JP3953268B2 - マルチビーム光源装置、マルチビーム光走査装置およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

マルチビーム光源装置、マルチビーム光走査装置およびこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ等の記録装置の画像書き込み系に用いられるマルチビーム光源装置、マルチビーム光走査装置およびこれを用いた画像形成装置に関するもので、特に複数の光ビームにより感光体等の被走査面上を走査することを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ、レーザファクシミリ等の記録装置の書き込み系に用いられる光走査装置において、記録速度を向上させる手段として、偏向手段としての回転多面鏡(ポリゴンミラー)の回転速度を上げる方法がある。しかし、この方法ではモータの耐久性や騒音、振動及び半導体レーザの変調スピード等が問題となり記録速度に限界がある。そこで、一度に複数の光ビームを走査して複数ラインを同時に記録することにより記録速度を向上させたマルチビーム光走査装置が提案されている。一例として、本出願人が先に提案した複数ビームを射出する新規なマルチビーム光源装置がある(特開平11−023988号、特開平11−212006号)。
【0003】
上記先願にかかるマルチビーム光源装置の概要を図14に示す。図14において、光源部は第1の光源部220と第2の光源部230からなる。第1の光源部220は、光源をなす複数の半導体レーザ201、202と、この半導体レーザ201、202と対で設けられたカップリングレンズ207,208とを主走査方向に配列してこれらを一体的に保持する光源保持部材205を有してなる。第2の光源部230も同様に構成され、複数の半導体レーザ203、204と、この半導体レーザ203、204と対で設けられたカップリングレンズ209,210とを主走査方向に配列してこれらを一体的に保持する光源保持部材206を有してなる。第1、第2の光源部220、230を構成する光源保持部材205、206は一つの支持体211に上下に(副走査方向)に配列されて取り付けられている。支持体211の、上記光源保持部材205、206の取り付け面とは反対側の面には、第1、第2の光源部220、230からの光ビームを近接させて射出するビーム合成手段212が固定されている。
【0004】
上記従来のマルチビーム光源装置によれば、各部品の組み付けにおいて、ビーム合成手段212にて合成されたビームスポットの間隔調整精度は、光源部220、230の光軸のアライメント調整精度、ビーム合成手段212が有しているビームスプリッタ面、反射面の角度精度に頼るところが大きく、これらの精度を厳密に管理する必要があることから、量産性の面で改善が必要であった。そこで、本出願人は、さらに上記の課題を改善したマルチビーム光源装置を提案した。このマルチビーム光源装置の一例としては、第1の光源部220、第2の光源部230の少なくとも一方の光源保持部材の姿勢を可変する調整手段を具備し、第一の光源部220から射出された光ビームと第2の光源部230から射出された光ビームの副走査方向での相対角度を調整可能とした構成となっている。ただし、この改良案はまだ公開されていない。
【0005】
上記改良案のように、第1の光源部220、第2の光源部230の少なくとも一方の光源保持部材の姿勢を可変する調整手段を具備し、第1の光源部220から射出された光ビームと第2の光源部230から射出された光ビームの副走査方向での相対角度を調整可能とした構成のマルチビーム光源装置においては、生産する上で、ビームスポット間隔の調整(副走査の走査線間隔の設定)を単純作業で容易に行うことができ、かつ確実な位置合わせを行うことができるようにすることで、組み立て効率を向上させることを実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の光源部220、第2の光源部230の少なくとも一方の光源保持部材の姿勢を可変とし、光ビームの副走査方向での相対角度を調整する調整手段は、光源保持部材205、206の姿勢を変化させるために、複数の光源保持部材205、206を支持する支持部材211の、複数の支持部のうち、ある一点に力をかけ副走査方向での相対角度を変化させるものであるため、初期調整後の安定性に課題があった。また、その構造上、部品点数が増え複雑な構造となっているため、ビームスポット間隔の初期調整後の温度変動などにより、経時的なビームスポット間隔の安定性に課題があった。
【0007】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、単数もしくは複数の発光部を有する光源を一体的に保持する光源保持部材を有するマルチビーム光源装置において、発明は、副走査方向のビームスポット間隔の経時的な変化を低減することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、生産時における各光ビームの副走査方向ビームスポット間隔の調整を単純作業で容易に行うことができ、光源部のアライメント調整精度、ビーム合成手段のビームスプリッタ面および反射面の角度精度が厳密に要求されないようにすることを目的とする。
【0009】
また、本発明は、生産時における光源保持部材相互間の、各光ビームの副走査ビームスポット間隔調整範囲を広げ、光源部のアライメント調整精度、ビーム合成手段のビームスプリッタ面および反射面の角度精度が厳密に要求されないようにすることを目的とする。
【0010】
また、本発明は、各光ビームとも、良好な光学性能を得ることができ、温度変動時等の、経時的な変動の少ない光源部のアライメント調整を可能にすることを目的とする。請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、カップリングレンズを光源保持部材に接着によって固定する場合、カップリングレンズの位置ずれをなくすことを目的とする。
【0011】
また、本発明は、光源保持部材と支持部材とが、温度変動等による経時的な相対位置変動の少ないマルチビーム光源装置を実現することを目的とする。
また、本発明は、リサイクル可能なマルチビーム光源装置を実現することを目的とする。
また、本発明は、書き込みの高密度化と書き込みの高速度化とを、ユーザーが選択することができるように、光ビーム相互のピッチ切り替えを可能にしたマルチビーム光源装置を実現することを目的とする。
また、本発明は、主走査面対応方向における最も外側の光ビーム相互間のなす角度を小さくし、良好な光学性能を得ることができるマルチビーム光源装置を実現することを目的とする。
また、本発明は、支持部材に一体的に支持されている複数の光源保持部材相互間のビームスポット間隔のみの調整が可能なマルチビーム光源装置を実現することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、高品位な画像再現性を確保することができるマルチビーム光走査装置を実現することを目的とする。
また、本発明は、高品位の画像再現性が確保できるマルチビーム光走査装置を用いて、高品位の画像を得ることができる画像形成装置を実現することを目的とする。
【0013】
請求項1記載の発明は、複数の光ビームを同一の被走査面上で主走査方向に走査させるために複数の光ビームを射出するマルチビーム光源装置において、単数または複数の発光部を持つ複数個の光源およびカップリングレンズと、これら光源およびカップリングレンズを副走査方向に配列し、一体的に保持する光源保持部材と、副走査方向に配列されている光源からの光ビームを近接させて射出させるビーム合成手段とを具備し、上記光源保持部材に保持されている複数個の光源は、主走査方向に距離をもって配列され、それぞれの光源部から射出される光ビームは、主走査方向に角度がつけられていて、上記光源保持部材は複数あって、それぞれの光源保持部材は主走査方向に配列されるとともに支持部材により一体的に支持されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は請求項1記載の発明において、光源保持部材は、支持部材に対して、射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回転可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材における光源保持部材の支持部は、主走査方向に角度をもっていることを特徴とする。請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、光源保持部材は、支持部材に対して、副走査断面内で回転可能であることを特徴とする。請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、それぞれの光源保持部材から射出される光ビームが光偏向器の偏向反射面近傍の一点で交わるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、カップリングレンズは外周部に切除部があり、この切除部で光源保持部材に接着されていることを特徴とする。請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、光源保持部材と支持部材の材質が同じであることを特徴とする。請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、光源保持部材と支持部材の締結部の材質が同じであることを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材は、支持部材以降の光学系に対し、射出ビームの光軸にほぼ一致する方向を回転軸として回動可能であることを特徴とする。請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数の光源から射出され、隣り合う光ビーム相互間の主走査方向においてなす角度が等しいことを特徴とする。請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、各光源から射出される光ビーム相互のなす角度を変化させることができる光路変更手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の発明は、マルチビーム光走査装置に関するもので、請求項1から11記載のマルチビーム光源装置から射出された複数の光ビームを、光偏向器で偏向するとともに、走査光学手段で被走査面上に集光し主走査方向に走査することを特徴とする。請求項13記載の発明は、画像形成装置に関するもので、請求項12記載のマルチビーム光走査装置を用いた画像形成装置であって、光ビームによって走査した被走査面に静電潜像が形成されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるマルチビーム光源装置、マルチビーム光走査装置およびこれを用いた画像形成装置の実施の形態について説明する。以下に説明する実施形態では、光源に半導体レーザを使った4ビームの光源ユニットが用いられているが、これに限られるものではない。
【0020】
実施形態1
図1に示す実施形態は、請求項1記載のマルチビーム光源装置に対応する。図1において、光源としての半導体レーザ101、102はアルミダイキャスト製の光源保持部材107の裏側に副走査方向(図1において上下方向)に所定間隔で並列して形成された嵌合孔(図示しない)にそれぞれ圧入され保持されている。光源保持部材107の表側にはレンズ支持部117,118が一体に形成されていて、このレンズ支持部117,118にカップリングレンズ111、112が接着されて固定されている。それぞれのカップリングレンズ111、112は半導体レーザ101、102から射出される発散光束が所望の集束状態となるように、光軸方向であるX方向の位置を合わせ、また所定のビーム射出方向となるようにY方向(後述の主走査方向)とZ方向(後述の副走査方向)の位置を合わせて、各半導体レーザ101、102と対をなして固定されている。各カップリングレンズ111、112のレンズ支持部117,118への接着は、各カップリングレンズ111、112と各レンズ支持部117,118の隙間にUV(紫外線)硬化接着剤を充填し固化させることによって行われる。
【0021】
上記半導体レーザ101、102、光源保持部材107、カップリングレンズ111、112からなる光源部を第1の光源部とすると、この第1の光源部と同様に構成された第2の光源部が、第1の光源部とともに主走査方向に配列されて支持部材120に固定されている。第2の光源部は、半導体レーザ103、104、光源保持部材108、カップリングレンズ113、114からなる。支持部材120は主走査方向に並んだ二つの円形の孔121、122を有し、支持部材120の裏側から上記光源保持部材107、108の円筒状突出部が嵌められ、光源保持部材107、108が固定されている。上記円筒状突出部の範囲内で二つのカップリングレンズが副走査方向に配列されている。光源保持部材107、108の支持部材120による支持部は3点以上設けることが好ましい。
【0022】
支持部材120の表側には各光ビームの断面を整形する整形板123が配置され、その上に被せるようにしてビーム合成プリズム124が支持部材120に固定されている。ビーム合成プリズム124は、副走査方向に配列されている半導体レーザ102、104側(以下これを「A側」という)から射出される光ビームと半導体レーザ101、103側(以下これを「B側」という)から射出される光ビームとを近接させて射出させる。図示されていないが、支持部材120のA側入射面には1/2波長板(λ/2板)が設けられており、1/2波長板を透過後偏光方向が90度回転されたA側の光源部からの光ビームは、ビーム合成プリズム124内の反射面で反射された後、偏光ビームスプリッタ面で反射されるようになっている。B側の光ビームは上記偏光ビームスプリッタ面を透過し、よって、ビーム合成プリズム124からは、A側の光ビームとB側の光ビームとが副走査方向に近接させられて射出するようになっている。この結果、光量ロスを少なくして、A側とB側からの光ビームを容易に合成することができる。
【0023】
本出願人が先に提案した方式では、光源保持部材は副走査方向に配列されているため、温度変動、あるいは、光源保持部材支持部材の締結、光源装置と本体光学系への取り付け時の締結により起こる、副走査方向の光源保持部材の姿勢変化、歪み、また、支持部材の副走査方向のゆがみにより、光源保持部材相互間の相対的な位置変動が生じやすく、射出される光ビームの副走査方向の角度が変動することにより、副走査方向のビームスポット間隔が経時的に変化することがあった。
【0024】
しかし、図1に示す本発明の実施形態によれば、副走査方向に配列された半導体レーザ101、102とカップリングレンズ111、112が同一の光源保持部材107に保持され、また、半導体レーザ103、104とカップリングレンズ113、114が同一の光源保持部材108に保持されているため、温度変動や、光源装置と本体光学系への取り付け時の締結により起こる支持部材120の副走査方向の歪みによる影響を低減することができる。光源保持部材107、108の支持部材120による支持部を3点以上設けることにより、締結事の安定性を確保することができる。
【0025】
さらに、光源保持部材107、108と支持部材120の材質を同じにすることにより、光源保持部材107、108と支持部材120とが、温度変動時等によって経時的に相対位置変動することを抑制することができる。また、光源保持部材107、108と支持部材120の締結部の材質を同じにすることにより、同様の効果を得ることができる。
【0026】
実施形態2
上記のように、各光源保持部材107、108は、複数の半導体レーザおよびこれと対となるカップリングレンズを、副走査方向に配列した状態で保持している。一つ一つの光源保持部材を中心にして構成されたそれぞれの光源部は、図2に示すように、主走査方向に所定の距離をおいて配置されており、互いの光ビームは主走査方向において角度θをもって射出される。図2では、主走査方向に配列された半導体レーザ101、103と、この半導体レーザ101、103から射出される光ビームa、bと、カップリングレンズ111,113と、ビーム合成手段であるプリズム124とを示している。各光源保持部材は互いの光ビームa、bがなす角度θの略中心を回転軸として回転可能なように支持部材120に支持されている。
【0027】
互いの光ビームは主走査方向に角度θをもっているため、それぞれの光源保持部材を、上記軸を中心に回転させることにより、それぞれの光源保持部材で保持されている複数の半導体レーザから射出される光ビームの、副走査方向の間隔を調整することが可能となる。副走査方向のビームスポット間隔が調整可能であるため、光源部の光軸のアライメント調整精度を緩和することが可能となり、量産性に適したマルチビーム光源装置を実現することができる。
【0028】
ここまで説明してきた実施形態では、複数の光源部は副走査方向に配列されているため、カップリングレンズの外径部分が互いに干渉することはなく、主走査方向においてそれぞれの光ビームがなす角度を小さく設定することができる。この結果、光源保持部材の回転による副走査方向のビームスポット間隔変動の感度は鈍くなり、初期調整後の温度変動等による光源保持部材の姿勢変化や、光源保持部材の支持部との締結時に歪みが生じても、副走査方向のビームスポット間隔の変化を小さく抑えることができる。
【0029】
実施形態3
図4に示すように、支持部材126は光源保持部材127、128を支持する面126A、126Bに、主走査方向に相反する方向でありかつ主走査方向に並ぶ光源からの光ビームa、bが交差する方向に角度をつけて構成するとよい。所望の副走査ビームスポット間隔をもって配置された各光源保持部材127、128に対し、支持部材126を、それぞれの光源保持部材127、128の回転軸でもある光ビームa方向と光ビームb方向の略中心を回転軸Oとして回転させることにより、光源保持部材127、128はそれぞれ副走査方向に相反する方向に角度をもって傾く。このとき、それぞれの光源保持部材127、128は副走査方向に傾くが、支持部材126に連れられて回転しないように固定しておく。この結果、像面(被走査面407)上での副走査方向のビームスポット間隔は、図5(a)の調整前の状態から図5(b)の調整後の状態で示すように、一つの光源保持部材から射出された複数の光ビームによる副走査方向のビームスポット間隔は維持され、他方の光源保持部材から射出された複数の光ビームによる副走査方向のビームスポット間隔のみが変動する。このように、複数の光源保持部材相互間のビームスポット間隔のみの調整が可能となる。図4において符号124はビーム合成手段を示す。
【0030】
また、本発明の前記実施形態によれば、複数の光源保持部材を主走査方向に配列しているため、それぞれの光源保持部材の回転軸相互が主走査方向においてなす角度を大きく設定することが可能である。図6はこれを従来例との比較において示している。図6(a)は従来例の場合を、図6(b)は本発明の実施形態の場合を示す。黒丸印が付された光ビームは第1光源保持部材側から射出される複数の光ビームを、黒三角印が付された光ビームは第2光源保持部材側から射出される複数の光ビームを示している。第1光源保持部材の回転軸をO1、第2光源保持部材の回転軸をO2とする。
【0031】
図6(a)に示す光源保持部材を副走査方向に配列している先行出願記載の発明に比べ、図6(b)に示す本発明の実施形態によれば、全ての光ビーム間で最大となる角度δを大きくすることなく、各光源保持部材の回転軸相互がなす角度Δを大きく設定することが可能である。この、全ての光ビーム間で最大となる角度δが大きくなると、ポリゴンミラー反射面にて「光学的なサグ」の影響が大きくなり、像面湾曲が大きく傾いてしまう。「光学的なサグ」の影響を、レンズの形状等の設計で低減することは極めて困難である。また、このような像面湾曲の傾きは、ビームウェスト位置の被走査面に対するずれとして現れる。ビームウェスト位置が被走査面に対してずれると、不可避的に生じる部品の取り付け誤差や環境変化に対する許容度が狭くなり、ビームスポット径を常に安定したものに維持するのが困難となる。
【0032】
上記実施形態のように、全ての光ビーム間で最大となる角度δを大きくすることなく、光源保持部材の回転軸間のなす角度Δを大きく設定することができることにより、前述の光学性能に悪影響を及ぼすことなく、調整時の副走査ビームスポット変動の感度が上がり、調整範囲を広げることが可能となる。これによって、所定の光走査性能および所定の画像形成性能を得るのに、光源部の光軸のアライメント調整精度、ビームスプリッタ面、反射面の角度精度を緩和することができる。
また、副走査断面内で回転可能な機構を設けることなく、先行出願にかかる発明と同等の副走査ビームスポット間隔の調整が可能である。
【0033】
ただし、本発明の実施形態によれば、光源保持部材の副走査方向の長さを長く取ることが可能なため、温度変動等による、副走査方向のビームスポット間隔の経時的変化は低減される。このため、光源部の光軸のアライメント調整精度、ビームスプリッタ面、反射面の角度精度をより緩和することも可能である。
さらにこのとき、支持部材126の光源保持部材取り付け面126A、126Bの角度は、それぞれの光源保持部材127、128からのビームa、bが光偏向器の偏向反射面近傍で一点に交わるように設定するのが好ましい。その理由は、次の実施形態4で説明する通りである。
【0034】
実施形態4
図3は、本発明にかかるマルチビーム光源装置をマルチビーム光走査装置に適用した例を示す。図3において、主走査方向に並ぶ半導体レーザ101、103から射出された光ビームは、図示されないカップリングレンズやシリンダレンズ、ビーム合成手段などを経て光偏向器403の偏向反射面に至り、偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像が結ばれる。光偏向器403の回転により光ビームはある角度範囲で偏向される。偏向された光ビームは走査結像レンズ系404およびトロイダルレンズ406を経て像担持体表面である被走査面407に光スポットP101、P102として結ばれるとともに、光スポットP101、P102が被走査面407を走査するようになっている。この走査方向が主走査方向であり、主走査方向に直交する方向が副走査方向である。
【0035】
図3(b)に示すように、半導体レーザ101、103から射出された全ての光ビームをポリゴンミラーなどからなる光偏向器403の偏向反射面近傍で主走査方向において交差させるのが好ましい。D1は、半導体レーザ101から射出した光ビームが被走査面407においてある像高に到達する際の光偏向器403の反射面を表しており、D2は半導体レーザ103から射出した光ビームが被走査面407において同像高に到達する際の光偏向器403の反射面を表している。それぞれの光ビームは光偏向器403に入射するときに、ある角度Δα分離されている。従って、この角度差だけ同像高に到達するための反射面に時間的な遅れが生じる。
【0036】
図3(a)の場合は、2つの光ビームはかなり異なった光路を通っており、図3(b)の場合は、同じ光路を通っている。光ビームが各光学素子の異なる位置を通過してくると、当然異なる光学作用を受けるから、被走査面407上で主走査方向の同じ像高に達する2つの光ビームは、収差等の光学特性が違ったものとなり、特に走査線ピッチの像高間変動に対する影響は非常に大きい。
【0037】
そこで、図3(b)のように、光偏向器403の反射面近傍で2つの光ビームを交差させるとよい。こうすれば、2つの光ビームは、被走査面407上の主走査方向の同一像高に達するときに、光学素子の主走査方向のほぼ同じ光路を通るようになり、走査線曲がりを効果的に低減することができる。また、光偏向器403より像面側の各光学部品のばらつきによる各光ビーム間の主走査方向書き込み位置変動は、全ての光ビームでほぼ同量となり、各ビーム間での主走査方向書き込み位置ずれは抑えられる。
【0038】
さらに、同じ像高へ結像する全ての光ビームを、走査光学系の主走査方向のほぼ同じ位置を通過させることができることから、走査光学系を構成するレンズの収差の影響を小さく抑え、かつ、主走査方向の結像位置を各ビームとも精度良く合致させることができ、同期検知後全ての光ビームに共通に遅延時間を設定しても、書き込み始めの像高での主走査方向の位置ずれを抑えることが可能となる。また、図3(b)のようにすることにより、ポリゴンミラーからなる光偏向器403の内接円半径を最小にすることができる。
【0039】
実施形態5
カップリングレンズが、副走査方向に変位すると、射出される光ビームは副走査方向に角度をもち、副走査ビームスポット間隔を変動させる要因となる。
図1について説明したように、カップリングレンズの外周部を光源保持部材のレンズ支持部に接着することによって固定するものにおいては、光軸のアライメント調整時に、光源保持部材のレンズ支持部に対し、カップリングレンズが偏心ンし、光源保持部材とカップリングレンズとの間の接着層の厚みが異なることにより、温度変動時に、カップリングレンズが副走査方向に変位する。図7(a)はこれを示している。図7(a)において、符号111はカップリングレンズを、117はレンズ支持部を、119は接着層を示している。図7(a)に示すように、接着層119の厚みが不均一になることによって、温度変動時に、カップリングレンズ111が副走査方向に変動し、それに伴い副走査ビームスポット間隔が劣化する課題があった。
【0040】
そこで、図7(b)に示すように、カップリングレンズ111の外周部に状の切除部111Aを形成してD字状のレンズとし、切除部111Aを光源保持部材のレンズ支持部117に接着層119を介して接着するとよい。こうすれば、接着層119の厚さを均一化でき、温度変動によって接着剤が伸縮しても、カップリングレンズ111が副走査方向に変位することを防ぐことができる。接着剤の伸縮方向を主走査方向とするように、光源保持部材のレンズ支持部117を設定するとなおよい。
【0041】
実施形態6
光源保持部材と支持部材は互いに締結されているため、両者で線膨張係数が異なると、締結点間の伸縮量の違いにより、光源保持部材と支持部材に変形が生じる。そこで、光源保持部材と支持部材の材質を一致させ、線膨張係数を略一致させるとよい。こうすれば、温度変化時の、線膨張係数差による変形は低減され、高密度な光走査が要求される光走査装置に適用しても、安定したビームスポット間隔を維持することができ、これにより、高品位な画像再現性を確保することができる光走査装置を実現することができる。
あるいは、加工性やコストの面から、材質の選択の範囲を広げ、光源保持部材と支持部材の材質が異なる場合においても、上記の理由により、少なくとも光源保持部材と支持部材の締結部の材質を一致させておくことが望ましい。
【0042】
実施形態7
これまで説明してきたマルチビーム光源装置の実施形態によれば、支持部材は、支持部材以降の光学系に対し、それぞれの射出ビームの、主走査方向の略中心を回転軸として回転可能となっている。これにより、光源装置以降の光学系による副走査方向のビームスポット間隔が変動しても、最適な副走査ビームピッチ間隔を得ることができるように調整することができる。このため、光源装置以降の光学系とは無関係に、光源装置のリサイクルが可能となる。さらに、光源装置の破損が生じてもこれを交換することができ、マルチビーム光走査装置の寿命を長くすることが可能である。
【0043】
実施形態8
図8はマルチビーム光源装置のさらに別の実施形態を示すものであって、半導体レーザ101、102側の縦断面図である。図8において、半導体レーザ101、102はアルミダイキャスト製の光源保持部材107の裏側に副走査方向に所定間隔で並列して形成された嵌合孔にそれぞれ圧入されて保持されている。また、カップリングレンズ111、112が、それぞれの半導体レーザ101、102の発散光束が所望の光束状態となるようにX方向(光軸方向)の位置を合わせて、また所定のビーム射出方向となるようにY方向(主走査方向)およびZ方向(副走査方向)の位置を合わせて、半導体レーザ101、102と対をなして固定されている。カップリングレンズ111、112は、光源保持部材107に形成された前記レンズ支持部117、118(図1参照)とカップリングレンズ111、112の外周との隙間にUV硬化接着剤を充填することによって固定される。
【0044】
符号124はビーム合成プリズムを示している。ビーム合成プリズム124は光源保持部材107に支持されている。ビーム合成プリズム124には、例えば、半導体レーザ102側の入射面に1/2波長板(λ/2板)が設けられている。1/2波長板を透過後偏光方向が90度回転された一方の光源部からの光ビームは、プリズム124内の反射面で反射された後、偏光ビームスプリッタ面で反射される。他方の光源部からの光ビームは、偏光ビームスプリッタ面を透過し、上記偏光ビームスプリッタ面で反射される光ビームと副走査方向に近接させられて射出する。この結果、光量ロスを少なくして、半導体レーザ101、102からの光ビームを容易に合成することができる。他の光源保持部材についても同様に構成され、それぞれの光源保持部材は、主走査方向に並列して前記支持部材に支持されている。光源保持部材と支持部材の支持部は3点以上設けることが好ましい。
【0045】
上記本発明の実施形態によれば、光源部の光軸のアライメント調整時に、ビーム合成プリズムからなるビーム合成手段124を含めて調整することが可能であるため、ビームスプリッタ面および反射面の角度精度が比較的ラフでもこれを調整によって吸収することができ、光軸アライメント調整の精度を向上させることが可能となる。
また、これまで説明してきた全ての実施形態において、光源保持部材が多数ある場合、ビーム合成プリズムが主走査方向に大型化し加工精度が劣化したとしても、光軸アライメント調整の精度を向上させることができる。
【0046】
実施形態9
図9に示すように、マルチビーム光源装置より射出され、かつ、隣り合う光ビーム相互の主走査方向においてなす角度α1、α2、α3は、これを等しく設定しておけば、射出軸aを中心としてマルチビーム光源装置を回転させることにより、像面上の光ビームのピッチを変化させることができる。そのためには、マルチビーム光源ユニットの形態として、光源およびカップリングレンズを主走査方向に等距離に配置する必要がある。この隣り合う光ビーム相互間の距離は、機構的な制約上、異なる光源保持部材間において最も広くなり、これに合わせて同一の光源保持部材内の、光源相互間の主走査方向の距離およびカップリングレンズ相互の主走査方向の距離も決まってしまうため、主走査方向に最も外側となる光ビーム相互のなす角度は大きくなってしまう。
【0047】
例えば、各光ビームを光偏向器の偏向反射面近傍で主走査方向に一致させておけば、被走査面上において主走査方向の同一像高に達するときに、光学素子の主走査方向のほぼ同じ光路を通るようになり、走査線曲がりを効果的に低減することができ、また、光偏向器より像画側の各部品のばらつきによる各光ビーム間の主走査方向書き込み位置変動を、全ての光ビームでほぼ同量とし、各ビーム間での主走査方向書き込み位置ずれを抑えることができる。さらに、同じ像高へ結像する全ての光ビームを、走査光学系の主走査方向のほぼ同じ位置を通過させることにより、走査光学系を構成するレンズの収差の影響を小さく抑えるように設定することができる。しかしながら、前述のように光ビーム相互の主走査方向においてなす角度が大きくなると、有効露光幅が小さくなったり、各光ビームで、光学的な「サグ」の影響が異なったりすることになり、光学性能に悪影響を及ぼす。
【0048】
そこで、高画質化を図るには、マルチビーム光源装置に光路変更手段を設け、主走査方向に最も外側となる光ビーム間のなす角を小さくするとよい。その一例として、前記A側(図1参照)のカップリングレンズとビーム合成プリズムの間に、負のパワーをもつレンズを光路変更手段として用いることが考えられる。その例を図10に示す。図10では、前記B側からの光ビームを実線で、前記A側からの光ビームを波線で示す。図10において、A側からの光ビームの光路にのみ、カップリングレンズとビーム合成プリズムの間に負のパワーを持つレンズ132が配置されている。この負のパワーを持つレンズ132は、隣り合う光ビームの主走査方向のなす角が等しくなるように光路を変更させる。
【0049】
また、このときの隣り合う光ビームの主走査方向においてなす角度は、それぞれの光源から射出された光ビームの被走査面における位置関係が、同期信号検知部の分解能よりも主走査方向に広く分離するように、光路変更手段として用いるレンズのパワーを設定する。これにより、それぞれの光ビームの同期信号を個別に取ることができる。
【0050】
ただし、光路変更手段としての負のパワーを持つレンズ132を通る光ビームは、光路変更手段により光束状態が変化する。例えば、図11(b)に示すように、光源としての半導体レーザ101からの光ビームがカップリングレンズ111を透過した後に、光路変更手段である負のパワーを持つレンズ132を透過すると、半導体レーザ103から射出され光路変更手段を透過することなくカップリングレンズ113を透過した図11(a)に示す光ビームと比較すると、光束状態が異なる。そこで、カップリングレンズ111と光路変更手段であるレンズ132の合成で、光束状態を第2の光源部と略等しくするようにカップリングレンズ111を配置する。
【0051】
このようなマルチビーム光源装置によれば、隣り合う光ビーム相互の主走査方向においてなす角度は等しく、主走査方向に最も外側となる光ビーム間のなす角を小さく設定することが可能となり、良好な光学性能を保ちながらピッチ切り替えが可能となる。
光路変更手段の別の形態として、負のパワーを持つレンズを、ビーム合成プリズム以降(光偏向器側)に配置し、ビーム合成後の全ての光ビームについて光路を変更するようにしても構わない。
【0052】
実施形態10
光路変更手段としてミラーを複数枚使い、光路を折り返すことにより光路長を長くしてもよい。隣り合う光ビームの主走査方向においてなす角度を等しく、主走査方向に最も外側となる光ビーム間のなす角度を小さく設定することが可能となり、良好な光学性能を保ちながらピッチ切り替えが可能となる。このときの上記ミラーは、平行平板形状でも球面形状でも同じ効果が得られる。
【0053】
実施形態11
部品点数を増やすことなく光路変更を行う方法として、偏光版を光路変更手段として用いる方法がある。例えば、これまで説明してきた本発明のマルチビーム光源装置のある種の実施形態には、前記A側のビーム合成プリズムの入射面に1/2波長板が配置されている。この波長版は、従来の例では、研磨され平行平板となっている。そこで、この波長版を研磨する際に平面ではなく球面に加工してパワー(屈折力)を持たせる。こうすれば、光路変更手段としてレンズを用いた場合と同様の効果を持たせることが可能となる。
【0054】
以上、マルチビーム光源装置の各種実施形態について説明してきたが、本発明にかかるマルチビーム光源装置を用いてマルチビーム光走査装置を構成することができる。以下、本発明にかかるマルチビーム光源装置を具備するマルチビーム光走査装置の実施形態について図12を参照しながら説明する。
【0055】
図12において、符号1はマルチビーム光源装置を示している。マルチビーム光源装置1は、図1に示す実施形態と同様に、光源としての半導体レーザ101、102,103,104と、これらと対をなすカップリングレンズ111,112,113,114と、ビーム合成手段124とを有してなる。光源装置1から射出されビーム合成手段124で合成された各光ビームは、シリンドリカルレンズ2により副走査方向にのみ集束させられ、ポリゴンミラーからなる光偏向器130の偏向反射面131近傍で主走査方向に長い線像として結像される。光偏向器130はシリンドリカルレンズ2を経て入射した各光ビームを反射偏向し、主走査方向にほぼ等角速度的に走査する。走査結像レンズ404は光偏向器130により反射偏向され走査される各光ビームを被走査面407上に光スポットとして集光させ結像させる。この光スポットは被走査面407上を走査する。この走査方向が主走査方向である。
【0056】
このように、本発明にかかるマルチビーム光源装置を、マルチビーム光走査装置の光源装置として使用することにより、良好な光学性能を維持しつつ、ピッチ切り替えが簡単なマルチビーム光走査装置を実現することができる。
【0057】
上記マルチビーム光源装置を具備するマルチビーム光走査装置は、これを画像形成装置の光走査装置として用いることができる。この画像形成装置の例を図13に示す。図13において、画像形成装置であるレーザプリンタ100は、円筒状に形成された光導電性の感光体である潜像担持体400を有し、この潜像担持体400の表面が被走査面407となっている。潜像担持体400の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ142、現像装置143、転写ローラ144、クリーニング装置145が配備されている。帯電手段としてはコロナチャージャを用いることもできる。さらに、レーザビームLBにより光走査を行う光走査装置147が設けられ、帯電ローラ142と現像装置143との間で、光書き込みによる露光を行うようになっている。光走査装置147は、図12について説明したような、マルチビーム光源装置を備えたマルチビーム光走査装置である。
【0058】
図13において、符号146は定着装置、148は給紙カセット、149はレジストローラ対、150は給紙コロ、151は搬送路、152は排紙ローラ対、符号153は排紙トレイ、符号Pは記録媒体としての転写紙をそれぞれ示している。
【0059】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体400が図において時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ142により均一帯電され、光走査装置147のレーザビームLBの光書き込みによる露光を受けて被走査面407に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂ネガ潜像である。この静電潜像は現像装置143により反転現像され、像担持体400上にトナー画像が形成される。
【0060】
転写紙Pを収納したカセット148は、画像形成装置100本体に脱着可能であり、図示のように画像形成装置100に装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ150により給紙される。給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対149に捕らえられる。レジストローラ対149は、像担持体400上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ144の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは定着装置146へ送られ、定着装置146においてトナー画像が転写紙Pに定着され、転写紙Pは搬送路151を通り、排紙ローラ対152によりトレイ153上に排出される。トナー画像が転写されたあとの像担持体400の表面は、クリーニング装置145によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
【0061】
このように、像担持体400の被走査面407に光走査により潜像を形成し、上記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置に、像担持体400を光走査する光走査装置として、図12について説明した光走査装置を用いている。潜像担持体400は光導電性の感光体であり、その均一帯電と光走査とにより静電潜像が形成され、形成された静電潜像がトナー画像として可視化される。
【0062】
上記画像形成装置によれば、前述のマルチビーム光源装置およびマルチビーム光走査装置の実施形態が奏する特有の効果によって、画像再現性の高い高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
さらに、各光源から射出される光ビーム相互のなす角度を変化させることができる光源装置を用いることにより、画像形成の高速化または高密度書き込みによる高画質化の何れかをユーザーが選択可能なように、ピッチ切り替えを行うことができる。例えば、1200dpiでの高画質を得ることができ、または、600dpiで高速化を実現可能となる。また、光路変更手段を設けることにより、良好な光学性能を維持しつつ簡単にピッチ切り替えを行うことができるマルチビーム光走査装置、さらには画像形成装置を実現することができる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、副走査方向に配列された半導体レーザおよびカップリングレンズが同一の光源保持部材に保持されているため、温度変動、あるいは光源装置を本体光学系へ締結することによって起こる支持部材の副走査方向の歪みが光源保持部材に影響することを低減することができる。また、光源保持部材は、光源およびカップリングレンズを副走査方向に配列して一体に保持し、この複数の光源保持部材を主走査方向に配列して支持部材で一体に支持することにより、支持部材の剛性が上がり、副走査方向のビームスポット間隔の経時的な変化を低減することができる。
【0064】
請求項2または3記載の発明によれば、同一の光源保持部材の副走査方向ビームスポット間隔を良好に補正することができ、光源部の光軸のアライメント調整精度、およびビームスプリッタ面、反射面の角度精度を緩和することができる。さらに、各光ビームのなす角度を小さく設定して、光源保持部材の変動による副走査方向ビームスポット間隔の変動を小さくすることができ、経時的な副走査ビームピッチ変動を低減することができる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、光源保持部材を副走査断面内で回転可能な機構を設けることなく、良好な副走査方向ビームスポット間隔を得ることができ、光源部の光軸のアライメント調整精度、およびビームスプリッタ面、反射面の角度精度を緩和することができる。また、部品点数を減らすことが可能となり低コスト化を図ることができる。
請求項5記載の発明のように、光源保持部材を副走査断面内で回転可能な機構をつけた場合においても、経時的な副走査ビームピッチ変動の低減を図ることができる。
【0066】
請求項6記載の発明によれば、光学的なサグの影響を低減することができ、良好な光学性能を得ることができる。
請求項7記載の発明によれば、カップリングレンズの外周部を切除し、切除部を光源保持部材に接着することにより、接着層を均一化することができ、温度変動による接着剤の伸縮でカップリングレンズが副走査方向に変動することを防ぐことができる。
請求項8または9記載の発明によれば、光源保持部材と、支持部材部材の材質を一致させ、あるいは両者の締結部の材質を一致させたため、線膨張係数を略一致させることができ、温度変化時の、線膨張係数差による変形を低減させ、高密度な光走査装置においても安定したビームスポット間隔を維持することができる。
【0067】
請求項10記載の発明によれば、光源装置の交換が可能となり、光源装置のリサイクル、マルチビーム光源装置の高寿命化を実現することができる。
【0068】
請求項13記載の発明によれば、請求項1〜12のいずれかに記載のマルチビーム光源装置を使用してマルチビーム光走査装置を構成することにより、高品位な画像を再現可能な光走査装置を提供することができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項13記載のマルチビーム光走査装置を用いて画像形成装置を構成することにより、高品位な画像再現性を確保することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるマルチビーム光源装置の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】上記本発明の実施形態にかかるマルチビーム光源装置の主走査平面における光路図である。
【図3】上記マルチビーム光源装置を光走査装置に適用した例を示す光学配置図で、(a)はマルチビームが変更反射面近傍で分散する場合を、(b)マルチビームが変更反射面近傍で一致する場合を示す。
【図4】本発明にかかるマルチビーム光源装置の別の実施形態を示す平面図である。
【図5】図4に示す実施形態におけるビームスポット相互関係を示すもので、(a)はビームスポット間隔調整前の、(b)はビームスポット間隔調整後の概念図である。
【図6】それぞれの光源保持部材の回転軸相互が主走査方向においてなす角度を示すもので、(a)は従来例の場合を、(b)は本発明の実施形態の場合を示す。
【図7】カップリングレンズの接着の様子を示す概念図で、(a)は従来例を、(b)は本発明の実施形態の場合を示す。
【図8】本発明に適用可能な光源部分の別の例を示す縦断面図である。
【図9】マルチビーム光源装置より射出され、隣り合う光ビーム相互の関係の一例を示す、(a)は光路図、(b)はビームスポット相互の関係図である。
【図10】マルチビーム光源装置より射出され、隣り合う光ビーム相互関係の別の例を示す光路図である。
【図11】カップリングレンズを通ったあとの光ビームの状態を示すもので、(a)は光路変更手段を挿入しない場合を、(b)は光路図光路変更手段として負のパワーを持つレンズを挿入した場合を示す。
【図12】本発明にかかるマルチビーム光源装置を用いたマルチビーム光走査装置の実施形態を示す斜視図である。
【図13】上記マルチビーム光走査装置を用いた画像形成装置の実施形態を概念的に示す正面図である。
【図14】従来のマルチビーム光源装置の例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 マルチビーム光源装置
101 光源としての半導体レーザ
102 光源としての半導体レーザ
103 光源としての半導体レーザ
104 光源としての半導体レーザ
107 光源保持部材
108 光源保持部材
111 カップリングレンズ
112 カップリングレンズ
113 カップリングレンズ
114 カップリングレンズ
119 接着層
120 支持部材
124 ビーム合成手段
130 光偏向器
131 偏向反射面
132 光路変更手段
147 マルチビーム光走査装置
407 被走査面

Claims (13)

  1. 複数の光ビームを同一の被走査面上で主走査方向に走査させるために複数の光ビームを射出するマルチビーム光源装置において、
    単数または複数の発光部を持つ複数個の光源およびカップリングレンズと、
    これら光源およびカップリングレンズを副走査方向に配列し、一体的に保持する光源保持部材と、
    副走査方向に配列されている光源からの光ビームを近接させて射出させるビーム合成手段とを具備し、
    上記光源保持部材に保持されている複数個の光源は、主走査方向に距離をもって配列され、それぞれの光源部から射出される光ビームは、主走査方向に角度がつけられていて、
    上記光源保持部材は複数あって、それぞれの光源保持部材は主走査方向に配列されるとともに支持部材により一体的に支持されていることを特徴とするマルチビーム光源装置。
  2. 光源保持部材は、支持部材に対して、射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回動可能である請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  3. 支持部材における光源保持部材の支持部は、主走査方向に角度をもっている請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  4. 光源保持部材は、支持部材に対して、副走査断面内で回転可能である請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  5. それぞれの光源保持部材から射出される光ビームが光偏向器の偏向反射面近傍の一点で交わるように構成されている請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  6. カップリングレンズは外周部に切除部があり、この切除部で光源保持部材に接着されている請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  7. 光源保持部材と支持部材の材質が同じである請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  8. 光源保持部材と支持部材の締結部の材質が同じである請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  9. 支持部材は、支持部材以降の光学系に対し、射出ビームの光軸にほぼ一致する方向を回転軸として回転可能である請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  10. 複数の光源から射出され、隣り合う光ビーム相互間の主走査方向においてなす角度が等しい請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  11. 各光源から射出される光ビーム相互のなす角度を変化させることができる光路変更手段を有する請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載のマルチビーム光源装置から射出された複数の光ビームを、光偏向器で偏向するとともに、走査光学手段で被走査面上に集光し主走査方向に走査するマルチビーム光走査装置。
  13. 請求項12記載のマルチビーム光走査装置を用いた画像形成装置であって、光ビームによって走査した被走査面に静電潜像が形成されるマルチビーム光走査装置を用いた画像形成装置。
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