JP3957341B2 - 複合半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱板上に半田固着される絶縁基板表面に形成された導体パターンに、半導体チップ等の回路部品が搭載される複合半導体装置に関し、特に導体パターンの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の複合半導体装置として、概略以下のように構成されたものがある。
即ち、放熱板の上に絶縁基板を半田固着し、該絶縁基板の上面には半導体チップ、回路を構成する電子部品、これらを接続する端子等の回路部品が搭載・固着されている。また、放熱板の外周には絶縁ケースが固着され、該放熱板上に搭載された絶縁基板、半導体チップ、電子部品、端子等の回路部品が樹脂の充填によって封止された構造となっている。
上記のような複合半導体装置における構成部品の1つである絶縁基板のみを取り出して模式的に示したのが図3及び図4であり、図3はその平面図、図4は図3におけるB−B線に沿う断面図である。
【0003】
すなわち、これらの図において、絶縁基板1は窒化アルミニウム等の材料により形成され、その上面側には厚さ0.2〜0.3mm程度の導体パターン2が形成されている。この導体パターン2は銅板等の良導電材料から成り、該導体パターン2の各部の面積は、その部分に搭載される電子部品、例えば半導体チップ3の電流容量の大きさに対応して設計されている。すなわち、例えば、半導体チップ3の電流容量が大きければ、その専有面積も相対的に大きく形成されている。なお、上記絶縁基板1の下面側には、図示を省略した放熱板に半田固着するための金属層4が0.2〜0.3mm程度の厚さで形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の絶縁基板1上に形成される導体パターン2は、その板厚を厚くすることにより断面積を増加させ、搭載される電子部品の電流容量に対応させようとしても絶縁基板1自体に、運転時の熱等により機械的ストレスを加えることになるので、必要とする板厚とすることが困難であった。この機械的ストレスによって、導体パターン2の外周部が剥がれ易くなる問題もあった。
一方、板厚は従来のままで、導体パターン2の幅を広くして断面積を大きくしようとすると、絶縁基板1全体の大きさが大きくなり、装置全体の小型化の要請や製造コスト低減の要請に応えられないという問題もあった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、絶縁基板自体に必要以上に機械的ストレスを加えず、導体パターンの幅を広くすることなく断面積を大きくして大電流を流すことができ、しかも小型化の要請や製造コスト低減の要請に十分応え得る複合半導体装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、放熱板に半田固着するための金属層を絶縁基板の裏面に形成し、半導体チップおよび端子を搭載するための導体パターンを絶縁基板の表面に形成した複合半導体装置において、
半導体チップを搭載するための半導体チップ用導体パターンの外周部の厚さが半導体チップ用導体パターンの中央部の厚さよりも薄くなり、かつ、端子を搭載するための端子用導体パターンの外周部の厚さと、端子用導体パターンの中央部の厚さとが等しくなるように、半導体チップ用導体パターンと端子用導体パターンとで外周部の断面形状を異ならせ、
半導体チップ用導体パターンの外周部の厚さと、端子用導体パターンの外周部および中央部の厚さとをほぼ等しくしたことを特徴とする複合半導体装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、前記絶縁基板を窒化アルミニウムによって形成したことを特徴とする請求項1に記載の複合半導体装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は本発明の複合半導体装置の構成部品の1つである絶縁基板の平面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う断面図である。これらの図において、絶縁基板1にはその表面に、従来と同様に導体パターン20が形成されるが、半導体チップ3等の電流容量の大きい電子部品を搭載する導体パターン21は、その外周部22がその中央部23よりも厚さが薄くなるように形成される。なお、絶縁基板1の裏面には、従来と同様に図示を省略した放熱板に半田固着するための金属層4が形成される。
【0008】
上記のように導体パターン21を形成した絶縁基板1を用いて、複合半導体装置を組み立てれば、導体パターン21の外周部22がその中央部23よりも厚さが薄く形成されているので、装置の運転時等に加わる熱等による機械的ストレスを小さくすることができ、外周部からの剥がれも防止できる。また、導体パターン自体の幅を広くすることなく断面積を大きくすることができ、大電流を流せる利点を生じる。さらに、絶縁基板1を大きくする必要がないので、小型化の要請及び製造コストの低減にも十分寄与することができる。
次に、本発明の実施例について、上記図2を参照して説明する。
【0009】
【実施例】
図2の絶縁基板1において、半導体チップ3等の電流容量の大きい電子部品を搭載する導体パターン21の各部の厚さを次のように設定した。端子等の通常の構成部品が搭載される導体パターン20の厚さを0.2〜0.3mmとし、半導体チップ3等の電流容量の大きい電子部品を搭載する導体パターン21の外周部22の厚さを0.2〜0.3mmに設定した。また、導体パターン21の中央部23の厚さを0.5mmに設定した。これにより外周部22の厚さは中央部23の厚さに比較して0.2〜0.3mm薄く形成されることになり、この絶縁基板1を用いて従来と同様に複合半導体装置を組み立てることにより上記のような効果が得られた。
【0010】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、絶縁基板の外周部の厚さを中央部の厚さよりも薄く形成するようにしたので、絶縁基板の機械的ストレスを小さくすることができ、かつ、導体パターンの外周部の剥がれも防止できる。また、当該絶縁基板に形成される導体パターンの幅を広くすることなく断面積を大きくすることができる。その結果、絶縁基板を大きさを特に大きくする必要がなく小型化の要請及び製造コストの低減の要請にも応えることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合半導体装置に使用される絶縁基板の平面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】従来の複合半導体装置に使用される絶縁基板の平面図である。
【図4】図3におけるB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
3 半導体チップ
4 金属層
21 導体パターン
22 外周部
23 中央部
Claims (2)
- 放熱板に半田固着するための金属層を絶縁基板の裏面に形成し、半導体チップおよび端子を搭載するための導体パターンを絶縁基板の表面に形成した複合半導体装置において、
半導体チップを搭載するための半導体チップ用導体パターンの外周部の厚さが半導体チップ用導体パターンの中央部の厚さよりも薄くなり、かつ、端子を搭載するための端子用導体パターンの外周部の厚さと、端子用導体パターンの中央部の厚さとが等しくなるように、半導体チップ用導体パターンと端子用導体パターンとで外周部の断面形状を異ならせ、
半導体チップ用導体パターンの外周部の厚さと、端子用導体パターンの外周部および中央部の厚さとをほぼ等しくしたことを特徴とする複合半導体装置。 - 前記絶縁基板を窒化アルミニウムによって形成したことを特徴とする請求項1に記載の複合半導体装置。
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JP11948796A JP3957341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 複合半導体装置 |
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JP11948796A JP3957341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 複合半導体装置 |
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JPH09283703A JPH09283703A (ja) | 1997-10-31 |
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JP11948796A Expired - Lifetime JP3957341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 複合半導体装置 |
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Families Citing this family (3)
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-
1996
- 1996-04-18 JP JP11948796A patent/JP3957341B2/ja not_active Expired - Lifetime
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