JP3954902B2 - 繊維束の連続めっき方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維の束にめっきを連続して施す方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1従来技術(特公平3−51831号公報)
これは、炭素繊維の束に電気めっきを連続して施す方法である。炭素繊維束は、リールから巻き戻され、電解脱脂槽、第1電気めっき槽と第2電気めっき槽を順次通過し、電気めっきが施され、ロールに巻き取られる。電気めっきされた炭素繊維は、複合材料の強化材や電磁波シールドに使用される。
【0003】
炭素繊維束は、各炭素繊維に均等に電気めっきを施すため、各槽の液中を走行中に、ほぐして、炭素繊維同士が接触しない状態にする。第1電気めっき槽と第2電気めっき槽においては、それぞれ、めっき液中を走行する炭素繊維束に、ノズルから噴出するめっき液を直角方向から衝突させ、炭素繊維束をほぐして、炭素繊維束の内部と外部でめっき液が入れ替わり易くする。また、電解脱脂槽においても、電解脱脂液中を走行する炭素繊維束に、ノズルから噴出する電解脱脂液を直角方向から衝突させ、炭素繊維束をほぐして炭素繊維束の内部と外部で電解脱脂液が入れ替わり易くする。
【0004】
第2従来技術(特開平1−156574号公報)
これは、繊維の束ではないが、多孔質中空糸に無電解銀めっきを施す方法である。ポリエチレン、ポリプロピレンやフッ素樹脂の多孔質中空糸は、ループ状に巻かれ、銀塩溶液と還元溶液に順次浸漬され、無電解銀めっきが施される。無電解銀めっきされた多孔質中空糸は、濾過に使用される。
【0005】
第3従来技術(特開2001−40578号公報)
これは、めっきされた繊維の束ではないが、白色導電糸を製造する方法である。めっき槽には、多数の孔を有する管状の軸を設ける。この管状軸には、ポリエステル、ナイロンやアクリルの糸を巻いた巻糸体を差し込み、管状軸の孔から流出するめっき液を巻糸体の内側から外側に通過させ、巻糸体の糸に銀又は白金の無電解めっきを施す。白色導電糸は、電磁波シールドに使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
第1従来技術においては、液中の炭素繊維束をほぐすのに、液中を走行中の炭素繊維束に、ノズルから噴出する液を衝突させる。そのために、ノズルに液を高圧にして供給するポンプ装置を要し、そのポンプ装置に出力の大きな大型のものを要する。
【0007】
また、電気めっきを施す繊維は、導電性のある炭素繊維に限られる。導電性のないアクリル、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの有機高分子繊維に電気めっきを施すことができない。更に、炭素繊維は、これを脱脂して電気めっきを施すだけであるので、電気めっきの密着性が高くない。
【0008】
第2従来技術と第3従来技術においては、糸を一定長さ毎に無電解めっきする。これは、バッチプロセスであり、連続処理ではない。能率が高くない。
【0009】
第3従来技術においては、めっき液を巻糸体の内側から外側に通過させる。そのために、めっき液を高圧にして供給するポンプ装置を要し、そのポンプ装置に出力の大きな大型のものを要する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
1)繊維束は、リールから巻き戻し、めっきに用いる各種の液の処理槽を順次通過して各繊維にめっきを施し、巻取リールに巻き取る繊維束の連続めっき方法において、
繊維束は、処理槽の液中を走行中に処理槽内の片側の固定案内ローラと他の片側の可動案内ローラを通過し、可動案内ローラの位置が左右方向に周期的に移動して左右両側の固定案内ローラと可動案内ローラとの間の距離が周期的に増減することにより繊維束が張りと緩みを繰り返し、繊維束が緩む毎に束をほぐす。
【0011】
2)上記の繊維束の連続めっき方法において、
繊維束は、たるみ低減機構の入口案内ローラ、調整ローラと出口案内ローラを通過し、繊維束が緩む際、調整ローラが入口案内ローラ、出口案内ローラから遠ざかり、繊維束のたるみ量を減少させる。
【0012】
3)上記の繊維束の連続めっき方法において、
繊維束は、有機高分子繊維の束であり、エッチング処理槽、触媒付着用のシランカップリング剤を付着する表面調整処理槽、触媒を付着するキャタリスト処理槽、アクセレータ処理槽と無電解めっき処理槽を通過する。
【0013】
4)上記3)の繊維束の連続めっき方法において、
有機高分子繊維束は、無電解めっき処理槽を通過した後に電気めっき処理槽を通過する。
【0014】
5)上記1)又は2)の繊維束の連続めっき方法において、
繊維束は、炭素繊維の束であり、キャタリスト処理槽、アクセレータ処理槽、無電解めっき処理槽と電気めっき処理槽を通過する。
【0015】
6)繊維束を巻いたリールを仕掛ける巻戻部と、巻取リールを仕掛ける巻取部とを設け、めっきに用いる各種の液の処理槽を設け、リールから巻き戻した繊維束が各処理槽を順次通過し、各繊維にめっきを施した繊維束が巻取リールに巻き取られる構成にした繊維束の連続めっき装置において、
処理槽内に、繊維束が通過する固定案内ローラと可動案内ローラを設け、固定案内ローラを処理槽内の片側に、可動案内ローラを他の片側にそれぞれ配置し、繊維束が片側の固定案内ローラと他の片側の可動案内ローラを通過して折れ曲がる構成にし、可動案内ローラの位置を左右方向に周期的に移動して左右両側の固定案内ローラと可動案内ローラとの間の距離を周期的に増減する案内ローラ移動機構を設け、繊維束が処理槽の液中を走行中に張りと緩みを繰り返す構成にした。
【0016】
7)上記の繊維束の連続めっき装置において、
繊維束が緩む際のたるみ量を低減するたるみ低減機構を設けており、たるみ低減機構は、繊維束が通過する入口案内ローラ、移動可能な調整ローラと出口案内ローラを設け、調整ローラが繊維束から受ける力と逆向きの力を調整ローラに加え、繊維束が緩む際、調整ローラが入口案内ローラ、出口案内ローラから遠ざかり、繊維束のたるみ量を減少させる構成にした。
【0018】
【発明の効果】
繊維束は、処理槽の液中を走行中に張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれる。繊維束の内部と外部で液が入れ替わり易くなる。繊維束の各繊維にめっきが均等に付着し易い。各繊維に無電解めっき又は電気めっきを均等に施した繊維束を連続して能率良く製造することができる。無電解めっきと電気めっきには、銅めっき、ニッケルめっき、銀めっき、パラジウムめっき、金めっきや白金めっきなどが例示される。
【0019】
走行中の繊維束に張りと緩みを繰り返させるには、可動案内ローラの位置を周期的に移動すればよい。出力の大きな大型の駆動源を要しない。
【0020】
また、導電性のある炭素繊維のみならず、導電性のない有機高分子繊維にも電気めっきを施すことができる。有機高分子繊維には、アクリル、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、アセテート、キュプラなどが例示される。炭素繊維は、無電解めっきを施した上に電気めっきを施すことができる。電気めっきの密着性が高くなる。
【0021】
更に、有機高分子繊維束に無電解めっき又はその上に電気めっきを施す場合、繊維にシランカップリング剤を付着すると、繊維への触媒の付着が強固になり、無電解めっき又は電気めっきの密着性が高くなる。
【0022】
繊維束は、緩む際のたるみ量が減少する。繊維束のたるみ量の増大による繊維束同士の絡み、繊維束の案内ローラ等からの脱落や、繊維束の処理槽等との接触等が防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
[めっき装置の構成]
繊維束の連続めっき装置は、有機高分子繊維束に無電解めっきを施し、その上に電気めっきを施す装置である。
【0024】
図1に示すように、巻戻部1、エッチング部6と中和部21及び表面調整部22を順次一列に設けている。エッチング部6と中和部21の間には、水洗部20を設けている。中和部21と表面調整部22の間にも、水洗部20を設けている。エッチング部6の前後には、それぞれ、走行駆動部4を設けている。中和部21の前後、表面調整部22の前後にも、それぞれ、走行駆動部4を設けている。
【0025】
表面調整部22に続いて、図2に示すように、キャタリスト部23とアクセレータ部24及び無電解めっき部25を順次一列に設けている。表面調整部22とキャタリスト部23の間には、水洗部20を設けている。キャタリスト部23とアクセレータ部24の間、アクセレータ部24と無電解めっき部25の間にも、それぞれ、水洗部20を設けている。キャタリスト部23の前後には、それぞれ、走行駆動部4を設けている。アクセレータ部24の前後、無電解めっき部25の前後にも、それぞれ、走行駆動部4を設けている。
【0026】
無電解めっき部25に続いて、図3に示すように、酸洗部26と第1電気めっき部31及び第2電気めっき部33を順次一列に設けている。無電解めっき部25と酸洗部26の間には、水洗部20を設けている。酸洗部26と第1電気めっき部31の間にも、水洗部20を設けている。酸洗部26の前後には、それぞれ、走行駆動部4を設けている。第1電気めっき部31の前後には、それぞれ、陰極給電部兼用の走行駆動部30を設けている。第2電気めっき部33の前後にも、それぞれ、陰極給電部兼用の走行駆動部30を設けている。
【0027】
第2電気めっき部33に続いて、図4に示すように、巻取部41を設けている。第2電気めっき部33と巻取部41の間には、水洗部20、温水洗部35と温風乾燥部36を順次一列に設けている。温風乾燥部36と巻取部41の間には、走行駆動部4を設けている。
【0028】
巻戻部1は、図1に示すように、繊維束fを巻いたリールrを回転可能に差し込む軸2を縦に設け、リールrから巻き戻した繊維束fを通す案内ローラ3を設けている。
【0029】
各走行駆動部4は、繊維束fを挟む一対の駆動ローラを上下に設けている。両駆動ローラの間に繊維束fを通し、両駆動ローラを互いに逆方向に回転駆動すると、繊維束fが走行する。
【0030】
エッチング部6は、図1に示すように、エッチング液を入れる処理槽7の前後にそれぞれ回収槽8を設けている。処理槽7と回収槽8の前後の壁には、図5と図6に示すように、それぞれ、繊維束fが通る細長い通過口9を設けている。処理槽7の前後の通過口9から流出する液は、それぞれ、前後の回収槽8に流入する。図示しないが、前後の回収槽8に流入した液を処理槽7に戻す循環機構を設けている。
【0031】
処理槽7は、図1に示すように、繊維束fの入口になる通過口9の内側位置と、繊維束fの出口になる通過口9の内側位置にそれぞれ案内ローラ10を縦に設けている。また、処理槽7は、左右の両側にそれぞれ同数の案内ローラ11、12を等間隔に縦に設けている。片側の案内ローラ12は、その位置を左右方向に移動可能にし、可動案内ローラにしている。なお、他の片側の案内ローラ11は、その位置が移動せず、固定案内ローラである。
【0032】
可動案内ローラ12の位置を周期的に移動させる案内ローラ移動機構を設けている。この移動機構は、図1と図5に示すように、処理槽7内の片側に可動板13を左右方向に移動可能に設け、可動板13に可動案内ローラ12を等間隔に取り付けている。可動板13は、クランク機構14とウオーム歯車機構15を経て駆動軸16に連結している。駆動軸16を回転駆動すると、図5と図7に示すように、可動板13と可動案内ローラ12が左右方向に往復移動し、片側の可動案内ローラ12と他の片側の固定案内ローラ11との間の距離が周期的に増減する。
【0033】
前後の案内ローラ10と左右の案内ローラ11、12は、それぞれ、繊維束fが通過する周溝を設けている。それらの周溝は、処理槽7の液に没入する高さに配置している。
【0034】
処理槽7の液中を走行する繊維束fは、図1に示すように、入口側の案内ローラ10を通過し、左右の案内ローラ11、12を交互に通過して左右に複数回折れ曲がり、出口側の案内ローラ10を通過する。可動案内ローラ12の位置が往復移動し、可動案内ローラ12と固定案内ローラ11との間の距離が周期的に増減すると、繊維束fは、処理槽7の液中を走行中に張りと緩みを繰り返す。なお、走行中の繊維束fに緩みが発生するように、繊維束fの走行速度と可動案内ローラ12の往復速度を設定する。
【0035】
各水洗部20は、繊維束fの走行路に沿って空気ノズルと水ノズルを設けている。空気ノズルから噴出する空気流と、水ノズルから噴出する水流は、それぞれ、走行中の繊維束fに衝突する。
【0036】
中和部21は、図1に示すように、中和液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。ただし、左右の案内ローラ11、12の本数は、エッチング部6におけるのより少ない。これは、繊維束fの処理液中の走行距離、即ち、繊維束fの浸漬時間ないし処理時間に基いて定められる。
【0037】
表面調整部22は、表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。
【0038】
キャタリスト部23は、図2に示すように、触媒液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。ただし、左右の案内ローラ11、12の本数は、エッチング部6におけるのより少ない。
【0039】
アクセレータ部24は、アクセレータ液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12、案内ローラ12の移動機構13〜16を、キャタリスト部22におけるのと同様に、設けている。
【0040】
無電解めっき部25は、無電解めっき液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。ただし、左右の案内ローラ11、12の本数は、エッチング部6におけるのより多い。
【0041】
酸洗部26は、図3に示すように、酸洗液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。ただし、左右の案内ローラ11、12の本数は、エッチング部6におけるのより非常に少ない。
【0042】
各陰極給電部兼用の走行駆動部30は、走行駆動部4の駆動ローラを電気めっき電源の陰極給電部に兼用したものである。陰極給電部兼用の駆動ローラには、繊維束fが走行しつつ接触する
【0043】
第1電気めっき部31は、第1電気めっき液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12と案内ローラ12の移動機構13〜16を、エッチング部6におけるのと同様に、設けている。更に、処理槽7内に、走行駆動部兼用の陰極給電部30に対応する陽極給電部32を設けている。第2電気めっき部33は、第2電気めっき液を入れる処理槽7と回収槽8、通過口9、案内ローラ10、11、12、案内ローラ12の移動機構13〜16と陽極給電部32を、第1電気めっき部31におけるのと同様に、設けている。
【0044】
温水洗部35は、図3に示すように、繊維束fの走行路に沿って空気ノズルと温水ノズルを設けている。空気ノズルから噴出する空気流と、温水ノズルから噴出する温水流は、それぞれ、走行中の繊維束fに衝突する。温風乾燥部36は、図4に示すように、繊維束fの走行路に沿って温風ノズルを設けている。温風ノズルから噴出する温風は、走行中の繊維束fに衝突する。
【0045】
巻取部41は、図4に示すように、繊維束fが緩む際のたるみ量を低減するたるみ低減機構42を設け、巻取リールRを仕掛ける駆動軸43を横に設けている。図示しないが、駆動軸43を回転駆動する装置を設けている。各繊維に電気めっきを施した繊維束fは、たるみ低減機構42を通過し、駆動軸43に仕掛けた巻取リールRに巻き取られる。
【0046】
たるみ低減機構42は、図8に示すように、入口側と出口側に入口案内ローラ45、出口案内ローラ46を設けている。また、入口側と出口側には2本の案内柱47を設けている。両案内柱47には可動体48を上下動可能に取り付けている。可動体48には調整ローラ49を取り付けている。調整ローラ49は、入口案内ローラ45と出口案内ローラ46との中間の下方位置に上下動可能に設けている。入口案内ローラ45、出口案内ローラ46と調整ローラ49は、それぞれ、繊維束fが通過する周溝を設けている。
【0047】
繊維束fは、入口案内ローラ45の上側、調整ローラ49の下側と出口案内ローラ46の上側を順次通過する。可動体48と調整ローラ49は、自重即ち下向きの力が作用しており、繊維束fから上向きの力を受ける。繊維束fが緩む際、可動体48と調整ローラ49がそれらの自重で下降し、調整ローラ49が入口案内ローラ45、出口案内ローラ46から遠ざかり、繊維束fのたるみ量が減少する。たるみ量の増大による繊維束f同士の絡み、繊維束fの案内ローラ10、11、12等からの脱落や、繊維束fの処理槽7等との接触等が防止される。
【0048】
可動体48と調整ローラ49が下限の遠点に達すると、図8に実線で示すように、可動体48が遠点検出スイッチ50を作動させる。このスイッチ50が作動すると、駆動軸43が回転駆動され、駆動軸43に仕掛けた巻取リールRが回転する。すると、繊維束fが巻取リールRに巻き取られ、可動体48と調整ローラ49が上昇して入口案内ローラ45、出口案内ローラ46に近づく。可動体48と調整ローラ49が上限の近点に達すると、図8に鎖線で示すように、可動体48が近点検出スイッチ51を作動させる。このスイッチ51が作動すると、駆動軸43の回転駆動が停止し、巻取リールRが停止する。すると、繊維束fの巻き取りが停止し、可動体48と調整ローラ49の上昇が停止する。また、繊維束fが緩む際、調整ローラ49が入口案内ローラ45、出口案内ローラ46から遠ざかり、繊維束fのたるみ量が減少する。
【0049】
たるみ低減機構42は、たるみ減少量を調節する調節機構を設けている。この調節機構は、図8と図9に示すように、可動体48の上方位置にプーリ52を設け、プーリ52にロープ53を架けている。ロープ53は、一端を可動体48に連結し、他端に重り54を連結している。可動体48と調整ローラ49との合計重量は、重り54の重量より重い。可動体48と調整ローラ49は、それらの合計重量から重り54の重量を差し引いた力で下降し、その力で繊維束fを引っ張る。調整ローラ49が繊維束fを引っ張る力が大きくなると、たるみ減少量が増加する。即ち、重り54の重量を増減すると、たるみ減少量が調整される。
【0050】
[めっき装置の使用方法、めっき方法]
連続めっき装置において、巻取部41に空の巻取リールRを仕掛ける。巻戻部1には、繊維束fを巻いたリールrを仕掛け、リールrから繊維束fを巻き戻す。その繊維束fは、巻戻部1と巻取部41との間に配列した各部に順次通し、巻取部41の巻取リールRに連結する。各処理槽7にはそれぞれ処理液を供給する。第1電気めっき部31と第2電気めっき部33において、それぞれ、陰極給電部30と陽極給電部32に通電する。各走行駆動部4、30において、それぞれ、駆動ローラを回転駆動する。また、エッチング部6、中和部21、表面調整部22、キャタリスト部22、アクセレータ部24、無電解めっき部25、酸洗部26、第1電気めっき部31と第2電気めっき部33に共通の駆動軸16を回転駆動する。それらの部において、可動案内ローラ12を同期して往復移動する。
【0051】
連続めっき装置が作動すると、繊維束fは、巻戻部1においてリールrから巻き戻され、走行駆動部4を経てエッチング部6を通過する。
【0052】
エッチング部6において、繊維束fは、処理槽7のエッチング液中を走行し、図1に示すように、入口側の案内ローラ10を通過し、左右の案内ローラ11、12を交互に通過して左右に複数回折れ曲がり、出口側の案内ローラ10を通過する。可動案内ローラ12が往復移動し、可動案内ローラ12と固定案内ローラ11間の距離が周期的に増減する。繊維束fは、処理槽7のエッチング液中を走行中に張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部でエッチング液が入れ替わる。各繊維が均等にエッチング処理される。エッチング処理の後、繊維束fは、走行駆動部4を経て水洗部20を通過し、水洗部20において空気と水で洗浄され、走行駆動部4を経て中和部21を通過する。
【0053】
中和部21において、繊維束fは、処理槽7の中和液中を走行し、入口側の案内ローラ10を通過し、左右の案内ローラ11、12を交互に通過して左右に折れ曲がり、出口側の案内ローラ10を通過する。可動案内ローラ12が往復移動し、両側の案内ローラ11、12間の距離が周期的に増減する。繊維束fは、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で中和液が入れ替わる。各繊維が均等に中和処理される。中和処理の後、繊維束fは、走行駆動部4を経て水洗部20を通過し、水洗部20において洗浄され、走行駆動部4を経て表面調整部22を通過する。
【0054】
表面調整部22において、繊維束fは、処理槽7の表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤中を走行し、入口側の案内ローラ10、左右の案内ローラ11、12と出口側の案内ローラ10を順次通過する。可動案内ローラ12が周期的に往復移動する。繊維束fは、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で表面調整液が入れ替わる。各繊維が均等に表面調整処理される。表面調整処理の後、繊維束fは、走行駆動部4を経て水洗部20を通過し、走行駆動部4を経てキャタリスト部23を通過する。
【0055】
キャタリスト部23において、繊維束fは、処理槽7の触媒液中を走行し、図2に示すように、案内ローラ10、12、11、10を順次通過する。可動案内ローラ12が周期的に往復移動する。繊維束fは、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で触媒液が入れ替わる。各繊維が均等に触媒処理される。触媒処理の後、繊維束fは、走行駆動部4を経て水洗部20を通過し、走行駆動部4を経てアクセレータ部24を通過する。
【0056】
アクセレータ部24において、繊維束fは、処理槽7のアクセレータ液中を走行し、案内ローラ10、12、11、10を通過する。可動案内ローラ12が周期的に往復移動する。繊維束fは、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部でアクセレータ液が入れ替わる。各繊維が均等にアクセレータ処理される。アクセレータ処理の後、繊維束fは、走行駆動部4、水洗部20と走行駆動部4を経て無電解めっき部25を通過する。
【0057】
無電解めっき部25において、繊維束fは、処理槽7の無電解めっき液中を走行し、案内ローラ10、12、11、10を通過し、同様に、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で無電解めっき液が入れ替わる。各繊維が均等に無電解めっき処理される。無電解めっきを施した後、繊維束fは、走行駆動部4、水洗部20と走行駆動部4を経て酸洗部26を通過する。
【0058】
酸洗部26において、繊維束fは、処理槽7の酸洗液中を走行し、案内ローラ10、12、11、10を通過し、同様に、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で酸洗液が入れ替わる。各繊維が均等に酸洗処理される。酸洗処理の後、繊維束fは、走行駆動部4を経て水洗部20を通過し、第1電気めっき部31の陰極給電部を兼用した入口側の走行駆動部30を経て第1電気めっき部31を通過する。また、第1電気めっき部31の陰極給電部を兼用した出口側の走行駆動部30を通過する。
【0059】
第1電気めっき部31において、繊維束fは、処理槽7の陽極給電部32上の第1電気めっき液中を走行し、同様に、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で第1電気めっき液が入れ替わる。各繊維が均等に電気めっき処理される。1回目の電気めっきを施した後、繊維束fは、第2電気めっき部33の陰極給電部を兼用した入口側の走行駆動部30を経て第2電気めっき部33を通過する。また、第2電気めっき部33の陰極給電部を兼用した出口側の走行駆動部30を通過する。
【0060】
第2電気めっき部33において、繊維束fは、処理槽7の陽極給電部32上の第2電気めっき液中を走行し、同様に、張りと緩みを繰り返し、緩む毎に、束がほぐれ、束の内部と外部で第2電気めっき液が入れ替わる。各繊維が均等に電気めっき処理される。2回目の電気めっきを施した後、繊維束fは、水洗部20を経て温水洗部35を通過し、温水洗部35において空気と温水で洗浄される。その後、温風乾燥部36を通過し、温風で乾燥される。各繊維に電気めっきを均等に施した繊維束fは、走行駆動部4を経て巻取部41に至る。
【0061】
巻取部41において、繊維束fは、たるみ低減機構42を通過し、巻取リールRに巻き取られる。各繊維に電気めっきを均等に施した繊維束が連続して能率良く製造される。
【0062】
[めっきの具体例]
例1(ポリエステル繊維に電気銅めっきを施す例)
繊維束fは、ポリエステル繊維の100本ないし数百本の束である。走行速度が毎分50cmである。可動案内ローラ12は、往復ストロークが10cmであり、往復数が毎分3〜4回である。なお、可動案内ローラ12と固定案内ローラ11間の距離は、約50cmである。
【0063】
エッチング液は、水酸化ナトリウム(NaOH)の5%水溶液であり、温度が45℃で、浸漬時間が5分である。中和液は、塩酸(HCl)の5%水溶液であり、温度が室温で、浸漬時間が2分である。
【0064】
表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤は、α−アミノエチルトリエトキシシランの0.1%水溶液であり、温度が50℃で、浸漬時間が5分である。触媒液は、水溶液の1リットル当り塩化パラジウム(PdCl2)0.1g、塩化第一錫(SnCl2)15gと塩酸(HCl)200mlを含み、温度が40℃で、浸漬時間が3分である。アクセレータ液は、硫酸(H2SO4)の10%水溶液であり、温度が40℃で、浸漬時間が3分である。
【0065】
無電解めっき液は、銅(Cu)めっき用であり、水溶液の1リットル当り硫酸銅(CuSO4・5H2O)10g、酒石酸カリウムナトリウム(C446KNa・4H2O、ロッセル塩)100g、水酸化ナトリウム(NaOH)12g、ホルマリン(HCHO)20mlと安定剤少量を含み、温度が35℃で、浸漬時間が15分である。酸洗液は、硫酸(H2SO4)の10%水溶液であり、温度が室温で、浸漬時間が1分である。
【0066】
第1電気めっき液と第2電気めっき液は、それぞれ、銅(Cu)めっき用であり、水溶液の1リットル当り硫酸銅(CuSO4・5H2O)200gと硫酸(H2SO4)50gを含み、温度が室温で、浸漬時間が10分である。電流密度は、第1電気めっき液では0.5A/dm2であり、第2電気めっき液では2A/dm2である。
【0067】
ポリエステル繊維束は、繊維の一本一本に厚さ4μmの電気銅めっきが付き回っていた。電気銅めっきは、テープテストで剥離しなかった。
【0068】
例2(アラミド繊維に電気ニッケルめっきを施す例)
繊維束fは、アラミド繊維の100本ないし数百本の束である。走行速度が毎分60cmである。可動案内ローラ12は、往復ストロークが5cmであり、往復数が毎分6〜8回である。なお、可動案内ローラ12と固定案内ローラ11間の距離は、約50cmである。
【0069】
エッチング液は、無水クロム酸(CrO3)30%と硫酸(H2SO4)15%の水溶液であり、温度が50℃で、浸漬時間が5分である。中和液は、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3、重亜硫酸ナトリウム)の10%水溶液であり、温度が室温で、浸漬時間が2分である。
【0070】
表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤、触媒液とアクセレータ液は、それぞれ、例1におけるのと同じである。
【0071】
無電解めっき液は、ニッケル(Ni)めっき用であり、水溶液の1リットル当り硫酸ニッケル(NiSO4・7H2O)20g、次亜リン酸ナトリウム(NaPH22・H2O)20g、クエン酸ナトリウム(C65 7 Na3・2H2O)40g、アンモニア(NH3)水10mlと安定剤少量を含み、温度が30℃で、浸漬時間が10分である。酸洗液は、例1におけるのと同じである。
【0072】
第1電気めっき液と第2電気めっき液は、それぞれ、ニッケル(Ni)めっき用であり、水溶液の1リットル当り硫酸ニッケル(NiSO4・7H2O)280g、塩化ニッケル(NiCl2・6H2O)50gとホウ酸(H3BO3)40gを含み、温度が50℃で、浸漬時間が10分である。電流密度は、第1電気めっき液では0.5A/dm2であり、第2電気めっき液では2A/dm2である。
【0073】
アラミド繊維束は、繊維の一本一本に厚さ6μmの電気ニッケルめっきが付き回っていた。電気ニッケルめっきは、テープテストで剥離しなかった。
【0074】
例3(レーヨン繊維に電気銀めっきを施す例)
繊維束fは、レーヨン繊維の100本ないし数百本の束である。走行速度が毎分70cmである。可動案内ローラ12は、往復ストロークが10cmであり、往復数が毎分4〜5回である。なお、可動案内ローラ12と固定案内ローラ11間の距離は、約50cmである。
【0075】
エッチング液は、水酸化ナトリウム(NaOH)の3%水溶液であり、温度が45℃で、浸漬時間が5分である。中和液は、塩酸(HCl)の3%水溶液であり、温度が室温で、浸漬時間が2分である。
【0076】
表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤、触媒液とアクセレータ液は、それぞれ、例1におけるのと同じである。無電解めっき液は、銅めっき用であり、例1におけるのと同じである。酸洗液も、例1におけるのと同じである。
【0077】
第1電気めっき液と第2電気めっき液は、それぞれ、銀(Ag)めっき用であり、水溶液の1リットル当りシアン化銀(AgCN)60gとシアン化カリウム(KCN)160gを含み、温度が室温で、浸漬時間が7分である。電流密度は、第1電気めっき液では0.5A/dm2であり、第2電気めっき液では1A/dm2である。
【0078】
レーヨン繊維束は、繊維の一本一本に厚さ5μmの電気銀めっきが付き回っていた。電気銀めっきの密着性は、テープテストで問題がなかった。
【0079】
例4(ポリフェニレンサルファイド繊維に電気銀めっきを施す例)
繊維束fは、ポリフェニレンサルファイド繊維の100本ないし数百本の束である。走行速度は、例3におけるのと同じである。可動案内ローラ12の往復ストロークや往復数も、例3におけるのと同じである。
【0080】
エッチング液は、硝酸(HNO3)にその1リットル当り酸性フッ化アンモニウム(NH4HF2)130gを添加した液であり、温度が40℃で、浸漬時間が5分である。中和液は、水酸化ナトリウム(NaOH)の1%水溶液であり、温度が室温で、浸漬時間が2分である。
【0081】
表面調整液の触媒付着用シランカップリング剤、触媒液とアクセレータ液は、それぞれ、例1におけるのと同じである。
【0082】
無電解めっき液は、銀(Ag)めっき用であり、第1無電解めっき液と第2無電解めっき液にする。連続めっき装置においては、無電解めっき部25は、第1無電解めっき液を処理液とする第1無電解めっき部と、第2無電解めっき液を処理液とする第2無電解めっき部にする。繊維束fは、第1無電解めっき部と第2無電解めっき部を順次通過する。第1無電解めっき液は、水溶液の1リットル当り硝酸銀(AgNO3)9gと硫酸アンモニウム((NH42SO4)50gを含み、温度が室温で、浸漬時間が10分である。第2無電解めっき液は、水溶液の1リットル当りホルマリン(HCHO)50mlを含み、温度が室温で、浸漬時間が10分である。
【0083】
酸洗液は、例1におけるのと同じである。第1電気めっき液と第2電気めっき液は、それぞれ、例3におけるのと同じである。
【0084】
ポリフェニレンサルファイド繊維束は、繊維の一本一本に厚さ5μmの電気銀めっきが付き回っていた。電気銀めっきの密着性は、テープテストで問題がなかった。
【0085】
例5(炭素繊維に電気銅めっきを施す例)
繊維束fは、炭素繊維の100本ないし数百本の束である。走行速度は、例1におけるのと同じである。可動案内ローラ12の往復ストロークや往復数も、例1におけるのと同じである。
【0086】
エッチング液と中和液は、使用しない。連続めっき装置において、エッチング部6と中和部21にエッチング液と中和液を供給しない。繊維束fは、処理槽7が空のエッチング部6と中和部21を通過する。又は、連続めっき装置において、エッチング部6と中和部21を設けない。繊維束fは、エッチング部6と中和部21を通過することなく、表面調整部22を通過する。
【0087】
表面調整液、触媒液とアクセレータ液は、それぞれ、例1におけるのと同じである。無電解めっき液と酸洗液、及び、第1電気めっき液と第2電気めっき液は、それぞれ、例1におけるのと同じである。
【0088】
炭素繊維束は、繊維の一本一本に厚さ4μmの電気銅めっきが付き回っていた。電気銅めっきの密着性は、問題がなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における繊維束の連続めっき装置の巻戻部、エッチング部、中和部と表面調整部の一部横断平面図。
【図2】同連続めっき装置のキャタリスト部、アクセレータ部と無電解めっき部の一部横断平面図。
【図3】同連続めっき装置の酸洗部、第1電気めっき部と第2電気めっき部の一部横断平面図。
【図4】同連続めっき装置の温風乾燥部と巻取部の一部横断平面図。
【図5】図1のA−A線断面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】同連続めっき装置の左右の案内ローラ間が縮小した状態の図で、図5と同じ断面図。
【図8】同連続めっき装置のたるみ低減機構の拡大正面図。
【図9】同たるみ低減機構の拡大縦断側面図。
【符号の説明】
f 繊維束
r リール
R 巻取リール
1 巻戻部
6 エッチング部
7 処理槽
11 案内ローラ、固定案内ローラ
12 案内ローラ、可動案内ローラ
13〜16 案内ローラ移動機構
21 中和部
22 表面調整部
23 キャタリスト部
24 アクセレータ部
25 無電解めっき部
26 酸洗部
31、33 電気めっき部
41 巻取部
42 繊維束のたるみ低減機構
45 入口案内ローラ
46 出口案内ローラ
49 調整ローラ

Claims (7)

  1. 繊維束は、リールから巻き戻し、めっきに用いる各種の液の処理槽を順次通過して各繊維にめっきを施し、巻取リールに巻き取る繊維束の連続めっき方法において、
    繊維束は、処理槽の液中を走行中に処理槽内の片側の固定案内ローラと他の片側の可動案内ローラを通過し、可動案内ローラの位置が左右方向に周期的に移動して左右両側の固定案内ローラと可動案内ローラとの間の距離が周期的に増減することにより繊維束が張りと緩みを繰り返し、繊維束が緩む毎に束をほぐすことを特徴とする繊維束の連続めっき方法。
  2. 繊維束は、たるみ低減機構の入口案内ローラ、調整ローラと出口案内ローラを通過し、繊維束が緩む際、調整ローラが入口案内ローラ、出口案内ローラから遠ざかり、繊維束のたるみ量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の繊維束の連続めっき方法。
  3. 繊維束は、有機高分子繊維の束であり、エッチング処理槽、触媒付着用のシランカップリング剤を付着する表面調整処理槽、触媒を付着するキャタリスト処理槽、アクセレータ処理槽と無電解めっき処理槽を通過することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維束の連続めっき方法。
  4. 有機高分子繊維束は、無電解めっき処理槽を通過した後に電気めっき処理槽を通過することを特徴とする請求項3に記載の繊維束の連続めっき方法。
  5. 繊維束は、炭素繊維の束であり、キャタリスト処理槽、アクセレータ処理槽、無電解めっき処理槽と電気めっき処理槽を通過することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維束の連続めっき方法。
  6. 繊維束を巻いたリールを仕掛ける巻戻部と、巻取リールを仕掛ける巻取部とを設け、めっきに用いる各種の液の処理槽を設け、リールから巻き戻した繊維束が各処理槽を順次通過し、各繊維にめっきを施した繊維束が巻取リールに巻き取られる構成にした繊維束の連続めっき装置において、
    処理槽内に、繊維束が通過する固定案内ローラと可動案内ローラを設け、固定案内ローラを処理槽内の片側に、可動案内ローラを他の片側にそれぞれ配置し、繊維束が片側の固定案内ローラと他の片側の可動案内ローラを通過して折れ曲がる構成にし、可動案内ローラの位置を左右方向に周期的に移動して左右両側の固定案内ローラと可動案内ローラとの間の距離を周期的に増減する案内ローラ移動機構を設け、繊維束が処理槽の液中を走行中に張りと緩みを繰り返す構成にしたことを特徴とする繊維束の連続めっき装置。
  7. 繊維束が緩む際のたるみ量を低減するたるみ低減機構を設けており、たるみ低減機構は、繊維束が通過する入口案内ローラ、移動可能な調整ローラと出口案内ローラを設け、調整ローラが繊維束から受ける力と逆向きの力を調整ローラに加え、繊維束が緩む際、調整ローラが入口案内ローラ、出口案内ローラから遠ざかり、繊維束のたるみ量を減少させる構成にしたことを特徴とする請求項6に記載の繊維束の連続めっき装置。
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