JP3954465B2 - 拡径掘削装置および管杭造成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる中掘り根固めによる鋼管杭造成工法に好適な拡径掘削装置および管杭造成工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、中掘り根固めによる鋼管杭造成工法においては、地盤支持層内において、管杭下端部を含む部分を管杭外径よりも大径の固化体(セメントミルクと原位置土類との混合固化体。以下、拡大根固め部ともいう。)で根固めし、杭支持力の増大を図る技術が開発され、実用に供されている。
【0003】
本出願人が従来行っていた管杭造成工法の施工手順を図1〜図9に、また従来使用していた掘削ヘッドを図10に示した。
【0004】
施工に際しては、先ず図1に示すように、対象地盤G上に掘削装置1を設置し、鋼管等の既製管杭Pをスパイラルオーガー軸6外側に通して、その基端部を管杭保持装置5により保持した後、杭芯位置および鉛直度の確認を行う。
【0005】
ここに、拡径掘削装置1は、特に後述の図8に示されるように、ベースマシン2によって立設支持されたリーダ3と、このリーダ3に沿ってそれぞれ上下動自在に取り付けられた回転駆動源4および管杭保持装置5と、この回転駆動源4に直列連結された、長手方向に延在する螺旋状の羽根6aが外周面に設けられたスパイラルオーガー軸6と、このスパイラルオーガー軸6の先端に取り付けられた、掘削ヘッド7とを備えたものであり、さらにこの掘削ヘッド7は、図10に示されるように、先端ビット7bを備えるとともに、その基端側に水平軸7X周りの揺動によって拡縮可能な掘削翼7aを備えたものである。また、スパイラルオーガー軸6及び掘削ヘッド7内を通り、掘削ヘッド7先端部側面に開口する供給口7hに連通する供給路7sが設けられており、この供給路7sを介して供給口7hから各種薬液や水等を供給できるように構成されている。
【0006】
次いで図2に示すように、回転駆動源4を作動させて、スパイラルオーガー軸6及び掘削ヘッド7を回転させながら下降させて軟弱地盤内に杭孔Hを削孔するとともに、これに連行させて管杭Pを下降させ、順次形成される杭孔H内に挿入する。このとき、掘削土砂はスパイラルオーガー軸6の螺旋羽根6aにより管杭P内を通り地上に排出される。なお、この掘削および排土を円滑にするべく、掘削中は、掘削ヘッド7先端の供給口7hから圧縮エア等を噴射させることができる。
【0007】
当該管杭Pが基端近傍まで地盤G内に挿入されたならば、図3に示すように管杭Pおよびスパイラルオーガー軸6の基端に、次の管杭Pおよびスパイラルオーガー軸6をそれぞれ連結し、これらを延長する。もちろん、延長せずに所定深度まで掘削できる場合には、かかる延長は必要ない。
【0008】
管杭Pおよびスパイラルオーガー軸6を延長したならば、図4に示すように、削孔および管杭挿入を再開する。そして所定深度、すなわち管杭Pの先端が支持層Bに到達するまで掘削を行う。支持層Bに到達したか否かは、例えば当該施工に先立って行ったボーリング調査結果や当該掘削における掘削抵抗の検出に基づいて行う。
【0009】
管杭Pの先端が支持層Bに到達したならば、図5に示すように掘削ヘッド7の掘削翼7aを拡大させる。本例の掘削ヘッド7においては、掘削に先立って掘削翼7aが図示しない固定ピンにより固定され斜め上向き姿勢に保持されており、拡翼に際しては管杭Pを当該深さ位置に固定した状態でスパイラルオーガー軸6および掘削ヘッド7を正回転(掘削のときと同じ方向の回転)のまま引き上げ、掘削翼7a先端部を管杭P先端に接触させ、固定ピンを切断する。これにより、斜め上向き姿勢に保持されていた掘削翼7aは、その自重およびヘッド回転により生ずる遠心力によって回転軸側方に向けて突出する水平姿勢となる。
【0010】
拡翼が完了したならば、管杭Pを当該深さ位置に固定した状態で、ヘッド先端の供給口7hから注水を行いながら、スパイラルオーガー軸6および掘削ヘッド7を正回転で更に貫入し、当該支持層B内において所定深度まで拡径掘削を行う。なお、図5中には拡径掘削部分が点線で示されている。
【0011】
拡径掘削が完了したならば、図6に示すように、当該支持層B内においてヘッド先端部の供給口7hからセメントミルク等の根固め材Mを送出するとともに、スパイラルオーガー軸6および掘削ヘッド7を正回転させながら拡径掘削底部と管杭先端との間で上下往復動させ、送出根固め材Mと原位置土との攪拌混合を行い、拡大根固め部C(図7参照)を形成する。
【0012】
次いで、攪拌混合が完了したならば、図7に示すように拡大根固め部Cの固化前に管杭Pの先端部を拡大根固め部(上端部)内に根入れする。また、掘削翼7aを下向き姿勢となし縮翼する。本例の掘削ヘッド7においては、掘削ヘッド7を逆転させると、掘削翼7aがヘッド7に対して正方向に回動した後、下方に揺動し、下向き姿勢となるように構成されている。
【0013】
縮翼が完了したならば、図8に示すようにスパイラルオーガー軸6および掘削ヘッド7を管杭P内を通して引き上げる。このとき、掘削ヘッド7先端部が拡大根固め部Cの基端部よりも上方に引き上げられた時点で、供給口7hから注水を開始する。かくして施工が完了し、図9に示す状態となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来型装置においては、拡翼に際し掘削翼を回転させたまま管杭に接触させて固定ピンを切断する等、比較的に困難な作業を必要としていた。
【0015】
また、拡翼に際し掘削翼を回転させたまま管杭に接触させて固定ピンを切断するために、管杭下端に当接部材を設ける必要があり、これが管杭内への円滑な排土導入を阻害することが想定された。
【0016】
さらに、上述のように縮翼状態における掘削翼の姿勢が斜め上向きであると、管杭内への排土導入が当該縮翼状態の掘削翼により阻害されることも問題であった。
【0017】
他方、これらの問題点に対して、本出願人は特開2002−38860号公報において、拡大翼をスプリング等の弾性部材により拡大方向に付勢するとともに、これを縮小姿勢に保持するためのストッパーを設け、このストッパーの解除により拡大翼を拡大する技術を提案した。しかしこの場合、スプリングを地盤等によって適切に選定しないと、伸張力不足が原因で拡大翼を確実に拡大できないことがあった。
【0018】
したがって、本発明の主たる課題は、拡大翼を容易、円滑かつ確実に拡大できるようにすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
回転自在および長手方向に進退自在に支承された回転軸と、この回転軸の先端部に設けられた拡大翼とを備え、この拡大翼を地中内で拡大させることで拡径孔部分を有する孔を掘削するように構成された拡径掘削装置において、
前記回転軸は、先端から突出するインナー軸を有する二重軸構造とされ、インナー軸は回転軸に対してその軸心周りに所定範囲で回動するように構成されており、
回転軸の外面には、拡大翼支持部が回転軸の軸心周りに所定範囲で回動するように取り付けられ、
拡大翼はこの支持部により軸支され、回転軸の先端側に倒れた縮小姿勢と回転軸の側方に突出する拡大姿勢との間で起伏自由とされており、
回転軸における前記拡大翼支持部の先端側に主拡大板が固設されており、この主拡大板は周縁部に切欠凹部を有するとともに、大径部を有しており、
インナー軸における回転軸から突出する部分には補助拡大板が固設されており、この補助拡大板は、拡大翼の掛止部と、大径部とを有しており、
拡大翼は縮小姿勢において、補助拡大板の掛止部に掛け止められることにより拡大方向に拘束されるとともに、主拡大板の切欠凹部内に収容されることにより回転方向に拘束され回転軸と一体的に回転されるようになるように構成されており、
回転軸がインナー軸に対して削孔時回転方向とは反対に回動されると、拡大翼が補助拡大板に対して回動され、この回動によって、拡大翼が補助拡大板の掛止部から解放された後に補助拡大板の大径部に移動する過程で押し上げられて補助拡大され、この補助拡大によって拡大翼が主拡大板の切欠凹部内から抜き出されるように構成されており、
この補助拡大の後に回転軸を削孔時回転方向に回転させると、拡大翼が主拡大板に対して回動され、この回動によって拡大翼が主拡大板の大径部に移動する過程で押し上げられて前記拡大姿勢となるように構成されている、
ことを特徴とする、拡径掘削装置。
【0020】
<請求項2記載の発明>
請求項1記載の拡径掘削装置を用い;
前記拡大翼を縮小姿勢に保持しながら且つ前記拡大翼の基端側に管杭を連行しながら、所定深度まで管杭外径と実質的に同径の孔を掘削し、
次いで前記拡大翼を前記補助拡大を経て拡大姿勢となし、この状態で拡径掘削を行うとともに、当該拡径掘削部位に根固め材を供給して根固め材と原位置土類との攪拌混合を行い、この攪拌混合部分に前記管杭の先端部を根入れすることを特徴とする、管杭造成方法。
【0021】
(請求項1及び2の作用効果)
本発明では、拡大翼の縮翼姿勢解除および拡大が、回転軸の回転を利用して機械的になされるため確実な拡大翼の拡大が可能である。またこのステップは回転軸の回転方向を切り替えるだけで行うことができるため、作業が非常に容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
<装置について>
本発明に係る拡径掘削装置に用いる掘削ヘッド70は、図11に示すように、回転軸71と、この回転軸71の先端部に設けられた拡大翼73,73とを供えている。符号71Wは回転軸71における拡大翼73よりも基端側に設けられた掘削翼を示している。
【0023】
回転軸71は、図12および図13にも示すように、先端から突出するインナー軸(内側軸)72を有する二重軸構造となっている。したがって回転軸71は、換言すればアウター軸(外側軸)ということができる。インナー軸72は回転軸71内に同心的に軸支されており、回転軸71に対してその軸心周りに回動するようになっている。また図13に示すように、インナー軸72の基端部外面には周方向に180度位置をずらして一対の凸部72pが形成されており、回転軸71内面の長手方向対応部位にも周方向に180度位置をずらして一対の凸部71pが形成されており、これらは回転方向に当接しうるように構成されている。したがって、インナー軸72の回動は、インナー軸72の外面凸部72p,72pが回転軸71内面の凸部71p,71p間において移動しうる回転角度範囲内に限定される。
【0024】
他方、本例の掘削ヘッド70では、インナー軸72の内部および回転軸71の内部はそれぞれ中空とされ、相互に連通されており、回転軸71内およびインナー軸72内を通じて根固め材を供給し、これをインナー軸72の外面に設けた噴射口72xから噴射しうるように構成されている。また、インナー軸72の先端部には先端掘削翼72Wが設けられている。
【0025】
拡大翼73,73部分の詳細は図12〜図17に示されている(ちなみに図中の断面BB及び断面DDとは、両断面のみを組み合わせて示したものである)。すなわち、回転軸71の先端部は、軸部81と、その先端部に設けられた軸心方向と直交する主拡大板82とからなる拡大翼支持ホルダ80により構成されている。そして、このホルダ80の軸部外面には、拡大翼支持部74,74が回転軸71の軸心周りに所定範囲で回動するように取り付けられている。より詳細には、この支持部74,74は、軸部81から遠ざかる方向に突出する軸受け部が回転方向に180度位置をずらして設けられて構成されたものであり、この軸受け部に細長状拡大翼73の基端部が軸支されている。かくして、拡大翼73,73は回転軸71の先端側に倒れて回転軸71と平行をなす縮小姿勢と、回転軸71に対して直交方向に突出する拡大姿勢との間で起伏自由となっている。
【0026】
本発明の主要ポイントの一つである主拡大板82は、周縁部が部分的に切り欠かれて形成された凹部82a(図17には現れている)が周方向に180度位置をずらして一対設けられるとともに、これらと90度位置をずらして一対の大径部82bが設けられている。また特に図示例のホルダ80では、主拡大板82の基端側面周縁部における切欠凹部82aから大径部82bに至る回転方向範囲に、掘削時回転方向と逆周りに突出高さが漸次増す傾斜凸部83がそれぞれ設けられ、かつこの傾斜凸部83の掘削時回転方向後ろ側に当接壁部84が設けられ、さらに軸部81の基端部には軸心方向と直交する方向に沿って傾斜凸部83上に延在する拡大翼押え部85が設けられている。
【0027】
他方、インナー軸72における回転軸71から突出する部分には補助拡大板90が固設されており、この補助拡大板90の周縁部には、径方向に突出した後に掘削時回転方向とは反対側に屈曲した形状をなす鉤状掛止部91が周方向に180度位置をずらして一対設けられており、またこれらと90度位置をずらして一対の大径部92が設けられている。特に図示例のように、掛止部90から掘削時回転方向とは反対側の大径部92までは曲線をもって径が漸次拡大される形状となっているのが好ましい。
【0028】
かくして構成された装置では、図12及び図13に示すように、拡大翼73(図示例では拡大翼のビット73b)を補助拡大板90の鉤状掛止部91に掛け止めることにより拡大方向に移動できないように拘束し、かつ主拡大板82の切欠凹部82a内に収容し回転方向に拘束して回転軸71と一体的に回転しうる状態とすることによって、拡大翼73を縮小姿勢とすることができる。
【0029】
また図14及び図15に示すように、回転軸71がインナー軸72に対して削孔時回転方向とは反対に回動されると、拡大翼73が補助拡大板90に対して回動され、この回動によって、拡大翼73が補助拡大板90の掛止部91から解放された後に補助拡大板90の大径部92に移動する過程で押し上げられて補助拡大され、この補助拡大によって拡大翼73が主拡大板82の切欠凹部82a内から抜き出されるようになっている。
【0030】
そして図16及び図17に示すように、この補助拡大の後に回転軸71を削孔時回転方向に回転させると、拡大翼73が主拡大板82に対して回動され、この回動によって拡大翼73が主拡大板82の大径部82bに移動する過程で押し上げられて拡大姿勢となる。
【0031】
特に図示形態では、主拡大板82の上面に傾斜凸部83が設けられており、拡大翼73は大径部82bのみによる押上げ作用だけではなく、この傾斜凸部83上を移動することによる押上げ作用との総合的作用によって持ち上げられ、拡大翼支持部74が当接壁部84に当接しそれ以上逆転できなくなったところで、回転軸71と直交する方向に沿う拡大姿勢となるように構成されている。また拡大姿勢となった拡大翼73の基端部は、傾斜凸部83とホルダ80の基端部に設けられた押え部85との間に挟まれ、拡大・縮小が不可能なように拘束される。このような傾斜凸部83により拡大翼73を押し上げる構成や傾斜凸部83と押え部85との間に拡大翼73を挟んで拡大翼73の起伏を固定する構成は任意であり、必要に応じて他の同様の手段を採るなり、省略するなりできる。
【0032】
なお、その他の点、例えばスパイラルオーガー軸6及び掘削ヘッド70内を通り、掘削ヘッド先端部側面に開口する噴射口72xに連通する供給路が設けられ、この供給路を介して噴射口72xから各種薬液や水等を供給される構成や、ベースマシンの構成等は、前述の従来装置1と同様に構成できる。
【0033】
<造成工法について>
次に、上述の本発明装置を用いた本発明に係る管杭の造成工法について説明すると、先ず前述のように拡大翼73,73を縮小姿勢とした状態で、前述の従来例と同様に拡大翼73,73よりも基端側に管杭Pを連行しながら、所定深度まで管杭P外径と実質的に同径の孔を支持層Bまで削孔する。なおこの掘削時回転方向の回転によっては、拡大翼73は補助拡大板90の鉤状掛止部91に掛け止められ拡大できないように拘束されるため、拡大翼73が拡大されることはない。また、拡大翼73は主拡大板82の切欠凹部82a内に収容され回転方向に拘束されているため、回転軸71と一体的に回転される。また、拡大翼73,73は縮翼状態で斜め下向きに保持され、更にその上下両側に排土機能も有する掘削翼71W,72Wが設けられているため、管杭P内への排土導入も円滑且つ確実に行われる。図18に掘削ヘッド70が支持層Bに到達した状態を示す。
【0034】
この状態から拡大工程に移る。先ず図19に示すように、管杭Pを当該深さ位置に固定したままで、回転軸71を逆回転させる。この際、補助拡大板90が周辺地盤により拘束されているため、インナー軸72および補助拡大板90は回転せずに回転軸71が逆回転されるとともに、拡大翼73は主拡大板82により回転方向に拘束されているからこれも回転軸71に伴って逆転される。そして、この回動によって、拡大翼73が補助拡大板90の掛止部91から解放された後に補助拡大板90の大径部92に移動する過程で押し上げられて補助拡大され、この補助拡大によって拡大翼73が主拡大板82の切欠凹部82a内から抜き出される。そして補助拡大状態となった拡大翼73はもはや主拡大板82による回転拘束がなくなり、周辺地盤の拘束を受けて補助拡大状態で且つ回転しない状態となる。
【0035】
次いで図20に示すように、再び回転軸71を正転させると、回転軸71およびインナー軸72は回転するものの、拡大翼73は周辺地盤の拘束力により静止したままとなる、すなわち換言すれば拡大翼73が主拡大板82に対して逆転方向に回動され、この回動によって拡大翼73が主拡大板82の大径部82bに向って回動される。この過程で拡大翼73は主拡大板82により押し上げられて拡大姿勢となる(本拡大)。特に図示形態では、拡大翼73は大径部82bのみによる押上げ作用だけではなく、この傾斜凸部83上を移動することによる押上げ作用によって持ち上げられ、拡大翼支持部74が当接壁部84に当接しそれ以上逆転できなくなったところで、回転軸71と直交する方向に沿う拡大姿勢となるとともに、傾斜凸部83と押え部85との間に挟まれ拡大・縮小が不可能なように拘束される。
【0036】
かくして拡大作業が終了すると、拡大翼73は支持部74を介して当接壁部84により回転方向後ろ側を支持される結果、拡大姿勢で正転するようになり、管杭P外径よりも大径の範囲が掘削される。そしてこの状態で、図21に示すように例えば前述従来例と同様に先端噴射口72xから注水しながら掘削を行う。続いて、図示しないが前述従来例と同様に先端噴射口72xから根固め材Mを供給しながら回転軸を上下往復動させ、根固め材Mと原位置土類との攪拌混合を行って拡大根固め部Cを形成し、しかる後管杭Pを下降させその先端部を根固め部Cに根入れする(根入れ状態は次工程を示す図22を参照)。
【0037】
根入れが完了したならば引き上げ工程に移り、図22に示すように管杭Pを当該深さ位置に固定したままで、回転軸71を削孔時回転方向とは反対に逆回転させつつ管杭Pの先端に押し当てる。この際、拡大翼73,73は管杭P内に引き入れるときに管杭P先端に押し当てられ、その押圧力を縮小力として受ける。また周辺地盤等による拘束力も拡大翼73,73の収縮力として作用する。よって、この状態で回転軸71が逆転されると、これに伴い回転される主拡大板82の凹部82aの位置が拡大翼73の位置と合ったときに、拡大翼73が主拡大板82の凹部82a内に収容され、次いで補助拡大板90の掛止部91の位置が拡大翼73の位置と合ったときに、掛止部91に掛止される。かくして、拡大翼73をもとの縮小姿勢とすることができる。
【0038】
以降は、前述従来例と同様に、掘削ヘッド70を地上まで引き上げ、管杭P内に注水を行って当該管杭の施工を完了する。なお、縮翼後において再度同一個所に対して根固め材注入や攪拌等を行いたい場合には、再度掘削ヘッドを下降させて拡翼させることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、拡大翼を容易、円滑かつ確実に拡大できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第1工程を示す断面図である。
【図2】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第2工程を示す断面図である。
【図3】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第3工程を示す断面図である。
【図4】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第4工程を示す断面図である。
【図5】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第5工程を示す断面図である。
【図6】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第6工程を示す断面図である。
【図7】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第7工程を示す断面図である。
【図8】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第8工程を示す断面図である。
【図9】従来の中掘り根固めによる鋼管杭造成工法における、第9工程を示す断面図である。
【図10】従来の拡径掘削装置の掘削ヘッドを示す正面図である。
【図11】本発明に係る拡径装置の掘削ヘッドを示す正面図である。
【図12】掘削ヘッドの要部縦断面図である。
【図13】図12のC−C断面図、ならびにB−B断面およびD−D断面の組み合わせ図である。
【図14】補助拡大状態における掘削ヘッドの要部縦断面図である。
【図15】図14のC−C断面図、ならびにB−B断面およびD−D断面の組み合わせ図である。
【図16】拡大状態における掘削ヘッドの要部縦断面図である。
【図17】図16のC−C断面図、ならびにB−B断面およびD−D断面の組み合わせ図である。
【図18】本発明に係る管杭造成工法における、支持層到達状態を示す断面図である。
【図19】本発明に係る管杭造成工法における、補助拡大工程を示す断面図である。
【図20】本発明に係る管杭造成工法における、本拡大工程を示す断面図である。
【図21】本発明に係る管杭造成工法における、拡径掘削工程を示す断面図である。
【図22】本発明に係る管杭造成工法における、掘削翼縮小工程を示す断面図である。
【符号の説明】
70…掘削ヘッド、71…回転軸、72…インナー軸、73…拡大翼、82…主拡大板、82a…切欠凹部、82b…大径部、90…補助拡大板、91…掛止部、92…大径部。
Claims (2)
- 回転自在および長手方向に進退自在に支承された回転軸と、この回転軸の先端部に設けられた拡大翼とを備え、この拡大翼を地中内で拡大させることで拡径孔部分を有する孔を掘削するように構成された拡径掘削装置において、
前記回転軸は、先端から突出するインナー軸を有する二重軸構造とされ、インナー軸は回転軸に対してその軸心周りに所定範囲で回動するように構成されており、
回転軸の外面には、拡大翼支持部が回転軸の軸心周りに所定範囲で回動するように取り付けられ、
拡大翼はこの支持部により軸支され、回転軸の先端側に倒れた縮小姿勢と回転軸の側方に突出する拡大姿勢との間で起伏自由とされており、
回転軸における前記拡大翼支持部の先端側に主拡大板が固設されており、この主拡大板は周縁部に切欠凹部を有するとともに、大径部を有しており、
インナー軸における回転軸から突出する部分には補助拡大板が固設されており、この補助拡大板は、拡大翼の掛止部と、大径部とを有しており、
拡大翼は縮小姿勢において、補助拡大板の掛止部に掛け止められることにより拡大方向に拘束されるとともに、主拡大板の切欠凹部内に収容されることにより回転方向に拘束され回転軸と一体的に回転されるようになるように構成されており、
回転軸がインナー軸に対して削孔時回転方向とは反対に回動されると、拡大翼が補助拡大板に対して回動され、この回動によって、拡大翼が補助拡大板の掛止部から解放された後に補助拡大板の大径部に移動する過程で押し上げられて補助拡大され、この補助拡大によって拡大翼が主拡大板の切欠凹部内から抜き出されるように構成されており、
この補助拡大の後に回転軸を削孔時回転方向に回転させると、拡大翼が主拡大板に対して回動され、この回動によって拡大翼が主拡大板の大径部に移動する過程で押し上げられて前記拡大姿勢となるように構成されている、
ことを特徴とする、拡径掘削装置。 - 請求項1記載の拡径掘削装置を用い;
前記拡大翼を縮小姿勢に保持しながら且つ前記拡大翼の基端側に管杭を連行しながら、所定深度まで管杭外径と実質的に同径の孔を掘削し、
次いで前記拡大翼を前記補助拡大を経て拡大姿勢となし、この状態で拡径掘削を行うとともに、当該拡径掘削部位に根固め材を供給して根固め材と原位置土類との攪拌混合を行い、この攪拌混合部分に前記管杭の先端部を根入れすることを特徴とする、管杭造成方法。
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