JP3954934B2 - 油圧駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンなどを駆動する油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械などのエンジンのラジエータは油圧駆動ファンによって冷却される。油圧駆動ファンは、油圧ポンプを油圧源とし、油圧モータが回転駆動することで回転する。油圧ポンプはエンジンによって駆動される。
【0003】
近年、建設機械を低騒音で稼動させたいとの要請がある。このため冷却性能を十分確保しつつ、より低回転で油圧駆動ファンを回転駆動させる必要がある。
【0004】
このためには図9の制御特性LN3が得られるよう油圧モータへの流入流量を制御する必要がある。制御特性LN3で制御されると、エンジン回転数が上昇し油圧ポンプの吐出流量Qが所定流量Qc以上になると、油圧モータへの流入流量が一定流量に保持される。このため図4に示すようにエンジン回転数Nが所定回転数Nc以上になるとファンの回転数NFが一定回転数に保持される特性L0が得られる。なお、このような制御特性はフロコン特性と呼ばれている。
【0005】
このようなフロコン特性は、油圧ポンプとして可変容量型油圧ポンプを採用し、斜板を制御することで得られる。
【0006】
しかし可変容量型油圧ポンプは一般的に高価であり、比較的低価格のギヤポンプなどの定容量型油圧ポンプを用いて、上述したフロコン特性を実現したいとの要請がある。
【0007】
このため従来より図10に示す油圧回路が採用されている。
【0008】
(従来技術1)
すなわち同図10に示すように、ギヤポンプなどの定容量型油圧ポンプ2は図示しないエンジンによって駆動され、圧油を油路7に吐出する。油圧ポンプ2から吐出された圧油は油路7を介して油圧モータ1に供給される。
【0009】
油路7上には絞り41が設けられている。油路7は油路15に分岐し制御弁20の入口ポートに接続している。制御弁20の出口ポートは油路16を介してタンク3に連通している。制御弁20には、バネ20cが設けられている。絞り41の上流側はパイロット油路51を介して、制御弁20の各パイロットポート20d、20eのうち、バネ20cが設けられている側とは反対側のパイロットポート20dに連通している。また絞り41の下流側はパイロット油路52を介して、制御弁20の各パイロットポート20d、20eのうち、バネ20cが設けられている側のパイロットポート20eに連通している。
【0010】
図10の制御弁20の構造を、図11に示す。同図11に示すように制御弁20はスプール構造の弁である。
【0011】
絞り41の上流側の圧をP2、下流側の圧をP3とし、スプール21の断面積をAとし、バネ20cのバネ力をFとすると、制御弁20のスプール21に作用する力の釣り合いの式は、理想的には下記(1)式で表される。
【0012】
(P2−P3)・A=F …(1)
したがって、この式(1)のとおりに制御弁20が作動すれば、絞り41の前後差圧P2−P3に相当する力((P2−P3)・A)と、バネ20cの設定バネ力(F)とが釣り合うため、絞り41を通過する圧油の流量は、設定バネ力に応じた設定流量一定に保持され、図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし実際には油圧モータ流入流量一定にはならず、LN1に示す特性が得られ、ポンプ吐出流量Qの増加に応じて油圧モータ流入流量が上昇する傾向を示す。
【0014】
これはつぎの理由による。つまり図11において制御弁20のスプール21が開口してタンク3に排出される際に、圧油はスプール21と平行な成分をもつ流線Vに沿って排出される。このため制御弁20のスプール21にはバネ力Fと同じ向きに、フローフォースと呼ばれる力が作用する。フローフォースは絞り41を通過する圧油の流量の増加に応じて増大する。
【0015】
フローフォースをfとすると、制御弁20のスプール21に作用する力の釣り合いの式は、次式(2)で表される。
【0016】
(P2−P3)・A=F+f …(2)
この(2)式にしたがい制御弁20が作動すると、フローフォースfによってスプール21の開口が閉じられる方向に、スプール21が押し戻される。このため、図9にLN1で示すように、ポンプ吐出流量Qの増加に応じて油圧モータ流入流量が上昇する傾向を示すことになる。
【0017】
以上が従来技術1とその問題点である。
【0018】
(従来技術2)
そこで、この従来技術1の問題点を解消すべく、スプール21の切欠き形状等を改善することで、流線Vがもつスプール21と平行な成分をなくす試みがなされている。従来技術2の制御特性を、図9にLN2で示す。
【0019】
この従来技術2(特性LN2)によれば従来技術1(特性LN1)がもつ問題点が幾分か改善されているものの、未だポンプ吐出流量Qの増加に応じて油圧モータ流入流量が上昇する傾向を示している。このためエンジン回転数が所定回転数以上になったとしても、ファン回転数が上昇を続けてしまい、騒音を一定レベルに抑えることができない。つまりエンジン回転数が所定回転数以上にあるときに騒音を一定レベルに抑えるという所期の目的を達成することができない。
【0020】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、理想的なフロコン特性を安価な油圧機器を用いて実現できるようにして、低コストかつ低騒音の油圧駆動装置を提供することを解決課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用、効果】
本発明の第1発明は、
回転数の増加に応じて吐出流量が増大する油圧源(2)と、
前記油圧源(2)から吐出される圧油が通過する第1の絞り(41)と、
前記第1の絞り(41)を通過した圧油を入力して駆動する油圧機器(1)と、
前記回転数が所定回転数以上になった場合に前記第1の絞り(41)を通過する流量が設定流量となるように、前記第1の絞り(41)を通過する圧油を制御する制御弁(20)とを備え、
前記第1の絞り(41)及び前記制御弁(20)の上流側に、第2の絞り(42)を設け、
前記制御弁(20)には、前記設定流量に応じたバネ力を発生するバネ(20c)が付与されており、
前記第2の絞り(42)の上流側の圧を、前記制御弁(20)に対して、前記バネ(20c)に対向する側に加えるとともに、
前記第1の絞り(41)の下流側の圧を、前記制御弁(20)に対して、前記バネ(20c)と同じ側に加え、
前記第2の絞り(42)の前後差圧に応じた力を、前記制御弁(20)に対して、前記制御弁(20)で発生するフローフォースの方向とは反対側の方向に付与すること
を特徴とする
【0022】
すなわち図2に示すように、第2の絞り42の上流側の圧をP1、下流側の圧をP2(第1の絞り41の上流側の圧)、第1の絞り41の下流側の圧をP3とし、スプール21の断面積をAとし、バネ20cのバネ力をFとし、フローフォースをfとすると、制御弁20のスプール21に作用する力の釣り合いの式は、下記(3)式で表される。
【0023】
(P1−P3)・A=F+f …(3)
ここで第2の絞り42の前後差圧P1−P2をΔP12(図2参照)とおき、上記(3)式を変形すると下記(4)式が得られる。
【0024】
ΔP12・A+(P2−P3)・A=f+F …(4)
上記(4)式の左辺第1項のΔP12・Aは、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力であり、制御弁20に対してバネ20cのバネ力Fの方向、フローフォースfの方向とは反対側に付与される力である。
【0025】
第1発明では、たとえば、この第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aを、(4)式右辺第1項のフローフォースfを打ち消すことができる力として、制御弁20に付与している。
【0026】
第1発明としては、必ずしも、第2の絞り42を設ける必要はなく、他の手段によって、制御弁20で発生するフローフォースfを打ち消すことができる力を、制御弁20に付与することができればよい。
【0027】
このような力を制御弁20に付与することで、上記(4)式は、(P2−P3)・A=Fとなり、図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られる。図9に示す制御特性LN3で制御されると、エンジン回転数が上昇し油圧ポンプ2の吐出流量Qが所定流量Qc以上になると、油圧モータ1への流入流量が一定流量に保持される。このため図4に示すようにエンジン回転数Nが所定回転数Nc以上になるとファン36の回転数NFが一定回転数に保持される特性L0が得られる。
【0028】
したがって第1発明によれば、エンジン回転数が所定回転数Nc以上にあるときに騒音が一定レベルに抑えられるという効果を、油圧源2(定容量型油圧ポンプ2)、制御弁20(切換弁20)、絞り42といった安価な油圧機器を用いて達成することができる。
【0030】
第1発明では、フローフォース調整用絞りである第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aを、制御弁20に付与して、上記(4)式右辺第1項のフローフォースfを打ち消している。
【0032】
第1発明では、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aを、制御弁20に対して、フローフォースfの方向とは反対側の方向に付与することで、上記(4)式右辺第1項のフローフォースfを打ち消している。
【0034】
第1発明では、制御弁20にバネ20cを設け、第2の絞り41の上流側の圧P1を制御弁20に対して、バネ20cが設けられている側とは反対側に加えている。また第1の絞り41の下流側の圧P3を制御弁20に対して、バネ20cが設けられている側と同じ側に加えている。これにより制御弁20に作用する力について、上記(3)式((P1−P3)・A=F+f)が成立し、これより上記(4)式が成立するので、制御弁20で発生するフローフォースfは打ち消される。
【0035】
第2発明は、第1発明において、
前記第2の絞り(42)の上流側の圧を調整する第3の絞り(43)を更に設けたことを特徴とする。
【0036】
第2発明では、第3の絞り43は、第2の絞り42の上流側の圧P1を調整するように、たとえば第2の絞り42の上流側と下流側とを連通するよう設けられる。このため第3の絞り43の径等を適宜定めることで、第2の絞り42の上流側の圧P1を低下させることができる。ただし下流側の圧P2を下限とする。第2の絞り42の上流側の圧P1が低下することで、上記(4)式において、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aが、フローフォースfと一致するように補正することができる。これにより図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られることになる。
【0037】
第3発明は、第2発明において、
前記第3の絞り(43)は、前記制御弁(20)のスプール(21)に形成したことを特徴とする。
【0038】
第3発明によれば、図1に示すように、第3の絞り43はスプール21に形成されている。このため第3の絞り43を、既存の制御弁20に容易に追加加工することができ、製造コストを低減することができる。
【0039】
第4発明は、第1発明において、
前記油圧機器(1)は、ファン(36)を駆動する油圧モータ(1)であることを特徴とする。
【0040】
第4発明によれば、図4に示すようにエンジン回転数Nが所定回転数Nc以上になるとファン36の回転数NFが一定回転数に保持される特性L0が得られる。
【0041】
したがって第4発明によれば、エンジン回転数が所定回転数Nc以上にあるときにファン36の騒音が一定レベルに抑えられるという効果が得られる。
【0042】
第5発明は、第1発明において、
前記油圧機器(1)は、油圧モータ(1)であり、前記制御弁(20)および絞り(41)を、前記油圧モータ(1)に内蔵したことを特徴とする。
【0043】
第5発明によれば、制御弁20、絞り41(42、43)が、図3に一点鎖線で示すように油圧モータ1のボディ11に内蔵されているので、油圧駆動装置の場積が小さくなり油圧駆動装置の構造が簡易なものとなる。
【0044】
第6発明は、第1発明において、
前記油圧源(2)は、固定容量型油圧ポンプ(2)であることを特徴とする。
【0045】
ギヤポンプなどの固定容量型油圧ポンプ2は、可変容量型油圧ポンプと比較して一般的に低価格であり、これを用いれば理想的なフロコン特性を安価な油圧機器を用いて実現することができる。
【0046】
第7発明は、第1発明において、
前記設定流量を変化させる設定流量可変手段(22、62、63、80)を更に備えたことを特徴とする。
【0047】
第7発明によれば、図6に示すように、制御弁20のバネ20cの設定バネ力が変化することによって、第1の絞り41を通過する圧油の設定流量が変化する。このため図7(a)に示すようにラジエータの冷却水温がt1、t2、t3と変化するに応じて、その冷却水温に適合した最適な制御特性L1、L2、L3が得られる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる油圧駆動装置の実施の形態について説明する。
【0049】
なお本実施形態では、油圧駆動装置として油圧駆動ファン装置を想定している。
【0050】
図3は第1の実施形態の油圧回路図である。
【0051】
すなわち同図3に示すように、本実施形態の装置は、大きくは、油圧ポンプ2と、油圧モータ1のボディ11と、冷却用ファン36とからなる。
【0052】
油圧ポンプ2はギヤポンプなどの定容量型油圧ポンプである、しかし、可変容量型の油圧ポンプを用いる実施も可能である。
【0053】
油圧ポンプ2は図示しないエンジンによって駆動され、圧油をポンプ吐出油路7に吐出する。油圧ポンプ2の吐出口はポンプ吐出油路7を介して油圧モータ1の圧油供給ポートMAに連通している。このため油圧ポンプ2から吐出された圧油はポンプ吐出油路7を介して油圧モータ1の圧油供給ポートMAに供給される。
【0054】
油圧モータ1の回転軸には冷却用ファン36が接続されており、油圧モータ1が回転駆動するに伴い冷却用ファン36が回転する。
【0055】
油圧モータ1の圧油排出ポートMBは油路6を介してタンク3に連通している。このため油圧モータ1が回転駆動するに伴い、圧油排出ポートMBから圧油が油路6を介してタンク3に排出される。
【0056】
ポンプ吐出油路7上には第1の絞り41が設けられている。さらに第1の絞り41の上流側にあってポンプ吐出油路7上には第2の絞り42が設けられている。
【0057】
これら第1の絞り41、第2の絞り42は油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0058】
ポンプ吐出油路7は油路15に分岐し制御弁20の入口ポートに接続している。制御弁20の出口ポートは油路16を介してタンク3に連通している。
【0059】
制御弁20は2位置切換弁であり遮断位置20Aと開口位置20Bとを有している。制御弁20は油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0060】
制御弁20には、バネ20cが設けられている。第2の絞り41の上流側はパイロット油路51を介して、制御弁20の各パイロットポート20d、20eのうち、バネ20cが設けられている側とは反対側のパイロットポート20dに連通している。また第1の絞り41の下流側はパイロット油路52を介して、制御弁20の各パイロットポート20d、20eのうち、バネ20cが設けられている側のパイロットポート20eに連通している。
【0061】
また制御弁20のパイロットポート20dつまり第2の絞り42の上流側は、第3の絞り43を介して、第2の絞り42の下流側に連通している。第3の絞り43は、第1の絞り41、第2の絞り42と同様に油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0062】
第2の絞り42の上流側の圧をP1、第1の絞り41の下流側の圧をP3とすると、制御弁20には、バネ20cのバネ力Fに対向する方向に、これら2つの絞り42、41の前後差圧P1−P3に比例した力が作用する。
【0063】
このため絞り42、41を通過する流量が小さく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧よりも小さいときには、制御弁20は遮断位置20A側に切り換えられる。このためポンプ吐出油路7を通過する圧油は、制御弁20を介してタンク3に排出されることなく、油圧モータ1の圧油供給ポートMAに供給される。
【0064】
この結果図9に示すようにポンプ吐出流量Qが所定流量Qcよりも小さいときには、ポンプ吐出流量Qの増加に応じて、油圧モータ1への流入流量が増大する。
【0065】
これに対して絞り42、41を通過する流量が大きく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧以上のときには、制御弁20は開口位置20B側に切り換えられる。このためポンプ吐出油路7を通過する圧油は、制御弁20を介してタンク3に排出され、油圧モータ1の圧油供給ポートMAに供給される流量が減少する。ポンプ吐出油路7を通過する流量が減少すると、絞り42、41の前後差圧P1−P3が小さくなるので、制御弁20は遮断位置20A側に切り換えられる。このためポンプ吐出油路7を通過する流量が増大する。以上の動作を繰り返して油圧モータ1への流入流量はバネ20cの設定圧に応じた一定値に保持される。
【0066】
この結果図9に示すようにポンプ吐出流量Qが所定流量Qc以上のときには、ポンプ吐出流量Qの大きさいかんにかかわらず、油圧モータ1への流入流量が設定流量一定に保持される。
【0067】
なお第2の絞り42の上流側には吸込弁13と安全弁4とが配置されている。これら吸込弁13、安全弁4についても油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0068】
油路6とポンプ吐出油路7とは油路8、9によって連通されている。
【0069】
油路8には油圧モータ1の圧油排出ポートMBから排出される圧油を油路6からポンプ吐出管路7の方向のみに導く吸込弁13が設けられる。
【0070】
また油路9にはポンプ吐出管路7の油圧が設定圧以上になったときに圧油を油路6を介してタンク3に導く安全弁4が設けられる。
【0071】
以上のように本実施形態によれば、制御弁20、吸込弁13、安全弁4、各絞り41、42、43を、図3に一点鎖線で示すように油圧モータ1のボディ11に内蔵しているので、油圧駆動ファン装置の場積が小さくなり油圧駆動ファン装置の構造が簡易なものとなる。
【0072】
図3の制御弁20の構造を、図1に示す。同図1に示すように制御弁20はスプール構造の弁である。
【0073】
また図2は、第2の絞り42の上流側の圧P1、下流側の圧P2、第1の絞り41の上流側の圧P2、下流側のP3の大小関係を示している。P1、P2、P3の間にはP1>P2>P3なる関係が成立する。
【0074】
以下、これら図1、図2を併せ参照して第1の実施形態の動作について説明する。
【0075】
第2の絞り42の上流側の圧をP1、下流側の圧をP2(第1の絞り41の上流側の圧)、第1の絞り41の下流側の圧をP3とし、スプール21の断面積をAとし、バネ20cのバネ力をFとし、フローフォースをfとすると、制御弁20のスプール21に作用する力の釣り合いの式は、下記(3)式で表される。
【0076】
(P1−P3)・A=F+f …(3)
ここで第2の絞り42の前後差圧P1−P2をΔP12(図2参照)とおき、上記(3)式を変形すると下記(4)式が得られる。
【0077】
ΔP12・A+(P2−P3)・A=f+F …(4)
上記(4)式の左辺第1項のΔP12・Aは、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力であり、制御弁20に対してバネ20cのバネ力Fの方向、フローフォースfの方向とは反対側に付与される力である。
【0078】
この第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aを、(4)式右辺第1項のフローフォースfを打ち消すことができる大きさに調整すると、上記(4)式は、(P2−P3)・A=Fとなり、前述した(1)式と一致する。このため図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られることになる。
【0079】
本実施形態では、第2の絞り42の径等を適宜定めることにより、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aが、フローフォースfを打ち消すことができる大きさに調整されている。
【0080】
このため制御弁20は、前述した(1)式((P2−P3)・A=F)にしたがい作動し、第1の絞り41の前後差圧P2−P3に相当する力((P2−P3)・A)と、バネ20cの設定バネ力(F)とが釣り合う。このため第1の絞り41を通過する圧油の流量は、設定バネ力に応じた設定流量一定に保持され、図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られることになる。
【0081】
ただし第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aが、フローフォースfよりも大きくなることがある。
【0082】
図9にLN4で示すように、第2の絞り42の径等の調整次第でポンプ吐出流量Qの増加に応じて油圧モータ流入流量が下降する傾向を示すこともある。
【0083】
第3の絞り43は、このような特性LN4を理想的な制御特性LN3に補正するために設けられている。図1の構造図では、第3の絞り43は、スプール21に形成されている。
【0084】
ここで図3で前述したように第3の絞り43は、第2の絞り42の上流側と、第2の絞り42の下流側とを連通するよう設けられている。このため第3の絞り43の径等を適宜定めることで、第2の絞り42の上流側の圧P1を低下させることができる。ただし圧P2を下限とする。第2の絞り42の上流側の圧P1が低下することで、第2の絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aが、フローフォースfと一致するように補正することができる。これにより図9にLN3で示す理想的なフロコン特性が得られることになる。
【0085】
図4は第1の実施形態におけるエンジン回転数Nとファン36の回転数NFとの関係を示している。
【0086】
図9に示す制御特性LN3で制御されると、エンジン回転数が上昇し油圧ポンプ2の吐出流量Qが所定流量Qc以上になると、油圧モータ1への流入流量が一定流量に保持される。このため図4に示すようにエンジン回転数Nが所定回転数Nc以上になるとファン36の回転数NFが一定回転数に保持される特性L0が得られる。このためエンジン回転数が所定回転数Nc以上にあるときに騒音が一定レベルに抑えられるという効果を、定容量型油圧ポンプ2、切換弁20、絞り42、43といった安価な油圧機器を用いて達成することができる。
【0087】
また図1に示すように、第3の絞り43はスプール21に形成されている。このため第3の絞り43を、既存の制御弁20に容易に追加加工することができ、製造コストを低減することができる。なお本実施形態では第3の絞り43を設けているが、この第3の絞り43の配設を省略してもよい。
【0088】
以上のように第1の実施形態によれば、理想的なフロコン特性を安価な油圧機器を用いて実現することができ、低コストかつ低騒音の油圧駆動装置を市場に提供することができる。
【0089】
図3に示す油圧回路に対しては、以下のような種々の変形が可能である。以下上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し異なる事項について説明する。
【0090】
図5は、図3の油圧回路に、切換弁60およびこの切換弁60を作動させる電磁比例制御弁61を付加した第2の実施形態を示している。
【0091】
図5においては、ポンプ吐出油路7は、切換弁60のポンプポートPに接続されている。切換弁60のタンクポートTは油路6を介してタンク3に連通されている。油圧モータ1は2つの圧油供給排出用ポートMA、MBを有している。
【0092】
切換弁60と油圧モータ1の圧油供給排出用ポートMA、MBとはそれぞれ油路74、75によって接続されている。
【0093】
切換弁60は油路7を介してポンプ吐出圧油を入力し圧油の方向を制御して油圧モータ1のポートMAまたはポートMBに圧油を供給する。
【0094】
切換弁60は正回転位置60Aと逆回転位置60Bとを有した2位置切換弁である。切換弁60は油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0095】
電気比例制御弁61は低圧位置61Aと高圧位置60Bとを有した2位置切換弁である。電磁比例制御弁61は、図示しないコントローラから出力される電気指令信号に応じて弁位置が切り換えられる。電磁比例制御弁61が高圧位置60Bに切り換えられると、ポンプ吐出油路7内の高圧のポンプ吐出圧をパイロット圧として油路44を介して切換弁60のパイロットポートに導く。また電磁比例制御弁61が低圧位置61Aに切り換えられると、切換弁60のパイロットポートがタンク3に連通し、切換弁60のパイロットポートに低圧のパイロット圧が作用する。電磁比例制御弁61は油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0096】
切換弁60は、パイロットポートに低圧のパイロット圧が作用すると正回転位置60Aに位置され、パイロットポートに高圧のパイロット圧が作用すると逆回転位置60Bに位置される。
【0097】
切換弁60が正回転位置60Aに位置すると、油圧モータ1のポートMAに圧油が供給され油圧モータ1が正方向に回転する。切換弁60が逆回転位置60Bに位置すると、油圧モータ1のポートMBに圧油が供給され油圧モータ1が逆方向に回転する。
【0098】
したがって図5の油圧回路は以下のように動作する。
【0099】
すなわち冷却用ファン36を正回転方向に切り換えるときには、コントローラから、電磁比例制御弁61を低圧位置61Aに位置させ切換弁60を正回転位置60Aに位置させる電気指令信号が電磁比例制御弁61に出力される。
【0100】
切換弁60が正回転位置60Aに位置すると、油圧ポンプ2から吐出された圧油はポンプ吐出油路7、切換弁60を通過し、油路74を介して油圧モータ1のポートMAに供給される。これにより油圧モータ1が正回転し、冷却用ファン36が正方向に回転する。
【0101】
また冷却用ファン36を逆回転方向に切り換えるときには、コントローラから、電磁比例制御弁61を高圧位置61Bに位置させ切換弁60を逆回転位置60Bに位置させる電気指令信号が電磁比例制御弁61に出力される。
【0102】
切換弁60が逆回転位置60Bに位置すると、油圧ポンプ2から吐出された圧油はポンプ吐出油路7、切換弁60を通過し、油路75を介して油圧モータ1のポートMBに供給される。これにより油圧モータ1が逆回転し、冷却用ファン36が逆方向に回転する。
【0103】
この図5に示す油圧回路の他の構成要素は図3の油圧回路とほぼ同様であり、この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、理想的なフロコン特性を安価な油圧機器を用いて実現することができる。
【0104】
つぎに図6は、図3の油圧回路に、制御弁20のバネ20cの設定バネ力を可変する装置を付加した第3の実施形態を示している。
【0105】
同図6に示すように、制御弁20には、作用するパイロット圧に応じてバネ20cの設定バネ力を変化させるパイロットポート22が設けられる。EPC弁62(電磁比例制御弁62)は、制御弁20のパイロットポート22に、パイロット圧を加える。減圧弁63は、ポンプ吐出油路7内の圧油を減圧してEPC弁62に元圧を供給する。これらEPC弁62、減圧弁63は油圧モータ1のボディ11に内蔵されている。
【0106】
コントローラ80は、EPC弁62に電気指令信号を出力する。EPC弁62は、減圧弁63から供給される圧油を元圧として、電気指令信号に応じたパイロット圧を出力する。コントローラ80には、ラジエータの冷却水温の水温検出値t(t1、t2、t3)およびエンジンの回転数検出値Nが入力される。コントローラ80は、これら入力された検出値に基づいて、電磁指令信号を生成、出力し、冷却用ファン36の回転数NFを制御する。
【0107】
図7(a)は、本実施形態の制御特性を示している。以下ラジエータの冷却水温tはt1、t2、t3の3段階のしきい値を有しているものとして動作を説明する。ただしt1、t2、t3の間にはt1<t2<t3の関係があるものとする。また制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcは、Fc1、Fc2、Fc3の3段階に設定されるものとする。ただしFc1、Fc2、Fc3の間にはFc1<Fc2<Fc3の関係があるものとする。
【0108】
すなわちラジエータの冷却水温tが低温t1以下である場合には、コントローラ80は、図7(a)の制御特性L1が得られるように、制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcを低い値Fc1に設定する電気指令信号を生成し、出力する。
【0109】
このため制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcは低い値Fc1に設定され、図7(a)にL1で示す制御特性が得られる。つまりラジエータの冷却水の温度が低温の場合には、それに応じて冷却用ファン36の回転数NFは低い回転数一定に抑えられる。
【0110】
同様にラジエータの冷却水温tが高温t3以上である場合には、コントローラ80は、図7(a)の制御特性L3が得られるように、制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcを高い値Fc3に設定する電気指令信号を生成し、出力する。
【0111】
このため制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcは高い値Fc3に設定され、図7(a)にL3で示す制御特性が得られる。つまりラジエータの冷却水の温度が高温の場合には、それに応じて冷却用ファン36の回転数NFは高い回転数一定に保持される。
【0112】
同様にラジエータの冷却水温tが中間温度t2以上(t3未満)である場合には、コントローラ80は、図7(a)の制御特性L2が得られるように、制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcを中間の値Fc2に設定する電気指令信号を生成し、出力する。
【0113】
このため制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcは中間値Fc2に設定され、図7(a)にL2で示す制御特性が得られる。つまりラジエータの冷却水の温度が中間の温度にあるときには、それに応じて冷却用ファン36の回転数NFは中間の回転数一定に保持される。
【0114】
なおエンジンの回転数Nが所定の回転数N0以下の場合には、コントローラ80は、制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcを最小の値に設定する電気指令信号を生成し、出力する。
【0115】
このため制御弁20のバネ20cの設定バネ力Fcは最小の値に設定され、ポンプ吐出油路7内の圧油は制御弁20を介してタンク3に排出され油圧モータ1への流入流量が最小となる。この結果図7(a)に示すように、エンジンの回転数Nが所定の回転数N0以下になると冷却用ファン36の回転が停止するという制御特性が得られる。
【0116】
なお図7(a)は制御特性が多段階に変化する場合を示しているが、図7(b)に示すように制御特性L0を無段階に連続的に変化させてもよい。
【0117】
図6に示す油圧回路の他の構成要素は図3の油圧回路とほぼ同様であり、この第3の実施形態においても第1の実施形態と同様に、理想的なフロコン特性を安価な油圧機器を用いて実現することができる。
【0118】
図8は図5に示す第2の実施形態の油圧回路と図6に示す第3の実施形態の油圧回路とを組み合わせた第4の実施形態の油圧回路を示している。つまり図5の油圧回路は、図3の油圧回路に、切換弁60およびこの切換弁60を作動させる電磁比例制御弁61等を付加するとともに、制御弁20のバネ20cの設定バネ力を可変する装置(コントローラ80、EPC弁62、減圧弁63、パイロットポート22等)を付加している。したがって第4の実施形態によれば、第2の実施形態、第3の実施形態と同様に動作し、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0119】
なお第2、第3、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第3の絞り43の配設を省略することができる。
【0120】
以上説明した実施形態では、フローフォース調整用の絞り42を設け、この絞り42の前後差圧ΔP12に応じた力ΔP12・Aを、制御弁20に付与することで制御弁20で発生するフローフォースfを打ち消すようにしている。
【0121】
しかし本発明としては、必ずしも、絞り42を設ける必要はなく、他の手段によって、制御弁20で発生するフローフォースfを打ち消すことができる力を、制御弁20に付与することができればよい。
【0122】
つぎに図16、図12を参照して第1の実施形態である油圧モータ1の構造例について説明する。
【0123】
図16は油圧モータ1のボディ11の断面図である。
【0124】
図12は図16に示すボディ11のA−A断面図である。
【0125】
図12に示すようにボディ11内には制御弁20のスプール120が摺動自在に収容されている。
【0126】
図12の動作について説明する。
【0127】
油圧ポンプ2から吐出された圧油は、ボディ11内のポンプ吐出油路7を介して第2の絞り42、スプール120の切欠き120a、第1の絞り41を通過する。スプール120の図中右側のパイロットポート20dにはパイロット油路51を介して第2の絞りの上流側のパイロット圧P1が作用するとともに第2の絞り42、第3の絞り43を通過した第3の絞り43の下流側のパイロット圧がスプール120内の通路を介して作用する。またスプール120のバネ20c側に設けられた図中左側のパイロットポート20eには、第1の絞り41の下流側のパイロット圧P3がパイロット油路52を介して作用する。
【0128】
第2の絞り42、第1の絞り41を通過する流量が小さく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧よりも小さいときには、図示のとおり制御弁20のスプール120が右側(図3における遮断位置20A側)に位置する。このときポンプ吐出油路7を通過する圧油は、タンク3に排出されることなく、スプール120の切欠き120aを介して圧油供給ポートMAに供給される。
【0129】
これに対して第2の絞り42、第1の絞り41を通過する流量が大きく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧以上のときには、スプール120が図中左側(図3における開口位置20B側)に位置しスプール120が開口し油路15と油路16が連通する。このときポンプ吐出油路7を通過する圧油の一部は、油路15、スプール120の切欠き120a、スプール120の開口、油路16、油路6を介してボディ11外のタンク3に排出される。
【0130】
ボディ11には、吸込弁13と一体に形成された安全弁4が設けられている。
【0131】
圧油排出ポートMBから排出される圧油によって吸込弁13が開弁動作し、ポートMBからの排出圧油は吸込弁13、油路8を介してポンプ吐出油路7に導かれる。
【0132】
またポンプ吐出油路7の油圧が設定圧以上になると安全弁4が開弁動作し油路7内の圧油は油路8、安全弁4、油路6を介してボディ11外のタンク3に導かれる。
【0133】
つぎに図13(a)を参照して第2の実施形態である油圧モータ1の構造例について説明する。
【0134】
図13(a)は図16に示すボディ11のA−A断面図である。
【0135】
図13(a)に示すようにボディ11内には制御弁20のスプール120が摺動自在に収容されている。またボディ11内には切換弁60のスプール160が摺動自在に収容されている。
【0136】
図13(a)の動作について説明する。
【0137】
油圧ポンプ2から吐出された圧油は、ボディ11内のポンプ吐出油路7を介して第2の絞り42、スプール120の切欠き120a、第1の絞り41を通過する。スプール120の図中右側のパイロットポート20dにはパイロット油路51を介して第2の絞りの上流側のパイロット圧P1が作用するとともに第2の絞り42、第3の絞り43を通過した第3の絞り43の下流側のパイロット圧がスプール120内の通路を介して作用する。またスプール120のバネ20c側に設けられた図中左側のパイロットポート20eには、第1の絞り41の下流側のパイロット圧P3がスプール160内の通路160a、パイロット油路52を介して作用する。
【0138】
第2の絞り42、第1の絞り41を通過する流量が小さく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧よりも小さいときには、図示のとおり制御弁20のスプール120が右側(図5における遮断位置20A側)に位置する。このときポンプ吐出油路7を通過する圧油は、タンク3に排出されることなく、スプール120の切欠き120aを介してポンプポートPに導かれる。
【0139】
これに対して第2の絞り42、第1の絞り41を通過する流量が大きく、前後差圧P1−P3がバネ20cで定まる設定圧以上のときには、スプール120が図中左側(図5における開口位置20B側)に位置しスプール120が開口し油路15と油路16が連通する。このときポンプ吐出油路7を通過する圧油の一部は、油路15、スプール120の切欠き120a、スプール120の開口、油路16、油路6を介してタンクポートTに導かれる。
【0140】
電磁比例制御弁61から油路44を介して切換弁60のスプール160の図中右側のパイロットポートに低圧のパイロット圧が作用しているときには、図示のとおりスプール160が図中右側に位置している。この位置ではポンプポートPがポートMAに連通し、ポートMBがタンクポートTに連通する。したがってポンプポートPに導かれた圧油はスプール160の開口を介してポートMAに供給され油圧モータ1が正回転する。
【0141】
電磁比例制御弁61から油路44を介して切換弁60のスプール160の図中右側のパイロットポートに高圧のパイロット圧が作用しているときには、スプール160が図示している位置から図中左側に移動する。スプール160が図中左側に位置すると、ポンプポートPがポートMBに連通し、ポートMAがタンクポートTに連通する。したがってポンプポートPに導かれた圧油はスプール160の開口を介してポートMBに供給され油圧モータ1が逆回転する。
【0142】
なおボディ11には、図12と同様に吸込弁13と一体に形成された安全弁4が設けられており同様に動作する。
【0143】
図13(a)ではスプール160を電磁比例制御弁61によって自動的に切換え作動させているが、図13(b)に示すようにスプール160を手動で切り換えるように構成してもよい。
【0144】
図13(b)に示すようにスプール160の図中右端部には、係合部材201が係合している。係合部材201はボルト202の内側に螺合されておりボルト202の外側はボディ11に螺合されている。
【0145】
係合部材201の図中右端のつまみ部201がマイナスドライバ等で回動されると、ボルト202に対し係合部材201が相対的に図中左右に移動し、スプール160が切換えられる。スプール160の切換位置調整後は、係合部材201とボルト202とがロックナット203によって固定される。
【0146】
つぎに図14を参照して第3の実施形態である油圧モータ1の構造例について説明する。
【0147】
図14は図16に示すボディ11のA−A断面図である。
【0148】
図14に示すようにボディ11内には制御弁20のスプール120が摺動自在に収容されている。
【0149】
図14の動作について説明する。
【0150】
ポンプ吐出油路7内の圧油は減圧弁63によって減圧されEPC弁62に元圧として供給される。EPC弁62は、制御弁20のスプール120の図中左側のパイロットポート22に、パイロット圧を加える。スプール120のパイロットポート22に加えられたパイロット圧の大きさに応じてバネ20cの設定バネ力が変化する。以下制御弁20のスプール120は図12と同様に動作する。吸込弁13、安全弁4についても同様に動作する。
【0151】
つぎに図15(a)を参照して第4の実施形態である油圧モータ1の構造例について説明する。
【0152】
図15(a)は図16に示すボディ11のA−A断面図である。
【0153】
図15(a)に示すようにボディ11内には制御弁20のスプール120が摺動自在に収容されている。またボディ11内には切換弁60のスプール160が摺動自在に収容されている。
【0154】
図15(a)の動作について説明する。
【0155】
ポンプ吐出油路7内の圧油は減圧弁63によって減圧されEPC弁62に元圧として供給される。EPC弁62は、制御弁20のスプール120の図中左側のパイロットポート22に、パイロット圧を加える。スプール120のパイロットポート22に加えられたパイロット圧の大きさに応じてバネ20cの設定バネ力が変化する。以下制御弁20のスプール120は図13(a)と同様に動作する。切換弁60のスプール160は図13(a)と同様に動作する。吸込弁13、安全弁4についても同様に動作する。
【0156】
また図15(a)ではスプール160を電磁比例制御弁61によって自動的に切換え作動させているが、図15(b)に示すように、図13(b)と同様な構成にてスプール160を手動で切り換えるようにしてもよい。
【0157】
なお以上説明した実施形態では油圧モータを駆動してファンの回転を制御する場合を想定して説明した。しかし本発明の駆動対象である油圧機器は油圧モータに限るものではなく、また制御対象はファン回転数に限るものではない。本発明は任意の油圧機器を駆動する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の制御弁の構造を示す図である。
【図2】図2は図1に示す各絞りの前後差圧を示す図である。
【図3】図3は第1の実施形態の油圧回路図である。
【図4】図4は、図3に対応して、エンジン回転数とファン回転数の関係を示す図である。
【図5】図5は第2の実施形態の油圧回路図である。
【図6】図6は第3の実施形態の油圧回路図である。
【図7】図7(a)、(b)は図6に対応して、エンジン回転数とファン回転数の関係を示す図である。
【図8】図8は第4の実施形態の油圧回路図である。
【図9】図9は実施形態の制御特性と従来技術の制御特性を比較して示す図である。
【図10】図10は従来の油圧回路を示す図である。
【図11】図11は従来の制御弁の構造を示す図である。
【図12】図12は第1の実施形態の油圧モータの断面図である。
【図13】図13(a)は第2の実施形態の油圧モータの断面図で、図13(b)は手動で切換弁のスプールを切り換える構成例を示す図である。
【図14】図14は第3の実施形態の油圧モータの断面図である。
【図15】図15(a)は第4の実施形態の油圧モータの断面図で、図15(b)は手動で切換弁のスプールを切り換える構成例を示す図である。
【図16】図16は油圧モータの断面図である。
【符号の説明】
1…油圧モータ
2…油圧ポンプ
11…ボディ
20…制御弁
36…冷却用ファン
41…第1の絞り
42…第2の絞り
43…第3の絞り
Claims (7)
- 回転数の増加に応じて吐出流量が増大する油圧源(2)と、
前記油圧源(2)から吐出される圧油が通過する第1の絞り(41)と、
前記第1の絞り(41)を通過した圧油を入力して駆動する油圧機器(1)と、
前記回転数が所定回転数以上になった場合に前記第1の絞り(41)を通過する流量が設定流量となるように、前記第1の絞り(41)を通過する圧油を制御する制御弁(20)とを備え、
前記第1の絞り(41)及び前記制御弁(20)の上流側に、第2の絞り(42)を設け、
前記制御弁(20)には、前記設定流量に応じたバネ力を発生するバネ(20c)が付与されており、
前記第2の絞り(42)の上流側の圧を、前記制御弁(20)に対して、前記バネ(20c)に対向する側に加えるとともに、
前記第1の絞り(41)の下流側の圧を、前記制御弁(20)に対して、前記バネ(20c)と同じ側に加え、
前記第2の絞り(42)の前後差圧に応じた力を、前記制御弁(20)に対して、前記制御弁(20)で発生するフローフォースの方向とは反対側の方向に付与すること
を特徴とする油圧駆動装置。 - 前記第2の絞り(42)の上流側の圧を調整する第3の絞り(43)を更に設けたこと
を特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。 - 前記第3の絞り(43)は、前記制御弁(20)のスプール(21)に形成したこと
を特徴とする請求項2記載の油圧駆動装置。 - 前記油圧機器(1)は、ファン(36)を駆動する油圧モータ(1)であることを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。
- 前記油圧機器(1)は、油圧モータ(1)であり、前記制御弁(20)および絞り(41)を、前記油圧モータ(1)に内蔵したこと
を特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。 - 前記油圧源(2)は、固定容量型油圧ポンプ(2)であること
を特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。 - 前記設定流量を変化させる設定流量可変手段(22、62、63、80)を更に備えたこと
を特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。
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