JP3956401B2 - ディジタル情報記録再生同期装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トレリス符号化とパーシャルレスポンスを用いた例えば磁気記録や光記録といったディジタル記録再生装置において、復号時の同期を行うためのディジタル情報記録再生同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録などにおける高密度記録再生を実現する手法として、トレリス符号化(以降、TCと称する)とパーシャルレスポンス(以降、PRと称する)とを組み合わせた記録再生系(以降、TCPRと称する)が知られている。これは、PRの持つ特徴をそのまま活かしながら、さらにTCによる帯域制限を持たせることでゲインを稼ぐものである。
【0003】
帯域制限された情報伝達系においては、符号化方式と変調方式を適切に組み合わせることによって、限られた帯域、S/Nをより有効に利用できることが知られている。ホワイトガウシアンノイズを仮定した系では、ビットエラーレートPeは、数式(1)のように表される。ここで、σ2 はノイズの分散、dmin は取りうる任意の系列間の最小距離、Nは各系列に対してその距離をもつ系列個数の平均値である。また、Q()は補誤差関数である。この式から分かるように、符号語間の最小距離を大きくすることにより、符号化利得を稼ぐことができる。
【0004】
【数1】
Figure 0003956401
【0005】
ところで、PRに組合せ可能なTCとしては、代表的なものに、MSN(Matched Spectral Null) 符号がある。このMSN符号の特徴は、チャネル伝達特性のヌル点と、符号の持つパワースペクトラムのヌル点を一致させたところにある。例えば、PR4(パーシャルレスポンスクラス4)に対しては、直流成分とナイキスト周波数とにヌル点があるMSN符号が使用される。
【0006】
信号検出には、最尤系列推定を再帰的におこなう軟判定ビタビアルゴリズムを用いるが、このMSN符号は、取り得る系列同士の最小ユークリッド距離を大きくすることができるため、ビタビ復号後のビットエラーレートを下げることができる。チャネル出力点での符号の最小ユークリッド距離は、符号の持つスペクトラルヌルの次数Kと、チャネルの持つスペクトラルヌルの次数Lによって、数式(2)で表される。
【0007】
【数2】
Figure 0003956401
【0008】
ここで、符号のパワースペクトルが周波数でK次の微分まで0であるような次数Kを、スペクトラルヌルの次数Kと称する。PR4におけるPRチャネルは、L=1であるから、K=1となるMSN符号を使えば、d2 min は2倍となり、符号化利得が3dB得られることになる。
【0009】
ここでは、ダイコードチャネル用に設計された8/10MSN符号(US Patent No.4,888,779)を例にとって説明する。ダイコードチャネルとは、システム多項式がh(D)=1−DであるPRチャネルであり、これをビットごとにインターリーブすることにより、PR4となる。ここで取り上げる8/10MSN符号は、従来磁気テープを媒体とする磁気記録系などでよく用いられてきた8/10DCフリー符号に、ビタビ復号器のパスメモリを有限長に制限する制約条件を付加するものである。
【0010】
この8/10MSN符号では、DSV(Digital Sum Variation) が6以下であるようなバイナリデータ系列であることを符号語の条件とする。ここで、符号α=α1 ,・・・,αn のDSVとは、数式(3)で示すRDS(Runnning Digital Sum)の最大値である。
【0011】
【数3】
Figure 0003956401
【0012】
この制約により、符号は常にオフセットを小さくする状態に進むため、大局的にみるとDCフリーの符号となる。またゼロ走長の最大値を5に制限することができ、PLL(Phase Locked Loop) やAGC(Auto Gain Control) には都合がよい。また、TCPRでは、ゼロ走長の制限だけではパスが閉じないので、符号語の選び方としては、さらに、ビタビデコーダの平行パスが有限長のパスメモリで閉じるように選ばれる。そして、さらにその符号をインターリーブすることにより、PR4チャネル用の符号として使用することができる。
【0013】
DSVを6に制限する符号系列は、状態数を7とする有限状態マシンで表現することができる。図7は、この状態数が7である有限状態マシンにおける状態遷移図を示す。ここで、偶数と奇数の状態を分けて考えると、2ビットごとに取り得る状態は偶数から始まったときは常に偶数、奇数から始まったときは常に奇数である。したがって、この図7の状態遷移図は、2ビット単位の状態遷移に直すことができ、状態数を半分にすることができる。図8は、図7に示された状態遷移図を、状態2,4,6から始まる入力2ビットを単位として書き直した状態遷移図を示す。エンコーダの出力は10ビット単位であり、これは偶数ビットであるから、この例では、バイトの区切りで必ず状態2,4,6のいずれかの状態をとる。
【0014】
MSN符号の最尤復号は、上述の図7に示したDSVの制約を追跡することによって行われる。実際のトレリスは、図8に示された状態遷移に、ダイコードチャネルのPR(1,−1)の状態遷移を組み合わせて表現した状態遷移図から導くことができる。この状態遷移図を図9に示す。この図において、上段の6状態(すなわち状態2a〜7a)は、PR(1,−1)の状態1、下段の6状態(すなわち状態1b〜6b)は、PR(1,−1)の状態−1を表している。状態1aおよび7bは、この状態に来るパスがないため除外され、状態数は12となる。
【0015】
このまますべての状態におけるパスメトリックを計算し、生き残りを決定するようなビタビデコーダを構成することは可能ではあるが、状態数の多さからいって現実的な規模での実現は非常に困難である。ビタビデコーダのハードウェア規模は、状態数やパスメモリ長の増加に従って増加するため、実際的にハードウェアを構成するには、状態数とパスメモリ長の削減が必須となる。
【0016】
ここで、上述の図8と同様にして、図9に示される状態遷移図を状態2a,2b,4a,4b,6a,6bを開始点とする2ビットをまとめた状態遷移に書き直すと、図10のようになる。さらに、この状態2a,2b,4a,4b,6a,6bをそれぞれ状態1,2,3,4,5,6と置き換え、トレリスにしたものを図11に示す。この図11において、状態の左にある記号は、ビタビデコーダの検出結果/デコーダ入力を2ビット単位で示したものである。例えば、01/−11とあるのは、ビタビデコーダに入力された値が(−1,1)の2ビットのとき、検出結果が(0,1)の2ビットとなることを表している。
【0017】
これにより、状態数は半分に減るため、ビタビデコーダのハードウェア規模としても半分程度で済む。さらに、2ビットごとの処理で良いため、ビットレートの半分のスピードでよい。つまり、最高動作スピードや消費電力の面でも有利になる。
【0018】
この図11に示されたトレリスから符号間の最小ユークリッド距離を求めると、d2 min =4であることがわかる。(図中太線で示したように、状態3から最短距離で状態3に戻る2つのパスがその例である。)符号化されないダイコードチャネルの最小ユークリッド距離は2であるから、従来のダイコードチャネルおよび最尤復号の構成に対して3dBのゲインがあることを示している。
【0019】
ここで、デジタル記録再生装置における位相同期およびデータ同期に関する事柄について説明する。一般的な磁気記録のデータフォーマットは、例えば1セクタ分のデータがプリアンブルおよびユーザデータから構成される。プリアンブルは、セクタの先頭から配され、データやクロックの位置合わせを行うための既知系列が書き込まれる。このプリアンブルは、例えば、先頭に配されるクロック位相を合わせるための位相同期パターン、および、この位相同期パターンの後に配される、データ開始位置を知るためのデータ同期パターン(シンクバイト)から成る。
【0020】
位相同期には、PLLと呼ばれるフィードバック制御系が一般的に用いられる。このPLLにおいては、再生データからデータ存在点とサンプリングクロックとの位相差を検出し、それをVCO(Voltage Controled Oscillater)にフィードバックすることによってクロックの位相を補正する。このときに、位相差の検出を行うための位相同期パターンとしてよく用いられるのは、+1,+1,−1,−1の繰り返しデータである。ここでは、この繰り返しデータを4Tパターンと呼ぶ。
【0021】
図12は、このPLLの構成の一例を示す。アナログ信号として入力された再生信号がA/D変換回路100でディジタル変換され、位相ずれ計算回路101に供給される。この位相ずれ計算回路101には、後述するVCO102からの出力がフィードバックされて供給されており、A/D変換回路100の出力およびVCO102の出力が比較され両者の位相ずれが算出される。この位相ずれがD/A変換回路103およびループフィルタ104を介してVCO102に供給される。そして、このVCO102の出力がA/D変換回路100に供給されサンプリング周波数とされ、また、位相ずれ計算回路101に供給され再生信号と比較される。
【0022】
位相ずれ計算回路101で位相ずれの算出のために用いられる計算式の例を数式(4)に示す。
【0023】
【数4】
Figure 0003956401
【0024】
ここで、識別にしきい値検出を用いた場合、ノイズによる識別誤りがあると、位相の引込みが遅くなることがある。特に、初期位相誤差がπ/4周期あると、ノイズによっては前後どちらに引込まれるか不定になり、引き込みが遅れるケースも出てくる。
【0025】
それに対し、既知系列であることを利用して、識別をせずに既知データとの計算を行うこともできる。この場合、位相情報の誤りは生じないので引込みは前述の方式に比較して速い。しかしながら、初期位相誤差が過大になる可能性がある。
【0026】
また、PLLとよく組み合わせて用いられるのが、ゼロフェーズリスタート(ZPR)回路である。このZPR回路は、一旦PLLによるクロックを停止させ、再生信号のゼロクロス点を利用して位相差0のポイントで停止させたクロックを再スタートさせるものである。クロック生成再開後は、通常どおり位相同期を行う。この方法を用いることによって、初期位相誤差が小さくなり、位相同期にかかる時間が短くて済む利点がある。上述の、既知系列から位相検出する方法と組み合わせると、互いの検出方法の欠点がカバーでき、性能向上が期待できる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のMSN符号を用いたPR記録再生系において、2ビット毎にメトリック計算を行う最尤復号化を実際のデータ記録再生装置に適用する場合、再生時には、データの2ビットの区切りが合っていなければならない。若しこの区切りがずれると、上述の図7に示される偶数状態と奇数状態が入れ替わってしまう。偶数状態と奇数状態では取り得るパスの入力が異なるため、通常在りえないパスが生き残ってエラーが頻発する可能性があるという問題点があった。
【0028】
再生時、再生データをビタビデコーダに単に入力するだけでは、当然ながら境界が合っている保証はないため、データ先頭で同期をとるような何らかの手段を持たなければならない。そこで、正しく復号化を行うために、通常、データの始まりが偶数状態か奇数状態かを予め決めておいてそこからパスを始めるようにする。つまりこの場合、最尤復号器が誤らないためには2択の境界合わせが必要である。データ先頭で常に同じパスメトリック計算を行うようにすることから、いわば状態の同期をとることになる。
【0029】
図13にビタビ入力部分の構成の例を示す。図13Aに示されるダイコードチャネルでは、2ビット毎の入力となるため、1対2のシリアル−パラレル変換となり、1/2クロックの位相を選択することになる。具体的には、その位相を決めるための基準信号が必要となる。また、PR4用に前述のMSN符号をインターリーブした場合、さらに奇数系列、偶数系列に振り分けられるので、4択の境界合わせが必要となり、図13Bに示されるような構成となる。このときには、1/4クロックの位相を選択することになる。
【0030】
なお、データ先頭で同期をとる手段としてシンクバイトを検出する方法があるが、このシンクバイトを検出する方法の目的は、主にハードディスクコントローラなどのコントローラICにデータバイトの先頭を認識させることにある。したがって、最尤復号に必要なビット単位の同期検出には、必ずしもこのシンクバイト検出が適しているとはいえない。
【0031】
したがって、この発明の目的は、TCPRによる情報記録再生装置において必要な、最尤復号化のための状態の同期を行うようなディジタル情報記録再生同期装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決するために、パーシャルレスポンス,トレリス符号化,および最尤復号化を組み合わせたディジタル情報記録再生に用いられ、記録媒体から再生された再生データの復号化の際に、再生データの同期を取るようなディジタル情報記録再生同期装置において、位相検出手段とループフィルタとVCOとからなるPLLにより再生データからクロックを生成するクロック生成手段と、再生データをパーシャルレスポンスにて等化するパーシャルレスポンス等化手段と、パーシャルレスポンス等化手段で等化されたサンプルデータを所定の閾値に基づき検出する閾値検出手段と、検出されたデータをパラレルデータに変換するシフトレジスタと、パラレルデータを所定の系列と比較する系列比較手段と、系列比較手段による比較結果に基づきサンプルデータにディレイを与えるデータセレクタとを備え、クロックで動作する状態同期手段と、状態同期手段から出力されたサンプルデータが最尤復号入力として供給され、最尤復号入力に対して最尤復号を行う最尤復号手段とを有することを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置である。
また、この発明は、パーシャルレスポンス,トレリス符号化,および最尤復号化を組み合わせたディジタル情報記録再生に用いられ、記録媒体から再生された再生データの復号化の際に、再生データの同期を取るようなディジタル情報記録再生同期装置において、再生データのゼロクロス点を検出し、検出結果に基づきリスタート信号をアクティブにするゼロフェーズリスタート手段と、再生データ中の所定の位相同期パターンに基づいて位相のための同期検出を行う既知系列位相検出手段と、ループフィルタと、ゼロフェーズリスタート手段によるゼロクロス点の検出結果に基づきクロック出力が開始されるVCOとからなるPLLにより再生データからクロックを生成するクロック生成手段と、再生データをパーシャルレスポンスにて等化するパーシャルレスポンス等化手段と、パーシャルレスポンス等化手段の出力が最尤復号入力として供給され、最尤復号入力に対してクロックに基づき最尤復号を行う最尤復号手段と、リスタート信号がアクティブにされたタイミングに基づき、最尤復号入力との状態の同期を取る状態同期手段とを有することを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置である。
【0033】
上述したように、この発明は、最尤復号入力の先頭と時変なトレリスの初期状態とを合わせることによって同期を取る状態同期手段を有するために、最尤復号入力のデータの2ビットの区切りを合わせることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明においては、最尤復号化のための同期手段として、位相同期用の+1,+1,−1,−1の繰り返しデータである4Tパターンが用いられる。そこで、この4Tパターンが4ビットの繰り返しであることを利用して、データの先頭のやってくるタイミング信号を生成する。
【0035】
この発明においては、ディレイラインからの正しい順番のデータおよびタイミング信号とを最尤復号器に入力する。あるいは、この発明の第2および第3の形態においては、タイミング信号によって分周カウンタを動作させ、各系列の最尤復号器の入力ラッチにちょうど意図するデータが入った時に立ち上がるようなクロックを生成する。
【0036】
これらの方法によれば、データ同期パターン(シンクバイト)を検出するまでユーザデータの始まりを知ることはできないが、データの2ビットずつの境界は合っているので、正しく復号化を行うことができる。
【0037】
タイミングをとる具体的な方法としては、例えば、以下に示す2つの方法が考えられる。すなわち、第1の方法は、この発明の実施の第1の形態において説明される方法で、繰り返しパターンを系列で識別し、系列が一致したらその系列に応じてある順番でビタビデコーダに入力する方法である。
【0038】
また、第2の方法は、第2および第3の形態において説明される方法で、ゼロフェーズリスタート(ZPR)のタイミング信号を利用する方法である。これは、ZPR開始直後のデータは、+1,+1,−1,−1の先頭の+1であるため、このZPR後、4ビット毎にアクティブとなる信号を生成すれば、その信号は、シンクバイトが4の倍数ビットならば、ユーザデータの先頭位置に合っていることになる。なお、シンクバイトが4の倍数ビットでなくとも、余り分に応じて信号を遅らせれば、簡単に位置合わせを行うことが可能である。
【0039】
次に、この発明の実施の第1の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この実施の第1の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示す。パーシャルレスポンスクラス4(以下、PR4と称する)で記録媒体に記録されたデータが例えばハードディスクといった記録媒体から再生され、この再生データがA/D変換回路1に供給される。
【0040】
図2は、このとき供給される再生データの例を、1セクタ分示す。図2Aのように、再生データは、位相同期パターンとデータ同期パターンとから構成されるプリアンブル、およびユーザデータから成る。位相同期パターンは、クロック位相を合わせるためのもので、例えば図2Bに示されるような単純な波形から成る。この位相同期パターンは、例えば、上述の従来技術において説明した4Tパターン、すなわち、+1,+1,−1,−1の繰り返しパターンが用いられる。また、データ同期パターンは、ユーザデータの開始位置を示すためのもので、シンクバイトとも称される。この再生データが、リードゲートがアクティブにされることにより、A/D変換回路1に供給される。
【0041】
A/D変換回路1に供給された再生データは、例えば8ビットパラレルのディジタル信号に変換される。この変換は、後述するVCO2において発生された信号に基づいたサンプリング周波数で行われる。図2B中の黒点は、再生信号に存在するデータ点を示し、A/D変換回路1におけるサンプリングは、これらの点に対して行われる。このA/D変換回路1でディジタル変換された再生データは、パーシャルレスポンス(PR)等化器3に供給される。
【0042】
PR等化器3に供給された再生データは、PR4に規定の波形形状に等化され、等化サンプルデータとされる。すなわち、この等化サンプルデータは、クロックタイミングでサンプリングされた等化データのデジタル値である。この等化サンプルデータは、状態同期回路4に供給されると共に、位相検出回路5に供給される。この位相検出回路5において、供給された等化サンプルデータから位相ずれが検出される。このときの検出は、上述の従来技術において説明した数式(4)に基づいて行われる。
【0043】
例えば、等化サンプルデータのあるサンプリング点yn およびその前のサンプリング点yn-1 において、これらサンプリングデータの所定のしきい値に対する大小が識別される。この例では、しきい値が0とされ、サンプリングデータpがp>0であれば1,p≦0であれば−1であると識別される。そして、yn およびyn-1 に対してこれらそれぞれの識別値がたすき掛けで掛け合わされ、その差分が位相差Δγとして求められる。その結果、Δγ=0であれば位相差が無いとされ、Δγ≠0であれば位相差が出力される。
【0044】
このようにして求められた位相検出回路5における検出結果がD/A変換回路6に供給される。このD/A変換回路6において、供給された検出結果がアナログ変換され、ループフィルタ7を介し低域透過され、VCO(Voltage Controled Oscilater) 2に供給される。VCO2は、供給された電圧に応じた周波数の発振信号を出力する。したがって、この例では、位相検出回路5における位相ずれの検出結果に基づいた周波数の発振信号が出力される。そして、上述したように、この発振出力がA/D変換回路1におけるサンプリング周波数としてA/D変換回路1に供給される。
【0045】
このように、位相検出回路5,ループフィルタ6,およびVCO2によってPLL(Phase Locked Loop) が構成され、安定したクロックを得ることができる。このクロックは、VCO2から取り出され、例えば後段の状態同期回路4や最尤復号器8に供給される。
【0046】
一方、PR等化器3から出力された等化サンプルデータは、この発明の主題を成す、状態同期回路4に供給される。図3は、この状態同期回路4のより詳細な構成を示す。この状態同期回路4は、上述したPLLによって得られたクロックに基づき動作するもので、入力された等化サンプルデータの系列のパターンを検出し、検出されたパターンによってデータに対するディレイ量を変え、ユーザデータが常に同じタイミングでラッチされるようにするものである。
【0047】
すなわち、状態同期回路4に供給された等化サンプルデータがしきい値検出されビットデータとされる。しきい値検出されたビットデータは、シフトレジスタによってMビットのパラレルデータとされ、系列比較器に供給される。この系列比較器において、Mビットから成る比較系列が予め所定の数だけ設定されている。供給されたMビットのパラレルデータは、これらMビットの比較系列のうちNビットが一致したらその比較系列に一致していると見做される。そして、一致した比較系列の種類に応じて、等化サンプルデータに対するディレイ量が変えられ、等化サンプルデータが出力される。
【0048】
なお、この実施の第1の形態においては、M=6,N=5とされる。上述したように、この例においては、位相同期パターンに+1,+1,−1,−1の繰り返しパターンである4Tパターンが用いられている。したがって、M=6である比較系列は、‘110011’,‘011001’,‘001100’,‘100110’の4種類が設定される。後述するように、このように比較系列を設定することで、4Tパターンにおける全てのビットずれに対応できる。そして、これら比較系列のうちの何れかに対してN=5ビットが一致すれば、再生データがその比較系列に一致しているとされる。
【0049】
状態同期回路4に供給された等化サンプルデータは、6個のレジスタ20a,20b,20c,20d,20e,20fから成るシフトレジスタ20に供給されると共に、しきい値検出回路21に供給される。このしきい値検出回路21においては、上述のPLLによって得られた1クロックを費やし、0をしきい値としたしきい値判別が行われる。すなわち、供給された等化サンプルデータの値が0を越えるか、あるいは0以下かで2値判別がなされる。したがって、等化サンプルデータの値が0を越える場合には検出出力が‘1’とされ、0以下であれば‘0’とされることにより、等化サンプルデータがビットデータに変換される。
【0050】
この実施の第1の形態においては、等化サンプルデータのしきい値判別をこのように2値判別で行っている。そのため、等化サンプルデータにおける+1,−1を判別するためにはデータの極性だけを見ればよく、しきい値判別に要する回路構成が非常に簡単なものになる。
【0051】
このようにして等化サンプルデータから得られたビットデータが5個のレジスタ22a,22b,22c,22d,22eから成り、クロックタイミングでデータがシフトされるシフトレジスタ22に供給され、6ビットのパラレルデータとされる。すなわち、最初のビットデータ(det[0]とする)がしきい値検出回路21から出力され、レジスタ22aに送られる。そして、次のクロックタイミングで以てビットデータ(det[1]とする)がしきい値検出回路21から出力され、同時に、最初にレジスタ22aに供給されたdet[0]がレジスタ22bに送られ、det[1]がレジスタ22aに送られる。このように、det[0],det[1],・・・がクロックタイミングで以て順にレジスタ22a,22b,・・・と送られ、6番目のビットであるdet[5]がしきい値検出回路21から出力されシフトレジスタ22に供給されると、これらdet[0],det[1],・・・,det[5]が被比較系列として系列比較器23に供給される。
【0052】
系列比較器23では、これら供給された被比較系列が上述した4種類の比較系列とが比較され、被比較系列が4種類の比較系列のどれと一致するかが判断される。若し、被比較系列が比較系列‘110011’と一致するとされれば、比較結果を表す値seq=0とされる。同様にして、被比較系列が比較系列‘011001’と一致すればseq=1、比較系列‘001100’と一致すればseq=2、比較系列‘100110’と一致すればseq=3とされる。なお、この判断の際には、被比較系列6ビットのうち5ビットがどれかの比較系列との一致をみれば、被比較系列とその比較系列が一致していると見做される。また、この例では、比較系列において左側が先頭側とする。このようにして得られた、供給データ系列の種類を表すseq値は、データセレクタ24に渡される。
【0053】
一方、6個のレジスタ20a,20b,20c,20d,20e,20fから成り、クロックタイミングでデータがシフトされるシフトレジスタ20に供給された等化サンプルデータは、パラレル化されてデータセレクタ24に送られる。すなわち、最初に状態同期回路4に供給された等化サンプルデータ(s0 とする)がレジスタ20aに供給される。そして、次のクロックタイミングで以て等化サンプルデータ(s1 とする)が供給され、同時に、最初にレジスタ20aに供給されたs0 がレジスタ20bに送られ、s1 がレジスタ20aに送られる。このように、s1 ,s2 ,・・・がクロックタイミングで以て順にレジスタ20a,20b,・・・と送られ、7番目のビットであるs6が状態同期回路4に供給されると、これらs0 ,s1 ,・・・,s6 がデータセレクタ24に供給される。
【0054】
上述したように、このデータセレクタ24には、供給データ系列の種類を表すseq値が供給されている。データセレクタ24では、このseq値に基づいて、シフトレジスタ20から供給された等化サンプルデータs0 〜s6 から4データを選択し、この選択された4データを同時出力する。このとき、seq=0に対してs0 ,s1 ,s2 ,s3 が選択され、seq=1に対してs1 ,s2 ,s3 ,s4 が選択され、seq=2に対してs2 ,s3 ,s4 ,s5 が選択され、seq=3に対してs3 ,s4 ,s5 ,s6 が選択され、出力される。
【0055】
このように、系列比較回路23から出力されたseq値によって、データセレクタ24において等化サンプルデータに対してディレイが適宜与えられる。それにより、データセレクタ24によってこのseq値に基づいて選択され出力された4データは、常に同じタイミングのデータとされる。
【0056】
すなわち、この状態同期回路4に供給された等化サンプルデータは、しきい値検出回路21において処理に1クロック分費やされ、系列比較回路23におけるdet[0],det[1],det[2],det[3],det[4],det[5]がデータセレクタ24におけるs0 ,s1 ,s2 ,s3 ,s4 ,s5 にそれぞれ対応する。したがって、例えばseq=1であれば、det[1](=‘1’),det[2](=‘1’),det[3](=‘0’),det[4](=‘0’)に対応するs1 ,s2 ,s3 ,s4 が出力される。また、seq=2であれば、det[2](=‘1’),det[3](=‘1’),det[4](=‘0’),det[5](=‘0’)に対応するs2 ,s3 ,s4 ,s5 が出力される。
【0057】
このように、データセレクタ24からは、系列パターン‘1100’に対応する等化サンプルデータが出力される。したがって、この状態同期回路4からは、常にデータの境界に対して同期がとれた出力が得られる。
【0058】
この状態同期回路4から出力された4つの等化サンプルデータは、最尤復号器8に供給される。この最尤復号器8においては、例えばビタビアルゴリズムによる最尤復号が行われる。この場合、データが4ビット同時出力であるため、例えば、上述の従来技術における図13Bで示した構成から最初のシフトレジスタが除かれた構成のビタビデコーダが適用できる。
【0059】
なお、上述したように、この例においては、M=6,N=5とされ、6ビットの系列で5ビットの一致を見ている。こうすることによって、最尤復号器8の入力同期部での誤り確率は、ビットエラーレートに比べ、十分に低い値が得られる。
【0060】
また、上述したように、状態同期回路4において、等化サンプルデータがデータ境界に対して同期をとられており、順序合わせを行ってからこの最尤復号器8における最尤復号を行うことができるため、最尤復号における、境界誤りによるエラーレート低下が回避される。
【0061】
なお、上述の説明においては、状態同期回路4に供給されるデータが等化サンプルデータであるとしたが、これはこの例に限定されるものではない。例えば、この状態同期回路4には、データの先頭に正負を表すビットが付された符号付きバイナリデータを供給するようにしてもよい。この場合には、位相同期パターンの2値判別は、その符号ビットを見るだけでよいので、しきい値検出回路21が不要とされる。また、データが既にビット列で供給されているために、シフトレジスタ22をシフトレジスタ20に含めることができる。このときには、系列比較を行うために用いられたデータが直接的に選択され出力される。
【0062】
次に、この発明の実施の第2の形態について、図面を参照しながら説明する。図4は、この実施の第2の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示す。なお、この図4において、上述の図1と共通する部分には同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0063】
この実施の第2の形態は、上述の従来技術において説明した、ZPR(Zero Phase Restart)回路50を用い、アナログ的に位相ずれを無くすことを利用して、上述の実施の第1の形態において再生データの系列の一致をとるための状態同期回路を用いずに状態同期を行う例である。
【0064】
VCO2は、ZPR回路50から供給された制御信号によって、最初クロック出力を停止されている。したがって、このVCO2によって生成されるクロックに基づき動作する、例えばA/D変換回路1やPR等化器3,クロック分周器51といったディジタル回路は、動作していない。また、この実施の第2の形態においては、最尤復号器8は、クロック分周器51から供給される分周されたクロックに基づいて復号動作を行う。
【0065】
ZPR回路50には、記録媒体からの再生信号が供給される。供給された再生信号に対して、このZPR回路50でゼロクロス点の検出が行われる。また、このZPR回路50からは、ゼロクロス点が検出されると同時にアクティブとされるリスタート信号が出力される。このリスタート信号は、ディレイ52を介して、このリスタート信号をリセット信号としてクロック分周を開始するクロック分周器51に供給される。
【0066】
図5は、この実施の第2の形態における、各部の信号のタイミングチャートの一例を示す。図5Aのようにリードゲートがアクティブとされると、記録媒体からの再生信号がZPR回路50に対して供給される。このとき、図5Bに示されるように、先ず+1,+1,−1,−1の4Tパターンである位相同期パターンが供給される。また、それと共に、この再生信号は、A/D変換回路1に対しても供給されるが、上述したように、ZPR回路50によってA/D変換回路1の動作が停止されているため、A/D変換回路1においては、再生信号に対する処理は行われない。また、図5Eに示されるリスタート信号もアクティブとされていない。
【0067】
ZPR回路50において、供給された再生信号の4Tパターンから最初の+1へのゼロクロス点が検出されると、ディレイ52を介してクロック分周器51に供給されているリスタート信号がアクティブとされると共に、VCO2に対してクロックを開始させるように制御信号が送られる。この制御信号に基づきVCO2においてクロック生成が開始され、例えば図5Dに示されるようなクロックが出力される。このクロックは、A/D変換回路1およびPR等化回路3に供給されると共に、クロック分周器51に供給される。
【0068】
クロック分周器51は、ZPR回路50からディレイ52を介して供給されるリスタート信号をリセット信号として動作が開始される。したがって、上述のように、図5Eに示す如くリスタート信号がアクティブとされると、クロック分周器51の動作が開始される。そして、VCO2から供給されたクロックが分周され(図5F)、この分周クロック53が最尤復号器8に対して供給される。
【0069】
最尤復号器8には、再生信号がA/D変換回路1でディジタル変換されPR等化回路3によって規定の形状に等化され、等化サンプリングデータとされ最尤復号器8に対して供給される。また、この等化サンプリングデータは、同時に、既知系列位相検出回路54にも供給される。最尤復号器8において、供給されたこの等化サンプリングデータに対して、クロック分周器51から供給された分周クロック53に基づき復号化が行われる。
【0070】
このように、この実施の第2の形態においては、最尤復号器8に対して供給される分周クロック53の位相を等化サンプリングデータの位相に合わせることによって、最尤復号器8における復号データの同期を取る。
【0071】
なお、ZPR回路50およびクロック分周器51との間に挿入されたディレイ52は、分周クロック53および最尤復号器8に供給された再生データとの同期がとれるように、クロック分周器51の動作開始のタイミングを調整するためのものである。したがって、これらの信号間で同期がとれるような場合には、省略することができる。
【0072】
一方、既知系列位相検出回路54において、供給された再生データに対して位相の検出が行われる。この実施の第2の形態において、上述の第1の形態と同様なしきい値検出による位相同期を行うと、同期検出において誤検出を行う確率がZPR回路50の性能に依存してしまう。これは、ZPR回路50において、供給された再生信号のゼロクロス点を正確に検出することができないと、再生データにおけるしきい値検出のためのサンプリング点がずれてしまうためである。そのため、場合によっては位相が再生データに対して45°近くずれてしまい、この場合1ビットずれて同期がかかってしまう。
【0073】
そこで、このZPR回路50を用いた実施の第2の形態においては、位相同期のための同期検出に、既知系列による同期検出を用いている。すなわち、この方法では、位相同期パターンの信号が+1,+1,−1,−1の既知のパターンであることを利用し、数式(4)における識別結果を表す変数yn ^およびyn-1 ^にこの既知パターンを代入し、位相ずれの計算を行う。こうして求められた位相ずれを表す信号がD/A変換回路6に供給されアナログ信号とされ、ループフィルタ7を介してVCO2に供給される。そして、VCO2においてクロックが生成され、この生成されたクロックが上述のクロック分周器51に供給される。
【0074】
なお、この実施の第2の形態における位相同期方法では、初期における位相誤差が大きくなってしまうという欠点があるが、時間の経過に伴い必ず正しい位相に収束するため、ビットずれが生じるおそれがない。
【0075】
次に、この発明の実施の第3の形態について、図面を参照しながら説明する。図6は、この実施の第3の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示す。なお、この図6において、上述の図1および図5と共通する部分には同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0076】
この実施の第3の形態は、上述の実施の第2の形態において、リードゲートがアクティブになり、且つ、クロックがリスタートするまである任意の固定値を出力するようなA/D変換回路を用いた例である。なお、以下の説明において、供給された再生信号を単にデジタル変換するA/D変換回路1と区別するために、このA/D変換回路をADCと称する。
【0077】
最初、VCO2におけるクロック生成は、ZPR回路50からの制御信号によって停止されている。記録媒体からの再生信号がA/D変換回路1およびZPR回路50に共に供給される。A/D変換回路1において、供給された再生信号が例えば8ビットのパラレルデータとしてディジタル変換され再生データとされる。この再生データは、ANDゲート60の入力端に供給される。このANDゲート60は、図では省略されているが、実際にはA/D変換回路1のパラレル出力のビット数に対応する数(この例では8個)だけ並列接続されている。したがって、A/D変換回路1から出力された再生データの各桁は、それぞれ対応するANDゲートの一方の入力端に供給される。
【0078】
一方、ANDゲート60のそれぞれの他方の入力端は、結合されており、ZPR回路50からのリスタート信号が供給される。このリスタート信号は、ZPR回路50で、供給された再生信号における、+1方向に向かうゼロクロス点が検出されるまでアクティブとはされず、‘L’レベルとされる。このように、ANDゲート60において、A/D変換回路1からの出力とZPR回路50からの利したーと信号とで論理積がとられているため、ZPR回路50において、再生信号のゼロクロス点が検出されリスタート信号がアクティブとされるまで、ANDゲート60の各桁に対応する出力は、強制的に0とされる。
【0079】
ZPR回路50では、供給された再生信号に対してゼロクロス点の検出が行われる。このZPR回路50において+1方向に向かうゼロクロス点が検出されると、ANDゲート60の一方の入力端に供給されているリスタート信号がアクティブとされ、‘H’レベルとされる。上述したように、ANDゲート60において、このリスタート信号とA/D変換回路1から出力された再生データとの間で論理積が取られている。そのため、このように、リスタート信号がアクティブとされるとANDゲート60から再生データが出力される。
【0080】
ANDゲート60から出力された再生データは、Dフリップフロップ62のD入力端に供給される。このDフリップフロップ62も、図では省略されているが、ANDゲート60と同様に、A/D変換回路1の出力の各桁に対応する数(この例では8個)だけ存在する。したがって、各ANDゲート60の出力は、それぞれ対応するDフリップフロップ62のD入力端に供給される。このDフリップフロップ62で、供給された再生データがクロックタイミングでラッチされる。このように、A/D変換回路1,ANDゲート60,およびDフリップフロップ62とで、上述したような、ZPR回路50のリスタート信号がアクティブとされることでディジタル信号を出力するようなADC61が構成される。図5Gは、クロックがリスタートされた後にデータがラッチされたADC61の出力の一例を示す。
【0081】
Dフリップフロップ62でラッチされた再生データは、PR等化回路3を介して規定の形状に等化されシリアルデータに変換され、等化サンプリングデータとされ最尤復号器8に供給される。また、それと共に、Dフリップフロップ62から出力されたこの再生データは、パラレルデータである再生データのビット数に対応する数(この例では8個)の入力端を有するORゲート63に供給される。このORゲート63において、再生データの各桁に対して論理和が取られる。このORゲート63の出力は、ディレイ52を介してクロック分周回路51に供給される。なお、このクロック分周回路51には、後述するように、VCO2からクロックが供給される。
【0082】
上述の実施の第2の形態と同様に、このクロック分周回路51は、ORゲート63から、ディレイ52を介して供給される信号をリセット信号としてクロック分周を開始し、分周クロック53を最尤復号器8に対して供給する。したがって、再生信号の位相同期パターンにおける、+1,+1,−1,−1から成る4Tパターンの最初の+1に対するゼロクロス点がZPR回路50で検出され、且つ、この4Tパターンの最初の+1の信号がA/D変換回路1を介してANDゲート60に対して供給されることによって、最尤復号器8に対して分周クロック53が供給され、この最尤復号器8における復号処理が開始される。
【0083】
そのため、この実施の第3の形態においても、上述の第2の形態と同様に、最尤復号器8に対して供給される分周クロック53の位相を、等化サンプリングデータに対して合わせることによって、最尤復号器8における復号データの同期を取ることができる。
【0084】
一方、PR等化回路3の出力は、最尤復号器8に供給されると共に、既知位相検出回路54,D/A変換回路6,ループフィルタ7,およびVCO2から成るPLLに供給される。この実施の第3の形態でもZPR回路50が用いられているため、上述の第2の形態と同様に、位相同期パターンが既知パターンの4Tパターンであることを利用して、しきい値による識別を行わずに位相同期を行う。そのため、若し、ZPR回路50によるリスタート直後にADC61の出力がALL‘0’であったり、位相がずれていても、正しい位相に引き込むことができる。そのため、最尤復号器8における復号時にデータ位置がずれる可能性を著しく抑えることができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、例えばビタビ復号器といった最尤復号器の入力には、常に状態の同期が合った供給することができる。したがって、最尤復号器において正しいトレリス遷移を行わせることができる効果がある。そのため、最尤復号器におけるエラーレートの悪化を回避することができる効果がある。また、それにより、この発明は、TCPRビタビデコーダの現実的な回路実現に大きく貢献することができる。
【0086】
また、この発明の実施の第1の形態によれば、TCPRにおいて問題となるデータ境界を、データ系列の比較を行うことによって、復号以前に知ることができる。したがって、復号データに対して順序合わせを行ってから復号を行うことができるため、境界誤りによるエラーレートの低下を回避できる効果がある。
【0087】
また、この発明の実施の第2の形態によれば、データ境界の検出を、アナログ的にゼロ位相にすることによって行っている。そのため、上述の第1の形態におけるデータ系列の比較を行う必要がない。したがって、上述の第1と同様な効果を有する構成が、よりディジタル部分が簡略化された構成によって実現できる効果がある。
【0088】
さらに、この発明の実施の第3の形態によれば、リードゲートがアクティブになり、且つ、クロックがリスタートするまである任意の固定値を出力するようにされたADCが用いられている。そのため、上述の実施の第2の形態よりもアナログ/ディジタル間の伝送線が1本少ない構成で、同等の性能を出すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施の第1の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ディジタル情報記録再生同期装置に供給される再生データの一例を示す略線図である。
【図3】状態同期回路のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施の第2の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】実施の第2の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の各部分における信号のタイミングチャートの一例である。
【図6】実施の第3の形態によるディジタル情報記録再生同期装置の構成の一例を示す略線図である。
【図7】状態数が7である有限状態マシンにおける状態遷移図である。
【図8】状態数が7である有限状態マシンにおける状態遷移図である。
【図9】状態数が7である有限状態マシンにおける状態遷移図である。
【図10】状態数が7である有限状態マシンにおける状態遷移図である。
【図11】状態数が7である有限状態マシンにおけるトレリス遷移図である。
【図12】PLLの構成の一例を示すブロック図である。
【図13】ビタビデコーダの入力部分の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・A/D変換回路、2・・・VCO、3・・・PR等化回路、4・・・状態同期回路、5・・・位相検出回路、8・・・最尤復号器、20,22・・・シフトレジスタ、21・・・しきい値検出回路、23・・・系列比較回路、24・・・データセレクタ、50・・・ZPR回路、51・・・クロック分周回路、54・・・既知系列位相検出回路、61・・・ADC

Claims (7)

  1. パーシャルレスポンス,トレリス符号化,および最尤復号化を組み合わせたディジタル情報記録再生に用いられ、記録媒体から再生された再生データの復号化の際に、該再生データの同期を取るようなディジタル情報記録再生同期装置において、
    位相検出手段とループフィルタとVCOとからなるPLLにより上記再生データからクロックを生成するクロック生成手段と、
    上記再生データをパーシャルレスポンスにて等化するパーシャルレスポンス等化手段と、
    上記パーシャルレスポンス等化手段で等化されたサンプルデータを所定の閾値に基づき検出する閾値検出手段と、上記検出されたデータをパラレルデータに変換するシフトレジスタと、上記パラレルデータを所定の系列と比較する系列比較手段と、上記系列比較手段による比較結果に基づき上記サンプルデータにディレイを与えるデータセレクタとを備え、上記クロックで動作する状態同期手段と、
    上記状態同期手段から出力された上記サンプルデータが最尤復号入力として供給され、該最尤復号入力に対して最尤復号を行う最尤復号手段
    有することを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  2. 請求項1に記載のディジタル情報記録再生同期装置において、
    上記系列比較手段は、上記記録媒体から再生された再生信号における位相同期のための信号パターンに対する上記閾値検出手段による検出結果に基づくパラレルデータと、上記所定の系列とを比較する
    ことを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  3. 請求項に記載のディジタル情報記録再生同期装置において、
    上記信号パターンは、再生サンプル振幅が+1,+1,−1,−1の繰り返し系列であり、該繰り返し系列Mビット中、M≧NであるNビットが一致したタイミングに基づき上記最尤復号入力との状態の同期を取る
    ことを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  4. 請求項に記載のディジタル情報記録再生同期装置において、
    M=6,N=5であることを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  5. パーシャルレスポンス,トレリス符号化,および最尤復号化を組み合わせたディジタル情報記録再生に用いられ、記録媒体から再生された再生データの復号化の際に、該再生データの同期を取るようなディジタル情報記録再生同期装置において、
    上記再生データのゼロクロス点を検出し、検出結果に基づきリスタート信号をアクティブにするゼロフェーズリスタート手段と
    上記再生データ中の所定の位相同期パターンに基づいて位相のための同期検出を行う既知系列位相検出手段と、ループフィルタと、上記ゼロフェーズリスタート手段による上記ゼロクロス点の検出結果に基づきクロック出力が開始されるVCOとからなるPLLにより上記再生データからクロックを生成するクロック生成手段と、
    上記再生データをパーシャルレスポンスにて等化するパーシャルレスポンス等化手段と、
    上記パーシャルレスポンス等化手段の出力が最尤復号入力として供給され、該最尤復号入力に対して上記クロックに基づき最尤復号を行う最尤復号手段と、
    記リスタート信号がアクティブにされたタイミングに基づき、上記最尤復号入力との状態の同期を取る状態同期手段と
    を有する
    ことを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  6. 請求項5に記載のディジタル情報記録再生同期装置において、
    上記状態同期手段は、上記リスタート信号がアクティブとされるまで出力を所定の固定サンプル値に保持するA/D変換手段を有し、上記固定サンプル値以外のデータが出力されたタイミングに基づき、上記最尤復号入力との状態の同期を取る
    ことを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
  7. 請求項に記載のディジタル情報記録再生同期装置において、
    上記保持されるサンプル値が0であることを特徴とするディジタル情報記録再生同期装置。
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