JP3954871B2 - 路面の切削方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は路面の切削方法に関し、特に路面に所定間隔の切削溝を形成するための路面の切削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
路面に所定間隔の切削溝を形成する手段としては、従来主に、路面切削機の切削装置を手動で上下動させることにより、路面に所定間隔の切削溝を形成する方法が行われてきた。また、加熱したパイプを路面上に所定間隔で並べてこれをローラで転圧する方法、舗設直後の路面上に溝型の型枠を設置して転圧する方法等も知られている。更に、加熱した路面または舗設直後の路面を車輪に突起物を溶接したローラで転圧する方法も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法では以下のような問題点があった。
第一に、路面切削機の切削装置を手動で上下動させる方法では、走行距離と切削位置を合わせ難く所定間隔で切削溝を形成することが困難である。
第二に、加熱したパイプや溝型の型枠を利用した方法では、いずれも人力に依存する部分が多く時間と労力を要してしまう。
第三に、車輪に突起物を溶接したローラを利用した方法では、仕上がった舗装体の密度にばらつきが生じる等の問題がある。
本発明の課題はこれら従来技術の問題点を解決することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に係わる発明は、自走車両の底部に設置され前記自走車両の車体と一体となって上下に移動可能な切削装置と、連結部材を介して前記車体に固定される支持部材と、前記支持部材の下端部に回転可能に係合される案内輪とを有する路面切削機を用いる路面切削方法であって、路面上に前記案内輪の走行位置に沿って所定間隔で突起物を配置し、前記案内輪が前記突起物上を通過することにより路面に所定間隔の切削溝を形成することを特徴とする路面の切削方法である。
【0005】
請求項2に係わる発明は、自走車両の底部に設置され前記自走車両の車体と一体となって上下に移動可能な切削装置と、連結部材を介して前記車体に固定される筒型部材と、前記筒型部材に挿通され前記筒型部材の内部を上下に移動可能な支持部材と、上端部が前記筒型部材に固定され下端部が前記支持部材に固定されると共に、伸縮することにより前記支持部材に対して前記筒型部材を上下に摺動させる駆動装置と、前記支持部材の下端部に回転可能に係合される案内輪とを有する路面切削機において、前記筒型部材が上下動することによりこれと連動して前記切削装置が上下に移動するように構成した路面切削機を用いる路面切削方法であって、前記車体に取付部材を介して自動高さ制御装置を固定すると共に、前記案内輪の走行位置の側方に路面に形成する切削溝の深さ、長さおよび間隔に応じて設定した基準線を設け、前記自動高さ制御装置により前記基準線の高さを検知し、検知された高さに基づいて前記切削装置が上下に移動することにより路面に所定間隔の切削溝を形成することを特徴とする路面の切削方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本発明に係わる路面切削機は、車体2の底部に切削装置3を備えてなる自走車両1からなる。前記切削装置3は車体の後部右側に位置し、その前方には案内輪4が設けられている。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる側面図である。案内輪4は切削装置3のロータ5よりも右側に配置されており、案内輪4の走行位置の路面がロータ5によって切削されることはない。6はピン等により一時的に路面上に固定された木製または金属製の部材で、案内輪4の走行位置に沿って配置されている。部材6の高さ、長さ、配置間隔は路面を切削する深さ、長さ、切削間隔により任意に決めることができ、部材6の幅は案内輪4が部材6上を通過する時に逸脱しない程度であればよい。
【0009】
次に、作用について説明する。図1において矢印イが自走車両1の進行方向である。まず、施工を開始する前に切削装置3のロータ5の高さを調整する。ロータ5の高さは、案内輪4が部材6上を通過するときの軌跡を考慮して設定する。図1において案内輪4がロの位置にあるときは切削装置3のロータ5が路面と接しており、ロータ5により路面が切削される。自走車両1が矢印イ方向へ走行して案内輪4がハの位置まで進むと、自走車両1の車体2が上方へ持ち上げられ切削装置3のロータ5が路面から離れるので、路面は切削されない。自走車両1が更に矢印イ方向へ走行して案内輪4がニの位置まで進むと、再び切削装置3のロータ5が路面と接するので、ロータ5により路面が切削される。以下、自走車両1の走行に伴い上記動作が繰り返されることにより、路面に所定間隔の切削溝が形成される(図6参照)。また、前記部材6に換えて所定の凹凸を有する型枠30(図7参照)を使用することにより、第1実施形態と同様の切削溝を設けることができる。
【0010】
図2は、本発明の第2実施形態に係わる斜視図である。筒型部材10は車体2に固定されており、その内側には支持部材11が上下に移動可能に挿通されている。支持部材11の下端部には案内輪4が回転可能に係合され、支持部材11の内部には駆動部材12が設置されている。駆動部材12は、下端部が支持部材11と係合され上端部が筒型部材10と係合されており、駆動部材12が伸縮することにより支持部材11が筒型部材10の内部を上下に摺動する。案内輪4は切削装置3のロータ5よりも右側に配置されており、案内輪4の走行位置の路面がロータ5によって切削されることはない。
【0011】
案内輪4前方の車体2側部に固定された柱状部材13の上部にはアーム14の一端部が水平方向へ回転可能に係合され、アーム14の他端部には柱状部材15が固定されている。柱状部材15は案内輪4の右側方に配置され、その下端部には自動高さ制御装置16が取り付けられている。自動高さ制御装置16の函体17側面には測定軸18とアーム19を介してグリッド20が鉛直方向に回動可能に軸支されており、測定軸18の回転角度をポテンショメータ等により連続的に測定する構成となっている。自走車両1の右側方には自走車両1の走行位置と平行にセンサ台21が所定間隔で配置され、所定高さに高さ調整されたホルダ22上に基準線23が張設されている(図4参照)。そして、自走車両1の走行に伴ってグリッド20が基準線23上を移動すると共に、測定軸18(アーム19)の角度を一定に保つように駆動部材12を伸縮させて車体2を上下動させることにより切削装置3のロータ5がこれと連動して上下に移動するので、路面に所定の間隔、幅、長さ、深さを有する切削溝を形成することができる。
【0012】
次に、作用について説明する。図3において矢印イが自走車両1の進行方向である。自動高さ制御装置16のグリッド20は、自走車両1の走行に伴って基準線23上を矢印イ方向へ移動する。図5においてグリッド20が位置Aにあるときの測定軸18(アーム19)の水平方向に対する角度θを基準とする。この時、切削装置3のロータ5は路面から離れており、路面は切削されない。グリッド20が位置Aから位置Bへ移動するとθ<θとなるので、θ=θとなるように自動高さ制御装置16の位置を下方へ移動させるために駆動部材12を縮めて車体2を低くする。この時、切削装置3のロータ5もこれと連動して下方へ移動し路面と接するため、ロータ5により路面が切削される。グリッド20がさらに位置Bから位置Cへ移動するとθ>θとなるので、θ=θとなるように自動高さ制御装置16の位置を上方へ移動させるために駆動部材12を伸ばして車体2を高くする。この時、切削装置3のロータ5もこれと連動して上方へ移動し路面から離れるため、路面は切削されない。以下、自走車両1の走行に伴い上記動作が繰り返されることにより、路面に所定間隔の切削溝が形成される(図6参照)。
【0013】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、従来の方法と比較して容易にかつ正確に、路面に所定間隔の切削溝を設けることが可能である。特に、車道の路肩部や中央部に連続的な切削溝を設けることにより、居眠り運転などにより走行車両が車道本線から逸脱しそうになったときに、前記走行車両のタイヤが前記切削溝を通過したときに発生する音や振動が車両の運転者に注意を促すいわゆる注意喚起構造とすることができる。
【0014】
この注意喚起構造には凸型部を設けたものが多いが、積雪寒冷地域など冬期間に車道の除雪が行われる地域では、除雪によって前記凸型部が路面から剥がれてしまう恐れがある。しかし、本発明は路面に切削溝を設ける方法なので、このような心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を表す側面図。
【図2】本発明の第2実施形態に関する自走車両の斜視図。
【図3】本発明の第2実施形態を表す側面図。
【図4】本発明の第2実施形態に関するセンサ台の斜視図。
【図5】本発明の第2実施形態に関する自動高さ制御装置の作用を表す側面図。
【図6】本発明により形成される切削溝を表す斜視図。
【図7】本発明の第1実施形態に関する型枠の斜視図。
【符号の説明】
1 自走車両
2 車体
3 切削装置
4 案内輪
5 ロータ
6 一時的固定部材
10 筒状部材
11 支持部材
12 駆動部材
13,15 柱状部材
14 アーム
16 自動高さ制御装置
17 函体
18 測定軸
19 アーム
20 グリッド
21 センサ台
22 ホルダ
23 基準線
30 型枠

Claims (2)

  1. 自走車両の底部に設置され前記自走車両の車体と一体となって上下に移動可能な切削装置と、連結部材を介して前記車体に固定される支持部材と、前記支持部材の下端部に回転可能に係合される案内輪とを有する路面切削機を用いる路面切削方法であって、路面上に前記案内輪の走行位置に沿って所定間隔で突起物を配置し、前記案内輪が前記突起物上を通過することにより路面に所定間隔の切削溝を形成することを特徴とする路面の切削方法
  2. 自走車両の底部に設置され前記自走車両の車体と一体となって上下に移動可能な切削装置と、連結部材を介して前記車体に固定される筒型部材と、前記筒型部材に挿通され前記筒型部材の内部を上下に移動可能な支持部材と、上端部が前記筒型部材に固定され下端部が前記支持部材に固定されると共に、伸縮することにより前記支持部材に対して前記筒型部材を上下に摺動させる駆動装置と、前記支持部材の下端部に回転可能に係合される案内輪とを有する路面切削機において、前記筒型部材が上下動することによりこれと連動して前記切削装置が上下に移動するように構成した路面切削機を用いる路面切削方法であって、前記車体に取付部材を介して自動高さ制御装置を固定すると共に、前記案内輪の走行位置の側方に路面に形成する切削溝の深さ、長さおよび間隔に応じて設定した基準線を設け、前記自動高さ制御装置により前記基準線の高さを検知し、検知された高さに基づいて前記切削装置が上下に移動することにより路面に所定間隔の切削溝を形成することを特徴とする路面の切削方法。
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