JP3958871B2 - ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法 - Google Patents

ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3958871B2
JP3958871B2 JP18125898A JP18125898A JP3958871B2 JP 3958871 B2 JP3958871 B2 JP 3958871B2 JP 18125898 A JP18125898 A JP 18125898A JP 18125898 A JP18125898 A JP 18125898A JP 3958871 B2 JP3958871 B2 JP 3958871B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
siox
ito
plasma
film
plasma beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18125898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000017430A (ja
Inventor
本 要 司 岩
東 良 一 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP18125898A priority Critical patent/JP3958871B2/ja
Publication of JP2000017430A publication Critical patent/JP2000017430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3958871B2 publication Critical patent/JP3958871B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ITOからなる薄膜を被成膜体上に形成するITO膜形成方法、およびSiOxからなる薄膜を被成膜体上に形成するSiOx膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より被成膜体上にITO膜またはSiOx膜を形成するため、被成膜体が配置された真空チャンバと、プラズマビームを生成し、このプラズマビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラズマガンから生成されたプラズマビームを収束させる収束コイルとを備えた真空成膜装置が用いられている。
【0003】
このような真空成膜装置において、プラズマガンから生成されたプラズマビームは真空チャンバ内に送られ、真空チャンバ内に設置されたるつぼ内のITOまたはSiOxからなる成膜材料に照射する。プラズマビームが照射した成膜材料は蒸発した後、基板上に蒸着して薄膜を形成する。この場合、真空チャンバ内のるつぼは電気的に浮遊状態にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の真空成膜装置によりるつぼを電気的に浮遊状態として薄膜を形成する場合、チャージアンプにより、るつぼ及び成膜材料の表面が電気的に絶縁された状態となり、真空チャンバ内で通電不能となる。この結果、電極各部がチャージアップする現象が時間経過とともに進行する。このため、プラズマビームに対する連続的な安定制御ができなくなり、成膜の安定性が損なわれるという問題が生じる。すなわち、このような現象が生じた場合、プラズマビームから生じた反射電子流は通電不能となった部分に入射しようとするが反射され、イオンとの結合により電気的に中和されるか、最終的に電気的帰還が可能な場所に到達するまで電子の反射は繰り返されることとなる。このように反射電子流が不安定な状態となると、浮遊プラズマが発生し、被成膜体、例えば、基板、フィルム、カラーフィルタ等の成膜が不十分となり、膜質も悪化する。
【0005】
また、真空チャンバ内には、プラズマビームを制御するための磁場が存在しており、反射電子の動きはこの磁場により制約を受ける。したがって、プラズマガンを使用して成膜材料からなる薄膜を連続的、かつ安定して形成するためには、磁場分布状態が最適で、かつ成膜材料が付着しにくい位置に適正に反射電子流を戻す電子帰還電極を設ける必要がある。
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、プラズマビームが成膜材料に照射されて生成した真空チャンバ内の反射電子流を適正に電子帰還電極に戻すことにより、真空チャンバ内でプラズマビームを安定して形成し、これによって被成膜体上にITOの薄膜を安定して形成することができるITO膜形成方法、およびSiOxの薄膜を安定して形成することができるSiOx膜形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部にITOを収納したるつぼと、被成膜体が配置されるとともに、接地された真空チャンバと、プラズマビームを生成しこのプラズマビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラズマガンにより生成したプラズマビームを磁場により軌道および/あるいは形状を制御させてるつぼ内のITOに照射させ、このITOを被成膜体に蒸着させる収束コイルと、真空チャンバ内のうちプラズマガン側にプラズマビーム外周を取囲んで設けられ、ITOに照射されたプラズマビームから生じる反射電子流が帰還する電子帰還電極とを備え、プラズマガンと電子帰還電極との間に、プラズマビームの経路と反射電子流の経路とを分離する絶縁管が設けられ、絶縁管は電気的に浮遊状態となって電子帰還電極の内側に配置されるとともに、内側を流れるプラズマビームに対して略平行に延びた真空成膜装置を用いたITO膜形成方法において、るつぼ内にITOを収納する工程と、プラズマガンを作動させてプラズマビームを生成し、このプラズマビームをプラズマビームの経路を通ってるつぼ内のITOに照射する工程と、プラズマビームがITOに照射した際生じる反射電子流をプラズマビームの経路と絶縁管を介して分離された反射電子流の経路を通って帰還電極に戻すとともに、るつぼから蒸発するITOをイオン化して被成膜体に蒸着させてITO膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とするITO膜形成方法、および内部にSiOx(x=0〜2)を収納したるつぼと、被成膜体が配置されるとともに、接地された真空チャンバと、プラズマビームを生成しこのプラズマビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラズマガンにより生成したプラズマビームを磁場により軌道および/あるいは形状を制御させてるつぼ内のSiOxに照射させ、このSiOxを被成膜体に蒸着させる収束コイルと、真空チャンバ内のうちプラズマガン側にプラズマビーム外周を取囲んで設けられ、SiOxに照射されたプラズマビームから生じる反射電子流が帰還する電子帰還電極とを備え、プラズマガンと電子帰還電極との間に、プラズマビームの経路と反射電子流の経路とを分離する絶縁管が設けられ、絶縁管は電気的に浮遊状態となって電子帰還電極の内側に配置されるとともに、内側を流れるプラズマビームに対して略平行に延びた真空成膜装置を用いたSiOx膜形成方法において、るつぼ内にSiOxを収納する工程と、プラズマガンを作動させてプラズマビームを生成し、このプラズマビームをプラズマビームの経路を通ってるつぼ内のSiOxに照射する工程と、プラズマビームがSiOxに照射した際生じる反射電子流をプラズマビームの経路と絶縁管を介して分離された反射電子流の経路を通って帰還電極に戻すとともに、るつぼから蒸発するSiOxをイオン化して被成膜体に蒸着させてSiOx膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とするSiOx膜形成方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。図1、図2、図13および図14は本発明の一実施の形態を示す図である。
【0009】
まず図2により、本発明によるITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法を行なう真空成膜装置10が組込まれたシステム全体の概略について説明する。まずテーブル51上に設けられた基板(被成膜体)13がロードロック室52内に搬送され、このロードロック室52内で加熱装置52aにより加熱されるようになっている。この場合、ロードロック室52は、真空ポンプ53により吸引される。
【0010】
ロードロック室52内の基板13は、次に真空成膜装置10の上方部分54に搬送され、この真空成膜装置10の上方部分54内において、搬送される基板13の下面に薄膜が形成されるようになっている。なお、基板13の搬送速度は搬送速度計54aによって測定される。また真空成膜装置10は真空チャンバ12と、プラズマガン11とを備えている。さらに真空チャンバ12には真空ポンプ54Aによって吸引され、さらに真空チャンバ12には質量分析計55が接続されている。
【0011】
次に図1により真空成膜装置10について詳述する。真空成膜装置10は、上述のように真空ポンプ54Aにより吸引されるとともに接地された真空チャンバ12と、真空チャンバ12に短管部12Aを介して取付けられるとともに、プラズマビーム22を生成し、このプラズマビーム22を真空チャンバ12内に供給するプラズマガン11とを備えている。また真空チャンバ10の上方部分54には、ロードロック室52から搬送された基板13が配設されている。この場合、基板13は、例えば、低アルカリガラス(コーニング社製 1737ガラス 550×650×0.9t)のようなガラス材からなり、液晶カラーフィルタ65上にITO膜61を形成して液晶ディスプレイ用カラーフィルタ62を作製する為に用いられる(図13(a))。
【0012】
また、フィルム13a(東レ(株)製 ルミラーS−10 厚み12μm、幅600mm、長さ5000m)上にSiO膜63を形成してバリアフィルム64を作製するために用いられる(図13(b))。
【0013】
図1に示すようにプラズマガン11は、放電電源14のマイナス側に接続された環状の陰極15と、放電電源14のプラス側に抵抗を介して接続された環状の第1中間電極16および第2中間電極17とを有し、陰極15側から放電ガス(Ar)が供給され、この放電ガスをプラズマ状態にして第2中間電極17から真空チャンバ12内に向けて流出させるようになっている。
【0014】
また、真空チャンバ12と第2中間電極17との間の短管部12Aの外側には、この短管部12Aを包囲するように収束コイル18が設けられている。この収束コイル18はプラズマビーム22を磁場により軌道および/あるいは形状を制御するものであり、このような制御としてはプラズマビーム22の収束、平らな形状にすること、およびるつぼ内に引込む等の制御が考えられる。また真空チャンバ12内の下部には、電気的に浮遊状態にあるるつぼ19が配置されており、このるつぼ19上に薄膜の材料となる成膜材料20が収納されている。さらに、るつぼ19の内部にはるつぼ用磁石21が設けられている。
【0015】
また図に示すように、短管部12A内にプラズマガン11の出口部から絶縁管1が突設され、この絶縁管1はプラズマビーム22の周囲を取囲み、プラズマガン11から電気的に浮遊状態となっている。また真空チャンバ12に連結された短管部12A内に、絶縁管1の外周側を取巻くとともに、放電電源14のプラス側に接続され、プラズマガン11の出口部よりも高い電位状態となる電子帰還電極2が設けられている。なお、前記絶縁管1としては、たとえば、セラミック製短管が採用される。
【0016】
さらにまた、真空チャンバ12の内面には、真空チャンバ12から電気的に浮遊状態となる防着板40が設けられている。この防着板40はSUS板からなり、後述するプラズマビーム2が成膜材料(ITO)20に照射した場合に生じる反射電子流3が真空チャンバ12へ帰還して接地されることを防止するものである。なお、防着板40を設ける代わりに、真空チャンバ12内面に反射電子流が真空チャンバ12へ帰還することを防止するための絶縁コーティング膜(図示せず)を設けてもよい。
【0017】
また真空チャンバ12内には、基板13近傍に基板13上に形成される薄膜の形成速度を測定する成膜速度計41が設けられ、また成膜速度計41の下方には真空チャンバ12内の真空度および成膜真空度を各々測定する真空計42が設けられている。さらに、真空チャンバ12内のるつぼ19近傍には、酸素供給管43が設けられている。
【0018】
さらに放電電源14には、プラズマガン11の電流値および電圧値を各々測定するプラズマガン電流計45およびプラズマガン電圧計46が接続され、また電子帰還電極2には電子帰還電極電流を測定する電子帰還電極電流計47が接続されている。さらにまた真空チャンバ12とアース60との間には、真空チャンバ12からの接地電流を測定する接地電流計48が設けられている。
【0019】
なお、上述したプラズマガン電流計45、プラズマガン電圧計46、電子帰還電極電流計47、接地電流計48、成膜速度計41、真空計42および搬送速度計54aからの測定値は、測定値収集ユニット44内に収集され、この測定値収集ユニット44において、上述した測定値を一括して収納し、成膜工程を適切に管理することができるようになっている。
【0020】
(ITO膜形成方法)
次にこのような構成からなる真空成膜装置10を用いたITO膜形成方法について説明する。
まず予め、るつぼ19内にITOのペレットからなる成膜材料20が収納される。またロードロック室52内で加熱装置52aにより例えば190°まで加熱された基板13が真空チャンバ12内に導入される。次に放電電源14によってプラズマガン11が作動して、プラズマガン11の第2中間電極17からITOからなる成膜材料20に向けてプラズマビーム22が形成され、プラズマビーム22が成膜材料20に照射される。この場合、るつぼ19内の成膜材料20が蒸発し、蒸発した成膜材料20はイオン化して基板13の下面に蒸着し、基板13の下面にITOの薄膜61(図13(a))が形成される。この間、プラズマビーム22に対して、収束コイル18はプラズマビーム22の横断面を収縮させる作用を行ない、またるつぼ用磁石21はプラズマビーム22の焦点合わせおよびプラズマビーム22を曲げさせる作用を行なう。また、プラズマビーム22がるつぼ19内の成膜材料20に照射され、成膜材料20が蒸発する際、同時に酸素供給管43から蒸発する成膜材料(ITO)20に対して酸素を供給し、蒸発するITOの酸素濃度を高める。
【0021】
このようにしてカラーフィルタ64上にITOの薄膜61を形成することにより、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ62を作製することができる(図13(a))。ここでITOについて詳述する。
【0022】
ITO(酸化インジウムスズ)は、In2 3 の粉末(数μm程度)と、SnO2 の粉末(数μm程度)とを混合して焼結することにより作られる。またITOの薄膜61は85%以上の可視光透過率を有する透明導電性薄膜となっている。ITOの薄膜61は、このため帯電防止特性に優れ、電極あるいは電源波シールドとして機能する。
【0023】
なお、ITOの薄膜61はガラス基板13上で抵抗率1.2〜1.4×10-4Ω・mの値をとることができ、最適値として抵抗率1.05×10-4Ω・mの値をとることができる。またITOの薄膜61は後述する合成樹脂フィルム13a(図13(b))上において抵抗率3×10-4Ω・mの値をとることができる。
これに対して通常のスパッタリングにより基板上に形成されたITO薄膜は、2.0×10-4Ω・mの抵抗率を有し、かつ基板を300°以上に加熱することが要求される。
【0024】
次に図14(a)により、るつぼ19から蒸発するITOに対して酸素供給管43から酸素を供給した場合のITOの薄膜61の特性について説明する。
【0025】
図14(a)に示すように、酸素流量を増加させてITOの酸素をリッチにしていくと、ITOの薄膜61の抵抗率(Ω・m)は徐々に低下した後で上昇し(図14(a)の○印)、可視光透過率(%)は徐々に上昇して平坦化する(図14(a)の□印)。図14(a)の結果から明らかなように、酸素供給管43からの酸素流量を変化させることにより、所望の抵抗率(Ω・m)または可視光透過率(%)を有するITOの薄膜61を得ることができる。
【0026】
ところでプラズマビーム22がるつぼ19内の成膜材料(ITO)20に照射されると、プラズマビーム22が成膜材料20から反射して反射電子流3が生じる。この場合、真空チャンバ12内面には真空チャンバ12から電気的に浮遊する防着板40が設けられているので、防着板40により反射電子流3の真空チャンバ12側への帰還が妨げられる。このため大部分の反射電子流3をプラズマビーム22の外側を通して電子帰還電極2側へ確実に帰還させることができる。
【0027】
次に反射電子流3の流れについてさらに詳述する。図1に示すように、電子帰還電極2はるつぼ19から離れた位置に設けられているため、るつぼ19上から蒸発した成膜材料20が電子帰還電極2に付着しにくくなっている。また、プラズマガン11から出たプラズマビーム22と電子帰還電極2との間に両者を遮る絶縁管1が設けられているので、このプラズマビーム22が電子帰還電極2に入射して、陰極15と電子帰還電極2との間で異常放電が発生するのを防止するようになっている。このため、反射電子流3はプラズマビーム22の外側の、プラズマビーム22とは分離した経路に沿って電子帰還電極2まで延びて形成され、プラズマビーム22が連続的かつ安定して持続される。この持続時間は絶縁管1および電子帰還電極2を設けない場合に比して倍以上となり、飛躍的に向上することが確認されている。また、絶縁管1を設けて、異常放電の発生を防止して、プラズマビーム22の電子帰還電極2への流れ込みによる電力ロスを減少させるようにした結果、プラズマガン11から照射するプラズマビーム22が同一の場合、約20%だけ成膜速度(材料蒸発量)が向上した。さらに、電子帰還電極2を収束コイル18に近い位置に設けることにより装置全体が、小型化される。
(SiOx膜形成方法)
次に真空成膜装置10を用いたSiOx膜形成方法について説明する。
SiOx膜形成方法は、るつぼ19内にSiOx(酸化珪素)のペレットからなる成膜材料を収納する点が異なるのみであり、他に上述したITO膜形成方法と略同一である。
【0028】
すなわち上述したITO膜形成方法と略同一の方法により基板13上にSiOxの薄膜63を形成することによってバリアフィルム64を作製することができる(図13(b))。ここでSiOxの薄膜63について詳述する。
【0029】
SiOxの薄膜63は、蒸発源としてSiOx(0≦x≦2)の粉末(3〜5mmφ)を用いて成膜されたSiOx(1.5≦x≦2)を主体とする薄膜である。このSiOxの薄膜63の酸素量が上記範囲を下回ると、酸素欠乏による透過率の低下が発生する(図14(b))。なお、SiOxの粉末としては、焼結された石英の粉末が考えられ、SiOxの薄膜63は、透明性および酸素、水蒸気に対する高いガリバリア性を有する。
【0030】
またSiOxの薄膜63は、SiO2 の薄膜63の主たる構成要素である珪素および酸素の他に、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム等の金属や、炭素、ホウ素、窒素、フッ素等の非金属元素が含まれていても構わない。
【0031】
このようなSiOxの薄膜63は、上述のように透明性を有し、波長633nmにおける屈折率が1.48〜1.51の範囲内にあるようなSiOxの薄膜からなっている。上記の屈折率とは、光学的測定、すなわち、エリプソメトリー法、あるいは、分光特性測定によって得られるものである。また、屈折率は測定光の波長による依存性をもつので、本発明でいう屈折率は、測定光の波長が633nmであるときの屈折率をいう。
【0032】
ここで、上記のような可視光領域の屈折率は、対象としている媒体中の光散乱能よって決定される。光散乱は、電子によって生じるため、ある原子の光散乱能は、その原子に帰属する電子の数や状態によって決まり、原子の種類によってほぼ一定の値になる。したがって、媒体の屈折率は、媒体中に含まれている原子の一原子当たりの光散乱能と、光散乱を生じさせる原子を単位体積当たりに含まれる量に比例する。すなわち、単位体積当たりに含まれる原子の数が一定であれば、その原子の構成比率(媒体の化学組成)によって屈折率が決まる。例えば、珪素と酸素の場合、珪素の方が光散乱能が高いため、珪素が多く、酸素が少ない場合に屈折率が高くなる。また、媒体の化学組成が一定であれば、単位体積当たり含まれる原子の数が多いほど、すなわち、原子間の距離が短く緻密な状態を形成しているほど、屈折率は高くなる。
【0033】
図14(b)に示すようにSiOを材料に用いた場合、酸素流量が高くなって酸素濃度が上昇すると、可視透過率は上昇する。一方、図14(b)に示すように酸素流量が減少して酸素濃度が低下すると、化学組成に変化が生じ、酸素に対する珪素の比率が増大して珪素の酸化度が減少することになり、このような珪素の酸化度の減少は、SiOxの薄膜63の可視光に対する吸収係数の上昇をまねき、SiOxの薄膜63に着色を生じるので好ましくない。
【0034】
SiOxの薄膜63の膜厚としては、例えば、50〜3000A程度、好ましくは、100〜1000A程度の範囲内で任意に選択して設定することができる。
【0035】
次に図3および図4により、真空成膜装置10の変形例について説明する。図3および図4において、図1および図2に示す装置と同一の部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図3および図4に示すように、真空チャンバ12には一対のプラズマガン11が連結され、各プラズマガン11から発生するプラズマビーム22の横断面を収縮させるため、各プラズマビーム22に対して同極性同志(N極同志、或いはS極同志)のシート状磁石4,4が電子帰還電極2の前方に設けられている。
【0037】
このようにシート状磁石4,4を設けることにより、成膜材料20に入射するプラズマビーム22をシート状にし、成膜材料20に対する広巾の蒸発源を形成することができる。このため広巾基板13に対して適切に薄膜を形成することができる。
【0038】
図5〜図11は、真空成膜装置10の他の変形例を示すプラズマガン11および真空チャンバ12の短管部12Aの図である。図5〜図11において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図5および図6に示す実施の形態は、電子帰還電極2にその表面に付着する成膜材料20を払拭して、除去する旋回式ワイパ5を設け、電子帰還電極2の表面を反射電子帰還のために良好な状態を長期間保てるようにしたものである。
【0040】
図7に示す実施の形態は、電子帰還電極2のプラズマガン11とは反対の側の面6を凹凸形状に形成して、反射電子帰還のための表面積を増大させたものである。
【0041】
図8に示す実施の形態は、真空チャンバ12の短管部12Aの真空チャンバ12内側開口部に、バッフルプレート7を設けたものである。このバッフルプレート7は例えば格子状に、多数の貫通部7aを全面にわたって万遍なく散在させ、かつ、中央部にプラズマビーム22の通過口7bを設けたものであり、電子帰還電極2の表面に達するガス状態の成膜材料20の量を減少させるようにしたものである。なお、このバッフルプレート7は、前述したワイパ5とともに、或いは凹凸の面6を有する真空成膜装置10にも適用できる。
【0042】
これら図5〜図8に示す構成により、より一層、プラズマビームを連続安定して形成することができるようになる。
【0043】
なお、真空成形装置10は、電子帰還電極2あるいは絶縁管1の配設位置と断面形状について、前述した各実施形態に示すものに限定するものではない。これら電子帰還電極2あるいは絶縁管1の配置位置については、プラズマビーム22を取り巻くとともに、短管部12A内であればよく、例えば、図9に示すように、電子帰還電極2および絶縁管1を短管部12A内の真空チャンバ12内側に片寄らせて配置してもよい。また断面形状についても、この図9に示す例では、電子帰還電極2の断面形状を矩形とし、絶縁管1をプラズマガン11側にフランジを有する筒体形状とするのが好ましい。
【0044】
このような構成により、さらに一層反射電子を効率よく捕捉できるようになる。
【0045】
図10は、電子帰還電極2内に水冷用ジャケット23を形成し、この水冷用ジャケット23の入口部に冷却水流入管24を接続するとともに、その出口部に冷却水流出管25を接続して、電子帰還電極2を水冷構造としたものである。
【0046】
また、図11は、図8に示すバッフルプレート7内に水冷用ジャケット26を形成し、この水冷用ジャケット26の入口部に冷却水流入管27を接続するとともに、その出口部に冷却水流出管28を接続して、バッフルプレート7を水冷構造としたものである。
【0047】
図10および図11において、電子帰還電極2およびバッフルプレート7のそれぞれの温度上昇を抑制することができ、投入可能放電電力を増大させ、成膜速度を向上させ得るようになっている。
【0048】
なお、前述した各実施形態において、絶縁管1はプラズマガン11に対して電気的に浮遊状態に保たれていれば、その材料は、導電性物質か否かは問わない。
次に図12により真空成形装置の他の変形例について説明する。図12に示す実施の形態は、電子帰還電極2の構成が異なるのみであり、他は図1および図2に示す実施の形態と同一である。
【0049】
図12に示すように、電子帰還電極2は内部にコイル(又は永久磁石)2aを有し、プラズマガン11から発生するプラズマビーム22を電子帰還電極2に接触することなく通過させるようになっている。また電子帰還電極2は、内部にヒータ2bを有し、電子帰還電極2の表面に付着する成膜材料20を加熱除去するようになっている。なお、電子帰還電極2が反射電子流3の帰還によって加熱され、一定温度が保持される場合はヒータ2bを設ける必要はない。さらにまた図12に示すように、電子帰還電極2のコイル(又は永久磁石)2aの外側には、コイル(又は永久磁石)2aを保護するため、水冷ジャケット2cおよび真空断熱層2dが設けられている。
【0050】
次に図12において、電子帰還電極2の表面に付着する成膜材料20を加熱除去する作用について説明する。電子帰還電極2が加熱されると、表面に付着する成膜材料20が蒸発して除去される。但し電子帰還電極2は一般に無酸化銅からなっているが、成膜材料20がMgOの場合融点が1300℃以上となるため、無酸化銅を用いることはできず、この場合は電子帰還電極2として高融点金属のMo又はWを用いる。
【0051】
また電子帰還電極2を付着した成膜材料20が蒸発するまで加熱する場合、電子帰還電極2内のコイル(又は永久磁石)2aの性能が低下するが、上述のようにコイル(又は永久磁石)2aの外側に水冷用ジャケット2cおよび真空断熱層2dを設けることにより、コイル(又は永久磁石)2aの性能低下を防止することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態において、被成膜体として基板13を用いた例を示したが、これに限らず被成膜体として供給ローラ67aから繰り出され、コーティングドラム66を経て巻取ローラ67bに巻取られる合成樹脂フィルム13aを用いてもよい(図15)。図15に示すように、真空チャンバ12内が仕切板65により仕切られており、仕切板65より上方にコーティングドラム66が設けられている。なお、図15に示す真空成膜装置10は、基板13の代わりにコーティングドラム66に巻付けられた合成樹脂フィルム13aを用いる点が異なるのみであり、他は図1に示す真空成膜装置と略同一である。
【0053】
図15においてコーティングドラム66に例えばPETフィルムのような合成樹脂フィルム13aが巻付けられ、このフィルム13aの下面にITOの薄膜61またはSiOxの薄膜63を形成することができる。
【0054】
また被成膜体としてカラーフィルムを用いてもよい。
【0055】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。本実施例は図15に示す実施の形態において、合成樹脂フィルム13a上にSiOxの薄膜を形成するものである。
【0056】
(実施例1)
合成樹脂フィルム13aとしてロール状の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーS−10、厚み12μm、幅600mm、長さ5000m)を準備し、これを図15に示されるような真空チャンバ12内に装着した。次に、真空チャンバ12内を、油回転ポンプおよび油拡散ポンプからなる真空ポンプ54により、到達真空度1.0×10-5Torrまで減圧した。
また、蒸発源としてSiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.5%、粒径3〜5mm)を準備し、るつぼ19上に載置した。
【0057】
次に、真空チャンバ12内にArガスを流量40sccmで導入し、真空ポンプ54と真空チャンバ12との間にあるバルブの開閉度を制御することにより、成膜時の真空チャンバ12内の圧力を8.0×10-4Torrに保った。そして、アルゴンガスを導入したホローカソード型プラズマガンを用い、るつぼ19上の蒸発源にプラズマ流を収束させて照射することにより蒸発させ、高密度プラズマにより蒸発分子をイオン化させて、フィルム13a上にSiOx(x=1.5)の薄膜63を形成した。フィルム13aの走行速度は、SiOxの薄膜63の膜厚が500Aとなるように10m/分に設定した。また、SiOxの薄膜63の膜厚は、蛍光X線分析装置(理学電気(株)製RIX−3100)を用いて測定した。これにより、フィルム13a上にSiOxの薄膜63を形成した。
【0058】
(実施例2)
蒸発源としてSiO(高純度化学研究所(株)製、純度99.5%、粒径3〜5mm)を使用し、真空チャンバ12内にAr+O2ガスを流量20+30sccmで導入し、成膜時の真空チャンバ12内の圧力を8.0×10-4Torrとし、また、SiOxの薄膜63の膜厚が500Aとなるように、フィルム13aの走行速度を10m/分に設定した他は、実施例1と同様にして、SiOxの薄膜63を形成した。形成したSiOxの薄膜63の組成はSiOx(x=1.5)であった。
【0059】
(実施例3)
蒸発源としてSi(高純度化学研究所(株)製、純度99.999%、粒径3〜5μm)を使用し、真空チャンバ12内にAr+O2ガスを流量20+40sccmで導入し、成膜時の真空チャンバ12内の圧力を8.0×10-4Torrとし、また、SiOxの薄膜63の膜厚が500Aとなるように、フィルム13aの走行速度を5m/分に設定した他は、実施例1と同様にして、SiOxの薄膜63を得た。形成したSiOxの薄膜63の組成はSiOx(x=1.5)であった。
【0060】
(実施例4)
合成樹脂フィルム13aとしてロール状の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーS−10、厚み12μm、幅600mm、長さ5000m)を準備し、これを真空チャンバ12内に装着した。次に、真空チャンバ12内を、油回転ポンプおよび油拡散ポンプからなる真空ポンプ54により、到達真空度10×10-5Torrまで減圧した。
【0061】
また、蒸発源としてSiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.5%、粒径3〜5mm)を準備し、銅製るつぼ19内に載置した。
【0062】
(評価)
上記のようにして作製した合成樹脂フィルム上のSiOx薄膜について、屈折率を下記のようにして測定し、結果を下記の表1に示した。
【0063】
屈折率
エリプソメトリー(Jobin Yvon社製 UVISEL)を用いて可視光域全域において測定し、波長633nmにおける測定値を屈折率とした。
【0064】
また、上記のようにして作製したSiOxの薄膜について、下記の条件で酸素透過率、水蒸気透過率、および後加工適性・充填包装適性を測定、評価して、結果を下記の表1に示した。
【0065】
酸素透過率
酸素ガス透過率測定装置(モダンコントロール社製OXTRAN2/20)を用いて、温度23℃、湿度50%RHで測定した。
【0066】
酸素バリア性の実用レベル:6.0cc/m2 ・day・atm以下
水蒸気透過率
水蒸気透過率測定装置((モダンコントロール社製PERMATRAN−W3/31)を用いて、温度38℃、湿度100%RHで測定した。
【0067】
水蒸気バリア性の実用レベル:6.0g/m2 ・day・atm以下
後加工適性・充填包装適性
2液硬化型ポリウレタン系樹脂の7%溶液からなる接着剤を使用し、作製した合成樹脂フィルム上のSiOxの薄膜上に接着剤層(厚み1μm)を形成した。次いで、このプラスマー層上に、低密度ポリエチレンを押し出しコートして、厚み60μmのヒートシール性樹脂層を形成して積層材を作製した。次に、各積層材を使用し、製袋機により製袋して3方シール型のプラスチック袋を製造し、このプラスチック袋に醤油を充填した後、開口部を熱融着して充填包装製品を製造した。この一連の加工における適性を下記基準で評価して、後加工適性・充填包装適性とした。
【0068】
合成樹脂フィルム上にSiOxの薄膜を形成したもの(実施例1−4)はいずれも優れたバリア性と後加工適性、充填包装適性を有し、透明性にも優れることが確認された。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プラズマビームをITOまたはSiOxに照射することにより生成した真空チャンバ内の反射電子流を確実に電子帰還電極に戻すことができる。このため、真空チャンバ内においてプラズマビームを安定して形成することができ、これによって被成膜体上にITOまたはSiOxの薄膜を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法を行なう真空成膜装置を示す図。
【図2】真空成膜装置が組込まれたシステム全体を示す図。
【図3】真空成膜装置の変形例を示す図である。
【図4】図3に示す真空成膜装置におけるシート状磁石の前後のプラズマビームの状態を示す図である。
【図5】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図6】図5に示す電子帰還電極を前方側から見た図である。
【図7】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図8】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図9】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図10】真空成膜装置の電子帰還電極を示す図である。
【図11】真空成膜装置のバッフルプレートを示す図である。
【図12】真空成膜装置の他の変形例を示す図である。
【図13】PDPパネルを示す図である。
【図14】酸素流量に対するITO膜とSiOx膜の特性を示す図。
【図15】真空成膜装置の他の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 絶縁管
2 電子帰還電極
2a コイル又は永久磁石
2b ヒータ
3 反射電子流
4 シート状磁石
11 プラズマガン
12 真空チャンバ
12A 短管部
13 基板
13a 合成樹脂フィルム
14 放電電源
15 陰極
16 第1中間電極
17 第2中間電極
18 収束コイル
19 るつぼ
20 成膜材料
21 るつぼ用磁石
22 プラズマビーム
40 防着板
41 成膜速度計
42 真空計
43 酸素供給管
44 測定値収集ユニット
45 プラズマガン電流計
46 プラズマガン電圧計
47 電子帰還電極電流計
48 接地電流計
61 ITOの薄膜
62 液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
63 SiOxの薄膜
64 バリアフイルム
65 カラーフィルター
66 コーティングドラム

Claims (9)

  1. 内部にITOを収納したるつぼと、被成膜体が配置されるとともに、接地された真空チャンバと、プラズマビームを生成しこのプラズマビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラズマガンにより生成したプラズマビームを磁場により軌道および/あるいは形状を制御させてるつぼ内のITOに照射させ、このITOを被成膜体に蒸着させる収束コイルと、真空チャンバ内のうちプラズマガン側にプラズマビーム外周を取囲んで設けられ、ITOに照射されたプラズマビームから生じる反射電子流が帰還する電子帰還電極とを備え、プラズマガンと電子帰還電極との間に、プラズマビームの経路と反射電子流の経路とを分離する絶縁管が設けられ、絶縁管は電気的に浮遊状態となって電子帰還電極の内側に配置されるとともに、内側を流れるプラズマビームに対して略平行に延びる真空成膜装置を用いたITO膜形成方法において、
    るつぼ内にITOを収納する工程と、
    プラズマガンを作動させてプラズマビームを生成し、このプラズマビームをプラズマビームの経路を通ってるつぼ内のITOに照射する工程と、
    プラズマビームがITOに照射した際生じる反射電子流をプラズマビームの経路と絶縁管を介して分離された反射電子流の経路を通って帰還電極に戻すとともに、るつぼから蒸発するITOをイオン化して被成膜体に蒸着させてITO膜を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とするITO膜形成方法。
  2. 被成膜体はガラス基板であることを特徴とする請求項1記載のITO膜形成方法。
  3. 被成膜体は合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載のITO膜形成方法。
  4. 被成膜体はカラーフィルタであることを特徴とする請求項1記載のITO膜形成方法。
  5. るつぼ内から蒸発するITOを被成膜体に蒸着させる際、蒸発するITOに対して酸素を供給することを特徴とする請求項1記載のITO膜形成方法。
  6. 内部にSiOx(x=0〜2)を収納したるつぼと、被成膜体が配置されるとともに、接地された真空チャンバと、プラズマビームを生成したこのプラズマビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラズマガンにより生成したプラズマビームを磁場により軌道および/あるいは形状を制御させてるつぼ内のSiOxに照射させ、このSiOxを被成膜体に蒸着させる収束コイルと、真空チャンバ内のうちプラズマガン側にプラズマビーム外周を取囲んで設けられ、SiOxに照射されたプラズマビームから生じる反射電子流が帰還する電子帰還電極とを備え、プラズマガンと電子帰還電極との間に、プラズマビームの経路と反射電子流の経路とを分離する絶縁管が設けられ、絶縁管は電気的に浮遊状態となって電子帰還電極の内側に配置されるとともに、内側を流れるプラズマビームに対して略平行に延びた真空成膜装置を用いたSiOx膜形成方法において、
    るつぼ内にSiOxを収納する工程と、
    プラズマガンを作動させてプラズマビームを生成し、このプラズマビームをプラズマビームの経路を通ってるつぼ内のSiOxに照射する工程と、
    プラズマビームがSiOxに照射した際生じる反射電子流をプラズマビームの経路と絶縁管を介して分離された反射電子流の経路を通って帰還電極に戻すとともに、るつぼから蒸発するSiOxをイオン化して被成膜体に蒸着させてSiOx膜を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とするSiOx膜形成方法。
  7. 被成膜体はガラス基板であることを特徴とする請求項6記載のSiOx膜形成方法。
  8. 被成膜体は合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求項6記載のSiOx膜形成方法。
  9. るつぼ内から蒸発するSiOxを被成膜体に蒸着させる際、蒸発するSiOxに対して酸素を供給することを特徴とする請求項6記載のSiOx膜形成方法。
JP18125898A 1998-06-26 1998-06-26 ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法 Expired - Lifetime JP3958871B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18125898A JP3958871B2 (ja) 1998-06-26 1998-06-26 ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18125898A JP3958871B2 (ja) 1998-06-26 1998-06-26 ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000017430A JP2000017430A (ja) 2000-01-18
JP3958871B2 true JP3958871B2 (ja) 2007-08-15

Family

ID=16097566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18125898A Expired - Lifetime JP3958871B2 (ja) 1998-06-26 1998-06-26 ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3958871B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4601379B2 (ja) * 2004-10-08 2010-12-22 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4601381B2 (ja) * 2004-10-12 2010-12-22 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4601387B2 (ja) * 2004-10-15 2010-12-22 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4601385B2 (ja) * 2004-10-15 2010-12-22 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4613045B2 (ja) * 2004-10-26 2011-01-12 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4613046B2 (ja) * 2004-10-27 2011-01-12 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4613048B2 (ja) * 2004-10-29 2011-01-12 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP4613050B2 (ja) * 2004-11-04 2011-01-12 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP2006152322A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Central Glass Co Ltd Ito透明導電膜の成膜方法およびito導電膜付き基板
JP4613056B2 (ja) * 2004-12-13 2011-01-12 大日本印刷株式会社 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置および成膜方法
JP2011129631A (ja) 2009-12-16 2011-06-30 Showa Shell Sekiyu Kk Cis系薄膜太陽電池の製造方法
CN104828857B (zh) * 2015-04-24 2016-09-28 柳州百韧特先进材料有限公司 一种电弧法制备纳米ito粉体的装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000017430A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3958877B2 (ja) 真空成膜装置
JP3958871B2 (ja) ITO膜形成方法およびSiOx膜形成方法
Pongratz et al. Plasma ion‐assisted deposition: A promising technique for optical coatings
US6103320A (en) Method for forming a thin film of a metal compound by vacuum deposition
US5009922A (en) Method of forming a transparent conductive film
EP0049586A1 (en) Method and apparatus for forming thin film oxide layers using reactive evaporation techniques
JP2004507617A (ja) 金属被膜を連続冷プラズマ蒸着するための方法および装置
US4885068A (en) Sheet plasma sputtering method and an apparatus for carrying out the method
WO2004055233A1 (ja) 透明導電膜及びその成膜方法
Bräuer et al. New approaches for reactive sputtering of dielectric materials on large scale substrates
JP3128554B2 (ja) 酸化物光学薄膜の形成方法及び酸化物光学薄膜の形成装置
JP3723366B2 (ja) Ito透明導電膜付き基板およびito透明導電膜の成膜方法
JP2946402B2 (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
JP3958869B2 (ja) MgO膜形成方法およびパネル
JP2002047559A (ja) Ito膜及びその成膜方法
Ehrich et al. MgO thin film deposition using TVA (thermoionic vacuum arc)
JPH0850815A (ja) 透明導電体及びその製造方法
JP3958878B2 (ja) 真空成膜装置
Harada et al. High rate deposition of TiO2 and SiO2 films by radical beam assisted deposition (RBAD)
JP3476301B2 (ja) 透明ガスバリヤー性フィルム
JPH0329216A (ja) 透明電導膜の形成方法
JP4757689B2 (ja) 成膜装置及び成膜方法
JPH11279756A (ja) 透明導電膜の形成方法
JPH11279748A (ja) イオンプレーティング装置
JPH10265946A (ja) 蒸着装置およびこれを用いた薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140518

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term