JP3957847B2 - 通信システム及びその制御方法、コンピュータ可読メモリ - Google Patents
通信システム及びその制御方法、コンピュータ可読メモリ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末と中央制御装置間で通信を行う通信システム及びその制御方法、コンピュータ可読メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、文字認識装置を有する端末は、端末における文字認識結果を中央制御装置に転送し、そこで、文字認識結果の誤り訂正、検索、保存などの後処理を行う。この際、端末側で文字認識候補の精度が低いと判定した場合は、その文字認識候補を認識不能として所定の識別子(以下、リジェクトコードと称する)を中央制御装置へ送信し、認識不能である旨を知らせていた。
【0003】
リジェクトコードは、個々の認識侯補文字の確からしさ(以下、類似度と称する)を算出し、それが所定の閾値より低い場合に、認識不能と判定される。従って、図4に示すように、一般にリジェクトコードが発生する度合い(以下、リジェクト率と称する)が高い場合、即ち、類似度の閾値が高い場合、相対的に認識可能と判断される文字の類似度が高くなりその正解率も高い。反対に、リジェクト率が低い場合は、認識可能と判断されてもその文字の正解率は低くなる傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムでは、リジェクト率は通信システム固有のもの、即ち、類似度の閾値が固定である。そのため、例えば、端末の認識対象である原稿画像内に異なるフォントの文字が混在して認識精度が同一原稿画像内で大きく変化してしまう場合、中央制御装置側としてはそれに対しなんら対処することができず、後処理の効率低下は免れなかった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、文字認識を行う端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムにおいて、処理効率を向上することができる通信システム及びその制御方法、コンピュータ可読メモリを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による通信システムは以下の構成を備える。即ち、
端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムであって、
前記端末は、
原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識手段と、
前記原稿ID認識手段で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信手段と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを受信する閾値・位置情報受信手段と、
前記読取手段で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出手段と、
前記閾値・位置情報受信手段で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出手段で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別手段と、
前記読取手段で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信手段で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識手段と、を備え、
前記中央制御装置は、
原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースと、
前記端末より送信された原稿IDを受信する原稿ID受信手段と、
前記原稿ID受信手段が受信した前記原稿IDに基づいて、前記データベースから当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信手段と、
を備える。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明による通信システムの制御方法は以下の構成を備える。即ち、
端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムの制御方法であって、
前記端末において、原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識工程と、
前記端末から、前記原稿ID認識工程で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信工程と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記端末で受信する閾値・位置情報受信工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出工程と、
前記端末において、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出工程で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識工程と、
前記端末より送信された原稿IDを前記中央制御装置で受信する原稿ID受信工程と、
前記中央制御装置において、前記原稿ID受信工程が受信した前記原稿IDに基づいて、前記中央制御装置で管理される原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースから、当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信工程と、
を備える。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明によるコンピュータ可読メモリは以下の構成を備える。即ち、
端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読メモリであって、
前記端末において、原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識工程と、
前記端末から、前記原稿ID認識工程で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信工程と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記端末で受信する閾値・位置情報受信工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出工程と、
前記端末において、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出工程で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識工程と、
前記端末より送信された原稿IDを前記中央制御装置で受信する原稿ID受信工程と、
前記中央制御装置において、前記原稿ID受信工程が受信した前記原稿IDに基づいて、前記中央制御装置で管理される原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースから、当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする。
【0015】
【発明の属する技術分野】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態の通信システムの構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、通信システムは移動端末100と中央制御装置200から構成される。また、移動端末100と中央制御装置200は無線ネットワーク300を通して結ばれている。尚、ここでは、1台の移動端末100と中央制御装置200で構成されているが、移動端末100を複数構成した場合にも、本発明は適用される。そして、複数の移動端末100の各移動端末が中央制御装置200と通信を行う場合には、各移動端末を識別できるように、例えば、互いに異なる識別信号を中央制御装置200に発行してから通信を開始することで、中央制御装置200は各移動端末を識別することができる。
【0018】
移動端末100において、102は読取原稿である。尚、読取原稿102には、例えば、その読取原稿内に構成される文字のフォント毎に区別される認識領域の位置情報を示す原稿IDが付加されている。104は読取原稿102を読み取り、原稿IDを含む画像信号を生成するスキャナである。106はスキャナ104で生成された画像信号の文字認識を認識用辞書106aを用いて行う文字認識部である。106bは文字認識部106が出力する文字認識候補文字が認識不能であるか否かを認識不能判定用閾値に基づいて判定する認識不能判定部である。107は生成された画像信号中の原稿IDを認識する原稿ID認識部である。108は文字認識部106による文字認識結果と、原稿ID認識部107による原稿ID認識結果を中央制御装置200へ送信する文字認識結果・原稿ID送信部である。110は画像信号の認識領域を示す位置情報と、その認識領域の認識不能判定用閾値とを中央制御装置200より受信する閾値・位置情報受信部である。
【0019】
中央制御装置200において、202は文字認識結果及び原稿ID認識結果を移動端末100より受信する文字認識結果・原稿ID受信部である。208は文字認識結果受信部202で受信した文字認識結果の後処理を行う文字認識結果後処理部である。208aは文字認識結果後処理部208による処理結果等のデータを保存する保存部である。210は文字認識結果後処理部208による処理結果を表示する表示部である。204は文字認識結果受信部202で受信された原稿ID認識結果から、認識対象の画像信号中の各認識領域の認識不能判定用閾値を、閾値データベース204aを参照して設定する閾値制御部である。204aは、読取原稿毎の原稿IDが示す画像信号毎に、各画像信号の認識領域の最適な認識不能判定用閾値を管理する閾値データベースである。206は閾値制御部204で設定された画像信号の認識領域の位置情報と、各認識領域の認識不能判定用閾値を移動端末100へ送信する閾値・位置情報送信部である。
【0020】
尚、移動端末100、中央制御装置200には、それぞれ不図示のCPU、RAM、ROMが搭載されており、各端末に搭載されるCPUは、ROMに記憶されている装置を制御するための各種プログラムをRAMに展開して実行する。また、RAMはデータの作業領域、一時退避領域としても機能する。
【0021】
次に、本実施形態の通信システムの動作について、図1を用いて説明する。
【0022】
移動端末100側で準備された読取原稿102は、スキャナ104にて読取原稿102に対応する原稿IDを含む画像信号を生成する。生成した画像信号は文字認識部106に送られ、文字認識を行う。閾値・位置情報受信部110は、無線ネットワーク300を介して、中央制御装置200の閾値制御部204において設定された認識対象の画像信号中の各認識領域の位置情報及び認識不能判定用閾値を受信する。ここで、文字認識部106では、閾値・位置情報受信部110が受信した画像信号中の各認識領域の認識不能判定用閾値と、その各認識領域内の認識候補文字の類似度を比較する。比較の結果、認識不能判定用閾値よりも認識候補文字の類似度が大きい場合は、その認識候補文字に対応する文字コードを認識結果として出力する。一方、認識不能判定用閾値より認識候補文字の類似度が小さい場合は、認識不能として所定のリジェクトコードを出力する。尚、文字認識部106で実行される処理の詳細については、後述する。文字認識結果・原稿ID送信部108は、文字認識部106による文字認識結果である文字コード及び認識不能を示すリジェクトコードと、原稿ID認識部107の原稿ID認識結果を、中央制御装置200に無線ネットワーク300を介して送信する。
【0023】
一方、中央制御装置200では、まず、移動端末100から送信された文字認識結果及び原稿ID認識結果を文字認識結果・原稿ID受信部202において受信する。受信した文字認識結果は、文字認識結果後処理部208で訂正、保存部208aの保存、文字認識結果をキーにした保存部208aに保存されているデータの検索等の処理を行い、その処理結果を表示部210に表示する。閾値制御部204では、受信した原稿ID認識結果に基づいて、認識対象の画像信号中の各認識領域に最適な認識不能判定用閾値を閾値データベース204aを参照して設定する。また、各認識領域毎の位置情報も獲得する。尚、閾値制御部204で実行される処理の詳細については、後述する。閾値制御部204で設定した認識対象の画像信号の各認識領域の認識不能判定用閾値及び位置情報は、閾値・位置情報送信部206により移動端末100へ無線ネットワーク300を介して送信する。
【0024】
次に、本発明で実行される処理について、図2、図3を用いて説明する。尚、ここでは、特に、本発明の主眼となる文字認識部106及び閾値制御部204で実行される処理の詳細について説明する。
【0025】
図2は本発明の実施形態の文字認識部で実行される処理を示すフローチャートである。
【0026】
まず、ステップS300で、移動端末100内の文字認識部106は、スキャナ104から入力された画像信号から文字を切り出す文字抽出を行う。ステップS301で、原稿ID認識部107は入力された画像信号中に含まれる原稿IDを認識する。そして、認識された原稿IDに基づいて、ステップS300で抽出された文字が画像信号の認識領域の内、どの認識領域に属するかを判別する。ステップS302で、ステップS300で抽出された文字から所定の特徴抽出を行う。ステップS304で、認識対象文字と認識用辞書106a内の学習文字との類似度をステップS302で抽出された特徴を元に算出する。ステップS306で、認識候補文字をその類似度の大きい方から所定の数(認識候補文字数)だけ選択し、ソーティングする。また、この候補文字数は、認識候補文字数レジスタ(不図示)にセットされる。
【0027】
ステップS308で、認識不能判定部106bによって、認識候補文字の第1候補、即ち、類似度が最も大きい認識候補文字の類似度と、その認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値とを比較する。第1候補の類似度がその認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値より小さい場合(ステップS308でNO)、ステップS310に進み、認識対象文字を認識不能として、所定の識別子、即ち、リジェクトコードを出力する。一方、第1候補の類似度がその認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値より大きい場合(ステップS308でYES)、最低1個の文字認識結果は出力できるので、認識成功として、ステップS312に進む。
【0028】
ステップS312で、認識候補文字の処理数をカウントする認識候補文字数カウンタi(不図示)に2を代入する。ステップS314で、認識侯補文字数カウンタiの内容が、認識候補文字数レジスタにセットされた認識候補文字数を超えたか否かを判定する。認識候補文字数カウンタの内容が認識候補文字数を超えている場合(ステップS314でYES)、それ以上の認識候補文字はないので以後の処理を中止し、ステップS316に進む。そして、ステップS316で、類似度が認識不能判定用閾値を超えている認識候補文字に対応する文字コードをすべて出力する。一方、認識候補文字数カウンタiの内容が候補文字数を越えていない場合(ステップS314でNO)、ステップS318へ進む。
【0029】
ステップS318で、第i候補の類似度と、その認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値とを比較する。第i候補の類似度がその認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値より小さい場合(ステップS318でNO)、第i候補以降の候補文字は認識不能として、ステップS316に進む。一方、第i候補の類似度がその認識候補文字が含まれる認識領域の認識不能判定用閾値より大きい場合(ステップS318でYES)、ステップS320に進み、認識候補文字数カウンタiをインクリメントし、ステップS314に戻る。
【0030】
尚、認識候補文字数レジスタ、認識候補文字数カウンタは、それぞれ中央制御装置200において、例えば、装置に搭載されているRAM上で実現されたり、、専用のハードウェアで構成することで実現される。
【0031】
以上の処理によって、原稿IDが示す画像信号の各認識領域において判定されたリジェクト率は図4に示すような傾向を持つ。即ち、リジェクト率が高い場合は、認識可能と判断された文字の正解率は向上するが、その絶対数は少ない。逆に、リジェクト率が低い場合は、認識可能と判断される文字数は多いが、文字の正解率も低下する。そこで、本発明では、最適なリジェクト率で移動端末100での文字認識が実行されるように、移動端末100の原稿ID認識部107の原稿ID認識結果に基づいて、原稿IDが示す画像信号の各認識領域の最適な認識不能判定用閾値を中央制御装置200の閾値制御部104で設定する。
【0032】
図3は本発明の実施形態の閾値制御部で実行される処理を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS400で、文字認識結果・原稿ID受信部202で受信された原稿ID認識結果により、認識対象の画像信号の原稿IDを判別する。ステップ402で、ステップ400で判別された原稿IDに該当するデータ(認識対象の画像信号の各認識領域の認識不能判定用閾値及び位置情報)を閾値データベース204aより求める。
【0034】
以上説明したように本発明によれば、中央制御装置200が移動端末100より入力された原稿ID認識結果に基づいて、移動端末100で入力された画像信号の各認識領域毎に最適な認識不能判定用閾値を設定することができるので、各認識領域の認識精度を向上することができる。特に、処理対象の同一読取原稿内で筆記者の異なる文字、あるいは異なるフォントが混在するような場合、あるいは読取原稿のフォーマットが変化した場合でも、その読取原稿に対する文字認識を精度良く行うことができ、処理の効率を大幅に向上させることができる。
【0035】
上記実施形態では、移動端末100の文字認識部106が出力する認識候補文字数を複数としたが、これに限定されない。例えば、類似度が最も大きい認識候補文字を唯一の認識候補文字とし、それに対し認識不能判定部106bによる判定を行ってもよい。この場合、処理の高速化を図ることができる。
【0036】
上記実施形態では、無線ネットワーク300により結ばれた移動端末100、中央制御装置200から構成される通信システムを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、有線ネットワークで結ばれた端末、中央制御装置で構成される通信システムでも何ら問題ない。
【0037】
尚、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0038】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0039】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0040】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0041】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0042】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、文字認識を行う端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムにおいて、処理効率を向上することができる通信システム及びその制御方法、コンピュータ可読メモリを提供できる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の文字認識部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の閾値制御部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図4】リジェクト率と認識文字精度の関係を示す図である。
【符号の説明】
100 移動端末
200 中央制御装置
300 無線ネットワーク
104 スキャナ
106 文字認識部
106a 認識用辞書
106b 認識不能判定部
107 原稿ID認識部
108 文字認識結果・原稿ID送信部
110 閾値・位置情報受信部
202 認識結果・原稿ID受信部
204 閾値制御部
204a 閾値データベース
206 閾値・位置情報送信部
208 文字認識後処理部
208a 保存部
210 表示部
Claims (3)
- 端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムであって、
前記端末は、
原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識手段と、
前記原稿ID認識手段で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信手段と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを受信する閾値・位置情報受信手段と、
前記読取手段で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出手段と、
前記閾値・位置情報受信手段で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出手段で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別手段と、
前記読取手段で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信手段で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識手段と、を備え、
前記中央制御装置は、
原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースと、
前記端末より送信された原稿IDを受信する原稿ID受信手段と、
前記原稿ID受信手段が受信した前記原稿IDに基づいて、前記データベースから当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。 - 端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムの制御方法であって、
前記端末において、原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識工程と、
前記端末から、前記原稿ID認識工程で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信工程と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記端末で受信する閾値・位置情報受信工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出工程と、
前記端末において、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出工程で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識 領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識工程と、
前記端末より送信された原稿IDを前記中央制御装置で受信する原稿ID受信工程と、
前記中央制御装置において、前記原稿ID受信工程が受信した前記原稿IDに基づいて、前記中央制御装置で管理される原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースから、当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする通信システムの制御方法。 - 端末と中央制御装置間で通信を行う通信システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読メモリであって、
前記端末において、原稿の種類を示す原稿IDを含む原稿を画像データとして読み取る読取工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データより、前記原稿IDを認識する原稿ID認識工程と、
前記端末から、前記原稿ID認識工程で認識した原稿IDを前記中央制御装置へ送信する原稿ID送信工程と、
前記送信した原稿IDに応じて前記中央制御装置から送信されてくる、前記画像データにおける各認識領域の位置情報と各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記端末で受信する閾値・位置情報受信工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取った画像データから、文字画像を抽出する文字抽出工程と、
前記端末において、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域の位置情報に基づいて、前記文字抽出工程で抽出した文字画像が属する認識領域を判別する認識領域判別工程と、
前記端末において、前記読取工程で読み取られた画像データ内の各文字画像に対し、認識用辞書を用いて文字認識を行うことによって、当該文字画像に対する認識候補文字とその類似度とを算出し、前記閾値・位置情報受信工程で受信した各認識領域に適した認識不能判定用閾値と前記認識候補文字の類似度とを比較し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値以下の場合は認識不能であることを文字認識結果として出力し、当該文字画像の類似度が当該認識領域に適した認識不能判定用閾値より大きい場合は当該認識候補文字を文字認識結果として出力する文字認識工程と、
前記端末より送信された原稿IDを前記中央制御装置で受信する原稿ID受信工程と、
前記中央制御装置において、前記原稿ID受信工程が受信した前記原稿IDに基づいて、前記中央制御装置で管理される原稿の種類を示す原稿IDと当該原稿内における各認識領域の位置情報と当該各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを対応付けて管理するデータベースから、当該原稿IDに対応づけられた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを求め、当該求めた前記各認識領域の位置情報と前記各認識領域に適した認識不能判定用閾値とを前記端末へ送信する送信工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
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