JP3951016B2 - Asymmetric disulfide compound and process for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な非対称ジスルフィド化合物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジスルフィド化合物は、加硫ゴム、硫化染料、酸化防止剤、潤滑油、殺虫剤などに数多く見られる化合物である。また、抗HIV活性(非特許文献1、非特許文献2)や抗肝炎作用(非特許文献3)が報告されている。
これらジスルフィド化合物のうち、双方の硫黄原子上に異なる置換基を有する非対称ジスルフィド化合物においても、チアミンに示されるような生理活性を有する化合物など実用的な化合物が報告されている(非特許文献4)。また非対称ジスルフィド化合物の抗菌作用も報告されている(非特許文献5)。
さらに、スルフェンアミド化合物は、従来からゴムの加硫化剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤としての機能を有するものがあることが知られており(非特許文献6)、特にN-アシルスルフェンアミドであるN-ベンゾイル-4-クロロベンゼンスルフェンアミドには、植物成長調整機能があることが報告されている(非特許文献7)。このように、一群のN-アシルスルフェンアミド化合物は、産業上重要な化合物である。
【0003】
非対称ジスルフィド化合物は、一般的には塩化スルフェニル化合物とチオール化合物との反応により製造されているほか、スルフェンアミド化合物やチオールスルホナート化合物などを出発原料としてチオール化合物との反応により製造されてきた。
しかしながら、塩化スルフェニル化合物はチオール化合物あるいはジスルフィド化合物と塩素ガスとの反応により製造しなければならない。塩素ガスを気体で反応系に供給することが必要であり、取り扱い上の困難さを有しているので、安全な製造方法が望まれている。スルフェンアミド化合物を出発原料とする場合も、スルフェンアミド化合物が塩化スルフェニル化合物から製造されるので、塩素ガスの問題は残されたままである。チオールスルフォナート化合物を出発原料とする反応においては、出発物質と生成物との間に平衡反応があり、対称ジスルフィド化合物が混合してしまうという問題がある。
また、N-アシルスルフェンアミド化合物を製造するためには、やはり塩化スルフェニル化合物とアミド化合物の反応により製造されてきた。
【0004】
【非特許文献1】
Science, 270, 1194-1197 (1995).
【非特許文献2】
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 969-973 (1996).
【非特許文献3】
Chem. Pharm. Bull., 41, 1066-1073 (1993).
【非特許文献4】
大饗茂編、有機硫黄化学(合成化学編)、p.85、化学同人
【非特許文献5】
Farmaco, Ed. Sci., 40, 803-807 (1985); Chem. Abstr. 104, 148442 (1986).
【非特許文献6】
Chem. Rev., 89, 689 (1989).
【非特許文献7】
Fiziol. Akt. Veshch, 16, 47 (1984); Chem. Abstr., 103, 18314 (1985).
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
分子内にN−アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物を製造するにあたり、従来の方法では、取り扱いにくい塩素ガスを用いてきたが、本発明の課題は、この塩素ガスを使用することなく、分子内にN−アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物を製造する新規な非対称ジスルフイド化合物及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、塩素ガスを用いることなく、分子内にN−アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、N-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を原料化合物とし、これにチオール化合物を反応することにより、安全かつ容易に分子内にN−アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち,本発明によれば,以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(A)で表される非対称ジスルフィド化合物。
【化1】
(式中、R 11 およびR 12 は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基又はニトロ基を示し、R 11 およびR 12 が複数ある場合は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜5の整数を、 mは0または1〜4の整数である。R 13 は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
【0008】
また,本発明によれば,以下の発明が提供される。
(2)下記一般式(イ)で表される非対称ジスルフィド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるN-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と、下記一般式(ハ)で表されるチオール類を反応させることを特徴とする非対称ジスルフィド化合物の製造方法。
【化6】
(式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜5の整数である。R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜4の整数である。R3は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【化7】
(式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜5の整数である。R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜4の整数である。)
【化8】
(式中、R3は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、出発原料化合物として、N-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物(前記一般式(ロ)で表される化合物)を用いる。
【化9】
一般式(ロ)で表される化合物のR1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。
nは0または1〜5の整数を示し、mは0または1〜4の整数を示す。
前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、s-ヘキシル基、t-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、s-ヘプチル基、t-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、s-オクチル基、t-オクチル基等が挙げられる。
前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシカルボニル基の具体例を示すと、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子は、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素から選ばれる原子を表す。
【0010】
前記出発原料化合物であるN-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物(前記一般式(ロ)で表される化合物)は、公知化合物であり、N-無置換スルフェンアミド化合物と1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を反応させて製造することができる。
【0011】
前記出発原料化合物であるN-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物(前記一般式(ロ)で表される化合物)と反応させる原料物質は、下記一般式(ハ)で表されるチオール類である。
【化10】
前記化合物の式中、R3は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、s-ヘキシル基、t-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、s-ヘプチル基、t-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、s-オクチル基、t-オクチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基の具体例を示すと、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。また、前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基等が挙げられ、これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
これらのチオール化合物は、原料として汎用されているものである。
一般式(ハ)で表されるチオール類はR2基を有するハロゲン化物と水硫化アルカリ化合物から製造することができる。
【0012】
本発明の新規な合成反応は次のような反応式(ニ)よって表すことができる。
【化11】
【0013】
本発明の非対称ジスルフィド化合物の製造は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。
この場合の反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、アセトン等の溶媒中で行われる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
【0014】
前記製造方法における温度は0℃〜120℃付近の温度で行うことができるが、あまり温度が低すぎると反応時間が遅くなり、温度が高すぎると分解反応や副反応が多くなるので、10℃〜100℃の範囲で実施するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は5分〜5時間で十分である。
【0015】
本発明の製造対象となる非対称ジスルフィド化合物は、下記一般式(イ)で表される。
【化2】
前記一般式(イ)のR1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜5の整数である。
R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜4の整数である。
又、R3は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、s-ヘキシル基、t-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、s-ヘプチル基、t-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、s-オクチル基、t-オクチル基等が挙げられる。
前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシカルボニル基の具体例を示すと、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基の具体例を示すと、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
また、前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基等が挙げられ、これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
ハロゲン原子は、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素から選ばれる原子を表す。
これらの化合物は、加硫ゴム、硫化染料、酸化防止剤、潤滑油、殺虫剤、抗菌剤などに用いられる化合物である。また、抗HIVプロテアーゼ阻害剤、抗肝炎症剤などの医薬用途を有するものである。
【0016】
本発明に係る新規な非対称ジスルフィド化合物は下記一般式(A)で示される。
【化1】
(式中、R 11 およびR 12 は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基又はニトロ基を示し、R 11 およびR 12 が複数ある場合は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜5の整数を、 mは0または1〜4の整数である。R 13 は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
その具体例について例示すると、以下の化学式(1)〜(5)で示される化合物である。これらの化合物は、以下に記載する実施例1〜5において、製造された化合物である。
【化13】
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な物をあげたものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。製造した非対称ジスルフィド化合物は、各種スペクトルを主要な判定基準として同定した。また,製造された化合物(1)〜(5)は,前記で示した化合物(1)〜(5)に対応するものである。
【0018】
実施例1
内容積30mlのガラス製容器中にN-(2-メトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(158.7mg,0.5mmol)とドデカンチオール(121.4mg,0.6mmol)をメタノール(15mL)と塩化メチレン(15mL)の混合物に溶解させ、室温で30分反応を行った。溶媒を減圧下除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)で精製することにより、化合物(1)のジスルフィドを収量239.1mg、収率92%で得た。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶を行うことによりさらに精製することができた。
融点79.5-80.3℃;1H-NMR(CDCl3)δ 0.88 (3H, t, J=6.7 Hz), 1.24-1.36 (18H, m), 1.64-1.70 (2H, m), 2.75 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.95 (3H, s), 7.20-7.32 (3H, m), 7.47-7.53 (3H, m), 7.69 (1H, s), 8.00-8.04 (2H, m);13C-NMR(CDCl3)δ 14.1, 22.7, 28.5, 28.9, 29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.6, 31.9, 38.8, 52.5, 122.5, 124.3, 124.7, 126.6, 128.0, 128.7, 131.1, 131.6, 133.1, 133.5, 138.2, 144.5, 167.1, 169.3;IR(KBr)3268, 2955, 2922, 2851, 1701, 1632, 1470, 1422, 1318, 1292, 1246, 739 cm-1.
C27H37NO3S3としての元素分析値(%)
測定値:C,62.56; H,7.19; N,2.61.
計算値:C,62.39; H,7.17; N,2.69.
【0019】
実施例2
内容積30mlのガラス製容器中にN-(2-メトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(158.7mg,0.5mmol)とベンゼンチオール(66.1mg,0.6mmol)をメタノール(15mL)と塩化メチレン(15mL)の混合物に溶解させ、室温で30分反応を行った。溶媒を減圧下除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)で精製することにより、化合物(2)のジスルフィドを収量201.0mg、収率94%で得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 3.93 (3H, s), 7.17-7.33 (6H, m), 7.44-7.50 (5H, m), 7.70 (1H, br s), 7.87 (1H, d, J=7.6 Hz), 8.01 (1H, dd, J=8.0, 1.2 Hz);13C-NMR(CDCl3)δ 52.4, 122.3, 124.2, 124.7, 126.6, 127.3, 127.8, 128.0, 128.5, 129.1, 131.9, 132.9, 133.1, 168.5, 144.4, 167.1, 169.3;IR(KBr)3250, 1699, 1651, 1435, 1275, 1040, 739 cm-1.
【0020】
実施例3
内容積30mlのガラス製容器中にN-(2-エトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(165.7mg,0.5mmol)とドデカンチオール(121.4mg,0.6mmol)をメタノール(15mL)に溶解させ、室温で30分反応を行った。溶媒を減圧下除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)で精製することにより、化合物(3)のジスルフィドを収量258.9mg、収率97%で得た。この化合物はヘキサンを用いて再結晶を行うことによりさらに精製することができた。
融点47.2-48.5℃;1H-NMR(CDCl3)δ 0.87 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.23-1.35 (18H, m), 1.41 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.66 (2H, quint, J=7.3 Hz), 2.74 (2H, t, J=7.3 Hz), 4.40 (2H, q, J=7.0 Hz), 7.20 (1H, ddd, J=8.2, 6.7, 1.5 Hz), 7.29-7.34 (2H, m), 7.47-7.50 (3H, m), 7.69 (1H, brs), 8.00-8.01 (1H, m), 8.03 (1H, d, J=7.9 Hz);13C-NMR(CDCl3)δ 14.1, 14.3, 22.7, 28.5, 28.9, 29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.6, 29.6, 31.9, 38.8, 61.6, 122.4, 124.6, 124.7, 126.5, 128.6, 131.1, 131.6, 133.0, 133.5, 138.3, 144.4, 166.7, 169.4;IR(KBr)3235, 1696, 1661, 1420, 1275, 1150,
1103, 1057, 749 cm-1.
C28H39NO3S3としての元素分析値(%)
測定値:C,63.39; H,7.43; N,2.57.
計算値:C,63.00; H,7.36; N,2.62.
【0021】
実施例4
内容積30mlのガラス製容器中にN-(2-エトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(165.7mg,0.5mmol)とオクタンチオール(87.8mg,0.6mmol)をメタノール(15mL)と塩化メチレン(15mL)の混合物に溶解させ、室温で30分反応を行った。溶媒を減圧下除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)で精製することにより、化合物(4)のジスルフィドを収量229.5mg、収率99%で得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 0.87 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.24-1.31 (8H, m), 1.35-1.37 (2H, m), 1.40 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.63-1.69 (2H, m), 2.73 (2H, t, J=7.3 Hz), 4.39 (2H, q, J=7.0 Hz), 7.19 (1H, td, J=7.9, 1.5 Hz), 7.27 (1H, m), 7.40-7.49 (4H, m), 7.68 (1H, br s), 7.99-8.01 (1H, m), 8.02 (1H, d, J=7.9 Hz);13C-NMR(CDCl3)δ 14.0, 14.3, 22.6, 28.4, 28.8, 29.1, 31.7, 38.7, 61.5, 122.4, 124.5, 124.6, 126.4, 128.4, 131.0, 131.5, 133.0, 133.3, 138.3, 144.5, 166.6, 169.3;IR(neat)3266, 1696, 1466, 1433, 1273, 1103, 741 cm-1.
【0022】
実施例5
内容積30mlのガラス製容器中にN-(2-ニトロフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(152.2mg,0.5mmol)とオクタンチオール(87.8mg,0.6mmol)をメタノール(15mL)に溶解させ、室温で30分反応を行った。溶媒を減圧下除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)で精製することにより、化合物(5)のジスルフィドを収量133.2mg、収率59%で得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 0.87 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.24-1.31 (8H, m), 1.34-1.39 (2H, m), 1.66 (2H, quint, J=7.6 Hz), 2.73 (2H, t, J=7.3 Hz), 7.24-7.31 (2H, m), 7.48-7.60 (3H, m), 7.69-7.74 (2H, m), 7.98 (1H, d, J=8.2 Hz), 8.25 (1H, dd, J=8.2, 1.5 Hz);13C-NMR(CDCl3)δ 14.3, 22.7, 28.6, 29.0, 29.2, 29.4, 31.9, 38.9, 124.2, 125.7, 125.9, 126.7, 128.6, 128.7, 132.0, 132.8, 134.5, 138.6, 141.0, 142.8, 169.6;IR(neat)3239, 1659, 1512, 1333, 1240, 733 cm-1.
【0023】
【発明の効果】
本発明におけるN-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物とチオール類の反応により、分子内にN-アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物を収率よく製造することができる。しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的な分子内にN-アシルスルフェンアミド部位を有する非対称ジスルフィド化合物の合成法として最適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel asymmetric disulfide compound and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Disulfide compounds are many compounds found in vulcanized rubber, sulfur dyes, antioxidants, lubricating oils, insecticides and the like. In addition, anti-HIV activity (Non-patent Documents 1 and 2) and anti-hepatitis action (Non-patent Document 3) have been reported.
Among these disulfide compounds, practical compounds such as compounds having physiological activity as shown in thiamine have been reported even in asymmetric disulfide compounds having different substituents on both sulfur atoms (Non-patent Document 4). . In addition, the antibacterial action of asymmetric disulfide compounds has also been reported (Non-Patent Document 5).
Furthermore, it is known that some sulfenamide compounds have functions as rubber vulcanizing agents, fungicides, insecticides, and herbicides (Non-Patent Document 6). N-benzoyl-4-chlorobenzenesulfenamide, which is a phenamide, has been reported to have a plant growth regulating function (Non-patent Document 7). Thus, a group of N-acylsulfenamide compounds are industrially important compounds.
[0003]
Asymmetric disulfide compounds are generally produced by a reaction between a sulfenyl chloride compound and a thiol compound, and have also been produced by a reaction with a thiol compound using a sulfenamide compound or a thiolsulfonate compound as a starting material. .
However, the sulfenyl chloride compound must be produced by reacting a thiol compound or disulfide compound with chlorine gas. Since it is necessary to supply chlorine gas to the reaction system in the form of gas, and it has difficulty in handling, a safe manufacturing method is desired. Even when a sulfenamide compound is used as a starting material, the problem of chlorine gas remains because the sulfenamide compound is produced from a chlorinated sulfenyl compound. In the reaction using a thiol sulfonate compound as a starting material, there is an equilibrium reaction between the starting material and the product, and there is a problem that a symmetric disulfide compound is mixed.
Further, in order to produce an N-acylsulfenamide compound, it has also been produced by the reaction of a sulfenyl chloride compound and an amide compound.
[0004]
[Non-Patent Document 1]
Science, 270 , 1194-1197 (1995).
[Non-Patent Document 2]
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93 , 969-973 (1996).
[Non-Patent Document 3]
Chem. Pharm. Bull., 41 , 1066-1073 (1993).
[Non-Patent Document 4]
Otsuki Shigeru, Organic sulfur chemistry (Synthetic chemistry), p. 85, Chemical Doujin [Non-Patent Document 5]
Farmaco, Ed. Sci., 40 , 803-807 (1985); Chem. Abstr. 104 , 148442 (1986).
[Non-Patent Document 6]
Chem. Rev., 89 , 689 (1989).
[Non-Patent Document 7]
Fiziol. Akt. Veshch, 16 , 47 (1984); Chem. Abstr., 103 , 18314 (1985).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the production of an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide site in the molecule, the conventional method has used a chlorine gas that is difficult to handle, but the problem of the present invention is that without using this chlorine gas, A novel asymmetric disulfide compound for producing an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide moiety in the molecule and a method for producing the same.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on a method for producing an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide moiety in the molecule without using chlorine gas, the present inventors have found that N-sulfenyl-1,2-benzisothiazoline Based on this finding, we found that an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide moiety in the molecule can be obtained safely and easily by reacting a thiol compound with a -3-one compound as a raw material compound. The present invention has been completed.
[0007]
That is, according to the present invention, the following inventions are provided.
(1) An asymmetric disulfide compound represented by the following general formula (A).
[Chemical 1]
(In the formula, R 11 and R 12 represent an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, or a nitro group. When there are a plurality of R 11 and R 12 , they are the same as each other. Or n is an integer of 0 or 1 to 5, m is an integer of 0 or 1 to 4. R 13 is an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms or an aryl having 6 to 12 carbon atoms Group.)
[0008]
Moreover, according to this invention, the following invention is provided.
(2) In the method for producing an asymmetric disulfide compound represented by the following general formula (I), an N-sulfenyl-1,2-benzisothiazolin-3-one compound represented by the following general formula (B): The manufacturing method of the asymmetrical disulfide compound characterized by making the thiol represented with the following general formula (c) react.
[Chemical 6]
(Wherein R 1 is an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, a halogen atom, or a nitro group. are shown, when R 1 are a plurality, each R 1 may be the being the same or different, .R 2 n is 0 or an integer of 1 to 5 alkyl groups of 1 to 8 carbon atoms , a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, a halogen atom, a nitro group, when R 2 are a plurality, each R 2 is They may be the same as or different from each other, and m is 0 or an integer of 1 to 4. R 3 is an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, or 6 to 6 carbon atoms. 12 aromatic groups are shown.)
[Chemical 7]
(Wherein R 1 is an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, a halogen atom, or a nitro group. are shown, when R 1 are a plurality, each R 1 may be the being the same or different, .R 2 n is 0 or an integer of 1 to 5 alkyl groups of 1 to 8 carbon atoms , a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, a halogen atom, a nitro group, when R 2 are a plurality, each R 2 is And may be the same or different, and m is 0 or an integer of 1 to 4.)
[Chemical 8]
(In the formula, R 3 represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, or an aromatic group having 6 to 12 carbon atoms.)
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, an N-sulfenyl-1,2-benzisothiazolin-3-one compound (a compound represented by the general formula (b)) is used as a starting material compound.
[Chemical 9]
R 1 and R 2 of the compound represented by the general formula (b) are alkyl groups having 1 to 8 carbon atoms, cycloalkyl groups having 3 to 8 carbon atoms, alkoxyl groups having 1 to 8 carbon atoms, and 2 to 8 carbon atoms. An alkoxycarbonyl group, a halogen atom and a nitro group.
n represents 0 or an integer of 1 to 5, and m represents 0 or an integer of 1 to 4.
Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, s-butyl group, t-butyl group, and n-pentyl group. , Isopentyl group, t-pentyl group, n-hexyl group, isohexyl group, s-hexyl group, t-hexyl group, n-heptyl group, isoheptyl group, s-heptyl group, t-heptyl group, n-octyl group, An isooctyl group, s-octyl group, t-octyl group and the like can be mentioned.
Specific examples of the alkoxyl group include a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, an isopropoxy group, and a hexyloxy group.
Specific examples of the alkoxycarbonyl group include a methoxycarbonyl group, an ethoxycarbonyl group, a propoxycarbonyl group, a hexyloxycarbonyl group, and a benzyloxycarbonyl group.
The halogen atom represents an atom selected from chlorine, bromine, fluorine and iodine.
[0010]
The starting material compound N-sulfenyl-1,2-benzisothiazolin-3-one compound (the compound represented by the general formula (b)) is a known compound, and is an N-unsubstituted sulfenamide compound. And 1,2-benzisothiazolin-3-one compound can be reacted.
[0011]
The starting material to be reacted with the starting material compound N-sulfenyl-1,2-benzisothiazolin-3-one compound (compound represented by the general formula (b)) is represented by the following general formula (c). Thiols.
[Chemical Formula 10]
In the formula of the compound, R 3 represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, or an aromatic group having 6 to 12 carbon atoms.
Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, s-butyl group, t-butyl group, and n-pentyl group. , Isopentyl group, t-pentyl group, n-hexyl group, isohexyl group, s-hexyl group, t-hexyl group, n-heptyl group, isoheptyl group, s-heptyl group, t-heptyl group, n-octyl group, An isooctyl group, s-octyl group, t-octyl group and the like can be mentioned.
Specific examples of the cycloalkyl group include a cyclopentyl group, a cyclobutyl group, a cyclohexyl group, a cyclooctyl group, and a cyclododecyl group. Examples of the aromatic group include a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a naphthyl group, a biphenyl group, and a benzyl group. These aromatic groups include substituents such as a halogen atom, an alkoxyl group, and a dialkylamino group. You may have.
These thiol compounds are widely used as raw materials.
The thiols represented by the general formula (c) can be produced from a halide having an R 2 group and an alkali hydrosulfide compound.
[0012]
The novel synthesis reaction of the present invention can be represented by the following reaction formula (d).
Embedded image
[0013]
The production of the asymmetric disulfide compound of the present invention is preferably carried out in the presence of a reaction solvent.
The reaction solvent in this case is performed in a solvent such as methanol, ethanol, isopropanol, acetonitrile, tetrahydrofuran, dioxane, benzene, toluene, xylene, chlorobenzene, dichlorobenzene, anisole, and acetone. These solvents are used alone or in the form of a mixed solvent.
[0014]
Although the temperature in the production method can be carried out at a temperature in the vicinity of 0 ° C. to 120 ° C., if the temperature is too low, the reaction time becomes slow, and if the temperature is too high, decomposition reactions and side reactions increase, It is preferable to carry out in the range of -100 ° C. The reaction time depends on the reaction temperature and cannot be determined in general, but usually 5 minutes to 5 hours is sufficient.
[0015]
The asymmetric disulfide compound to be produced in the present invention is represented by the following general formula (A).
[Chemical 2]
R 1 in the general formula (a) is an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, or a halogen atom. , a nitro group, when R 1 are a plurality, each R 1 may be the being the same or different, n is an integer of 0 or 1-5.
R 2 represents an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 8 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, a halogen atom, or a nitro group. When there are a plurality of 2 , each R 2 may be the same as or different from each other, and m is 0 or an integer of 1 to 4.
R 3 represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, or an aromatic group having 6 to 12 carbon atoms.
Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, s-butyl group, t-butyl group, and n-pentyl group. , Isopentyl group, t-pentyl group, n-hexyl group, isohexyl group, s-hexyl group, t-hexyl group, n-heptyl group, isoheptyl group, s-heptyl group, t-heptyl group, n-octyl group, An isooctyl group, s-octyl group, t-octyl group and the like can be mentioned.
Specific examples of the alkoxyl group include a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, an isopropoxy group, and a hexyloxy group.
Specific examples of the alkoxycarbonyl group include a methoxycarbonyl group, an ethoxycarbonyl group, a propoxycarbonyl group, a hexyloxycarbonyl group, and a benzyloxycarbonyl group.
Specific examples of the cycloalkyl group include a cyclopentyl group, a cyclobutyl group, a cyclohexyl group, and a cyclooctyl group.
Examples of the aromatic group include a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a naphthyl group, a biphenyl group, and a benzyl group. These aromatic groups include substituents such as a halogen atom, an alkoxyl group, and a dialkylamino group. You may have.
The halogen atom represents an atom selected from chlorine, bromine, fluorine and iodine.
These compounds are compounds used for vulcanized rubber, sulfur dyes, antioxidants, lubricating oils, insecticides, antibacterial agents and the like. Moreover, it has pharmaceutical uses, such as an anti-HIV protease inhibitor and an anti-hepatitis agent.
[0016]
The novel asymmetric disulfide compound according to the present invention is represented by the following general formula (A).
[Chemical 1]
(In the formula, R 11 and R 12 represent an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxycarbonyl group having 2 to 8 carbon atoms, or a nitro group. When there are a plurality of R 11 and R 12 , they are the same as each other. Or n is an integer of 0 or 1 to 5, m is an integer of 0 or 1 to 4. R 13 is an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms or an aryl having 6 to 12 carbon atoms Group.)
Specific examples thereof are compounds represented by the following chemical formulas (1) to (5). These compounds are the compounds produced in Examples 1-5 described below.
Embedded image
[0017]
【Example】
Next, the present invention will be described in detail with reference to examples. In addition, the Example of this invention gave the typical thing in order to make an understanding of this invention easy, and this invention is not limited only to this. The produced asymmetric disulfide compound was identified by using various spectra as main criteria. Further, the produced compounds (1) to (5) correspond to the compounds (1) to (5) shown above.
[0018]
Example 1
In a glass container having an internal volume of 30 ml, N- (2-methoxycarbonylphenylsulfenyl) -1,2-benzisothiazolin-3-one (158.7 mg, 0.5 mmol) and dodecanethiol (121.4 mg,. 6 mmol) was dissolved in a mixture of methanol (15 mL) and methylene chloride (15 mL), and reacted at room temperature for 30 minutes. The solvent was removed under reduced pressure, and the crude product was purified by silica gel chromatography (elution solvent: methylene chloride) to obtain the compound (1) disulfide in a yield of 239.1 mg and a yield of 92%. This compound could be further purified by recrystallization using ethyl acetate-hexane.
Melting point 79.5-80.3 ° C; 1 H-NMR (CDCl 3 ) δ 0.88 (3H, t, J = 6.7 Hz), 1.24-1.36 (18H, m), 1.64-1.70 (2H, m), 2.75 (2H, t , J = 7.4 Hz), 3.95 (3H, s), 7.20-7.32 (3H, m), 7.47-7.53 (3H, m), 7.69 (1H, s), 8.00-8.04 (2H, m); 13 C -NMR (CDCl 3 ) δ 14.1, 22.7, 28.5, 28.9, 29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.6, 31.9, 38.8, 52.5, 122.5, 124.3, 124.7, 126.6, 128.0, 128.7, 131.1, 131.6, 133.1, 133.5 , 138.2, 144.5, 167.1, 169.3; IR (KBr) 3268, 2955, 2922, 2851, 1701, 1632, 1470, 1422, 1318, 1292, 1246, 739 cm −1 .
Elemental analysis value (%) as C 27 H 37 NO 3 S 3
Measurements: C, 62.56; H, 7.19; N, 2.61.
Calculated value: C, 62.39; H, 7.17; N, 2.69.
[0019]
Example 2
In a glass container having an internal volume of 30 ml, N- (2-methoxycarbonylphenylsulfenyl) -1,2-benzisothiazolin-3-one (158.7 mg, 0.5 mmol) and benzenethiol (66.1 mg,. 6 mmol) was dissolved in a mixture of methanol (15 mL) and methylene chloride (15 mL), and reacted at room temperature for 30 minutes. The solvent was removed under reduced pressure, and the crude product was purified by silica gel chromatography (elution solvent: methylene chloride) to obtain a disulfide of compound (2) in a yield of 201.0 mg and a yield of 94%.
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ 3.93 (3H, s), 7.17-7.33 (6H, m), 7.44-7.50 (5H, m), 7.70 (1H, br s), 7.87 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.01 (1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz); 13 C-NMR (CDCl 3 ) δ 52.4, 122.3, 124.2, 124.7, 126.6, 127.3, 127.8, 128.0, 128.5, 129.1, 131.9, 132.9 , 133.1, 168.5, 144.4, 167.1, 169.3; IR (KBr) 3250, 1699, 1651, 1435, 1275, 1040, 739 cm −1 .
[0020]
Example 3
In a glass container with an internal volume of 30 ml, N- (2-ethoxycarbonylphenylsulfenyl) -1,2-benzisothiazolin-3-one (165.7 mg, 0.5 mmol) and dodecanethiol (121.4 mg,. 6 mmol) was dissolved in methanol (15 mL) and reacted at room temperature for 30 minutes. The solvent was removed under reduced pressure, and the crude product was purified by silica gel chromatography (elution solvent: methylene chloride) to obtain a disulfide of compound (3) in a yield of 258.9 mg and a yield of 97%. This compound could be further purified by recrystallization using hexane.
Melting point 47.2-48.5 ° C; 1 H-NMR (CDCl 3 ) δ 0.87 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.23-1.35 (18H, m), 1.41 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.66 ( 2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.74 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.40 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.20 (1H, ddd, J = 8.2, 6.7, 1.5 Hz), 7.29-7.34 (2H, m), 7.47-7.50 (3H, m), 7.69 (1H, brs), 8.00-8.01 (1H, m), 8.03 (1H, d, J = 7.9 Hz); 13 C-NMR (CDCl 3 ) δ 14.1, 14.3, 22.7, 28.5, 28.9, 29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.6, 29.6, 31.9, 38.8, 61.6, 122.4, 124.6, 124.7, 126.5, 128.6, 131.1, 131.6, 133.0, 133.5 , 138.3, 144.4, 166.7, 169.4; IR (KBr) 3235, 1696, 1661, 1420, 1275, 1150,
1103, 1057, 749 cm -1 .
Elemental analysis value (%) as C 28 H 39 NO 3 S 3
Measurements: C, 63.39; H, 7.43; N, 2.57.
Calculated value: C, 63.00; H, 7.36; N, 2.62.
[0021]
Example 4
In a glass container having an internal volume of 30 ml, N- (2-ethoxycarbonylphenylsulfenyl) -1,2-benzisothiazolin-3-one (165.7 mg, 0.5 mmol) and octanethiol (87.8 mg, 0. 6 mmol) was dissolved in a mixture of methanol (15 mL) and methylene chloride (15 mL), and reacted at room temperature for 30 minutes. The solvent was removed under reduced pressure, and the crude product was purified by silica gel chromatography (elution solvent: methylene chloride) to obtain 229.5 mg of a disulfide of compound (4) in a yield of 99%.
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ 0.87 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.24-1.31 (8H, m), 1.35-1.37 (2H, m), 1.40 (3H, t, J = 7.0 Hz) , 1.63-1.69 (2H, m), 2.73 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.39 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.19 (1H, td, J = 7.9, 1.5 Hz), 7.27 ( 1H, m), 7.40-7.49 (4H, m), 7.68 (1H, br s), 7.99-8.01 (1H, m), 8.02 (1H, d, J = 7.9 Hz); 13 C-NMR (CDCl 3 ) Δ 14.0, 14.3, 22.6, 28.4, 28.8, 29.1, 31.7, 38.7, 61.5, 122.4, 124.5, 124.6, 126.4, 128.4, 131.0, 131.5, 133.0, 133.3, 138.3, 144.5, 166.6, 169.3; IR (neat) 3266, 1696, 1466, 1433, 1273, 1103, 741 cm -1 .
[0022]
Example 5
In a glass container with an internal volume of 30 ml, N- (2-nitrophenylsulfenyl) -1,2-benzisothiazolin-3-one (152.2 mg, 0.5 mmol) and octanethiol (87.8 mg, 0.6 mmol) ) Was dissolved in methanol (15 mL) and reacted at room temperature for 30 minutes. The solvent was removed under reduced pressure, and the crude product was purified by silica gel chromatography (elution solvent: methylene chloride) to obtain a disulfide of compound (5) in a yield of 133.2 mg and a yield of 59%.
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ 0.87 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.24-1.31 (8H, m), 1.34-1.39 (2H, m), 1.66 (2H, quint, J = 7.6 Hz) , 2.73 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.24-7.31 (2H, m), 7.48-7.60 (3H, m), 7.69-7.74 (2H, m), 7.98 (1H, d, J = 8.2 Hz ), 8.25 (1H, dd, J = 8.2, 1.5 Hz); 13 C-NMR (CDCl 3 ) δ 14.3, 22.7, 28.6, 29.0, 29.2, 29.4, 31.9, 38.9, 124.2, 125.7, 125.9, 126.7, 128.6 , 128.7, 132.0, 132.8, 134.5, 138.6, 141.0, 142.8, 169.6; IR (neat) 3239, 1659, 1512, 1333, 1240, 733 cm −1 .
[0023]
【The invention's effect】
By the reaction of N-sulfenyl-1,2-benzisothiazolin-3-one compound and thiols in the present invention, an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide moiety in the molecule can be produced with high yield. . Moreover, since it can be produced safely without using toxic chlorine gas, it is optimal as a method for synthesizing an asymmetric disulfide compound having an N-acylsulfenamide site in an industrial molecule.
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