JP2006037123A - 薄膜用cvd原料及びそれを用いて得られる薄膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長時間連続運転しても安定で良好な気化特性を示し、均一組成を再現性良く製造できるCVD原料。
【解決手段】 有機金属化合物を1,2−エポキシシクロヘキサンを含む溶媒に溶解して得られる薄膜用CVD原料であり、好ましくは有機金属化合物が金属のジピバロイルメタナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、ジイソブチリルメタナト、イソブチリルピバロイルメタナト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト、ジオラート、ジアルキルアミド錯体、アルコキシド、シクロペンタジエニル又はそれらの誘導体の少なくとも1種であり、金属がBi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrの群から選ばれた少なくとも一種である薄膜用CVD原料、ならびにそれを用いて溶液CVD法により成膜された薄膜。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機金属化合物を1,2−エポキシシクロヘキサンを含む溶媒に溶解して得られる薄膜用CVD原料であり、好ましくは有機金属化合物が金属のジピバロイルメタナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、ジイソブチリルメタナト、イソブチリルピバロイルメタナト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト、ジオラート、ジアルキルアミド錯体、アルコキシド、シクロペンタジエニル又はそれらの誘導体の少なくとも1種であり、金属がBi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrの群から選ばれた少なくとも一種である薄膜用CVD原料、ならびにそれを用いて溶液CVD法により成膜された薄膜。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機金属化合物及び1,2−エポキシシクロヘキサンを含有する薄膜用CVD原料及びそれを用いて得られる薄膜に関する。
近年、超伝導体、誘電体用途に酸化タンタル、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の酸化物系薄膜が使用されているがこれらの製造には、複雑な形状の物体でも良好な薄膜を形成できる化学気相蒸着(CVD)法が広く使用されている。
CVD法での薄膜作製における原料蒸気供給方法としては、トリメチルガリウム(GaAs薄膜原料)やテトラエトキシシラン(SiO2薄膜原料)のように常温で液体の原料の場合、原料にキャリアガスをバブリングさせて原料蒸気を成膜室まで同伴させて行うバブリング法が行なわれている。バブリングの場合、原料蒸気は飽和蒸気圧(温度のみに依存する)で発生するので、温度を制御することにより原料蒸気の供給を安定に行うことができる。
一方、原料が固体の場合は;昇華によって原料蒸気を発生させる昇華法;原料をテトラヒドロフラン、酢酸ブチル、トルエン等の有機溶媒に一定濃度で溶解し、得られた溶液を流量制御しながら高温の気化室内に送り込み、全量を気化させることによって一定の原料蒸発量を得ることのできる溶液気化法;が通常使用されている。
CVD法での薄膜作製における原料蒸気供給方法としては、トリメチルガリウム(GaAs薄膜原料)やテトラエトキシシラン(SiO2薄膜原料)のように常温で液体の原料の場合、原料にキャリアガスをバブリングさせて原料蒸気を成膜室まで同伴させて行うバブリング法が行なわれている。バブリングの場合、原料蒸気は飽和蒸気圧(温度のみに依存する)で発生するので、温度を制御することにより原料蒸気の供給を安定に行うことができる。
一方、原料が固体の場合は;昇華によって原料蒸気を発生させる昇華法;原料をテトラヒドロフラン、酢酸ブチル、トルエン等の有機溶媒に一定濃度で溶解し、得られた溶液を流量制御しながら高温の気化室内に送り込み、全量を気化させることによって一定の原料蒸発量を得ることのできる溶液気化法;が通常使用されている。
薄膜原料として、β−ジケトン系のジピバロイルメタン(DPM)等の金属錯体を代表とする特定の金属化合物は、(1)一般に熱安定性が高く、酸素存在化においてもある程度の温度までは分解しにくく反応しない;(2)酸化物の超伝導体や強誘電体(YBa2Cu3Oy、Bi2Sr2Ca2Cu3Oy、SrBi2Ta2O9等)にはアルカリ土類金属(化、Sr、Ba等)が含まれており、アルカリ土類金属を含むものとしてこれら化合物がCVD法で求められる気化性、熱安定性、酸素存在下での安定性を満たす;ことから現在広く使用されている。しかし、これら金属化合物は一般に融点が高いためにバブリング法による原料気化を行うことができず、昇華法の場合、(1)飽和蒸気を得ることが難しく、(2)これら金属化合物は加熱され続けられるため劣化して気化特性が不良となり、(3)蒸気の発生量は原料容器内の充填量又は使用中の原料残量の変化によって変化しやすく、一定の原料蒸発量の維持及び得られる薄膜の組成制御が困難である欠点があった。又、特に気化性がわるいアルカリ土類金属の錯体については、(4)気化効率を上げるために高い温度で加熱すると、原料が熱分解しながら輸送されてしまい、膜の結晶性が不良となるか組成が不均一となり、(5)気化速度を抑えて蒸着時間を長くすると、原料が経時的に劣化して気化性が低下するため、形成された膜の厚さ方向の組成が不均質になってしまう問題があった。そのために、多成分系の複合酸化物薄膜の作製は溶液気化法が現在の主流になっている。
溶液気化法では、原料溶液の濃度が薄く溶媒の割合が大きい場合、溶媒中に含有される水分等の影響による原料溶液の経時劣化、成膜速度低下、形成薄膜表面の劣化、及び溶媒の熱分解物であるカーボンの形成薄膜中への取り込み等の問題が発生しやすい。また、溶媒の気化や分解のためにより多くのエネルギー供給が必要となり、薄膜製造コストが上昇する。一方、原料溶液の濃度が濃い場合、原料の気化(成膜)速度が増大し、形成薄膜の特性(表面平滑性、組成均一性等)に優れるが、溶媒の気化に伴い原料が析出し、気化室に詰まりを生じやすくなる。従って、上記金属化合物の原料溶液は、一般的には0.1〜0.3mol/l程度の濃度で使用されている。
上記のように、原料溶液に使用する溶媒は、溶解性が高く高濃度の原料溶液を調製できるものが好ましく、そのような溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)等が報告されている(例えば、特許文献1,2参照)。上記THFは、気化性の悪いアルカリ土類金属の錯体の溶媒として使用すると気化温度を下げる効果を示す。
しかし、溶液気化法でTHF(bp64〜65℃)等の沸点が低い溶媒を高濃度で使用すると、気化室内で溶媒が急速に気化して溶解していた原料が析出して気化室に詰まりを生じてしまうため、使用濃度に上限があった。又、複合酸化物薄膜では、薄膜を構成するそれぞれの成分の原料溶液を気化させて目的とする組成に制御する必要がある。しかし、薄膜構成成分それぞれの金属化合物全てが高い溶解性を示し、沸点が高く、かつ薄膜組成を一定に制御できる溶媒は余り知られていなかった。
上記のように、原料溶液に使用する溶媒は、溶解性が高く高濃度の原料溶液を調製できるものが好ましく、そのような溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)等が報告されている(例えば、特許文献1,2参照)。上記THFは、気化性の悪いアルカリ土類金属の錯体の溶媒として使用すると気化温度を下げる効果を示す。
しかし、溶液気化法でTHF(bp64〜65℃)等の沸点が低い溶媒を高濃度で使用すると、気化室内で溶媒が急速に気化して溶解していた原料が析出して気化室に詰まりを生じてしまうため、使用濃度に上限があった。又、複合酸化物薄膜では、薄膜を構成するそれぞれの成分の原料溶液を気化させて目的とする組成に制御する必要がある。しかし、薄膜構成成分それぞれの金属化合物全てが高い溶解性を示し、沸点が高く、かつ薄膜組成を一定に制御できる溶媒は余り知られていなかった。
本発明は、高濃度で使用でき、多数回又は長時間連続運転しても安定で良好な気化特性を示し、目的の均一組成を再現性良く製造できるCVD原料を目的とする。
本発明は、有機金属化合物を1,2−エポキシシクロヘキサンを含む溶媒に溶解して得られる薄膜用CVD原料に関する。
上記有機金属化合物は、Bi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrの群から選ばれた少なくとも一種の金属を含むものでもよい。
上記有機金属化合物は、金属のジピバロイルメタナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、ジイソブチリルメタナト、イソブチリルピバロイルメタナト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト、ジオラート、ジアルキルアミド錯体、アルコキシド、シクロペンタジエニル又はそれらの誘導体の少なくとも1種であってもよい。
上記アルコキシドは、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシド、t−アミロキシドであってもよい。
又本発明は、上記記載の薄膜用CVD原料を用いて溶液CVD法により成膜された薄膜に関する。
上記有機金属化合物は、Bi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrの群から選ばれた少なくとも一種の金属を含むものでもよい。
上記有機金属化合物は、金属のジピバロイルメタナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、ジイソブチリルメタナト、イソブチリルピバロイルメタナト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト、ジオラート、ジアルキルアミド錯体、アルコキシド、シクロペンタジエニル又はそれらの誘導体の少なくとも1種であってもよい。
上記アルコキシドは、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシド、t−アミロキシドであってもよい。
又本発明は、上記記載の薄膜用CVD原料を用いて溶液CVD法により成膜された薄膜に関する。
本発明の薄膜用CVD原料は、高濃度で使用でき、低温加熱で良好な気化性を有し、多数回又は長時間連続運転しても安定で良好な気化特性を示し、目的の均一組成を再現性良く製造できる。又、溶媒の使用量が少なく、気化に必要なエネルギーも少なくなるため薄膜の製造単価を低下させることができる。
本発明に使用される有機金属化合物は、金属に配位化合物が配位した錯体、金属に有機化合物が結合した有機金属化合物等である。上記有機金属化合物に含まれる金属は、溶液CVD法に通常使用される金属であり、例えばビスマス(Bi)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。好ましくはBi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrである。
上記有機金属化合物中の金属に配位又は結合する化合物としては、溶液CVD法に通常使用されるものが使用できる。例えば、ジピバロイルメタン(DPM)、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタン、ジイソブチリルメタン(DIBM)、イソブチリルピバロイルメタン(IBPM)、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオン(TMOD)、6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオン(EDMOD)、2,4−オクタンジオン、6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−デカンジオン、1,5−シクロオクタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチルテトラミン、トリエチルホスフィン、トリエチルビニルシラン、ビストリメチルシリルアセチレン、ジオール、ジアルキルアミド錯体等の化合物の他に、アルコキシド、グリコキシド、フェニル、オルトトリル(o−Tol)、パラトリル(p−Tol)、オルトエチルフェニル等の基が挙げられる。上記ジオールとして1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。上記ジアルキルアミド錯体として、ジエチルアミド、ジメチルアミド、エチルメチルアミド等が挙げられる。上記アルコキシドとして、イソプロポキシド(Oi−Pr)、エトキシド、メトキシド、t−アミロキシド(Ot−Am)、t−ブトキシド(Ot−Bu)、sec−ブトキシド(Os−Bu)、1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシド、2−エトキシエトキシド等が挙げられる。好ましくはジピバロイルメタン、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタン、ジイソブチリルメタン、イソブチリルピバロイルメタン、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオン、アルコキシド、シクロペンタジエン又はそれらの誘導体である。上記化合物は1種以上使用でき、本発明の有機金属化合物は、例えばTi(Oi−Pr)2(DPM)2のようなアルコキシドの一部がβ−ジケトンで置換されたような化合物でもよい。
本発明の薄膜用CVD原料中の有機金属化合物の濃度は、安定した溶液を提供できる範囲であれば特に制限はない。濃度は、原料の輸送量、膜製造時の成膜速度等により適宜選択されるが、室温(25℃)での飽和濃度の5〜70%程度のものが通常好ましく使用できる。溶液濃度は原料によって溶解度が異なるため一律に規定することができないが、通常0.02〜0.5mol/リットル、好ましくは0.05〜0.3mol/リットルである。この範囲未満であると、原料溶液の経時劣化、成膜速度低下、形成薄膜表面の劣化、及びカーボンが形成薄膜中へ取り込まれる等の問題が発生しやすい。一方、上記範囲を超えると、溶媒の気化に伴い原料が析出し、気化室に詰まりを生じやすくなる。
本発明の原料に含有される1,2−エポキシシクロヘキサン(シクロヘキセンオキシド)は、シクロヘキセンの酸化生成物であり、溶剤等の添加剤、医・農薬中間体、ポリマー原料中間体などとして利用されており、容易に入手できる。
1,2−エポキシシクロヘキサンは、沸点130℃であり多種の有機金属化合物を良好に溶解することができる。有機金属化合物の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液は、原料化合物が分解することなく安定に反応部へ送り込まれる働きをする。更に、この溶液は長時間の連続運転で気化性が全く低下しないことから、1,2−エポキシシクロヘキサンは有機金属化合物と何らかの結合を形成してその経時劣化を防止し、長期安定性を保持すると共に気化性の優れた付加物を形成すると思われる。
各種有機金属化合物の1,2−エポキシシクロヘキサンに対する室温(20℃)での飽和濃度の範囲を下記表1に示す。表1中の記号は、A;飽和濃度0.5mol/リットルを超える、B;飽和濃度0.33mol/リットルを超え0.50mol/リットルまで、C;飽和濃度0.25mol/リットルを超え0.33mol/リットルまで、D;飽和濃度0.20mol/リットルを超え0.25mol/リットルまで、E;飽和濃度0.15mol/リットルを超え0.20mol/リットルまで、F;飽和濃度0.10mol/リットルを超え0.15mol/リットルまで、G;飽和濃度0.10mol/リットルまで、を表す。表1に示されるように、1,2−エポキシシクロヘキサンはTHFと同様に多くの有機金属化合物を良く溶解する一方、THFより沸点がかなり高い。従って、本発明のCVD原料は特に、複数の金属を有する複合酸化物薄膜を1の原料溶液から製造する場合に非常に好適である。
1,2−エポキシシクロヘキサンは、沸点130℃であり多種の有機金属化合物を良好に溶解することができる。有機金属化合物の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液は、原料化合物が分解することなく安定に反応部へ送り込まれる働きをする。更に、この溶液は長時間の連続運転で気化性が全く低下しないことから、1,2−エポキシシクロヘキサンは有機金属化合物と何らかの結合を形成してその経時劣化を防止し、長期安定性を保持すると共に気化性の優れた付加物を形成すると思われる。
各種有機金属化合物の1,2−エポキシシクロヘキサンに対する室温(20℃)での飽和濃度の範囲を下記表1に示す。表1中の記号は、A;飽和濃度0.5mol/リットルを超える、B;飽和濃度0.33mol/リットルを超え0.50mol/リットルまで、C;飽和濃度0.25mol/リットルを超え0.33mol/リットルまで、D;飽和濃度0.20mol/リットルを超え0.25mol/リットルまで、E;飽和濃度0.15mol/リットルを超え0.20mol/リットルまで、F;飽和濃度0.10mol/リットルを超え0.15mol/リットルまで、G;飽和濃度0.10mol/リットルまで、を表す。表1に示されるように、1,2−エポキシシクロヘキサンはTHFと同様に多くの有機金属化合物を良く溶解する一方、THFより沸点がかなり高い。従って、本発明のCVD原料は特に、複数の金属を有する複合酸化物薄膜を1の原料溶液から製造する場合に非常に好適である。
本発明の溶媒は1,2−エポキシシクロヘキサンの他に、別の溶媒を含有しても良く、例えば、THF、酢酸n−ブチルエステル(酢酸ブチル)、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。全溶媒中の1,2−エポキシシクロヘキサンの割合は、気化器が詰まらず、経時変化がおきにくい範囲内で、溶液濃度、膜製造時の成膜速度等により適宜選択される。
溶液気化CVD法で複数の金属成分から構成される酸化物薄膜(多成分系)を作製する場合、原料溶液は一般的に、下記(1)〜(4)いずれかの方法で混合及び気化される。
(1)目的とする金属を含む有機金属化合物を別々に溶かした複数の原料溶液を、気化室へ供給する直前に混合して混合溶液を1つの気化室へ供給する(マルチボトルA式)。
(2)上記複数の原料溶液を別々に1つの気化室へ直接供給する(マルチボトルB式)。
(3)上記複数の原料溶液を別々に複数の気化室で気化して得られた蒸気を混合する(マルチボトルC式)。
(4)複数の有機金属化合物を特定の割合で含む1の原料溶液(以下「カクテル」ともいう)を1の気化室へ直接供給する(ワンボトル式)。
上記(1)〜(3)は組成変更が容易であり、(4)は装置の設備費用、運転費用及び運転制御性に優れている。実際の工業化においては(4)が好ましい。本発明の薄膜用CVD原料は、1,2−エポキシシクロヘキサン及び有機金属化合物を含む溶液の2種以上から構成されてもよく、上記(1)〜(3)に適用できる。又、本発明の薄膜用CVD原料は、2種以上の有機金属化合物を含む1の溶液(カクテル)でもよく、上記(4)に適用できる。
(1)目的とする金属を含む有機金属化合物を別々に溶かした複数の原料溶液を、気化室へ供給する直前に混合して混合溶液を1つの気化室へ供給する(マルチボトルA式)。
(2)上記複数の原料溶液を別々に1つの気化室へ直接供給する(マルチボトルB式)。
(3)上記複数の原料溶液を別々に複数の気化室で気化して得られた蒸気を混合する(マルチボトルC式)。
(4)複数の有機金属化合物を特定の割合で含む1の原料溶液(以下「カクテル」ともいう)を1の気化室へ直接供給する(ワンボトル式)。
上記(1)〜(3)は組成変更が容易であり、(4)は装置の設備費用、運転費用及び運転制御性に優れている。実際の工業化においては(4)が好ましい。本発明の薄膜用CVD原料は、1,2−エポキシシクロヘキサン及び有機金属化合物を含む溶液の2種以上から構成されてもよく、上記(1)〜(3)に適用できる。又、本発明の薄膜用CVD原料は、2種以上の有機金属化合物を含む1の溶液(カクテル)でもよく、上記(4)に適用できる。
本発明の有機金属化合物及び/又は溶液の安定化剤として、求核性試薬を用いてもよい。安定化剤として例えば、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N'−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等のポリアミン類、環状ポリアミン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエステル類又はβ−ジケトン類が挙げられる。上記安定剤の使用量は、金属化合物1モルに対して通常0.1〜10モル、好ましくは1〜4モルである。
本発明は又、上記薄膜用CVD原料を用いて溶液CVD法により成膜された薄膜を提供する。薄膜の組成は、単一酸化物薄膜の場合、例えばPr2O3、TiO2、CeO2、ZnO、Ta2O5等が挙げられる。又、複合酸化物薄膜の組成としては、例えばBi4-xLaxTi3O12,PbZr1-xTixO3,NdBa2Cu3Oy,La1-xSrxCoO3,Bi4-xNdxTi3O12,LiTaO3,Ce2-xSm2O3,LaNiO3、Bi4Ti3O12、SrBi2Ta2O9、Bi2Ru2O7、SrRuO3、Bi4-XNdXTi3O12及びPr1-xCaxMnO3等が挙げられる。本発明の薄膜は、超伝導体、誘電体、導電体であり、広くキャパシタ用誘電体、圧電共振子や赤外線センサー等に使用できる。
薄膜製造方法は当業者に公知の方法を使用でき、例えば、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の方法が挙げられる。熱CVDの場合は、原料を気化して蒸気とし(気化段階)、原料蒸気を基板上に導入し、次いで原料を基板上で分解させて薄膜を基板上に成長させる(成膜段階)。気化段階では原料の気化速度を向上させ、かつ分解を防止するために13330Pa以下、特に8000Pa以下の減圧下で、原料の分解温度以下で行なうことが好ましい。また、基板は予め原料の分解温度以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは450℃以上に加熱しておくことが好ましい。また、得られた薄膜には必要に応じてアニール処理を行ってもよい。
本発明の成膜に使用できる製造装置としては、どのようなものでも良いが、例えばMOCVD(metal-organic chemical vapor deposition)法に使用される装置等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の成膜に使用できる製造装置としては、どのようなものでも良いが、例えばMOCVD(metal-organic chemical vapor deposition)法に使用される装置等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1(ワンボトル式)
通常のホットウォールタイプのCVD装置を用い、有機金属化合物としてトリオルトトリルビスマス(Bi(o−Tol)3)及びテトライソプロポキシチタン(Ti(Oi−Pr)4)を使用し、1,2−エポキシシクロヘキサン中にそれぞれ0.15,0.10モル/リットルの濃度で溶解して原料カクテルを調製した。この溶液を0.5ml/minで気化室(温度;200℃)に導入して気化させ、発生した蒸気をArキャリアガス(200ml/min)により気化室(圧力;67hPa)から反応室(圧力;6.65hPa、温度;250℃)へ供給した。反応室の白金(Pt)基板上(温度;550℃)で、反応ガスは酸素で、5分間成膜を行なった。次に原料溶液の気化25分間を行う間に基板を新しいものと交換し、再度5分間成膜、25分間気化を合計10回(上記最初の成膜を含む。)連続して行なった。更に気化室温度180〜200℃の範囲での10℃ごとに新たに1回だけ成膜を行なった。得られた膜の金属組成をICPにより測定した。それらの構成がBi4Ti3O12薄膜であることはX線回折によって確認した。得られた膜の金属堆積量及び組成を表2〜3に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極を測定したところ2Pr=5μC/cm2となり、直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、10-8A/cm2以下であった。
連続気化を10回行っても気化室及び反応室までの経路で詰まりは発生しなかった。尚、上記原料カクテルを3ヶ月間冷暗所で保存したところ、沈殿、変色等の変質は見られなかった。
通常のホットウォールタイプのCVD装置を用い、有機金属化合物としてトリオルトトリルビスマス(Bi(o−Tol)3)及びテトライソプロポキシチタン(Ti(Oi−Pr)4)を使用し、1,2−エポキシシクロヘキサン中にそれぞれ0.15,0.10モル/リットルの濃度で溶解して原料カクテルを調製した。この溶液を0.5ml/minで気化室(温度;200℃)に導入して気化させ、発生した蒸気をArキャリアガス(200ml/min)により気化室(圧力;67hPa)から反応室(圧力;6.65hPa、温度;250℃)へ供給した。反応室の白金(Pt)基板上(温度;550℃)で、反応ガスは酸素で、5分間成膜を行なった。次に原料溶液の気化25分間を行う間に基板を新しいものと交換し、再度5分間成膜、25分間気化を合計10回(上記最初の成膜を含む。)連続して行なった。更に気化室温度180〜200℃の範囲での10℃ごとに新たに1回だけ成膜を行なった。得られた膜の金属組成をICPにより測定した。それらの構成がBi4Ti3O12薄膜であることはX線回折によって確認した。得られた膜の金属堆積量及び組成を表2〜3に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極を測定したところ2Pr=5μC/cm2となり、直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、10-8A/cm2以下であった。
連続気化を10回行っても気化室及び反応室までの経路で詰まりは発生しなかった。尚、上記原料カクテルを3ヶ月間冷暗所で保存したところ、沈殿、変色等の変質は見られなかった。
比較例1
1,2−エポキシシクロヘキサンの代わりにテトラヒドロフランを使用して実施例1と同一の条件で気化/成膜を行なった。気化開始40分経過後に原料溶液の流量が設定値を維持できなくなり、気化開始後67分後に詰まりが発生し原料溶液が流れなくなり、4回目からは成膜不能であった。結果を表2〜3に示す(表中「−」は成膜不能のためデータが得られなかったことを示す。)。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=0.8μC/cm2及び4×10-6A/cm2であった。尚、上記原料カクテルを3ヶ月間冷暗所で保存したところ、わずかに白色沈殿が見られた。
1,2−エポキシシクロヘキサンの代わりにテトラヒドロフランを使用して実施例1と同一の条件で気化/成膜を行なった。気化開始40分経過後に原料溶液の流量が設定値を維持できなくなり、気化開始後67分後に詰まりが発生し原料溶液が流れなくなり、4回目からは成膜不能であった。結果を表2〜3に示す(表中「−」は成膜不能のためデータが得られなかったことを示す。)。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=0.8μC/cm2及び4×10-6A/cm2であった。尚、上記原料カクテルを3ヶ月間冷暗所で保存したところ、わずかに白色沈殿が見られた。
表2〜3から明らかなように、実施例1では比較例1と比較して同一加熱温度での1回目の気化で10%以上厚い酸化物薄膜が成膜できた。しかも、実施例1では連続気化による成膜を行っても安定した金属堆積量が得られたのに対して、比較例1では時間とともに金属堆積量が減少した。
実施例1では、更に同様の条件で10回を超える連続気化による金属堆積量を測定した。繰返し20回以上の成膜を行っても金属堆積量は第1回目と全く変動が無く、この状態は材料がすべて無くなってしまうまで同様であった。一方、比較例1の場合には、3回を過ぎると膜が全く形成されなかった。又、本発明のCVD原料を用いれば、従来の溶媒を使用した場合より性能の良好なキャパシタ薄膜を成膜することができた。
実施例1では、更に同様の条件で10回を超える連続気化による金属堆積量を測定した。繰返し20回以上の成膜を行っても金属堆積量は第1回目と全く変動が無く、この状態は材料がすべて無くなってしまうまで同様であった。一方、比較例1の場合には、3回を過ぎると膜が全く形成されなかった。又、本発明のCVD原料を用いれば、従来の溶媒を使用した場合より性能の良好なキャパシタ薄膜を成膜することができた。
実施例2(マルチボトルC式)
三元の原料加熱系統を有する通常のホットウォールタイプのCVD装置を用い、原料溶液として0.3mol/リットルのPb(DPM)2の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液、0.15mol/リットルのZr(DIBM)4の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液、及び0.15mol/リットルのTi(Oi−Pr)2(DPM)2の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液を調製した。ヘリウムガスの加圧により原料容器からそれぞれの気化室(温度:Pb(DPM)2は180℃、Zr(DIBM)4は240℃、Ti(Oi−Pr)2(DPM)2は180℃)まで原料溶液をそれぞれ0.36ml/min,0.40ml/min,0.25ml/minで供給した。気化室に供給された原料溶液全量を気化させ、発生した蒸気をArキャリアガス(200ml/min)により気化室(圧力;53hPa、67hPa、47hPa)から反応室(圧力;6.65hPa、温度;250℃)へ供給した。反応室のイリジウム(Ir)基板上(温度;580℃)で、反応ガスは酸素で、5分間成膜を行なった。次に原料溶液の気化25分間を行う間に基板を新しいものと交換し、再度5分間成膜、25分間気化を合計10回(上記最初の成膜を含む。)連続して行なった。更にZr(DIBM)4の気化室温度220〜240℃の範囲での10℃ごとに新たに1回だけ成膜を行なった。得られた膜の金属堆積量及び組成を表4〜5に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=85μC/cm2及び10-8A/cm2以下であった。又、薄膜の構成がPbZr1-XTiXO3薄膜であることはX線回折によって確認した。
三元の原料加熱系統を有する通常のホットウォールタイプのCVD装置を用い、原料溶液として0.3mol/リットルのPb(DPM)2の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液、0.15mol/リットルのZr(DIBM)4の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液、及び0.15mol/リットルのTi(Oi−Pr)2(DPM)2の1,2−エポキシシクロヘキサン溶液を調製した。ヘリウムガスの加圧により原料容器からそれぞれの気化室(温度:Pb(DPM)2は180℃、Zr(DIBM)4は240℃、Ti(Oi−Pr)2(DPM)2は180℃)まで原料溶液をそれぞれ0.36ml/min,0.40ml/min,0.25ml/minで供給した。気化室に供給された原料溶液全量を気化させ、発生した蒸気をArキャリアガス(200ml/min)により気化室(圧力;53hPa、67hPa、47hPa)から反応室(圧力;6.65hPa、温度;250℃)へ供給した。反応室のイリジウム(Ir)基板上(温度;580℃)で、反応ガスは酸素で、5分間成膜を行なった。次に原料溶液の気化25分間を行う間に基板を新しいものと交換し、再度5分間成膜、25分間気化を合計10回(上記最初の成膜を含む。)連続して行なった。更にZr(DIBM)4の気化室温度220〜240℃の範囲での10℃ごとに新たに1回だけ成膜を行なった。得られた膜の金属堆積量及び組成を表4〜5に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=85μC/cm2及び10-8A/cm2以下であった。又、薄膜の構成がPbZr1-XTiXO3薄膜であることはX線回折によって確認した。
比較例2
1,2−エポキシシクロヘキサンの代わりにトルエンを使用して実施例2と同一の条件で気化/成膜を行なった。気化開始51分経過後に原料溶液の流量が設定値を維持できなくなり、気化開始後107分後に詰まりが発生し原料溶液が流れなくなり、4回目からは成膜不能であった。結果を表4〜5に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=43μC/cm2及び7×10-8A/cm2であった。又、薄膜の構成がPbZr1-XTiXO3薄膜であることはX線回折によって確認した。
1,2−エポキシシクロヘキサンの代わりにトルエンを使用して実施例2と同一の条件で気化/成膜を行なった。気化開始51分経過後に原料溶液の流量が設定値を維持できなくなり、気化開始後107分後に詰まりが発生し原料溶液が流れなくなり、4回目からは成膜不能であった。結果を表4〜5に示す。第1回目で得られた薄膜のキャパシタ特性として5V印加時の残留分極および直流電圧1.5V印加時のリーク電流密度を測定したところ、2Pr=43μC/cm2及び7×10-8A/cm2であった。又、薄膜の構成がPbZr1-XTiXO3薄膜であることはX線回折によって確認した。
表4〜5から明らかなように、実施例2では比較例2と比較して同一加熱温度での1回目の気化で10%以上厚い酸化物薄膜が成膜できた。しかも、実施例2では連続気化による成膜を行っても安定した膜厚が得られたのに対して、比較例2では時間とともに金属堆積量が減少してしまった。
実施例2では、更に同様の条件で10回を超える連続気化による膜厚を測定した。繰返し20回以上の成膜を行っても膜厚は第1回目と全く変動が無く、この状態は材料がすべて無くなってしまうまで同様であった。一方、比較例2の場合には、4回を過ぎると膜が全く形成されなかった。又、本発明のCVD原料を用いれば、従来の溶媒を使用した場合より性能の良好なキャパシタ薄膜を成膜することができた。
実施例2では、更に同様の条件で10回を超える連続気化による膜厚を測定した。繰返し20回以上の成膜を行っても膜厚は第1回目と全く変動が無く、この状態は材料がすべて無くなってしまうまで同様であった。一方、比較例2の場合には、4回を過ぎると膜が全く形成されなかった。又、本発明のCVD原料を用いれば、従来の溶媒を使用した場合より性能の良好なキャパシタ薄膜を成膜することができた。
Claims (5)
- 有機金属化合物を1,2−エポキシシクロヘキサンを含む溶媒に溶解して得られる薄膜用CVD原料。
- 上記有機金属化合物がBi、Sr、Ba、Ti、La、Nb、Pb、Ni、Ta、Nd及びZrの群から選ばれた少なくとも一種の金属を含む請求項1に記載の薄膜用CVD原料。
- 有機金属化合物が金属のジピバロイルメタナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、ジイソブチリルメタナト、イソブチリルピバロイルメタナト、アセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト、ジオラート、ジアルキルアミド錯体、アルコキシド、シクロペンタジエニル又はそれらの誘導体の少なくとも1種である請求項1又は2に記載の薄膜用CVD原料。
- アルコキシドがメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシド、t−アミロキシドである請求項1〜3いずれか1項記載の薄膜用CVD原料。
- 請求項1〜4いずれか1項記載の薄膜用CVD原料を用いて溶液CVD法により成膜された薄膜。
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