JP3956650B2 - 記録クロック生成方法及び光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録再生可能なデータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブと、隣り合うグルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、ランド上にはグルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクを用いて、グルーブにデータを記録する際にデータを送り出すための記録クロックを電圧可変発振器を有するPLL回路により生成する記録クロック生成方法及び光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクは、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を円盤状のディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録及び/又は再生でき、しかも所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
一方、情報信号をより一層高密度に記録再生できる光ディスク及び光ディスク装置が要求され、この要求を満たすために各種の改善が行われており、この一例として、光ディスク上でトラックのトラック幅及びトラックピッチなどを狭めて情報信号への高密度化を図る方法が採用されている。これに伴って、狭いトラック幅及び狭いトラックピッチでもアドレス情報の読み取りや光ディスクへの回転制御を正確に得るために、所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブ(溝)と、隣り合うグルーブ間に位置するランドとを対にしたトラックが、ディスク基板上で最内周から最外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、ランド上にはグルーブに記録する情報信号への補助情報がランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成された光ディスク(DVD−R)を用い、この光ディスク上に形成されている同期信号が検出できない場合でも、記録データに対応する記録位置を設定することが可能な記録タイミング設定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置が、特開平11−273249号公報に開示されている。
【0004】
図10は従来の記録タイミング設定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置に適用される光ディスクを説明するために模式的に示した図である。
【0005】
図10に模式的に示した従来の光ディスク100は、上記した特開平11−273249号公報に開示された記録タイミング設定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置に適用されているものであり、この光ディスク100は情報信号の高密度記録再生を目的として、CD−R(CD−Recordable)に対して約7倍に記録容量を向上させたDVD−R(DVD−Recordable)に用いられている。
【0006】
上記した従来の光ディスク100は、所定の周波数成分のウォブル信号でウォブルされてデータ(情報信号)を記録するためのグルーブトラック101と、隣り合うグルーブトラック101間に位置するランドトラック102とが不図示のディスク基板上に螺旋状又は同心円状に形成されている。この際、グルーブトラック101のウォブルの振幅はトラッキングに影響を及ぼさないようにトラッキグ制御帯域に比べて十分高く設定されている。
【0007】
また、ランドトラック102上にはランドプリピット103が予め形成されており、このランドプリピット103はウォブル信号に対して所定の位相関係を有し、且つ、データを記録するためのアドレス情報などの補助情報が予め記録されている。
【0008】
また、光ディスク100はDVD−Rに適用されているために、データを記録するグルーブトラック101が予め情報単位としてのシンクフレームごとに分割されている。そして、26個のシンクフレームにより一つのレコーディングセクタが構成され、更に、16個のレコーディングセクタにより一つのECC(Error Correcting Code)ブロックが構成されている。なお、一つのシンクフレームは、データを記録する際の記録フォーマットにより規定されるピット間隔に対応する単位長さ(以下、Tという。)の1488倍(1488T)の長さを有しており、更に、一つのシンクフレームの先頭の14Tの長さの部分はシンクフレーム毎の同期をとるための同期情報SYとして用いられている。
【0009】
一方、光ディスク(DVD−R)100のランドトラック102上に形成されるランドプリピット103は、シンクフレームごとに形成されている。この際、夫々のシンクフレームにおける同期情報SYが記録される領域に隣接するランドトラック102上に、プリ情報における同期信号を示すものとして一つのランドプリピット103が形成されていると共に、当該同期情報SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分に隣接するランドトラック102上に、記録すべきプリ情報の内容を示すものとして一つ又は二つのランドプリピット103が形成されている(なお、同期情報SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分については、記録すべきプリ情報の内容によってはランドプリピット103が形成されない場合もある。)。更に、一つのレコーディングセクタにおいては、偶数番目のシンクフレーム(EVENフレーム)又は奇数番目のシンクフレーム(ODDフレーム)のいずれか一方のシンクフレームにランドプリピット103が形成されてプリ情報が記録すべき情報の内容に対応して設定されている。
【0010】
そして、上記した従来の記録タイミング設定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置では、グルーブトラック101によるウォブル信号は光ピックアップの半径方向に対し内周側のホト・ディテクタ(光電変換素子)及び外周側のホト・ディテクタ(光電変換素子)から得られた各信号の差分をとったラジアルプッシュプル信号をバンドパスフィルタに通すことによって検出される。このバンドパスフィルタの出力信号、即ち、ウォブル信号に同期して発振するPLL回路(位相同期ループ)の出力信号によってスピンドルモータをCLV制御するためのスピンドル制御信号及び記録すべきデータを定められたフォーマットで光ディスク上のグルーブトラック101に記録するための記録クロックを得る。
【0011】
また、PLL回路の出力信号からグルーブトラック101間のランドトラック102上に予め形成されたランドプリピット103によるランドプリピット信号を抜き取るためのゲート信号を得る。このランドプリピット信号からデータ記録開始/データ記録終了位置の検出を行い、またランドプリピット信号中のシンクビット(同期情報)によってデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得る。ここで個々のシンクビットはジッタを持っているためにそのタイミングはゆらいでいる。よって個々のシンクビットからデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを直接得るとジッタにより不正確なものとなる。また、シンクビットが検出できない場合、データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得ることが不可能になる。
【0012】
このように記録クロック及びデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得るための従来技術として特開平11−273249号公報によれば、ランドプリピット信号中のシンクビットの位置を平均化したタイミングパルスを得て、個々のシンクビット位置のジッタを平均化することによりゆらぎを取り除いたタイミングパルスを得ることが開示されている。また、シンクビットを検出できない場合、予測したタイミングにおいてデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得ることも開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の光ディスク100を用いてデータ(情報信号)を記録及び/又は再生する際に、データを記録するためのグルーブトラック101にアドレス情報を配置していないため、記録したデータが分断されることなく連続するので記録密度の低下がなく高密度記録が達成でき、且つ、光ディスク100のランドトラック102上に形成されているランドプリピット103中のシンクビット(同期情報)が検出できない場合でも、予測により記録データに対応する記録位置を設定することが可能なものの、上記したように、シンクビット位置を平均化してデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得るように構成された従来技術によれば、記録クロックを生成する記録クロック用のPLL回路とは別に、データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得るためのシンクビットタイミングの平均化及び予測回路を必要とするため、装置内の回路構成が複雑化している。
【0014】
そこで、データ記録時に、ウォブル信号とランドプリピット信号とから応答性の良い記録クロックを生成することができ、且つ、データを記録するグルーブ上でのデータ記録開始/データ記録終了のタイミングを精度良く確実に設定できる記録クロック生成方法及び光ディスク装置が望まれている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、記録再生可能なデータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクを用いて、前記データを前記グルーブに記録するための記録クロックを生成する記録クロック生成方法において、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から前記ウォブルによるウォブル信号を抽出する第1ステップと、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された前記反射光を光電変換した信号から前記ランドプリピットによるランドプリピット信号を抽出する第2ステップと、
前記ウォブル信号の位相と同相のウォブル位相データを生成して出力すると共に、前記ウォブル信号に同期した矩形のランドプリピットゲート信号を生成して出力する第3ステップと、
前記記録クロックを第1の所定数繰り返してカウントする第1のカウントデータを前記ウォブル位相データが出力されるタイミングでウォブルカウントデータとして出力する第4ステップと、
前記ウォブル位相データと前記ウォブルカウントデータとの位相差を演算し、ウォブル位相誤差データを出力する第5ステップと、
前記ランドプリピットゲート信号に基づいて、前記ランドプリピット信号からランドプリピットデータを生成し、このランドプリピットデータの中から特定のパターンを有するシンクビットを検出してシンクビットゲート信号を出力する第6ステップと、
前記シンクビットゲート信号中に前記シンクビットが出現した時に、前記記録クロックを前記第1の所定数をn倍した第2の所定数繰り返してカウントする第2のカウントデータをシンクビットカウントデータとして出力すると共に、前記シンクビットの位相を示すシンクビット位相取得信号を出力する第7ステップと、
前記シンクビットカウントデータと前記シンクビット位相取得信号との位相差が0となるように演算を行って、シンクビット位相誤差データを出力する第8ステップと、
前記ウォブル位相誤差データをフィルタリングして高域操作量データを得る第9ステップと、
前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして低域操作量データを得る第10ステップと、
前記高域操作量データと前記低域操作量データとを加算した後の操作量データから前記記録クロックを生成する第11ステップとを含み、
前記第6ステップにおいて前記ランドプリピットデータの中から前記シンクビットを除いてアドレス情報を検出し、且つ、前記第7ステップにおいて出力される前記シンクビットカウントデータのカウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルスを生成して出力し、前記アドレス情報が入力されたデータ記録開始アドレス/データ記録終アドレスに一致した結果と、前記データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスとにより前記データの記録開始/記録終了を行うことを特徴とする記録クロック生成方法である。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、記録再生可能なデータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクを用いて、電圧可変発振器から出力される記録クロックにより、前記データを前記グルーブに記録する光ディスク装置において、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から前記ウォブルによるウォブル信号を抽出するウォブル信号抽出手段と、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された前記反射光を光電変換した信号から前記ランドプリピットによるランドプリピット信号を抽出するランドプリピット信号抽出手段と、
前記ウォブル信号の位相と同相のウォブル位相データを生成して出力すると共に、前記ウォブル信号に同期した矩形のランドプリピットゲート信号を生成して出力するPLL回路手段と、
前記記録クロックを第1の所定数繰り返してカウントする第1のカウントデータを前記ウォブル位相データが出力されるタイミングでウォブルカウントデータとして出力するウォブル位相検出手段と、
前記ウォブル位相データと前記ウォブルカウントデータとの位相差を演算し、ウォブル位相誤差データを出力するウォブル位相比較手段と、
前記ランドプリピットゲート信号に基づいて、前記ランドプリピット信号からランドプリピットデータを生成し、このランドプリピットデータの中から特定のパターンを有するシンクビットを検出してシンクビットゲート信号を出力すると共に、前記ランドプリピットデータの中から前記シンクビットを除いてアドレス情報を検出して出力するランドプリピットデータ復調手段と、
前記シンクビットゲート信号中に前記シンクビットが出現した時に、前記記録クロックを前記第1の所定数をn倍した第2の所定数繰り返してカウントする第2のカウントデータをシンクビットカウントデータとして出力すると共に、前記シンクビットの位相を示すシンクビット位相取得信号を出力し、更に、前記シンクビットカウントデータのカウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルスを生成して出力するシンクビット位相検出手段と、
前記シンクビット位相誤差データと前記シンクビット位相誤差取得信号との位相差が0となるように演算を行って、シンクビット位相誤差データを出力するシンクビット位相比較手段と、
前記ウォブル位相誤差データをフィルタリングして高域操作量データを得る第1のループフィルタと、
前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして低域操作量データを得る第2のループフィルタと、
前記高域操作量データと前記低域操作量データとを加算した後の操作量データから前記記録クロックを生成する電圧可変発振手段と、
前記アドレス情報が入力されたデータ記録開始アドレス/データ記録終アドレスに一致した結果と、前記データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスとにより前記データの記録開始/記録終了を行わせる手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置の一実施例を図1乃至図9を参照して項目順に詳細に説明する。
【0020】
本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置を説明する前に、ここで適用される光ディスクについて説明する。
【0021】
<光ディスク>
図1は本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置に適用される光ディスクを説明するための斜視図である。
【0022】
図1に示した如く、本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置に適用される光ディスク1は、厚さが例えば略0.6mm程度の透明なディスク基板2を円盤状に形成し、このディスク基板2の一方の面側に所定の周波数でsineカーブ又はcosineカーブ状にウォブル(蛇行)したグルーブ3と、隣り合うグルーブ3,3間に位置するランド4とを対にしたトラックが、ディスク基板2上で最内周から最外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、ランド4上にはグルーブ3に記録するデータへのアドレス情報(同期情報,トラックアドレス情報),訂正用パリティなどの補助情報がランドプリピット5として所定の間隔を保って予め形成されている。
【0023】
尚、グルーブ3及びランド4の形状は、一般的にグルーブ3が凹状に形成されランド4は凸状に形成されているものの、ビームスポットBを照射する面が反転すれば両者の凹凸関係が逆転するために、グルーブ3及びランド4の凹凸形状は、いずれか一方を凹状に形成し、他方を凸状に形成すれば良いものである。
【0024】
更に、後述するように、所定数のランドプリピット5に対応してデータへの記録ブロック単位(ECCブロック)が割り当てられている。
【0025】
この際、グルーブ3はデータを記録するための記録用トラックとなっており、一方、ランド4上に形成したランドプリピット5は補助情報としてアドレス情報,訂正用パリティなどがピット形態で予め形成されている。
【0026】
また、グルーブ3及びランド4上には、相変化材料を用いた相変化記録層6と、Al(アルミニュウム),Au(金)などを用いた金属反射層7と、保護層8とが順次成膜され、更に、保護層8側に厚さが略0.6mm程度の補強基板9を接着材を用いて貼り合わせて、合計厚さが1.2mmの光ディスク1が形成されている。
【0027】
従って、光ディスク1は、グルーブ3上に成膜した相変化記録層6によりデータの書き換えが可能となっている。
【0028】
そして、透明なディスク基板2の他方の面側から一つのグルーブ3と、このグルーブ3の両側に隣接するランド4,4とにビームスポットBを照射して、ビームスポットBがディスク基板2,相変化記録層6を通って金属反射層7で反射された戻りの反射光を、後述する光ディスク記録再生装置20(図5)内に設けた光ピックアップ24内の4分割型のホト・ディテクタ24d(図5,図6)を用いて検出している。
【0029】
尚、光ディスク1への更なる記録密度の向上のためにデータ読取り側に位置するディスク基板2の厚みを薄くする必要が生じた場合には、図示を省略するものの、厚さが0.5mm〜1.1mm程度の厚いディスク基板2にグルーブ3とランド4とを対にしたトラックを螺旋状又は同心円状に形成し、これらのグルーブ3及びランド4上に金属反射層7,相変化記録層6を順に成膜した後、相変化記録層6側に厚さが0.1mm〜0.2mm程度の薄い透明フィルムを透明接着材で接着し、この薄い透明フィルム側からビームスポットBを照射するように光ディスク1を形成する方法もある。
【0030】
次に、光ディスク1のランド4上に予め形成したランドプリピット5を中心に図2乃至図4を用いて説明する。
【0031】
図2は図1に示した光ディスクにおいて、(a)はグルーブ,ランド,ランドプリピットの形状を模式的に示した図であり、(b)はランドプリピットを検出した時のランドプリピット信号の波形を示した図、
図3は図1に示した光ディスクにおいて、グルーブの同期フレーム内の信号形態を示した図、
図4は図1に示した光ディスクにおいて、ランド上に形成したランドプリピットの種類を説明するための図である。
【0032】
図2(a)に示した如く、光ディスク1上では、複数のグルーブ3がトラッキグ制御帯域に比べて十分高い所定の周波数でディスク円周方向に沿ってウォブルされており、且つ、グルーブ3の一つの同期フレーム周期は例えば8ウォブル周期に設定されている。また、隣り合うグルーブ3,3間のランド4上に形成したランドプリピット5は、グルーブ3のウォブル周期,同期フレーム周期に対して所定の位相関係を保って設けられている。これに伴って、ランドプリピット5によるシンクビット(同期情報)はウォブル8周期(8個のウォブル)ごとに設定されている。
【0033】
尚、図2(a)に示したグルーブ3は、両側共にウォブルされているが、これに限らず、グルーブ3の片側のみをウォブルさせても良い。
【0034】
そして、ビームスポットBで一つのグルーブ3をトラッキングしながら走査した時に、一つのグルーブ3の両側に位置するランド4,4上にそれぞれ形成したランドプリピット5,5を4分割型のホト・ディテクタ24d(図5,図6)を用いてラジアルプッシュプル法により検出したランドプリピット信号は、図2(b)に示したように、例えばグルーブ3の外周側に連接したランドプリピット5aによるランドプリピット信号が正極性の出力となり、一方、グルーブ3の内周側に連接したランドプリピット5bによるランドプリピット信号は負極性の出力となるが、少なくとも一方の極性のランドプリピットを用いれば良いものである。
【0035】
また、グルーブ3の一つの同期フレーム周期と対応する一つの同期フレームは、図3に示したように、同期信号SYと、データを記録するデータ領域Dとで構成されている。
【0036】
また、グルーブ3に記録されるデータのデータフォーマットは、周知のDVD(Digital Versatile Disc)と同様に、26個の同期フレーム(シンクフレーム)で一つのセクタ(レコーディングセクタ)が構成されていると共に、一つのECC(Error Correcting Code)ブロックがDVDと同様に16セクタで構成されるか、又はDVDの2倍の32セクタで構成されている。
【0037】
また、ランドプリピット5は、図4に示したように、3ビット(b2,b1,b0)を用いた組み合わせにより4種類のコードデータが設定されており、3ビット(b2,b1,b0)の配列は連続した3つのウォブル中でウォブル周期に同期した各ウォブルの所定位置に合計で3か所設定されている。
【0038】
この際、ランドプリピット5の3ビット(b2,b1,b0)の配列は、例えばEVENフレームのプリピット同期信号1が(1,1,1)に、ODDフレームのプリピット同期信号2は(1,1,0)に、プリピットデータ=1は(1,0,1)に、プリピットデータ=0は(1,0,0)に設定されている。
【0039】
従って、各ランドプリピット5は、4種類のうちのいずれか1つが必ず付与されていると共に、4種類のランドプリピット5はビット(先頭ビット)b2が共通して“1”に設定されており、プリピット同期信号1及びプリピット同期信号2についてはビットb1が共に“1”であることにより同期情報SYであるとして認識され、更に、ビットb0が“1”か“0”かを認識することにより1ビットのデータとして扱うことができる。
【0040】
<光ディスク記録方法、光ディスク装置>
図5は本発明に係る光ディスク装置の構成を示したブロック図、
図6は本発明に係る光ディスク装置において、光ディスク上に照射したビームスポットによる光ディスクからの反射光を4分割型のホト・ディテクタで検出する状態を模式的に示した図、
図7は本発明に係る光ディスク装置において、データ記録時の各信号波形を示した図、
図8は本発明に係る光ディスク装置において、ウォブルループフィルタ特性と、シンクビットループフィルタ特性とを示した図、
図9は本発明に係る光ディスク装置において、シンクビットループフィルタ演算器の内部構成を示した図である。
【0041】
図5に示した如く、本発明に係る光ディスク装置20は、先に説明した書き換え可能な光ディスク1を用いてデータを光ディスク1に形成したグルーブ3(図1,図2)に記録したり、グルーブ3に記録した記録済みのデータを再生できるように構成されている。
【0042】
上記した光ディスク装置20では、スピンドルモータ21の軸に固着したターンテーブル22上に前記した光ディスク1が回転自在に装着されている。また、レーザー駆動回路23と接続した光ピックアップ24が光ディスク1と対向してこの光ディスク1の径方向に移動自在に設けられている。この光ピックアップ24は、内部に設置した半導体レーザ24aからのレーザー光をビームスプリッタ24bを介して対物レンズ24cにより絞り込んだビームスポットBを光ディスク1に形成したグルーブ3(図1,図2)及びランド4(図1,図2)上に照射すると共に、光ディスク1上に照射したビームスポットBが光ディスク1の金属反射層7(図1)で反射された戻りの反射光を対物レンズ24c及びビームスプリッタ24bを介して4分割型のホト・ディテクタ24dで検出している。
【0043】
また、光ピックアップ24内の対物レンズ24cからビームスポットBを光ディスク1上のグルーブ3及びランド4に照射する時に、図示しないトラッキング手段によりビームスポットBをグルーブ3に対してトラッキングをかけ、且つ、図示しないフォーカス手段によりビームスポットBを光ディスク1上のグルーブ3に合焦させている。
【0044】
この際、上記したレーザー駆動回路23は、データ記録時に記録すべきデータを強い記録レーザーパワーのもとで変調して記録パルスを得て、この記録パルスに応じた記録電流を光ピックアップ24内の半導体レーザー24aに印加し、一方、データ再生時に弱い再生レーザーパワーのもとで一定値の電流を光ピックアップ24内の半導体レーザー24aに印加している。
【0045】
ここで、図6に示した如く、光ピックアップ24内に設けた4分割型のホト・ディテクタ24dは略矩形状に形成されており、光ディスク1の半径方向に沿った直線とグルーブ方向(トラック方向)に沿った直線とで全受光領域が4等分に分割されているものの、このホト・ディテクタ24d上に結像した光ディスク1からの戻りの反射光を光電変換する際に、光ディスク1の外周側の2つの受光領域A及び受光領域Bの組みと、内周側の2つの受光領域C及び受光領域Dの組みとで2つの組みに分けられて、光ディスク1の記録トラック方向に沿った直線に対して外周側と内周側とに2分割した状態になっている。
【0046】
図5に戻り、光ディスク1を回転させて、データ記録時の記録レーザーパワーによるビームスポットB又はデータ再生時の再生レーザーパワーによるビームスポットBをグルーブ3上に膜付けした相変化記録層6(図1)に照射した時に、光ディスク1からの反射光をピックアップ24内のホト・ディテクタ24dで受光し、このホト・ディテクタ24dで光電変換された信号がRF信号生成回路25と、ラジアルプッシュプル信号生成回路27とにそれぞれ入力されている。
【0047】
上記したRF信号生成回路25では、データ再生時に光ディスク1上に照射した再生レーザーパワーによるビームスポットBの光ディスク1からの反射光を図6に示した4分割型のホト・ディテクタ24dで受光し、このホト・ディテクタ24dの受光領域A〜受光領域Dで受光した各受光出力を全て加算した(A+B+C+D)信号によるRF信号25aを得て、このRF信号25aをデータ再生回路26に送出して、このデータ再生回路26内でグルーブ3に記録した記録済みのデータを再生してこのデータ26aを出力しているが、データ再生時の説明は本発明とは直接関係ないので、これ以上の説明を省略する。
【0048】
次に、本発明の要部となるデータ記録時に記録クロックを生成する場合について以下詳述する。
【0049】
上記したラジアルプッシュプル信号生成回路27では、データ記録時に光ディスク1上に照射した記録レーザーパワーによるビームスポットBの光ディスク1からの反射光を図6に示した4分割型のホト・ディテクタ24dで受光し、このホト・ディテクタ24dの受光領域A,Bで受光した各受光出力A,Bの加算値(A+B)から、ホト・ディテクタ24dの受光領域C,Dで受光した各受光出力C,Dの加算値(C+D)を減算して{(A+B)−(C+D)}からなるラジアルプッシュプル信号27aを得て、このラジアルプッシュプル信号27aをAD変換器28と、ランドプリピット信号検出用コンパレータ31とに分岐して送出している。
【0050】
この際、ラジアルプッシュプル信号生成回路27で得られたラジアルプッシュプル信号27aは、図7(a)に示したように、グルーブ3を所定の周波数でsineカーブ又はcosineカーブ状にウォブル(蛇行)させたウォブル信号と、ランド4上に所定の間隔で予め形成したランドプリピット5によるランドプリピット信号とがアナログ的に重畳された状態で得られている。
【0051】
ここで、まず、ラジアルプッシュプル信号生成回路27で得られたラジアルプッシュプル信号27aからウォブル信号を抽出するにあたって、AD変換器28ではここに入力されたアナログ・ラジアルプッシュプル信号27aをAD変換してディジタル・ラジアルプッシュプル信号28aをウォブルバンドパスフィルタ29に送出している。
【0052】
この後、ウォブルバンドパスフィルタ29ではここに入力されたディジタル・ラジアルプッシュプル信号28aに対して、ウォブル周波数が中心周波数となるディジタル・バンドパスフィルタで抜き出すことにより、図7(b)に示したようなウォブル信号29aをディジタル的に抽出して、このウォブル信号29aを第1のPLL回路30に送出している。この際、ウォブル信号29aは、ウォブルバンドパスフィルタ29によってランドプリピット5によるランドプリピット信号の影響を除去された信号である。
【0053】
上記した第1のPLL回路30はディジタルPLLで構成されており、内部に設けた図示しないディジタル電圧可変発振器(VCO)によりここに入力されたウォブル信号29aの位相と同相の発振位相データであるウォブル位相データ30aを生成して、このウォブル位相データ30aを後述する第2のPLL回路40内のウォブル位相検出器41及びこの後段のウォブル位相比較器42に送出している。更に、第1のPLL回路30内では、入力されたウォブル信号29aに同期して、正の半周期ではHレベルとなり、負の半周期ではLレベルとなるようなランドプリピットゲート信号30bを図7(c)に示したように生成して、このランドプリピットゲート信号30bを後述するランドプリピットデータ復調回路32に送出している。
【0054】
次に、ラジアルプッシュプル信号生成回路27で得られたラジアルプッシュプル信号27aからランドプリピット信号を抽出するにあたって、ランドプリピット信号検出用コンパレータ31はここに入力されたラジアルプッシュプル信号27aに対してウォブル信号の振幅値よりも大きな値に予め設定した所定値でスライスすることで、パルス状のランドプリピット信号31aを図7(d)に示したように抽出して、このランドプリピット信号31aをランドプリピットデータ復調回路32と、後述する第2のPLL回路40内のシンクビット位相検出器44とにそれぞれ送出している。
【0055】
この後、ランドプリピットデータ復調回路32では、ランドプリピット信号検出用コンパレータ31から送られたランドプリピット信号31aに対して、第1のPLL回路30から送られたランドプリピットゲート信号30bに基づいて図7(e)に示したようなランドプリピットデータを生成している。即ち、ランドプリピットデータは、ランドプリピットゲート信号30bがH(ハイ)の期間中にランドプリピット信号31aがあればデータ“1”となり、一方、H(ハイ)の期間中にランドプリピット信号31aがなければデータ“0”となる。
【0056】
そして、このようにして得られたランドプリピットデータから特定パターンを有するシンクビット(同期情報)を検出することによりシンクビットゲート信号32aを後述する第2のPLL回路40内のシンクビット位相検出器44に送出し、一方、ランドプリピットデータからシンクビット(同期情報)を除いたアドレス情報32bをアドレス一致検出回路33に送出し、このアドレス一致検出回路33で予め入力したデータ記録開始アドレス/データ記録終了アドレスの一致を検索して、この結果を後述するデータパルス生成回路50に知らせている。
【0057】
次に、本発明の要部を構成する第2のPLL回路40もディジタルPLLで構成されており、ここで、第2のPLL回路40の内部構成は、ウォブル信号回路系統(ウォブル位相検出器41,ウォブル位相比較器42,ウォブルループフィルタ演算器43)と、ランドプリピットデータによるシンクビット回路系統(シンクビット位相検出器44,シンクビット位相比較器45,シンクビットループフィルタ演算器46)とに分岐され、更に、ウォブル信号回路系統とシンクビット回路系統とでそれぞれ処理された各信号を合成して処理する合成回路系統(操作量加算演算器47,DA変換器48,アナログ電圧可変発振器49)とで構成されている。
【0058】
まず、第2のPLL回路40内のウォブル信号回路系統において、ウォブル位相検出器41では第1のPLL回路30からウォブル位相データ30aが送られており、且つ、アナログ電圧可変発振器(VCO)49から記録クロック49aがフィードバックされている。ここで、記録クロック49aの周期Tとウォブル周期とは、記録フォーマット上で規定されており、記録クロック周期Tの186周期をウォブルの1周期とした場合、ウォブル位相検出器41内に設けた分周器(図示せず)は記録クロック49aを繰り返し186カウントする分周カウンタデータを第1のPLL回路30からのウォブル位相データ30aが出力されるタイミングで保持し、ウォブルカウントデータ41aとしてウォブル位相比較器42に送出している。
【0059】
この後、ウォブル位相比較器42では、ウォブル位相検出器41からのウォブルカウントデータ41aが得られるタイミングで、第1のPLL回路30からのウォブル位相データ30aとウォブルカウントデータ41aとの位相差を計算することにより、ウォブル位相誤差データ42aを得て、このウォブル位相誤差データ42aをウォブルループフィルタ演算器43に送出している。
【0060】
この後に、ウォブルループフィルタ演算器43では、ウォブル位相比較器42からのウォブル位相誤差データ42aに対して周波数特性が平坦になるような比例ゲインを乗算することで、ウォブルループフィルタ演算器43の入出力周波数特性が図8に示したようなウォブルループフィルタ特性(a)となり、このウォブルループフィルタ特性(a)に沿った高域操作量データ43aを得て、この高域操作量データ43aを後述する操作量加算演算器47に送出している。この際、ウォブルループフィルタ演算器43で得られた高域操作量データ43aは、アナログ電圧可変発振器(VCO)49に対して高域成分を支配するような制御データである。
【0061】
一方、ウォブル周期とランドプリピットのシンクビット(同期情報)とは記録フォーマット上で規定されており、ウォブル8周期毎にシンクビットがあるとすると、前述の記録クロック49aとウォブルとの関係より、記録クロック49aとランドプリピット5中のシンクビットとは、186×8=1488となり、記録クロック1488周期毎にランドプリピット5中のシンクビットが現れることになる。
【0062】
よって、第2のPLL回路40内のランドプリピットデータによるシンクビット回路系統において、シンクビット位相検出器44では、ランドプリピット信号検出用コンパレータ31からランドプリピット信号31aが送られており、且つ、ランドプリピットデータ復調回路32からシンクビットゲート信号32aが送られていると共に、アナログ電圧可変発振器(VCO)49から記録クロック49aがフィードバックされている。ここでは、シンクビット位相検出器44内に設けた分周器(図示せず)で記録クロック49aを1488カウントし、0から1487までを繰り返しカウントしているカウントデータをシンクビットゲート信号32aにランドプリピット信号31a中のシンクビットが現れた時、シンクビットカウントデータ44aとして保持し、このシンクビットカウントデータ44aをシンクビット位相取得信号44bと共にシンクビット位相比較器45に送出している。また、シンクビット位相検出器44内に設けた分周器(図示せず)は、記録クロック49aを0から1487まで繰り返カウントし、カウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルス44cを発生し、このタイミングパルス44cを後述するデータパルス生成回路50に送出している。従って、データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルス44cを精度良く確実に設定できる。
【0063】
この後、シンクビット位相比較器45は、シンクビット位相検出器44からのシンクビット位相取得信号44bが入力された時のみ位相誤差演算を実行し、シンクビット位相検出器44からのシンクビットカウントデータ44aがゼロの時に位相誤差がゼロとなるよう位相誤差演算を行う。よってシンクビットカウントデータ44aが744以下であれば符号を反転し、シンクビットカウントデータ44aが744より大であれば{1488−(シンクビットカウントデータ)}となる位相誤差演算を行い、シンクビット位相誤差データ45aとシンクビット位相誤差取得信号45bとをシンクビットループフィルタ演算器46に送出している。
【0064】
この後、シンクビットループフィルタ演算器46では、シンクビット位相比較器45からのシンクビット位相誤差取得信号45bが得られた時のみフィルタ演算を行う。ここで、シンクビットループフィルタ演算器46について図9を用いて説明する。
【0065】
図9に示したシンクビットループフィルタ演算器46では、シンクビット位相比較器45から送られたシンクビット位相誤差データ45aを、シンクビット位相誤差取得信号45bが得られた時に積算した後、積分ゲインKIを乗じることによって、シンクビットループフィルタ演算器46の入出力周波数特性が図8に示したように周波数が高くなるほどゲインが低下するようなシンクビットループフィルタ特性(b)となり、このシンクビットループフィルタ特性(b)に沿った低域操作量データ46aを得て、この低域操作量データ46aを後述する操作量加算演算器47に送出している。この際、シンクビットループフィルタ演算器46で得られた低域操作量データ46aは、アナログ電圧可変発振器(VCO)49に対して低域成分を支配するような制御データである。
【0066】
尚、ランドプリピットデータ復調回路32から送られたシンクビットゲート信号32a中にシンクビットが現れない場合は、シンクビット位相検出器44からシンクビット位相取得信号44bが現れないために後段のシンクビット位相比較器45及びシンクビットループフィルタ演算器46はデータの更新を行わず、低域操作量が保持される。
【0067】
このようにシンクビットループフィルタ演算器46は、完全積分型であるためシンクビットとシンクビット位相検出器44内で記録クロック49aを1488カウントする分周器がゼロの時に出力されるデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルス44cとの位相誤差がゼロになるように第2のPLL回路40を動作させ、シンクビットゲート信号32a中にシンクビットが現れない場合においても、シンクビット位相検出器44内で記録クロック49aを1488分周するカウンタがゼロの時にデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルス44cを発生している。
【0068】
また、個々のシンクビット(同期情報)の位置は、従来技術で説明したようにジッタを持っているためタイミングが変動するが、第2のPLL回路40内に設けたシンクビットループフィルタ演算器46による積分動作により、データ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルス44cはシンクビット位置の平均的に現れる位置を示すことになり、個々のシンクビットのジッタの影響を受けることはない。
【0069】
次に、第2のPLL回路40内でのウォブル信号回路系統とランドプリピットデータによるシンクビット回路系統とを合わせた合成回路系統において、操作量加算演算器47では、ウォブルループフィルタ演算器43から送られた高域操作量データ43aと、シンクビットループフィルタ演算器46から送られた低域操作量データ46aとを加算することにより、VCOディジタル操作量データ47aを得て、このVCOディジタル操作量データ47aをDA変換器48に送出している。
【0070】
この際、VCOディジタル操作量データ47aは、図8に示すようにウォブルループフィルタ特性(a)と、シンクビットループフィルタ特性(b)とが交差する点の周波数F0より高い周波数においてはウォブル位相誤差信号42aから得られる高域操作量データ43aが支配的であり、周波数F0より低い周波数においてはシンクビット位相誤差データ45aから得られる低域操作量データ46aが支配的となる。
【0071】
この後、DA変換器48は操作量加算演算器47から送られたVCOディジタル操作量データ47aをDA変換してVCOアナログ操作量データ48aをアナログ電圧可変発振器(VCO)49に送出する。
【0072】
そして、アナログ電圧可変発振器(VCO)49は、DA変換器48から送られたVCOアナログ操作量データ48aにより制御されて応答性の良い記録クロック49aを生成している。そして、ここで生成した記録クロック49aは前述したようにウォブル位相検出器41及びシンクビット位相検出器44にフィードバックされることで第2のPLL回路40を構成すると共に、記録クロック49aを下記するデータパルス生成回路50に送出している。
【0073】
次に、データパルス生成回路50では、記録したいデータが入力され、このデータはシンクビット位相検出器44からのタイミングパルス44cによってデータ記録開始/データ記録終了のタイミングを設定された上で、アナログ電圧可変発振器(VCO)49からの記録クロック49aによってデータパルス50aをレーザー駆動回路23に送出している。
【0074】
この後、レーザー駆動回路23ではデータパルス生成回路50から送られたデータパルス50aを記録レーザーパワーで変調して記録パルス23aを生成し、この記録パルス23aに対応した記録電流を光ピックアップ24内の半導体レーザー24aに供給することで、記録パルス23aに対応したビームスポットBを光ディスク1上のグルーブ3に照射してデータを記録している。
【0075】
上述した如く、本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置では、とくに、ウォブル位相誤差信号42aをウォブルループフィルタ演算器(第1のループフィルタ)43によりフィルタリングしてアナログ電圧可変発振器49への高域操作量を得ると共に、シンクビット位相誤差データ45aをシンクビットループフィルタ演算器(第2のループフィルタ)46によりフィルタリングしてアナログ電圧可変発振器49への低域操作量を得て、両ループフィルタ43,46でそれぞれ得られた高域操作量と低域操作量とを加算した後の操作量をアナログ電圧可変発振器49に供給しているので、アナログ電圧可変発振器49から出力される記録クロック49aはウォブル信号に同期し、且つ、低域から高域に亘る全周波数に亘って応答性が良い。
【0076】
また、第2のPLL回路40は、ウォブル信号29aに同期し、且つ、ランドプリピット信号31aのシンクビットに同期したデータ記録開始/データ記録終了のタイミングパルス44cを発生させて動作するため、光ディスク1上においてデータ記録開始/データ記録終了の位置を正確に設定できる。
【0077】
尚、実施例においては、第2のPLL回路40に入力されるウォブル位相データ30aを第1のPLL回路30より得ているが、本発明の変形例として、ウォブルバンドパスフィルタ29の出力から位相演算を行いウォブル位相データを得ることもできる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置によると、所定の周波数でウォブルしたグルーブと、隣り合うグルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックが形成され、且つ、ランド上にはグルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクのグルーブにデータを記録する際に、とくに、ウォブル位相誤差データを第1のループフィルタによりフィルタリングして電圧可変発振器への高域操作量を得ると共に、シンクビット位相誤差データを第2のループフィルタによりフィルタリングして電圧可変発振器への低域操作量を得て、両ループフィルタでそれぞれ得られた高域操作量と低域操作量とを加算した後の操作量を電圧可変発振器に供給しているので、電圧可変発振器から出力される記録クロックはウォブル信号に同期し、且つ、低域から高域に亘る全周波数に亘って応答性が良い。
更に、第6ステップ(ランドプリピットデータ復調手段)においてランドプリピットデータの中からシンクビットを除いてアドレス情報を検出し、且つ、第7ステップにおいて(シンクビット位相検出手段から)出力されるシンクビットカウントデータのカウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルスを生成して出力し、アドレス情報が入力されたデータ記録開始アドレス/データ記録終アドレスに一致した結果と、データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスとによりデータの記録開始/記録終了を行っているので、データ記録開始/データ記録終了の位置を正確に設定した上でデータを光ディスクに良好に記録でき、しかも、データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスを得るためのシンクビットタイミングの平均化及び予測回路を必要としないために、回路構成が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録クロック生成方法及び光ディスク装置に適用される光ディスクを説明するための斜視図である。
【図2】図1に示した光ディスクにおいて、(a)はグルーブ,ランド,ランドプリピットの形状を模式的に示した図であり、(b)はランドプリピットを検出した時のランドプリピット信号の波形を示した図である。
【図3】図1に示した光ディスクにおいて、グルーブの同期フレーム内の信号形態を示した図である。
【図4】図1に示した光ディスクにおいて、ランド上に形成したランドプリピットの種類を説明するための図である。
【図5】本発明に係る光ディスク装置の構成を示したブロック図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置において、光ディスク上に照射したビームスポットによる光ディスクからの反射光を4分割型のホト・ディテクタで検出する状態を模式的に示した図である。
【図7】本発明に係る光ディスク装置において、データ記録時の各信号波形を示した図である。
【図8】本発明に係る光ディスク装置において、ウォブルループフィルタ特性と、シンクビットループフィルタ特性とを示した図である。
【図9】本発明に係る光ディスク装置において、シンクビットループフィルタ演算器の内部構成を示した図である。
【図10】従来の記録タイミング設定方法及び記録タイミング設定装置並びに情報記録方法及び情報記録装置に適用される光ディスクを説明するために模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…ディスク基板、3…グルーブ、4…ランド、
5…ランドプリピット、5a…先頭ランドプリピット、6…相変化記録層、
20…実施例の光ディスク装置、
21…スピンドルモータ、22…ターンテーブル、
23…レーザー駆動回路、
24…光ピックアップ、24a…半導体レーザ、24b…ビームスプリッタ、
24c…対物レンズ、24d…ホト・ディテクタ、
25…RF信号生成回路、26…データ再生回路、
27…ラジアルプッシュプル信号生成回路、AD変換器、
29…第1のループフィルタ(ウォブルバンドパスフィルタ)、
30…第1のPLL回路、
31…ランドプリピット信号検出用コンパレータ、
32…ランドプリピットデータ復調回路、
40…第2のPLL回路、
41…ウォブル位相検出器、42…ウォブル位相比較器、
43…ウォブルループフィルタ演算器、
44…シンクビット位相検出器、45…シンクビット位相比較器、
46…第2のループフィルタ(シンクビットループフィルタ演算器)、
47…操作量加算演算器、48…DA変換器、
49…アナログ電圧可変発振器(VCO)、50…データパルス生成回路、
B…ビームスポット、D…データ領域。
Claims (2)
- 記録再生可能なデータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクを用いて、前記データを前記グルーブに記録するための記録クロックを生成する記録クロック生成方法において、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から前記ウォブルによるウォブル信号を抽出する第1ステップと、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された前記反射光を光電変換した信号から前記ランドプリピットによるランドプリピット信号を抽出する第2ステップと、
前記ウォブル信号の位相と同相のウォブル位相データを生成して出力すると共に、前記ウォブル信号に同期した矩形のランドプリピットゲート信号を生成して出力する第3ステップと、
前記記録クロックを第1の所定数繰り返してカウントする第1のカウントデータを前記ウォブル位相データが出力されるタイミングでウォブルカウントデータとして出力する第4ステップと、
前記ウォブル位相データと前記ウォブルカウントデータとの位相差を演算し、ウォブル位相誤差データを出力する第5ステップと、
前記ランドプリピットゲート信号に基づいて、前記ランドプリピット信号からランドプリピットデータを生成し、このランドプリピットデータの中から特定のパターンを有するシンクビットを検出してシンクビットゲート信号を出力する第6ステップと、
前記シンクビットゲート信号中に前記シンクビットが出現した時に、前記記録クロックを前記第1の所定数をn倍した第2の所定数繰り返してカウントする第2のカウントデータをシンクビットカウントデータとして出力すると共に、前記シンクビットの位相を示すシンクビット位相取得信号を出力する第7ステップと、
前記シンクビットカウントデータと前記シンクビット位相取得信号との位相差が0となるように演算を行って、シンクビット位相誤差データを出力する第8ステップと、
前記ウォブル位相誤差データをフィルタリングして高域操作量データを得る第9ステップと、
前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして低域操作量データを得る第10ステップと、
前記高域操作量データと前記低域操作量データとを加算した後の操作量データから前記記録クロックを生成する第11ステップとを含み、
前記第6ステップにおいて前記ランドプリピットデータの中から前記シンクビットを除いてアドレス情報を検出し、且つ、前記第7ステップにおいて出力される前記シンクビットカウントデータのカウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルスを生成して出力し、前記アドレス情報が入力されたデータ記録開始アドレス/データ記録終アドレスに一致した結果と、前記データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスとにより前記データの記録開始/記録終了を行うことを特徴とする記録クロック生成方法。 - 記録再生可能なデータ領域を有して片側又は両側を所定の周波数でウォブル(蛇行)したグルーブと、隣り合う前記グルーブ間に位置したランドとを対にしたトラックがディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成され、且つ、前記ランド上には前記グルーブに記録するデータへのアドレス情報などがランドプリピットとして所定の間隔を保って予め形成されている光ディスクを用いて、電圧可変発振器から出力される記録クロックにより、前記データを前記グルーブに記録する光ディスク装置において、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された反射光を光電変換した信号から前記ウォブルによるウォブル信号を抽出するウォブル信号抽出手 段と、
前記光ディスクに記録用のビームスポットを照射して該光ディスクで反射された前記反射光を光電変換した信号から前記ランドプリピットによるランドプリピット信号を抽出するランドプリピット信号抽出手段と、
前記ウォブル信号の位相と同相のウォブル位相データを生成して出力すると共に、前記ウォブル信号に同期した矩形のランドプリピットゲート信号を生成して出力するPLL回路手段と、
前記記録クロックを第1の所定数繰り返してカウントする第1のカウントデータを前記ウォブル位相データが出力されるタイミングでウォブルカウントデータとして出力するウォブル位相検出手段と、
前記ウォブル位相データと前記ウォブルカウントデータとの位相差を演算し、ウォブル位相誤差データを出力するウォブル位相比較手段と、
前記ランドプリピットゲート信号に基づいて、前記ランドプリピット信号からランドプリピットデータを生成し、このランドプリピットデータの中から特定のパターンを有するシンクビットを検出してシンクビットゲート信号を出力すると共に、前記ランドプリピットデータの中から前記シンクビットを除いてアドレス情報を検出して出力するランドプリピットデータ復調手段と、
前記シンクビットゲート信号中に前記シンクビットが出現した時に、前記記録クロックを前記第1の所定数をn倍した第2の所定数繰り返してカウントする第2のカウントデータをシンクビットカウントデータとして出力すると共に、前記シンクビットの位相を示すシンクビット位相取得信号を出力し、更に、前記シンクビットカウントデータのカウントが0のタイミングでデータ記録開始/データ記録終了を決めるためのタイミングパルスを生成して出力するシンクビット位相検出手段と、
前記シンクビット位相誤差データと前記シンクビット位相誤差取得信号との位相差が0となるように演算を行って、シンクビット位相誤差データを出力するシンクビット位相比較手段と、
前記ウォブル位相誤差データをフィルタリングして高域操作量データを得る第1のループフィルタと、
前記シンクビット位相誤差データをフィルタリングして低域操作量データを得る第2のループフィルタと、
前記高域操作量データと前記低域操作量データとを加算した後の操作量データから前記記録クロックを生成する電圧可変発振手段と、
前記アドレス情報が入力されたデータ記録開始アドレス/データ記録終アドレスに一致した結果と、前記データ記録開始/データ記録終了のタイミングパルスとにより前記データの記録開始/記録終了を行わせる手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
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