JP3958203B2 - 可動フィルム型表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

可動フィルム型表示装置及びその駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動フィルム型表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可動フィルム型表示装置は、弾性を有する可動フィルム上の可動電極と、固定体上の固定電極との間の静電力により、可動フィルムを撓ませる、もしくは撓ませない等の制御を行い、画像情報を表示するものである。固定体は、可動フィルムと対向する面を曲面形状とすることなどにより、可動フィルムが撓みやすい形状としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの可動フィルム型表示装置のデバイス構造としては、可動フィルムの両面に固定電極が設けられ、可動フィルムの変位端側にある表示部(着色部)近傍に保持電極を設けた構造がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、固定体に複数の固定電極を設け、夫々の固定電極に異なる電圧を印加する構造もある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−287040号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献2】
特開平8−271933号公報(第5−8頁、第16図)
【特許文献3】
特開2001−100121号公報(第4−7頁、第10図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の可動フィルム型表示装置においては、画像情報を保持する際に、画像情報のクロストークが生じるおそれがあった。また、製造過程において可動フィルムの内部応力にばらつきが生じたり、可動フィルムを固定体に貼り付ける際にこれらの間の隙間量にばらつきが生じたりすることにより、各画素の可動フィルムや固定体に電圧を印加する際に、可動フィルムが撓む閾値電圧等が、画素毎に異なるおそれがあった。従って、画質が低下すると言う問題があった。
【0007】
本発明は、画質の高い可動フィルム型表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、信号線と、走査電極と、信号線と電気的に接続され変位端側に設けられる保持電極とを有し、変位端側で対を成す可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、補助電極、走査電極及び信号線を介して保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、固定体が可動フィルムと最も変位端側で接触している点を原点、固定体の最も変位端側の点から撓みのない状態の可動フィルムに射影した点を先端、保持電極の固定端側の端部から撓みのない状態の可動フィルムに射影した点を保持電極端部、走査電極の変位端側の端部から撓みのない状態の可動フィルムに射影した点を走査電極端部とし、保持電極端部と走査電極端部とから等距離にある点を中点として、原点と先端との距離をL、原点と中点との距離をLmidとした際に、下記(1)式を満たすことを特徴とする可動フィルム型表示装置を提供する。
0.4≦Lmid/L≦0.8 (1)
【0014】
また本発明においては、補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、信号線と、走査電極と、信号線と電気的に接続され変位端側に設けられる保持電極とを有し、変位端側で対を成す可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、補助電極、走査電極及び信号線を介して保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、一本の信号線に接続された複数の画素にわたって、信号線及び画素の保持電極が連続した金属面で形成されることを特徴とする可動フィルム型表示装置を提供する
【0015】
また本発明においては、補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、信号線と、走査電極と、信号線と電気的に接続され変位端側に設けられる保持電極とを有し、変位端側で対を成す可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、補助電極、走査電極及び信号線を介して保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、補助電極は補助走査線に電気的に接続され、走査電極は走査線に電気的に接続され、補助走査線と走査線とは並行して設けられ、補助走査線及び走査線と信号線とは交わるように設けられる可動フィルム型表示装置の駆動方法であって、走査線の電位として走査線第1電位とこの走査線第1電位より高い走査線第2電位とを有し、補助走査線の電位として補助走査線第1電位とこの補助走査線第1電位より高い補助走査線第2電位とを有し、信号線の電位として信号線第1電位とこの信号線第1電位より高い信号線第2電位とを有し、書込み前半期間において、走査線の電位が走査線第2電位であり、補助走査線の電位が補助走査線第1電位であり、信号線の電位が信号線第2電位であって、可動フィルムが固定体側に撓み、書込み後半期間において、走査線の電位が走査線第2電位であり、補助走査線の電位が補助走査線第2電位であり、信号線の電位が画像情報に従って、信号線第1電位にあれば可動フィルムは固定体側に撓んだ状態を保持し、信号線第2電位にあれば可動フィルムが固定体から離れ、保持期間において、走査線の電位が走査線第1電位であり、補助走査線の電位が補助走査線第1電位であって、書込み後半期間の状態を保持することを特徴とする可動フィルム型表示装置の駆動方法を提供する。
【0016】
本発明においては、走査線第2電位と補助走査線第2電位と信号線第2電位とが全て等しくとも良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態の可動フィルム型表示装置を示す斜視図であり、図2は回路図である。本実施形態では、一方の先端が変位可能な変位端となる可動フィルムと、走査電極と走査電極よりも変位端側に設けられる保持電極とを有する固定体とを具備し、画質の高い可動フィルム型表示装置を提供するものである。
【0018】
本実施形態の可動フィルム型表示装置は、図1に示すように、固定された固定体101と、固定体101に対向するよう配置された可動フィルム102がある。図1では、3つの固定体101を示しているが、実際は、多数の固定体を用いて二次元マトリクス状に画素が配置されている。
【0019】
可動フィルム102は、一行分の画素の可動フィルムが一体として形成されているが、短冊状に分割されて画素毎に変位可能な複数の変位端となっている。それぞれの変位端の先端は折り曲げられて、第1色フィルム(着色部)103a、103b、103cが設けられている。また、図1では図示していないが、図2に示すように可動フィルム102の一表面上には、一行分の画素に対応する補助電極201が一体的に形成され、それらは補助走査線202に共通に接続されている。複数の補助電極201は絶縁フィルム(図示せず)等で覆われて絶縁されている。
【0020】
可動フィルム102と重なるように、絶縁フィルムを介して固定フィルム104がある。固定フィルム104も可動フィルム102とほぼ同様な形状を持つが、変位端側も固定され動かないようになっている。そして、その変位端側の先端には第2色フィルム105a、105b、105cが設けられている。第1色フィルム103と第2色フィルム105とは、黒と白など、異なる色に着色されている。
【0021】
1つの固定体101は一行分の画素に対応して一体として形成され、列の数だけの固定体101が2次元状に配列されている。固定体101は、可動フィルム102と並行に設けられ、可動フィルム102と対向する面は曲面を有し、固定端側から変位端に向かって徐々に可動フィルムから離れる形状となっている。また固定体101の表面には、一行分の走査電極203が一体的に形成され、それらは走査線204に共通に接続されている。補助電極201と走査電極203、つまり補助走査線202と走査線204とは並行している。さらに固定体101の表面の走査電極203よりも変位端側には保持電極205が画素毎に形成され、一列分の画素の保持電極205が一本の信号線206に接続される。図1では、信号線206は点線で示し、簡単のために端から二列分の信号線のみ示している。信号線206は補助走査線202や走査線204とは絶縁されて立体的に交わり、このような簡易な形状で単純マトリクス駆動が可能となる。
【0022】
図3を用いて可動フィルム型表示装置での表示の仕組みを、また図4を用いて可動フィルムのヒステリシス特性を説明する。
【0023】
図3に示すように、固定体101と可動フィルム102との間に電位差を与えてこれらに静電引力が働くようにした場合には、可動フィルム102が撓み第1色フィルム103aが第2色フィルム105bの下に収納されて第2色フィルム105aの色が表示される。また、可動フィルム102が撓まない場合には、第2色フィルム105bの上には第1色フィルム103bがあり、第1色フィルム103bの色が表示される。なお、固定フィルム104を設けずに固定体101を第1色フィルム103と異なる色で着色し、可動フィルム102が撓まない場合に第1色フィルム103の色を表示して、可動フィルム102が撓むと固定体101の色を表示することも可能である。
【0024】
また、可動フィルムと固定体との間に電位差を設けるために補助電極と走査電極との間に電圧を印加していくと、印加電圧と可動フィルムの変位端の先端変位量との関係は、図4のようになる。つまり、印加電圧を徐々に上げていくと、しばらく先端変位量は少しずつ上がっていくが、印加電圧がV2となった時に急激に撓んで変位量(撓み量)がXとなる。その後、変位量がXのまま徐々に印加電圧を下げていくと、印加電圧がV1となった時にまた急激に変位し、変位量が0となる。可動フィルムはこのように閾値電圧を持つヒステリシス特性を有する。急激に撓む際の閾値電圧V2は、急激に撓みが元に戻る際の閾値電圧V1よりも大きい。
【0025】
次に、このような動作により表示を行う可動フィルムを用いた本実施形態の可動フィルム型表示装置の特徴について、図5の駆動シーケンス図を用いて説明する。図5中、A、D、Gを保持状態(保持期間)、B、Eを白書込み状態(書込み前半期間)、C、Fをリリース(開放)状態(書込み後半期間)とする。ここでは、書込み前半期間のことを白書込み状態としているが、この状態で白以外の色を書き込んでも良く、限定されるものではない。
【0026】
まず、白書込み状態になったとき、補助走査線202(Canti)は0V(低電位)に、走査線204(Add.)は85V(高電位)になる。信号線206(Sig.)は、画像情報に従い42.5V(低電位)もしくは85V(高電位)とする。白書込み状態では、信号線206の電位がどちらであっても補助走査線202と走査線204、すなわち補助電極と走査電極との85Vの電位差で可動フィルムは固定体側に撓む。
【0027】
次に、リリース状態になると、補助走査線202が85V(高電位)になり、走査線204は85Vのままとなる。ここで、信号線206が85Vであると(Fの状態)、補助走査線202と走査線204と信号線206の電位、すなわち補助電極と走査電極と保持電極の電位が全て等しくなり、可動フィルムは固定体から離れて元の状態、つまり撓まない状態に戻る。また、信号線206が42.5Vであると(Cの状態)、補助走査線202と走査線204の電位は等しいものの、補助走査線202と信号線206、すなわち補助電極と保持電極の間に電位差が生じることから、可動フィルムは固定体側に撓んだ状態を保つ。
【0028】
次に、保持状態になると、補助走査線202が0Vになり、走査線204は0V(低電位)になる。信号線206は他の走査線204に接続された画素の画像情報を印加するために、電位は低電位と高電位の間を変動している。ここで、リリース状態で可動フィルムが固定体から離れた状態から保持状態(Gの状態)となった場合は、補助走査線202と信号線206、つまり補助電極と保持電極との間には42.5V若しくは85Vの電位差がある。しかし、固定体が変位端側にいくにしたがい徐々に可動フィルムから離れるような曲面を有することから、可動フィルム(補助電極)と保持電極との間に距離があるために可動フィルムは固定体側に大きくは撓まない。また、リリース状態で可動フィルムが固定体側に撓んだ状態から保持状態(Dの状態)となった場合は、補助走査線202と信号線206、つまり補助電極と保持電極との間には42.5V若しくは85Vの電位差がある。この電位差により、可動フィルムは固定体側に撓んだ状態を保つことが出来る。
【0029】
従って、本実施形態においては、保持状態では、リリース状態で可動フィルムが撓んだ状態だったとしてもそうでない状態だったとしても、その状態を安定に保つことが出来るのである。しかも、保持電極は、可動フィルムが撓んだ状態でのみ可動フィルムに静電引力を効果的に印加することの出来る位置、つまり、可動フィルムが撓んだ状態での可動フィルムの変位端側の位置に形成されている。よって、可動フィルムが撓んだ状態もそうでない状態も保持するのが容易となり、単純マトリクス駆動でもクロストークが生じることなく、画質の向上という効果を得ることが出来る。また、単純マトリクス駆動であることから、信号線や走査線、補助走査線を夫々信号線駆動装置や走査線駆動装置、補助走査線駆動装置等の駆動部に接続すればよく、各画素にスイッチング素子などを設けずに済むことから構成が容易となる。
【0030】
なお、図5では補助走査線と走査線の電位を0Vと85V、信号線の電位を42.5Vと85Vとしているが、これに限られるものではなく、可動フィルムや固定体の大きさや材料、厚さなどで決定すればよい。特に、図5におけるFの状態、つまり可動フィルムを撓ませた後に撓まない元の状態に戻すときは、補助走査線202と走査線204、信号線206の電位を全て等しくすることにより、撓んだ状態から撓まない元の状態となりやすく、間違った画像表示を防ぐことが容易となる。
【0031】
また、図5における保持状態(DやGの状態)では、補助電極(可動フィルムのほぼ全体)と保持電極(固定体の一部)の間の静電引力のみで可動フィルムが撓んだ状態を保持する。図4の印加電圧と先端変位量の関係は、可動フィルムのほぼ全体と固定体のほぼ全体に電極を形成してこれらの間に静電引力差を設ける場合であることから、図5の保持状態とは関係が異なる。図5の保持状態では、保持電極が可動フィルムの撓まない状態から離れたところにあることから、可動フィルムが撓んだ状態で印加電圧を減少させていくと、印加電圧がV1よりも大きいところで可動フィルムは固定体から離れて撓まない状態に戻る。
【0032】
また、本実施形態の可動フィルム型表示装置は、カラー表示を行うこともできる。図6に、カラー表示を行う場合の可動フィルム型表示装置の一画素を簡略に示す。カラー表示を行う場合は、一枚の第2色フィルム105を例えば白色として、この上に三枚の第1色フィルム103(C)、103(M)、103(Y)が積層するように配置する。三枚の第1色フィルムは、透明材料で形成され、シアン103(C)、マゼンダ103(M)、イエロー103(Y)に夫々着色されている。また、三枚の第1色フィルム103(C)、103(M)、103(Y)は独立に第2色フィルム105上に出し入れ出来るように、夫々の可動フィルム102は重ならない構成となっている。
【0033】
次に、本実施形態の可動フィルム型表示装置の製造方法を説明する。
【0034】
図7に、本実施形態の可動フィルム型表示装置の1画素の構造の断面図を示す。図7において、固定フィルム104上に可動フィルム102がある。可動フィルム102は、ポリマーフィルム701と、ポリマーフィルム701上に形成された補助電極702とを有する。固定体101は、ベース材703とベース材703を覆う第1の絶縁膜704、第1の絶縁膜704上の保持電極705及び走査電極706、保持電極705及び走査電極706を覆う第2の絶縁膜を有する。保持電極705は、対を成す可動フィルム102に対向する面の変位端側から反対側の面にわたって形成され、導電コネクタ708を介して基板709上の信号線206に接続する。走査電極706は、保持電極705と絶縁するよう設けられ、保持電極705より、可動フィルム102の固定端側に設けられる。
【0035】
まず、プラスチックを成形する、もしくは金属をプレス加工するなどによって、対を成す可動フィルムと変位端側で離れる曲面を有するベース材703を形成する。
【0036】
このベース材703を被覆するようなシート接着剤などを第1の絶縁膜704として、金属フィルムを保持電極705及び走査電極706として貼り付ける。この保持電極705及び走査電極706上に、やはりシート接着剤などを用いて、第2の絶縁膜707としてポリマーなどを貼り付ける。また、金属蒸着されたポリマーフィルムをシート状接着剤でベース材703に接着することにより、シート状接着剤を第1の絶縁膜704、蒸着された金属を保持電極705及び走査電極706、ポリマーフィルムを第2の絶縁膜707として一つの工程で形成することも出来る。
【0037】
そして、ポリマーフィルム701上にアルミニウムを蒸着して形成した補助電極702が設けられた可動フィルム102を、その固定端側で、アクリル系接着剤で固定体101と接着する。また、可動フィルム102と固定体101とを重ね、可動フィルム102の上からテープを貼ることによって、両者を固定する方法もある。可動フィルム102の固定端側に、ポリエチレンテレフタレートなどからなる固定フィルム104を同様に接着する。
【0038】
次に、この固定体101と可動フィルム102と固定フィルム104とを一体化したものを基板709上に固定する方法について図8を用いて説明する。図7において、表示面は視点1から見た方向であるが、図8は、図7を視点2から見た平面図である。図8及びその説明では、固定フィルム及び保持電極705以外の電極を省略する。
【0039】
図8において、固定体101と可動フィルム102とは、一つの行で一体化して、可動フィルム102や保持電極705は変位端側の先端が画素毎に分かれている。そして、この一つの行の固定体101及び可動フィルム102は、基板709の端部で、基板709接続した橋脚801により支えられている。橋脚801の場所を確保するために、保持電極705は、橋脚801付近で幅が絞られ、画素ピッチより狭いピッチとなり、異方性導電コネクタ708につながる。保持電極705は、導電コネクタ708を通して、基板709上の信号線206に接続され、他の行の信号線206とつながる。また可動フィルム102の変位端側の端部は、隣接画素同士一体となっており、可動フィルム上の補助電極(図示せず)は補助走査線の働きももっている。図示しないが、固定体101上には1行分の走査電極も一体的に形成され、走査線の働きをもっている。橋脚801は、基板709にあけた穴にはめられるようにしてあり、ネジなどで固定する。導電コネクタ708は粘着面を有し、この粘着面側を基板709に接着して、基板709の配線に電気的に接続することが出来る。
【0040】
この方法により、固定体に保持電極と走査電極とを有する構造を、容易に形成することが出来る。
【0041】
次に、第1の実施形態の可動フィルム型表示装置の製造方法の第1の変形例を、図9を用いて説明する。
【0042】
図9は、固定体の形状が第1の実施形態と異なる。保持電極を基板上の信号線に接続させる際に、保持電極をベース材の裏側に引き回して信号線へと接続させるのではなく、ベース材の表側からそのまま引き出す構成である。つまり、走査電極と保持電極の引き出し部が同じ側にある構成である。
【0043】
図9では、ベース材703、第3の絶縁膜901、保持電極705、第4の絶縁膜902、走査電極706、第5の絶縁膜903が、この順に積層されている。第3の絶縁膜901、保持電極705、及び第4の絶縁膜902はベース材703上のほぼ全体に渡って設けられ、走査電極706及び第5の絶縁膜903は、変位端側には形成しないようにする。各材料、作成方法などは、第1の実施例と同様にすれば良い。
【0044】
第1の変形例によっても、固定体に保持電極と走査電極とを有する構造を、容易に形成することが出来る。
【0045】
次に、第1の実施形態の可動フィルム型表示装置の製造方法の第2の変形例を、図10を用いて説明する。
【0046】
図10は、固定体の形状が第1の実施形態と異なる。保持電極705と信号線206とを同じ材料で作り、その上全体を絶縁膜で覆うことにより、信号線の接続実装を大幅に簡略するものである。
【0047】
図10では、ベース材703の表面を第6の絶縁膜1001で被覆し、この第6の絶縁膜1001及び基板709を、金属膜と第7の絶縁膜1002とが覆う。この金属膜が、保持電極705及び信号線206とになる。そして、第7の絶縁膜1002の、可動フィルム102と対向する側の面に、走査電極706と第8の絶縁膜1003とが積層される。走査電極706と第8の絶縁膜1003とは、変位端側には形成しない。
【0048】
作成方法としては、まず、アルミニウムを300オングストロームの厚さとなるよう蒸着した、厚さ5μmのPETフィルムを用意する。このPETの部分が第7の絶縁膜1002に、アルミニウムが信号線206及び保持電極705となる部分である。
【0049】
次に、PETフィルム上のアルミを、レーザー加工やエッチング加工によって、画素ピッチで直線状(画素以外の部分は、くびれていても良い)にパターニングする。そしてシート状接着剤を第6の絶縁膜1001として用い、アルミニウムを蒸着したPETフィルムをベース材703の両面に貼り付ける。このとき、図10の紙面奥行き方向にその直線が並ぶようにPETフィルムを配置する。すると、図面の左右の方向に接続され、図面の奥行き方向には画素単位に絶縁された保持電極705及び信号線206ができる。そして、図面の奥行き方向に複数の画素(走査線)分のPETフィルムを貼り付けてから、この作業を繰り返し、全画素分の保持電極705、信号線206及び第7の絶縁膜1002ができる。その後、走査電極706及び第8の絶縁膜1003を、これまでと同様に積層する。
【0050】
第2の変形例によって、固定体に保持電極と走査電極とを有する構造、及びそれに信号線を実装する簡略化された方法を提供することができる。
【0051】
これらの製造方法においては、可動フィルムのベースとなるポリマーフィルムとして、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエチレンナフタレート等を用い、厚さを1μmから50μm程度とすれば良い。第1乃至第8の絶縁膜としては、その作り方により、シート接着剤、ポリマーやその変生体の他、無機材料例えば、アルミナ、酸化ケイ素、窒化珪素等を適宜用いればよい。これらの絶縁膜の厚さは、1μmから50μm程度がこのましい。可動フィルムの可動部の長さは、0.5mmから10mm程度が好ましい。固定体上の走査電極の長さは、0.2mmから10mm程度、保持電極の長さは、0.2mmから5mm程度の大きさが好ましい。各電極は、フィルム状電極を貼り付けたり、金属を蒸着して形成すればよい。導電コネクタは、異方性導電ゴム、異方性導電フィルム、異方性導電ペーストなどを用いればよい。ベース材は、プラスチックの成型品や金属のプレス加工品が適している。基板は、フレキシブル基板でもかまわないし、通常用いられている基板でも良い。可動フィルム電極やその他の電極、絶縁膜の貼り付けには、接着剤、ホットメルトシートなどが利用できる。なお、画素の形状は、これらに限られるものではなく、固定体として、樹脂を射出成形した構成等を用いても良いし、他の材料や作成方法を適宜用いることが出来る。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態の構成に加え、固定体に設けられた走査電極と保持電極との位置を制御することにより、安定した動作を得るものである。
【0052】
まず、従来の構成において、安定した動作が得られない可能性があることについて、上述した図4と、図11、12及び13を用いて説明する。図11は、従来の可動フィルム型表示装置において、二次元マトリクス状に配置された画素に与える信号波形の模式図である。図12は、図11の画素構成における走査線電位および信号線電位のタイムチャート例である。図13は、従来の可動フィルム型表示装置において、電位の変動があった場合に可能性のある動作不良を示した図である。
【0053】
図4においては、可動フィルムの変位量が急激に大きくなる閾値電圧をV2、可動フィルムの変位量が急激に小さくなる閾値電圧をV1としたが、ここで、V1より十分低電位の基準値をVlow(0Vとしても良い)、V2より十分高電位の基準値をVhighと定義する。そして、V1とV2の間の電位として、Vmを定義する。電位の対称性から、Vmは(Vlow+Vhigh)/2の近傍値とすることが好ましい。
【0054】
従来の可動フィルム型表示装置では、図11に示すように、可動フィルムに形成された可動フィルム電極1102は走査線1101に接続され、固定体に形成された固定体電極1104は信号線1103に接続されている。また、走査線1101の電位は、保持期間にはVmに維持され、書込み期間にはVlowとする。書込み期間は、通常、図11に示すように、順次一行ずつ下の行へと移っていく。一方、信号線1103の電位は、図11に示すように、その信号状態によってVlowまたはVhighをとる。
【0055】
そのタイムチャート例が図12であり、その行の走査線電位がVlowとなったときに、書込み期間に入る。そして、その行の信号線電位がVhighであれば、可動フィルム電極と固定体電極との間の電位差Vhigh−VlowはV2を超えるので、可動フィルムは変形し、可動フィルムの色が表示される。この行が保持期間に移ると、走査線電位はVmに変わり、信号線電位が変動しても、電極間電位差はVm−Vlow、またはVhigh−Vmとなり、V1未満にならないので、可動フィルムは変位しない。また、走査線電位がVlowで、行が書込み期間になったとき、信号線電位もVlowであれば、電極間電位差は0Vであり、V1以下のため、直前の状態にかかわらず、可動フィルムは本来のまっすぐな状態となり、固定体の色が表示される。
【0056】
このような従来の可動フィルム型表示装置は、マトリクス駆動が不安定化して画素不良が発生する問題があった。つまり、組み立て条件の僅かな差により、可動電極と固定電極との電極対ごとに動作電位差V1およびV2の値が変動する可能性があり、その電位変動量がほぼVmに達することがあったのである。図8を参照して、発生する可能性のある動作不良を説明する。
【0057】
図13の条件(1)は理想条件で組み立てられた場合、条件(2)および(3)は夫々、特性が高電位および低電位側にシフトしてしまった場合に相当する。
【0058】
走査線電位がVlowで行が書込み期間になったとき、信号線電位がVhighなら、可動フィルム変形が起きるはずである。しかし、条件(2)では、可動フィルムが撓む閾値電圧よりもVhighが低い電位に相当するため変形が起きない(動作不良1)。逆に、行が書込み期間になったとき、信号線電位がVlowなら、可動フィルム変形が解けるはずである。しかし、条件(3)では可動フィルムの撓みが戻る閾値電圧よりもVlowが高い電位に相当するため変形が解けない(動作不良4)。
【0059】
また、行が保持期間のとき電極間電位差は概ねVmであるが、このとき撓んで変形中の可動フィルムも変形していない可動フィルムも、そのまま状態を保持するはずである。しかし、条件(2)ではVmがV1未満に相当し、変形状態は保持できない(動作不良2)。条件(3)ではVmがV2より大きい電位差に相当し、元の状態に関わらず勝手に変形してしまう(動作不良3)。
【0060】
また、図4の昇圧過程での変位量特性が緩い上昇曲線を描くことから明らかなように、書込み期間中に無変形状態とした可動フィルムは、続く保持期間中、微妙に変形している。すなわち、カップリング変形が起きている。この曲線形状にも電極対ごとにばらつきがあり、図14の(1)に示すように、理想的な条件では、このカップリング変位量が小さいが、上昇曲線が急勾配な場合には、図14の(2)に示すように、カップリング変形量が視認レベルに達する場合があった。このとき、画像のエッジずれや像ボケ、カラー表示では混色が発生した。
【0061】
そこで、第2の実施形態においては、第1の実施形態の構造に加えて固定体に設けられる保持電極及び走査電極の配置を制御することにより、より安定な表示を行うものである。
【0062】
ここで、保持電極及び走査電極の位置を定義する。図15に示すように、固定体101が可動フィルム102と最も変位端側で接触している点を原点とする。固定体101と可動フィルム102とは、固定端側では接触しているため、離れる点を原点とするのである。また、固定体の最も変位端側の点から撓みのない状態の可動フィルムに射影した点を先端とする。このとき、実際に表示装置を作成する際には、図7、9及び10などに示すように、可動フィルム102が撓まない状態で基板709面には垂直にならないよう配置されることもある。その場合でも、その可動フィルム102の方向に対して固定体101の先端部分を射影した点を先端とする。また、保持電極205の固定端側の端部から撓みのない状態の可動フィルム102に射影した点を保持電極端部とする。ここで、保持電極205の固定端側の端部とは走査電極側の端部のことであり、可動フィルム102と基板面709との関係は上述したのと同様である。また、走査電極203の変位端側の端部から撓みのない状態の可動フィルムに射影した点を走査電極端部とする。ここで、走査電極203の変位端側の端部とは保持電極側の端部のことであり、可動フィルム102と基板面709との関係は上述したのと同様である。また、保持電極端部と走査電極端部とから等距離にある点を中点として、原点と先端との距離をL、原点と中点との距離をLmidとする。ここで距離とは最短距離のことを言う。
【0063】
このように定義した場合に、本実施形態では下記の(3)式を満たすものである。
【0064】
0.4≦Lmid/L≦0.8 (3)
この(3)式では、保持電極205と走査電極203との間のギャップの固定体101に対する相対的な位置を決定している。つまり、(3)式でLmid/Lの値が小さいほど保持電極205が大きく、大きいほど走査電極203が大きい。そして、(3)式では、保持電極205と走査電極203とのギャップの大きさよりも、ギャップの相対位置を決定することが、表示の安定性を確保するために必要であることを示しているのである。特に、本発明においては、保持電極を設ける構造であり、保持期間中には、保持電極と補助電極との間にのみ電位差を設けて可動フィルムの撓んだ状態を保持しているので、撓んだ状態から元に戻る閾値電圧が大きくなっており、ヒステリシスカーブが小さくなっている。従って、このような場合には、特に動作電位の変動に過敏になることから、保持電極と走査電極との位置を制御することが必要なのである。保持電極205と走査電極203とのギャップの大きさとしては、静電引力を有効に働かせるために、例えば約100μm以下等、狭くすることが好ましい。
【0065】
以下に、第2の実施形態に関する実施例、参考例及び比較例を示して、第2の実施形態についてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図7に示すような構造の可動フィルム型表示装置を形成する。まず、ステンレス板をプレス加工して、ベース材703を形成する。ベース材703の形状は、曲面を持つようにする。ベース材703の長さは、5mmとする。
【0066】
このベース材703を被覆するようなシート接着剤を第1の絶縁膜704として、アルミニウムからなる金属フィルムを保持電極705及び走査電極706として貼り付ける。保持電極705及び走査電極706の上には、ポリエチレンテレフタレートを用いて第2の絶縁膜707を貼り付ける。
【0067】
そして、ポリエチレンテレフタレートからなるポリマーフィルム701上にアルミニウムを蒸着して形成した補助電極702が設けられた可動フィルム102を、その固定端側で、アクリル接着剤を介して固定体101と接着する。可動フィルム102に、ポリエチレンテレフタレートなどからなる固定フィルム104を同様に接着する。その後、第1の実施形態と同様な工程により、可動フィルム型表示装置を作製する。
【0068】
上で定義した先端、原点、保持電極端部、走査電極端部及び中点を測り、Lmid/Lを計算したところ、0.8となった。
【0069】
本実施例の表示装置においては、第1の実施形態と同様に保持電極705が信号線(図示せず)に、走査電極706が走査線(図示せず)に、補助電極702が補助走査線(図示せず)に夫々接続されている。そして、信号線(Sig.)、補助走査線(Canti.)及び走査線(Add.)に、夫々図5と同様な電圧波形を与えるが、夫々の電位を以下のようにする。
【0070】
保持電極(Sig.) 高電位85V 低電位42.5V
走査電極(Add.) 高電位85V 低電位0V
補助電極(Canti) 高電位85V 低電位0V
その結果、欠陥がなく、くっきりした画像を表示することが出来た。
(実施例2)
保持電極705及び走査電極706の長さ及びギャップを調整して、上述したLmid/Lの値を0.7とした以外は、実施例1と同様にして可動フィルム型表示装置を作製した。
【0071】
そして、図5のような電圧波形を与え、夫々の電位も図5のとおりとする。
【0072】
その結果、欠陥がなく、くっきりした画像を表示することが出来た。
(実施例3)
保持電極705及び走査電極706の長さ及びギャップを調整して、上述したLmid/Lの値を0.6とした以外は、実施例1と同様にして可動フィルム型表示装置を作製した。
【0073】
そして、図5のような電圧波形を与え、夫々の電位も図5のとおりとする。
【0074】
その結果、欠陥がなく、くっきりした画像を表示することが出来た。
(実施例4)
保持電極705及び走査電極706の長さ及びギャップを調整して、上述したLmid/Lの値を0.4とした以外は、実施例1と同様にして可動フィルム型表示装置を作製した。
【0075】
そして、図5のような電圧波形を与えるが、夫々の電位を以下のようにする。
【0076】
保持電極(Sig.) 高電位70V 低電位35V
走査電極(Add.) 高電位70V 低電位0V
補助電極(Canti) 高電位70V 低電位0V
その結果、欠陥がなく、くっきりした画像を表示することが出来ただけでなく、駆動電圧レベルを全体的に下げることが出来た。
(参考例1)
保持電極705及び走査電極706の長さ及びギャップを調整して、上述したLmid/Lの値を0.9とした以外は、実施例1と同様にして可動フィルム型表示装置を作製した。
【0077】
そして、図5のような電圧波形を与えるが、夫々の電位は実施例1のようにする。
【0078】
その結果、本来可動フィルムが撓んで変形すべき画素において、保持期間中に撓みが戻るものが少しあったが、正常な表示を行うことが出来た。
(参考例2)
保持電極705及び走査電極706の長さ及びギャップを調整して、上述したLmid/Lの値を0.3とした以外は、実施例1と同様にして可動フィルム型表示装置を作製した。
【0079】
そして、図5のような電圧波形を与えるが、夫々の電位は実施例4のようにする。
【0080】
その結果、本来可動フィルムが変形すべきでない画素において、保持期間中に可動フィルムが振動している画素が少しあったが、正常な表示を行うことが出来た。
(比較例1)
従来の方法により、図11のような画素構成を有する可動フィルム型表示装置を形成し、図12のような電圧波形を加える。ここで、各々の電位を以下のようにする。
【0081】
信号線電位 Vhigh 120V Vlow 0V
走査線電位 Vm 60V Vlow 0V
その結果、本来可動フィルムが撓んで変形すべき画素において、保持期間中に撓みが戻るものや、本来可動フィルムが変形すべきでない画素において、保持期間中に可動フィルムが振動しているものが多数発生し、正常な表示を行うことが出来なかった。
【0082】
以上、実施例1乃至4、参考例1及び2、比較例1に示すように、固定体上の変位端側に保持電極を設けることにより安定な画像表示を行うことが出来、保持電極と走査電極との配置を制御することにより、さらに安定な画像表示を行うことができることが分かる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態の構成に加え、固定体の、対を成す可動フィルム側の面を、変位端側に設けられた平坦面とこの平坦面に続く曲面とを有するようにして、安定した動作を得るものである。
【0083】
本実施形態の可動フィルム型表示装置の構造を図16に示す。図16では、可動フィルム102と固定体101とを簡略化して記載しているが、本実施形態では、固定体101の形状が第1の実施形態と異なり、可動フィルム102の変位端側に直線領域1601(平坦面)を有し、それに続く領域がカーブ領域1602(曲面)となっている。カーブ領域1602にはそれよりも固定端側に第2の直線領域1603が続くが、これはなくとも良い。
【0084】
次に、このような形状によって、本実施形態の可動フィルム型表示装置が安定した動作を得ることについて説明する。
【0085】
通常、固定体の、対を成す可動フィルム側の面は、曲面を有する。そして、その曲面は、可動フィルムの変位端側に向かう方向で、固定体の表面が可動フィルムから曲線的に離れるような形状となっている。そして、このような形状を持つ固定体と可動フィルムとの対は、図4や図17(a)に示すヒステリシス特性を持つが、本実施形態では、固定体101の先端部分に第1の直線領域1601を有する。そして、この構造にすることにより、可動フィルム102が撓んだ際に、可動フィルム102内に蓄積される歪エネルギーが、従来構造よりも減少し、ヒステリシスカーブが図17(b)のようになる。つまり、可動フィルム102が撓んだ状態から撓まない状態に戻る閾値電圧が下がることにより、ヒステリシスカーブが広がるものである。これによって、先の実施例中に示したように、動作電位差の値が変動して特性が画素毎に多少ばらついても、安定に単純マトリクス駆動が行えるものである。
【0086】
本実施形態に係る可動フィルム型表示装置の作製は例えば次のように行う。図7のように、固定体101のベース材703としてステンレスを用い、第1の絶縁膜704として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートを貼り付ける。第1の絶縁膜704上にアルミニウムを用いて保持電極705及び走査電極706を形成し、その上に厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートを用いて第2の絶縁膜707を形成する。このように形成することにより、固定体101は、固定電極最大落差が0.44mm、図16に示す第1の直線領域1601の長さが3mmで、カーブ領域の長さが2mmとなった。第2の直線領域は設けなかった。次に、長さ6mm、幅0.5mm、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートをポリマーフィルム701、厚さ300オングストロームのアルミニウムを補助電極702として、可動フィルム102を形成する。この後、第1の実施形態と同様にして可動フィルム型表示装置を作製する。このような方法にて作製したところ、固定電極101と可動電極102との間の電位差が70〜90Vで可動フィルム102が撓みきり、5〜20Vとすると可動フィルム102がもとの状態にもどる。固定体101の形状として、直線領域を設けずに、カーブ形状飲みとした場合には、可動フィルム102がもとの状態にもどる電圧は、20〜40Vとなっていた。このように、固定体を本実施形態に示す形状にすることにより、ヒステリシスカーブが広がり、より安定な表示を行うことが可能となる。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、画質の高い可動フィルム型表示装置及びその駆動方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る可動フィルム型表示装置の斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る可動フィルム型表示装置の回路図である。
【図3】 可動フィルム型表示装置の表示の仕組みを説明する断面図である。
【図4】 可動フィルムと固定体との間の印加電圧と可動フィルムの先端変位量の関係を示し、ヒステリシス特性を説明する説明図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態に係る可動フィルム型表示装置の駆動シーケンス図である。
【図6】 カラー表示を行う場合の画素について説明する図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態に係る可動フィルム型表示装置の画素構造を示す断面図である。
【図8】 図7を視点2の方向から見た平面図である。
【図9】 本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る可動フィルム型表示装置の画素構造を示す断面図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る可動フィルム型表示装置の画素構造を示す断面図である。
【図11】 従来の可動フィルム型表示装置において、二次元マトリクス状に配置された画素に与える信号波形の模式図である。
【図12】 図11の画素構成における、走査線電位および信号線電位のタイムチャート例である。
【図13】 電位の変動があった場合に可能性のある動作不良を示した図である。
【図14】 可動フィルムのカップリング変形を説明する図である。
【図15】 本発明の第2の実施形態の可動フィルム型表示装置を説明する図である。
【図16】 本発明の第3の実施形態の可動フィルム型表示装置を説明する図である。
【図17】 (a)、(b)とも可動フィルムと固定体との間の印加電圧と可動フィルムの先端変位量の関係を示し、第3の実施形態のヒステリシス特性を説明する説明図である。
【符号の説明】
101、101a、101b、101c…固定体
102…可動フィルム
103、103a、103b、103c、103(C)、103(M)、103(Y)…第1色フィルム
104…固定フィルム
105、105a、105b、105c…第2色フィルム
201、702…補助電極
202…補助走査線
203、706…走査電極
204、1101…走査線
205、705…保持電極
206、1103…信号線
701…ポリマーフィルム
703…ベース材
704…第1の絶縁膜
707…第2の絶縁膜
708…導電コネクタ
709…基板
801…橋脚
901…第3の絶縁膜
902…第4の絶縁膜
903…第5の絶縁膜
1001…第6の絶縁膜
1002…第7の絶縁膜
1003…第8の絶縁膜
1102…可動フィルム電極
1104…固定体電極
1601…第1の直線領域
1602…カーブ領域
1603…第2の直線領域

Claims (4)

  1. 補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、前記変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、
    信号線と、
    走査電極と、前記信号線と電気的に接続され前記変位端側に設けられる保持電極とを有し、前記変位端側で対を成す前記可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、
    前記補助電極、前記走査電極及び前記信号線を介して前記保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、
    前記固定体が前記可動フィルムと最も前記変位端側で接触している点を原点、前記固定体の最も前記変位端側の点から撓みのない状態の前記可動フィルムに射影した点を先端、前記保持電極の前記固定端側の端部から撓みのない状態の前記可動フィルムに射影した点を保持電極端部、前記走査電極の前記変位端側の端部から撓みのない状態の前記可動フィルムに射影した点を走査電極端部とし、前記保持電極端部と前記走査電極端部とから等距離にある点を中点として、前記原点と前記先端との距離をL、前記原点と前記中点との距離をLmidとした際に、下記(1)式を満たすことを特徴とする可動フィルム型表示装置。
    0.4≦Lmid/L≦0.8 (1)
  2. 補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、前記変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、
    信号線と、
    走査電極と、
    前記信号線と電気的に接続され前記変位端側に設けられる保持電極とを有し、前記変位端側で対を成す前記可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、
    前記補助電極、前記走査電極及び前記信号線を介して前記保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、
    一本の前記信号線に接続された複数の画素にわたって、前記信号線及び前記画素の前記保持電極が連続した金属面で形成されることを特徴とする可動フィルム型表示装置
  3. 補助電極、固定端及び変位可能な変位端を有し、前記変位端側に設けられ所定の色に着色された着色部を有する可動フィルムと、
    信号線と、
    走査電極と、
    前記信号線と電気的に接続され前記変位端側に設けられる保持電極とを有し、前記変位端側で対を成す前記可動フィルムから離れる曲面を有する固定体と、
    前記補助電極、前記走査電極及び前記信号線を介して前記保持電極にそれぞれ供給する電圧を制御する駆動部とを具備し、
    前記補助電極は補助走査線に電気的に接続され、前記走査電極は走査線に電気的に接続され、前記補助走査線と前記走査線とは並行して設けられ、前記補助走査線及び前記走査線と前記信号線とは交わるように設けられる可動フィルム型表示装置の駆動方法であって、
    前記走査線の電位として走査線第1電位とこの走査線第1電位より高い走査線第2電位とを有し、前記補助走査線の電位として補助走査線第1電位とこの補助走査線第1電位より高い補助走査線第2電位とを有し、前記信号線の電位として信号線第1電位とこの信号線第1電位より高い信号線第2電位とを有し、
    書込み前半期間において、前記走査線の電位が前記走査線第2電位であり、前記補助走査線の電位が前記補助走査線第1電位であり、前記信号線の電位が前記信号線第2電位であって、前記可動フィルムが前記固定体側に撓み、
    書込み後半期間において、前記走査線の電位が前記走査線第2電位であり、前記補助走 査線の電位が前記補助走査線第2電位であり、前記信号線の電位が画像情報に従って、前記信号線第1電位にあれば前記可動フィルムは前記固定体側に撓んだ状態を保持し、前記信号線第2電位にあれば前記可動フィルムが前記固定体から離れ、
    保持期間において、前記走査線の電位が前記走査線第1電位であり、前記補助走査線の電位が前記補助走査線第1電位であって、前記書込み後半期間の状態を保持することを特徴とする可動フィルム型表示装置の駆動方法
  4. 前記走査線第2電位と前記補助走査線第2電位と前記信号線第2電位とが全て等しいことを特徴とする請求項記載の可動フィルム型表示装置の駆動方法。
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