JP3958530B2 - カメラのホールディング用アクセサリのロック装置 - Google Patents

カメラのホールディング用アクセサリのロック装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ本体に着脱自在に取り付けられる、カメラのホールディング用アクセサリに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラには種々の電気回路が設けられており、これらはカメラ本体に収容された電池によって電力を供給される。電池の消耗はカメラの使用状況に応じて変化し、例えばストロボ撮影を多用すると、電池の寿命は著しく短くなり、電池交換の頻度は高くなる。そこで従来、電池を収容したアクセサリをカメラ本体に着脱自在に取付可能とし、長期間にわたって電池を交換することなく使用できるカメラが提案されている。
【0003】
一方、カメラは撮影時、通常、シャッタボタンが撮影者から見て右上に位置する状態すなわち横位置に定められるが、目的に応じて、撮影光学系の光軸の周りに90度回転させた縦位置に定められることもある。しかし縦位置に定められると、シャッタボタンが撮影者から見て左側面の上部に位置することとなり、シャッタレリーズ動作がやり難くなる。そこで従来、カメラ本体に設けられた第1のシャッタボタンとは別に、電池を収容したアクセサリに第2のシャッタボタンを設けて、横位置と同じ状態、すなわち第2のシャッタボタンが撮影者から見て右上に位置するように構成されたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のホールディング用アクセサリは、通常、カメラ本体の底面に設けられた三脚雌ネジに連結されるように構成されている。すなわちアクセサリには、三脚雌ネジに螺合する雄ネジ部材が設けられ、雄ネジ部材に取付けられたダイアル部材がアクセサリの側壁に露出しており、このダイアル部材を回転操作することにより、アクセサリはカメラ本体に取り付けられ、あるいは取り外される。ところが、このようなダイアル部材の操作による取り付けおよび取り外し操作は、ダイアル部材を何回転もさせなければならず、煩雑で時間がかかり、また取り外し操作においては、雄ネジ部材と雌ネジの螺合解除が予め認識しにくいために、雄ネジ部材が三脚雌ネジから解放された瞬間にアクセサリが落下してしまうそれがある。
【0005】
したがって本発明の目的は、ホールディング用アクセサリとカメラ本体の取り付けおよび取り外し操作を簡単にするとともに、アクセサリが誤って落下することを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカメラのホールディング用アクセサリのロック装置は、ハウジングと、ハウジングに移動自在に支持されたロックレバーと、ハウジングに移動自在に支持され、ロックレバーに連動して変位する、カメラ本体に係止可能な第1および第2の連結部材とを備え、ロックレバーがロック位置にあるとき、第1および第2の連結部材はカメラ本体に係止し、ロックレバーがロック位置から移動して部分解除位置にあるとき、第1の連結部材がカメラ本体から解放される一方、第2の連結部材はカメラ本体に係止した状態を維持することを特徴としている。
【0007】
ロックレバーが部分解除位置からさらに移動して完全解除位置にあるとき、第1および第2の連結部材の両方がカメラ本体から解放可能になる。すなわちホールディング用アクセサリは、ロックレバーが部分解除位置にある状態ではカメラ本体から解放されないが、ロックレバーが完全解除位置に定められて初めてカメラ本体から解放可能となる。
【0008】
第1および第2の連結部材の移動方向の向きは相互に反対であることが好ましい。第1の連結部材は例えば、移動方向に対して約45度に傾斜する平板状の第1の連結爪を有し、第2の連結部材は例えば、垂直上方に延びる起立部とこの起立部の上端からほぼ水平に近い緩い傾斜角で係止部とから成る第2の連結爪を有する。この場合、好ましくは、第1の連結爪の移動範囲は、カメラ本体に形成されて第1の連結爪が係合する第1の開口の幅の約半分であり、第2の連結爪の移動範囲は、カメラ本体に形成されて第2の連結爪が係合する第2の開口とほぼ同じである。
【0009】
ロック装置は、好ましくは、ロックレバーがロック位置と部分解除位置の間において切り換えられるときにロックレバーの移動に所定の抵抗を付与するクリックストップ機構を備える。これによれば、ロック位置にあるロックレバーを不用意に操作することが防止される。
【0010】
またロック装置は、第1の連結部材が開口を有し、アクセサリ内に設けられた電気回路とカメラ本体に設けられた電気回路とを電気的に接続するための信号接点ピンが開口内に位置するように構成されることが好ましい。
【0011】
好ましくは、ロック位置にあるロックレバーの先端の操作部に近接した位置であって、ロックレバーに対して部分解除位置とは反対側に、ロック解除部材が設けられ、ロック解除部材はロックレバーの移動方向に垂直な方向に移動自在である。これにより、ロックレバーを不用意に操作することが確実に防止される。また、この構成において、ロック解除部材の先端面はロック解除部材の移動方向にほぼ垂直な面に対して傾斜していることが好ましく、これにより、ロック解除部材の操作が容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1はカメラ本体10と、本発明の一実施形態であるホールディング用アクセサリ20とを分離した状態を示し、カメラ本体10は横位置に定められている。アクセサリ20はカメラ本体10の底面に着脱自在に取り付けられる。
【0013】
カメラ本体10において、前面には交換レンズ11が着脱自在に取り付けられ、上面の中央にはファインダ12が設けられている。またカメラ本体10において、前方から見て左端部には、撮影者がカメラ本体10を保持しやすくなるように前方に突出した第1のグリップ部13が形成され、第1のグリップ部13の上面には第1のシャッタボタン14が設けられている。カメラ本体10の左右の肩部にはストラップを取り付けるための三角環15、16が装着されている。
【0014】
アクセサリ20において、前方から見て左端部には、第1のグリップ部13の下端部に合致した水平断面形状となるように前方に突出した膨出部21が形成され、またアクセサリ20の下部には、水平方向に延びる第2のグリップ部22が突出している。第2のグリップ部22の膨出部21に近接した部位には、第2のシャッタボタン23が設けられている。すなわちカメラ本体10を、前方から見て時計周りに約90度回転させた縦位置において、第2のシャッタボタン23は上方を向く。
【0015】
アクセサリ20の内部には、電池の他、第2のシャッタボタン23等を操作することによって所定の電気信号を発生する種々の電気回路が設けられている。アクセサリ20の上面には、電池により発生する電力をカメラ本体10内の電気回路に供給するためのリード線を内蔵した挿入部材24が設けられている。挿入部材24はカメラ本体10に形成された電池室(図示せず)に挿入される。またアクセサリ20の上面には、電気信号をカメラ本体10内の電気回路に伝送するための信号接点ピン25が設けられている。さらにアクセサリ20の上面には、アクセサリ20をカメラ本体10に連結するときに、両者間の位置決めを行うための位置決めピン26と、アクセサリ20をカメラ本体10に対して固定するための第1および第2の連結部材27、28とが設けられている。
【0016】
図2はアクセサリ20を後方から見た斜視図である。
アクセサリ20のハウジングの外壁は、前カバー31(図3参照)と後カバー32から構成され、側面に形成される開口は蓋部材37によって閉塞される。後カバー32には水平方向に延びるスリット61が穿設され、スリット61には、カメラ本体10にアクセサリ20を連結した状態を保持するロック装置のロックレバー62が挿通している。ロックレバー62はスリット61に沿って移動自在である。アクセサリ20を後方から見て、スリット61の右端部の近傍にはロック解除部材63が設けられている。ロック解除部材63は後カバー32の壁面に対して垂直方向に移動自在である。
【0017】
アクセサリ20の後カバー32において、ロック解除部材63の下側には電源スイッチ64が設けられ、電源スイッチ64の右側にはAEロックボタン65が設けられている。電源スイッチ64を操作することによって、アクセサリ20内に設けられた電池からカメラ本体10内の電気回路への電力供給が開始される。AEロックボタン65を操作することによって、露出条件が所定時間だけ固定される。また後カバー32において、AEロックボタン65の右側には、リモコン撮影のモードをオンオフするためのリモコンスイッチ66と、リモコン撮影時にリモコン(図示せず)から出射される赤外光を受光するリモコン受光窓67とが設けられている。
【0018】
図3と図4を参照してアクセサリ20のハウジングの構成を説明する。なお図3において、挿入部材24(図1、図2参照)は省略されている。
【0019】
アクセサリ20のハウジングは、カメラ本体10の前面に対応する前カバー31と、カメラ本体10の後面に対応する後カバー32と、前カバー31と後カバー32の間に設けられた中仕切部材33とを備える。前カバー31と後カバー32はそれぞれ、カメラ本体10の幅すなわち左右方向の長さにほぼ等しく、ビス34によって中仕切部材33に固着される。前カバー31は上述したように、膨出部21と第2のグリップ部22とを有し、第2のグリップ部22の膨出部21とは反対側の端部には第1の切欠35が形成されている。後カバー32の第1の切欠き35に対応した位置には第2の切欠36が形成されている。前カバー31と後カバー32と中仕切部材33が組み立てられた状態において、第1および第2の切欠35、36によって区画される開口は、上述したように蓋部材37によって閉塞される。
【0020】
中仕切部材33は前カバー31および後カバー32よりも若干短いが、カメラ本体10の左右方向のほぼ全域にわたって延びている。前カバー31と後カバー32と中仕切部材33の壁面には、電池の外面に沿って円弧状に切欠かれた多数のリブ38が形成されている。すなわち、前カバー31と後カバー32と中仕切部材33が組み立てられた状態において、図4に明示されるように、複数の電池を収容するための電池室41が区画形成され、中仕切部材33は電池室41おいて複数の電池の間を区画する壁を構成する。また中仕切部材33は、交換レンズ(撮影光学系)11の光軸に垂直な平板39を有し、平板39により、アクセサリ20の曲げ剛性が高められ、強度性能が向上する。なお中仕切部材33の長手方向(カメラ本体10の幅方向)のほぼ中央の下部に形成された穴42には、三脚を連結するための三脚雌ネジ43が設けられている。
【0021】
前カバー31と後カバー32と中仕切部材33は合成樹脂から成り、図4において横方向に変位する上型と下型から構成された金型によって成形される。すなわち、アクセサリ20のハウジングを前カバー31と後カバー32に分割し、中仕切部材33によって連結する構成を採用したことにより、これらの樹脂成形品の製造工程において、金型からの離型が容易になり、アクセサリ20の製造コストが抑えられる。
【0022】
前カバー31と後カバー32の底面において、中仕切部材33に連結するためのビス34が設けられる部位を含む部分はそれぞれ凹陥しており、これらの凹陥部44には、底面ゴムカバー46が設けられる。一方、前カバー31の上面には、外観ゴムカバー47が貼付される。中仕切部材33の上面には金属製の支持板68が載置され、前カバー31と後カバー32の上方に形成される開口は上板48よって閉塞される。上板48には、開口48a、48b、48cが形成されている。また、上板48上の開口48a、48cのそれぞれの短辺近傍には、ゴムなどの弾性部材で形成された円板状の台座48dが設けられている。
【0023】
図5、6および7を参照してロック装置の構成を説明する。図5はロックレバー62がロック位置にあってアクセサリ20がカメラ本体10に強固に連結される状態を示し、図6はロックレバー62が部分解除位置にあってアクセサリ20がカメラ本体10にまだ部分的に連結されている状態を示している。図7はロックレバー62が完全解除位置にあってアクセサリ20がカメラ本体10から完全に分離される状態を示している。
【0024】
ロックレバー62は、支持板68に固定された枢支ピン68aによって、支持板68に沿って回動自在に支持されている。ロックレバー62のアーム62aは支持板68の縁部よりも外側へ突出し、アーム62aの突出端にはロックボタン(操作部)62bが設けられている。アーム62aの支持板68側の面には案内ピン62cが突設されており、案内ピン62cは、支持板68に形成されて枢支ピン68aを曲率中心とする円弧状の長穴68bに嵌合している。すなわち、ロックレバー62は、案内ピン62cが長穴68b内で移動できる範囲において回動自在である。ロックレバー62は、枢支ピン68aからアーム62aに対してほぼ垂直方向に延びる第1および第2張出部62e、62fを有している。第1張出部62eの先端には環状のカラー62gが枢着され、第2張出部62fの先端には押圧ピン62hが固定されている。
【0025】
第1連結部材27は、支持板68の上面に設けられた4つの案内ローラ68cに案内され、支持板68すなわちハウジングに移動自在に支持されている。第1連結部材27の一方の縁部に形成された連結爪27aは、上板48の開口48a(図3参照)から突出しており、後述するように、ロックレバー62に連動して変位することにより、カメラ本体10の底面に形成された開口の縁部に係止可能である。第1の連結部材27は矩形の開口27bを有する。開口27bの内側には、アクセサリ20内の電気回路とカメラ本体10内の電気回路とを電気的に接続するための信号接点ピン22が位置している。信号接点ピン22は上板48の開口48b(図3参照)から突出して、カメラ本体10の底面に設けられた電気接点に接触可能である。
【0026】
第1連結部材27と支持板68は一対の引張バネ69によって連結され、第1の連結部材27は常時ロックレバー62側、すなわち連結爪27aとは反対方向に付勢されている。第1連結部材27の連結爪27aとは反対側の縁部には、「く」の字状に屈曲された板バネ27cが設けられ、板バネ27cには、ロックレバー62のカラー62gが係合可能である。すなわち第1連結部材27は、板バネ27cを介してロックレバー62により押圧され、連結爪27a側すなわち外側に変位する。
【0027】
中間レバー71は、支持板68に固定された枢支ピン68dに、回動自在に支持されている。中間レバー71のロックレバー62側の縁部71aは、押圧ピン62hとの干渉を避けるために円弧状に形成されており、縁部71aの枢支ピン68d側の端部には押圧ピン62hが係合する切欠71bが形成されている。中間レバー71に固着されたピン71dと支持板68に固着されたピン68eはオメガバネ73によって連結されている。これにより中間レバー71は、ロックレバー62側に回動した第1の位置(図7参照)と第2の連結部材28側に回動した第2の位置(図5および図6参照)において、安定的に静止する。なお中間レバー71には、後述するように第2の連結部材28に設けられた連結ピン28dが係合する穴71eが形成されている。
【0028】
第2の連結部材28は、支持板68の上面に設けられた4つの案内ローラ68fに案内され、支持板68すなわちハウジングに移動自在に支持されている。第2の連結部材28の移動方向は第1の連結部材27の移動方向に平行であるが、その向きは相互に逆である。なお4つの案内ローラ68fのうちの1つは、上述したピン68eを兼ねている。第2の連結部材28には、連結爪28aが形成されている。連結爪28aは上板48の開口48c(図3参照)から突出しており、後述するように、ロックレバー62に連動して変位することにより、カメラ本体10の底面に形成された開口の縁部に係止可能である。また第2の連結部材28には、移動方向に沿って延びる第1および第2の案内スリット28b、28cが形成されている。第1の案内スリット28bは枢支ピン68aに係合し、第2の案内スリット28cは枢支ピン68dに係合している。連結部材28に固定された連結ピン28dは、中間レバー71の穴71eに係合している。
【0029】
図8は、アクセサリ20をカメラ本体10に取り付けたときにおける、両者の結合状態を示す断面図である。この図に示されるように、第1の連結部材27の連結爪27aは移動方向に対して約45度に傾斜する平板状を呈し、連結爪27aの移動範囲はカメラ本体10の開口10aの幅の約半分である。これに対し、第2の連結部材28の連結爪28aは、垂直上方に延びる起立部28eと起立部28eの上端からほぼ水平方向に近い緩い傾斜角をなして延びる係止部28fとから成る。係止部28fはカメラ本体10の内部に入り込んでいる。連結爪28aの移動範囲はカメラ本体10の開口10bの幅とほぼ同じであり、係止部28fの幅は開口10の幅よりも小さい。また、このロック状態においては、連結爪27a、28aのそれそれの傾斜面からの押圧力により、台座48dはカメラ本体10の底部との間に挟持されて弾性変形して密着し、がたつきや滑りをなくして両者の密着性を高めている。
【0030】
次に、ロック装置の作用を説明する。
図5に示されるようにロックレバー62がロック位置にあるとき、ロックボタン62bは側面62iがロック解除部材63に近接した位置にあり、カラー62gは板バネ27cの屈曲部27dの近傍を押圧している。したがって第1の連結部材27は、カラー62gが板バネ27cを押圧することによって生じるバネ力により付勢され、引張バネ69のバネ力に抗して、連結爪27a側に変位している。一方、中間レバー71はオメガバネ73のバネ力により、第2の連結部材28を連結爪28a側すなわち外側に押圧した位置に静止している。すなわち第1および第2の連結部材27、28は相互に離れる方向に位置して固定されており、アクセサリ20がカメラ本体10に取り付けられた状態において、連結爪27a、28aはカメラ本体10の底面の開口の外側縁部にそれぞれ係止し、アクセサリ20とカメラ本体10は相互に強固に連結される。
【0031】
アクセサリ20をカメラ本体10から取り外すには、まずロック解除部材63を第1の連結部材27側に押し込んで、ロックボタン62bの側面62iを露出させる。これによりロックレバー62は操作しやすくなり、側面62iを第2の連結部材28側へ向けて押すと、カラー62gが板バネ27cを撓めて屈曲部27dを乗り越え、ロックレバー62は、押圧ピン62hが中間レバー71の切欠71bに係合した状態において停止する。この状態が図6に示される部分解除位置であり、板バネ27cがカラー62gから解放されるので、第1の連結部材27は引張バネ69によって内側(ロックレバー62側)に変位する。これにより、第1の連結部材27の連結爪27aはカメラ本体10の底面の開口縁部から解放される。これに対し、第2の連結部材28はオメガバネ73に付勢されて静止しており、連結爪28aはカメラ本体10の底面の開口縁部に係止した状態を維持している。この状態では、アクセサリ20の連結爪27a側がカメラ本体から離間可能であるが、位置決めピン26がカメラ本体10の挿入孔の内壁に係合し、連結爪28aと協働することにより、アクセサリ20が第2の連結部材28を介してカメラ本体10に連結された状態が維持される。したがって、使用者がアクセサリ20を手から離してもアクセサリ20は落下しない。
【0032】
ロックレバー62を部分解除位置(図6)からさらに第2の連結部材28側に移動させると、押圧ピン62hが切欠71bを押圧し、中間レバー71が図7において反時計方向に回動する。この結果、連結ピン28dを介して、第2の連結部材28が内側(ロックレバー62側)に移動し、図7に示される完全解除位置において静止する。この状態では、第2の連結部材28の連結爪28aはカメラ本体10の底面の開口縁部から解放される。すなわち、第1および第2の連結部材27、28の連結爪27a、28aがともにカメラ本体10から解放され、アクセサリ20はカメラ本体10から外される。
【0033】
アクセサリ20をカメラ本体10に取り付けるときには、まずアクセサリ20をカメラ本体10の底面に当接させて、連結爪27a、28aをカメラ本体10の底面の開口に挿入させる。そして、完全解除位置(図7参照)に定められたロックレバー62を第1の連結部材27側に倒し、ロック位置(図5参照)に定めればよい。これにより、連結部材27、28が外側に変位して連結爪27a、28aがカメラ本体10の底面の開口縁部に係止する。このとき、連結爪27a、28aの傾斜面による押圧力により、カメラ本体10の底部とアクセサリ20の上板48との間にある台座48dが弾性変形し、これによりカメラ本体10とアクセサリ20の間は、がたつきのない確実な係止状態に定められる。
【0034】
以上のようにアクセサリ20をカメラ本体10から取り外す操作において、ロックレバー62はロック位置(図5)から回動して部分解除位置(図6)に一旦固定され、この状態ではアクセサリ20は第2の連結部材28によってカメラ本体10に連結している。したがって、アクセサリ20が誤って落下することはない。また、ロックレバー62をロック位置から部分解除位置を経て完全解除位置に移動させる操作、および完全解除位置からロック位置に定める操作は、ロックレバー62を単に回動させるだけでよいので、アクセサリ20とカメラ本体10の取り付けおよび取り外し操作は極めて簡単である。
【0035】
また板バネ27cが第1の連結部材27に設けられているので、ロックレバー62の回動操作において、カラー62gが板バネ27cの屈曲部27dを乗り越えるのに十分な力で、ロックレバー62を押さなければならない。このようにロックレバー62の移動に所定の抵抗を付与するクリックストップ機構を設けたことにより、ロック位置にあるロックレバー62を不用意に操作することが防止される。
【0036】
図9および図10はロックレバー62とロック解除部材63の構成を示している。ロック解除部材63には一対のスリット63aが形成され、各スリット63aにはそれぞれ、支持板68に設けられた一対の案内ピン68gに係合している。スリット63aはロックボタン62bの移動方向にほぼ垂直な方向に延びている。すなわち、ロック解除部材63はロックボタン62bの移動方向にほぼ垂直な方向に変位自在である。ロック解除部材63の下端部に形成されたフック63bと支持板68に設けられたピン68hとはバネ63cによって連結されており、ロック解除部材63は常時、アクセサリ20の後カバー32(図3参照)側、すなわち後カバー32から突出する方向(図9および図10の上方)に付勢されている。
【0037】
ロック解除部材63の先端にはロック解除ボタン63dが設けられている。ロック解除ボタン63dの先端面63eは、ロック解除部材63の移動方向に垂直ではなく、移動方向に垂直な面に対して若干傾斜している。これは、ロック解除部材63を押し易くするためである。
【0038】
またロック解除部材63には係止溝63fが形成されている。図9に示されるようにロックレバー62がロック位置にあるとき、ロックレバー62の案内ピン62cは係止溝63fに係止し、これによりロックレバー62はロック位置に固定される。これに対し、図10に示されるようにロック解除部材63がバネ63cのバネ力に抗して押下されると、案内ピン62cが係止溝63fから解放され、ロックレバー62は回動可能となる。また、この状態において、ロック解除ボタン63dが移動したことによってロックボタン62dの側面62iが露出するので、使用者がロックボタン62bを操作しやすくなる。逆に言えば、図9のようにロック解除ボタン63dがロックボタン62bの側面62iを覆う状態では、ロックボタン62bを誤って操作するおそれが防止される。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ホールディング用アクセサリとカメラ本体の取り付けおよび取り外し操作が簡単になり、またアクセサリが誤って落下することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラ本体と、本発明の一実施形態であるホールディング用アクセサリとを示す分解斜視図である。
【図2】ホールディング用アクセサリを後方から見た斜視図である。
【図3】ホールディング用アクセサリのハウジングを示す分解斜視図である。
【図4】ホールディング用アクセサリの横断面図である。
【図5】ロックレバーがロック位置にあるときのロック装置を示す平面図である。
【図6】ロックレバーが部分解除位置にあるときのロック装置を示す平面図である。
【図7】ロックレバーが完全解除位置にあるときのロック装置を示す平面図である。
【図8】アクセサリとカメラ本体の結合状態を示す断面図である。
【図9】ロック解除部材がロックボタンの側面を覆っている状態を示す図である。
【図10】ロック解除部材がロックボタンの側面を開放した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 カメラ本体
20 ホールディング用アクセサリ
27 第1の連結部材
28 第2の連結部材
62 ロックレバー

Claims (8)

  1. カメラ本体にホールディング用アクセサリを連結した状態を保持するためのロック装置であって、
    ハウジングと、
    前記ハウジングに移動自在に支持されたロックレバーと、
    前記ロックレバーの移動に抵抗を付与するクリックストップ機構と、
    前記ハウジングに移動自在に支持され、前記ロックレバーに連動して変位する、前記カメラ本体に係止可能な第1および第2の連結部材とを備え、
    前記ロックレバーがロック位置にあるとき、前記第1および第2の連結部材は前記カメラ本体に係止し
    記ロックレバーが前記ロック位置から、前記抵抗に抗し、移動して部分解除位置にあるとき、前記ロックレバーが前記抵抗から解放されるとともに、前記第1の連結部材が前記カメラ本体から解放され、かつ前記第2の連結部材が前記カメラ本体に係止した状態を維持し、
    前記ロックレバーが前記部分解除位置からさらに移動して完全解除位置にあるとき、前記第1および第2の連結部材の両方が前記カメラ本体から解放可能となる
    ことを特徴とするカメラのホールディング用アクセサリのロック装置。
  2. 前記第1および第2の連結部材の移動方向の向きが相互に反対であることを特徴とする請求項1に記載のロック装置。
  3. 前記第1の連結部材が移動方向に対して約45度に傾斜する平板状の第1の連結爪を有し、前記第2の連結部材が垂直上方に延びる起立部とこの起立部の上端からほぼ水平に近い緩い傾斜角で延びる係止部とから成る第2の連結爪を有することを特徴とする請求項1に記載のロック装置。
  4. 前記第1の連結爪の移動範囲は、前記カメラ本体に形成されて前記第1の連結爪が係合する第1の開口の幅の約半分であり、前記第2の連結爪の移動範囲は、前記カメラ本体に形成されて前記第2の連結爪が係合する第2の開口とほぼ同じであることを特徴とする請求項に記載のロック装置。
  5. 前記第1の連結部材が開口を有し、前記アクセサリ内に設けられた電気回路と前記カメラ本体に設けられた電気回路とを電気的に接続するための信号接点ピンが前記開口内に位置することを特徴とする請求項1に記載のロック装置。
  6. 前記ロック位置にある前記ロックレバーの先端の操作部に近接した位置であって、前記ロックレバーに対して前記部分解除位置とは反対側に、ロック解除部材が設けられ、前記ロック解除部材は前記ロックレバーの移動方向にほぼ垂直な方向に移動自在であることを特徴とする請求項1に記載のロック装置。
  7. 前記ロック解除部材の先端面が、前記ロック解除部材の移動方向に垂直な面に対して傾斜していることを特徴とする請求項に記載のロック装置。
  8. 前記第1および第2の連結爪の可動範囲の近傍に設けられた、弾性部材からなる台座を有することを特徴とする請求項に記載のロック装置。
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