JP3957436B2 - 塩素イオンを含む水の電気分解装置、飲料供給装置、および塩素イオンを含む水の電気分解方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塩素イオンを含む水の電気分解装置、飲料供給装置、および塩素イオンを含む水の電気分解方法に関し、特に、自動販売機、飲料ディスペンサ、冷水器等に適用される塩素イオンを含む水の電気分解装置、飲料供給装置、および塩素イオンを含む水の電気分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水源から導入される塩素イオンを含む水道水等の飲料水を電気分解することにより殺菌力を有する活性塩素(Cl2)を含んだ飲料水にして供給する飲料供給装置として、例えば、特開昭60−283391号公報、および特許第2564943号公報に開示されるものがある。
【0003】
これらの公報に開示されている飲料供給装置は、大気に開放されるシスターンまたは水リザーバに貯留される水道水を電気分解して活性塩素を発生させているが、このような大気開放のシスターンや水リザーバでは空中浮遊菌が混入しやすい。また、シスターンに電気分解用電極を設けた場合、水位センサで検出された水位に応じて間欠的に飲料水を供給されることから、最高水位と最低水位の水位差の範囲で水量が変動するのに応じて塩素濃度が変化し、一定濃度の活性塩素を安定して発生させることができない。
【0004】
そのため、飲料水の配管を全て大気から遮断して空中浮遊菌の混入を防ぐ構成の密閉型の飲料供給装置として、例えば、特開平9−1149号公報に開示されるものがある。この飲料供給装置は、飲料水の配管中に大気から密閉された偏平型の電解槽を設けて供給先へ供給される通過中の飲料水に対し電気分解を行っている。この飲料供給装置によると、電解槽が偏平になっているので、円形の配管に一対の電極を設けた場合に比較して一対の電極の間隔を狭めることができるとともに電極幅を大にすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平9−1149号公報に開示される飲料供給装置によると、飲料水の供給時に電解槽を通過する飲料水に対し電気分解を行なっており、この通過中の飲料水に有効な量の活性塩素を発生するためには、電極長を大にするか、あるいは、通過する飲料水の流速を小にして飲料水と電極の接触時間(飲料水への通電時間)を所定値にしなければならない。電極長を大にすると、塩素発生器が大型化して飲料供給装置の限られたスペースに組み込むことができなくなる。また、電極のサイズを大きくする代わりに、通過する飲料水の流速を小にすると、飲料水の供給時間(ユーザの待ち時間)長が大になってユーザに冗長感を与えることになり、実用化できない。そのため電極のサイズを大きくせずに、また、飲料水の供給時間長も大にしないで通過する飲料水に対して有効な量の活性塩素を発生させるには、印加する電流を大にしなければならず、これでは電流密度が高くなって電極の消耗が大になる。従って、電極の消耗を考慮すると電流値を抑えざるを得ず、そうなると所定の塩素濃度値(例えば、0.2ppm)を有した飲料水を確保できない問題がある。即ち、塩素濃度は、主として電気分解する水質(特に、導電率と塩素イオン濃度)と通電時間と通電電流のパラメータに依存するものであるが、上記したとおり電極を大にできず、また、飲料水の流速を小にして前述した接触時間(通電時間)を大にすることができない制約のもとでは、たとえ地域によって水質に差があるとしても、どの地域においても所定の塩素濃度を有した飲料水を確保することができない。また、この飲料供給装置によると、飲料水の供給間隔が大になったとき電解槽の下流の配管の飲料水を電解槽へ還流する構成にしているため、配管系統が複雑になる。
従って、本発明の目的は、電極長を大にせず、飲料水の供給時間の冗長化を防ぎ、電極の消耗を防ぎながら種々の水質の飲料水に対しても殺菌に必要な塩素濃度を確実に得ることができる塩素イオンを含む水の電気分解装置および飲料供給装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、配管系統の複雑化を抑えながら飲料水の供給間隔が大になっても次の供給動作時に細菌に汚染されていない飲料水を供給可能な塩素イオンを含む水の電気分解方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、
a)塩素イオンを含む未処理水を受ける流入管および電気分解された水を排出する流出管を有した容器であってその断面積が前記流入管および流出管の断面積より大であり、前記容器の中での流速を前記流入管および流出管の流速より小にする大気遮蔽された容器と、b)電源と、
c)前記容器の内部に設けられて前記電源から電力を受けるために電気的に前記電源に接続される一対の電極と、
d)前記容器に流体的に接続されて通過する水の流れを制御するための弁と、
e)前記電源と前記弁に電気的に接続された制御部であって、前記弁を開いて前記流入管へ前記未処理水を流入させ、前記流出管から販売先の方向に電気分解された水を流出させるとき、前記容器の内部で流速の小なる水の電気分解を行う前記一対の電極に前記電源から電力を供給する制御部と、
f)前記容器からガスを抜くためのガス抜き弁と、前記ガス抜き弁の開閉を制御するガス抜き制御部を含むことを特徴とする塩素イオンを含む水の電気分解装置を提供する。
【0008】
また、本発明は上記した目的を達成するため、フレーバの供給部と、前記塩素発生装置から供給される塩素含有水と前記フレーバの供給部から供給されるフレーバとを受けて混合する混合器と、混合によって得られる飲料を販売するノズルを有し、塩素イオンを含む水の電気分解装置を含む飲料供給装置を提供する。
【0009】
また、本発明は上記した目的を達成するため、
a)塩素を含有した未処理水の水流を大気遮断された容器の流入管に供給し、
b)前記容器内で前記未処理水を電気分解して塩素含有水を発生させ、
c)前記塩素含有水を前記容器の流出管から排出し、前記未処理水の供給および前記塩素含有水の排出を第1および第2の流速で行い、前記第1および第2の流速より低い電気分解にとって無視できる第3の流速で前記容器内で前記未処理水の電気分解を行い、前記容器の前記流出管に接続され、かつ、温度管理されたタンクに入れられた水に浸漬されている温度修正チューブで前記塩素含有水の温度修正を行い、前記タンク内の水面より下に一端が配置される配管を介して前記容器から前記未処理水の電気分解時に発生するガスを前記タンクに入れられた水中に導く塩素イオンを含む水の電気分解方法を提供する。
【0010】
以下、本発明の塩素イオンを含む水の電気分解装置、飲料供給装置、および塩素イオンを含む水の電気分解方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る飲料供給装置としてのコーラやジュース等の飲料を販売する飲料ディスペンサを示し、水道管1Aに設けられる水道蛇口1Bに接続される取水管1と、取水管1に設けられる取水弁1Cと、取水管1に接続され、水道水をろ過してろ過水(以下、供給水という)とする水フィルタ2と、水フィルタ2に供給管路3を介して接続される給水電磁弁6と、給水電磁弁6と供給管路5を介して接続され、供給水を電気分解するための正負の電極を有する塩素発生器4と、塩素発生器4と供給管路7を介して接続され、電気分解後の飲料水(以下、販売水という)を下流側に圧送する供給ポンプ8と、供給ポンプ8と供給管路9を介して接続され、販売水を冷却する冷却コイル10と、冷却コイル10を通過する販売水を冷却する冷却水10Aを貯水する冷却水槽10Bと、冷却コイル10と供給管路11を介して接続され、販売水の流量を制御するフローレギュレータ12と、フローレギュレータ12と供給管路13を介して接続される電磁弁14と、電磁弁14と供給管路15を介して接続され、カップ16に販売水を注ぐバルブ17と、冷却水槽10Bでオーバーフローした冷却水10Aをオーバーフロー水用配管38Aを介して排出されるドリップトレイ38を有する。バルブ17には販売水に加えて、図示しないシロップ供給管路からのシロップやカーボネータからの炭酸水が導入されており、バルブ17内でこれらが混合されて炭酸飲料としてカップ16に供給される。したがって、販売水はシロップや炭酸水を希釈するための希釈水として用いられる。
【0012】
水フィルタ2は、フィルタ部材として活性炭充填層を有する活性炭フィルタを内蔵し、取水管1にろ過水が逆流しないようにする逆止弁2Aを設けている。
【0013】
供給管路3,5,7,9,11,13,および15はポリエチレンチューブで形成されており、冷却コイル10は伝熱性に優れるステンレス管によって形成されている。供給管路3,5,7,9,11,13,および15の内径は4mm、断面積は12.56mm2、冷却コイル10の内径は5.5mm、断面積は23.75mm2である。
【0014】
塩素発生器4は、供給される供給水を一時貯留する構造である。供給水の電気分解によって発生した水素ガスおよび酸素ガス等の電気分解ガスを外部に排気するガス抜き管4Aと、ガス抜き管4Aに設けられる電磁式のガス抜き弁4Bを有し、水蒸気を含んだ電気分解ガスはガス抜き弁4Bの開放に基づいてガス抜き管4Aを介して冷却水槽10Bの冷却水10A中に排気される。また、塩素発生器4から電気分解ガスとともに出される気液混合体の排出先として、冷却水槽10Bの他に、例えば、廃液バケツの廃液中やドリップトレイ38に排出するようにしても良い。
【0015】
図2は、飲料ディスペンサの各部における飲料水の容量を示し、塩素発生器4からバルブ17において、カップ1杯分を150mlとして、約4杯分の販売水を確保するように形成されており、特に、塩素発生器4から冷却コイル10にかけての供給管路はカップ1.3杯分の販売水を確保するように形成されている。
【0016】
図3(a)は、塩素発生器4を示し、電気分解用の電極40A、40Bを内部に有する円筒状の電気分解槽40と、電気分解槽40の端部を密封して大気遮断構造とする蓋部材41A、41Bと、蓋部材41A、41Bを貫通して設けられるボルト43と、ボルト43にねじ係合して電気分解槽40の両端に蓋部材41A、41Bを固定するナット42を有する。電気分解槽40は外径φ1が43mm、内径φ2が40mm、内径40mmに基づく断面積が1256mm2、高さhが130mm、電極40A、40Bの長さlが120mmであり、容量は152mlである。また、この塩素発生器4は電気分解槽40と蓋部材41Aもしくは41Bが一体的に形成されていても良い。蓋部材41Aは、供給管路5の接続部41aおよびガス抜き管4Aの接続部41bを有する。蓋部材41Bは、供給管路7の接続部41cを有する。
【0017】
図3(b)は、図3(a)のA−A部における断面を示し、電気分解槽40の内部にはチタンに白金系のコーティング合金によって形成された一対の電極40A、40Bを有し、電極40Aを正極、電極40Bを負極として電源装置としての定電流装置(図示せず)に接続している。また、この電極40A、40Bは幅wが36mm、電極間隔gが3mmで形成されて、その表と裏の電極面の両面で電気分解槽40の貯留水と接触するよう、即ち、貯留水中に浸漬された状態となるように電気分解槽40内に設けている。この場合、電極40A、40Bの水中に没している部分の長さは120mm程度である。電極40A、40Bは所定の通電時間間隔によって正極および負極を変えて使用するのが好ましく、これにより消耗が防止される。
【0018】
本発明による飲料ディスペンサは、販売水の販売動作開始に伴い電気分解槽40に導入されて流速を低下させられる供給水に対し、また、販売水の販売動作終了に伴い電気分解槽40に貯留される供給水に対し電気分解を行うために、販売水の販売時間(水の通過時間)の制約を受けることなく、有効な塩素濃度を得るのに必要な通電時間を確保できるようにしたことを特徴にしている。これにより、電極40A、40Bへの通電時間を全国それぞれの水質に応じて任意に設定可能となる。これに対して、販売水の販売動作開始に伴い供給管路と等しい流速で電解槽を通過する供給水を電気分解するタイプのものは供給水と電極との接触時間(供給水への通電時間)が短すぎるために、実用化されている飲料ディスペンサの販売時間(ユーザの待ち時間)長では水質に関係なく有効な塩素濃度を確保できない不具合がある。
【0019】
かかる通電時間は、飲料ディスペンサをロケーションに設置したときに、そこで使用されている水質に応じて決められる。そのロケーションの水質は、飲料ディスペンサを設置した段階で任意の通電時間(測定通電時間Tm)で電気分解動作を行わせ、その通電時間で得られた塩素濃度を測定することにより得られた測定塩素濃度Cmで把握できるが、実稼動で設定すべき最適な通電時間(Ts)は、この測定塩素濃度Cmと実稼動で設定すべき塩素濃度(設定塩素濃度Cs)との比例関係による以下の数式から導き出される。
【数1】
具体的には、800mAの定電流を電極40A、40Bに通電するとして、飲料ディスペンサを設置した段階で5秒間(測定通電時間Tm)の電気分解動作を行わせて、その時間で得られた塩素濃度(測定塩素濃度Cm)が0.5ppmであったとすれば、実際の電気分解動作で0.7ppmの塩素濃度を得たいとき通電時間として7秒が必要であることが導き出され、また0.5ppmの塩素濃度を得たいとき通電時間として5秒が必要であることが導き出される。この電流値800mAは塩素発生器の設計上で決まる電極のサイズに応じて任意に選定されたもので、設計の段階で電極の消耗を考慮した適当な他の電流値でもよい。図3の実施例に示す電極40A、40Bのサイズで800mAの電流を通電すると電流密度の値は約1.85A/dm2となるが、電流密度が2.00A/dm2越えると電極に負担がかかるために、このことを考慮して電流値を選ぶのが好ましい。
【0020】
図4は、本発明の第1の実施の形態における飲料ディスペンサの制御ブロックを示し、電極40A,40Bに直流電圧を印加する電源回路18と、電源回路18のON/OFF時間を設定するとともに給水終了時からの時間を計測するタイマー19と、販売スイッチ部20Aが操作されて給水指令が入力すると給水信号を発生する給水信号発生部20と、地震等の天災時、あるいは断水時等の異常時に通電停止信号を発生する異常検出部21と、通電時間を計時して累積時間を記憶する通電時間レジスタ22と、電源回路18,給水電磁弁6、供給ポンプ8、ガス抜き弁4B、電磁弁14、および取水弁1Cを制御する制御部23を有する。
【0021】
図5は、塩素発生器4の通電動作を示すタイミングチャートであり、このタイミングチャートに基づいて飲料供給装置の動作を説明する。
【0022】
時刻t1において、給水指令P1に基づく給水信号が給水信号発生部20から制御部23に入力すると、取水弁1C、給水電磁弁6、および電磁弁14がONになるとともに供給ポンプ8が駆動され、水道蛇口1Bに接続された取水管1から水フィルタ2に水道水が供給されてろ過される。水道水の供給時間は5秒であり、供給量は150mlである。ろ過された供給水は水道水圧に基づいて供給管路3、5を介して塩素発生器4に供給される。供給管路5の供給水の流速は3.78m/secである。また、電源回路18は制御部23から駆動信号S1を入力すると電極40A、40Bに7秒間通電する。電気分解槽40は前述したように、1256mm2の断面積を有するので、供給管路5の断面積12.56mm2との比により電気分解層40における供給水の流速は、
3.78×(12.56/1256)=0.0378m/sec
となる。
【0023】
例えば、電流密度1.85A/dm2の条件下で、800mAを電極40A、40Bに供給した場合、関東地区の塩素イオン濃度25ppm、導電率250μs/cmの水道水に対し7秒間通電することで、また大阪地区の塩素イオン濃度45ppm、導電率300μs/cmの水道水に対し4秒間通電することで、それぞれ0.7ppmの活性塩素を含有した販売水が生成される。ここでは関東、大阪地区を例にして説明しているが、全国の水質は塩素イオン濃度で5〜50ppm、導電率で50〜500μs/cmの範囲に全国の水質の90%が該当すると言われ、これらの範囲についても適応可能である。このように電気分解槽40において3.78m/secの流速の供給水を0.0378m/secに減速して5秒間の電気分解を行い、続いて電気分解槽40に貯留された供給水に2秒間の電気分解を行うので、電極を大にしなくとも、また、塩素含有水の供給時間長を5秒に維持してユーザの待ち時間の冗長化を抑えながら全国の水質に応じた電気分解を行って一定の塩素濃度を得ることができる。
【0024】
電極40A、40Bへの通電により、塩素発生器4では水道水に浸漬された正極側の電極40Aで塩素イオンCl-が電子を放出して活性塩素Cl2が発生し、水道水に溶解することによって有効塩素濃度0.7ppmの活性塩素を含有した販売水が生成される。塩素の水100g(水温10℃)に対する溶解度は0.9972gであるため、発生した活性塩素のその殆どが販売水に溶解して、販売水は殺菌性を有することになる。この電気分解において、電気分解槽40として供給水の流速が減じない構成のものを採用したときは、同じ濃度の塩素含有水を供給するためには、供給管路5,7等の供給水の流速を電気分解に適した流速、例えば、0.0378m/secに設定しなければならない。そうなると、塩素含有水の供給時間(ユーザの待ち時間)長は、
5×(3.78/0.0378)=500sec(8.3分)
となり、ユーザにとって耐えることのできない冗長な待ち時間となる。この結果、電気分解槽40で供給水の流速を減じない飲料ディスペンサは実用化できない。
【0025】
一方、電気分解を行うと活性塩素以外に正極の電極40Aには酸素ガスが発生し、負極側の電極40Bには水素ガスが発生するが、これらの電気分解ガスは大分が飲料水に溶解しないで微量の水蒸気を含みながら塩素発生器4内に貯まることになる。そして、何回かの電気分解によりこの残留ガス量が増大し、ガス圧が高くなって電気分解槽40内の液面を押し下げると、電極40A、40Bと貯留水との接触面積が小となることから電流密度が大きくなり2.00A/dm2を越えて、電極への負担が増大する不具合がある。
【0026】
そこで、この実施の形態による飲料ディスペンサは、電極40A、40Bの通電時間の累計を通電時間レジスタ22に記憶しておき、累計時間が所定値に達すると制御部23はガス抜き弁4Bを開放するよう制御する。そして、ガス抜き弁4Bが開くと、残留ガスはガス抜き管4Aを介して冷却水槽10Bに貯水された冷却水10A中に放出される。例えば、累計時間が150秒になると、制御部23はガス抜き信号Pnを出力する。制御部23は、ガス抜き信号の入力に基づいてガス抜き弁4Bを開くことで、この間の電気分解によって発生した酸素ガスおよび水素ガス等の電気分解ガスをガス抜き管4Aを介して冷却水槽10Bの冷却水10A中に排出する。そして、制御部23はガス抜き後、ガス抜き弁4Bを閉止するよう制御すると共に、通電時間レジスタ22における累計時間の記憶をクリアする。ガス抜き弁4Bは通電累積時間に関係なく、1日1回5秒間開放するようにしても良い。このガス抜きの際、一次的に液回路内に空中浮遊菌が販売水に混入する恐れがあるが、たとえ空中浮遊菌が混入した場合でも密閉容器内の活性塩素が混入した空中浮遊菌に対して作用し殺菌もしくは制菌が行われる。
【0027】
このように殺菌に充分な量の活性塩素を含有した販売水は、供給管路7、供給ポンプ8、および供給管路9を介して冷却コイル10に供給され、冷却コイル10を通過する際に冷却される。冷却コイル10で冷却された販売水は、供給管路11、フローレギュレータ12、供給管路13、電磁弁14、および供給管路15を介してバルブ17からカップ16に注がれる。
【0028】
タイマー19は、販売水の給水終了時t1'より時間の計時を開始し、計時中の時刻t2において新たに給水指令P2があると、計時動作を中止して計時データをリセットする。この給水指令に基づいて制御部23は電源回路18に駆動信号S2を出力し、このことによって電極40A、40Bが7秒間通電されて供給水の電気分解が行われる。一方、タイマー19は給水終了時t2'から所定の時間、例えば、4時間給水指令がない場合、時刻tnにおいて制御部23にタイムアップ信号を出力する。制御部23は、タイマー19からタイムアップ信号を入力すると電源回路18に駆動信号Snを出力し、このことによって電極40A、40Bが7秒間通電されて電気分解槽40に貯留されている供給水の電気分解が行われる。
【0029】
図6(a)は、図1に示す飲料ディスペンサにおける各部の残留塩素濃度の変化を示し、1回の給水量150ml、給水時の電極通電時間7秒、電流値800mA、給水間隔を4杯/分、販売流量30ml/秒、電極の電流密度を2A/dm2以下として販売水を20杯販売し、20杯目に採取された販売水の残留塩素濃度を初期値として、先の販売動作から塩素発生器4の電極40A、40Bに通電しないで放置した後、電極への通電なしで100mlの販売水を6杯採取し、H0時間後(採取直後)、H1時間後、H2時間後、H3時間後、およびH4時間後の残留塩素濃度を測定した。H4時間は連休明けを想定した場合(例えば、67時間)である。残留塩素濃度の測定はDPD法による比色法で行った。初期値である20杯販売後の販売水では採取直後で約0.4ppmの残留塩素濃度が測定されており、連休明けのH4時間後でも経時変化は小であった。
【0030】
先の販売動作後に採取された6杯の飲料水は、1杯目がバルブ17から冷却コイル10の出口部分にかけて滞留していた販売水であり、2杯目および3杯目が冷却コイル10内に滞留していた販売水であり、4杯目が冷却コイル10内の入口部分から供給ポンプ8にかけて滞留していた販売水であり、5杯目が供給ポンプ8から塩素発生器4(容器内滞留分を含む)にかけて滞留していた販売水であり、6杯目が塩素発生器4内に滞留していた販売水と考えることができる。従って、この飲料ディスペンサによると、塩素発生器の後段から供給バルブにかけての接続管路に電気分解後の販売水が保持されているために販売水の供給間隔が空いても次回の販売時には細菌に汚染されていない販売水を供給することができる。
【0031】
2杯目および3杯目の販売水(冷却コイル10内滞留分)は、冷却によって残留塩素濃度の経時変化が小であり、67時間後にもバルブ17の出口で所定値(0.2ppm)もしくはそれに近い活性塩素を有している。よって、冷却コイル内の滞留水は67時間後であっても塩素濃度が確保される。
【0032】
図6(b)は、時刻tnの塩素発生器4の駆動による塩素発生に基づく各部分の塩素濃度を示す。このデータによると、販売水が滞留しているときに塩素発生器4を駆動しても、ある一定量(例えば、152ml)貯留している塩素発生器4と塩素発生器4を出て冷却コイル10との間に1.3杯分の販売水が滞留しているため、冷却コイル10の販売水の塩素濃度はほとんど影響を受けない。
【0033】
上記した飲料ディスペンサによると、給水指令に基づいてカップに販売水が供給される度に販売された飲料水の水量(約150ml)に応じた水量の供給水が水道水圧に基づいて塩素発生器4に減速されながら供給される。これによって、塩素発生器4内ではカップ1杯分の定量の供給水が電気分解される。この供給水の電気分解時に発生する酸素ガスおよび水素ガス等の電気分解ガスは、電磁式のガス抜き弁4Bの開放に基づいてガス抜き管4Aを介して冷却水槽10Bの冷却水10A中に排出されることから、塩素発生器4の内圧上昇を防ぐとともに、酸素ガスおよび水素ガス等の電気分解ガスとともに塩素発生器4から排出される気液混合体を的確に処理することができる。その結果、塩素発生器4に設けられる電極40A、40Bへの通電時間を記憶する通電時間レジスタ22を設けることにより塩素発生器4内の水位はガス抜きのタイミングを図るための水位センサ等がなくても一定に維持される。これによって電気分解効率が向上し、また、塩素濃度を容易に所定量に制御することができる。
【0034】
本実施の形態では、販売水の販売開始と同時に塩素発生器4の電極40A、40Bへ通電しているが、例えば、給水指令があった際に電極40A、40Bへの通電を先行し、その1秒後に供給ポンプ8を駆動して販売水を販売しても良い。
【0035】
飲料ディスペンサによっては、例えばS(150ml),M(200ml),L(300ml)等の各カップサイズの選択ボタン有して、何れかの選択ボタンが操作されることで、販売する飲料の量を選ぶことができるものがある。このような飲料ディスペンサでは、かかる選択ボタンを販売スイッチ部20Aに設けて、制御部23は販売スイッチ部20AからSまたはMあるいはLを示す給水指令P1が入力したとき、選択されたカップサイズに応じた飲料の販売量を制御すると同時に、その販売量に応じて通電時間を変化させている。例えば、上述した通電時間7秒がSサイズの販売時の通電時間とした場合、MまたはLサイズの販売量が選択された場合には、制御部23はSサイズの通電時間に基づいてMまたはLサイズの販売時の通電時間を演算して通電を制御する。
【0036】
また、飲料ディスペンサによっては、販売飲料の連続販売を実行させる連続販売ボタンを備えたものがあり、このボタンが継続して操作されるとその間は連続販売を行うものである。この場合、制御部23は連続販売ボタンの操作期間中は、電極への800mAの電流の連続通電、または断続的な通電を制御する。連続販売では定まった通電時間が無く、Sサイズの販売時に通電時間が7秒であることを基にして、連続販売ボタンの操作期間中に応じて、電極に連続的または断続的に電流を供給することで所定の塩素濃度を確保するための通電時間を確保する。
【0037】
塩素発生器4に使用する材質、また、供給管路に滞留する販売水の塩素濃度の低下を防ぐため、ポリエチレンチューブ等に代えて活性塩素と反応しにくい水酸基や水素基が少ない樹脂材料、また両方かあるいはいずれか一方を含まない樹脂材料を素材とするもの、例えば、フッ素樹脂チューブを用いることができる。これにより、販売水中の活性塩素の自己分解作用が抑制されて塩素濃度の低下を防止し、味、臭いを向上させることができる。また、雑菌等の付着を防止して供給管路を長期にわたって衛生的に維持することができる。
【0038】
冷却コイルで冷却することによって活性塩素の消失時間が遅延されることを上述したが、更に説明すれば供給水の温度をセンサ等によって検出して通電時間を変更することが好ましい。
【0039】
図7(a)は、電気分解後の販売水の水温を25℃および1℃に保持した状態での活性塩素量の経時変化を示し、水温25℃では時間の経過に伴って販売水に含まれる活性塩素の量が著しく低下しているが、水温1℃では時間の経過に伴う活性塩素の減少量が低減しており、活性塩素の不活性化が抑制されている。
【0040】
図7(b)は、塩素発生器4内の供給水の活性塩素発生効率と水温の関係を示し、水温が小であるほど活性塩素発生効率が大になる。このことから水温が小であれば通電時間を小にすることが可能になる。
【0041】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る飲料供給装置としての飲料ディスペンサを示し、冷却水45Aを貯水する冷却水槽45と、冷却水45Aに浸漬された塩素発生器4と、塩素発生器4に供給された供給水としての水道水の水温を検出する水道水温検出センサ46と、冷却水45Aの水温を検出する冷却水温検出センサ45Bを有する。冷却水45Aは、図示しない冷却器によって所定の温度に冷却されている。その他の構成については、図1に示す第1の実施の形態の飲料ディスペンサと同一である。
【0042】
図9(a)は、第2の実施の形態に係る塩素発生器4を示し、電気分解槽40の内部に水道水温検出センサ46を有し、水道水の水温に応じた検出信号を水道水温検出部に出力する。また、冷却水温検出センサ45B(図示せず)は、冷却水の水温に応じた検出信号を冷却水温検出部に出力する。その他の構成については図3(a)に示す構成と同一である。
【0043】
図9(b)は、図9(a)のA−A部における断面を示し、電気分解槽40の内部にはチタンに白金系のコーティング合金によって形成された一対の電極40A、40Bを有する。電極40A、40Bは幅wが36mm、電極間隔gが3mmで形成されて、その表と裏の電極面の両面で電気分解槽40の貯留水と接触するよう、即ち、貯留水中に浸漬された状態となるように電気分解槽40内に設けられている。同図においては電極40Aを正極、電極40Bを負極として電源装置としての定電流装置(図示せず)に接続される。電極40A、40Bは所定の通電時間間隔によって正極および負極を変えて使用される。また、水道水温検出センサ46は電極40A、40Bと干渉しない位置に配置される。
【0044】
図10は、本発明の第2の実施の形態における飲料ディスペンサの制御ブロックを示し、水道水温検出センサ46から出力される検出信号に基づいて水道水の水温を検出する水道水温検出部24と、冷却水温検出センサ45Bから出力される検出信号に基づいて冷却水の水温を検出する冷却水温検出部25を有する。その他の電源回路18、タイマー19、給水信号発生部20、異常検出部21、通電時間レジスタ22、および制御部23の構成および機能については第1の実施の形態と同一である。
【0045】
制御部23は、水道水温検出部24から入力する水道水の温度と、冷却水温検出部25から入力する冷却水の温度差に基づき通電を制御する。具体的には、先に述べたSサイズ(150ml)に基づいて説明すると、温度差が大になると通電時間が7秒より大になり、温度差が小になると通電時間が7秒より小になるという制御を行う。このことによって一定の塩素濃度を確保することができる。
【0046】
上記した飲料ディスペンサによると、塩素発生器4を冷却した場合、供給水としての水道水の電気分解に基づく活性塩素の発生効率が向上し、冷却コイル等により販売飲料を冷却した場合、活性塩素を含む販売水を低温に保持することによって活性塩素の不活性化が抑制される。温度変化に対する塩素発生器4への通電を水道水と冷却水の温度差に基づいて制御することで塩素濃度の変動が抑制される。その結果、活性塩素による販売水の殺菌力が長時間にわたって維持される。
【0047】
また、販売水と混合されるシロップ類をBIB(Bag In Box)によって供給する構成では、BIBの収容部に塩素発生器4を設け、BIBとともに塩素発生器4を冷却する構成としても良い。
【0048】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る飲料供給装置としての飲料ディスペンサを示し、図示しない都市水道から供給される供給水としての水道水を加圧供給するための加圧ポンプ26と、冷却水27を収容した水槽28と、水槽28内の冷却水27を冷却する冷却ユニット29を有する。
【0049】
冷却ユニット29は、冷媒を圧縮する圧縮器29Bと、圧縮器29Bによって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器29Cと、凝縮器29Cに冷却風を供給する後述する凝縮器ファンモ−タと、凝縮器29Cによって凝縮された冷媒を蒸発させ、この蒸発に際に周囲を冷却する銅パイプ製の蒸発管29Aを有する。
【0050】
水槽28は、販売水と炭酸ガスを混合して炭酸水を生成するカーボネータ(図示せず)と、撹拌プロペラ30Aにより冷却水27を撹拌する撹拌モータ30と、撹拌モータ30に取り付けられた循環ポンプ31と、炭酸水を通過させる炭酸水コイル、および販売水を通過させる販売水コイルからなるコイルユニット32と、冷却ユニット29を構成する蒸発管29Aと、蒸発管29Aの周囲に形成される氷を一対の導線間の抵抗値変化に基づいて氷検出信号を出力するIBC(Ice Bank Control)センサ33と、水槽28内の冷却水27の温度を検出する水槽温度センサ34が設けられている。循環ポンプ31と冷却器35の冷水管路35Aの入口とを冷水管36Aで接続し、冷却器35の冷水管路35Aの出口に水槽28に戻る冷水管36Bを接続している。循環ポンプ31によって水槽28内の冷却水27を冷水管36Aを介して保冷庫37側へ圧送し、冷却器35の冷水管路35A内を循環させることで保冷庫37内のBIB37Aを保冷している。この保冷庫37内に塩素発生器4が収容されており、取水管1からバルブ17に接続される供給管路15にかけての供給管路の略全域が収容されている。
【0051】
上記した飲料ディスペンサでは、取水管1からバルブ17に接続される供給管路15にかけての供給管路の略全域を保冷庫37内で冷却することによって、塩素発生器4での供給水の電気分解効率が向上するとともに、保冷庫5内の供給管路全域で販売水中に含まれる活性塩素の不活性化を抑制する。このことによって、塩素発生器4の下流に供給された販売水がバルブ17に至る供給管路に長時間停滞した場合でも供給管路内の塩素濃度を0.2ppm以上に維持することができ、販売水を殺菌するとともに供給管路の内壁の細菌による汚染、あるいは、細菌が付着して繁殖することを防止し、かつ、長時間にわたって給水指令がない場合の塩素発生器4の駆動インターバルを大にして活性塩素を効率良く発生させることができる。
【0052】
また、上記した保冷庫に代えて、水槽28に貯留される冷却水27中に供給管路の略全域を浸漬し、冷却水27を冷却器35で冷却する構成としても良い。この場合には、冷却コイル10を浸漬する冷却水槽10Bを省略することができる。
【0053】
上記した第1、第2、および第3の実施の形態では、飲料供給装置として飲料ディスペンサを対象として説明したが、飲料ディスペンサの他に、販売水を送水する水回路を有する冷水器、あるいは自動販売機に設けることもできる。また水源として水道水に限定されず。例えば、カセットタンクに入れた塩素イオン分を含む飲料水であっても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の塩素イオンを含む水の電気分解装置によると、
a)塩素イオンを含む未処理水を受ける流入管および電気分解された水を排出する流出管を有した容器であってその断面積が前記流入管および流出管の断面積より大であり、前記容器の中での流速を前記流入管および流出管の流速より小にする大気遮蔽された容器と、b)電源と、
c)前記容器の内部に設けられて前記電源から電力を受けるために電気的に前記電源に接続される一対の電極と、
d)前記容器に流体的に接続されて通過する水の流れを制御するための弁と、
e)前記電源と前記弁に電気的に接続された制御部であって、前記弁を開いて前記流入管へ前記未処理水を流入させ、前記流出管から販売先の方向に電気分解された水を流出させるとき、前記容器の内部で流速の小なる水の電気分解を行う前記一対の電極に前記電源から電力を供給する制御部と、
f)前記容器からガスを抜くためのガス抜き弁と、前記ガス抜き弁の開閉を制御するガス抜き制御部を含むようにしたため、電極の大型化と消耗を抑えながら適切な待ち時間(例えば、5秒)で塩素含有水を供給することができる。
また、本発明の飲料供給装置によると、フレーバの供給部と、前記塩素発生装置から供給される塩素含有水と前記フレーバの供給部から供給されるフレーバとを受けて混合する混合器と、混合によって得られる飲料を販売するノズルを有し、塩素イオンを含む水の電気分解装置を含むようにしたため、電気分解を行う容器において水の流速が低下するので、上記した塩素イオンを含む水の電気分解装置と同じ効果を得ることができる。
また、本発明の塩素イオンを含む水の電気分解方法によると、
a)塩素を含有した未処理水の水流を大気遮断された容器の流入管に供給し、
b)前記容器内で前記未処理水を電気分解して塩素含有水を発生させ、
c)前記塩素含有水を前記容器の流出管から排出し、前記未処理水の供給および前記塩素含有水の排出を第1および第2の流速で行い、前記第1および第2の流速より低い電気分解にとって無視できる第3の流速で前記容器内で前記未処理水の電気分解を行い、前記容器の前記流出管に接続され、かつ、温度管理されたタンクに入れられた水に浸漬されている温度修正チューブで前記塩素含有水の温度修正を行い、前記タンク内の水面より下に一端が配置される配管を介して前記容器から前記未処理水の電気分解時に発生するガスを前記タンクに入れられた水中に導くようにしたため、空中浮遊菌が侵入せず、また容器で貯留した水に対して電気分解を行うために水質の状態に係わらず飲料水の塩素濃度を一定濃度にした塩素含有水を容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における飲料供給装置としての飲料ディスペンサを示す説明図
【図2】図1に示す飲料ディスペンサの各部の飲料水の容量を示す説明図
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態における塩素発生器の側面図
(b)は、(a)のA−A部における断面図
【図4】本発明の第1の実施の形態における飲料ディスペンサの制御ブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態における飲料ディスペンサの塩素発生器の通電動作を示すタイミングチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態における各部の残留塩素濃度の変化を示す説明図
【図7】(a)は、販売水に含まれる活性塩素量の経時変化を示す説明図
(b)は、販売水の活性塩素発生効率と水温の関係を示す説明図
【図8】本発明の第2の実施の形態における飲料供給装置としての飲料ディスペンサを示す説明図
【図9】(a)は、本発明の第2の実施の形態における塩素発生器の側面図
(b)は、(a)のA−A部における断面図
【図10】本発明の第2の実施の形態における飲料ディスペンサの制御ブロック図
【図11】本発明の第3の実施の形態における飲料供給装置としての飲料ディスペンサを示す説明図
【符号の説明】
1 取水管
1A 水道管
1B 水道蛇口
1C 取水弁
2 水フィルタ
2A 逆止弁
3 供給管路
4 塩素発生器
4A ガス抜き管
4B ガス抜き弁
5 供給管路
6 給水電磁弁
7 供給管路
8 供給ポンプ
9 供給管路
10 冷却コイル
10A 冷却水
10B 冷却水槽
11 供給管路
12 フローレギュレータ
13 供給管路
14 電磁弁
15 供給管路
16 カップ
17 バルブ
18 電源回路
19 タイマー
20 給水信号発生部
20A 販売スイッチ部
21 異常検出部
22 通電時間レジスタ
23 制御部
24 水道水温検出部
25 冷却水温検出部
26 加圧ポンプ
27 冷却水
28 水槽
29 冷却ユニット
29A 蒸発管
29B 圧縮器
29C 凝縮器
30 撹拌モータ
30A 撹拌プロペラ
31 循環ポンプ
32 コイルユニット
33 IBCセンサ
34 水槽温度センサ
35 冷却器
35A 冷水管路
36A 冷水管
36B 冷水管
37 保冷庫
38 ドリップトレイ
38A オーバーフロー水用配管
40 電気分解槽
40A 電極
40B 電極
41A 蓋部材
41B 蓋部材
41a 接続部
41b 接続部
41c 接続部
42 ナット
43 ボルト
44 逆止弁
44A 弁体
44B スプリング
45 冷却水槽
45A 冷却水
45B 冷却水温検出センサ
46 水道水温検出センサ
Claims (29)
- a)塩素イオンを含む未処理水を受ける流入管および電気分解された水を排出する流出管を有した容器であってその断面積が前記流入管および流出管の断面積より大であり、前記容器の中での流速を前記流入管および流出管の流速より小にする大気遮蔽された容器と、
b)電源と、
c)前記容器の内部に設けられて前記電源から電力を受けるために電気的に前記電源に接続される一対の電極と、
d)前記容器に流体的に接続されて通過する水の流れを制御するための弁と、
e)前記電源と前記弁に電気的に接続された制御部であって、前記弁を開いて前記流入管へ前記未処理水を流入させ、前記流出管から販売先の方向に電気分解された水を流出させるとき、前記容器の内部で流速の小なる水の電気分解を行う前記一対の電極に前記電源から電力を供給する制御部と、
f)前記容器からガスを抜くためのガス抜き弁と、前記ガス抜き弁の開閉を制御するガス抜き制御部を含むことを特徴とする塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記制御部は、前記電源から前記未処理水の水質に応じた電力を前記一対の電極に供給して電気分解を行う構成の請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記ガス抜き弁は、前記容器内のガス圧をプラスに維持する請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記ガス抜き弁に流体的に接続されるガス抜き管を有する請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記ガス抜き制御部に接続されるタイマを有し、
前記タイマは前記ガス抜き弁が最後に開かれてからの経過時間を記録して予め定められた最大経過時間になったときに前記ガス抜き制御部にタイマ信号を出力する請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 電気分解の時間を累積するために前記制御部に接続されるON時間レジスタを有し、
累積された電気分解時間が予め定められた値になったとき前記ガス抜き制御部にレジスタ信号を出力する請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記ガス抜き制御部に出力される前記信号は前記ガス抜き弁を開く信号を含む請求項6記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 電気分解された水の温度を調節する温度修正チューブを有し、
前記温度修正チューブは前記容器の流出管に流体的に接続される流入管を有し、
前記温度修正チューブは温度管理されたタンクに入れられた水に浸漬されており、ガスを受けるための前記ガス抜き弁に流体的に接続されたガス配管を有する請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記一対の電極は前記容器の水全体に充分に曝される請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記制御部は、電気分解の持続時間を決定するために電源をONおよびOFFする請求項1記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記電極の上流に流体的に接続されたインライン型水フィルタを有する請求項9記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 電気分解された水の温度を調節する温度修正チューブを有し、
前記温度修正チューブは前記容器の流出管に流体的に接続される流入管を有し、
前記温度修正チューブは温度管理されたタンクに入れられた水に浸漬されている請求項10記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記未処理水の温度センサと、前記タンクの温度センサを有し、
2つの前記温度センサは前記制御部に電気的に接続されており、
前記制御部は前記2つの温度センサによって検出された温度差に関係する持続時間で前記電極に電力を供給して電気分解を実行するように適合される請求項12記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記電気分解の持続時間は前記温度差と逆の関係にある請求項13記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記タンクの水を冷却する冷却装置を有し、
前記タンクは冷却された水によって満たされて前記温度修正チューブは冷却されている請求項12記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - 前記容器は十分な量の実質的に静止した水を多く貯える請求項9記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記水フィルタが大気遮断された容器の内部に配置される請求項11記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。
- 前記電源に電気的に接続されたタイマを有し、
前記タイマは販売間隔が一定時間を超えたとき前記電極に通電するように前記制御部にタイマ信号を出力する請求項10記載の塩素イオンを含む水の電気分解装置。 - フレーバの供給部と、
前記塩素発生装置から供給される塩素含有水と前記フレーバの供給部から供給されるフレーバとを受けて混合する混合器と、
混合によって得られる飲料を販売するノズルを有する請求項10の電気分解装置を含むことを特徴とする飲料供給装置。 - 炭酸ガス供給部を有し、炭酸ガスは前記炭酸ガス供給部から供給される請求項19記載の飲料供給装置。
- 少なくとも1つの販売量に設定されて飲料を販売するように適合された請求項19記載の飲料供給装置。
- 前記容器の容量が設定された販売量に等しい十分な容量である請求項21記載の飲料供給装置。
- 前記容器の容量が前記販売量の最大量に等しい十分な容量である請求項22記載の飲料供給装置。
- a)塩素を含有した未処理水の水流を大気遮断された容器の流入管に供給し、
b)前記容器内で前記未処理水を電気分解して塩素含有水を発生させ、
c)前記塩素含有水を前記容器の流出管から排出し、
前記未処理水の供給および前記塩素含有水の排出を第1および第2の流速で行い、前記第1および第2の流速より低い電気分解にとって無視できる第3の流速で前記容器内で前記未処理水の電気分解を行い、前記容器の前記流出管に接続され、かつ、温度管理されたタンクに入れられた水に浸漬されている温度修正チューブで前記塩素含有水の温度修正を行い、前記タンク内の水面より下に一端が配置される配管を介して前記容器から前記未処理水の電気分解時に発生するガスを前記タンクに入れられた水中に導くことを特徴とする塩素イオンを含む水の電気分解方法。 - ガス抜き弁を介して前記容器から前記ガスを抜く請求項24記載の塩素イオンを含む水の電気分解方法。
- 前記電極の上流に流体的に接続されたインライン型水フィルタで前記未処理水をろ過する請求項24記載の塩素イオンを含む水の電気分解方法。
- 前記電極に供給される電力の持続時間を制御する請求項24記載の塩素イオンを含む水の電気分解方法。
- 飲料を形成するフレーバおよび炭酸ガスとともに前記温度修正チューブからの処理された水を混合して飲料として販売する請求項24記載の塩素イオンを含む水の電気分解方法。
- 前記大気遮断された容器の容量より多くない量の前記飲料が販売される請求項28記載の塩素イオンを含む水の電気分解方法。
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