JP3956640B2 - エアーマッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被施療者である人体に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアーマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うエアーマッサージ機が知られている。従来のエアーマッサージ機は均一な厚さのエアー袋を膨張させて被施療者に対してもみ動作や圧迫動作を行うようにしたものや、あるいは、均一な厚さのエアー袋を膨張させ、このエアー袋によりエアー袋とは別の施療子を押すことで施療子を被施療者に押し付けるようしたものがある。
【0003】
上記従来例のうち均一な厚さのエアー袋を膨張させて被施療者に対してもみ動作や圧迫動作を行うようにした従来例においては、突出長さを大きくするためエアー袋を薄肉にする必要があり、このようにエアー袋を薄肉にすると被施療者に接する部分の硬さがもの足りなく感じられるという問題がある。
【0004】
また、均一な厚さのエアー袋を膨張させてエアー袋とは別の施療子を押すことで施療子を被施療者に押し付けるようにしたものにおいてはエアー独特のマッサージ感覚が乏しく、また、エアー袋とは別の施療子を別途固定する構造が必要となり、構造が複雑となるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、エアー袋の突出量を損なうことなくしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができ、また、エアー袋とは別の施療子を別途固定する構造が必要でないエアーマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るエアーマッサージ機は、エアーマッサージ椅子1に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋2を設けると共にこのエアー袋2が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部45a同士をそれぞれ谷底部45b部分で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部45aNが最外周に位置していると共に最小径の環状の山部45a1が最内周に位置しており、最小径の環状の山部45a1に囲まれた部分に、エアー袋2の被施療者に接する施療子3となる部分を配置し、施療子3となる部分の肉厚をエアー袋2の他の部分の肉厚よりも厚く形成したことを特徴とするものである。このように、エアー袋2の被施療者に接する施療子3となる部分の肉厚をエアー袋2の他の部分の肉厚よりも厚くすることで、蛇腹状をしたエアー袋2を膨張させて被施療者に向かって突出させ、エアー袋2の施療子3となる部分で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作する際、エアー袋2の突出量を損なうことなく肉厚の厚い施療子3となる部分でしっかりとしたエアーマッサージ感覚を出すことができるものである。
【0007】
また、エアーマッサージ椅子1に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋2を設けると共にこのエアー袋2が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部45a同士をそれぞれ谷底部45b部分で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部45aNが最外周に位置していると共に最小径の環状の山部45a1が最内周に位置しており、最小径の環状の山部45a1に囲まれた部分に、蛇腹状をした部分と異なる部材よりなる施療子3を取付けて成ることを特徴とするものであってもよい。このように、エアー袋2の被施療者に接する部分に蛇腹状をした部分と異なる部材よりなる施療子3を取付けることで、蛇腹状をしたエアー袋2を膨張させて被施療者に向かって突出させ、エアー袋2の施療子3となる部分で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作する際、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子3で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。
【0008】
また、蛇腹状をした部分に施療子3をインサート成形により取付けてあることが好ましい。このような構成とすることで、エアー袋2の主体を構成する蛇腹状の部分である蛇腹状部45に蛇腹状をした部分とは異なる部材の施療子3をインサート成形により取付けて一体化でき、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子3で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
エアーマッサージ椅子1は被施療者が座るための座部4と被施療者が背をもたれるための背部5とを有している座椅子タイプのものである。図1にはエアーマッサージ椅子1の全体を示す斜視図が示してあり、図2には分解斜視図が示してあり、図3には正面図が示してあり、図4には側面図が示してあり、図5には下面図が示してある。
【0011】
図2に示すように、座部4は台座8と、台座8に支持される座フレーム9と、座フレーム9に載設して取付けられる座体6と、座体6に被覆される座カバー7とにより構成してある。台座8には軸孔8aが設けてあり、この軸孔8aに取付け板52の下面部に垂設した軸10が回転自在に嵌め込み支持してあり、取付け板52は座フレーム9の下面部に固着具により固着してある。座体6には両端部に肘掛け部11を一体に形成してあり、本実施形態では両側に肘掛け部11を有する座体6をウレタンのような発泡合成樹脂による一体成形により形成してあり、座体6の一部又は全部を柔らかくしてクッション性を良くし且つ肘掛け部11を硬く形成して別途芯材がなくても安定した肘掛けができるようにしてある。座体6の成形時に座体6を形成する部分の一部又は全部と肘掛け部11を形成する部分とにおけるウレタンの充填量を調整することで上記のように一部を柔らかく、他の一部を硬くという成形ができる。図2、図7に示す実施形態においては、座体6の後部の臀部が当接する部分のみ柔らかくしてクッション性を良くし、座体6の前部は肘掛け部11と同じ硬さとしてあって、座体6の保形性を向上させているが、座体6全体が柔らかくてクッション性を向上させたものでもよい。
【0012】
図4、図7に示すように、座体6の上面部は前部が高く後部が低くなっていて座体6に座った際に臀部が後部の低い部分に位置して前にずれないように安定してすわることができるようになっている。そして、座体6の前部の後部に比べて高くなった部分を有効利用してエアー制御部13を収納配置してあり、添付図面に示す実施形態においては座体6の前部の高い部分の下面部には収納凹所12が設けてあり、収納凹所12内にエアー制御部13が配設してある。エアー制御部13は図6に示すようにボックス14内にエアーポンプ15、エアーバルブ16、制御回路17等のエアー制御に関連する部品を収納し、ボックス14の開口を蓋18で閉じて構成してあり、ボックス14に設けた取付け片14aを座フレーム9にねじのような固着具により取付けたもので、この座フレーム9に取付けたエアー制御部13を上記のように座フレーム9上に載設して取付ける座体6の前部の収納凹所12内に収納するようになっている。このようにウレタンのような発泡合成樹脂製の座体6内にエアー制御部13を収納することで、エアー制御部13で発生する音や振動を発泡合成樹脂製の座体6で吸収して不快感なくエアーマッサージが行えるようになっている。
【0013】
図2、図8乃至図10に示すように、背部5は背フレーム19と、背フレーム19に取付ける背体20と、背体20に取付けるヘッドレスト21と、背体20やヘッドレスト21に取付けるエアー袋2やエアー袋2aと、背体20を覆う背カバー22とで構成してある。
【0014】
背フレーム19は図2に示すように、下部に設けた突片23の孔23aと座フレーム9の後部に上方に向けて突設した突部24に設けた孔24aとを軸25により回動自在に軸支して取付けてあり、更に、ガススプリング26のシリンダー筒の後端を背フレーム19の下端に軸49により軸支し、ガススプリング26のロッドの先端を座フレーム9の前部下方に垂設した下向き突片28に軸により軸支してある。ガススプリング26は座フレーム9に取付けたレバー27を操作することでガススプリング26に内蔵するバルブを開閉するようになっており、レバー27を操作して背フレーム19(背部5)を座フレーム9(座部4)に対して回動して背フレーム19(背部5)の倒れ角度を自在に調整できるようになっており、背フレーム19(背部5)をほぼ水平状態まで倒すことができるようになっている。
【0015】
背体20は合成樹脂の一体成形により形成した成形品により形成してあって背フレーム19の前部にねじのような固着具により取付けてある。背体20の上部に係合部30となる凹部が上下方向に連続して複数設けてあり、係合部30の中央部に上下方向に長い中央の縦長孔31を設けると共に係合部30の両側に上下方向に長い側部の縦長孔32を設けてある。
【0016】
背体20の前面部の中央部には指挟み防止板50がクリップ60により上下方向に移動自在に取付けてある。指挟み防止板50の上半部の横方向の中央に上下に長い長孔50aが設けてあり、この長孔50aの下方の指挟み防止板50の下半部は覆い部50cとなっている。また、指挟み防止板50の両側には上下に長いスライド長孔50bが設けてある。背体20の前面部に指挟み防止板50を重ねた状態で両側のスライド長孔50bから挿入したクリップ60を背体20の取付け孔61に取付けることで、指挟み防止板50を背体20に対して上下方向にスライド自在に取付けてある。指挟み防止板50の上半部の横方向の中央に設けた長孔50aは背体20の中央の縦長孔31に対向して連通している。また、指挟み防止板50を上記のように取付けた状態で上下方向に連続する複数の係合部30の巾方向の両側部は露出した状態となっている。
【0017】
背体20の前面部の上下方向の略中央部の両側と下部の両側とにはそれぞれ左右で一対となったエアー袋2がそれぞれ設けてあり、背体20の略中央部の両側に設けた2個のエアー袋2が背中用のエアー袋2Aとなり、背体20の下部の両側に設けた2個のエアー袋2が腰用のエアー袋2Bとなっている。また、背体20の前面部の巾方向の中心線に沿って下部から上下方向の略中央部にかけて背筋用の縦長のエアー袋2aが取付けてある。
【0018】
背中用のエアー袋2A、腰用のエアー袋2B、背筋用のエアー袋2aを背体20の前面側に取付けた状態で、これらエアー袋2A、2B、2aを取付けた背体20の前面部を背カバー22により覆ってあり、該背カバー22は背体20に固着具により取付けてある。背カバー22の上部には中央に設けた中央長孔33aと上部両側に設けた側長孔33bとが設けてあり、更に背カバー22には複数のホース通し孔38が設けてあって、上記エアー袋2A、2B、2aに接続した各ホース39をそれぞれホース通し孔38を通して背体20の背面側に導出している。
【0019】
図11、図16に示すように、ヘッドレスト21は側面視で下に行くほど横巾が短くなるような形状をしており(つまり下にいくほど前方への突出長さが短くなった形状をしており)、このヘッドレスト21の前面部の略中央部に左右で一対となったエアー袋2が設けてあり、このヘッドレスト21に設けたエアー袋2が首・肩用のエアー袋2Cとなっている。ヘッドレスト21の前面の中央部にはウレタンのような柔軟性を有する略T状部材34が取付けてあってヘッドレスト21の当たりを和らげるようになっていると共にエアー袋2Cの金具を表面側から覆って隠すようになっている。首・肩用のエアー袋2Cを取付けたヘッドレスト21の前面にはヘッドレストカバー35が被せられ、固着具によりヘッドレストカバー35をヘッドレスト21に固着してある。ヘッドレスト21の後面部には両側にボス部36を突設すると共に中央部に筒体37が突設してあり、筒体37の一端部はヘッドレスト21の前面側に孔37aとして開口している。ヘッドレスト21の後面部の両側のボス部36よりもやや内側にはそれぞれ被係合部44となる突部が設けてある。両側のボス部36と両側の被係合部44はほぼ横一直線上に配置してある。
【0020】
ヘッドレスト21の後面部両側に突設したボス部36(実施例では断面十字状をしている)は背カバー22の上部両側に設けた側長孔33b、背体20の上部両側の縦長孔32に上下移動自在に貫挿してある。ボス部36の背体20から突出した部分には図11に示すように、環状をした前当たり板41、コイルスプリング42が被嵌してあり、更にボス部36の先端面には後当たり板43を当接してボス部36の先端面にねじ具40を螺合することで取付けてある。そして、後端が後当たり板43に弾接したコイルスプリング42の前端が前当たり板41を弾接することで前当たり板41が背体20の縦長孔32の両側縁の背面側に弾接している。この状態でヘッドレスト21の背面部に設けた被係合部44となる突部が背体20の上部の前面部に上下方向に複数設けた係合部30のうち上下方向の任意の位置の係合部30に係合している。
【0021】
そして、ヘッドレスト21を上記コイルスプリング42に抗して少し前方に引いた状態でヘッドレスト21を上下方向に移動することができ、上下方向の任意の位置でヘッドレスト21を手前に引いていた手を離すと、コイルスプリング42のばね力で上記上下方向の任意の位置で被係合部44が係合部30に係合するものである。被係合部44となる突部の先端部、係合部30となる凹部の開口縁には弧状に図11に示すように面取りされた弧状面取り部48(いわゆるアール部)が設けてあり、上記のようにロック解除時にヘッドレスト21を上記コイルスプリング42に抗して少し前方に引いた状態でヘッドレスト21を上下方向に移動する際弧状面取り部48の滑りにより上下方向の移動が容易に行えるものである。このように、ヘッドレスト21は上下にスライド自在で且つ上下方向の移動位置で固定することができるようになっている。これにより被施療者の体格によりヘッドレスト21の上下位置を調整して被施療者に応じた最適の位置にすることができる。
【0022】
ヘッドレスト21に設けた首・肩用のエアー袋2Cに空気を供給して被施療者の首・肩を押し付けて施療している時は、押し付ける反力がヘッドレスト21に加わり、被係合部44が係合部30にはまり込むことによる係合がよりしっかりとなり、上下に移動しないようなロック力が増す構造となっている。このようにロック時は上下に確実に移動しないようにできながら、前述のようにロック解除して上下移動するときは弧状面取り部48を設けることで、ヘッドレスト21の少しの引き込み力で上下移動ができ、確実なロックと容易な上下移動操作性が発揮できるものである。
【0023】
また、左右両側の被係合部44となる突部は横一直線上に並び更にコイルスプリング42の取付け部分に近づけて配置してあるので、ロック解除時におけるコイルスプリング42の撓みがそのまま被係合部44と係合部30とのはまり込み解除量となって誤差がなく、解除がしやすいものである。また、ヘッドレスト21を上下に移動して再びロックする際にコイルスプリング42の引き込み力にロスがなくてロックしやすいものとなる。
【0024】
ヘッドレスト21の後面部の中央に突設した筒体37は背カバー22の上部中央に設けた中央長孔33a、指挟み防止板50の長孔50a、背体20の上部中央の縦長孔31に上下移動自在に挿入してあり、ヘッドレスト21に設けた首・肩用のエアー袋2Cに一端部を接続したホース39をヘッドレスト21の前面側からこの筒体37内を通して背体20の背面側に導出している。このように筒体37にホース39を通すことで、ヘッドレスト21を上下してもホース39にストレスがかかったり、傷が付いたりせず、簡単な構造でホース39を保護できるものである。
【0025】
ここで、前述のようにしてヘッドレスト21を上昇させると、背体20の上部中央の縦長孔31の下部がヘッドレスト21の下端よりも下方に位置し、この部分に指を差し込んで挟むおそれがあるが、本発明においては、ヘッドレスト21を上昇させると、ヘッドレスト21に設けた筒体37が指挟み防止板50の長孔50aの上端縁に当たって指挟み防止板50が上方にスライドし、指挟み防止板50の下半部の覆い部50cにより背体20の上部中央の縦長孔31の下部を覆って縦長孔31の下部に指が差し込めないようになっている。一方、ヘッドレスト21を下降させると、ヘッドレスト21に設けた筒体37が指挟み防止板50の長孔50a内を下降して長孔50aの下端縁に当たって、指挟み防止板50を下降させて元の状態となる。ヘッドレスト21が下降した状態ではヘッドレスト21により縦長孔31が覆われて指を差し込むことができないようになっている。
【0026】
ヘッドレスト21の後面部の左右両側に突設したボス部36と中央部に突設した筒体37とは背体20の縦長孔31、縦長孔32、32にスライド自在に挿入して取付けてあるが、ボス部36と筒体37との上下方向の位置をずらしてあるので、ヘッドレスト21の傾き量を簡単な構成で抑えることができ、また、ヘッドレスト21への衝撃力、偏荷重が加わってもヘッドレスト21から3箇所の縦長孔31、縦長孔32、32部分に力が分散されて剛性の高いものとなる。
【0027】
上記エアー袋2A、2B、2C、2a、に接続した各ホース39はそれぞれ前述のようにホース通し孔38や筒体37を通して背体20の背面側に導出し、背体20の背面側から座体6の背面側を通り、座体6の前部に収納したエアー制御部13に接続される。
【0028】
エアー袋2A、2B、2C、2aはそれぞれエアー制御部13から空気を供給されることで膨張したり、空気を排気することで収縮することで、被施療者をエアーマッサージするようになっている。本実施形態においてエアー袋2A、2B、2C、2aは外力を加えない自由状態では収縮した状態に自己保形するように構成してあり、この収縮した状態で空気を供給することで膨張し、空気を抜くとエアー袋2A、2B、2C、2a自身の自己復帰力で収縮するものである。
【0029】
エアー袋2A、2B、2Cは図12に示すように、被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状部45を有しており、添付図面に示す実施形態においては、外力を加えない自由状態において扁平な袋状をしたエアー袋2の前面部が蛇腹状部45となっており、蛇腹状部45は扁平な袋状をしたエアー袋2内にエアーを供給することで扁平な袋状をしたエアー袋2の前面部の蛇腹状部45を斜め前方に向けて膨張させて突出させるようになっている。
【0030】
蛇腹状部45は環状をした断面略U状又は断面略V状又は断面略台形状をした隣接する山部45a同士を谷底部45b部分で一体に連設したものであり、複数の環状をした山部45aは最も径が小さい山部45a1が最内周に位置し、最も径の大きい山部45aNが最外周に位置し、最内周に位置する最も径の小さい山部45a1と最外周に位置する最も径の大きい山部45aNとの間に、山部45a1よりも径が大きく且つ山部45aNよりは径が小さい複数の径の異なる山部45a2、山部45a3………を径の小さい方から径の大きい方にかけて順次配設してある。しかも、この複数の径の異なる環状の山部45a1、山部45a2、山部45a3………山部45aNは各環状の山部45aの中心O1、O2、O3……ONが図12(a)に示すように正面視で径が最も小さい山部45a1の中心O1から径が最も大きい山部45aNの中心ONとを結ぶ一直線上に互いにずれて位置するようになっている。このため、径がそれぞれ異なる複数の山部45a1、山部45a2、山部45a3………山部45aNはそれぞれ正面視で一側(図12においては左側)が山部45aの巾が狭く且つ他側(図12においては右側)が山部45aの巾が広くなっている。したがってエアー袋2内にエアーを供給すると図12(b)の矢印のように蛇腹状部45が斜め前方に向けて膨張するものである。上記のような蛇腹状部45の膨出した際の突出先端部となる部分、つまり、最小径の環状の山部45a1に囲まれた部分には施療子3が設けてある。
【0031】
そして、左右2個で一対となった各エアー袋2A、2B、2Cは図図、図8に示すように、それぞれ対のエアー袋2の正面視で径が最も小さい山部45a1の中心O1同士が近づくように配置してあり(つまり、対のエアー袋2の正面視で径が最も小さい山部45a1の中心O1同士がいずれも背部5の左右方向の中央側寄りにずれるように配置してあり)、したがって左右一対のエアー袋2を膨張させるといずれも斜め内側前方に向けて突出し、左右一対のエアー袋2A、2B、2Cにより背部5にもたれた被施療者の首・肩、背中、腰をそれぞれ左右両側から挟むようにしてもみ動作や圧迫動作を行うことになる。ここで、ヘッドレスト21に設けた左右一対の首・肩用のエアー袋2Cは上記のように膨張させるといずれも斜め内側前方に向けて膨出することに加え、更に膨張による突出方向が斜め前下方に向かうようになっており(つまり膨張により斜め内側前下方に向けて突出する)、左右一対の首・肩用のエアー袋2Cで首・肩を斜め内側前下方から挟むようにしてもみ動作や圧迫動作を行い、いっそう効果的に首・肩のエアーマッサージができるものである。
【0032】
ここで図13に示す実施形態においては、蛇腹状部45の膨出した際の突出先端部となる部分をエアー袋2の他の部分よりも厚く形成してあって、この先端の肉厚部分を施療子3としてあり、蛇腹状をしたエアー袋2を膨張させて被施療者に向かって突出させてエアー袋2の突出先端の施療子3となる部分で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作する際、エアー袋2の突出量を損なうことなく肉厚の厚い施療子3となる部分でしっかりとしたエアーマッサージ感覚を出すことができるようになっている。
【0033】
また、図14(a)に示す実施形態においては、蛇腹状部45の膨出した際の突出先端部となる部分に設けられる施療子3が蛇腹状部45を有するエアー袋2とは別部材の施療子3を蛇腹状部45の突出先端部に接着剤で接着して取付けることで構成してある。このようにエアー袋2の被施療者に接する部分に蛇腹状をした部分と異なる部材よりなる施療子3を取付けることで、蛇腹状をしたエアー袋2を膨張させて被施療者に向かって突出させ、エアー袋2の施療子3となる部分で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作する際、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子3で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。ここで、施療子3は図14(b)に示すように内部が中実のものであっても、あるいは内部が中空のものであってもよい。
【0034】
また、図15(a)に示す実施形態においては、蛇腹状部45の膨出した際の突出先端部となる部分に別体の施療子3をインサート成形により取付けてある。つまり、蛇腹状部45を成形する際に別体の施療子3をインサート成形により取付けるものであり、本実施形態においては、エアー袋2の主体を構成する蛇腹状の部分である蛇腹状部45に蛇腹状をした部分とは異なる部材の施療子3をインサート成形により取付けて一体化でき、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子3で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。インサート成形する施療子3としては図15(b)に示すように内部が中空のものであっても、あるいは内部が中実のものであってもよい。
【0035】
背体20の前面部の巾方向の中心線に沿って下部から上下方向の略中央部にかけて取付けた背筋用の縦長のエアー袋2aは図17に示すように前面部の上下方向の一部に前方に突出した山形状の突出部46を設けてある。すなわち、背筋用の縦長のエアー袋2aを膨張すると縦長のエアー袋2aにより被施療者の背筋に沿って圧迫してエアーマッサージをするのであるが、この時、山形状の突出部46により背筋に沿った一部をポイント的に更に圧迫して効果的なマッサージができ、しかも、上記山形状の突出部46は縦長のエアー袋2aのエアーを排気してエアー袋2a自身の復帰力により収縮した際も、図17(c)のように収縮した山形状の突出部46に背筋に沿った一部が当たり、効果的なマッサージができるものである。山形状の突出部46は縦長のエアー袋2aの上部、あるいは中間部、あるいは下部のどの位置に設けるかで背筋に沿った部分のどの箇所をポイント的に突出部46でマッサージするかが決まる。つまり、縦長のエアー袋2aの上部、あるいは中間部に突出部46を設けた場合は背中をポイント的に突出部46でマッサージするものであり、縦長のエアー袋2aの下部に突出部46を設けた場合は背筋の下端である腰中央をポイント的に突出部46でマッサージするものである。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、エアーマッサージ椅子に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋を設けると共にこのエアー袋が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部同士をそれぞれ谷底部で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部が最外周に位置していると共に最小径の環状の山部が最内周に位置しており、最小径の環状の山部に囲まれた部分に、エアー袋の被施療者に接する施療子となる部分を配置し、施療子となる部分の肉厚をエアー袋の他の部分の肉厚よりも厚く形成したので、蛇腹状をしたエアー袋を膨張させて被施療者に向かって突出させ、施療子で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作するに当たり、エアー袋の突出量を損なうことなく肉厚の厚い施療子となる部分でしっかりとしたエアーマッサージ感覚を出すことができるものである。
【0037】
また、請求項2記載の発明にあっては、エアーマッサージ椅子に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋を設けると共にこのエアー袋が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部同士をそれぞれ谷底部で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部が最外周に位置していると共に最小径の環状の山部が最内周に位置しており、最小径の環状の山部に囲まれた部分に、蛇腹状をした部分と異なる部材よりなる施療子を取付けるので、蛇腹状をしたエアー袋を膨張させて被施療者に向かって突出させ、施療子で被施療者の施療部位をもみ動作したり圧迫動作するに当たり、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。
【0038】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項2記載の発明の効果に加えて、蛇腹状をした部分に施療子をインサート成形により取付けてあるので、エアー袋の主体を構成する蛇腹状の部分である蛇腹状部に蛇腹状をした部分とは異なる部材の施療子をインサート成形により取付けて一体化でき、エアー独特のマッサージ感覚を持ちながら蛇腹状をした部分と異なる部材の施療子で強くマッサージしたい被施療者も満足できるようなしっかりとしたマッサージ感覚を出すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマッサージ機の斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の正面図である。
【図4】同上の側面図である。
【図5】同上の下面図である。
【図6】同上のエアー制御部の分解斜視図である。
【図7】同上の座体を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は底面図であり、(d)は正面図であり、(e)は断面図である。
【図8】同上の背部の正面図である。
【図9】同上の背部の一部破断した側面図である。
【図10】同上の背部の背面図である。
【図11】同上のヘッドレストの背体への取付け部分の断面図である。
【図12】同上のエアー袋を示し、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。
【図13】同上のエアー袋の施療子部分の拡大断面図である。
【図14】(a)は同上のエアー袋の施療子部分の他の実施形態の拡大断面図であり、(b)は施療子の斜視図である。
【図15】(a)は同上のエアー袋の施療子部分の更に他の実施形態の拡大断面図であり、(b)は施療子の斜視図である。
【図16】同上に用いる首・肩用のエアー袋により被施療者の首・肩をエアーマッサージする状態を示し、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図17】同上に用いる別のエアー袋を示し、(a)は正面図であり、(b)は加圧前の側面図であり、(c)は加圧前の断面図であり、(d)は加圧状態の側面図である。
【符号の説明】
1 エアーマッサージ椅子
2 エアー袋
3 施療子
4 座部
5 背部
45 蛇腹状部
Claims (3)
- エアーマッサージ椅子に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋を設けると共にこのエアー袋が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部同士をそれぞれ谷底部で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部が最外周に位置していると共に最小径の環状の山部が最内周に位置しており、最小径の環状の山部に囲まれた部分に、エアー袋の被施療者に接する施療子となる部分を配置し、施療子となる部分の肉厚をエアー袋の他の部分の肉厚よりも厚く形成したことを特徴とするエアーマッサージ機。
- エアーマッサージ椅子に被施療者に対してエアーにてもみ動作や圧迫動作を行うためのエアー袋を設けると共にこのエアー袋が被施療者に向かって突出したり被施療者から離れる方向に縮んだりする蛇腹状をしたものにおいて、蛇腹状をした部分は、外力を加えない自由状態において高さが等しく且つ径の異なる複数の環状をした山部同士をそれぞれ谷底部で一体に連設したものであり、最大径の環状の山部が最外周に位置していると共に最小径の環状の山部が最内周に位置しており、最小径の環状の山部に囲まれた部分に、蛇腹状をした部分と異なる部材よりなる施療子を取付けて成ることを特徴とする請求項1記載のエアーマッサージ機。
- 蛇腹状をした部分に施療子をインサート成形により取付けてあることを特徴とする請求項2記載のエアーマッサージ機。
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