセンサーでは指示電極及び参照電極として
ガラス電極を使用しているので、測定の応答性や測定精
度が低く、深海中のpHをリアルタイムに測定したり、
高精度に測定することは困難であった。また、指示電極
及び参照電極に使用されるガラス電極は薄いガラス感応
膜が外部に露出しているので、耐衝撃性や長期間の連続
使用に対する耐久性が不十分であった。
【0004】そこで、本発明は、深海のような高圧の水
中でも測定の応答性や精度を向上できると共に衝撃に強
く壊れ難い深海用pHセンサーを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1の発明は、指示電極及び参照電極を有する
pH計測部を深海などの高圧の溶液中に位置させたまま
該溶液のpHを測定する深海用pHセンサーにおいて、
指示電極がISFET電極であると共に、参照電極がジ
ルコニア製の電極容器を有する圧力補償型電極であるよ
うにしている。ここで、本明細書中における「深海」と
は、水深約200m以下(約20気圧以上)の海水を主
に意味するが、同等の高圧がかけられた真水あるいはそ
の他の溶液を含むものとする。また、「ISFET」と
は、イオン感知性電解効果型トランジスタ(Ion Sensit
ive FET )を意味する。さらに、「圧力補償型電極」と
は、管状の電極容器と、該電極容器の先端を閉塞する液
絡部と、電極容器に内蔵される針金状の内部電極と、電
極容器内を満たす内部液と、電極容器内で摺動可能なピ
ストンとを備え、測定溶液と内部液との圧力差に応じて
ピストンが摺動してこの圧力差を軽減するものを意味す
る。
【0006】したがって、請求項1の深海用pHセンサ
ーでは、指示電極がISFET電極であるので、指示電
極の全体を高い耐圧性を有する固体により構成すること
ができる。これにより、深海用pHセンサーの耐衝撃性
や耐久性が優れたものとなる。また、ISFET電極は
pH測定の応答性や精度が高いので、深海用pHセンサ
ーによるpH測定の応答性や精度が向上される。
【0007】さらに、参照電極が圧力補償型電極である
ので、深海用pHセンサーは高い耐圧性を有するものと
なる。しかも、この圧力補償型電極の電極容器がジルコ
ニア製であるので、参照電極が耐圧性と耐衝撃性に優れ
たものとなる。
【0008】そして、請求項2の発明は、指示電極及び
参照電極を有するpH計測部を深海などの高圧の溶液中
に位置させたまま該溶液のpHを測定する深海用pHセ
ンサーにおいて、指示電極がISFET電極であると共
に、参照電極が銀線に塩化銀を溶融して成る電極である
ようにしている。したがって、この深海用pHセンサー
では、指示電極がISFET電極であるので、指示電極
の全体を高い耐圧性を有する固体により構成することが
できる。これにより、深海用pHセンサーの耐衝撃性や
耐久性が優れたものとなる。また、ISFET電極はp
H測定の応答性や精度が高いので、深海用pHセンサに
よるpH測定の応答性や精度が向上される。
【0009】さらに、参照電極が銀線に塩化銀を溶融し
て成る電極であり内部液を海水により代用しているの
で、ガラス等の電極容器を必要とせず参照電極の全体を
高い耐圧性を有する固体により構成することができる。
これにより、深海用pHセンサーの耐衝撃性や耐久性が
優れたものとなる。
【0010】また、請求項3の深海用pHセンサーは、
pH計測部に対して水中ケーブル及び水中コネクタによ
り連結されると共に耐圧容器内に収容されるpH変換回
路及び電源を備えるようにしている。
【0011】したがって、耐圧容器内にpH変換回路及
び電源を収容しているので、pH計測部とpH変換回路
及び電源とを他の電源や制御回路等に接続することなく
独立して潜水調査船等の外部に取り付けることができ
る。このため、pH計測部またはpH変換回路から潜水
調査船の内部や水上にまでケーブルを連続させることな
くpHを測定できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1及び
図2に本発明の深海用pHセンサーの一実施形態を示
す。この深海用pHセンサー1は、指示電極2及び参照
電極3を有するpH計測部4を深海などの高圧の水中に
潜らせたままその場でpHを測定するもので、指示電極
2としてISFET電極が、参照電極3としてジルコニ
ア製の電極容器を有する圧力補償型電極が使用されてい
る。さらに、pH計測部4には、図2及び図3に示すよ
うに、耐圧容器5に収容されたpH変換回路6が水中ケ
ーブル7及び水中コネクタ8を用いて接続されている。
【0013】指示電極2は、図1及び図2に示すよう
に、棒状のISFET電極から成る。そして、このIS
FET電極2の周囲には、円筒形状の保護管9が取り付
けられている。海水等は保護管9の先端の開口9aから
入り込んでISFET電極2に接触して測定される。
【0014】また、参照電極3は圧力補償型電極であ
り、ジルコニア製の管状の電極容器28と、該電極容器
28の先端を閉塞する液絡部としての液絡プラグ29
と、電極容器28に内蔵される針金状の内部電極30
と、電極容器28内を満たす飽和NaCl溶液から成る
内部液31と、電極容器28内で摺動可能なピストン3
2とを備え、測定溶液と内部液31との圧力差に応じて
ピストン32が摺動してこの圧力差を軽減するものとさ
れる。液絡プラグ29はほぼ円錐形状で多孔質セラミッ
クから成り、電極容器28の先端に形成された透孔に差
し込まれている。さらに、電極容器28の先端部には円
筒形状のキャップ33が取り付けられて液絡プラグ29
を押さえている。海水等はキャップ33の内部に入り込
んで液絡プラグ29に接触して測定される。
【0015】さらに、pH計測部4には、図1及び図2
中には示していないがサーミスタ34が取り付けられて
いる。なお、pH計測部4に圧力センサーを備え付ける
こともできる。これによれば、測定結果に対してpH計
測部4の周辺の水圧に応じた補正を行うことができるよ
うになる。
【0016】図3に示すように、耐圧容器5の内部に
は、pH変換回路6と直流電源19とが収容されてい
る。pH変換回路6は、ISFET電極2及びジルコニ
ア製電極3からの情報を入力して増幅するpHアンプ1
0と、pHアンプ10の出力をデジタル変換するA/D
コンバータ11と、サーミスタ34からの情報を入力し
て増幅する温度アンプ12と、温度アンプ12の出力を
デジタル変換するA/Dコンバータ13と、各A/Dコ
ンバータ11,13からの情報を演算処理するCPU1
4と、計測時刻を供給するクロック15と、情報を読み
書きするRAM16及びROM17と、pH変換回路6
の外部に情報を出力する例えばRS−232Cから成る
インターフェース18とを備えている。
【0017】耐圧容器5は、この深海用pHセンサー1
が使用される水圧中でも潰れることのない耐圧性を有す
るものとしている。pH変換回路6のpHアンプ10及
び温度アンプ12とインターフェース18とは、それぞ
れ耐圧容器5の外部に露出する水中コネクタ8に接続さ
れている。この水中コネクタ8も、深海用pHセンサー
1が使用される水圧中で潰れることのない耐圧性を有す
るものとしている。
【0018】上述した深海用pHセンサー1を例えば深
海のpHの測定に使用する場合は、pH計測部4からの
水中ケーブル7を耐圧容器5の水中コネクタ8に接続す
る。これにより、ISFET電極2及びジルコニア製電
極3をpHアンプ10に接続すると共に、サーミスタ3
4を温度アンプ12に接続する。
【0019】そして、深海用pHセンサー1のキャリブ
レーションを行う。キャリブレーションには、例えばp
H4.0及びpH6.8のNBS(National Bureau of
Standards)スケールあるいはpH8.1のSWS(Se
a Water Standard)スケールを用いる。キャリブレーシ
ョン中はpH変換回路6のインターフェース18を他の
コンピュータ等に接続しておく。そして、このコンピュ
ータによりキャリブレーションを管理したりクロック1
5の計測時間や計測間隔等を設定する。この内容は深海
用pHセンサー1のRAM16に記録される。
【0020】その後、深海用pHセンサー1をコンピュ
ータから取り外す。ここで、深海用pHセンサー1のR
AM16には測定のための設定内容が記録されているの
で、この設定内容に基づいて計測が開始される。
【0021】キャリブレーションの後、場合によっては
その前に、深海用pHセンサー1を潜水調査船の外部あ
るいはCTD−RMS(Conductivity Temperature Dep
th− Rosette Multi Sampler)のフレームに取り付け
る。CTD−RMSとは、海中の塩分,水温,水深をそ
れぞれセンサーにより同時に測定してその結果をケーブ
ルにより海上の測定船等に送信してリアルタイムに観測
できると共に、その位置での採水も可能な装置である。
【0022】深海用pHセンサー1が着水されて海水の
pHの計測が開始されると、ISFET電極2及びジル
コニア製電極3により得られたpH情報がpHアンプ及
びA/Dコンバータ11を経てRAM16に記録され
る。この時、pHはクロック15からの時刻情報と共に
記録される。また、サーミスタ34により得られた温度
情報が温度アンプ12及びA/Dコンバータ13を経て
時刻情報と共にRAM16に記録される。そして、潜水
調査船が潜航,着底,航走,離底,浮上等する間、ある
いはCTD−RMSが海に潜っている間、連続してpH
の測定がなされる。測定の終了後は深海用pHセンサー
1を潜水調査船またはCTD−RMSから取り外し、p
H変換回路6のインターフェース18を他のコンピュー
タ等に接続して計測結果を取り出す。
【0023】本実施形態によれば、pH計測部4の指示
電極がISFET電極2であるので、指示電極の全体を
高い耐圧性及び耐衝撃性を有する固体により構成するこ
とができる。しかも、参照電極がジルコニア製の電極容
器28を有する圧力補償型のジルコニア製電極3である
ので高い耐圧性及び耐衝撃性を有するものとなる。した
がって、深海用pHセンサー1は高い耐圧性及び耐衝撃
性を有するものとなる。
【0024】また、ISFET電極2はpH測定の応答
性や精度が高いので、深海用pHセンサー1によるpH
測定の応答性や精度を向上することができる。このた
め、深海用pHセンサー1を約20気圧以上の高圧の海
中で使用しても高い応答性で高精度にpHの測定を行う
ことができる。
【0025】さらに、本実施形態によれば、上述したI
SFET電極2とジルコニア製の圧力補償型電極3とは
十分な耐圧性を有することに加えてpH変換回路6が耐
圧容器5に収容されると共にpH変換回路6とpH計測
部4とを接続する水中コネクタ8が耐圧性を有するもの
であるので、深海用pHセンサー1の耐衝撃性や耐久性
を向上させることができる。
【0026】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では、参照電極はジルコニア
製電極3から成るものとしているが、これには限られな
い。例えば、参照電極を銀線に塩化銀を溶融したもの、
すなわち銀−塩化銀電極の中心を成す電極棒とすること
もできる。この場合、参照電極は電極容器や内部液を有
しないものとなるが、海水を内部液の代わりとして利用
することができるので電極容器や内部液を有する電極と
同等の精度でpH測定を行うことができる。この参照電
極によれば、電極を耐圧性及び耐衝撃性の高い固体のみ
で構成することができるので、深海用pHセンサーの耐
衝撃性や耐久性を向上させることができる。
【0027】また、本実施形態では、深海用pHセンサ
ー1のpH計測部4と共にpH変換回路6を海中に潜ら
せているが、これに限られずpH変換回路6を船上に残
しpH計測部4のみを海中に潜らせ、これらpH計測部
4及びpH変換回路6を水深と同等の長さのケーブルに
より接続するようにすることもできる。この深海用pH
センサー1によれば、pH変換回路6及び直流電源19
を耐圧容器5に収容する必要がないので、計測設備の簡
易化を図ることができる。また、この深海用pHセンサ
ー1によっても、高圧の海中で高い応答性で高精度にp
Hの測定を行うことができ、また耐衝撃性や耐久性を向
上させることができる。
【0028】さらに、本実施形態では、深海用pHセン
サー1を深海でのpHの測定に使用しているが、用途は
これに限られない。例えば、水深200m以下の湖の水
中のpH測定に使用することもできる。この場合も、深
海用pHセンサー1により高圧溶液中で高い応答性で高
精度にpHの測定を行うことができ、また耐衝撃性や耐
久性を向上させることができる。さらに、地上における
高圧設備で使用される水やその他の溶液のpH測定を行
うようにしても良い。
【0029】また、ISFET電極2に感応膜を被せる
こともできる。この場合、水素イオン以外の他のイオン
の濃度を測定することができるようになる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図1及び図2に示す深海用pHセンサー1
を潜水調査船「しんかい2000」に取り付けて深海で
のpH測定に使用した。ここでの深海用pHセンサー1
では、参照電極として図1及び図2に示すジルコニア製
の圧力補償型電極3を用いた。このジルコニア製の圧力
補償型電極3の内部液には飽和NaCl溶液を用い、液
絡部には多孔性セラミックを使用した。また、指示電極
として図1及び図2に示すISFET電極2を使用し
た。
【0031】キャリブレーションは、深海用pHセンサ
ー1の海中への投入の前後にそれぞれ行った。このキャ
リブレーションには、pH4.0及びpH6.8のNB
SスケールあるいはpH8.1のSWSスケールを用い
た。
【0032】そして、「しんかい2000」により潜航
しながらpHを測定して得られた結果を図4に示す。同
図中、実線は深海用pHセンサー1によるpHの計測
値、破線はサーミスタ34による水温の計測値を示す。
潜航を開始して(符号20)着底する(符号21)まで
は、pH及び水温が徐々に低下した。なお、着底した時
の水深は1394mであった。
【0033】着底してからpH1〜2の試験液をpH計
測部4に向けて放出した(符号22)。その結果、直ち
に深海用pHセンサー1によるpHの計測結果がpH3
程度に下がった(符合23)。したがって、深海の高圧
・低温の環境下でもpHの変化を検出し得ること、すな
わちpH計測の高い応答性が確認された。
【0034】その後、航走を開始した(符号24)。こ
のため、pHの計測値が再び周囲の海水の値となった。
そして、離底して(符号25)、浮上を開始した(符号
26)。これにより、pH及び水温が徐々に上昇した。
水面に達して実験が終了してから「しんかい2000」
の水洗いを行った(符号27)。
【0035】(実施例2)深海用pHセンサー1をCT
D−RMSに取り付けて海中のpHを計測した。また、
比較のために深海用pHセンサー1の計測と同時にCT
D−RMSにより採取した試料水について、船上で従来
のpHセンサーによりpHを計測した。この実施例で
は、深海用pHセンサー1は実施例1と同様のものを使
用し、キャリブレーションも実施例1と同様に行った。
【0036】2回の計測結果を図5(a)及び(b)に
示す。図中○印は本発明の深海用pHセンサー1により
測定した値であり、×印は採取した試料水について従来
のpHセンサーにより測定した値(SWSスケールで校
正)である。各図に示すように、深海用pHセンサー1
により得られた計測値は従来のpHセンサーにより測定
した計測値と計測値の軌跡の形状及び傾向がほぼ一致し
た。したがって、本発明の深海用pHセンサー1により
得られた計測値に適正な温度補正や圧力補正等を行うこ
とにより、高精度な測定結果を得ることができることが
判明した。
【0037】ここで、図5(a)に示す従来のpHセン
サーにより測定した値を現場の水温及び水圧により補正
して現場のpHを推測した。水温としては深海用pHセ
ンサー1のサーミスタ34により計測された値を用い、
水圧としてはCTD−RMS若しくは潜水調査船に設置
された圧力計の値を用いた。また、同図に示す実施例で
採取した試料水について全炭酸とアルカリ度からpHを
算出した。さらに、従来のpHセンサーにより測定した
値をNBSスケールによっても校正した。
【0038】これらの測定及び算出結果を図6に示す。
同図中、○印は本発明の深海用pHセンサー1により測
定した値、□印は採取した試料水について従来のpHセ
ンサーにより測定した値(SWSスケール,25℃で校
正)、◇印は採取した試料水について現場の水温及び水
圧により補正した値、×印は採取した試料水について全
炭酸とアルカリ度から算出した値、+印は採取した試料
水について従来のpHセンサーにより測定した値(NB
Sスケール,25℃で校正)をそれぞれ示している。
【0039】同図に示すように、深海用pHセンサー1
により測定した値(○印)は、採取した試料水について
各種の補正を行った値と軌跡の形状及び傾向がほぼ一致
した。したがって、本発明の深海用pHセンサー1によ
り得られた値に適正な補正を行うことにより、高精度な
測定結果を得ることができることが判明した。
【0040】(実施例3)参照電極として銀線に塩化銀
を溶融した電極を用いて実施例2と同様の計測を行っ
た。この測定結果を図7(a)及び(b)に示す。各図
に示すように、この参照電極を用いた場合も従来のpH
センサーにより得られた値と計測値の軌跡の形状及び傾
向がほぼ一致した。したがって、本発明の深海用pHセ
ンサー1により得られた値に適正な補正を行うことによ
り、高精度な測定結果を得ることができることが判明し
た。
【0041】また、図7(a)に示す実施例について実
施例2の図6に示す場合と同様の計測及び算出を行っ
た。その結果を図8に示す。同図に示すように、参照電
極として銀線に塩化銀を溶融した電極を用いた場合も、
深海用pHセンサー1により測定した値(○印)は採取
した試料水について各種の補正を行った値と軌跡の形状
及び傾向がほぼ一致した。したがって、本発明の深海用
pHセンサー1により得られた値に適正な補正を行うこ
とにより、高精度な測定結果を得ることができることが
判明した。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の発明は、指示電極及び参照電極を有するpH計測部
を深海などの高圧の溶液中に位置させたまま該溶液のp
Hを測定する深海用pHセンサーにおいて、指示電極が
ISFET電極であるので、指示電極の全体を高い耐圧
性を有する固体により構成することができ深海用pHセ
ンサーの耐衝撃性や耐久性を優れたものにすることがで
きると共にISFET電極のpH測定の応答性や精度が
高いことから深海用pHセンサーによるpH測定の応答
性や精度を向上することができる。また、参照電極が圧
力補償型電極であるので、深海用pHセンサーは高い耐
圧性を有するものとなり、この圧力補償型電極の電極容
器がジルコニア製であることから参照電極は耐圧性と耐
衝撃性に優れたものとなる。
【0043】したがって、高圧の溶液中でもpH測定の
応答性や精度を向上でき、また耐衝撃性や耐久性に優れ
たものとすることができる。これにより、深海用pHセ
ンサーにより深海中のpHをリアルタイムに高精度で測
定することができる。また、耐衝撃性に優れるので、深
海用pHセンサーの取り扱いを容易に行うことができる
ようになる。
【0044】さらに、深海用pHセンサーは比較的安価
であるため多数用意することができる。このため、同時
に多数点でのpHを測定できるようになり、pHの精密
計測が可能となる。
【0045】そして、請求項2の発明は、指示電極及び
参照電極を有するpH計測部を深海などの高圧の溶液中
に位置させたまま該溶液のpHを測定する深海用pHセ
ンサーにおいて、指示電極がISFET電極であると共
に、参照電極が銀線に塩化銀を溶融して成る電極である
ようにしているので、指示電極がISFET電極である
ことにより深海用pHセンサーの耐衝撃性や耐久性やp
H測定の応答性や精度が向上される。また、参照電極が
銀線に塩化銀を溶融して成る電極であり内部液を海水に
より代用しているので、ガラス等の電極容器を必要とせ
ず参照電極の全体を高い耐圧性を有する固体により構成
することができる。これにより、深海用pHセンサーの
耐衝撃性や耐久性が優れたものとすることができる。こ
のため、深海用pHセンサーにより深海中のpHをリア
ルタイムに高精度で測定することができ、また耐衝撃性
に優れるので深海用pHセンサーの取り扱いを容易に行
うことができるようになる。
【0046】さらに、請求項3の深海用pHセンサー
は、pH計測部に対して水中ケーブル及び水中コネクタ
により連結されると共に耐圧容器内に収容されるpH変
換回路及び電源を備えるようにしているので、pH計測
部とpH変換回路及び電源とを他の電源や制御回路等に
接続することなく独立して潜水調査船等の外部に取り付
けて深海のpH測定を行うことができる。このため、p
H計測部またはpH変換回路から潜水調査船の内部や水
上にまでケーブルを連続させることなくpHを測定でき
るようになり、深海のpH測定の作業性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る深海用pHセンサーのpH測定部
を示す斜視図である。
【図2】深海用pHセンサーの全体を示す斜視図であ
る。
【図3】各センサーとpH変換回路及び電源とを示すブ
ロック図である。
【図4】深海用pHセンサーを「しんかい2000」に
取り付けてpHを測定した実施例1の結果を示すタイム
チャートである。
【図5】深海用pHセンサーにより深海のpHを測定し
た実施例2の結果を示すグラフであり、(a)と(b)
は異なる場所での測定結果である。
【図6】図5(a)に示す実施例について各種の校正や
計算を行った結果を示すグラフである。
【図7】深海用pHセンサーにより深海のpHを測定し
た実施例3の結果を示すグラフであり、(a)と(b)
は異なる場所での測定結果である。
【図8】図7(b)に示す実施例について各種の校正や
計算を行った結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 深海用pHセンサー 2 ISFET電極(指示電極) 3 ジルコニア製電極(参照電極) 4 pH計測部 5 耐圧容器 6 pH測定回路 7 水中ケーブル 8 水中コネクタ 19 直流電源(電源) 28 電極容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−221156(JP,A) 特開 平7−167821(JP,A) 特開 平5−99897(JP,A) 特開 昭57−125841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/414 G01N 27/416

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指示電極及び参照電極を有するpH計測
    部を深海などの高圧の溶液中に位置させたまま該溶液の
    pHを測定する深海用pHセンサーにおいて、前記指示
    電極がISFET電極であると共に、前記参照電極がジ
    ルコニア製の電極容器を有する圧力補償型電極であるこ
    とを特徴とする深海用pHセンサー。
  2. 【請求項2】 指示電極及び参照電極を有するpH計測
    部を深海などの高圧の溶液中に位置させたまま該溶液の
    pHを測定する深海用pHセンサーにおいて、前記指示
    電極がISFET電極であると共に、前記参照電極が銀
    線に塩化銀を溶融して成る電極であることを特徴とする
    深海用pHセンサー。
  3. 【請求項3】 前記pH計測部に対して水中ケーブル及
    び水中コネクタにより連結されると共に耐圧容器内に収
    容されるpH変換回路及び電源を備えることを特徴とす
    る請求項1または2のいずれか記載の深海用pHセンサ
    ー。
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