JP3957457B2 - マルチチャンネル光検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、一般的に光検出装置に関し、特に流体試料における複数の異なる分析物の実時間検出のためのマルチチャンネル検出装置に関する。
【0002】
(背景技術)
化学処理の分野には、反応混合物(例えば、化学薬品あるいは試薬と混合された生物学的試料)の温度を正確に制御し、上記混合物内に急速な温度の推移を引き起こして、混合物中の標的分析物を検出するのが望ましい適用例が多く存在する。このような熱交換化学反応に対する適用例には、有機反応、無機反応、生物学的反応および分子反応などが含まれる。熱化学反応の例には、核酸増幅、熱サイクル増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やリガーゼ連鎖反応(LCR)、自己維持される配列複製、酵素反応速度研究、同種配位子結合検定、複雑な温度変化を必要とするさらに複雑な生化学的機構の研究が含まれている。
【0003】
化学的または生物学的な分析のための好ましい検出技術は、光学的インターロゲーション(光学的な応答指令信号の発信)であり、典型的には蛍光または化学ルミネッセンス測定法を用いる。配位子結合検定には、時間分解蛍光または蛍光偏光または光吸収がしばしば用いられる。PCR検定には、蛍光化学反応がしばしば用いられる。
【0004】
熱反応をもたらして反応生産物を光学的に検出する従来の機器は、典型的には、96個もの円錐形の反応管を有する金属ブロックを組み込んでいる。この金属ブロックは、ペルチエ加熱冷却装置または閉ループ液体加熱冷却装置のいずれかによって加熱および冷却され、上記装置では機械加工されたチャンネルを通って液体が金属ブロックの内部へと流れる。金属ブロックを組み込んだこのような機器は、ジョンソン氏のアメリカ合衆国特許第5,038,852号、ミュリス氏のアメリカ合衆国特許第5,333,675号、アトウッド氏のアメリカ合衆国特許第5,475,610号に記載されている。
【0005】
これらの従来の機器は幾つかの欠点を有する。第一に、金属ブロックの大きな熱容量のために、これらの機器における加熱速度および冷却速度は略1℃/秒に限定されて、処理時間が長くなる。例えば、PCRへの代表的な適用例においては、15サイクルを完了するのに2時間以上が必要となる。これらの比較的遅い加熱速度および冷却速度のために、正確な温度制御を要する幾つかの処理は非能率的であると見られてきた。例えば、反応が中間温度で起こって、必要とされず妨げとなる副産物を生み出す。これらの副産物は、PCR中の『プライマー・二量体』あるいは異常なアンプリコン(amplicons)のようなもので、分析処理にとって障害となる。劣悪な温度制御によって、意図された反応に必要な試薬が過剰に消費される。
【0006】
これら従来機器のもう1つの欠点は、典型的には、機器によって化学反応の実時間光検出あるいは連続光学測定ができないことである。例えば、パーキン・エルマー7700(ATC)機器では、光学的蛍光検出は、金属ブロックの96個の反応部位の各々に光ファイバーを導入することによって行われる。中央高パワーレーザー装置が、各反応部位を連続的に励起し、光ファイバーを通して蛍光信号を捕らえる。すべての反応部位は単一のレーザーによって連続的に励起され、蛍光は単一の分光計と光電子増倍管によって検出されるので、各反応部位の同時測定は不可能である。
【0007】
化学反応の実時間光測定を要する新処理用の機器の内あるものは、ごく最近入手可能となっている。このような機器の1つは、ノースロップらによってアメリカ合衆国特許第5,589,136号に開示されているMATCI装置である。この装置は、PCR熱サイクルに対するモジュール式アプローチと光学的分析を用いている。各化学反応は、それ自体のシリコンスリーブ内でなされ、各スリーブはそれ自体に連結された光学的励起源と蛍光検出器とを有している。発光ダイオード(LED)および半導体検出器を用いて、実時間光学データが小型で低出力のモジュールから得られる。この装置は各モジュールに対して唯1つの光源と1つの検出器とを含んでいるが、その結果、複数の分析物の同時検出は不可能である。
【0008】
別の分析機器はアイダホ・テクノロジーから入手でき、1997年1月発行のバイオ技術第22巻176〜181頁のウィットナーらによる『ザ・ライトサイクラー(商標);急速な温度制御によるミクロ体積複数試料蛍光計』に記載されている。この機器は、24の試料まで保持するための、また各試料を光学アセンブリ上に連続的に配置するためのステッパーモーターを有する環状回転式コンベヤを含んでいる。試料の温度は、回転式コンベヤの中央のチャンバに配置されたセントラルヒーティングカートリッジおよびファンによって制御される。
【0009】
作動中、試料は回転式コンベヤによって保持された細管に配置され、各試料は、外部照明(epi-illumination)によって応答指令信号が細管の先端を通って発せられる。光源は青色発光ダイオードであり、青色発光ダイオードの光は第1の2色性フィルタから試料に向かって反射される。光は、外部照明レンズによって細管の先端から焦点が合わされ集束される。細管の先端から放出された光は、第1の2色性フィルタを通過して、1つ以上の追加2色性フィルタによって濾光され(フィルタが掛けられ)、検出のためにフォトダイオードに集束される。
【0010】
この機器によって、化学反応をしている試料内の複数の分析物を検出できるが、この機器は幾つかの欠点を有している。第一に、照明光線および放出光線は、試料容積を貫く比較的短い光路長を有し、細管の先端の下において同じ距離を共有している。このことにより、試料からの蛍光の放出は弱くなり、光検出感度が悪くなる。第二に、この機器は、1つの励起波長範囲において照明光線を提供するだけである。異なる蛍光染料は、異なる最適励起波長範囲を有するが、その結果、この機器は、反応流体内の複数の各蛍光染料に対して最適励起波長範囲において励起光線を提供することができない。第三に、2色性フィルタの使用は、この機器の光感度を重大に減じる。各2色性フィルタは、放出光線の強度を略半分まで減じ、その結果、放出光線は、検出器に到達するときまでに弱くなる。これらの理由のため、この機器は、試料内の蛍光で標識された分析物を検出するときに、劣悪な感度を示す。
【0011】
ペントニーらに発行されたアメリカ合衆国特許第5,675,155号は、複数の試料容積を連続的かつ反復的に走査して各試料から放出される放線を検出するために、もう1つの検出装置を開示している。この装置は複数の共面並立型細管を含み、上記細管はそれぞれ一試料容積を入れる。この装置は、また、電磁放線源と、電磁放線を受けて反射するように位置調整されたミラーと、ミラーを移動するためのスキャナーと、試料から集められた電磁放線を濾光するフィルタホイールと、濾光された放線を受けるように位置調整された検出器とを含んでいる。各細管コラム内の試料容積は、電気泳動媒体上に分離された蛍光で標識付けされた試料を含んでいる。
【0012】
作動中、放線源は、好ましくはレーザー装置は、励起光線をミラー上へと向ける。反射された励起光線は、集束レンズを通って、細管配列内の第1細管の試料容積へと向かう。試料からの蛍光放出放線は集められてフィルタホイールの第1フィルタを通る。フィルタホイールの第1フィルタは、レーザー源の波長における光を阻止するべく、また、試料容積における第1蛍光染料によって放出された蛍光を透過するべく選択される。第1フィルタを通って透過された蛍光は、次に検出器によって検出される。次に、モーターはフィルタホイールを回転させて、第2フィルタを蛍光放線の中に持って来る。第2フィルタは、第2蛍光染料によって放出された蛍光を透過し、その蛍光は検出器によって測定される。同一の処理がフィルタホイールの第3および第4フィルタを用いて繰り返されて、試料容積内の第3および第4染料の蛍光放出を測定する。次に、4段階の全ての動作は、配列中の各細管コラムを用いて、連続的かつ反復的に実行される。
【0013】
この装置によって試料容積中の複数の蛍光染料を検出できるのだが、この装置は、移動式ミラーおよび回転フィルタホイールの使用において幾つかの欠点を有する。これらの移動部品は、典型的には、光学装置のコストの高騰、維持の必要性の増大、低い信頼性、電力消費量の増大、光学測定に対する潜在的振動性障害とかになる。
【0014】
(概要)
本発明は、反応混合物(例えば、化学薬品あるいは試薬と混合された生物学的試料)を熱的に制御したり反応混合物に応答指示信号を光学的に発したりするように改善された装置を提供することによって、先行技術の欠点を克服する。上述した先行技術の装置とは対照的に、本発明の装置は、複数の異なる励起波長範囲において、各混合物に励起光を与える。これによって確実になることは、異なる蛍光標識または燐光標識または化学ルミネッセンス標識または電気化学ルミネッセンス標識を有する混合物中の複数の分析物のそれぞれに対して、最適な励起波長範囲が提供されることである。さらに、この装置によって、例えば回転式コンベヤまたは光学フィルタホイールなどのいかなる移動部品をも必要とせずに、混合物中の複数の分析物の同時実時間検出が可能となる。この装置は移動部品を持たないため、本発明の装置は、上記の先行技術の装置よりも、典型的には、コストは安くなり、維持の必要性も小さくなり、信頼性はより高く、電力消費量はより少なくなる。
【0015】
本発明の装置は、反応混合物の非常に急速かつ正確な温度変化を提供することによって、先行技術の欠点を克服する。このような温度の厳しい制御は、不要な気泡の形成や、あるいは或る温度での成分の劣化のような副反応を抑制する。このような温度の厳しい制御がなければ、光学的な検出や分析が妨げられるであろう。それゆえ、この装置は熱に敏感な化学処理において有用であり、それらの化学処理は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、自己維持される配列複製、酵素反応速度研究、同種配位子結合検定や、複雑な温度変化を必要とするさらに複雑な生化学的機構の研究などである。
【0016】
好ましい実施形態において、本発明は、複数の反応混合物を独自に熱制御したり、複数の反応混合物に応答指令信号を光学的に送るための装置を提供する。この装置は複数の反応容器を含んでおり、各容器は混合物の1つを保持するための反応チャンバを有している。各容器は、チャンバの一部を形成する第1および第2の光学的に透過な壁を含んでいる。光学的に透過な壁は、角度的に互いにオフセットして(互いに角度をなして)、第1壁を通して混合物の光学的励起と、第2壁を通して標識分析物の光学的検出とを可能にしている。
【0017】
この装置は、容器を収容するために、対応する複数の熱交換モジュールも含んでいる。各モジュールは一対の対向する熱プレートを含み、熱プレートはその間に容器の1つを収容するように配置されている。プレートの少なくとも一枚は、好ましくはそのプレートの両方は、プレートに結合された加熱要素を有して、容器に含まれる反応混合物を加熱する。各モジュールは、また、第1および第2光学アセンブリを含み、第1および第2の光学アセンブリは、容器がプレートの間に配置されるとき、第1および第2の光学アセンブリがそれぞれ容器の第1および第2の光学的に透過な壁と光学的に情報伝達するように配置されている。
【0018】
第1光学アセンブリは、第1光学的窓を有する第1ハウジングと、少なくとも2つの光源とを有して、上記第1窓を通って励起光線を反応混合物に送る。第1光学アセンブリは、また、励起光線を濾光するための第1組のフィルタを含んでおり、反応混合物に送られた各光線は、実質上異なった励起波長範囲を有している。作動中、光源は、反応混合物内の異なる蛍光標識、燐光標識、化学ルミネッセンス標識あるいは電気化学ルミネッセンス性標識を励起するために、連続的に点灯されている。光源および第1組のフィルタは、第1ハウジング内に堅く固定される。
【0019】
第2光学アセンブリは第2ハウジングを含み、第2ハウジングは容器から放出される光を受け取るために第2光学的窓を有する。第2光学アセンブリは、また、放出光および第2組のフィルタを検出するために、少なくとも2つの検出器を好ましくはフォトダイオードを含み、放出された光を少なくとも2つの放出波長範囲内に分離するために、且つ、放出された光を各放出波長範囲において検出器のそれぞれ1つに導くために、第2組のフィルタとを含んでいる。検出器および第2組のフィルタは、第2ハウジングに堅く固定される。
【0020】
好ましい実施形態において、各モジュールの第1光学アセンブリは少なくとも4つの光源を含んでおり、その4つの光源は第1組のフィルタとともに配置されており、第1組のフィルタは励起光線を少なくとも4つの励起波長範囲において送り、各モジュールの第2光学アセンブリは少なくとも4つの検出装置を含んでおり、その4つの検出装置は、少なくとも4つの放出波長範囲内で放出された光を検出するために、第2組のフィルタとともに配置されている。それゆえ、この装置は、各反応混合物内の4つまでの異なる分析物を検出するために、少なくとも4つの分離した光学チャンネルを有する。好ましい実施形態においても、この装置は、熱交換モジュールを収容するために基本機器を含んでいる。基本機器は、各モジュールの作動を独自に制御するために、処理電子機器(プロセッシングエレクトロニクス)を含んでいる。この装置は、好ましくは、基本機器内の処理電子機器を制御するためにプログラミングされたコンピュータも含んでいる。
【0021】
現在、全ての光源を第1光学アセンブリ内に配置し、全ての検出器を第2光学アセンブリ内に配置することが好ましいが、光学アセンブリのそれぞれに、1つ以上の光源と1つ以上の検出器とを含むことも可能である。本発明の第2実施形態によると、第1光学アセンブリは、第1光学的窓を有する第1ハウジングを備えている。第1光学アセンブリは、また、第1窓を通って反応混合物に第1励起光線を送るために第1光源を含み、そして、第1窓を通ってチャンバから放出される光を受け取るために第1検出器を含んでいる。第1光学アセンブリは、さらに、第1ハウジング内に配置された第1組のフィルタを含んでおり、そのフィルタは、第1励起波長範囲以外の第1励起光線の部分を濾光するためのものであり、第1放出波長範囲以外の放出された光の部分を濾光するためのものであり、また、第1放出波長範囲で放出された光を第1検出器へと導くためのものである。第1光源と第1組のフィルタと第1検出器とは、第1ハウジング内に堅く固定される。
【0022】
第2実施形態によっても、第2光学アセンブリは、第2光学的窓を有する第2ハウジングを備えている。第2光学アセンブリは、第2励起光線を第2窓を通して反応混合物へと送るために第2光源を含み、そして、第2窓を通してチャンバから放出された光を受け取るために第2検出器を含んでいる。第2光学アセンブリは、さらに第2ハウジングに第2組のフィルタを含んでおり、第2組のフィルタは、第1励起波長範囲とは異なった第2励起範囲以外の第2励起光線の部分を濾光するため、および第2放出波長範囲内で放出された光を第2検出器へと導くためのものである。第2光源と第2組のフィルタと第2検出器とは、第2ハウジングに堅く固定され、その結果、光学装置は移動部品を有しない。第2実施形態において、各光学アセンブリは、4つの光検出チャンネルを提供するために追加の検出器とフィルタとを選択的に含んで、各反応混合物内の異なる分析物を4つまで検出してもよい。
【0023】
本発明の装置のより完全な理解は、以下の説明および添付図面の考慮に基づいて得られる。
【0024】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、反応混合物、例えば化学薬品あるいは試薬と混合された流体試料を熱的に制御したり、応答指令信号を光学的に送るための装置を提供する。『流体試料』という用語は、ここで使用されるとき、気体と液体とを両方とも含んでいるが、好ましくは液体である。試料は、粒子、細胞、微生物、イオンあるいはたんぱく質や核酸などの大小の原子を含んだ水溶液であってもよい。特定の用途では、試料は、血液や尿などの体液あるいは微粉食品のような浮遊物であってもよい。
【0025】
好ましい実施形態において、装置は、混合物を保持するための反応容器と、その容器を収容するための熱交換モジュールとを含んでいる。各熱交換モジュールは、容器の1つが熱処理のために間に挿入された一対の対向する熱プレートと、混合物を冷却するためにプレートに近接して配置されたファンと、プレートの温度を測定するための1つ以上の温度センサーと、混合物に応答指令信号を光学的に送るための一対の光学アセンブリとを含んでいる。この装置は、熱交換モジュールを収容すると共に独自に各モジュールを制御するために、プロセッシングエレクトロニクスを有する基本ユニットを含んでいる。この装置は、さらにパソコンまたはネットワークコンピュータのような制御装置を含んでおり、制御装置はユーザーにインターフェイスを提供し、プロセッシングエレクトロニクスの作動を制御する。
【0026】
図1〜図22は、本発明の好ましい実施形態を示している。図1は、反応容器2の部分的な分解図で、図2は、容器2の前面図を示している。容器2は、反応混合物を保持するための反応チャンバ10を含んでいる。容器2は、反応混合物への最適な熱伝導および反応混合物からの最適な熱伝導と、混合物の効率的な光学的観察とが可能なように設計されている。容器のほっそりとした形状は、熱伝導のために熱プレートと接触するために大きな面を提供することによって、最適な熱動力学に役立っている。さらに、容器2の壁はチャンバ内への光学的窓を設け、その結果、反応混合物に応答指令信号が光学的に発せられることができる。
【0027】
図1〜図2に関してさらに詳細には、反応容器2は、反応チャンバ10の周囲を定める剛性フレーム16を含んでいる。フレーム16は、また、ポート4とチャンネル8とを含み、チャンネル8はポート4を反応チャンバ10に接続する。薄い可撓性壁18(フレーム16から分解されて図1に示されている)は、チャンバ10の側壁を形成するためにフレーム16の両端に連結される。
【0028】
壁18はチャンバ10に含まれる反応混合物への最適な熱伝導を容易にする。壁18の可撓性によって、熱プレートとの最大接触が可能となる。壁は、表面間のギャップを防いだり最小化するためにプレートの表面に一致させることができる。さらに、可撓性壁は、たとえ表面形状が熱交換中に変化しても、熱表面と一致し続ける。
【0029】
図3は、一対の対向する熱プレート34A,34Bと反応容器との間の接触を示している。プレートの少なくとも1つ、好ましくは両方のプレートは、容器内の反応混合物を加熱するための抵抗器のような加熱要素を含んでいる。プレート34A,34Bは、好ましくは、サーミスター36A,36Bのような温度センサーも含んでいる。容器2がプレートの間に挿入されとき、プレートの内部面は壁18に接触する。この位置において、プレート表面と反応チャンバの壁18との間には空隙がごく僅か見られるか全く見られないかである。良好な熱伝導のために、各壁18の厚さは、好ましくは、約0.003mmから0.5mmの間であり、より好ましくは、0.01mmから0.15mmの間で、最も好ましくは、0.025mmから0.08mmの間である。各壁18は、フィルム、シート、または型成形品、機械加工品、押出成形品、鋳造品、あるいはその他の都合のよい薄くて可撓性の構造物であってもよい。
【0030】
壁18を構成する材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、およびその他のポリマーを含むポリアルコール、積層ポリマーまたは同種ポリマー、金属または金属の積層板、あるいは薄く可撓性で順応性があり、熱伝導が可能で、好ましくはフィルム状またはシート状であるその他の材料であってもよい。容器のフレーム16がポリプロピレンなどの特定の材料であるとき、壁の熱膨張および冷却速度がフレームと同一であるように、好ましくは、側壁はポリプロピレンのような同一材料である。
【0031】
熱プレート34A,34Bは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウムおよび窒化シリコンのようなセラミックスや金属を含む様々な材料から作られていてもよい。使用され得るその他の材料は、例えばガリウム砒化物、シリコン、窒化シリコン、二酸化シリコン、水晶、ガラス、ダイアモンド、ポリアクリル酸樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマー、およびポリテトラフルオロエチレンのようなハロゲン化ビニルポリマーを含んでいる。その他の可能な材料は、クロム/アルミニウムのような熱電対材料、超合金、ジルカロイ、アルミニウム、鋼、金、銀、銅、タングステン、モリブデン、タンタル、真鍮、サファイア、あるいは当該技術において利用可能なあらゆる数多くのセラミックスや金属や合成ポリマー材料を含んでいる。
【0032】
セラミックプレートが目下のところ好まれるのは、その内部表面が好都合にも非常に滑らかに機械加工されて高い耐摩耗性があり、高い化学耐性と、反応容器に対して良好な熱接触があるからである。セラミックプレートは、低い熱容量に対して極端に急速な熱変化を与えるように非常に薄く作られてもよく、例えば0.635mmおよび1.25mmの間に作られる。アルミニウムまたは銅から作られた熱交換プレートは高い熱伝導性を有してもいるが、より大きな熱容量を有している。
【0033】
プレート34A,34Bに結合された加熱要素(好ましくは抵抗器)は、プレート上、特に窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムのようなセラミックの材料を備えたプレート上に、直接スクリーン印刷され得る。スクリーン印刷は高い信頼性と低い断面を提供して、反応チャンバ内への効率的な熱伝導を行う。加熱要素は、セラミックプレートの内部に焼き固められてもよい。また、幾何学模様を変化させる厚いフィルム抵抗器または薄いフィルム抵抗器は、例えば、末端部により厚い抵抗器を備え、中間部により薄い抵抗器を備えることによって、より均一な加熱を提供するためにプレート壁上に配置される。加熱要素は、電圧が材料に印加されたときに加熱する金属、タングステン、ポリシリコン、あるいはその他の材料を備えていてもよい。熱プレートは、また、プレートの表面に連結された、例えばエッチングされた箔状の加熱要素(ミネソタ州ミネアポリス所在のミンコ・プロダクト(Minko Products)製)のような積層熱源を用いて加熱されてもよい。
【0034】
再び図1〜図2を参照すると、反応容器2は、また、好ましくはシールキャップ12を含んでいる。キャップ12は、可撓性のアーム14によってフレーム16に好都合に連結されていてもよい。キャップ12はピストンまたはプラグ22を含み、ピストンまたはプラグ22はキャップ12が容器2上に配置されるときチャンネル8内に挿入される。ピストン22は、チャンネル8内へ挿入されるとき、チャンバ10を加圧し、それによって可撓性壁18を膨張させる。壁18の膨張によって、壁18と熱プレートの表面との間は一致するようになる。
【0035】
反応容器2の使用中、試料は、ポート4を通って反応チャンバ10へと加えられる。これは、ピペットの先端をチャンネル8を通してチャンバ10の内部へと挿入し、チャンバ10を底部から充填させることによって行われる。代わりに、試料は、自動化された流体噴射装置を通して、或いは選択的に反応容器の一体部品となる流体マニホールドを通して、追加されてもよい。試料を手で追加するために、容器2は好ましくはフィンガーグリップ6を含む。
【0036】
試料は、チャンバ10に追加されるよりも先に、試薬および蛍光染料と混合され得る。代わりに、試料は、チャンバ10内で試薬および染料に導入されてもよい。図3で示されているように、容器2は熱プレート34A,34Bの間に配置されて、容器の壁18はプレートの内部表面を押圧して合致する。反応混合物は、プレート34A,34B上の加熱要素を起動することによって、温度の変化にさらされる。次に反応混合物には、図2に示されているように、好ましくはフレーム16の光透過底壁32A,32Bを通して、応答指令信号が光学的に発せられる。図2の矢印Aは、壁32Aを通ってチャンバ10に入る照明光線を示し、矢印Bは、壁32Bを通ってチャンバ10を励起する放出光を示している。
【0037】
壁32A,32Bは、互いに角度的にオフセットされていて、第1壁32Aを通して反応混合物内の標識分析物の光学的励起を可能し、また、第2壁32Bを通して標識分析物の光学的検出を可能にする。通常、壁32A,32Bは、略90°の角度でオフセットされていることが好ましい。励起路と検出路との間の角度が90°であることは、壁32Aを通って入る励起放線の最小量が壁32Bを通って出ていくことを確実にしている。また、90°の角度によって、例えば蛍光のような放出された放線の最大量が、壁32Bを通って収集できる。代替の実施形態において、光学壁の間の角度は、励起検出光学器械の効率と感度次第で、90°以上にも以下にもなり得る。例えば、検出装置が励起光と放出光とを有効に識別する場合、壁の間の角度は90°以下が望まれる。逆に、検出装置が励起光と放出光とを有効に識別しない場合、90°以上の角度であることが重要である。
【0038】
壁32A,32Bは、チャンバ10の底面で『V』字形の尖端を形成するように接続され得る。代わりに、角度付きの壁の接触面は、接続して尖端を形成する必要はなく、中間部分によって分離されてもよい。上記中間部分とは、例えば、もう1つの壁や、さまざまな機械的に特徴のあるもの或いは流体的に特徴のあるものであって、容器の熱的性能および光学的性能を妨げないものである。例えば角度付きの壁は、一体型細管の電気泳動領域のような別の処理領域に通じてチャンバ10と連通しているポートで、交わってもよい。目下の好ましい実施形態では、位置決めタブ17は壁32A,32Bの交点の下に延在している。位置決めタブ17は、図4を参照して以下に記述される熱交換モジュール内に、容器2を正確に配置するために使用される。
【0039】
最適な光学感度は、次の方程式によって表されているように、反応混合物内の標識分析物を励起する光線と、検出される放出光との両方の光学的サンプリング路長を最大化することによって達成される。
Io/Ii=C・L・A
Ioはボルトやフォトン等で示される放出光の照明出力であり、Cは検出されるべき分析物の濃度であり、Iiは入力照度であり、Lは路長であり、Aは分析物に標識を付けるために使用された染料の固有の吸収率である。
【0040】
本発明の薄くて平坦な反応容器2は、単位分析物容積当り最大光路長を与えることによって検出感度を最適化する。特に、容器2は、チャンバ10の各側面が1mmから15mmの範囲の長さを有し、チャンバが0.5mmから5mmの範囲の厚さを有し、チャンバの各側面の長さとチャンバの厚さとの割合が少なくとも2:1であるように、好ましくは構成される。これらのパラメータは、目下のところ、チャンバを通る比較的大きな光路長すなわち平均的に1mmから15mmの長さを有する容器を設けることが好ましいが、一方では、チャンバ内に含まれる反応混合物の極端に急速な加熱及び冷却を可能にするのに十分な薄さになおもチャンバを保つことが好ましい。
【0041】
より好ましくは、容器2は、チャンバ10の各側面が5mmから12mmの範囲の長さを有し、チャンバが0.5mmから2mmの範囲の厚さを有し、チャンバの各側面とチャンバの厚さの割合が少なくとも5:1であるように構成されている。これらの範囲がより好ましいのは、大きな光路長(すなわち平均して5mmから12mm)と、大きな容積(12マイクロリットルから100マイクロリットルの範囲内)との両方を有するが、なおも反応混合物の極端に急速な加熱及び冷却を可能にするのに十分な薄さにチャンバを保つ容器をそれらが提供するからである。大きな容積は、核酸のような低濃度の分析物の検出において感度を増加させる。
【0042】
目下のところ好ましい実施形態では、反応容器2は、側面の長さ10mm、厚さ1mm、および容積100マイクロリットルを有するダイアモンド形状のチャンバを有する。この反応容器は、チャンバ10を通って10mmの比較的大きな光路長を提供する。さらに、この薄いチャンバは、その内部に含まれている反応混合物の極めて急速な加熱およびまたは冷却を可能にする。
【0043】
フレーム16は、例えばポリカーボネートあるいはポリプロピレンなどの光学的に透過な材料から作られている。図2に示されているように、チャンバ10の頂部を形成するフレーム部分は、好ましくは反射面20を含んでおり、反射面20はチャンバ10の頂部を通って出ようとするバックライトを跳ね返し、信号の検出を増大させる。さらに、1つ以上の光学要素は、光学的に透過な壁32A,32B上に存在してもよい。上記光学要素は、例えば、光源によって照明される溶液の総容積を最大化するように、またはチャンバ10の特定域に励起光を集束させるように、またはできるだけ大きなチャンバ容積部分からのできるだけ多くの蛍光信号を集めるように設計されている。光学要素は、特定の波長を選択するための格子や、ある波長のみを濾光することのできるフィルタや、あるいはフィルタの機能を提供する色付きレンズを備えている。壁の表面は被覆されるか、或いはある波長の吸収を高めるために液晶のような材料を備え得る。目下のところ好ましい実施形態では、光学的に透過な壁32A,32Bは単に透明で平坦な窓である。
【0044】
反応容器2は、剛性フレーム16を最初に鋳造することによって製造されて、開放側面を有するチャンバを形成する。フレーム16は、好ましくは、標準の射出成形工程によって形成される。フレームが形成された後、側壁18は、例えばポリプロピレンの薄いフィルムまたはシート等の材料をチャンバ領域上に配置したり、好ましくは引き伸ばすことによって製造される。壁18は、次にフレーム16の対向側面に連結される。壁がフィルムまたはシートである場合、壁は加熱密封、接着剤接結、超音波接結などによって連結され得る。
【0045】
図4は、反応容器2を収容するための熱交換モジュール37を示している。熱交換モジュール37は、好ましくは、モジュールのさまざまな構成部品を保持するためのハウジング38を含んでいる。モジュール37は、上述された熱プレート34A,34B(図4において見られるのはプレート34Aのみ)を含んでいる。プレートは、ブラケットまたは支持部または保持器40によって互いに対向する関係に保持され得る。さらに、1998年11月24日に出願された米国出願番号第09/194,374号に記載されているように、プレートは互いに向かってばねで付勢されており、この出願の開示は、この参照により本明細書に包含される。ハウジング38はプレート34A,34Bの上にスロット(細長い穴)を含んでいて、容器2はこのスロットを通ってプレート間に挿入され得る。
【0046】
熱交換モジュール37は、好ましくは、容器2内の反応混合物を冷却するために、例えばファン42のような冷却装置も含んでいる。容器2がプレート34A,34B間に配置されるとき、容器のチャンバは、ファン42から循環する空気によって冷却される。代わりに、冷却装置は、冷媒または反応容器を通過する圧縮流体を運搬するために、ペルチエ装置またはその他の冷凍装置を備え得る。これらおよびその他の冷却装置は、当該技術分野においてよく知られている。
【0047】
熱交換モジュール37は、さらに、容器2内に含まれる反応混合物に応答指令信号を光学的に送るために、光学的励起アセンブリ46と光学的検出アセンブリ48とを含んでいる。上記励起アセンブリ46は、励起アセンブリ46の電子部品を保持するための第1回路基板50を含み、検出アセンブリ48は、検出アセンブリ48の電子部品を保持するための第2回路基板52を含んでいる。励起アセンブリ46は、容器2内の蛍光で標識付けされた分析物を励起するために、発光ダイオード(LED)のような複数の光源を含んでいる。励起アセンブリ46は、光源からの光を視準する(すなわち、平行にする)ために1つ以上のレンズも含み、また、重要な励起波長範囲を選択するためにフィルタも含んでいる。検出アセンブリ48は、容器2から放出された光を測定するためのフォトダイオードのような複数の検出器を含んでいる。検出アセンブリ48は放出された光を集束させたり平行にしたりするために1つ以上のレンズも含んでおり、また、重要な放出波長範囲を選択するためにフィルタも含んでいる。光学アセンブリ46,48の特定の部品は、図6〜図9を参照して以下により詳細に記述される。
【0048】
光学アセンブリ46,48は、容器2がプレート34A,34B間に配置されるとき、第1光学アセンブリ46が容器の第1光透過底壁32Aと光学的に情報伝達し、第2光学アセンブリ48が容器の第2光透過底壁32Bと光学的に情報伝達するように、ハウジング38内に配置される(図2参照)。好ましい実施形態では、光学アセンブリ46,48は、単に光学アセンブリを熱プレート34A,34Bの隣に配置することによって、容器2の底壁と光学的に情報伝達するように配置されていて、その結果、容器がプレートの間に配置されると、光学アセンブリ46,48は、それぞれ容器の第1底壁および第2底壁に物理的に隣接するようになる。
【0049】
さらに、光学アセンブリ46,48の縦軸は、互いに角度が、好ましくは約90°の角度だけオフセットしており、容器2がプレート間に配置されるとき、好ましくは、光学アセンブリ46の縦軸が第1底壁に直角であるように、また、光学アセンブリ48の縦軸が第2底壁に直角であるように、アセンブリ46,48が配置される。励起路と検出路との間の角度が90°であることによって、容器の第1底壁を通って入る励起放線の最小量が、第2底壁を通って出ることが保証される。また、90°の角度により、放出される最大量の放線が第2壁を通って集められることができる。
【0050】
選択的に、ゲルまたは流体が、各光学アセンブリと容器2との間の光学的な情報伝達を確立したり改善したりするために使用され得る。ゲルまたは流体は、それが結合する要素の屈折率に近い屈折率を有するべきである。代替の実施形態においては、光学的な情報伝達は、光ファイバーまたは光ガイドまたは導波管または同様の装置を介して、光学アセンブリと容器の壁との間で形成される。これら装置の利点の1つは、光学アセンブリ46,48を熱プレート34A,34Bに物理的に近接して配置する必要がこれらの装置によってなくなることである。このことにより、プレートの周りに多くの空間ができ、その中において冷気または冷媒は冷却され、その結果、冷却は改善される。
【0051】
好ましい実施形態においては、容器2は位置決めタブ17を備え(図2を参照)、上記タブ17は、光学アセンブリ46,48の間に形成されたスロット内に嵌合されて、光検出のための容器2が正確に配置されるのを保証している。改善された検出のために、モジュール37は、好ましくは、耐光性の蓋(図示せず)を含んでおり、上記耐光性の蓋は、容器2の頂部上に配置され、容器がプレート34A,34Bの間に挿入された後、ハウジング38に密封される。
【0052】
ハウジング38は、堅く高性能なプラスチックあるいはその他の従来の材料から射出成形されてもよい。ハウジング38の主要な機能は、プレート34A,34Bと光学アセンブリ46,48とを保持するためのフレームを提供することであり、また、例えば空気またはフレオンなどの冷却流体を導くと共にプレート34A,34Bの表面と反応容器2とを横切る流体流を効率的に案内するためのフローチャンネルおよびポートを提供することである。
【0053】
熱交換モジュール37は、また、図10を参照して以下に記載されるように、モジュールの電子構成部品を保持するためのPC基板54と、基本機器にモジュール37を接続するためのエッジコネクタ58とを含んでいる。プレート34A,34B上の加熱要素およびサーミスター36A,36Bは、光学基板50および52と同様に、可撓性ケーブル(図を明瞭にするために図4には示されていない)によって、PC基板54に接続されている。モジュール37は、光検出回路をシールドするための接地路56も含んでいる。モジュール37は、好ましくは、発光ダイオード44のような表示装置を含み、その表示装置は、ユーザーにモジュールの現在の状況を、「試料装填準備完了」、「試薬装填準備完了」、「加熱中」、「冷却中」、「完了」または「故障」などとユーザーに表示する。
【0054】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、重要な4つの蛍光染料の蛍光励起スペクトルおよび蛍光放出スペクトルを示している。これらの染料は、タックマン(TaqMan:登録商標)の化学作用を用いた標準蛍光染料であり(タックマンはカリフォルニア州フォスターシティーのパーキン‐エルマー・コーポレーションから入手可能)、染料はそれらの頭字語であるFAM、TET、TAMRA、ROXによってよく知られている。好ましい実施形態は、これらの4つの染料に関して記述されているが、理解されるべきことは、本発明の装置が、これら特定の染料すなわちタックマン(登録商標)の化学作用に限定されるものではないということである。この装置はどのような発蛍光団によっても使用されるが、この発蛍光団は、限定はされないが、ビーコンズの化学作用を用いた蛍光染料と、サンライズ(登録商標)の化学作用を用いた染料と、臭化エチジウムのような挿間(interculating)染料とを含んでいる。反応混合物内の分析物を標識付けするための蛍光染料および標識付け化学薬品は、当該技術分野においてよく知られており、さらにここで議論される必要性はない。さらに、蛍光検出が現在のところ好まれているが、本発明の検出装置は蛍光標識に基づいた検出に限定されない。この装置は、燐光標識または化学ルミネッセンス標識または電気化学ルミネッセンス標識に基づく検出に利用されてもよい。
【0055】
図5Aに示されているように、FAMとTETとTAMRAとROXの励起スペクトル曲線は、典型的には、底部で非常に幅広くなり、頂部でより鋭くなっている。図5Bに示されているように、同じ染料の相対的な放出スペクトル曲線も、底部では幅広く頂部ではより鋭い。1つの重大な問題は、これらの染料が、それらの励起スペクトルおよび放出スペクトルの両方で強く重なり合う特性を持っているということである。この重なり合う特性のために、従来、複数の染料が反応混合物内の異なる分析物を標識付けするのに使用されるとき、1つの染料の蛍光信号を別の染料の蛍光信号と区別するのが困難であった。
【0056】
本発明によると、複数の光源が、複数の励起波長範囲において励起光線を染料に与えるのに使用される。各光源は、染料の内のそれぞれ1つの最大励起範囲に合致した波長範囲において、励起光を与える。好ましい実施形態では、光源は青色と緑色の発光ダイオード(LED)である。図5Cは青色と緑色の発光ダイオードの出力を濾光する効果を示し、実質上異なる励起波長範囲となっている。典型的な青色と緑色の発光ダイオードは、約480nmから530nmまでの範囲で実質上重なり合う。本発明の濾光管理によって、青色発光ダイオードの光は、FAMの相対的な励起ピークに合致するように、約450nmから495nmの範囲に濾光される。緑色発光ダイオードの光は、TETの励起ピークに対応する495nmから527nmまでの第1範囲と、TAMRAの励起ピークに対応する527nmから555nmまでの第2範囲と、ROXの励起ピークに対応する555nmから593nmまでの第3範囲とに濾光される。
【0057】
図5Dは、異なる放出波長範囲を形成するために、4つの染料のそれぞれから放出された光(蛍光出力)を濾光する効果を示している。以前に図5Bにおいて示されたように、濾光前の染料の蛍光放出は、スペクトルの帯域幅が重ね合わせさって塊状に放散しており、そのことによって、1つの染料の蛍光出力を別の染料の蛍光出力と区別するのが極端に難しくなっている。図5Dに示されているように、染料の蛍光出力を濾光して実質上異なる波長範囲にすることによって、一連の比較的狭いピーク(検出窓)が得られ、そのことによって、異なる染料の蛍光出力を区別することができ、それゆえ、反応混合物内の多数の異なる蛍光で標識付けされた分析物の検出が可能となる。
【0058】
図6は、熱交換モジュールの光学的励起アセンブリ46の概略平面図である。上記アセンブリ46は、チャンバ10に含まれる反応混合物に励起光線を送るように、反応容器2に隣接して配置される。図7は、励起アセンブリ46の分解図である。図6〜図7に示されているように、アセンブリ46は、アセンブリの様々な構成部品を保持するためのハウジング219を含んでいる。ハウジング219は、好ましくは、1つ以上のプラスチックの成形部品を備えている。好ましい実施形態においては、ハウジング219は、3つのハウジング要素220A,220Bおよび220Cより成る多数部ハウジングである。上部ハウジング要素220Aおよび下部ハウジング要素220Cは、好ましくは、一対になる相補的な部品であって、ハウジング要素220Bにスナップフィットする。この実施形態では、ハウジング要素220Aおよび220Cは、ネジ214によって結合される。代替の実施形態においては、ハウジング全体219は、スライド式光学パッケージを保持するワンピースのハウジングであってもよい。
【0059】
下部ハウジング要素220Cは、光学的窓235を備えており、その中には円筒上の棒形レンズ215が配置されて、励起光線をチャンバ10内に集束させる。通常、光学的窓235はハウジング内に開口を単に備えて、開口を通って励起光線はチャンバ10に送られてもよい。光学的窓は、選択的に、窓ガラスとして機能する光透過性すなわち透明なガラス片またはプラスチック片を含んでいてもよく、または、好ましい実施形態におけるように、励起光線を集束するためのレンズを含んでいてもよい。
【0060】
光学アセンブリ46は、また、窓235を通して励起光線をチャンバ10に含まれる反応混合物に送るために、4つの光源、好ましくは、発光ダイオード100A,100B,100Cおよび100Dも含んでいる。通常、各光源は、レーザーまたはライトバルブまたは発光ダイオードを備える。好ましい実施形態においては、各光源は、一対の指向性発光ダイオードを備えている。特に、図6〜図7に示された4つの光源は、好ましくは、第1の緑色発光ダイオード100Aの対と、第2の緑色発光ダイオード100Bの対と、青色発光ダイオード100Cの対と、第3の緑色発光ダイオード100Dの対である。これらの発光ダイオードは、電源(図6〜図7には図示されず)に接続されたリード線201を通して、電力を受ける。発光ダイオードは光学回路基板50に取り付けられ、上記光学回路基板50は、発光ダイオードがハウジングに堅く固定されるように、ハウジング要素220Bの後部に連結されている。光学回路基板50は、可撓性ケーブル51を介して、(図4に示されている)熱交換モジュールのメインのPC基板に接続されている。
【0061】
光学アセンブリ46は、さらに発光ダイオードによって生成された励起光線を濾光するために、ハウジング219に配置された1組みのフィルタとレンズを含み、その結果、チャンバ10に送られる各光線は、異なる励起波長範囲を有する。図7に示されているように、下部ハウジング要素220Cは、好ましくは、ハウジング内で分離された励起チャンネルを形成する壁202を含んで、異なる対の発光ダイオード間における潜在的な混信を減じる。壁202は、好ましくは、フィルタとレンズを収容してしっかりと保持するために、スロットを含む。フィルタとレンズは、接着剤だけ用いて、より好ましくは、ハウジングのスロットと組み合わせて使用される接着剤によって、ハウジング内にしっかりと固定されてもよい。
【0062】
通常、所望の励起波長範囲内においてチャンバ10内の反応混合物に励起光線を提供するように、光学アセンブリ46内のフィルタが選択される。それゆえ、光学アセンブリ46は、当該蛍光標識または燐光標識または化学ルミネッセンス標識または電気化学ルミネッセンス標識のいかなるものとも、使用され得る。例証のために、アセンブリ46の特定の一実施形態が今ここに記載される。その実施形態では、アセンブリは、ピーク励起波長範囲のFAM,TAMRA,TET,ROXに対応する励起光線を与えるように設計されている。
【0063】
この実施形態では、593nmの低透過フィルタ203の対は、緑色発光ダイオード100Aの前部に配置され、555nmの低透過フィルタ204の対は、緑色発光ダイオード100Bの前部に配置され、495nmの低透過フィルタ205の対は、青色発光ダイオード100Cの前部に配置され、527nmの低透過フィルタ206の対は、緑色発光ダイオード100Dの前部に配置される。現在のところ、励起光線を二重濾光するために1対の低透過フィルタを各発光ダイオードの対の前部に配置することが好まれているが、代替実施形態では、単一のフィルタが使用されてもよい。さらに、好ましくは、濾光された励起光線を平行にするために、レンズ207が各フィルタ対の前に配置される。光学アセンブリ46は、また、495nmmの高透過レフレクター(反射体)208と、527nmの高透過レフレクター209と、ミラー210と、555nmの低透過レフレクター211と、593nmの低透過レフレクター212とを含んでいる。反射フィルタとミラー208〜212とは、低透過フィルタ203〜206から30°まで角度的にオフセットしている。
【0064】
励起アセンブリ46は、以下のような4つの異なる波長範囲内のチャンバ10に励起光線を送る。緑色発光ダイオード100Aが起動されるとき、それらは励起光線を発生させ、上記励起光線は593nmの低透過レフレクター203の対およびレンズ207を通過する。次に、上記励起光線は、593nmの低透過レフレクター212で反射され、555nmの低透過レフレクター211を通過し、527nmの高透過レフレクター209で反射され、レンズ215を通って反応チャンバ10内へと入る。発光ダイオード100Aからの励起光線は、次に、ROXのピーク励起範囲に対応する555nmから593nmまでの波長範囲に濾光される。
【0065】
緑色発光ダイオード100Bが起動されるとき、それらは励起光線を生成し、その励起光線は、555nmの低透過フィルタ204の対を通過し、555nmの低透過レフレクター211で反射され、527nmの高透過レフレクター209で反射され、レンズ215を通って反応チャンバ10内へと入る。発光ダイオード100Bからの励起光線は、次にTAMRAのピーク励起範囲に対応する527nmから555nmまでの波長に濾光される。
【0066】
青色発光ダイオード100Cが起動されるとき、それらは励起光線を生成し、その励起光線は、495nmの低透過フィルタ205の対を通過し、495nmの低透過レフレクター208を通過し、527nmの高透過レフレクター209を通過し、レンズ215を通って反応チャンバ10内へと入る。発光ダイオード100Cからの励起光線は、次にFAMのピーク励起範囲に対応する495nm以下の波長に濾光される。
【0067】
緑色発光ダイオード100Dが起動されるとき、それらは励起光線を生成し、その励起光線は、527nmの低透過フィルタ206の対を通過し、ミラー210で反射され、495nmの高透過レフレクター208で反射され、527nmの高透過レフレクター209を通過し、レンズ215を通って反応チャンバ10内へと入る。発光ダイオード100Dからの励起光線は、次にTETのピーク励起範囲に対応する495nmから527nmまでの波長に濾光される。以下により詳細に記述されるように、作動中、発光ダイオード100A,100B,100C,100Dは連続的に起動されて、実質上異なる波長範囲における励起光線を用いて、チャンバ10に含まれる異なる蛍光染料を励起する。
【0068】
図8は、熱交換モジュールの光検出アセンブリ48の概略平面図である。アセンブリ48は、チャンバ10から放出される光を受けるように、反応容器2に隣接して配置される。図9は、検出アセンブリ48の分解図である。図8〜図9に示されているように、アセンブリ48は、アセンブリのさまざまな構成部品を保持するためのハウジング221を含んでいる。ハウジング221は、好ましくは、1つ以上のプラスチックの成形品を備えている。好ましい実施形態では、ハウジング221は、上部ハウジング要素234Aおよび下部ハウジング要素234Bよりなる多数部ハウジングである。ハウジング要素234A,234Bは、ネジ214によって結合される相補的なつがい品である。代替の実施形態において、ハウジング全体221は、スライド式光学パッケージを保持するワンピースのハウジングであってもよい。
【0069】
下部ハウジング要素234Bは、光学的窓237を含んでおり、その内部にはチャンバ10から放出された光を視準するための円柱状の棒形レンズ232が配置されている。通常、光学的窓は、単にハウジング内に開口を備え、その開口を通って放出光は受け取られる。光学的窓は、窓ガラスとして機能する光透過性すなわち透明なガラス片またはプラスチック片を選択的に含んでいてもよく、或いは、好ましい実施形態においてのように、チャンバ10から放出される光を視準するためのレンズ232を選択的に含んでいてもよい。
【0070】
光学アセンブリ48は、また、チャンバ10から放出されて窓237を通って受け取られる光を検出するために、4つの検出器102A,102B,102C,102Dを含んでいる。通常、各検出器は、光電子増倍管、CCD、SMOS検出器、フォトダイオード、またはその他のソリッドステート検出器であってもよい。好ましい実施形態においては、各検出器はPINフォトダイオードである。検出器102A,102B,102C,102Dは、好ましくは、下部ハウジング要素234Bに形成された凹部に堅く固定される。検出器は、リード線245によって光学回路基板52(図4を参照)に電気的に接続され、光学回路基板52は、好ましくは、下部ハウジング要素234Bの下側に取り付けられている。
【0071】
光学アセンブリ48は、さらに、ハウジング221に配置された1組のフィルタとレンズを備えて、チャンバ10から放出された光を異なる放出波長範囲へと分岐し、且つ、各放出波長範囲の光を検出器のそれぞれ1つに導く。図9に示されているように、下部ハウジング要素234Bは、好ましくは、ハウジング内で分離した検出チャンネル(溝)を形成している壁247を含み、各チャンネルの端部には検出器が1つづつ配置されている。上記壁247は、好ましくは、フィルタとレンズを収容し、固定して保持するために、スロットを含んでいる。フィルタとレンズは、また、接着剤だけを用いて、より好ましくは、ハウジングのスロットと組み合わせて使用される接着剤を用いて、ハウジング221にしっかりと固定される。
【0072】
通常、光学アセンブリ48内のにフィルタは、いかなる所望の放出波長範囲以外のチャンバ10から放出される光を遮断するために選択さる。光学アセンブリ48は、それゆえ、いかなる当該蛍光標識または燐光標識または化学ルミネッセンス標識または電気化学ルミネッセンス標識とともに使用されてもよい。例証のために、アセンブリ48の特定の一実施形態が今ここに記述され、その実施形態では、アセンブリは、FAM,TAMRA,TET,ROXのピーク放出波長範囲において、チャンバ10から放出される光を検出するよう設計されている。
【0073】
この実施形態においては、好ましくは、1組のフィルタは、第1検出器102Aの前部に配置された515nmのショットガラス(登録商標)フィルタ222Aと、第2検出器102Bの前部に配置された550nmのショットガラス222Bと、第3検出器102Cの前部に配置された570nmのショットガラス222Cと、第4検出器102Dの前部に配置された620nmのショットガラス222Dとを含んでいる。これらのショットガラスフィルタは、ペンシルベニア州ヂュリアのショットガラス・コーポレーションから商業的に入手できる。光学アセンブリ48は、また、第1検出器102Aの前部に配置された505nmの一対の高域フィルタ223と、第2検出器102Bの前部に配置された537nmの一対の高域フィルタ224と、第3検出器102Cの前部に配置された565nmの一対の高域フィルタ225と、第4検出器102Dの前部に配置された605nmの一対の高域フィルタ226とを含んでいる。
【0074】
(発明を実施するための最良の形態)
現在の所、光を2重に濾光するために各検出器のの前に一対の高透過フィルタを配置することが好まれるが、代替えの実施形態では、単一フィルタを使用してもよい。さらに、レンズ242は、好ましくは、濾光された光を視準するためのショットガラスフィルタと一対の高透過フィルタとの間の各検出チャンネルの中に配置される。光学アセンブリ48は、605nm高透過レフレクター227と、ミラー228と、565nm低透過レフレクター229と、537nm高透過レフレクター230と、505nm高透過レフレクター231とをさらに含んでいる。これらの反射フィルタとミラー227〜231は、好ましくは、角度が30度だけ高透過フィルタ223〜226からオフセットされている。図9に示すように、検出アセンブリ48は、好ましくは、各検出器とショットガラスフィルタ222の間に配置された第1開口部238と、各レンズ242とショットガラスフィルタ222の間に配置された開口部240とを含んでいる。上記開口部238、240は、検出器102A,102B,102C,102Dに到達する迷光すなわち離軸光の量を減少させる。
【0075】
検出アセンブリ48は、以下に示すように、4つの放出波長においてチャンバ10から放出された光を検出する。図8に示すように、放出された光はレンズ232を通過し、565nm低透過レフレクター229に当たる。(FAMのピーク放出波長範囲に対応している)約505〜537nmの範囲の波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229で反射し、537nm高透過レフレクター230を通過し、505nm高透過レフレクター231で反射し、505nm高透過フィルタ223を通過し、レンズ242を通過し、515nmショットガラスフィルタ222Aを通過し、第1レフレクター102Aによって検出される。
【0076】
一方、(TETのピーク放出波長範囲に対応している)約537〜565nmの範囲にある波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229で反射し、537nm高透過レフレクター230で反射し、一対の537nm高透過フィルタ224を通過し、レンズ242を通過し、550nmショットガラスフィルタ222Bを通過し、第2検出器102Bによって検出される。
【0077】
同様に、(TAMRAのピーク放出波長範囲に対応している)約565〜605nmの範囲にある波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229を通過し、605nm高透過レフレクター227を通過し、一対の565nm高透過レフレクター225を通過し、レンズ242を通過し、570nmショットガラスフィルタ222Cを通過し、第3検出器102Cによって検出される。(ROXのピーク放出波長範囲に対応している)605nm以上の波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229を通過し、605nm高透過レフレクター229で反射し、ミラー228で反射し、605高透過フィルタ226を通過し、レンズ242を通過し、620nmショットガラスフィルタ222Dを通過し、第4検出器102Dによって検出される。以下に詳細に示すように、稼動中に、検出器102A,102B,102C,102Dの出力が解析されて、チャンバ10に含まれる種々の染料の各濃度を決定する。
【0078】
図10は、本発明による多重サイト反応装置の斜視図である。反応装置60は、熱サイクラー62と、パーソナルコンピューター64のような制御装置を備えている。熱サイクラー62は、基本機器66と、(図4に言及して記載されている)多重熱交換器モジュール37とを備えている。基本機器66は、モジュール68を収容するために、エッジコネクタ68付きのメイン論理ボードを有している。基本機器66は、また、好ましくは、電子部品を冷却するためのファン70を含んでいる。基本機器66は、ユニバーサルシリアルバス(USB)やイーサネットやシリアルライン等の適当なデータ接続器を用いて、制御装置64に接続される。現在、コンピューター64のシリアルポートに接続するUSBを使用するのが好まれる。図10にはラップトップ型のコンピューター64が示されているが、制御装置は、プロセッサーを持つデバイスなら如何なる種類のデバイスを備えてもよい。さらに、熱サイクラーは単一のコンピューターよりもむしろコンピューターネットワークに接続される。
【0079】
「熱サイクリング」という用語は、ここでは、反応混合物における少なくとも1つの温度変化すなわち温度上昇あるいは温度下降を意味している。したがって、熱サイクルを受ける化学薬品は、1つの温度から別の温度に変化し、次に、その温度で安定するか、別の温度への移行するか、あるいは始め温度に戻る。温度サイクルは、1度のみ行なわれるか或いは必要とされる回数だけ繰返されて、注目の特定の化学反応を研究または完遂させる。
【0080】
図10の具体的な実施形態においては、熱サイクラー62は、独立して制御可能な16台の熱交換器モジュール37を含み、上記熱交換器モジュール37は、それぞれ8台のモジュールを2列にして配置されている。しかしながら、熱サイクラーは、1ないし4つのサイトの手持ち型機器から数百サイトの医療用あるいは研究用の機器までほろい範囲に及ぶことを理解しなければならない。1台あるいは複数の独立して制御されるモジュールと、各モジュールに対して個々にプログラムされた独立した温度や時間のプロファイル(形態)を作動させるための制御装置とは、これらの実施形態全てに共通している。核酸増幅またはその他の反応に対する熱の時間的推移は、特定の目標値に対して、細かく調整される。そして、個々のモジュール37を独立して制御することによって、反応を異なる熱プロファイルで同時に起こすことができる。
【0081】
熱サイクラー62は、最適な使用および処理が可能となるなるように、様々な時間に個々のサイトに独立して負荷を掛けたり、周期的に負荷を掛けたり、負荷を除去させたりするように配慮されている。熱サイクラー62はモジュール方式になっていて、点検や補修や交換のために、各熱交換モジュール37は基本機器66から個々に取り外される。このモジュール方式では、補修するために全てのモジュール37がラインから外されるということがないので、中断時間が減少し、必要に応じて、機器66は、アップグレードできると共に、サイトをさらに付加して増大できる。熱サイクラー62のモジュール方式は、また、個々のモジュール37が正確に較正され得ることを意味し、モジュールの特定な計画や補正は、モジュールの特定的な較正または調整チャートとして、制御プログラムの中に含むことができる。
【0082】
本発明の熱サイクル装置60は、電力の制御という点において際立った利点がある。制御装置64は、各独立したモジュール37の熱プロファイルをインターリーブすることができて、単一のブロックヒーターに比べて電力を節約することができる。例えば、1つのモジュールを加熱(高出力)し、もう1つのモジュールが冷却(低出力)するように制御することによって、電流は半減できる。こうして、反応物を持つモジュール37に対してのみパルス電力をインターリーブすることによって、基本機器66の瞬間電流要求値は最小化され、1機器当たりより多くのモジュール37が、110V、15アンペアの標準回路から電力供給される。モジュール37を独立して制御することによって可能になるこの精巧な電力管理システムの爲に、機器66は、バッテリーで作動される掌サイズの装置に形成され得る。
【0083】
基本機器66が例えば交流110Vの外部電力に基づいて作動するような実施形態では、好ましくは、上記機器は2つの電力接続部76,78を含んでいる。電力は第1接続部76を通して受け取られ、第2接続部78を通して出力される。同様に、機器66は、好ましくはネットワークインターフェイスの入口ポート72と出口ポート74を含んでいて、入口ポート72を通してデータ接続を受け取り、出口ポート74を通してデータを別の基本機器に出力する。図11に概略示すように、この装置によって多重熱サイクラー62A,62B,62C,62Dが1つの制御装置から1つの外部出力源80に順次接続(デージーチェーン)される。USBを使用して、熱サイクラーを単一の制御装置に接続することは論理的に可能であるが、計算能力が限界に達するために、機器を制御するためには幾つかのコンピューターを使用しなければならない。
【0084】
図12は、基本機器66の概略のブロックダイヤグラムを示す。基本機器は、電力を機器と各モジュール37とに供給する電力供給装置86を含んでいる。電力供給装置86は、外部電源からの電力を受けてそれを直流に変換するために、例えば110Vの交流を受けてそれを12Vの直流に変換するために、AC/DCコンバータを備えている。或いはその代わりに、電源86は例えば12Vのバッテリーを備えてもよい。
【0085】
また、基本機器66は、ファームウェアを有するマイクロプロセッサーまたはマイクロコントローラ82を含んで、基本機器66とモジュール37の動作を制御する。マイクロコントローラ82はUSBを介してユーザーのインターフェイスコンピューターに情報伝達する。処理電力の電流制限のために、現在の所、16個のモジュール37につき、少なくとも1つのマイクロコントローラを基本機器内に含むことが好ましい。したがって、もしも基本機器が32個のモジュール収容能力を有するならば、モジュールを制御するために、少なくとも2つのマイクロコントローラを機器66に設置しなければならない。
基本機器66は、さらに、ヒーター電源制御回路88と、電力分配器90と、データバス92と、モジュール選択制御回路94とを含む。特許図面のスペースの制限によって、制御回路88と電力分配器90とデータバス92と制御回路94とは、図12の概略図に一度のみ示されている。しかしながら、実際には、基本機器66は、各熱交換モジュール37に対して4つの機能部品88,90,92,94を1組含んでいる。したがって、図12の実施形態においては、基本機器66は16個の制御回路88と電力分配器90とデータバス92と制御回路94とを含んでいる。
【0086】
同様に、基本機器66は、各モジュールに対して1つのエッジコネクタ68も含み、図12に示す実施形態においては、機器は16個のエッジコネクタを含んでいる。エッジコネクタは、好ましくは、120ピンのエッジコネクタである。120ピンのエッジコネクタは、ケーブルを必要としないで基本機器66から各モジュール37へ接続できる。制御回路88と電力分配器90とデータバス92と制御回路94の各々は、エッジコネクタの1つとマイクロコントローラ82とに接続される。
【0087】
各ヒーター電源制御回路88はそれぞれ1つのモジュール37の加熱要素に供給される電力量を調整するための電力調整器である。電源制御回路88は、好ましくは、電力供給装置86から+12Vの入力を受け取って0と−24Vの間の可変電圧を出力するDC/DC変換器である。この電圧は、マイクロコントローラ82から受け取った信号にしたがって変化する。
【0088】
各電力分配器90は、各モジュール37に−5V,+5V,+12V,GNDを与える。上記電力分配器は、このように、モジュールの電子部品に電力を供給する。各データバス92は、マイクロコントローラ82とそれぞれ1つのモジュール37のデジタル装置との間に、平行且つ連続した接続を提供する。各モジュール選択制御装置94によって、マイクロコントローラ82が個々のモジュール37にアドレスして、制御情報や状態情報を読み書きする。
【0089】
図13は、熱交換モジュール37の電子部品の概略ブロック図である。各モジュールはエッジコネクタ58を含んで、基本機器の対応するエッジコネクトタにケーブル不用な接続を行う。モジュールは、また、ヒータプレート34A,34Bを含み、ヒータプレート34A,34Bの各々は、上述した抵抗加熱要素を有する。ヒータプレート34A,34Bは平行に配線されていて、基本機器からの電力入力98を受け取る。また、ヒータプレート34A,34Bは、アナログ温度信号をアナログデジタル変換器108に出力するサーミスター36A,36Bを含んでいる。変換器108は、アナログ信号をデジタル信号に変換して、それらをエッジコネクタ58を介して基本機器内のマイクロコントローラに送る。
【0090】
熱交換モジュールは、また、例えばファン96のような冷却装置を含み、プレート34A,34Bと、プレート間に挿入された容器内の反応混合物とを冷却する。上記ファン96は、基本機器から電力を受け取り、電力スイッチ118を入れることによって作動する。次に、上記電力スイッチ118は、基本機器内のマイクロコントローラからの制御信号を受け取る制御論理ブロック116によって、制御される。
【0091】
上記モジュールは、反応混合物内の標識分析物を励起するために、発光ダイオード(LED)のような4つの光源を含み、さらに、反応混合物からの蛍光放出を検出するために、4つの検出器好ましくはフォトダイオード102を含んでいる。モジュールは調整可能な電流源104を含んでいて、各発光ダイオードに可変な電流(例えば、0から30mAの範囲)を供給し、発光ダイオードの明るさを変化させる。デジタルアナログ変換器106は、調整可能電流源104と基本機器のミクロコントローラーとの間に接続されていて、ミクロコントローラーがデジタル式に電流源を調整する。
【0092】
調整可能な電流源104は、好ましくは、作動時に各発光ダイオードが略同じ明度を確実に持つために使用される。製造時のばらつきによって、多くの発光ダイオードは、同じ電流が供給された時でも異なる光度を持っている。したがって、現在の所、熱交換モジュールの製造中に各発光ダイオードの光度を試験して、較正データをモジュールのメモリ114に保存することがすることが望ましい。上記較正データは、各発光ダイオードに供給すべき電流の正しい量を示す。マイクロコントローラーは、メモリ114から較正データを読み、それによって電流源104を制御する。下記に詳細に述べるように、マイクロコントローラーは、また、検出器102から受け取った光学的なフィードバックに応答して、電源を制御し、発光ダイオード100の光度を調整する。
【0093】
上記モジュールは、増幅器と電子フィルタとデジタルアナログ変換器とから成る信号調整/ゲイン選択/オフセット調節ブロック110を付加的に含んでいる。ブロック110は、検出器102からの信号を調整して、ゲイン(利得)を増大させ、オフセットし、ノイズを減少させる。基本機器のマイクロコントローラーは、デジタル出力レジスタ112を介して、ブロック110を制御する。上記出力レジスター112は、マイクロコントローラーからデータを受け取り、制御電圧をブロック110に出力する。上記ブロック110は、アナログデジタル変換器(A/Dコンバータ)108およびエッジコネクタ58を介して、調整された検出器信号をマイクロコントローラーに出力する。上記モジュールは、また、メモリ114、好ましくは、シリアルな電気的消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)を含んで、例えば発光ダイオード100や熱プレート34A,34Bや熱プレート36A,36Bの較正データなどの上記モジュールに特定なデータを記憶し、また、下記に詳述するデコンヴォルーションアルゴリズムのための較正データを記憶する。
【0094】
図14は、ユーザーのインターフェイスコンピューターにおいて、および/または熱サイクラー62のマイクロコントローラー82において、ソフトウェアまたはファームウェアとして典型的に常駐する制御装置のアーキテクチャーを示す。理解しておくべきことは、これらの機能の中から選択された幾つかの機能が、必要に応じて、例えば掌サイズのフィールドユニットの場合にはマイクロコントローラー82内に配置されたり、或いは、マイクロコントローラーと情報伝達する別のコンピューター内に配置されたりすることである。制御機能の分配は、意図された使用に最も効率的に適合させるべく、様々なハードウェア要素やソフトウェア要素において常駐させように、当業者によって選択される。したがって、大実験室や臨床的形態における制御機能分配は、掌サイズのフィールドユニット或いは中間サイズの移動可能ユニットにおけるものとは、まったく異なっている。さらに、これらの機能は、特定の目的に対して選択されて、上記特定の目的は、例えば質的な同定から単一あるいは限定された数のサイトプログラムまで、或いは、プログラムの拡張されたライブラリを経由して広範な反応に関する十分な量の評価に至るまで、選択され得る。
【0095】
図14について続けると、制御装置プログラムアーキテクチャーはユーザーインターフェイス機能152を含むソフトウェアーであり、上記ユーザーインターフェイス機能152は、モニター上のグラフィック表示(見本表示は図15〜18に示す)と、入力キーボードと、マウス等を含んでいる。温度プロファイルは、メモリ160内のプロファイルデータベース154内に記憶される。個々の反応サイトに対する個々の実行結果も、結果データベース156に記憶される。
【0096】
ユーザー出力装置(例えばマウスまたはキーボード)によって、ユーザーはコムポート162を介してプロファイルインタープリター170と情報伝達することができる。ユーザーの選定時に、選定された1モジュール上で実行される熱サイクルプロファイルは、ユーザーインターフェイス152から選択され、プロファイルデータベース154から検索され、プロファイルインタープリター170に入力される。加えて、装置ドライバー180を介して熱サイクラー62から得られた温度信号は、プロファイルインタープリター170から出力され、ユーザーインターフェイス152に出力される。
【0097】
それぞれ特定の熱変換モジュールに対して選択された熱プロファイルを完成させるために、プロファイルインタープリター170は、選択された熱プロファイルを、1組のヒーター出力レベルとファンのオンオフ回数とを示す信号に変換する。入出力制御ポート174は目標温度を出力し、上記目標温度は装置ドライバー180の入力値となる。同様に、装置ドライバー180は、熱交換モジュールの温度検知器によって検知されたその時点の温度をデータとして出力し、そのデータはプロファイルインタープリター170に対して入力値となる。装置ドライバー180は、シリアルバス65を介して、熱サイクラー62内のマイクロコントローラー82に適切なデジタル信号を提供する。そして次に、マイクロコントローラー82は温度プロファイルサイクルを実施する。
【0098】
図15〜18は、一連の見本ディスプレーを示し、上記ディスプレーはユーザーのインナーフェイス上でユーザに表示される。当業者が理解するように、装置を初期化し、ユーザー識別の入力とパスワード防護許可の入力がなされると、型通りの開始画面が現れる。これに、図15のプログラムメニュー画面120が続く。左の指示メニューボタン122を選択すると、付加的な画面が随時呼び出される。各画面が表示されると、テキストボックスとボタンで装置オペレーションに対するオプションを表示し、その際、ユーザーに各オプションの選定の仕方を示すテキスト情報あるいはアイコン情報も一緒に表示する。選定ボタンやチェックボックスやグラフ表示を含むこれらの画面は、当該技術分野において通常の技術を有するコンピュータープログラマーによって作成される。
【0099】
ライブラリーボタン124は、熱プロファイルプログラムと、メモリに記憶された過去の熱サイクルの実施結果とにアクセスする。結果ボタン126は、過去の結果を調査するためのメニューにアクセスする。この報告ボタン128は、過去の熱サイクル実施結果から、実際の時間温度形跡記録の印刷ができる。優先ボタン130によって、ユーザーは、頻繁に使用される入力実行をセットすることができ、一方、維持ボタン132によってデータ構造を調整できる。サインオフボタン134はプログラムを閉じる。
【0100】
図16は、見本プログラムメニュー画面を示し、この画面を通してサイトプログラムまたは熱プロファイル(一連の1つ以上の加熱および冷却ステップ)が作成される。新しいプロファイルは、新規ボタンによって作成される。図示された温度によって、ユーザーは特定のユーザー形成プログラムを作り、そのプログラムはメモリー内に記憶される。画面に示されたデータは、消去ボタンを選択しスクラッチする(掻き消す)ことによって、全て削除される。小さなウィンドウ140に現れる数は消え、次に、ユーザーが「温度」および「時間」というコラムの下にある上下の矢印を切りかえることによって、適当な値を入れることができる。プラスマイナスキー144はステップを加えたり消去するために使用される。下部ケース「x」キー146を選択することによって、全フィールドが消去される。プログラムは「保持」を単一ステップとして解釈する。多重ステップは1つのサイクルと解釈される。そして、中央のコラム148に注目すると、サイクル数がユーザーによって書き入れられる。プログラム名149は中央左のウィンドウにあり、実行されるプログラムの簡単な説明151が下部左ウィンドウにある。次に、プログラムは、以前から知られた名称で「セーブ」するか、或いはウィンドウ149に入れられた名称の下にプログラムを保存するために「セーブアズ」して、保存することができる。そのとき、この新しいプログラムは、例えば図14のプロファイルデータベース154のような熱プロファイルライブラリに自動的に保管される。「実行」ボタンを押すことによって、利用可能な反応サイト(熱交換モジュール)が、特定アドレスによってコラム131に表示される。1以上のサイトが選択され、再度「実行」ボタンを押すことによって、プログラムは実行する。
【0101】
図17は、現在の熱サイクル状態を表示する見本の機器メニュー画面を示す。1,2,3,4で分類された4つのウィンドウの各々は、4モジュール機器における4つの反応サイト(モジュール)の1つを識別する。サイト数3が選択されたとして注目すると、それは55度Cの設定温度で運転するための全時間を示している。それは、また、特定のステップでの残り時間以外に、プロファイル設定温度と現在の温度を示す。また、この画面は、3ステップ中のステップ1かつ50サイクル中のサイクル3にあって、そのサイクルは残り20秒であることを示している。この画面は、反応の進行に関する実時間の形跡を表示し、また、画面下半分に渡って表示装置155に曲線を表示している。個々のサイトは、単に特定のサイト1,2,3,4...Nを数字で選択することによって登録される。
【0102】
付加的な命令は「一時停止」と「継続」と「停止」を含み、これらは選択された特定の反応サイトに影響する。「全停止」という命令は、目下作動中の全ての熱交換モジュールを停止させる。「停止」または「全停止」が選択されるとき、それが不注意に選択されなかったことを確実にするために、警告プロンプトが現れる。反応が一度終了すると、特定のサイクルの実時間表示155が、グラフの底部に沿ってスクロールバーボタン157を移動させることによって、この特定のサイト内で選択される。
【0103】
図18は、見本のライブラリメニュー画面を示す。図14を参照して上述したように、以前保存されたプログラムはプロファイルデータベース154に記憶されている。前の実行結果は結果データベース156に記憶されている。図18を見ると、プログラムは、画面の上半分にあるプログラム「名称」を下方にスクロールすることによって選択される。次に、「実行」を押圧することによって特定の反応サイト(熱交換モジュールの1つ)が割り当てられる。個々のプログラムに関する詳細な情報は、画面の左下四半分159上に表示される。そして、以前に実行されたプログラムは、「ビュー/編集」ボタンを押圧することによって呼び戻される。「削除」ボタンは、飛出式警告文の後に、プログラムをライブラリから取り除くのに使用される。画面の右下にあるプレビュー表示161は、選択された熱プロファイルの棒グラフを示す。
【0104】
ユーザーインターフェイスプログラムは、また、好ましくは、結果メニュー画面を含み、特定の実行結果はプログラム名称と日付とオペレーターとサイトとによって表示される。この結果は、プログラムのオペレーションの実時間結果であるか、或いはメモリ(図14における結果データベース156)からの呼び出される。表示される情報は、好ましくは、選択された熱プログラムに対する全実行サイクルの温度の形跡と、収集された光学データとを含む。また、表示された情報は、好ましくは、プログラムの開始時間および終了時間と、使用された特定の熱交換モジュール(反応サイト)と、最終プログラムの状態(例えば、終了しているか、作動不能か、またはユーザーによって停止されているか)を含む。
【0105】
図19は全ソフトウェア制御のアプリケーションにおける段階を概略的に示す流れ図であって、上記アプリケーションは多重サイト反応器装置の制御装置によって実施される。このアプリケーションはロードされ、ステップ402で始まり実行される。ステップ402では、ユーザーが望む温度プロファイルが存在するかどうかを決定する。もしも、プロファイルが存在するならば、制御装置はステップ306に進む。もしも、所望のプロファイルが存在しないなら、それをユーザーがステップ404で作る。
【0106】
このプロファイルは、好ましくは、図11に示す機器制御装置の画面を通して作られる。ユーザーまたはオペレーターはプロファイルの変数を初期化する。すなわち、キーボードを介しておよび/またはプログラムグラフィクスディスプレイ上のボタンやチェックボックスの選定を介して、サイクル数と、所定プロファイルの温度段階の各々に対する設定温度とを入力する。例えば、図11に示すように、ユーザーは特定のアプリケーションを選択して、95度Cで5分間保持する導入部から始め、次に95度Cで30秒間、55度Cに冷却して30秒間、次に温度を75度Cに上昇させて60秒間を35サイクル行う(反復する)。完了信号を出す前には、72度Cで7分間の最終的な保持が選択される。そして、この温度プロファイルはプロファイルデータベースに記憶される。
【0107】
406のステップでは、選択されたモジュールで所望の温度プロファイルを実施するというユーザーの希望に応じて、上記プロファイルがプロファイルデータベースからロードされる。ステップ408では、制御装置は、ユーザーインターフェイスを介してユーザーに、反応混合物の入った反応器を選択されたモジュールの中に負荷することを促す。図4を参照すると、次に、ユーザーは、反応混合物の入った反応容器2を、選択されたモジュール37の熱プレート34Aと34Bの間に設置する。当業者は、このステップは例えばロボットによって自動化され得ることを認識する。ステップ410では、制御装置は、選択されたモジュールの反応混合物上で選択された温度プロファイルを実行する。ステップ410は、図20を参照して下記に詳細に記載されている。簡単に言えば、選択された温度プロファイルは、プロファイルインタープリター170によって、中間形態にコンパイルされる。この中間形態は装置ドライバー180によって使用されて、熱サイクラー機62のマイクロコントローラー82に信号を供給する(図14参照)。
【0108】
選択された温度プロファイルの実行は、一般に、温度センサーのデータを登録したりピンジング(pinging)したり或いはサンプリングしたりする反復ループを含み、また、クロック時間が進行するときに、上記データを予め決められた設定温度と関連させることを含んでいる。同時に、制御装置は、熱サイクラーが実行しているときに、選択されたプロファイルと、選択された熱交換モジュールの熱プレートの現在の温度との双方を、画面上に実時間で表示する。サイクルカウンターjは始めにj0=0に初期化される。それは各サイクルにおいて選ばれたサイクル数まで繰返す。サイクルの選択数が終了した後には、プログラムは特定の実行が「実行済」という信号を発し、タイマーカウンターはサイクルに対して全時間に到達する。ステップ412では、制御装置は実行結果を表示し、すなわち反応混合物における標的分析物の検出を示す光学データを表示し、結果データベースにその結果を保存する。
【0109】
図20は、熱交換モジュールにおける反応混合物に対して、選択された温度プロファイル(図19のステップ410)の実行において実施されるステップを示す。ステップ420では、モジュール内の熱プレートの温度は登録される。プレート温度の登録は、好ましくは、温度プロファイルの実行に渡って100ミリ秒毎に起こる。図3に示すように、サーミスター36A,36Bのような温度センサーは、プレートの温度を示すアナログ信号を出力する。アナログ信号はデジタル信号に変換され、制御装置によって受信される。制御装置は2つのプレートの温度を平均化してプレートの温度を決定する。
【0110】
ステップ422では、制御装置は、プロファイル目標温度すなわちプロファイル内での特定時間に対してユーザーが定めた設定温度と、プレート温度との差(デルタ)を決定する。決定ステップ424では、上記差が閾値たとえば10℃よりも大きいかどうかが決定される。もしも、その差が閾値よりも大きいと、制御装置はステップ426に進んで、プレートの温度を上昇させる。プレート温度を上昇させるときに含まれるステップは、図21を参照して下記に詳細に記載されている。
【0111】
差が閾値よりも大きくないならば、制御装置は、ステップ428において、プレート温度が現行の設定温度よりも高い予め決められた量たとえば10℃以上であるかどうかを決定する。もしもそうであるなら、制御装置はステップ430に進み、プレートの温度を下げる。プレートの温度を下げるときに含まれるステップは、図22を参照して下記に詳細に記載されている。ステップ430の続いて、制御装置はステップ432に進む。
【0112】
ステップ432では、制御装置は、現行の設定温度に熱プレートを維持するために標準的な比例微積分制御(PID制御)を行う。比例制御は、「オン」の時間と「オフ」の時間との比を変化させることによって行われるか、或いは、好ましくは、プレートの実際の温度が設定温度に近づくにつれてヒーターまたはファンに供給される平均電力を減少させるといった当該分野において既知の比例アナログ出力を用いて行われる。PID制御は比例モードを自動リセット機能(時間に関して偏差信号を積分する)および比率処理(積分信号と微分信号とを合計して比例帯を移動させる)と組合せている。標準PID制御は当該技術分野では周知であり、ここにおいてさらに説明する必要はない。
【0113】
ステップ434では、反応容器の中に入っている反応混合物は、上記混合物が標的分析物を含んでいるかどうかを決定するために、応答指令信号が光学的に送られる。これは、再び図6と図8を参照して、発光ダイオード100A,100B,100C,100Dとを続いて作動させて混合物内の異なる蛍光標識分析物を励起させ、検出器102A,102B,102C,102Dを用いてチャンバ10から発する光(蛍光出力)を検出することによって行われる。現在のところ好ましい実施形態では、蛍光染料FAM,TAMRA,TET,ROXが、例えば、反応混合物内の標的ヌクレオチド配列、核酸、蛋白質、病原体、有機体などの標的分析物に標識を付けるために使用される。
【0114】
好ましい実施形態においては、発光ダイオードと検出器の対の合計16の組合せに対して、4つの発光ダイオードの対と4つの検出器の対とが存在する。理論的には、全16の組合せに対して検出器から出力信号を収集することは可能である。しかしながら、これら16の組合せの中から、4つの主要検出チャンネルのみが存在する。各主要検出チャンネルは、発光ダイオードの励起光線が特定染料のピーク励起波長範囲内にある光学アセンブリ46内の発光ダイオード対によって、また、上記同一染料のピーク放出波長範囲内で放出される光を検出すべく指定された光学アセンブリ46内の検出チャンネルに対応するものによって形成される。
【0115】
好ましい実施形態では、第1主要検出チャンネルは、発光ダイオード100Aと第4検出器102D(ROXチャンネル)との第1の対によって形成される。第2主要検出チャンネルは、発光ダイオード100Bと第3検出器102C(TAMRAチャンネル)との第2の対によって形成される。第3主要検出チャンネルは、発光ダイオード100Cと第1検出器102A(FAMチャンネル)との第3の対によって形成される。第4主要検出チャンネルは、発光ダイオード100Dと第2検出器102B(TETチャンネル)との第4の対によって形成される。好ましい実施形態では、反応混合物は、これらの4つの主要検出チャンネルを用いて随意に応答指令信号が発せられる。しかしながら、代替の実施形態では、1つ或いはそれ以上の代替えの検出チャンネルが使用されて、検出器の出力信号における潜在的変化を修正するためのデータを与える。その潜在的変化は、例えば、反応容器内の気泡や、容器の形状の変化や、熱プレートの間にある容器位置の僅かな変化によって引き起こされる。上記代替の実施形態は、以下に詳細に記載される。
【0116】
反応混合物に光学的に応答指令信号を送るための好ましい方法、また、得られた光学データを解くための好ましい方法は、図6と図8とを参照して記載される。第1に、発光ダイオードのいずれかを作動させる前に、「暗読(ダークリーディング)」が行われて、発光ダイオードのどれもが点灯しないときに、4つの検出器の各々の出力信号を測定する。各検出器によって出力された「暗読」信号は、続いて、検出器によって出力された対応の「光読(ライトリーディング)」信号から減ぜられて、光学的検出回路における電子的なオフセット(偏り)を修正する。この「暗読」信号を得て、対応する「光読」信号から暗信号を減ずる手順は、好ましくは、較正データ(下記に詳細に記載)の展開中に容器に応答指令が発せられる時をも含めて、容器に応答指令が発せられる毎に行われる。しかしながら、説明を明確且つ簡単にするために、「暗読」を得るステップと、対応する「光読」信号から暗信号を減ずるステップは、この説明では繰返さない。
【0117】
暗読に続いて、「光読」は、4つの主要な光学的検出チャンネルの各々において、下記のように行われる。第1の対の発光ダイオード100Aが作動され、この発光ダイオードが励起光線を発生させる。上記励起光線は、593nm低透過フィルタ203の対を透過し、593nm低透過フィルタ212で反射し、555nm低透過フィルタ211を透過し、527nm高透過フィルタ209で反射し、レンズ215を透過して、反応チャンバ10に入る。このようにして、発光ダイオード100Aからの励起光線は濾光されて、ROXのピーク励起範囲に対応する555〜593nmの波長範囲となる。図8に示すように、チャンバ10から放出される光(蛍光放出放線)は検出アセンブリ48のレンズ232を透過し、565nm低透過レフレクター229に打ち当たる。(ROXのピーク放出波長範囲に対応する)605nm以上の波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229を通過し、1対の605nm高透過レフレクター227で反射し、ミラー228で反射し、1対の605nm高透過フィルタ226を通過し、レンズ242を通過し、620nmショットガラス(登録商標)フィルタ222Dを通過して、第4検出器102Dによって反射される。第4検出器102Dは、対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0118】
次に、図6に示すように、第2の対発光ダイオード100Bは作動され、上記発光ダイオードは励起光線を発生する。この光線は、555nm低透過フィルタ204を通過し、555nm低透過フィルタ211で反射し、527nm高透過フィルタ209で反射し、レンズ215を通過し、反応チャンバ10に入る。このようにして、発光ダイオード100Bからの励起光線は、濾光されて、TAMRAのピーク励起範囲に対応する527〜555nmの波長範囲になる。図8に示すように、次に、チャンバ10から放出される光は、検出アセンブリ48のレンズ232を通過し、565nm低透過レフレクター229に打ち当たる。(TAMRAのピーク放出波長範囲に対応する)約565〜605nmの範囲の波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229を通過し、605nm高透過レフレクター227を通過し、1対の565nm高透過フィルタ225を通過し、レンズ242を通過し、570nmショットガラスフィルタ222Cを通過して、第3検出器102Cによって検出される。この第3検出器102Cは対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0119】
次に、図6に示されるように、青色発光ダイオード100Cの対が作動されて上記発光ダイオードは励起光線を発生させる。上記励起光線は、495nm低透過フィルタ205の対を通過し、495nm高透過レフレクター208を通過し、527nm高透過レフレクター209を通過し、レンズ215を通過して反応チャンバ10に入る。発光ダイオード100Cからの励起光線は、このようにして濾光されて、FAMのピーク励起範囲に対応する約450〜495nmの波長範囲になる。図8に示すように、チャンバ10から放出された光は、次に、検出アセンブリ48のレンズ232を通過し、565nm低透過レフレクター229に打ち当たる。(FAMのピーク放出波長範囲に対応する)約505〜537nmの範囲の波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229で反射し、537nm高レフレクター230を通過し、505nm高レフレクター231で反射し、505nm高透過フィルタ223の対を通過し、レンズ242を通過し、515nmショットガラスフィルタ222Aを通過し、第1検出器102Aによって検出される。この第1検出器102Aは、対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0120】
次に、図6に示すように、第4の対の発光ダイオード100Dが作動され、上記発光ダイオードは励起光線を発生させる。上記励起光線は、527nm低透過フィルタ206の対を通過し、ミラー210で反射し、495nm高透過レフレクター208で反射し、527nm高透過レフレクター209を通過し、レンズ215を通過して、チャンバ10に入る。発光ダイオード100Dからの励起光線は、このようにして、濾光されて、TETに対するピーク励起範囲に対応した495〜527nmの波長範囲になる。図8に示すように、チャンバ10から放出された光は、次に、検出アセンブリ48のレンズ232を通過して、565nm低透過レフレクター229に打ち当たる。(TFTのピーク放出波長範囲に対応する)537〜565nmの範囲にある波長を持つ光の部分は、565nm低透過レフレクター229で反射し、537nm高透過レフレクター230で反射し、537nm高透過フィルタ224の対を通過し、レンズ242を通過し、550nmショットガラスフィルタ222Bを通過し、第2検出器102Bによって検出される。この第2検出器102Bは対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。4つの発光ダイオードの各々を連続して作動し、4つの対応する検出器測定値を収集するために必要な時間は、典型的には5秒以内である。
【0121】
検出用の染料によって放出される蛍光のスペクトルは、全く広範囲である。その結果、個々の染料(例えば、FAM,TAMRA,TET,ROX)は、反応容器から蛍光を放出するとき、蛍光は幾つかの主要検出チャンネルにおいて検出される。すなわち幾つかの検出器102A,102B,102C,102Dが蛍光を検出して、出力信号を発生する。しかしながら、各染料はそれ自身の「サイン(署名)」を持っていて、すなわち、各検出チャンネルにおける光学信号の比は各染料に対して独特なものとなっている。また、染料の混合物からの蛍光の放出が検出チャンネルの各々において単に加算的であり、したがって、線形幾何学を用いて、個々の染料濃度を混合された信号から抽出できるというのは、合理的な仮定である。
【0122】
好ましい実施形態では、線形幾何学および較正マトリックスを使用して、検出器の出力信号を反応混合物内の各染料の真の濃度を示す値に変換するように、制御装置はプログラムされている。較正マトリックスを展開するための好ましい方法が、好ましい実施形態の4チャンネル装置を用いて、一例としていまここに説明される。
【0123】
まず、反応緩衝材のみが入った反応容器が、光学アセンブリ46,48を使用して、光学的に読み込まれる。反応緩衝材は、反応混合物に類似した或いは殆ど同一の流体であり、試料をテストするために装置を実生産で使用する間に、光学アセンブリによって光学的に読み込まれる。反応緩衝材は染料を含まなく、したがって、全染料の濃度が零になる。4つの主要な検出チャンネルにおける反応緩衝材の光学的な読みは、4つの出力信号を発生し、これらの信号は対応するデジタル値に変換される。これらの4つの部材はBuffer(I)と呼ばれ、Iは1,2,3または4であって、それらの数値に基づいて検出チャンネルが読み込まれる。この緩衝材の値は、染料からの蛍光信号を加えることなく、各主要検出チャンネルにおいて検出されるバックグラウンド信号の測定値あるいは散乱光の測定値である。
【0124】
次に、既知の濃度たとえば100nMの染料番号1が入った反応混合物が、容器の中に配置される。そして、再び、4つのチャンネルが読み込まれる。生み出された4つの番号は、Netdye(I,1)と呼ばれる。4つの番号の同様のセットが、他の3つの染料に対しても得られて、Rawdye(I,2)とRawdye(I,3)とRawdye(I,4)とになる。次に、この緩衝値はRawdyeから差し引かれて、以下に示す正味の染料の値となる。
Netdye(I,J)=Rawdye(I,J)−Buffer(I);(I=1〜4)
ここで、Iは検出チャンネルを示し、Jは染料番号を示す。
【0125】
次に、標準数値法(例えばガウス消去法)を使用して、マトリックスNetdye(I,J)が変換されて、較正マトリックス Cal(I,J)と呼ばれる新たなマトリックスを得る。注意すべきことは、マトリックスの積、Netdye(I,J)×Cal(I,J)が単位マトリックスになることである。さて、反応混合物が読み込まれると、4つの検出チャンネルにおける検出器の出力信号は、混合物の染料の真の濃度を代表する値に変換される。混合物の光学的な読みは、RawMix(I)と呼ばれる4つの番号を生じる。反応緩衝値は、生の混合値から差し引かれて、以下のMix(I)と呼ばれる4つの数値を得る。
Mix(I)=RawMix(I)−Buffer(I)
【0126】
次に、染料の真の濃度は、以下のようにマトリックスの掛け算によって得られる。
Truedye(I)=100nM × Cal(I,J)× Mix(I)
上記等式において、100という係数は、初期の較正の測定として、100nMの濃度が使用されたからである。100nMの濃度は、例示目的のためのみに使用され、本発明の範囲を限定する意図はない。一般的に、較正測定用の染料の濃度は、染料の蛍光効率(強さ)によって、25〜1000nMの範囲内のいずれかにある。
【0127】
再び図12〜13を参照して、マトリックスCal(I,J)とBuffer(I)とは、好ましくは、各熱交換モジュール37の作成中に作られ、メモリ114に記憶される。モジュール37が基本機器66に接続されると、基本機器または外部コンピューターの制御ソフトウェアアプリケーションが、マトリックスをメモリに読み込み、マトリックスを使用して、検出器102の出力信号を、反応混合物内の各染料の濃度を示す値に変換する。構成マトリックスCal(I,J)とBuffer(I)とが、較正された特定の組の染料および反応容器の容積に依存しているので、染料と反応容器容積の様々な組合せに対して、多重組のマトリックスを生産し貯蔵することが好ましい。このことは、この装置を使用する際に、最終ユーザーに一層融通性を与える。
【0128】
一例として、較正マトリックスは、異なる大きさ(例えば、25ml、50ml、100ml)の反応容器を使用して、合計9つの異なる組の較正マトリックスに対して、3つの異なる染料の組に貯えられる。勿論、これは単なる一例に過ぎなく、他の多くの組合せが可能なことは当業者には明らかである。さらに、代替えの実施形態では、最終ユーザーが染料および反応容器サイズの所望の組合せに対して較正データを貯えたり使用したりすることができるように、制御ソフトウェアは較正要領を通して最終ユーザーを指導する機能を含む。
【0129】
上述した好ましい実施形態を実施する際に、4つの主要な検出チャンネルのみが読み込まれて、4つの出力信号が生じる。上記信号は解読されて、反応混合物内の個々の染料濃度を代表する染料濃度値に変換される。しかしながら、別の実施形態においては、1つまたはそれ以上の代替の検出チャンネルが、検出器の出力信号における電位の変化を修正するデータを提供するために使用される。上記変化は、例えば、反応容器内の気泡や、容器の形状の変化や、熱プレート間の容器の位置における僅かな変化によって引き起こされる。これらの変化はいずれもがバックグラウンド信号を引き起こし、これらは各検出器によって検出されるが、マトリックスBuffer(I)において緩衝値を生成するときに検出されるバックグラウンドや散逸された光とは異なる。これらの変化を修正するために、制御装置がプログラムされて、代替えの(主要でない)検出チャンネルを使用して1以上の検出器から較正信号を受け取り、且つ、受け取った較正信号に依って、主要検出チャンネルから受け取った後続の出力信号を調整する。制御装置は、以下に述べる仕方で、主要検出チャンネルからの出力信号を調整するようにプログラムされている。
【0130】
再度、図6と図8とを参照して、較正データは、対になった発光ダイオードと検出器を使用して作られる。上記発光ダイオードは励起波長範囲内で励起光線を発生させ、上記励起波長範囲は検出器によって検出された放出波長範囲と重複する。例えば、緑色発光ダイオード100Dと第1検出器102Aの対は、緑色発光ダイオード100Dからの励起光線が濾光されて495〜527nmの波長範囲になり、検出器102Aが505〜537nmの重複波長範囲内の放出光を検出するので、この目的に適合している。較正データを作るために、発光ダイオード100Dおよび検出器102Aを使用して、較正緩衝物の入った反応容器には随意に応答指令信号が送られる。発光ダイオード100Dが作動されて、検出器102Aが対応する出力信号を発し、信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0131】
検出器102Aに過負荷が掛からないように、発光ダイオード100Dの輝度は、意味深長に、較正中に通常の作動輝度より減少さればならない。これは、可変電流源(図13に既述)により発光ダイオードに供給する電流の量を減少させて行われる。この較正手続き中においては、典型的には、1〜5mAの電流が発光ダイオードに供給される。この較正手続きは、発光ダイオードと検出器の対を用いて、好ましくは、数回繰り替えされる。また、この較正手続きは、随意に発光ダイオードと検出器の対を用いて繰り替えされ、発光ダイオードと検出器の対では、検出器によって検出された放出波長範囲と重複する励起波長範囲内で発光ダイオードが励起光線を発生させる。次に、公称散乱値SNは、検出器の出力信号の平均値として計算される。
【0132】
再び、図12と図13とを参照すると、公称散乱値SNは、好ましくは、各熱交換モジュール37の製作中に作成され、メモリ114に記憶される。モジュール37が基本機器66に接続されると、基本機器あるいは外部コンピューターの中の制御ソフトウェアアプリケーションが、散乱値SNをメモリの中に読み込み、この値を使用して主要検出チャンネルの出力信号を下記のように修正する。
【0133】
再び、図6と図8とを参照して、好ましい実施形態において記載した様に主要検出チャンネルを読む前に、制御装置は、オプションとして、公称散乱値SNを展開するために使用された同じ代替えのチャンネル発光ダイオードと検出器の対を使用して、反応混合物に応答指令信号を送る。上述したように、意味深長に減少された電流値(例えば1〜5mA)で、発光ダイオードは作動される。検知器に供給される電流を削減することは、反応容器から蛍光信号が放出するのを有効に防止して、検出器からの出力信号が、バックグランウンドあるいは容器からの散乱光の正確な指標となる。1つあるいはそれ以上の検出器からの較正信号は平均化されて、実際の散乱値SAを得る。
【0134】
実際の散乱値SAの生成に続いて、上記好ましい実施形態に記載されているように、4つの主要な検出チャンネルが読み込まれて、4つの生の混合値 RawMix(I)を得る。次に、これらの生の混合値は、実際の散乱値SAの公称散乱値SNに対する比(SA/SN)によって調整されて、例えば反応容器の形状または位置の変化や、反応混合物における気泡によって生じるバックグラウンドまたは散乱光の変化を修正する。これは、好ましくは、実際の散乱値SAの公称散乱値SNに対する比により、緩衝値 Buffer(I) を増加することによって達成されて、以下のようにして、調整された緩衝値 AdjBuffer(I) を作成する。
AdjBuffer(I)=(SA/SN)× Buffer(I)
【0135】
次に、調整された緩衝値は生の混合値から引かれて、以下のように、Mix(I)と呼ばれる4つの数値を得る。
Mix(I) = RawMix(I)- AdjBuffer(I)
【0136】
次に、好ましい実施形態において説明したように、染料の真の濃度は以下のマトリックス乗算によって得られる。
Truedye(I) = 100nM × Cal(I,J) × Mix(I)
【0137】
その代わりに、散乱値SAとSNとは、他の方法で、例えば、実際の散乱値SAの公称散乱値SNに対する比によって出力値を乗ずることによって、主要検出チャンネルの出力信号を調整するために使用される。
【0138】
再度図20を参照して、光学的検出に続いて、制御装置はステップ436に進み、ステップ436では、制御装置は、プロファイルが完全かどうかを、例えば全ての熱サイクルが完了したかどうかを決定する。また、制御装置はプロファイルが完全であることを決定するようにプログラムされていて、適当な染料濃度が光学的に検出されたなら、反応混合物内の標的分析物の存在を示す。もしもプロファイルが完全であると決定されると、プロファイルの実行は終了する。そうでなければ、制御装置はステップ420に戻り、熱プレートの実際の温度を登録して、プロファイルが完了する迄ループは再実行する。
【0139】
目下の所、一熱サイクルにつき一度、反応混合物の光学的な読取りが行われることが好まれる。あるいはその代わりに、反応混合物は、ユーザーによって希望されるよりもより多い頻度あるいはより少ない頻度で、光学的に監視される。光学的な監視を頻繁に行う利点は、実時間光学データが反応の進行を示すために使用されることである。例えば、特定の予め決められた蛍光閾値が、熱交換モジュール内の反応混合物において検出されると、そのモジュールの温度サイクルが停止される。さらに、色の変化などの染料活性の光学的な検出は、サイクルパラメータを制御するのために、また、熱的な予定のみならず、反応物および製品の状態や状況或いは大量生産を制御するために有効である。例えば、反応の進行や終了点や試薬の添加時期や変性(溶解)やアニーリング等を決定するために、多重放出波長がサンプリングされる。実時間監視法において得られたデータは、制御装置にフィードバックされて、光学的な「読み」のパラメータを変化させたり調整させたりする。光学的な読みのパラメータの例としては、読みの長さとか、発光ダイオードに対する電力の入力値または周波数とか、どの波長が何時監視されるか等がある。
【0140】
好ましい実施形態の光学装置の一つの利点は、励起光を多重励起波長範囲において各反応混合物に供給することにある。これは、混合物において複数の異なる蛍光標識分析物の各々に対して最適な励起波長範囲が提供されることを確実にする。4つのチャンネル装置の典型的な実施では、3つの光学的なチャンネルが、標的分析物(例えば、増幅された核酸配列)を検出するために使用される。一方、第4チャンネルは、内部制御を監視して、装置の性能をチェックするためにするために使用される。例えば、ベータアクチンが、しばしば核酸増幅反応における内部制御として使用される。何故なら、予知可能な増幅応答を有し、容易に標識付けができ、増幅が適切に起こっているのを確かめるために監視され得るからである。
【0141】
4つのチャンネルの装置の別の可能な実行では、2つの光学チャンネルが、標的分析物を検出するために使用される。チャンネルの1つは、上述したように内部制御を監視するために使用される。そして、第4のチャンネルは受動標準化体(passive normalizer)を監視するために使用される。受動標準化体は、単に、既知の濃度で且つ自由な形態で反応混合物内に配置された染料であり、したがって、如何なる分析物をも標識付けしない。例えば、100〜500nMの濃度のROXは、適当な標準化体である。標準化体の濃度は、反応中を通して監視され、他の3つの光学チャンネルから収集された光学データを標準化するために用いられる。もしも、蒸発とか反応容器の変形とか容器内の気泡とかのために、受動標準化体の計算濃度が変化するならば、他の3つの光学チャンネルにおいて作成されたデータはこれらの変化に対して標準化される。
【0142】
反応混合物における受動染料を配置するもつ1つの利点は、染料からの蛍光信号が、幾つかの異なる反応パラメータを監視するために使用され得ることである。これらのパラメータの例としては、pHとイオン力と反応混合物の温度とが含まれる。染料から受け取られた吸収や蛍光等の光学信号は、これらのパラメータとともに変化して、受動染料が、これらの反応パラメータについての実時間データを提供するべく使用される。
【0143】
熱交換モジュール37(図4に示されている)に関連して、光学的励起アセンブリおよび検出アセンブリ46,48を使用することが現在のところ好ましいが、理解されなければならないのは、光学アセンブリは、反応混合物に応答指令信号を送るために、単独で使用され得るということである。例えば、代替えの実施形態では、光学アセンブリは、反応チャンバを収容するためのスロットがある掌サイズの装置に組み込まれている。好ましい実施形態の熱交換モジュール37のように、容器がスロット内に配置されたときに、光学的励起検出アセンブリがそれぞれ容器の第1と第2の光学伝達壁に情報伝達して配置されるように、光学アセンブリがスロットの隣りに配置される。このような装置は、加熱要素や冷却要素のない熱交換モジュール37に似ている。
【0144】
図21〜22は、本発明の反応装置における反応混合物を熱的に制御するためのコンピューターPID制御に対する重要な改善を示している。好ましい実施形態では、制御装置は、反応容器内に含まれた反応混合物と熱プレートとの間の熱的な遅延を補償するようにプログラムされている。この熱的な遅延は、加熱中に熱がプレートから容器の壁を通って反応混合物に移動する必要があるから、或いは、冷却中に熱が反応混合物から容器の壁を通ってプレートおよび/または外気に移動する必要があるから、引き起こされる。
【0145】
標準のPID制御では、ヒーターへ供給される電力は、実際に測定された装置の温度と望まれる設定温度との間の差(誤差)に依存する。したがって、ヒーターあるいはファンのいずれかに供給される平均電力は、実際の温度が設定温度に近づくにつれて減少する。設定温度に到達する前に、ヒーターあるいはファンに供給される電力が減少するので、反応混合物は設定温度に極めて迅速には到達しない。この温度の遅延は、不本意な副次的反応とか不本意な気泡の生成とか或る温度での反応成分の劣化等とかを引き起こす。
【0146】
図21〜22は、好ましい実施形態において使用される改善されたPID制御のプログラムのステップを示す。図21は、反応混合物の温度を上昇させるために行われるステップを示す。ステップ502において、制御装置は、初期には所望の設定温度を越える可変目標温度を設定する。例えば、設定温度が95℃であるならば、可変目標温度の初期値は、2〜10℃高く設定される。
【0147】
ステップ504では、制御装置は、プレート温度を可変目標温度に上げるために加熱要素に供給される電力のレベルを決定する。制御装置は、可変目標温度を標準PID制御アルゴリズムに入力することによって、電力のレベルを決定する。したがって、ヒーターに供給される電力のレベルは、実際のプレート温度と目標温度との間の差(誤差)に依って決定される。高い目標温度は、高レベルの電力がヒーターに供給されてプレートを加熱し、したがって設定温度に向かってより速く反応混合物を加熱する。ステップ506では、制御装置は、基本機器の電源制御回路に制御信号を送り、決められたレベルでヒーターに電力を供給する。
【0148】
決定ステップ508では、制御装置は、プレートの測定された実際の温度が予め決められた閾値よりも大きい或いは等しいかどうかを決定する。適切な閾値とは、所望の設定温度そのものであるか、設定温度よりも1、2度低い温度であって、例えば95℃の設定温度に対しては93〜94℃である。もしも、実際のプレート温度が予め決められた閾値を越えなければ、そのときは、制御装置はステップ504に戻って、プレート温度が閾値に等しいか或いは越える迄、ループを繰返す。
【0149】
プレートの測定された実際の温度が閾値に等しいか或いは越えたとき、制御装置はステップ510において可変目標温度を減少させる。制御装置は、好ましくは、可変目標温度が設定温度を越えた量を指数関数的に減衰させることによって、可変目標温度を減少させる。例えば、可変目標温度が所望の設定温度を越えた量は、以下の等式にしたがって時間の関数として指数関数的に減衰される。
Δ=(Δmax)×e(-t/tau)
ここで、Δは可変目標温度が設定温度を越えた量に等しく、Δmaxは可変目標温度の初期値と所望の設定温度との間の差に等しく、tは減衰開始からの10分の1秒単位の経過時間に等しく、tauは減衰時間係数に等しい。本発明の装置において、tauは、好ましくは1〜4秒の範囲の中の値である。現在のところ、各熱交換モジュールに対しては試験および較正中に経験的にtauを決定し、tauの値をモジュールメモリ114(図13)に貯えることが好ましい。
【0150】
上に記した指数関数式が目下好ましいが、他の多くの指数関数減衰式が使用され得て、それらは本発明の範囲に入ると理解されるべきである。さらに、可変目標温度は他の技法によって、例えば線形的に、減少される。
【0151】
ステップ512では、制御装置は加熱要素に供給される電力の新しいレベルを決定して、プレートの温度を増加された目標温度に上昇させる。制御装置は、上記増加された目標温度をPID制御アルゴリズムに入力することによって、電力のレベルを決定する。ステップ514では、制御装置は、決定された新しいレベルでヒーターに電力を供給するために、基本機器内の電源制御回路に制御信号を送る。
【0152】
決定ステップ516では、制御装置は、可変目標温度が設定温度以下であるかどうかを決定する。もしもそうでないならば、制御装置はステップ510に戻って、目標温度を減少させ、可変目標温度が設定温度以下になるまで、ループは継続する。可変目標温度が設定温度以下であるとき、上昇温度ルーチンが終了して標準PID制御が再開される。
【0153】
図22は、反応混合物の温度を所望の設定温度に低下させるために制御装置によって行われるステップを示した流れ図である。ステップ602では、制御装置は、初期には所望の設定温度よりも低い可変目標温度をセットする。例えば、設定温度が60℃であるならば、可変目標温度の初期値は、2〜10℃低くすなわち50〜58℃にセットされる。
【0154】
ステップ604では、制御装置は、プレートの測定された実際の温度が、閾値以下になるまで、好ましくは可変目標温度以下になるまで、ファンを作動させる。ステップ606では、制御装置はファンを停止して、目標温度を上昇させる。好ましくは、これは、可変目標温度が設定温度と異なっている量を、上記指数減衰式を用いて指数関数的に減衰させることによって行われる。冷却に対して、tauは好ましくは、1〜5秒の範囲内にあり、好適値は約3秒である。上記加熱例におけるように、tauは、試験中あるいは較正中に各熱交換モジュールに対して経験的に決定され、モジュールメモリに記憶される。この代わりに、可変目標温度が線形に増加してもよい。
【0155】
ステップ608では、制御装置は、プレートの温度を増加された目標温度にまで上昇させるために、加熱要素に供給される電力のレベルを決定する。制御装置は、増加された目標温度をPID制御アルゴリズムに入力することによって、電力のレベルを決定する。ステップ610では、制御装置は、決められたレベルで電力をヒーターに供給するために、基本機器の電源制御回路に制御信号を送る。
【0156】
決定ステップ612では、制御装置は、可変目標温度が設定温度以上であるかどうかを決定する。もしもそうでないなら、制御装置はステップ606に戻って、目標温度を上昇させ、可変目標温度が設定温度以上になる迄、ループが継続する。可変目標温度が設定温度以上であると、低下温度ルーチンが終了して、定常状態のPID制御が始まる。
【0157】
図4を参照して、好ましい実施形態では、各熱交換モジュール37は1対の光学アセンブリ46,48を含み、全光源が第1光学アセンブリ46に配置され、全検出器が第2光学アセンブリ48に配置されている。しかしながら、光学アセンブリの各々に、1以上の光源と1以上の検出器を含むことも可能である。図23A〜図23Bは、本発明の第2実施形態による1対の光学アセンブリを示す。各光学アセンブリは、反応混合物内の標識分析物を励起するための光源と、混合物から放出された光を検出するための検出器とを含む。
【0158】
図23Aは、第2実施形態による第1光学アセンブリ250の概略平面図である。アセンブリ250は、反応容器2に隣接して配置されて、チャンバ10内に入っている反応混合物に励起光線を送る。アセンブリ250は、アセンブリの様々な構成部品を保持するためにハウジング252を含む。ハウジング252は、好ましくは、1以上のプラスチック成形品を備えている。ハウジング252は、好ましくは、相補的な底部部品と頂部部品とからなるハウジングであり、それらは、例えばネジやボルトのような締付け部品を用いて結合される。図23Aにおいて、光学アセンブリ250の内部部品を示すために、ハウジングの頂部部品は取り除かれている。代替えの実施形態においては、スライド式の光学装置を保持するために、ハウジング252はワンピースのハウジングであってもよい。
【0159】
ハウジング252は光学的窓254を含む。一般に、光学的窓254は、ハウジング内に開口部を備え、上記開口部を通して光が送られ得る。好ましい実施形態では、光学的窓254は、随意に、ガラスまたはプラスチック製の光学的に透過な部品すなわち透明部品を含んで、窓ガラスとして或いはレンズとして機能する。
【0160】
光学アセンブリ250は、光源を、好ましくは青色発光ダイオード256を含んで、窓254を通して励起光線をチャンバ10に送る。発光ダイオード256は、調整可能な電源(図23Aには図示せず)に接続されたリード線253を介して、電力を受け取る。発光ダイオード256は、ハウジング252の背面に固定された光学回路板257に取り付けられていて、発光ダイオード256がハウジング252にしっかりと固定されている。光学回路基板257は、ネジやボルトや接着プラグなどの締付け具を用いて、ハウジング252に固定されている。検出器258は、好ましくは、PINフォトダイオードは、光学回路基板に257に取り付けられ、ハウジング252にしっかりと固定されている。好ましい実施形態におけるように、光学回路基板は、好ましくは、可撓ケーブルを経て熱交換モジュール37(図4には図示せず)のメインPCボード54に接続されている。
【0161】
光学アセンブリ250は、さらに、ハウジング252に配置されたフィルタとレンズとを含んでいて、発光ダイオード256によって作られた励起光線を濾光するとともに、チャンバ10から放出された光を濾光し、放出された光を検出器258に方向付けている。ハウジング252は、好ましくは、フィルタおよびレンズを受け入れてしっかりと固定するために窪みまたは細長穴(スロット)を含んでいる。フィルタおよびレンズは、接着剤を単独で用いて、或いは、接着剤とハウジングのスロットと組合せて用いて、ハウジング252にしっかりと固定される。
【0162】
一般的に、光学アセンブリ250のフィルタは、励起光線を所望の励起波長範囲内において反応混合物に提供するように、また、所望の放出波長範囲以外にあるチャンバ10から放出される光を遮るように、選択される。それ故に、光学アセンブリ250は、蛍光標識または燐光標識または化学ルミネセンス標識または電子化学ルミネセンス標識とともに使用される。例証のために、アセンブリ250の特定の実施形態が記載される。上記実施形態では、アセンブリ250は、FAMのピーク励起波長範囲において励起光線を与えるように設計され、また、TAMRAのピーク放出波長範囲においてチャンバ10から放出された励起光線を検出するように設計されている。
【0163】
この実施形態において、2つの590nmバンドパスフィルタ260,264は、検出器258と窓254との間に配置されて、チャンバ10から放出される約575〜605nmの放出波長範囲以外の光を遮る。レンズ262は、フィルタ260と264との間に配置されていて、検出器258への光を視準し且つ焦点を合わせる。光学アセンブリ250は、570nm高透過レフレクター268と500nm高透過レフレクター270とを含む。レフレクター268と270とは、バンドパスフィルタ260,264から、45度の角度でオフセットされている。レンズ251は、発光ダイオード256の前に随意に配置されて、発光ダイオードからの励起光線の焦点を合わせ、励起光線を視準する。現在のところ好ましいとされているように、もしも発光ダイオード256が指向性のある発光ダイオードならば、レンズ251は必要でない。光学アセンブリ250は、デバイダー(分割器)272を、好ましくは黒のポリカーボネイトシートを含み、発光ダイオード256からの励起光線を検出器258から遠ざける。
【0164】
図23Bは、第1光学アセンブリ250を補完する第2光学アセンブリ274の概略平面図を示す。このアセンブリ274は、好ましくは1つ以上のプラスチック製の成形部品を備えているハウジング276を含む。このハウジング276は、好ましくは、2つのハウジングであって補完的な底部部品と頂部部品とを備え、それらの部品は、例えばネジやボルトのような締付具を用いて結合される。図23Bにおいて、アセンブリ274の内部構成部品を示すために、ハウジングの頂部部品は取り除かれている。代替えの実施形態においては、ハウジング276は、スライド式光学装置を保持するワンピースのハウジングである。
【0165】
ハウジング276は光学的窓278を含む。一般に、上記光学的窓278は、ハウジング内に開口部を備え、上記開口部を通して光が送られる。光学的窓278は、随意に、窓ガラスとして機能するガラス製またはプラスチック製の光学的に透過または透明な部品を含む。
【0166】
光学アセンブリ274は、また、光源を好ましくは緑色発光ダイオード280を含んで、窓278を通して励起光線をチャンバ10に送る。発光ダイオード280は、調整可能な電源(図23Bに図示せず)に接続されたリード線281を通して、電力を受け取る。発光ダイオード280は、ハウジング276の背面に固定された光学回路基板282に取り付けられていて、発光ダイオード280は、ハウジング276内にしっかりと固定されている。光学回路基板282は、ネジやボルトや接着プラグなどの締付具を用いて、ハウジング276に固定されている。検出器284、好ましくはPINフォトダイオードは、光学回路基板に282に取り付けられ、ハウジング276にしっかりと固定されている。好ましい実施形態におけるように、光学回路基板は、好ましくは、可撓ケーブルを経て熱交換モジュール37(図4には図示せず)のメインPCボード54に接続されている。
【0167】
光学アセンブリ274は、さらに、ハウジング276内に配置されたフィルタとレンズとを含んでいて、発光ダイオード280によって作られた励起光線を濾光するとともに、チャンバ10から放出された光を濾光し、放出された光を検出器284に方向付けている。ハウジング276は、好ましくは、フィルタおよびレンズを収容してしっかりと固定するために、窪みまたはスロットを含んでいる。フィルタおよびレンズは、接着剤を単独で用いて、或いは、接着剤とハウジングのスロットとを組合せて、ハウジングにしっかりと固定される。
【0168】
一般的に、光学アセンブリ250内のフィルタは、励起光線を所望の励起波長範囲内において反応混合物に与えるように、また、所望の放出波長範囲以外にあるチャンバ10から放出される光を遮るように、選択されている。例証のために、アセンブリ274の特定の実施形態を説明する。上記実施形態では、アセンブリ274が、TAMRAのピーク励起波長範囲において励起光線を与えるように設計され、また、FAMのピーク放出波長範囲においてチャンバ10から放出された励起光線を検出するように設計されている。
【0169】
この実施形態において、2つの525nmバンドパスフィルタ286,290は、検出器284と窓278との間に配置されていて、チャンバ10から放出される約510〜540nmの放出波長範囲以外の光を遮る。レンズ288は、フィルタ286と290との間に配置されていて、検出器284への光を視準し且つ焦点を合わせる。光学アセンブリ274は、500nm高透過レフレクター296と、50/50ビームスプリッター297と、525nm高透過レフレクター292とを含む。レフレクター296とビームスプリッター297とは、バンドパスフィルタ286,290から、45度の角度でオフセットされている。光学アセンブリ274は、分割器272を、好ましくは黒のポリカーボネイトシートを含んで、発光ダイオード280からの励起光線を検出器284から遠ざける。
【0170】
作動中には、1対の光学アセンブリ250,274が、以下のようにチャンバ10内の反応混合物に光学的に応答指令信号を送るために使用される。図23Aに示されるように、青色発光ダイオード256が作動されて、発光ダイオードは励起光線を発生し、上記励起光線は500nm高透過レフレクター270を通過し、窓254を通過し、反応チャンバ10の中に入る。発光ダイオードからの励起光線は、このようにして、濾光されて、FAMに対する励起範囲に対応した500nm以下の波長範囲になる。
【0171】
図23Bに示すように、放出された光(例えば、FAM染料からの蛍光放線)は、チャンバ10から光学アセンブリ274の窓278を通って送られ、ビームスプリッター297に打ち当たる。放出された光線の部分は、ビームスプリッター297から500nm高透過レフレクター296に反射する。(FAMのピーク放出波長範囲に対応している)約510〜540nmの範囲の波長を持つ上記放出された光線の部分は、500nm高透過レフレクター296から、525nmバンドパスフィルタ290を通過し、レンズ288を通過し、525nmバンドパスフィルタ286を通過し、検出器284によって検出される。検出器284は、対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0172】
次に、緑色発光ダイオード280が作動されて、この発光ダイオードは励起光線を発生し、励起光線は525nmバンドパスフィルタ292を通過し、ビームスプリッター297を通過し、窓278を通過し、反応チャンバ10に入る。発光ダイオード280からの励起光線はこのようにして濾光され、TAMRAの励起範囲に対応した510〜540の波長範囲になる。
【0173】
図23Aに示すように、放出された光(例えば、TAMRA染料からの蛍光放線)は、チャンバ10から光学アセンブリ252の窓254を通って送られ、500nm高透過レフレクター270に打ち当たる。(TAMRAのピーク放出波長範囲に対応している)575〜605nmの範囲の波長を持つ放出された光の部分は、500nm高透過レフレクター270で反射し、570nm高透過レフレクター268で反射し、590nmバンドパスフィルタ264を通過し、レンズ262を通過し、590nmバンドパスフィルタ260を通過して、検出器258によって検出される。この検出器258は対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0174】
第2実施形態の残りの過程は、上記好ましい実施形態に類似している。検出器の出力信号は、線形代数と較正マトリックス(この実施形態では、上記好ましい実施形態の4列マトリックスよりもむしろ2列マトリックス)を用いて、反応混合物における各染料の真の濃度を示す値に変換される。しかしながら、もしも検出に使用された2つの染料の放出スペクトルが十分に明瞭であるならば、線形代数学を用いて、光学データをデコンヴォルーション(簡略化)する必要はない。例えば、FAMとTAMRAは、通常十分に明瞭な放出スペクトルを持っている。第2実施形態の光学アセンブリ250,270の1つの利点は、それらが好ましい実施形態のアセンブリよりもより小さくより密に作られることである。
【0175】
図24A〜24Bは、本発明の第3実施形態の光学アセンブリ300,340を示す。反応混合物内の異なって標識付けされた4つの分析物をも検出可能であるように光学アセンブリ300,340の各々が追加の検知器および追加のフィルタを含んでいる以外、第3実施形態の光学アセンブリ300,340は第2光学アセンブリと同じである。
【0176】
図24Aは、第3実施形態による第1光学アセンブリ300を概略平面図を示す。光学アセンブリ300は、上述した第2実施形態の第1光学アセンブリ250(図23A)と多くの同一部品を備えている。図24Aにおいて、これらの部品は同じ参照番号を用いて分類されている。上記アセンブリ300は、これらの部品に加えて、付加的な検出器308を、好ましくはPINフォトダイオードを備えていて、光学回路基板257に取り付けられ、ハウジング252内にしっかりと固定されている。
【0177】
光学アセンブリ300は、さらに、ハウジング252内に配置されたフィルタとレンズを含んでいて、発光ダイオード256によって発生された励起光線を濾光し、チャンバ10から放出された光を2つの異なる放出波長範囲に分離し、各々の放出波長範囲において放出された光を、検出器258,308のそれぞれに方向付ける。一般的に、光学アセンブリ300のフィルタは、励起光線を所望の励起波長範囲においてチャンバ10内の反応混合物に提供するように選択される。また、光学アセンブリ300のフィルタは、チャンバ10から放出された光のうち、所望の放出波長範囲以外の光を遮断する。したがって、光学アセンブリ300は、蛍光標識または燐光標識または化学ルミネセンス標識または電子化学ルミネセンス標識とともに使用される。例証のために、アセンブリ300の特定の実施形態が記載され、上記実施形態では、アセンブリが、FAMおよびHEXの励起波長範囲において励起光線を与えるように設計され、また、TAMRAおよびROXのピーク放出波長範囲においてチャンバ10から放出された光線を検出するように設計されている。
【0178】
この実施形態において、2つの590nmバンドパスフィルタ260,264は、検出器258と窓254との間に配置されて、チャンバ10から放出される約575〜605nmの放出波長範囲外の光を遮る。レンズ262は、フィルタ260と264との間に配置されていて、検出器258への光を視準し且つ焦点を合わせる。2つの600nm高透過フィルタ314,322は、検出器308と窓254の間に配置されている。レンズ318は、フィルタ314と322の間に配置されていて、検出器308への光を視準し且つ焦点を合わせる。光学アセンブリ300は、また、ミラー324,330と、500nm高透レフレクター326と、600nm高透過レフレクター328とを含む。ミラーとレフレクター324,326,328,330は、フィルタ260,264,314,322から45度の角度でオフセットされている。光学アセンブリ300は、デバイダー332を、好ましくは黒色ポリカーボネイトシートを含んで、発光ダイオード256によって発生した光を検出器258,308から遠ざける。
【0179】
図24Bは、第3実施形態による第2光学アセンブリ340の概略平面図を示す。この光学アセンブリ340は、上述した第2実施形態の第2光学アセンブリ274(図23B)と多くの同一部品を含む。これらの部品は、図24Bと同じ参照番号を用いて分類されている。アセンブリ340は、これらの部品に加えて、付加的な検出器を、好ましくはPINフォトダイオードを含み、これは光学回路基板282に取り付けられてハウジング276にしっかりと固定されている。
【0180】
光学アセンブリ340は、さらに、フィルタとレンズを含んでハウジング276内に配置され、発光ダイオード280によって発生した励起光線を濾光する。チャンバ10から放出された光を2つの異なる放出波長範囲に分離し、各々の放出波長範囲において放出された光を、検出器284,348のそれぞれに方向付ける。一般的に、光学アセンブリ340のフィルタは、励起光線を所望の励起波長範囲においてチャンバ10内の反応混合物に供与するように、選択される。また、光学アセンブリ340のフィルタは、チャンバ10から放出された光のうち、所望の放出波長範囲外の光を遮断する。したがって、光学アセンブリ340は、蛍光標識または燐光標識または化学ルミネセンス標識または電子化学ルミネセンス標識とともに使用される。例証のために、アセンブリ340の特定の実施形態が記載される。上記実施形態では、アセンブリは、TAMRAおよびROXの励起波長範囲において励起光線を与えるように設計され、また、FAMおよびHEXのピーク放出波長範囲においてチャンバ10から放出された光線を検出するように設計されている。
【0181】
この実施形態において、2つの555nmバンドパスフィルタ352,356は、検出器284と窓274との間に配置されて、チャンバ10から放出される約540〜570nmの放出波長範囲外の光を遮る。レンズ360は、フィルタ352と356との間に配置されていて、検出器284への光を視準し且つ光の焦点を合わせる。2つの525nmバンドパスフィルタ354,362は、検出器348と窓278の間に配置されていて、チャンバ10から放出される約510〜540nmの放出波長範囲以外の光を遮る。レンズ358は、フィルタ354と362の間に配置されていて、検出器348への光を視準し且つ光の焦点を合わせる。光学アセンブリ340は、また、ミラー364,370と、50/50光線スプリッタ366と、537nm低透レフレクター368とを含む。ミラーとレフレクター364,366,368,370は、フィルタ352,354,356,362から45度の角度でオフセットされている。光学アセンブリ340は、デバイダー372を、好ましくは黒色ポリカーボネイトシートを含んで、発光ダイオード280によって発生した光を検出器284,348から遠ざける。
【0182】
作動中に、1対の光学アセンブリ300,340が、以下のように、チャンバ10内の反応混合物に光学的に応答指令信号を送信するべく使用される。図24Aに示すように、青色発光ダイオード256が作動されて、発光ダイオードが励起光線を発生する。上記励起光線は、500nm高透過レフレクター326を通過し、600nm高透過レフレクター328を通過し、窓254を通過し、チャンバ10内に入る。発光ダイオード256からの励起光線は、このようにして、濾光されて500nm以下の波長範囲になって、反応混合物においてFAMおよびHEXを励起する。
【0183】
図24Bに示すように、放出された光(例えば、FAM染料およびHEX染料からの蛍光放線)は、チャンバ10から光学アセンブリ340の窓278を通って送られ、537nm低透過レフレクター368に打ち当たる。(FAMのピーク放出波長範囲に対応する)波長が510〜537nmの範囲の放出された光の部分は、537nm低透過レフレクター368で反射し、ミラー370で反射し、525nmバンドパスフィルタ362を通過し、レンズ358を通過し、535nmバンドパスフィルタ354を通過し、検出器348によって検出される。検出器348は、対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0184】
一方、(HEXのピーク放出波長範囲に対応する)540〜570nmの放出された光の部分は、537nm低透過レフレクター368を通過し、ビームスプリッタ366で反射し、ミラー364で反射し、555nmバンドパスフィルタ352を通過し、レンズ360を通過し、555nmバンドパスフィルタ356を通過し、検出器284によって検出される。検出器284は対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0185】
次に、緑色発光ダイオード280が作動されて、発光ダイオードが励起ビームを発生し、上記励起ビームはビームスプリッタ366を通過し、537nm低透過レフレクター368を通過し、窓278を通過し、反応チャンバ10に入る。発光ダイオード280からの励起光線は、このようにして、濾光されて537nm以上の波長範囲になって、反応混合物内のTAMRAおよびROXを励起する。
【0186】
図24Aに示すように、放出された光(例えば、TAMRA染料およびROX染料からの蛍光放線)は、チャンバ10から光学アセンブリ300の窓254を通って送られ、600nm高透過レフレクター328に打ち当たる。(TAMRAのピーク放出波長範囲に対応する)575〜600nmの波長範囲を持つ放出された光の部分は、600nm高透過レフレクター328を通過し、500nm高透過レフレクター326で反射し、ミラー324で反射し、590nmバンドパスフィルタ260を通過し、検出器258によって検出される。検出器258は対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0187】
一方、(ROXのピーク放出波長範囲に対応する)600nm以上の波長を持つ放出された光の部分は、600nm高透過レフレクター328で反射し、ミラー330で反射し、600nm高透過レフレクター322を通過し、レンズ318を通過し、600nm高透過フィルタ314を通過し、検出器308によって検出される。検出器308は対応する信号を出力し、上記信号はデジタル値に変換されて記録される。
【0188】
第3実施形態の残りの過程は、上述した好ましい実施形態の過程と類似している。検出器の出力信号は、上述したように、線形代数学および較正マトリックスを使用して、反応混合物内の各分析物を標識付ける染料の真の濃度を示す値に変換される。第3実施形態の光学アセンブリ300,340の利点は、好ましい実施形態のアセンブリよりも小さく作られることである。
【0189】
熱交換モジュール37(図4参照)と共に、図23A〜23Bまたは図24A〜24Bの光学アセンブリを使用することが目下の所好ましいが、理解されるべきことは、反応混合物と光学的に応答指令信号を単独で送るために、1対の光学アセンブリが使用され得ることである。例えば、代替えの実施形態では、1対の光学アセンブリが、反応容器を収容するスロットを持つ掌サイズの装置内に組み込まれる。好ましい実施形態におけるように、光学アセンブリの対は、それぞれ容器の第1と第2の光学的な透過な壁と光学的に情報伝達するように、配置されている。このような装置は、加熱要素および冷却要素のない熱交換モジュール37に似ている。
【0190】
本発明の装置の様々な実施形態は、多くの用途に使用されうることがわかる。この装置は、例えば核酸増幅等の試料に化学反応を行うために、また、増幅された標的配列を光学的に発見するために使用される。例えば、試料は、ポリヌクレオチドと、タックポリメラーゼのようなポリメラーゼと、ヌクレオシド三燐酸塩と、試料のポリヌクレオチドに交雑可能な第1プライマーと、ポリヌクレオチドに補完する配列に交雑可能な第2プライマーとに混合される。必要とされる試薬の一部あるいは全部は、出荷時に反応容器内に存在しもよい。或いは、それらは、容器の入口ポートを通って送られる試料や反応混合物に追加されてもよい。それの代わりに、試薬および染料は、試料とは無関係に、容器の反応チャンバに配送されてもよい。ポリメラーゼ連鎖反応は、当該技術分野において周知の方法によってなされる。
【0191】
ポリメラーゼ連鎖反応による増幅がここに記載されているが、本発明の装置と方法は、他の様々なポリヌクレオチド増幅反応および配位子結合分析に使用される。このような付加的な反応は、熱的にサイクルするか、または、単一温度で行われる。例えば、核酸配列ベース増幅(NASBA)の場合である。さらに、このような反応には、とりわけDNAリガーゼやT7RNAポリメラーゼおよび/または転換酵素を含む実に様々な増幅試薬と酵素が用いられている。本発明の装置において実施されるポリヌクレオチド増幅反応は以下のものを含む。しかし、以下のものに限定するものではない。すなわち、(1)例えば自立配列複製(3SR)およびストランド変位増幅(SDA)などの標的ポリヌクレオチド増幅方法、(2)「有枝鎖」DNA増幅のような標的ポリヌクレオチドに付着した信号の増幅に基づく方法、(3)リガーゼ連鎖反応(LCR)およびQBレプリカ増幅(QBR)のようなプローブDNAの増幅に基づく方法、(4)結紮活性転写および核酸配列に基づく増幅(NASBA)のような転写に基づく方法、(5)修復連鎖反応(RCR)および循環プローブ反応(CPR)他の様々な増幅法である。この装置の他の適用は、本発明の範囲内に入るように意図され、これらの適用は、反応混合物の熱エネルギーおよび/または反応混合物と反応生成物の光学的応答を必要とする。
【0192】
概要と結果と範囲
上記説明は多くの特異性を含んでいるが、多くの異なる修正および代用が、本発明の広範な範囲から逸脱することなく、記載された装置および方法に対してなされることは理解されねばならない。例えば、各熱交換モジュールまたは基本機器は、光学的検出器からの信号を受信するために、また、例えば950〜1050Mzの予め決められた周波数範囲以外の信号を拒絶するために、電子フィルタを含んでいる。この実施形態では、各光源は、予め決められた範囲の周波数で光源にパルスを送ることによって作動される。そして、その範囲内の検出器信号のみが記録される。この検出回路の利点は、電子ノイズを拒絶し、光学的なドリフト(移動)を遅らせることある。
【0193】
光学アセンブリにおいて使用されるフィルタは、上述の特定の波長範囲に限らず、当該波長範囲において励起光および放出光を供給するように設計され得る。上述の特定のフィルタ波長は、好ましい実施形態の典型的な染料に対して有用であるが、本発明の範囲を限定するものではない。所定の適用例に対する蛍光染料の選択は、当該分析物に左右される。選択された染料の異なるピーク励起および放出のスペクトルに適合させるために、光源やフィルタやフィルタ波長の異なる組合せが使用され得ることは、当業者には理解される。さらに、青色および緑色の光源が目下の所好まれるが、この装置では、異なる色の光源の使用が可能である。
【0194】
さらに、蛍光励起および放出の検出は好ましい一実施形態であるが、直接吸収および/または軸上ジオメトリ(構造)を持つ伝達で使用される光学的検出方法は、本発明のマルチチャンネル検出装置に適用され得る。光源と検出器の軸上アラインメントのような代替えのジオメトリは、照明の吸収を測定することによって、染料の濃度および反応の物理的条件(温度やpHなど)における変化を監視するように使用される。この装置は、時間減衰する蛍光発光を測定するのに使用される。その上、マルチチャンネル検出装置は、蛍光標識に基づく検出に限定されない。この検出装置は、燐光性標識または化学ルミネセンス標識または電子化学ルミネセンス標識に基づく検出に適用できる。
【0195】
したがって、本発明の範囲は、以下のクレームおよび法的に同等のものによって決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による反応容器の分解斜視図であり、この図において、反応チャンバの側壁は、チャンバの内部を示すために移動されている。
【図2】 図1の容器の正面図である。
【図3】 対向する熱プレートによって形成された熱スリーブに挿入された図1の容器の側面図である。
【図4】 熱スリーブと、一対の光学アセンブリと、冷却装置とを有する本発明による熱交換モジュールの側面図である。図1の反応容器は、熱スリーブ内に挿入されている。
【図5A】 図5Aは強度対波長のグラフである。図5Aは、熱反応において典型的に用いられる4つの染料のそれぞれの励起スペクトルを示している。
【図5B】 図5Bは強度対波長のグラフである。図5Bは、熱反応において典型的に用いられる4つの染料のそれぞれの放出スペクトルを示している。
【図5C】 図5Cは強度対波長のグラフである。図5Cは、異なる励起波長範囲を提供するために緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードの出力を濾光する結果を示している。
【図5D】 図5Dは強度対波長のグラフである。図5Dは、異なる放出波長範囲を形成するために4つの染料のそれぞれから放出された光を濾光する結果を示している。
【図6】 図4のモジュールの光学的励起アセンブリの概略平面図である。
【図7】 図6の励起アセンブリの分解図である。
【図8】 図4のモジュールの光検出アセンブリの概略平面図である。
【図9】 図8の検出アセンブリの分解図である。
【図10】 各反応部位の動的かつ独立したコンピュータ実行制御を有する多数部位反応装置の概略図である。
【図11】 コンピュータと電源とにデイジーチェーン化された複数熱サイクル機器を有する別の多数部位反応装置の概略ブロック図である。
【図12】 図10の装置の基本機器の概略ブロック図である。
【図13】 図4の熱交換モジュールの電子構成部品の概略ブロック図である。
【図14】 図10の装置の制御、診断、プログラミング、操作機能のためのコンピュータ制御装置の構造を示す概略ブロック図である。
【図15】 好ましくは、ユーザーによる機能の選択のためのグラフを用いたユーザーインターフェイス上に再生された図14の構造を示すブロック図である。
【図16】 ユーザーのコンピュータモニター上で見ることができる本発明によるグラフィック表示の一連の見本である。図16は、プログラムメニュー画面を示しており、それを通してサイトのプロファイルが作られ実行される。
【図17】 ユーザーのコンピュータモニター上で見ることができる本発明によるグラフィック表示の一連の見本である。図17は、熱サイクル状態を表示する器械メニュー画面を示している。
【図18】 ユーザーのコンピュータモニター上で見ることができる本発明によるグラフィック表示の一連の見本である。図18は、ライブラリーメニュー画面を示しており、それを通して、所望の温度プロファイルがメモリから検索されて実行され、結果が表示され、別のコンピュータに送られおよびまたは印刷される。
【図19】 図10の装置の全体的な制御と動作を示す流れ図である。
【図20】 図10の装置上の選択された温度プロファイルを実行するための段階を示す流れ図である。
【図21】 本発明の好ましい実施形態による本能混合物の温度を上昇させるための段階を示す流れ図である。
【図22】 本発明の好ましい実施形態による反応混合物の温度を低下させるための段階を示す流れ図である。
【図23A】 図23Aは、本発明の第2実施形態による図4のモジュールにおいて使用するための一対の光学アセンブリの概略平面図である。
【図23B】 図23Bは、本発明の第2実施形態による図4のモジュールにおいて使用するための一対の光学アセンブリの概略平面図である。
【図24A】 図24Aは、本発明の第3実施形態による図4のモジュールにおいて使用するための別の一対の光学アセンブリの概略平面図である。
【図24B】 図24Bは、本発明の第3実施形態による図4のモジュールにおいて使用するための別の一対の光学アセンブリの概略平面図である。

Claims (43)

  1. 反応混合物を保持するためのチャンバを有する反応容器の中に入れられた上記反応混合物に、光学的に応答指示信号を送るための装置において、
    a) i) 励起光線を上記チャンバに送るための少なくとも2つの光源と、
    ii) 上記チャンバに送られた上記励起光線の各々が実質的に異なる励起波長範囲を有するように上記励起光線を濾光するための第1組のフィルタと、
    iii) 上記光源と上記第1組のフィルタとが第1ハウジングにしっかりと固定されて、上記光源と上記第1組のフィルタとを保持するための上記第1ハウジングとを
    備えた第1光学アセンブリと、
    b) i) 上記チャンバから放出された光を、それぞれ少なくとも2つの放出波長範囲において検出するための少なくとも2つの検出器と、
    ii) 上記チャンバから放出された上記光を上記それぞれの放出波長範囲内に分離するための第2組のフィルタと、
    iii) 上記検出器と上記第2組のフィルタとがしっかりと第2ハウジングに固定されて、記検出器と上記第2組のフィルタとを保持するための上記第2ハウジングとを
    備えた第2光学アセンブリとを
    備えていることを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、上記第1光学アセンブリは、少なくとも4つの励起波長範囲において上記励起光線を送るために上記第1組のフィルタと共に配置された少なくとも4つの光源を含み、上記第2光学アセンブリは、少なくとも4つの放出波長範囲において上記放出された光を検出するために第2組のフィルタと共に配置された少なくとも4つの検出器を含んでいることを特徴とする装置。
  3. 請求項1に記載の装置において、上記容器は、上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を含み、上記装置は上記容器の上記チャンバを収容するスロットを含み、上記第1と上記第2の光学アセンブリは、上記容器が上記スロット内に設置されたとき、上記第1と上記第2の光学アセンブリがそれぞれ上記第1と上記第2の光学的に透過な壁と光学的に情報伝達するように、配置されていることを特徴とする装置。
  4. 請求項3に記載の装置において、
    a) 間に上記スロットを形成している対向するプレートと、
    b) 上記プレートの内の少なくとも1つに結合された加熱要素とを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、上記プレートと上記加熱要素と上記光学アセンブリとは熱交換モジュールに組み込まれ、上記装置はこのような複数の熱交換モジュールを収容し制御するための基本機器をさらに備えていることを特徴とする装置。
  6. 請求項1に記載の装置において、上記第1ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有し、上記励起光線は上記光学的窓を通して送られ、上記第1光学アセンブリは上記励起光線の焦点を合わせるために上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  7. 請求項1に記載の装置において、上記第2ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有し、上記チャンバから放出された光は上記光学的窓を通して受け取られ、上記第2光学アセンブリは上記チャンバから放出された上記光を視準するために上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  8. 請求項1に記載の装置において、上記光学アセンブリの動作を制御するために制御装置をさらに備え、上記制御装置は、上記検出器からの出力信号を反応混合物内の染料標識分析物の濃度を示す値に変換するために、較正マトリックスを使用するようにプログラムされていることを特徴とする装置。
  9. 請求項1に記載の装置において、上記光学アセンブリの動作を制御するために制御装置をさらに備え、上記励起波長範囲の少なくとも1つは、上記放出波長範囲の1つと重複し、上記制御装置は、上記重複した放出波長範囲の光を受信する上記検出器からの較正信号を受信するように、また、上記較正信号に依存して上記検出器から受け取った2次出力信号を調整するように、プログラムされていることを特徴とする装置。
  10. 請求項1に記載の装置において、上記容器は上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を含み、上記第1と上記第2の光学的に透過な壁は、互いに約90度の角度だけオフセットされていて、上記光学アセンブリは、上記第1の光学的に透過な壁を通って上記容器に入る各励起光線の経路と上記第2の光学的に透過な壁を通って検出される放出光の経路との間が約90度の角度となるように、配置されていることを特徴とする装置。
  11. 反応混合物に応答指令信号を光学的に送る装置において、
    a) 上記混合物を保持するためのチャンバを有する反応容器であって、上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を含んでいる上記反応容器と、
    b) 上記第1の光学的に透過な壁を通って上記反応混合物に励起光線を送るための少なくとも2つの光源と、
    c) 上記反応混合物に送られる上記光線の各々が実質的に異なる励起波長範囲を持つように、上記励起光線を濾光するための第1組のフィルタと、
    d) 上記第2の光学的に透過な壁を通って上記チャンバから放出された光をそれぞれ少なくとも2つの放出波長範囲において検出するための少なくとも2つの検出器と、
    e) 上記第2の光学的に透過な壁を通って上記チャンバから放出される上記光を上記それぞれの放出波長範囲に分離するための第2組のフィルタとを
    備えていることを特徴とする装置。
  12. 請求項11に記載の装置において、
    a) 少なくとも4つの励起波長範囲における上記励起光線を送るために上記第1組のフィルタと共に配置された少なくとも4つの光源と、
    b) 少なくとも4つの放出波長範囲における上記放出された光を検出するために上記第2組のフィルタと共に配置された少なくとも4つの検出器とを
    含んでいることを特徴とする装置。
  13. 請求項11に記載の装置において、
    a) 間に上記容器の上記チャンバを収容するために配置された対向するプレートと、
    b) 上記プレートの少なくとも1つに結合された加熱要素とを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  14. 請求項11に記載の装置において、
    a) 上記光源と上記第1組のフィルタとを保持するための第1ハウジングであって、上記光源と上記第1組のフィルタとは上記第1ハウジングにしっかりと固定されている上記第1ハウジングと、
    b) 上記検出器と上記第2組のフィルタとを保持するための第2ハウジングであって、上記検出器と上記第2組のフィルタとは上記第2ハウジングにしっかりと固定されている上記第2ハウジングとを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  15. 請求項14に記載の装置において、上記第1ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有し、上記光学的窓を通して上記励起光線が送られ、上記装置は上記励起光線の焦点を合わせるために上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  16. 請求項14に記載の装置において、上記第2ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有し、上記光学的窓を通して上記チャンバから放出された光が受け取られ、上記装置は上記チャンバから放出された上記光を視準するために上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  17. 請求項11に記載の装置において、上記光源と上記検出器の動作を制御するために制御装置をさらに備え、上記制御装置は、上記検出器からの出力信号を上記反応混合物内の染料標識分析物の濃度を示す値に変換するために、較正マトリックスを使用するようにプログラムされていることを特徴とする装置。
  18. 請求項11に記載の装置において、上記光源と上記検出器の動作を制御するために制御装置をさらに備え、上記励起波長範囲の少なくとも1つは上記放出波長範囲の1つに重複し、上記制御装置は、上記重複した放出波長範囲の光を受信する上記検出器から較正信号を受信するように、また、上記較正信号に依存して上記検出器から受け取った2次出力信号を調整するように、プログラムされていることを特徴とする装置。
  19. 請求項11に記載の装置において、上記第1と上記第2の光学的に透過な壁は、互いに約90度の角度だけオフセットされていて、上記光源と上記フィルタと上記検出器とは、上記第1の光学的に透過な壁を通って上記容器に入る各励起光線の経路と上記第2の光学的に透過な壁を通って上記検出された放出光の経路との間が約90度の角度となるように、配置されていることを特徴とする装置。
  20. 請求項11に記載の装置において、上記チャンバの厚みは5mm未満であり、上記チャンバの幅と上記チャンバの厚みの比は、少なくとも2:1であることを特徴とする装置。
  21. 反応混合物を保持するためのチャンバを有する反応容器の中に入れられた上記反応混合物に、光学的に応答指示信号を送るための装置において、
    a) i) 少なくとも第1光学的窓を有する第1ハウジングと、
    ii) 上記第1光学的窓を通って第1励起光線を上記チャンバに送るために上記第1ハウジングにしっかりと固定された第1光源と、
    iii) 上記チャンバから放出された光を検出するために上記第1ハウジングにしっかりと固定された第1検出器と、
    iv) 第1励起波長範囲以外にある上記第1励起光線の部分を濾光するために、また、第1放出波長範囲以外にある上記放出された光の部分を濾光するために、また、上記第1放出波長範囲内の光を上記第1検出器に方向付けるために、上記第1ハウジングにしっかりと固定されている第1組のフィルタとを
    備えた第1光学アセンブリと、
    b) i) 少なくとも第2光学的窓を有する第2ハウジングと、
    ii) 上記第2光学的窓を通して上記チャンバに第2励起光線を送るために、上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2光源と、
    iii) 上記チャンバから放出された光を検出するために上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2検出器と、
    iv) 上記第1励起波長範囲と異なる第2励起波長範囲以外にある上記第2励起光線の部分を濾光するために、また、上記第1放出波長範囲と異なる第2放出波長範囲以外にある上記放出された光の部分を濾光するために、また、上記第2放出波長範囲における光を上記第2検出器に方向付けるために、上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2組のフィルタとを
    備えた第2光学アセンブリとを
    備えていることを特徴とする装置。
  22. 請求項21に記載の装置において、上記第1光学アセンブリは上記第1ハウジングにしっかりと固定された第3検出器をさらに含み、上記第1組のフィルタは、上記第1と上記第2の放出波長範囲と異なる第3の放出波長範囲以外にある上記放出された光の部分を濾光するために、また、上記第3放出波長範囲内の光を上記第3検出器に方向付けために、少なくとも1つのフィルタを含んでいることを特徴とする装置。
  23. 請求項22に記載の装置において、上記第2光学アセンブリは上記第2ハウジングにしっかりと固定された第4検出器をさらに含み、上記第2組のフィルタは、上記第1と上記第2と上記第3の放出波長範囲と異なる第4の放出波長範囲以外にある上記放出された光の部分を濾光するために、また、上記第4放出波長範囲内の光を上記第4検出器に方向付けために、少なくとも1つのフィルタを含んでいることを特徴とする装置。
  24. 請求項21に記載の装置において、上記容器は、上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を有し、上記第1と上記第2の光学的に透過な壁は、互いに約90度の角度だけオフセットされていて、上記光学アセンブリは、上記第1の光学的に透過な壁を通って上記チャンバに入る上記第1励起光線の経路と、上記第2の光学的に透過な壁を通って検出される放出光の経路との間が約90度の角度となるように、また、記第2の光学的に透過な壁を通って上記チャンバに入る上記第2励起光線の経路と、上記第1の光学的に透過な壁を通って検出される放出光の経路との間が約90度の角度となるように、配置されていることを特徴とする装置。
  25. 請求項21に記載の装置において、上記容器は、上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を含み、上記装置は上記容器の上記チャンバを収容するためのスロットを含み、上記第1と上記第2の光学アセンブリは、上記容器がスロットル内に配置されたときに上記第1と上記第2の光学アセンブリがそれぞれ上記第1と上記第2の壁と光学的に情報伝達するように、配置されていることを特徴とする装置。
  26. 請求項25に記載の装置において、上記第1光学アセンブリは、上記第1励起光線の焦点を合わせるために、また、上記第1壁を通って上記チャンバから放出された光を視準するために、上記第1光学的窓に配置された第1レンズをさらに備え、上記第2光学アセンブリは、上記第2励起光線の焦点を合わせるために、また、上記第2壁を通って上記チャンバから放出された光を視準するために、上記第2光学的窓に配置された第2レンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  27. 請求項25に記載の装置において、
    a) 間に上記スロットが形成される対向するプレートと、
    b) 上記プレートの少なくとも1つに結合された加熱要素とを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  28. 請求項27に記載の装置において、上記プレートと上記加熱要素と上記光学アセンブリとは熱交換モジュールに組み込まれ、上記装置は複数のこのような熱交換モジュールを収容するために基本機器をさらに備えていることを特徴とする装置。
  29. 反応混合物に応答指令信号を光学的に送るための装置において、
    a) 上記混合物を保持するためにチャンバを有すると共に、上記チャンバを形成する少なくとも第1と第2の光学的に透過な壁を含んでいる反応容器と、
    b) 上記第1の壁を通して上記反応混合物に第1励起光線を送るための第1光源と、
    c) 上記第1の壁を通して上記チャンバから放出された光を検出するための第1検出器と、
    d) 第1励起波長範囲以外にある上記第1励起光線の部分を濾光するための、また、第1放出波長範囲以外にある上記放出された光の部分を濾光するための、また、上記第1放出波長範囲内の光を上記第1検出器に方向付けるための第1組のフィルタと、
    e) 上記第2の壁を通して第2励起光線を上記混合物に送るための第2光源と、
    f) 上記第2の壁を通して上記チャンバから放出された光を検出するための第2検出器と、
    g) 上記第1励起波長範囲と異なる第2励起波長範囲以外にある第2励起光線の部分を濾光するための、また、上記第1放出波長範囲とは異なる第2放出波長範囲以外にあって上記第2の壁を通って放出された光の部分を濾光するための、また、上記第2放出波長範囲内の光を上記第2検出器に方向付けるための第2組のフィルタとを
    備えていることを特徴とする装置。
  30. 請求項29に記載の装置において、上記第1の壁を通って上記チャンバから放出された光を検出するために第3検出器をさらに備え、上記第1組のフィルタは、上記第1と上記第2の放出波長範囲と異なる第3の放出波長範囲以外にあって上記第1の壁を通して放出された光の部分を濾光するために、また、上記第3の放出波長範囲内の上記放出された光を上記第3検出器に方向付けるために、少なくとも1つのフィルタを含んでいることを特徴とする装置。
  31. 請求項30に記載の装置において、上記第2の壁を通して上記チャンバから放出された光を検出するために第4検出器をさらに備え、上記第2組のフィルタは、上記第1と上記第2と上記第3の放出波長範囲と異なる第4の放出波長範囲以外にあって上記第2の壁を通して放出された光の部分を濾光するために、また、上記第4の放出波長範囲内の放出された光を上記第4検出器に方向付けるために、少なくとも1つのフィルタを含んでいることを特徴とする装置。
  32. 請求項29に記載の装置において、上記容器の上記第1と上記第2の光学的に透過な壁は互いに約90度の角度だけオフセットされていて、上記光源と上記フィルタと上記検出器は、上記第1の光学的に透過な壁を通して上記容器に入る上記第1励起光線の経路と、上記第2の光学的に透過な壁を通して検出された上記放出光の経路の間で約90度の角度となるように、また、上記第2の光学的に透過な壁を通して上記容器に入る上記第2励起光線の経路と、上記第1の光学的に透過な壁を通して検出された上記放出光の経路の間が約90度の角度となるように、配置されていることを特徴とする装置。
  33. 請求項29に記載の装置において、
    a) 間に上記容器の上記チャンバを収容するために配置された対向するプレートと、
    b) 上記プレートの少なくとも1つに結合された加熱要素とを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  34. 請求項29に記載の装置において、
    a) 上記第1光源と上記第1検出器と上記第1組のフィルタとを保持するための第1ハウジングであって、上記第1光源と上記第1検出器と上記第1組のフィルタとは上記第1ハウジングにしっかりと固定されている上記第1ハウジングと、
    b) 上記第2光源と上記第2検出器と上記第2組のフィルタとを保持するための第2ハウジングであって、上記第2光源と上記第2検出器と上記第2組のフィルタとは上記第2ハウジングにしっかりと固定されている上記第2ハウジングとを
    さらに備えていることを特徴とする装置。
  35. 請求項34に記載の装置において、上記第1ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有して、上記光学的窓を通して上記第1励起光線が送られ、また、上記窓を通して上記チャンバから上記第1の壁を通して放出された光が受け取られ、上記装置は上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  36. 請求項34に記載の装置において、上記第2ハウジングは少なくとも1つの光学的窓を有し、上記光学的窓を通して上記第2励起光線が送られ、また、上記光学的窓を通して上記チャンバから上記第2の壁を通して放出された光が受け取られ、上記装置は上記光学的窓に配置されたレンズをさらに備えていることを特徴とする装置。
  37. 請求項29に記載の装置において、上記チャンバの厚みは5mm未満であり、上記チャンバの幅と上記チャンバの厚みの比は、少なくとも2:1であることを特徴とする装置。
  38. 反応容器の中に入っている反応混合物を熱的に制御すると共に光学的に応答指示信号を送るための装置であって、上記容器は上記混合物を保持するためのチャンバを有し、上記装置は、
    a) 上記チャンバの壁に接触するための少なくとも1つの熱表面と、
    b) 上記熱表面を加熱するための加熱要素と、
    c) 上記チャンバ内の上記反応混合物に光学的に応答指示信号を送るための第1と第2の光学アセンブリとを備え、
    上記第1光学アセンブリは、
    i) 少なくとも1つの光学的窓を有する第1ハウジングと、
    ii) 上記少なくとも1つの光学的窓を通して上記反応混合物に励起光線を送るために上記第1ハウジングにしっかりと固定された少なくとも2つの光源と、
    iii) 上記反応混合物に送られた光線の各々が実質的に異なる励起波長範囲を持つように上記励起光線を濾光するために上記第1ハウジングにしっかりと固定された第1組のフィルタとを備え、
    上記第2光学アセンブリは、
    i) 上記チャンバから放出された光を受け取るために少なくとも1つの光学的窓を有する第2ハウジングと、
    ii) 少なくとも2つのそれぞれ放出波長範囲内の上記放出された光を検出するために上記第2ハウジングにしっかりと固定された少なくとも2つの検出器と、
    iii) 上記放出された光を上記それぞれ放出波長範囲に分離するために上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2組のフィルタとを
    備えていることを特徴とする装置。
  39. 請求項38に記載の装置において、上記装置は上記容器に接触するための第1と第2の熱表面を含み、上記熱表面は、間に上記容器の上記チャンバを収容するように配置されている対向するプレートによって提供されることを特徴とする装置。
  40. 請求項39に記載の装置において、上記第1と上記第2の光学アセンブリは、上記容器が上記プレートの間に挿入されたとき、上記容器の少なくとも1つの光学的に透過な壁を通して、上記光学アセンブリの各々が上記チャンバと光学的に情報伝達するように、配置されていることを特徴とする装置。
  41. 反応容器の中に入れられた反応混合物を制御し、上記反応混合物に光学的に応答指示信号を送るための装置であって、上記容器は上記混合物を保持するためにチャンバを有する装置において、
    上記装置は、
    a) 上記チャンバの壁に接触するための少なくとも1つの熱表面と、
    b) 上記熱表面を加熱するための加熱要素と、
    c) 上記チャンバ内の上記反応混合物に応答指令信号を光学的に送るための第1と第2の光学アセンブリとを備え、
    上記第1光学アセンブリは、
    i) 第1光学的窓を有する第1ハウジングと、
    ii) 上記第1光学的窓を通して上記反応混合物に第1励起光線を送るために、第1ハウジングにしっかりと固定された第1光源と、
    iii) 上記チャンバから放出された光を上記第1窓を通して受け取るために、上記第1ハウジング内にしっかりと固定された第1検出器と、
    iv) 第1励起波長範囲以外にある上記第1励起光線の部分を濾光するために、また、第1放出波長範囲以外にある上記第1窓を通して受け取られる光の部分を濾光するために、また、上記第1放出波長範囲の光を上記第1検出器に方向付けるために、上記第1ハウジングにしっかりと固定された第1組のフィルタとを備え、
    上記第2光学アセンブリは、
    i) 第2光学的窓を有する第2ハウジングと、
    ii) 上記窓を通して上記反応混合物に第2励起光線を送るために、上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2光源と、
    iii) 上記チャンバから放出された光を上記第2窓を通して受け取るために、上記第2ハウジング内にしっかりと固定された第2検出器と、
    iv) 上記第1励起波長範囲と異なる第2励起波長範囲以外にある上記第2励起光線の部分を濾光するために、また、上記第1放出波長範囲と異なる第2放出波長範囲以外にある上記第2窓を通して受け取られる光の部分を濾光するために、また、上記第2放出波長範囲の光を上記第2検出器に方向付けるために、上記第2ハウジングにしっかりと固定された第2組のフィルタとを
    備えていることを特徴とする装置。
  42. 請求項41に記載の装置において、上記装置は上記容器に接触するための第1と第2の熱表面とを含み、上記熱表面は、間に上記容器の上記チャンバを収容するように配置された対向するプレートによって提供されることを特徴とする装置。
  43. 請求項42に記載の装置において、上記第1と上記第2の光学アセンブリは、上記容器が上記プレートの間に挿入されたとき、上記光学アセンブリの各々が上記容器の少なくとも1つの光学的に透過な壁を通して上記チャンバと光学的な情報伝達をするように、配置されていることを特徴とする装置。
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