JP3955258B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視カメラからの映像を記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の監視カメラシステムの構成例を図7に示す。この監視カメラシステムは、複数台(図示の例では2台)の監視カメラ701、702により撮影された映像を、カメラ切替装置703によって切り替えつつ、画像表示装置704に表示するとともに画像記録装置705に記録するように構成されている。カメラ切替装置703は、コントローラ706によって制御される。コントローラ706は、複数台の監視カメラ701、702からの映像を、一定時間毎に順次切り替えたり、外部からのアラーム信号をトリガにして不定期に切り替えたりして、画像表示装置704および画像記録装置705に入力する制御を行う。
【0003】
画像記録装置705は、監視カメラ701、702からカメラ切替装置703を介して入力される映像の全てのフレームを記録するのではなく、一定間隔毎に記録することにより長時間録画を可能としている。たとえば、通常監視カメラの出力映像は、1秒あたり30フレーム(コマ)の画像から成っているため、これを1800フレーム分の画像を記録できる装置で記録した場合は、60秒間しか録画できないことになるが、1フレーム/1秒のフレームレートで記録を行えば、30倍の1800秒間録画を行うことができる。また、通常は低フレームレートで記録することにより長時間にわたる録画を可能とし、アラーム信号発生時には高フレームレートに切り替えて記録密度の高い映像を録画することにより、重要な場面の録画漏れを防止することもできる。(特許文献1)
【0004】
【特許文献1】
特開2002-044609号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の画像記録装置では、通常は長時間録画できるようにするために、映像を録画する際のフレームレートをかなり低く設定している場合が多く、撮影された映像のうちの大部分の画像が間引かれている。そのため、何か事件が発生した場合に、アラーム信号が発生しなければ、高フレームレートへの切り替えが行われないため、重要な場面が録画されていないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するためにさされたもので、映像を録画する際のフレームレートを低下させることなく、限られた記録容量を有効に活用して長時間録画することが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像記録装置は、監視カメラからの映像を順次圧縮するデータ圧縮手段と、前記データ圧縮手段より順次出力されるストリームデータを、記録部に順次記録していくストリーム制御手段と、前記記録部に順次記録されたストリームデータに対し、記録されてからの経過時間が長いストリームデータは、記録されてからの経過時間が短いストリームデータよりもフレーム間引き率を高くして間引処理する間引き処理手段と、複数の監視カメラからの映像を切り替えて前記データ圧縮手段に入力する画像切り替え手段と、入力された各映像に対しそれがどの監視カメラで撮影されたものであるかを示すカメラ情報を付加するカメラ情報付加手段とを備え、前記間引き処理手段は、前記カメラ情報に基づいて、どの監視カメラからの映像も間引き率が等しくなるように間引き処理を行う。
【0010】
この構成により、複数の監視カメラからの映像を切り替えて入力した場合でも、どの監視カメラからの映像も等しい間引き率で記録することができる。
【0011】
また、上記構成に加えて、特定の要因によって入力された映像のストリームデータに関しては、前記間引き処理を施すことなく、前記記録部とは別の記録部に記録する制御手段を備えた構成としてもよい。
【0012】
この構成により、特定の要因によって入力された映像のストリームデータが間引き処理されて不完全なものになったり、消失してしまったりするのを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明にかかる画像記録装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0015】
この画像記録装置100は、図示しない監視カメラから送られてきたアナログ映像信号201をデジタルデータに変換し、フレーム単位で順次圧縮するデータ圧縮部101と、データ圧縮部101より順次出力された一連のフレーム(静止画データ)からなるストリームデータを記録部102に記録したり読み出したり、また内蔵されたメモリにストリームデータを一時的に蓄え、記録を遅延させたりするストリーム制御部103と、記録部102から読み出されたストリームデータをフレーム単位で順次伸張し、アナログ映像信号301に変換するデータ伸張部104と、記録部102に記録されているストリームデータの間引き処理を行うとともに、この画像記録装置100全体の制御を行う制御部105とを備えて構成されている。記録部102には、ハードディスク(HDD)などの大容量記録装置が用いられる。
【0016】
以上のように構成された画像記録装置100の動作について説明する。監視カメラからのアナログ映像信号201は、データ圧縮部101でデジタルデータに変換され、フレーム単位で順次圧縮された後、ストリーム制御部203を介して記録部102に記録される。
【0017】
記録部102の記録領域は、図2に示すように3つの領域に分割されており、第1の記録領域(No1)は最新の画像の保存領域として、第2および第3の記録領域(No2、No3)は間引き処理用の領域として主に使用される。
【0018】
図2中の英大文字A,B,C,・・・は、ある一定のフレームレートで一定期間記録された一連のフレームからなる、間引き処理していないストリームデータ(以下、未処理データと記す)を示している。英小文字a,b,c,・・・は、間引き処理したストリームデータ(以下、間引きデータと記す)を示しており、未処理データA,B,C,・・・との関係は下記の式で表される。また、t−1、t0、t1、t2 ・・・ は、一定時間毎の時刻を示している。
【0019】
【数1】
Figure 0003955258
【0020】
時刻t−1からt0では、第1の記録領域(No1)と第2の記録領域(No2)に未処理データA、Bを順次記録する。時刻t1では、第1の記録領域(No1)に記録されている未処理データAと第2の記録領域(No2)に記録されている未処理データBを、それぞれ1/2に間引きながら第3の記録領域(No3)にコピーする。またこのとき同時に、第1の記録領域(No1)には未処理データCを上書きする。ここでは上書きが発生するが、未処理データCの書き込み開始タイミングよりも未処理データAの読み出しタイミングの方がを早くすることで、間引き処理を行う前に上書きにより未処理データAが消されてしまうことはない。
【0021】
時刻t2では、第1の記録領域(No1)に記録されている未処理データCと、第3の記録領域(No3)に記録されている間引きデータa=(A+B)/2を、それぞれ1/2に間引きながら第2の記録領域(No2)にコピーする。またこのとき同時に、第1の記録領域(No1)には未処理データDを記録する。以降、第2の記録領域(No2)と第3の記録領域(No)を交互に使用し、過去のストリームデータを1/2に間引きながら記録を続ける。
【0022】
時刻tmで残っている最古のストリームデータは次のようにして求められる。第1〜第3の記録領域(No1〜No3)の領域サイズを(1/2)n倍した大きさが1フレーム分の画像データのサイズより小さくなった時、t1〜tnの期間に録画された最後の1フレームが消去される。つまり、時刻tmで残っている最古のフレームは、時刻t(m−n+1)のフレームとなる。
【0023】
たとえば、領域サイズ10GB、1フレームのサイズ30KBのとき、n=19で最古のフレームが消去される。仮に一領域の録画時間が3時間(30KB×30枚×60秒×60分×3時間=約10GB)であれば、約57時間前のフレームまでが、間引きされて保存されていることになる。ただし、最古の等価録画レートは1フレーム/3時間になり、その前は2フレーム/3時間、更にその前は4フレーム/3時間・・・となる。このような一連の処理は、制御部105の指示で行われる。また、保存されたストリームデータを再生する場合は、記録部102からストリーム制御部103を介してストリームデータが読み出され、データ伸張部104でフレーム単位で順次伸張され、アナログ信号301に変換されて出力される。
【0024】
上記のように、記録部102に記録済みのストリームデータを間引きし再度記録する処理を古くなったデータにほど多くの回数繰り返し行うことにより、記録部102に記録済みのストリームデータに対して、より新しいデータほどフレーム間引き率が低く、より古いデータほどフレーム間引き率が高くなるように間引き処理がなされる。その結果、映像を録画する際のフレームレートを低下させることなく、記録部102の限られた容量を有効に活用して長時間録画することが可能となる。
【0025】
さらに、上記の間引き処理によれば、新しく価値の高いストリームデータの時間記録密度を高くして重要な場面の録画欠落を防止するとともに、古くなって価値の下がったストリームデータを間引きすることによって、間引かれているとは言え、一定間隔で録画する場合に比べて遙かに古い映像も保存できるという効果が得られる。
【0026】
図2は本発明にかかる画像記録装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。この画像記録装置110は、図1に示した第1の実施の形態の構成要素に加えて、複数台の監視カメラからのアナログ画像信号201〜203を順次切り替えてデータ圧縮部101に入力するとともに、入力された各映像に対しそれがどの監視カメラで撮影されたものであるかを示すカメラ情報を付加する画像切り替え部310とを更に備え、制御部105は、カメラ情報に基づいて、どの監視カメラからの映像も間引き率が等しくなるように間引き処理を行うように構成されている。
【0027】
上記のように構成された画像記録装置110では、複数台の監視カメラから送られてくるアナログ映像信号201、202、203が画像切り替え部310により順次切り替えられて、データ圧縮部101に送り込まれる。そして、データ圧縮部101から順次出力された一連のフレームからなるストリームデータがストリーム制御部203を介して記録部102に記録される。
【0028】
図4を用いて第2の実施の形態における間引き動作について説明する。ここでは、カメラ情報として、個々のカメラに付与された番号(インデックス)を使用することとする。図4中の大文字の数字はカメラ番号を、下付の番号はほぼ同じ時間帯であることを示しており、一列に並んでいる各ブロックがそれぞれ一定時間分のストリームデータを表している。
【0029】
データ列401は、時間の経過に伴い監視カメラを順次切り替えて録画した間引き前のストリームデータの並びを、データ列402は、データ列401に対し、単純な1/2間引きを施した結果を示している。この結果から、単純な1/2間引きを実施したのでは、監視カメラによって保存される撮影画像の時間帯が変わってしまうことがわかる。
【0030】
これに対し、データ列403は、データ列401に対し、カメラ番号を認識して同じ時間帯のデータストリームは残すようにしながら1/2に間引きをした結果を表す。このように監視カメラに付与された番号と時間情報とを元に、どの監視カメラからの映像も間引き率が等しくなるように間引き処理を行うことで、複数台の監視カメラによる映像を均等に保存することが可能になる。
【0031】
図6は本発明にかかる画像記録装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。この画像記録装置120は、図3に示した第2の実施の形態の構成要素に加えて、バックアップ用記録媒体106を更に備えている。制御部106は、図示しない外部装置からアラーム信号が入力されるなどの特定の要因が生じた場合、その特定の要因に関連して入力された映像のストリームデータに関しては、間引き処理を行わず、そのままバックアップ用記録媒体106に記録する。
【0032】
図7を用いて第3の実施の形態における間引き動作について説明する。ここではカメラ番号「3」の映像がアラーム信号などの特定の要因によって入力された場合を示す。この場合、カメラ番号「3」の映像のストリームデータに関しては、間引き処理に先駆けてデータ列401から抜き出され、データ列405に示すようにそのままバックアップ用記録媒体106に記録される。一方、カメラ番号「1」、「2」の映像のストリームデータは、第2の実施の形態の場合と同様に記録部102に記録され、データ列404に示すように間引かれる。
【0033】
上記のように、アラーム信号などの特定の要因をトリガとして入力された映像のストリームデータに関しては、間引き処理を行わず、そのままバックアップ用記録媒体106に記録することで、重要な映像のストリームデータが間引き処理されて不完全なものになったり、消失してしまったりするのを防止することができる。また、1台の画像記録装置120の中で、間引き処理した録画と間引き処理しない録画が行われるため、時刻を基準にした検索や再生を容易に行うことができる。
【0034】
なお、上記の実施の形態では、記録部102の記録領域を3つの領域に分割して、最新の画像の保存領域および間引き処理用の領域として使い分けるようにしたが、ハードディスクなどを用いた大容量の記録部を3つ装備し、そのうちの1つの記録部を最新の画像の保存領域に、残りの2つの記憶部を間引き処理用の領域に割り当てるようにしてもよい。このように構成することで更に長時間の録画が可能になる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像記録装置によれば、記録部に記録済みのストリームデータに対して、より新しいデータほどフレーム間引き率が低く、より古いデータほどフレーム間引き率が高くなるように間引き処理が行われるので、映像を録画する際のフレームレートを低下させることなく、記録装置の限られた容量を有効に活用して長時間録画することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像記録装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における間引き録画動作の説明図である。
【図3】本発明にかかる画像記録装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施の形態における間引き動作の説明図である。
【図5】本発明にかかる画像記録装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施の形態における間引き動作の説明図である。
【図7】従来の従来の監視カメラシステムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100:画像記録装置
101:データ圧縮部(データ圧縮手段)
102:記録部
103:ストリーム制御部(ストリーム制御手段)
105:制御部(間引き処理手段)
106:バックアップ用記録媒体(別の記録部)
110:画像記録装置
120:画像記録装置
201〜203:アナログ画像信号
310:画像切り替え部(画像切り替え手段、カメラ情報付加手段)

Claims (2)

  1. 監視カメラからの映像を順次圧縮するデータ圧縮手段と、
    前記データ圧縮手段より順次出力されるストリームデータを、記録部に順次記録していくストリーム制御手段と、
    前記記録部に順次記録されたストリームデータに対し、記録されてからの経過時間が長いストリームデータは、記録されてからの経過時間が短いストリームデータよりもフレーム間引き率を高くして間引処理する間引き処理手段と、
    複数の監視カメラからの映像を切り替えて前記データ圧縮手段に入力する画像切り替え手段と、
    入力された各映像に対しそれがどの監視カメラで撮影されたものであるかを示すカメラ情報を付加するカメラ情報付加手段とを備え、
    前記間引き処理手段は、前記カメラ情報に基づいて、どの監視カメラからの映像も間引き率が等しくなるように間引き処理を行うことを特徴とする画像記録装置。
  2. 特定の要因によって入力された映像のストリームデータに関しては、間引き処理を施すことなく前記記録部とは別の記録部に記録する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
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