JP3954355B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部を巻回するドラム部を収納ケース内に納めた内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡装置は、医療用分野及び工業用分野で広く使用されている。工業用分野で用いられる内視鏡装置としては、細長の内視鏡挿入部をジェットエンジン内や発電所の配管などへ挿入して、被検部位の観察や各種処置を行えるものがある。
【0003】
一般的な内視鏡の細長な挿入部には湾曲自在な湾曲部が設けられている。この湾曲部は、湾曲部内に挿通させたアングルワイヤなどの牽引部材を牽引弛緩させることによって、湾曲動作する。そして、近年では、湾曲部を湾曲させる湾曲操作の省力化を図る目的で、コントローラを操作することによって、牽引部材を電動で牽引弛緩させて湾曲部を湾曲動作させる電動式の湾曲装置を備えた内視鏡装置が使用されている。
【0004】
例えば、本出願人は特願2000−072814号に、内視鏡の挿入部を巻き付けるドラム部内に照明光を供給する光源部、前記撮像素子に対する信号処理を行うカメラコントロールユニット、前記湾曲部を電動で湾曲駆動させる駆動機構を備えた電動湾曲装置、この電動湾曲装置を駆動制御して前記湾曲部の湾曲状態を制御する電動湾曲回路部等を設け、このドラム部をケース内に収納した内視鏡装置を提案している。そして、この内視鏡装置ではケース内に設けた電源部から前記光源部、カメラコントロールユニット、電動湾曲装置、電動湾曲回路部に、電源を供給する構成になっている。この内視鏡装置によれば、外装ケースの小型化が可能で携帯性に優れ、内蔵物を衝撃から保護することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特願2000−072814号の内視鏡装置ではケースに設けたフロントパネル上に発熱部品である電源部及びドラム部内の発熱体である光源部、カメラコントロールユニット、電動湾曲装置、電動湾曲回路部を冷却するための吸気及び排気用の開口を設ける一方、リモコンやケーブル類、アダプタを収納する収納部をケースの蓋部に設けるようにしていた。このため、リモコンやケーブル、アダプタの取扱いが煩雑であった。
【0006】
また、フロントパネル上に前記開口に加えて収納のためのスペースを設けると、フロントパネルの面積が大きくなって、外装ケースの小型化が困難になってしまう。
【0007】
さらに、近年では、アダプタの種類が増えたり、追加部品が増加するなど、収納スペースのさらなる確保が使用者から望まれていた。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、外装ケースの小型化、すなわち、フロントパネルの上面投影面積の小面積化を図り、かつ効率のよい冷却又は収納スペースの増大を図った内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、撮像素子を内蔵した先端部及び湾曲自在な湾曲部を有し、柔軟で細長な挿入部を備えた内視鏡と、前記挿入部を外周面部に巻き取るドラム部と、このドラム部を回動自在な状態で保持し、電源部を備えたフレーム部と、このフレーム部に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類等を配置したフロントパネルとを具備する内視鏡装置であって、
前記フロントパネルに、吸気及び収納の機能を有する凹部を設けている。また、前記ドラム部の内部に、前記電源部から電源が供給される、前記内視鏡に照明光を供給する光源部をさらに備えている。
【0010】
そして、前記凹部が外部空気を前記フレーム部内に取り込む少なくとも1つの吸気口を有する構成において、この凹部を構成する構成面の少なくとも一面と、前記電源部及びドラム部とが対向する位置関係で構成されている。
【0012】
これらの構成によれば、フロントパネルの凹部が吸気用又は収納用として使用可能になる。そして、この凹部を吸気用凹部として使用するとき、外部空気をフレーム部内に取り込んで効率よくドラム部及び電源部の冷却を行える。また、吸気口を設けた凹部を収納用としても使用することにより、効率の良い冷却とともに収納部の増大を図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図5は本発明の一実施形態にかかり、図1は内視鏡装置の構成を説明する図、図2はフロントパネルの上面図、図3は凹部の一構成例を説明する図、図4は吸引用凹部がら取り込んだ外部空気の流れを説明する図、図5は凹部の配置例を説明する図である。
なお、図4(a)は側面方向説明図、図4(b)は上面方向説明図である。
【0014】
図1及び図2に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、柔軟性を有する細長の挿入部2aを備えた工業用内視鏡(以下、内視鏡と略記する)2と、この内視鏡2の挿入部2aを外周面部3aに巻き取るドラム部3と、このドラム部3を回動自在な状態で保持するとともに、電源を供給する電源部4aを備えたフレーム部4と、このフレーム部4の上端に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類や例えば前記電源部4aから延出したACケーブル5aを収納する収納部を兼ねる後述する吸気口を形成した吸気用凹部5cを設けたフロントパネル5と、このフロントパネル5にリモコンケーブル6aを介して着脱自在に接続されるリモートコントローラ(以下リモコン)6と、伸縮式のポール7aに回動自在に支持されたモニタ7と、収納される機器に加わる衝撃力を抑える緩衝材等を備え、ケース本体を形成する箱体8aと蓋体8bとで構成された収納ケース8と、前記フロントパネル5の上面に配置され、前記挿入部2aの先端部分が挿通配置される挿入部案内収納部9とで主に構成されている。
【0015】
なお、前記内視鏡2の挿入部2aは、前記フロントパネル5に設けた座屈防止用のゴムブーツに設けられた弾性部材で形成した防水用の挿入部パッキン部5bから延出している。
【0016】
また、前記挿入部案内収納部9は、破線に示す穴部91を有する挿入部先端部収納部9a及び一点鎖線に示すように挿入部2aを案内する略U字形状の溝90を形成した挿入部案内部9bを一体にして構成されており、符号9cは前記挿入部案内収納部9の上面側に一体に設けた例えばL字形状のモニタ収納配置部であり、モニタ7を収納ケース8内に収納する際、このモニタ7をモニタ収納配置部9cに配置させることによって安定した状態での収納を行える。
【0017】
さらに、前記リモコン6には、前記挿入部2aの湾曲部12を湾曲させる際に操作する前記湾曲操作スイッチ60を構成する湾曲レバー61や電源ONボタン62等の各種スイッチが設けられている。
【0018】
前記挿入部2aは、先端側から順に硬性の先端部本体11、この先端部本体11を所望の方向に向ける湾曲自在な湾曲部12、細長で柔軟性を有する可撓管部13を連設している。前記内視鏡挿入部2aの先端部本体11には、視野方向、視野角などの光学特性を変換する各種光学アダプタ18a、18b、…が着脱自在に取付け可能である。
【0019】
前記ドラム部3の内部空間には、前記内視鏡2の照明伝送手段であるライトガイド(不図示)に照明光を供給する光源部14と、前記内視鏡挿入部2aの先端部本体11に設けた図示しない撮像素子に対する信号処理を行うCCU15と、前記内視鏡挿入部2aの湾曲部12を電動で湾曲駆動させる駆動機構を備えた電動湾曲装置16と、前記リモコン6に設けた湾曲操作スイッチ60からの操作指示信号に基づき、前記電動湾曲装置16を駆動制御して前記湾曲部12の湾曲状態を制御する電動湾曲回路部17等が収納されている。これら光源部14、CCU15、電動湾曲装置16、電動湾曲回路部17には前記電源部4aから電源が供給されるようになっている。
【0020】
前記ドラム部3の外周面部3aには、前記挿入部2aを前記ドラム部3内の電動湾曲装置16に導く開口(不図示)が形成してある。この挿入部2aの基端部は、この開口3b及び図示しない口金を介して前記電動湾曲装置16に接続配置されている。この電動湾曲装置16と前記電動湾曲回路部17とは図示しない駆動ケーブルによって接続されている。
【0021】
なお、前記挿入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出する信号線(不図示)は前記CCU15に接続されている。また、前記信号線同様、前記挿入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出してきたライトガイド(不図示)は前記光源部14に接続されている。さらに、前記信号線及びライトガイド同様、前記挿入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出してきた挿入部側ワイヤ(不図示)は、図示しないモータユニットで駆動される電動湾曲装置側ワイヤ(不図示)と前記電動湾曲装置を構成するベース本体上で連結部材(不図示)を介して連結されている。
【0022】
ここで、吸気用凹部5cの構成及び作用を具体的に説明する。
前記吸気用凹部5cは、ドラム部3及び電源部4aを備えたフレーム部4内に外部空気を取り込むための凹部であり、後述する吸気口からフレーム部4内に外部空気を取り込む。一方、図2に示すように前記フロントパネル5にはフレーム部4内の空気を矢印a、矢印bに示すように排気する図示しない排気口が設けてある。
【0023】
前記吸気用凹部5cの形成位置は、本実施形態においては電源部4aとドラム部3との間であり、吸気用凹部5cを構成する構成面の一面側が前記電源部4aに対して近接対向して、前記一面の対面である他面側が前記ドラム部3に対して近接対向する位置関係である。つまり、吸気用凹部5cを構成する構成面の少なくとも一面と、前記電源部4a及びドラム部3とが近接対向する位置関係になっている。
【0024】
図3及び図4(a)、(b)に示すように前記吸気用凹部5cは、所定の開口面積及び深さ寸法で形成されており、前記吸気用凹部5cを構成する構成面の側面所定位置に冷却を考慮した所定面積の第1吸気口51及び第2吸気口52が形成してある。
【0025】
したがって、図4(a)、(b)に示すように前記吸気用凹部5cの開口から前記吸気口51、52を通してフレーム部4内に取り込まれた外部空気が矢印に示すように流れて、前記電源部4a及び光源部14、CCU15、電動湾曲装置16、電動湾曲回路部17を収納したドラム部3を効率よく冷却していく。
【0026】
また、本実施形態においては吸気用凹部5cに仕切り板5dを配置して収納凹部55、56を設けている。そして、それぞれの収納凹部55、56に前記ACケーブル5aとリモコン6及びリモコンケーブル6aとを収納するようにしている。
【0027】
このため、検査使用時には前記収納凹部55、56から前記ACケーブル5aとリモコン6及びリモコンケーブル6aとが取り出されて前記凹部が吸気用として作用する。一方、検査終了後には再び、前記前記ACケーブル5aとリモコン及びリモコンケーブルが収納凹部55、56に収容されて、前記凹部が収納用として作用する。
【0028】
このように、フロントパネルの所定位置に凹部を形成し、その凹部の所定面に所定の吸気口を形成することによって、この吸気口を通して外部空気を取り込んで、熱を発生する電源部及びドラム部を効率よく冷却することができる。
【0029】
また、フロントパネルに所定の開口面積及び深さ寸法の凹部を形成することによって、この凹部内に内視鏡装置を構成するACケーブルや、リモコン及びリモコンケーブル等を収納することができる。
【0030】
このことによって、蓋側にACケーブルや、リモコン及びリモコンケーブルを収納する必要がなくなって、内視鏡装置使用時の作業効率が大幅に向上する。
【0031】
さらに、フロントパネルに所定の開口面積及び深さ寸法の凹部を形成し、その凹部の所定面の所定位置に吸気口を形成することによって、電源部及びドラム部の冷却を効率よく行うことができるとともに、内視鏡装置を構成するACケーブルや、リモコン及びリモコンケーブルを収納することができる。
【0032】
このことによって、フロントパネル上に収納の機能を有する凹部と吸気の機能を有する凹部とをそれぞれ設けることなく、1つの凹部で2つの機能を得て、フロントパネルの上面側投影面積の小面積化を実現して、ケースサイズのさらなる小型化を図れる。
【0033】
なお、電源部及びドラム部と吸気口を形成した凹部との位置関係は上述した位置関係に限定されるものではなく、図5(a)、(b)の凹部の他の配置位置を説明する図で示す位置等であってもよい。図5(a)においては凹部を構成する構成面の一面がドラム部3及び電源部4aに近接対向し、図5(b)においては凹部を構成する構成面の隣り合う面がそれぞれドラム部3及び電源部4aに近接対向している。そして、構成面の所定位置には効率のよい冷却を考慮した吸気口が形成されている。
【0034】
また、前記吸気口51、52には、この吸気口51、52の開口を通じてケース内にネジ等の部品が落下することを防止する例えばメッシュ板等が配置されている。
【0035】
さらに、本実施形態においては吸気用凹部5cにACケーブル5aや、リモコン6及びリモコンケーブル6aを収納するとしているが、凹部に収納される部材はこれらに限定されるものではなく、開口面積及び深さ寸法を適宜設定して、アダプタ等を収納するようにしたり、形成位置を変えて、凹部に排気用の排気口を形成するようにてもよい。
【0036】
又、吸気用凹部の形状及び吸気口の形状及び位置、或いは数量も本実施形態に限定されるものではない。
【0037】
ところで、近年、内視鏡装置においては様々なオプション部品が提案されており、これらオプション品を形成するためには別のケースが必要になる。また、オプション品の他にも、データの記録や設定条件の変更を行うための例えばノート型のパソコンを持ち運びたい等の要望がある。
【0038】
このため、図6の収納ケースの構成を説明する図に示すように本実施形態の箱体8aの側部所定位置にねじ穴57を設ける一方、このねじ穴57にボルト54を介して着脱自在な補助ケース53を用意している。
したがって、前記補助ケース53を箱体8aに対してボルト54で一体固定することによって、オプション品を、ケース本体とともに一体的に持ち運びすることができる。
【0039】
なお、符号58は移動用の一対の車輪であり、符号59は矢印に示すように伸縮自在な移動用操作ハンドル(以下、ハンドルと略記する)である。図に示すように前記車輪58は、ハンドル59の伸縮位置に対して、対角な位置関係で配置されており、伸ばした状態のハンドル59を手で把持することによって、ケース本体を容易に移動させられるようになっている。
【0040】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0041】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0042】
(1)撮像素子を内蔵した先端部及び湾曲自在な湾曲部を有し、柔軟で細長な挿入部を備えた内視鏡と、前記挿入部を外周面部に巻き取り、内部に前記内視鏡に照明光を供給する光源部、前記撮像素子に対する信号処理を行うカメラコントロールユニット、前記湾曲部を電動で湾曲駆動させる駆動機構を備えた電動湾曲装置、この電動湾曲装置を駆動制御して前記湾曲部の湾曲状態を制御する電動湾曲回路部を設けたドラム部と、このドラム部を回動自在な状態で保持し、前記ドラム部内の光源部、カメラコントロールユニット、電動湾曲装置、電動湾曲回路部に電源を供給する電源部を備えたフレーム部と、このフレーム部の上端に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類等を配置したフロントパネルと、ケース本体を形成する箱体及び蓋体で構成され、収納される機器に加わる衝撃力を抑える緩衝材等を備えた収納ケースとを具備する内視鏡装置において、
前記フロントパネルに、少なくとも冷却又は収納の一方の機能を備えた凹部を設けた内視鏡装置。
【0043】
(2)前記凹部が冷却のための外部空気を前記フレーム部内に取り込む少なくとも1つの吸気口を有する吸気用凹部であるとき、この吸気用凹部を構成する構成面の少なくとも一面と、前記電源部及びドラム部とが対向する位置関係である付記1記載の内視鏡装置。
【0044】
(3)前記凹部が冷却のために前記フレーム部内の空気を排出する排気用である付記1又は付記2に記載の内視鏡装置。
【0045】
(4)前記凹部は、吸気用と収納用とを兼ねる付記2記載の内視鏡装置。
【0046】
(5)前記凹部は、排気用と収納用とを兼ねる付記3記載の内視鏡装置。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、外装ケースの小型化、すなわち、フロントバネルの上面投影面積の最小化を図り、かつ効率のよい冷却又は収納スペースを増大させた内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図5は本発明の一実施形態にかかり、図1は内視鏡装置の構成を説明する図
【図2】フロントパネルの上面図
【図3】凹部の一構成例を説明する図
【図4】吸引用凹部がら取り込んだ外部空気の流れを説明する図
【図5】凹部の配置例を説明する図
【図6】収納ケースの構成を説明する図
【符号の説明】
1…内視鏡装置
2a…挿入部
5…フロントパネル
5c…凹部
5d…仕切り板
8…収納ケース
8a…箱体
8b…蓋部
51…第1吸気口
52…第2吸気口
55…収納凹部
56…収納凹部
Claims (3)
- 撮像素子を内蔵した先端部及び湾曲自在な湾曲部を有し、柔軟で細長な挿入部を備えた内視鏡と、前記挿入部を外周面部に巻き取るドラム部と、このドラム部を回動自在な状態で保持し、電源部を備えたフレーム部と、このフレーム部に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類等を配置したフロントパネルとを具備する内視鏡装置において、
前記フロントパネルに、吸気及び収納の機能を有する凹部を設けたことを特徴とする内視鏡装置。 - 前記ドラム部の内部に、前記電源部から電源が供給される、前記内視鏡に照明光を供給する光源部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
- 前記凹部が外部空気を前記フレーム部内に取り込む少なくとも1つの吸気口を有する構成において、この凹部を構成する構成面の少なくとも一面と、前記電源部及びドラム部とが対向する位置関係で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡装置。
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