JP3957112B2 - 複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料と誘電体薄膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリー)などの誘電体メモリー、誘電体フィルターなどに用いられる複合酸化物系誘電体薄膜を有機金属化学蒸着法(MOCVD法、有機金属化合物を用いた化学蒸着法) により形成するための、2種以上の有機金属化合物を含有する溶液原料に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAMの集積度が急ピッチで増大するにつれて、キャパシタとして用いられる誘電体薄膜は、従来のSiO2では対応が難しくなりつつあり、より誘電率の高い複合酸化物系(2種以上の金属を含有する酸化物)の誘電体材料の使用が検討されている。かかる誘電体材料の例としては、チタン酸鉛 (PT) 、チタン酸ジルコン酸鉛 (PZT) 、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛 (PLZT) 、チタン酸ストロンチウム (ST) 、チタン酸バリウム (BT) 、チタン酸バリウムストロンチウム (BST) などが挙げられる。中でも、誘電特性の点からはBSTが最も優れている。
【0003】
このような複合酸化物系誘電体膜薄膜については、金属アルコキシド原料を用いてスピンコートで基板上に成膜するゾルゲル法がこれまで盛んに研究されてきた。ゾルゲル法は、金属成分を気化させないため、膜の組成制御は容易である。しかし、DRAMのキャパシタ用電極は段差があり、集積度が高くなるほど段差が大きく、かつ複雑になるので、スピンコート法では基板となる電極上に均一に誘電体薄膜を形成することが難しい。
【0004】
そのため、ここ数年は、デバイスの高集積化を見越して、段差被覆性(=ステップカバレッジ性、段差のある複雑形状の表面への付き回り性)に優れたMOCVD法による誘電体薄膜の作製の研究が活発化してきた。原料の有機金属化合物としては、ジピバロイルメタン(DPM)などのβ−ジケトン化合物を配位子とする有機金属錯体や金属アルコキシドが一般に使用される。Ti、Zr、Taなどの金属の原料にはアルコキシドとβ−ジケトン錯体の両方が使用され、SrやBaの原料としては主にβ−ジケトン錯体が使用される。
【0005】
MOCVD法は、金属原料を減圧下に加熱して気化させ、その蒸気を成膜室に輸送し、これを基板上で熱分解させ、生成した金属酸化物を基板上に付着させる方法である。上述したような複合酸化物系の薄膜の場合、原料の有機金属化合物を2種類以上使用する必要があり、化合物ごとに気化性が異なるので、成膜室への原料化合物の供給量の制御、即ち、膜組成の制御がMOCVD法では非常に重要となる。
【0006】
MOCVD法による誘電体薄膜の形成において、当初は、原料の有機金属化合物をそのまま加熱して気化させ、発生した蒸気を成膜室に送って成膜させていた。しかし、原料の有機金属化合物、特にMOCVD法に推奨されているDPM錯体は、安定性や気化性が悪く、使用中に気化性が低下したり、或いは気化性を高めるために加熱温度を上げると、原料化合物の蒸気が成膜室に達する前に熱分解することがある。そのため、原料を成膜室に安定して輸送することが困難であり、高価な原料が1回の成膜ごとに使い捨てになり、また膜の組成制御が困難で、良好な誘電特性を持つ薄膜を安定して成膜できないという問題があった。
【0007】
この点を解決するため、特開平6−158328号公報には、原料の有機金属化合物を全部一緒にテトラヒドロフラン (THF) に溶解させた溶液原料をMOCVD法に使用することが提案されている。この溶液を、液体原料供給法と呼ばれる方法に従って、液体状態のまま成膜室の前に配置した気化室に供給し、この気化室で気化した蒸気を成膜室に送って成膜を行う。溶液状態であると特にDPM錯体が安定であるため、原料を繰り返して使用することが可能になり、また気化のための加熱温度も下がるため、成膜室に達する前での熱分解を避けることができ、膜の組成制御性が向上すると説明されている。
【0008】
同様の液体原料供給法については、特開平5−132776号公報にも特定のBa錯体 (Ba1原子にジピバロイルメタン2分子およびエチレンジアン1分子が配位した錯体) をTHFに溶解した溶液をCVD原料として使用することが開示されている。特開平5−247650号公報には、金属アルコキシドをこれと共沸性の有機溶剤に溶解させた溶液をCVD原料として使用することが開示されている。共沸性溶剤としては、エタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール類、エチルエーテル、メチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、アセトン等のケトン類が挙げられ、特にエタノール、テトラヒドロフラン、メタノールが好適であると説明されている。
【0009】
また、平成6年に出願された特開平7−321039号公報には、その数年前より、CVD原料の固体化合物を有機溶媒に溶かし、その微量づつを加熱された気化器に送り込んで固体化合物と有機溶媒を同時に気化するフラッシュペーパー法 (液体原料供給法と同じ) が提案され、研究されていることが説明されている。
【0010】
さらに特表平7−503759号公報にも、CVD原料を共フラッシュ蒸発可能な溶媒に溶解させて供給することが提案され、かかる溶媒としてはエーテル類、アミン類、アルカノール (アルコール) 類が例示されている。具体的に使用されているのは、イソプロパノール (IPA) 、ならびにTHF/IPA/テトラグリムの8/2/1の混合溶媒である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らが検討した結果、原料の有機金属化合物をTHFに溶解した溶液原料を使用してMOCVD法により誘電体薄膜を成膜しても、なお組成制御がかなり困難であり、目的とする組成を持つ薄膜を容易に得ることができないことが判明した。
【0012】
例えば、Ti原料のチタンアルコキシド (例、チタンテトライソプロポキシド) やBa原料のビス (ジピバロイルメタナト) バリウム錯体[Ba(DPM)2]といった原料は、THF中では室温でTHFと反応して不揮発性の反応生成物を形成する傾向があるので、溶液中に存在する原料の一部しか気化せず、気化する原料の量が大幅に減少することが認められた。
【0013】
一方、Sr原料のビス (ジピバロイルメタナト) ストロンチウム錯体[Sr(DPM)2]は、THF中では室温で安定である。しかし、THF中ではこの極性溶媒が錯体に溶媒和するため、この錯体は[Sr(DPM)2Ln ](式中、Lは溶媒、即ち、THF、nは整数) の形態で存在し、これが気化することになる。しかし、気化時に固体原料の[Sr(DPM)2]と液体の Ln の蒸発温度が大きく異なるため、熱により Ln が途中で解離して、Sr原料の成膜室への送り込みがなされないという現象が起こり易い。また、THFは重合性があり、気化のために加熱すると開環重合を起こして、錯体が不安定になり易い。
【0014】
従って、THF溶液を使用すると、成膜室への原料蒸気の供給が不安定となり、溶液中の各金属原料の組成比とは全く異なる金属組成比を持つ複合酸化物が生成する可能性が大きい。そのため、膜組成の制御は著しく困難であり、所定組成の誘電体薄膜を安定して製造することは依然として実現できていない。なお、THFが主成分である上記のTHF/IPA/テトラグリムの8/2/1混合溶媒を使用した場合も結果はほぼ同様である。また、IPAといったアルカノール類を溶媒とした溶液原料もやはり組成制御が困難であった。
【0015】
本発明は、この点を解決することを課題とするものである。具体的には、所定組成の誘電体薄膜を確実に形成することが可能となるように、前述した原料有機金属化合物の熱分解や不揮発性化を生ずることなく、これらを安定して成膜室に供給することが可能な、膜組成の制御性に優れたMOCVD法による誘電体薄膜の製造に用いる溶液原料を提供することが本発明の課題である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、THFの代わりに、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、アセト酢酸エステルといった極性溶媒、或いは飽和炭化水素といった非極性溶媒と環式もしくは非環式ジエーテル、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ジオール、アセト酢酸エステルのような極性溶媒との混合溶媒、を使用すると、前述したTi原料やBa原料の不揮発性化や、Sr原料の解離が解消ないし著しく低減され、これらの原料の蒸気を成膜室に安定して供給することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0017】
ここに、本発明は、1種または2種以上の有機金属化合物原料を、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ならびにアセト酢酸エステルから選ばれた1種または2種以上の溶媒に溶解させた溶液からなる、MOCVD法による複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料である。
【0018】
別の側面からは、本発明は、1種または2種以上の有機金属化合物原料を、環式および非環式飽和炭化水素から選ばれた1種もしくは2種以上の溶媒と、環式もしくは非環式ジエーテル、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ジオール、アセト酢酸エステル、ならびに非置換もしくはアルキル置換ピリジンから選ばれた1種または2種以上の溶媒との混合溶媒に溶解させた溶液からなるMOCVD法による複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る溶液原料により形成することができる複合酸化物系の誘電体薄膜しては、チタン酸鉛 (PT) 、チタン酸ジルコン酸鉛 (PZT) 、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛 (PLZT) 、チタン酸ストロンチウム (ST) 、チタン酸バリウム (BT) 、チタン酸バリウムストロンチウム (BST) などの薄膜が例示されるが、これら以外にも可能である。特に好ましいのは、誘電特性に優れたBSTである。
【0020】
薄膜の原料となる有機金属化合物としては、上記薄膜の構成金属である、Pb、Ti、Zr、アルカリ土類金属 (例、Ca、Ba、Sr) から選ばれた金属を含有する有機化合物が使用される。その他、アルカリ金属 (例、Cs) 、Mn、Nb、Vなどの各種遷移金属、さらにはLaなどの希土類金属も使用される場合がある。BST薄膜の場合、Ti、Ba、およびSrの各有機金属化合物を原料として使用する。
【0021】
原料の有機金属化合物は、気化性があって、加熱により熱分解し、酸化剤 (例、酸素) を導入することで酸化物に容易に変化するものを使用する。かかる有機金属化合物は一般に、金属原子が酸素原子を介して有機基と結合した構造を持つ化合物である。この種の好ましい化合物の例としては、金属アルコキシド、金属β−ジケトナト錯体、および金属アルコキシド/β−ジケトナト錯体が挙げられる。
【0022】
β−ジケトナト錯体の例には、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメタン、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタンなどのβ−ジケトン類を配位子とする金属錯体がある。この中で好ましいのは、ジピバロイルメタン (DPM) との錯体である。金属アルコキシドとしては、アルコキシ基の炭素数が1〜6のものが好ましく、特に分岐アルコキシ基を有するもの (例、イソプロポキシド、tert−ブトキシドなど) が好ましい。特に好ましい有機金属化合物は、金属のジピバロイルメタナト錯体、金属イソプロポキシド、、金属tert−ブトキシド、金属イソプロポキシド/ジピバロイルメタナト錯体、金属tert−ブトキシド/ジピバロイルメタナト錯体である。
【0023】
アルカリ土類金属、アルカリ金属、Pbについては、β−ジケトナト錯体 (例、ジピバロイルメタナト錯体) の使用が好ましく、Ti、Zr、V、Nbなどの遷移金属については、一般にβ−ジケトナト錯体と金属アルコキシドのどちらも使用可能であり、金属アルコキシド/β−ジケトナト錯体を用いることもできる。
【0024】
BST薄膜の成膜原料としては、バリウムおよびストロンチウムのジピバロイルメタナト錯体と、イソプロポキシド、tert−ブトキシド、ジピバロイルメタナト錯体、イソプロポキシド/ジピバロイルメタナト錯体、およびtert−ブトキシド/ジピバロイルメタナト錯体から選ばれたチタン化合物を使用することが好ましい。
【0025】
本発明では、原料として使用する2種以上の有機金属化合物 (以下、原料化合物ともいう) を、それぞれ別々に1種類づつ有機溶媒に溶解させるか、或いは全部一緒に同じ有機溶媒に溶解させて使用する。3種類以上の原料化合物を使用する場合には、一部の原料を一緒に溶解させ、残りは単独で溶解させることも可能である。
【0026】
原料化合物を別々に溶解させる場合には、使用する有機溶媒は全部同じものでも、全部もしくは一部が異なるものでもよい。原料化合物を全部一緒に有機溶媒に溶解させる場合には、各原料化合物を成膜しようとする誘電体薄膜における金属の組成割合と実質的に同一の割合で有機溶媒に溶解させることが好ましい。本発明にかかる溶液原料では、溶液原料中の各原料化合物の金属組成比とほぼ同じ組成比を持つ複合金属酸化物からなる薄膜が成膜できるからである。即ち、溶液原料中の金属組成比とMOCVD法で形成された薄膜中の金属組成比とがほぼ一致するので、溶液の金属組成比により薄膜組成を容易かつ確実に制御することができる。
【0027】
有機溶媒としては、環式および非環式ジエーテル、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ジオール、ならびにアセト酢酸エステルよりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上を用いる。
【0028】
これらの溶媒はいずれも極性溶媒であり、有機金属錯体に対して溶媒和により錯体に配位することになる。しかし、これらの溶媒は、THFに比べて電子供与性が高く、有機金属化合物に対する溶解性が高いので、溶媒が配位した錯体の安定化をもたらす。
【0029】
また、THFは重合性があり、熱により開環重合が進むため、錯体が不安定化するが、本発明で使用する上記の有機溶媒はいずれも重合性がないか、低いので、重合による錯体の不安定化も起こらない。以上の理由から、THFに比べて原料の有機金属化合物を安定に成膜室に供給することができると考えられる。
【0030】
従って、本発明で用いるいずれの溶媒に溶解させた場合にも、THF溶液の場合より、原料の有機金属化合物の成膜室前での分解が抑制され、原料をその化学形態を保持したまま成膜室に安定に供給することができるので、膜の組成制御性が向上する。
【0031】
好ましい非環式ジエーテル(即ち、ジアルコキシアルカン)は、沸点を考慮すると、炭素数が3〜12のジメトキシ低級アルカンおよびジエトキシ低級アルカンであり、炭素数10以下のものがより好ましい。具体例としては、ジメトキシメタン、1,1 −ジメトキシエタン、 1,2−ジメトキシエタン、 1,1−ジエトキシエタン、 1,2−ジエトキシエタン、 3,4−ジメトキシ−2,2 −ジメチルブタン、 3,4−ジメトキシ−2,2 −ジエチルブタン、 2,3−ジメトキシ−1,1 −ジメチルプロパン、2,3 −ジメトキシ−1,1 −ジエチルプロパン、 1,2−ジメトキシヘキサン、 1,2−ジエトキシヘキサン、 1,2−ジメトキシブタン、 1,2−ジエトキシブタン、 1,2−ジメトキシプロパン、 1,2−ジエトキシプロパンなどが挙げられる。好ましい環式ジエーテルはジオキサンである。
【0032】
例えば、 1,1−ジメトキシエタンや 1,2−ジメトキシエタンは、沸点がTHF (沸点66℃) に近いのに対し、 1,1−ジエトキシエタンや 1,2−ジエトキシエタンはより高沸点で、沸点が固体原料 (有機金属化合物) の気化温度に近い。沸点が固体原料に近いもののほうがより好ましい。
【0033】
アルキル置換環式モノエーテルはモノもしくはジメチル置換テトラヒドロフランであるのが好ましい。特に好ましいアルキル置換環式モノエーテルは、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランおよび 2,5−ジメチルテトラヒドロフランである。
【0034】
モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテルは炭素数5〜12のものが好ましく、特にジイソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ならびにイソブチル低級アルキルエーテル、イソペンチル低級アルキルエーテルが好ましい。この低級アルキル基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のものが好ましい。
【0035】
アルコキシアルコールは炭素数が3〜12のものが好ましく、より好ましくは炭素数8以下のものである。具体例としては、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
【0036】
ジオールは炭素数2〜4のものが好ましく、特にプロピレングリコールが好ましい。
アセト酢酸エステルはアセト酢酸の低級アルキルエステルが好ましく、具体例としてはアセト酢酸メチルおよびアセト酢酸エチルが挙げられる。
【0037】
これらの溶媒は、1種類のみを単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。上記の溶媒のうち特に好ましいのは、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、 2,5−ジメチルテトラヒドロフランといったアルキル置換環式モノエーテル類である。中でも、2−メチルテトラヒドロフランが最も好ましい溶媒である。
【0038】
本発明の別の態様にあっては、非極性溶媒である環式もしくは非環式飽和炭化水素 (アルカンまたはシクロアルカン) の1種もしくは2種以上と、上記の極性溶媒の1種もしくは2種以上との混合溶媒を使用して、溶液原料を調製する。
【0039】
アルカンおよびシクロアルカンは、反応性が低く、共沸蒸気圧が高いので、例えば、Sr(DPM)2を溶解させた場合でも、溶媒が配位せずに、この化合物の状態のままで溶解させることができる。そのため、有機金属化合物を成膜室の前で熱分解させることなく、溶液を安定に気化させることができる。このような作用を持つ非極性溶媒 (アルカンまたはシクロアルカン) と極性溶媒との混合溶媒を使用すると、膜組成の制御性がさらに改善されることがある。
【0040】
アルカンおよびシクロアルカンは炭素数5〜8のものが好ましく、アルカンは直鎖でも分岐鎖のものでもよい。アルカンの具体例とては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソペンタン、イソオクタン等が挙げられる。特に好ましいアルカンは、n−ヘキサン、n−オクタン、およびイソオクタンである。好ましいシクロアルカンの例はシクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンである。
【0041】
この非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒を使用する場合には、極性溶媒としては、上記の溶媒以外に、非置換およびアルキル置換ピリジンも使用できる。ピリジンおよびアルキル置換ピリジン類は、単独で溶媒に使用した場合には有機金属化合物への配位性が大きいため、成膜時に共沸気化し、膜中に炭素として取り込まれ易いので、膜の組成制御性が低下するという問題がある。しかし、非極性溶媒であるアルカンとの混合溶媒とすることで、この問題が解消される。アルキル置換ピリジンの例としては、 2,5−ルチジンおよび 2,6−ルチジンがある。
【0042】
この混合溶媒の場合、混合割合に特に制限はないが、アルカンまたはシクロアルカン10〜90wt%と、極性溶媒90〜10wt%とすることが好ましく、より好ましくは前者が30〜70wt%、後者が70〜30wt%である。上記以外の溶媒も、溶媒全体の50wt%より少量、好ましくは30wt%より少量、さらに好ましくは10wt%より少量であれば、使用できるが、上記の1種もしくは2種以上のみからなる溶媒の方が好ましい。本発明において特に好ましい混合溶媒は、n−ヘキサンと 1,2−ジエトキシエタンまたは 2,5−もしくは 2,6−ルチジンとの混合溶媒である。
【0043】
上述した溶媒に、誘電体薄膜を構成する各金属元素を含有する2種以上の有機金属化合物を一緒に、または別々に溶解させて、MOCVD法による誘電体薄膜の形成に用いる溶液原料を作製する。この溶液原料を用いてMOCVD法により誘電体薄膜を基板 (もしくは他の基体) 上に形成する。MOCVD法それ自体は従来より公知の任意の方法で実施すればよい。
【0044】
本発明に係る溶液原料は、原料容器から直接気化させることもできるが、液体原料供給法 (即ち、各溶液を加熱された気化室に供給し、ここで各溶液原料を瞬時に気化させ、成膜室に送る方法) の方が好ましい。液体原料は、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスからなるキャリアーガスで圧送することにより気化室に供給することができ、その途中に設けた適当な液体流量制御装置により気化室への液体原料の供給量を制御すればよい。
【0045】
原料化合物を全部一緒に溶解させる場合には、原料有機金属化合物の配合割合は、MOCVD法により成膜した膜が所定の複合酸化物からなる膜組成となるような割合とする。この割合は、使用する化合物の種類、成膜条件等により変動するので、実験により決定すればよい。本発明では、溶液状態の各原料化合物の気化性が安定しており、成膜された薄膜の金属原子比は溶液中の金属原子比とほぼ一致するので、安定して所定組成の複合酸化物系誘電体薄膜を成膜することができ、膜の品質が安定する。溶液濃度は特に制限されないが、通常は複合酸化物に換算したモル濃度で0.01〜1Mの範囲内が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5 Mである。
【0046】
少なくとも1種類の原料化合物を別に溶解させた場合には、2種以上の溶液原料が得られる。これらの溶液を上記の液体原料供給法により気化室に供給する場合、まず気化室の前に配置した混合室に各溶液を供給して、ここで各溶液を混合し、混合した溶液を液体状態のまま気化室にポンプ送給することが好ましい。混合室を設けることにより、膜組成の制御が容易となる。即ち、各溶液の濃度や溶液原料の圧送による供給量を変化させて、混合室中の混合溶液の金属組成比が薄膜中の所定の金属組成比とほぼ同じになるように制御することができる。この制御は容易であり、かつ再現性がある。
【0047】
好ましい成膜条件は、基板温度が 400〜650 ℃、より好ましくは 420〜500 ℃であり、成膜圧力が5〜20 Torr 、より好ましくは10〜15 Torr であり、溶液原料供給量は0.05〜0.5 cc/min、より好ましくは0.05〜0.1 cc/minである。溶液の気化は、キャリアーガスを利用して350 ℃以下の温度で行うことが好ましい。より好ましい気化温度は 150〜300 ℃である。キャリアーガスとしては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを使用することが好ましい。キャリアーガスの流量は 300〜500 ccm の範囲内が好ましい。成膜室には、反応ガスとして酸素ガスまたは酸素含有ガスを供給する。酸素ガスの場合で、その供給量は1000〜2000 ccmの範囲内とするのがよい。成膜時間は、所定の厚みの誘電体薄膜が形成されるように決定すればよいが、通常は10〜60分間程度である。これらの条件は、場合により上記以外に変動することもある。
【0048】
本発明の溶液原料からMOCVD法により作製された誘電体薄膜は、DRAMのキャパシタとして有用である。MOCVD法は一般に段差被覆性に優れているが、本発明の溶液原料を使用すると、従来のTHF溶液を使用する場合よりもさらに段差被覆性が向上する。THFでは、その重合性のために錯体が不安定になるため、段差 (凹部) への付き回り性が低下するのではないかと推測される。
【0049】
本発明において、段差被覆性は、図1に示すように1μm立方 (即ち、縦横各1μm、深さ1μm) の凹部を設けたPt/Ti/SiO2基板に薄膜を形成した時の、基板平面上の膜厚aに対する凹部内部膜厚bの比 (b/a) として規定する。この値が1に近いほど、段差被覆性が良好である。理想的には、b/a値は1である。なお、この時の薄膜の厚みは約15〜30 nm 程度が適当である。
【0050】
本発明の溶液原料からは、上記のb/a値が 0.9〜1.1 という、段差被覆性に優れた誘電体薄膜をMOCVD法により形成することができる。通常は、凹部内部へは気化した蒸気が入り込みにくいため、凹部内部の膜厚bは基板平面上の膜厚aより膜厚が小さくなり易い。従って、b/a値が1を超えることは少ないので、本発明の溶液原料から形成された誘電体薄膜のb/a値は通常は 0.9〜1.0 の範囲となる。因みに、THF溶液を使用した場合のb/aの値は、通常は0.5 以下、多くは0.3 以下 (例、0.01〜0.20) となり、稀にあるよい場合でも最高で0.85程度であって、0.9 を超えるような優れた段差被覆性は得られない。従って、本発明の溶液原料は、DRAMが今後さらに高集積化して基板となるキャパシター用電極の段差が大きくなっても、凹凸のある基板表面を均一な厚みで完全に被覆するように誘電体薄膜を形成することができるものと期待される。
【0051】
また、本発明の溶液原料は前述したように各原料化合物の蒸気を安定して成膜室に供給することができるため膜の組成制御性に優れており、所望の組成および誘電特性を有する誘電体薄膜を安定して基板上に形成することができる。本発明の溶液原料から作製された誘電体薄膜は、誘電体フィルターとして圧電共振子や赤外線センサーなどに利用することもできる。
【0052】
【実施例】
以下の実施例において、各種の溶媒を用いて調製した溶液原料からMOCVD法によりBST(チタン酸ストロンチウムバリウム)薄膜を成膜した。成膜に使用した原料は、Ba原料とSr原料はいずれも金属のDPM (ジピバロイルメタン) 錯体 [即ち、Ba(DPM)2とSr(DPM)2] またはこれにトリエチレングリコールが付加した錯体 [Ba(DPM)2・TEG とSr(DPM)2・TEG]であり、Ti原料は、各実施例に示す通り、アルコキシド、アルコキシド/DPM錯体、およびDPM錯体のいずれかであった。
【0053】
(実施例1)
原料の有機金属化合物として、Ba(DPM)2とSr(DPM)2とTi(O-i-Pr)2(DPM)2 をそれぞれ別々に1,2-ジメトキシエタンに溶解させ、 0.1〜0.2 M濃度の3種類の溶液原料を調製した。この溶液原料を用いて液体原料供給法によりDRAM用基板の表面にBST薄膜を形成した。具体的には、3種類の溶液原料を、Ba(DPM)2とSr(DPM)2とTi(O-i-Pr)2(DPM)2 のモル比が1:1:2になるように流量を制御しながら混合室に送って混合した後、混合溶液を気化室で気化させ、気化した蒸気を成膜室に搬送して、縦横各1μm、深さ1μmの凹部を有する基板表面に、BST薄膜を下記条件下で成膜した。なお、成膜時間を調整することにより、約20
nm の厚みのBST薄膜が成膜されるようにした。
【0054】
成膜条件
基板 Pt/Ti/SiO2
基板温度 400 〜650 ℃
成膜圧力 10 Torr
溶液原料供給量 0.05 cc/min
原料濃度 0.1M〜0.2M
反応ガス O2ガス、1000 ccm
各原料の気化温度 200 〜250 ℃
キャリアーガス He 500 ccm
基板温度を変更して成膜実験を行い、基板上に形成された薄膜中の金属原子比を蛍光X線分析法で分析して決定した。結果をコンピュータ処理して、2原子のTiに対するBaとSrの原子比 (Ba/Srとして表示) として表1に示す。
【0055】
即ち、この原子比は、膜組成をBax Sry Ti2 O6 として示した場合のx/yの比に相当する。各溶液原料の供給量はBa:Sr:Tiの原子比が1:1:2となる割合であるので、形成されたBST薄膜におけるこの原子比もこれと同じ原子比となるべきである。従って、理想的にはBa/Srは1/1である。
【0056】
例えば、Ba/Srが 0.2/0.5 の場合には、Ba:Sr:Ti原子比=0.2:0.5:2となるので、相対的にTiが最も多く気化し、Baが最も少なく気化したことを意味する。Ba/Srが 1.0/1.2 の場合には、Ba:Sr:Ti原子比=1.0:1.2:2となるので、Srが他の原子よりやや多く気化したことを意味する。Ba/Srが<0.1/<0.1の場合は、BaとSrのいずれも、例えばこれらの原料化合物が他の成分または溶媒と反応したといった原因でほとんど気化しなかったことを意味する。Ba/Srはどちらの原子比も 0.8〜1.2 の範囲内 (即ち、Ba/Sr= 1.2/0.8 〜 0.8/1.2) であることが好ましい。
【0057】
一方、基板断面のSEM写真から、基板の1μm立方の凹部周囲 (基板平面) と凹部内部の誘電体薄膜の厚みを複数の地点で測定して平均値を求めることにより、凹部周囲の膜厚aと凹部内部の膜厚bを決定し、b/aの比として段差被覆性を測定した。
各基板温度について2回の成膜実験を繰り返し、得られた測定結果を基板温度と共に表1に示す。
【0058】
表1からわかるように、基板温度が変化しても、各金属の原子比が溶液原料の供給量の金属モル比に近い (即ち、BaとSrのいずれの原子比も 0.8〜1.2 の範囲内である) BST薄膜を形成することができ、膜の組成制御性に優れていることが実証された。また、どの温度でも段差被覆性の数値が0.9 以上と1に近く、段差被覆性にも優れていた。
【0059】
比較のために、溶媒をTHFに変更した以外は上記と同様にして、BST系複合酸化物薄膜を形成した。この場合には、表1に示すように、Srに対して、BaおよびTiの割合が著しく少ない組成を持つ薄膜が生成し、しかも膜組成が基板温度により大きく不規則に変動して一定せず、膜の組成制御性が本発明にかかる溶液原料に比べて著しく劣っていることが判明した。さらに、段差被覆性の数値 (即ち、b/a比) が0.01〜0.31と非常に小さく (即ち、凹部内部の膜厚は基板平面の膜厚の0.01〜0.31倍しかない) 、実施例に比べて大きく劣っていた。
【0060】
【表1】
【0061】
(実施例2)
Ti原料をTiO(DPM)2 に変更した以外は実施例1と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。比較のために、溶媒としてTHFを用いて同様に成膜した。
【0062】
形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表2に示す。この表からわかるように、本発明によれば、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。一方、比較例のTHF溶液では、目標とする組成を持つ薄膜を成膜することができず、また基板温度により膜組成が不規則に大きく変動し、膜組成を制御することが困難であった。また、段差被覆性も実施例ではb/a値が0.9 以上と1に近かったのに対し、比較例では0.30以下と著しく小さくなった。
【0063】
【表2】
【0064】
(実施例3)
Ti原料をTi(O-i-Pr)4 に変更した以外は実施例1と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。比較のために、溶媒としてTHFを用いて同様に成膜した。
【0065】
形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表3に示す。この表からわかるように、本発明によれば、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。一方、比較例のTHF溶液では、目標とする組成を持つ薄膜を成膜することができず、また基板温度により膜組成が不規則に大きく変動し、膜組成を制御することが困難であった。
【0066】
【表3】
【0067】
(実施例4)
Ti原料をTi(O-t-Bu)2(DPM)2 に変更した以外は実施例1と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。比較のために、溶媒としてTHFを用いて同様に成膜した。
【0068】
形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表4に示す。この表からわかるように、本発明によれば、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。一方、比較例のTHF溶液では、目標とする組成を持つ薄膜を成膜することができず、また基板温度により膜組成が不規則に大きく変動し、膜組成を制御することが困難であった。また、段差被覆性については、実施例ではb/a値が0.9 以上と1に近く、優れていた。THF溶媒を使用した比較例では、b/a値が0.10〜0.35の範囲であり、実施例1、2よりやや良いものの、まだ低かった。
【0069】
【表4】
【0070】
(実施例5)
溶媒を1,1-ジメトキシエタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表5に示す。なお、以下の実施例の多くでは、各温度について一回の結果だけを示すが、2回目の測定もほぼ同じ結果が得られた。表5からわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0071】
【表5】
【0072】
(実施例6)
溶媒を1,2-ジエトキシエタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表6に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0073】
【表6】
【0074】
(実施例7)
溶媒をジメトキシメタンに変更した以外は実施例4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表7に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は表4に示す通りである。
【0075】
【表7】
【0076】
(実施例8)
溶媒を1,2-ジメトキシプロパンまたはジメトキシメタンに変更し、BaおよびSrの原料化合物をBa(DPM)2・TEG およびSr(DPM)2・TEG に変更した以外は実施例4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表8に示す。
【0077】
この表からわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の膜組成の結果を表8に一緒に示す。
【0078】
【表8】
【0079】
(実施例9)
溶媒をn-ヘキサンと1,2-ジメトキシエタンとの混合溶媒 (重量比で1:1) に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表9に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0080】
【表9】
【0081】
(実施例10)
溶媒をn-ヘキサンと1,2-ジエトキシエタンとの混合溶媒 (重量比で1:1) に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表10に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0082】
【表10】
【0083】
(実施例11)
溶媒をn-ヘキサンと2,5-ルチジンとの混合溶媒 (重量比で1:1) に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表11に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0084】
【表11】
【0085】
(実施例12)
溶媒をn-ヘキサンと2,6-ルチジンとの混合溶媒 (重量比で1:1) に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表12に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0086】
【表12】
【0087】
(実施例13)
溶媒を3,4-ジメトキシ-2,2- ジメチルブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表13に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0088】
【表13】
【0089】
(実施例14)
溶媒を3,4-ジエトキシ-2,2- ジメチルブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表14に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は表1〜4に示す通りである。
【0090】
【表14】
【0091】
(実施例15)
溶媒を2,3-ジメトキシ-1,1- ジメチルブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表15に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0092】
【表15】
【0093】
(実施例16)
溶媒を2,3-ジエトキシ-1,1- ジメチルブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表16に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は表1〜4に示す通りである。
【0094】
【表16】
【0095】
(実施例17)
溶媒を1,2-ジメトキシヘキサンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表17に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0096】
【表17】
【0097】
(実施例18)
溶媒を1,2-ジエトキシヘキサンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表18に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0098】
【表18】
【0099】
(実施例19)
溶媒を1,2-ジメトキシプロパンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表19に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0100】
【表19】
【0101】
(実施例20)
溶媒を1,2-ジエトキシプロパンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表20に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0102】
【表20】
【0103】
(実施例21)
溶媒を1,2-ジメトキシブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表21に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0104】
【表21】
【0105】
(実施例22)
溶媒を1,2-ジエトキシブタンに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表22に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0106】
【表22】
【0107】
(実施例23)
溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表23に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0108】
【表23】
【0109】
(実施例24)
溶媒を1−ブトキシ−2−プロパノールに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表24に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0110】
【表24】
【0111】
(実施例25)
溶媒をプロピレングリコールに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表25に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0112】
【表25】
【0113】
(実施例26)
溶媒を 2,5−ジメチルテトラヒドロフランに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を、各温度について2回ずつ基板温度と共に表26に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0114】
【表26】
【0115】
(実施例27)
溶媒を2−メチルテトラヒドロフランに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を、各温度について2回ずつ基板温度と共に表27に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。また、溶媒を3−メチルテトラヒドロフランに変更した場合も、表27に示したのと実質的に同様の結果が得られた。
【0116】
【表27】
【0117】
(実施例28)
溶媒をジイソブチルエーテルに変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を、各温度について2回ずつ基板温度と共に表28に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0118】
【表28】
【0119】
(実施例29)
溶媒を 2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソブチルエーテル、2,5 −ジメチルテトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフランとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例8と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比と段差被覆性の測定結果を基板温度と共に表29に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。さらに、段差被覆性も良好であった。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表8に示す通りである。
【0120】
【表29】
【0121】
(実施例30)
溶媒を3−メチルテトラヒドロフラン、アセト酢酸メチル、またはアセト酢酸エチルに変更した以外は実施例8と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表30に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表8に示す通りである。
【0122】
【表30】
【0123】
(実施例31)
溶媒をn−ヘキサンと 2,5−ジメチルテトラヒドロフランとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表31に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0124】
【表31】
【0125】
(実施例32)
溶媒をn−ヘキサンと2−メチルテトラヒドロフランとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表32に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。また、2−メチルテトラヒドロフランの代わりに3−メチルテトラヒドロフランを使用した場合も、表32と実質的に同様の結果が得られた。
【0126】
【表32】
【0127】
(実施例33)
溶媒をn−ヘキサンとジイソブチルエーテルとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表33に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0128】
【表33】
【0129】
(実施例34)
溶媒をn−ヘキサンとジオキサンとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表34に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。
【0130】
【表34】
【0131】
(実施例35)
溶媒を2,5 −ジメチルテトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフランとの重量比1:1の混合溶媒に変更した以外は実施例1〜4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表35に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の結果は、表1〜4に示す通りである。また、2−メチルテトラヒドロフランの代わりに3−メチルテトラヒドロフランを使用した場合も、表35と実質的に同様の結果が得られた。
【0132】
【表35】
【0133】
(実施例36)
溶媒を表36に示すエステル系溶媒に変更した以外は実施例4と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表36に併せて示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の膜組成の結果は表4に示す通りである。
【0134】
【表36】
【0135】
(実施例37)
溶媒を表37に示すアセト酢酸エステル系溶媒に変更した以外は実施例1と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表37に併せて示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。なお、本例で溶媒をTHFに変更した場合の比較例の膜組成の結果は表1に示す通りである。
【0136】
【表37】
【0137】
(実施例38)
BaおよびSrの原料化合物をBa(DPM)2・TEG およびSr(DPM)2・TEG に変更し、溶媒を表38に示すアセト酢酸エステル系溶媒に変更した以外は実施例1と同様にして、MOCVD法により基板上にBST薄膜 (厚さ約20 nm)を作製した。形成された薄膜中の金属原子比の測定結果を基板温度と共に表38に示す。これからわかるように、基板温度が変化しても膜組成はほとんど変化しないため、ほぼ一定した組成の誘電体薄膜を形成することができ、組成制御性に優れていた。
【0138】
【表38】
【0139】
【発明の効果】
本発明に係る有機金属化合物を含有する溶液原料を使用して、MOCVD法により誘電体薄膜の形成すると、原料の各金属有機化合物が熱分解や不揮発性化を起こさずに安定して成膜室に供給されるため、基板温度が変化しても溶液原料中の金属の組成比に近い組成比を持つ複合酸化物型の誘電体薄膜を、段差があっても一様な厚みで確実に形成することができ、段差のあるDRAMのキャパシタ用電極上に良好な誘電特性を持つ誘電体薄膜を安定して成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】段差被覆性の測定方法を示す説明図である。
Claims (10)
- 1種または2種以上の有機金属化合物原料を、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ならびにアセト酢酸エステルから選ばれた1種または2種以上の溶媒に溶解させた溶液からなる、MOCVD法による複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 1種または2種以上の有機金属化合物原料を、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ならびにアセト酢酸エステルから選ばれた1種または2種以上の溶媒に溶解させた溶液からなる、MOCVD法による、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸スロトンチウム(ST)、チタン酸バリウム(BT)、およびチタン酸バリウムストロンチウム(BST)から成る群から選んだ複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 1種または2種以上の有機金属化合物原料を、環式および非環式飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の溶媒と、環式もしくは非環式ジエーテル、アルキル置換環式モノエーテル、モノもしくはジ分岐アルキルモノエーテル、アルコキシアルコール、ジオール、アセト酢酸エステル、ならびに非置換もしくはアルキル置換ピリジンから選ばれた1種または2種以上の溶媒、との混合溶媒に溶解させた溶液からなる、MOCVD法による複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 前記有機金属化合物が、金属原子が酸素原子を介して有機基と結合している化合物である、請求項1ないし3のいずれかに記載の複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 前記有機金属化合物が、金属アルコキシド、金属β−ジケトナト錯体、および金属アルコキシド/β−ジケトナト錯体よりなる群から選ばれる、請求項4記載の複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- アルコキシドがイソプロポキシドもしくはtert−ブトキシドであり、β−ジケトナト錯体がジピバロイルメタナト錯体である、請求項5記載の複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 前記有機金属化合物が、バリウムおよびストロンチウムのジピバロイルメタナト錯体と、イソプロポキシド、tert−ブトキシド、ジピバロイルメタナト錯体、イソプロポキシド/ジピバロイルメタナト錯体、およびtert−ブトキシド/ジピバロイルメタナト錯体から選ばれたチタン化合物からなり、複合酸化物形誘電体薄膜がチタン酸バリウムストロンチウム薄膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合酸化物系誘電体薄膜形成用の溶液原料。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の溶液原料を用いてMOCVD法により基板上に複合酸化物型の誘電体薄膜を成膜する方法。
- MOCVD法による成膜を、該溶液原料を液体状態で気化室に供給することにより行う、請求項8記載の方法。
- 金属ごとに別々の溶液原料を気化室に供給する、請求項9記載の方法。
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