JP3950384B2 - 加工性に優れた高強度鋼管及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸管、曲げ、ハイドロフォーム等によって成形する、構造用部品、配管等に好適な、加工性に優れた鋼管とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、鋼板のプレス成形及び接合によって製造していた部材を、鋼管の一体成形によって製造する方法が提案されている。例えば、工程省略及び部品点数減少による自動車の軽量化及び製造コスト低減を目的として、複雑形状の部品を鋼管のハイドロフォーム成形により製造する技術が、特開平10-175026号公報に開示されている。
【0003】
ハイドロフォーム成形性を向上させる材料因子は、加工硬化指数n値と塑性異方性の指標である管軸方向のr値(以下、rL)であることが、塑性と加工、第41巻、第478号(2000)第1075〜1081頁に報告されている。
【0004】
このうちrLが高く、ハイドロフォーム加工性に優れた鋼管及び縮径圧延による製造方法が、特開2001-214218号公報、特開2001-348643号公報、特開2001-348647号公報、特開2001-348648号公報、特開2001-355034号公報、特開2001-355047号公報、特開2002-20841号公報、特開2002-97549号公報、特開2002-115780号公報、特開2002-115029号公報、特開2002-115012号公報に、開示されている。
【0005】
しかし、縮経率を高くした縮径圧延では、2.0以上という極めて高いrLが得られるものの、n値を高めることは困難であった。
【0006】
また、圧延方向及び圧延方向に直交する幅方向のr値が高い冷延鋼板を造管し、鋼管を熱処理する方法が特開2002-115780号公報に開示されている。しかし、この方法では、r値の高い冷延鋼板を造管する際に、冷間加工歪みが導入されてn値が低下し、高いr値を維持する条件で鋼管を熱処理するとn値が十分に回復せず、r値及びn値を同時に高めることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハイドロフォーム成形によって製造する構造用部品、配管等に好適な、r値及びn値をともに従来にないレベルまで向上させた、加工性に優れた高強度鋼管及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような課題を解決すべく検討を鋭意進めたところ、ハイドロフォーム成形性を向上させる材料因子は、n値及びrLだけでなく、管周方向のr値(以下、rC)の向上も効果的であることを見出した。
【0009】
また、冷間加工歪みが導入された鋼板又は造管後の鋼管を再結晶させずにAlNを析出させ、その後、再結晶させることにより、rL、rC、及びn値を同時に向上させた高強度鋼管を発明するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
【0011】
(1) 質量%で、C:0.03〜0.5%、Si:0.001〜3.0%、Mn:0.01〜3.0%、P:0.001〜0.15%、S:0.05%以下、Al:0.008〜0.3%、N:0.001〜0.03%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、引張強度が380MPa以上であり、管軸方向及び円周方向のr値がともに1.3以上であって、管軸方向のn値「n」と引張強度「TS[MPa]」が、TS+3285×n>1082の関係を満たすことを特徴とする、加工性に優れた高強度鋼管。
【0012】
(2) 前記管軸方向及び円周方向の降伏比が0.8以下であることを特徴とする、前記(1)に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
【0013】
(3) 質量%で、Zr及びMgの1種又は2種を合計で0.0001〜0.5%含有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
【0014】
(4) 質量%で、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上を合計で0.001〜0.2%含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
【0015】
(5) 質量%で、Sn、Cr、Cu、Ni、Co、W、Moの1種又は2種以上を合計で0.001〜2.5%含有することを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
【0017】
(6) 質量%で、Bを0.0001〜0.01%含有することを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
【0018】
(7) 鋼片を加熱して熱間圧延を830℃以上で終了し、冷却して600℃以下で巻き取り、冷延率30%以上、75%未満の冷間圧延後、450℃〜600℃の範囲の保持時間を100s以上として、450℃以上、再結晶温度未満に加熱して冷却し、造管した後、再結晶温度以上、Ac1+50℃以下に加熱することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の加工性に優れた鋼管の製造方法。
【0019】
(8) 鋼片を加熱して熱間圧延を830℃以上で終了し、冷却して600℃以下で巻き取り、30%〜75%未満の冷間圧延後、造管し、450℃〜600℃の範囲の保持時間を100s以上として、再結晶温度以上、Ac1+50℃以下に加熱することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の加工性に優れた鋼管の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者は、ハイドロフォーム成形性を向上させる材料因子について有限要素法解析によって詳細な検討を行った。その結果、n値及びrLだけでなくrCの向上も、ハイドロフォーム成形性の改善には効果的であることを見出し、ハイドロフォーム成形性に優れた鋼管を開発すべく、鋼管のn値及びr値に及ぼす成分及び製造方法の影響を詳細に調査した。
【0024】
まず、優れたr値及びn値を有する冷延鋼板を造管し、加熱する方法を試みた。冷間圧延後、r値及びn値を向上させるため、5〜50℃/hで再結晶温度以上に加熱し、再結晶させた冷延鋼板を造管した。再結晶温度は、成分によって変化するが、700〜750℃の範囲内であった。
【0025】
鋼板の圧延方向及び板幅方向を長手として、JIS Z 2201の13B号試験片を採取して板厚及び板幅をマイクロメータにより測定し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。
【0026】
圧延方向及び板幅方向のr値は、10%の引張歪みを導入して、引張歪み導入前後の試験片の幅及び引張歪み導入前後の標点距離により、r値の定義に従って算出した。また、圧延方向のn値は、引張歪み5〜15%の範囲において、引張応力と歪みから加工硬化指数として計算した。
【0027】
その結果、圧延方向及び板幅方向のr値は1.3以上であり、圧延方向のn値は0.2以上であることを確認した。
【0028】
これらの鋼管を1〜5℃/sで再結晶温度未満に加熱し、鋼管からJIS Z2201に準拠し、管軸方向を長手として12号円弧状試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングし、標点距離を測定した。
【0029】
標点の中央に幅方向に歪みゲージを貼った後、伸び計を取付けて引張試験機にて10%の引張歪みを与え、標点距離の変化と歪みゲージにより測定した幅方向の歪み変化からrLを算出した。
【0030】
また、鋼管を切断してプレス等で平板上の板とし、円周方向を長手としてJIS Z 2201の13B号試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングして標点距離並びに試験片平行部の板厚及び板幅を測定した。
【0031】
試験片に伸び計を取付けて、引張試験機にて10%の引張歪みを与え、引張歪み導入前後の試験片の板幅及び標点距離により、r値の定義に従ってrCを算出した。
【0032】
また、n値は、JIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として11号試験片を採取して、JIS Z 2241に準拠して引張引張試験を行い、引張歪みが5〜15%の範囲において、応力と歪みから加工硬化指数として計算した。
【0033】
その結果、造管後1〜5℃/sで再結晶温度未満に加熱した鋼管のr値は、造管前の冷延鋼板と同等であるが、n値は低下していることがわかった。
【0034】
一方、造管後の鋼管を1〜5℃/sで再結晶温度以上に加熱し、r値及びn値を測定し、造管前の冷延鋼板と比較すると、n値は同等であるが、r値が低下することがわかった。
【0035】
すなわち、再結晶させた冷延鋼板を造管した鋼管は、再結晶させずに冷間加工歪を回復させるとn値が低下し、再結晶させるとr値が低下するため、r値及びn値を共に向上させることは極めて困難であった。
【0036】
そこで、本発明者は、冷延鋼板を再結晶させずに造管した後、再結晶温度以上に加熱して、ミクロ組織を再結晶フェライトとすることにより、r値とn値を同時に向上させる製造方法を指向した。
【0037】
まず、冷延圧延後、鋼板を造管し、1〜5℃/sで再結晶温度以上に加熱した結果、n値は向上したが、r値が低下した。この原因を明らかにするために、冷延鋼板及び鋼管の板厚中心部より小片を採取して、集合組織をX線回折法により調査した。
【0038】
その結果、鋼管の集合組織は、冷延鋼板に比べて、(111)[1−10]方位が集まった再結晶集合組織(以下、γファイバー)の集積が弱いことがわかった。
【0039】
これは、加熱時にAlNが微細析出していないことに起因するものであると考え、鋼管を再結晶させる前に、AlNを微細析出させる製造方法を検討した。
【0040】
すなわち、冷間圧延後、再結晶させることなくAlNを微細析出させて造管し、再結晶させるか、又は、冷間圧延、造管後、再結晶させることなくAlNを微細析出させて、再結晶させる製造方法である。
【0041】
本発明者は、再結晶させずにAlNを微細析出させる加熱条件を検討した結果、450〜600℃の温度域に100s以上保持することが必要であることを見出した。
【0042】
本発明者は、さらに、冷間圧延の冷延率によるr値の変化について詳細な検討を行った。なお、冷延率は冷間圧延後の板厚と冷間圧延前の板厚の差を冷間圧延前の板厚で除した百分率である。
【0043】
従来、C等の添加量が低い鋼では、r値を向上させるには、冷延率を70%以上とすることが有効であったが、本発明の成分の鋼では、冷延率を低くすることでr値が向上することを見出した。
【0044】
これは、第二相が多い鋼は、冷延率を高くすると第二相の周囲に歪みが蓄積し、その後、再結晶温度以上に加熱するとγファイバーが形成されずに、r値が向上しないためである。
【0045】
本発明者は、このような知見に基づいて、さらに鋼板及び鋼管のr値及びn値に及ぼす製造条件の影響を詳細に調査し、r値及びn値がともに高い、加工性に優れた鋼管及びその製造方法を発明するに至った。
【0046】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0047】
Cは、高強度化に最も有効な元素である。その効果を発現するためには、0.03%以上の添加を必要とするが、0.5%を超えて添加するとr値及び溶接性が低下する。従って、C量を0.03〜0.5%の範囲とする。なお、強度、r値、及び、溶接性のバランスを考慮すると、0.05〜0.2%が好ましい範囲で、0.08〜0.15%が最適な範囲である。
【0048】
Siは、高強度化に有効な元素であり、また、鋼中の炭化物を低減、又は、微細化し、r値の向上にも有効である。この効果は、Siが0.001%未満では不十分であり、3.0%を超えて添加するとめっき濡れ性や加工性が劣化する。従ってSi量を0.001〜3.0%の範囲とした。
【0049】
Mnは、高強度化に有効な元素であり、その効果を発現するためには、0.01%以上の添加が必要である。しかし、3.0%を超える過度の添加はr値を劣化させるので、上限を3.0%とする。
【0050】
Pは、高強度化に有効な元素であり、この効果を発揮するには、0.001%以上の添加がで必要である。ただし、0.15%超添加すると溶接性や耐二次加工脆性が劣化するので、上限を0.15%以下とする。好ましくは、0.03%以下である。
【0051】
Sは、不純物元素であり、熱間割れを防止するために、0.05%を上限とするが、0.01%以下にすることが好ましい。S量は低いほど好ましいが、現状の技術では0.0001%未満に低減することは困難である。
【0052】
Alは、脱酸元素であるとともに、冷延鋼板又は鋼管を再結晶温度未満に加熱する際に微細なAlN及び/又はNとのクラスタを生成する、極めて重要な元素である。この効果を発現するには、0.008%以上の添加が必要である。一方、0.3%を超えて過度に添加すると鋼板の表面欠陥あるいは溶接性の低下が発生するため、上限を0.3%とする。
【0053】
鋼管を再結晶温度以上に加熱して集合組織をγファイバーとしてr値を高める効果を十分に発現するには、Al量を0.01%以上とすることが好ましく、溶接性を極めて良好とするためには、0.1%以下とすることが好ましい。
【0054】
Nも、Alと同様に本発明において極めて重要な元素であり、0.001%以上の添加によりr値が向上する。一方、0.03%を超えて添加すると時効性が劣化して強度が低下する。従って、N量を0.001〜0.03%の範囲とする。r値及び強度がともに極めて良好であるN量の好ましい範囲は、0.002〜0.007%である。
【0055】
さらに、必要に応じて、Zr、Mg、Ti、Nb、V、Sn、Cr、Cu、Ni、Co、W、Mo、Ca、Bの1種又は2種以上を含有しても良い。
【0056】
ZrとMgは、脱酸元素であり、1種又は2種を合計で0.0001%以上添加すると効果的であるが、0.5%を超える過剰な添加は、酸化物が粗大に析出し延性を劣化させる。従って、Zr、Mgの1種又は2種を合計で0.0001〜0.5%添加することが好ましい。
【0057】
Ti、Nb、Vは、炭化物、窒化物及び炭窒化物を生成し、高強度化及び加工性向上に寄与するため、1種また2種以上で合計0.001%以上添加することが好ましい。一方、0.2%を超えて過剰に添加すると、フェライト粒界に粗大かつ多量の炭化物、窒化物あるいは炭窒化物が生成し延性を低下させる。従って、Ti、Nb、Vを1種また2種以上で合計0.001〜0.2%とする。
【0058】
Sn、Cr、Cu、Ni、Co、W、Moは強化元素として有効で、1種又は2種以上を合計で0.001%以上添加することが好ましい。しかし、2.5%を超えて過剰添加するとコストアップあるいは延性低下という問題を生じるため、上限を2.5%以下とすることが好ましい。
【0059】
Caは、硫化物等の介在物制御あるいは脱酸に有効な元素であるが、過剰添加すると熱間脆化を引き起こすので、範囲を0.0001〜0.01%とすることが好ましい。
【0060】
Bは、r値向上や、耐2次加工性脆性の改善に有効な元素であるが、0.0001%未満ではその効果が小さく、また、0.01%超添加すると、r値を大きく低下させる。従って、0.0001〜0.01%添加することが好ましい。
【0061】
本発明によって得られる鋼管の管軸方向及び円周方向のr値、すなわち、rL及びrcは、ともに1.3以上であり、高n値の組み合わせによって、優れたハイドロフォーム成形性を発現する。
【0062】
r値は高いほど好ましいため、上限を規定しないが、現状の技術では3を超えることは困難である。
【0063】
rLは、以下の方法によって測定することができる。鋼管からJIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として12号円弧状試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングし、標点距離を測定する。
【0064】
標点の中央に幅方向に歪みゲージを貼った後、伸び計を取付けて引張試験機にて10%の引張歪みを与え、標点距離の変化により測定した試験片長手方向の歪みと歪みゲージにより測定した幅方向の歪み変化から、r値の定義に従ってrLを算出する。
【0065】
また、rCは、以下の方法によって測定することができる。鋼管を切断してプレス等で平板上の板とし、円周方向を長手としてJIS Z 2201の13B号試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングして標点距離並びに試験片平行部の板厚及び板幅を測定する。
【0066】
試験片に伸び計を取付けて、引張試験機にて10%の引張歪みを与え、標点距離の変化により試験片長手方向の歪みを測定し、試験後の板幅を測定して、試験前後の板幅の変化により測定した幅方向の歪み変化から、r値の定義に従って、rCを算出する。
【0067】
また、引張強度「TS[MPa]」及び管軸方向のn値「n」は、TS+3285×n>1082の関係を満たすことが必要である。このTS+3285×nはハイドロフォーム加工の指標であり、これが1082より大きいと、ハイドロフォーム加工性が、極めて良好である。
【0068】
これは、造管後に再結晶温度以上に加熱し、転位密度が少ない再結晶フェライト組織とすることにより、得られる特性である。
【0069】
なお、管周方向のn値も高い方が好ましいが、鋼管の管周方向のn値の測定は、試験片を作製する際の加工歪みの導入が避けられないため困難である。
【0070】
TS+3285×n>1082を満たすには、n値を向上させることが重要である。これは、未再結晶でAlNが微細析出した鋼管を再結晶させること、すなわち、450〜600℃の保持時間を100s以上として再結晶温度未満に加熱し、さらに再結晶温度以上に加熱する製造方法によって達成できる。
【0071】
なお、引張強度は、鋼管からJIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として12号円弧状試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して測定する。
【0072】
n値は、JIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として11号試験片を採取して、JIS Z 2241に準拠して引張引張試験を行い、引張歪み5〜15%の範囲において応力及び歪みから加工硬化指数を算出する。
【0073】
降伏比は、降伏強度と引張強度の比であり、n値及びr値と同様、成形性の重要な指標である。なお、降伏強度は、応力−歪み曲線において降伏点を示す場合は下降伏点強度とし、降伏点を示さない場合は0.2%耐力とする。
【0074】
降伏比は、小さいほど成形しやすく、0.8を超えるとハイドロフォーム成形が低下するため、0.8以下を上限とすることが好ましい。降伏比が低いほど、ハイドロフォーム成形性が良いが、通常の鋼成分では降伏比の下限は0.5程度である。
【0075】
造管後、鋼管を再結晶温度未満に加熱すると、降伏比を0.8以下とすることは困難であったが、鋼管を再結晶温度以上に加熱してミクロ組織を再結晶フェライトとし、降伏比を0.8以下にすることができる。
【0076】
次に、製造方法について説明する。
【0077】
製造にあたって、高炉、転炉、電炉等による溶製に引き続き各種の2次精錬を行い、インゴット鋳造あるいは連続鋳造して所定の成分の鋼片を製造する。これらの鋳造インゴット又は鋳造スラブを再加熱して熱間圧延するが、連続鋳造の場合、室温まで冷却することなく熱間圧延するCC−DRなどの製法を組み合わせて製造しても構わない。
【0078】
熱間圧延時の再加熱温度は特に限定しないが、Al及びNを固溶させるために、1100℃以上とすることが好ましい。再加熱後、熱間圧延し、冷却して巻取る。熱間圧延の終了温度は、AlNの析出を抑制するため、830℃以上とする必要がある。
【0079】
これは、熱延中に析出するAlNが粗大であり、Alの固溶量が減少してAlN析出処理時に微細なAlNが析出せず、結晶熱処理後のr値が低下するためである。熱間圧延の終了温度は、上限を特に規定しないが、設備上の制限から、通常、1100℃を超えることはない。
【0080】
熱延後、冷却して巻取るが、冷却は水冷であることが好ましい。また、巻取り温度が600℃超では、巻取り中に粗大なAlNが析出し、Alの固溶量が減少するため、冷延鋼板又は鋼管を再結晶温度未満に加熱する際に、微細なAlNが析出しないため、鋼管を再結晶温度以上に加熱した後、r値が1.3よりも低下する。
【0081】
粗大な析出物の生成を抑制するためには、巻取り温度を500℃以下とすることが好ましい。巻き取り温度の下限は特に定めるところではないが、固溶Cの低減あるいは設備負荷の軽減の観点から350℃以上とすることが好ましい。
【0082】
熱間圧延後は酸洗することが好ましい。さらに冷間圧延を行う。
【0083】
冷延率は高r値化達成に重要な要素である。冷延率が30%未満あるいは75%より大きいとr値が低くなるので、30〜75%に限定する。好ましくは45〜65%である。
【0084】
冷間圧延後、再結晶させずに、AlNを微細析出させるため450℃以上、再結晶温度未満に加熱する。これには、冷延鋼板を再結晶温度未満に加熱する際に、450〜600℃に100s以上保持することが必要である。
【0085】
保持温度が450℃未満では、AlNが析出せず、600℃超では、AlNが粗大化するため、再結晶処理後のγファイバーの集積が不十分なり、高r値化は達成できない。
【0086】
さらに、450〜600℃に保持する時間が100s未満では、AlNがほとんど析出しないため、下限を100sとする。上限は規定しないが、300sを超えて保持することは、設備上の制限により難しい。
【0087】
なお、450〜600℃で保持する際には、温度は一定でも良いが、昇温しても良く、降温しても良い。
【0088】
また、加熱時に再結晶させるとr値及びn値を共に向上させることが困難であるため、加熱温度の上限を再結晶温度未満とする。再結晶温度は成分によって変化するが、700〜750℃の範囲である。加熱温度の下限は、AlNが析出する温度であれば良いため、450℃以上とする。
【0089】
AlN析出に重要な450〜600℃の温度域以外での保持時間及び加熱速度は限定しない。また、450〜600℃では一定温度に保持しても良く、加熱しても冷却しても良い。熱処理は、高周波、炉加熱を単独あるいは併用、いずれの場合でも構わない。
【0090】
AlNを析出させるために再結晶温度未満に加熱する際には、室温から一定の加熱速度で加熱しても良い。この場合には、450℃から600℃までの昇温時間が100s以上となるよう、加熱速度を1.5℃/s以下とすることが必要である。下限は、規定しないが生産性を考慮すると0.001℃/s以上とすることが好ましい。
【0091】
造管は、鋼板長手方向を管軸方向と一致させて冷間あるいはAc1点以下の温間域で中空状に成形し、電縫、鍛接、レーザ、TIG等で溶接して造管する。
【0092】
造管後の加熱温度は、再結晶温度未満では、ミクロ組織が再結晶フェライトにならず、n値が不十分であるため、再結晶温度以上にすることが必要である。
【0093】
加熱温度がAc1+50℃を超えると、再結晶フェライトから変態したγ量が急激に増加し、γファイバーの集積が弱まってr値が低下することから、上限をAc1+50℃以下にする必要がある。加熱方法は、高周波、炉加熱どちらでも良く、併用しても構わない。
【0094】
なお、生産性を向上させるために、冷延鋼板を造管して、AlNを微細析出させ、再結晶温度以上に加熱しても良い。この際にも、冷延鋼板の加熱と同様に、450〜600℃の保持時間を100s以上とすることが必要である。また、加熱温度は、造間後の鋼管の加熱と同様に、再結晶温度以上Ac1+50℃以下とすることが必要である。
【0095】
また、室温から450℃以上、再結晶温度未満までを1.5℃/s以下で加熱することにより、AlNを微細に析出させることが可能である。加熱速度の下限は、規定しないが生産性を考慮すると0.001℃/s以上とすることが好ましい。
【0096】
さらに、再結晶温度以上Ac1+50℃以下まで、1.5℃/s超で加熱することにより、従来方法と比較して短時間で高r値化が達成できる。加熱速度の上限は、規定しないが、通常は100℃/s以下である。加熱方法は、高周波、炉加熱どちらでも良く、併用しても良い。
【0097】
また、冷延鋼板を造管して、再結晶温度未満に加熱して冷却し、再結晶温度以上に加熱しても良い。この際にも、再結晶温度未満に加熱する際には、AlNを微細に析出させるため、450〜600℃の保持時間を100s以上とすることが必要である。
【0098】
さらに、冷却した後、再結晶温度以上Ac1+50℃以下に加熱することにより、γファイバーが集積した再結晶フェライトが生成し、r値とn値が同時に向上する。
【0099】
AlNを析出させるために再結晶温度未満に加熱する際には、室温から一定の加熱速度で加熱しても良い。この場合には、450℃から600℃までの昇温時間が100s以上となるよう、加熱速度を1.5℃/s以下とすることが必要である。下限は、規定しないが生産性を考慮すると0.001℃/s以上とすることが好ましい。
【0100】
【実施例】
(実施例)
表1に示す成分の各鋼を溶製して1250℃に加熱後、表1に示す仕上げ温度で熱間圧延して巻取り、熱延鋼板とした。熱延仕上げ温度及び巻取り温度は放射温度計によって測定した。
【0101】
この熱延板を、酸洗後、表2及び表3に示す冷延率で冷間圧延し、板厚2.3mmの鋼板とした。これらの冷延鋼板より小片を採取し、600〜750℃に加熱して冷却し、ミクロ組織の変化により再結晶温度を求めた。
【0102】
また、Ac1はAc1=723−10.7Mn−16.9Ni+29.1Si+16.9Crによって計算した。再結晶温度及びAc1を表1に示す。
【0103】
さらに、表2に、AlN析出処理と示した条件で炉加熱した後、電縫溶接によって外径63.5mm、板厚2.3mmの管に造管した。これらの鋼管を、光輝炉によって表2に再結晶熱処理と示した条件で加熱した。
【0104】
また、冷延ままの鋼板を電縫溶接によって外径63.5mm、板厚2.3mmの管に造管し、表3に、AlN析出処理と示した条件で、光輝炉によって加熱した後、表3に再結晶熱処理と示した条件で、高周波加熱により加熱した。温度測定は鋼管の表面に取付けた熱電対によって行った。
【0105】
【表1】
【0106】
鋼管からJIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として12号円弧状試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングし、標点距離を測定した。JIS Z 2241に準拠して引張引張試験を行い、得られた降伏強度及び引張強度から降伏比を算出した。
【0107】
なお、降伏強度は、応力−歪み曲線において降伏点を示す場合は下降伏点強度とし、降伏点を示さない場合は0.2%耐力とした。
【0108】
また、標点の中央に幅方向に歪みゲージを貼った後、伸び計を取付けて引張試験機にて10%の引張歪みを与え、引張歪みを与える前後の標点距離及び歪みゲージにより測定した幅方向の歪みから、r値の定義に従ってrLを算出した。
【0109】
また、鋼管を切断してプレス等で平板上の板とし、円周方向を長手としてJIS Z 2201の13B号試験片を採取し、試験片平行部に標点をマーキングして標点距離並びに試験片平行部の板厚及び板幅を測定した。
【0110】
試験片に伸び計を取付けて、引張試験機にて10%の引張歪みを与え、引張歪みを与える前後の標点距離及び板幅の変化により、r値の定義に従ってrCを算出した。
【0111】
n値は、JIS Z 2201に準拠し、管軸方向を長手として11号試験片を採取して、JIS Z 2241に準拠して引張引張試験を行い、引張歪みが5〜15%の範囲において、応力と歪みから加工硬化指数として計算した。
【0112】
得られた鋼管を軸押しと内圧を制御して張り出し成形し、鋼管の破裂であるバースト及び座屈の有無を確認した。なお、ハイドロフォーム成形試験は、鋼管に10mmφのスクライブドサークルを転写し、金型に鋼管を設置して軸方向に押し込み、かつ鋼管内に静水圧を負荷して行った。
【0113】
内圧と軸押し量を制御して、バースト及び座屈の無い試験片の成形後の最大の外径を測定し、その値を成形前の鋼管の外径で除した値を最大拡管率とした。
【0114】
さらに、外径が最大である部位において、軸方向の歪み及び円周方向の歪みをスクライブドサークルによって測定し、絶対値が最大である軸方向の歪みεΦ及び円周方向の歪みεθを求めた。
【0115】
この2つの歪の比ρ=εΦ/εθが、ρ=−0.5となった鋼管の最大拡管率Reをハイドロフォームの成形性指標とし、表2及び表3に示した。
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
表2及び表3より明らかなとおり、製造No.1〜17及びNo.34〜50の本発明例では、いずれも良好なr値を有して、TS+3285×nが高く、最大拡管率が良好である。
【0119】
一方、製造No.18及び51は冷延率が低く、製造No.21及び61はAlN析出処理の加熱温度が低く、製造No.22及び62は再結晶処理の加熱温度が高いため、rL及びrCが低下している。
【0120】
また、製造No.23及び53は冷延率が低く、AlN析出処理の保持時間が短いため、製造No.27及び63はAlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が低く、製造No.26及び64はAlN析出処理の保持時間が短く、再結晶処理の加熱温度が高いため、rL及びrCが低下している。
【0121】
さらに、製造No.31及び56は、冷延率が低く、AlN析出処理の保持時間が短く、再結晶処理の加熱温度が高いため、rL及びrCが低下している。
【0122】
また、製造No.54は冷延率が高く、AlN析出処理の加熱温度が低いため、製造No.65は、AlN析出処理の加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が高いため、製造No.20及び60は、AlN析出処理の保持時間が短いため、rL及びrCが低下している。
【0123】
製造No.30は、冷延率が低く、AlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が高いため、製造No.57は冷延率が高く、AlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が低いため、製造No.33は、冷延率が高く、AlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が高いため、rL及びrCが低下している。
【0124】
製造No.19及び52は、冷延率が高いため、製造No.32は、冷延率が高く、AlN析出処理の加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が高いため、rLが低下している。
【0125】
製造No.24は冷延率が低く、AlN析出処理の加熱温度が高いため、rCが低下している。製造No.28は、AlN析出処理の加熱温度が高く、再結晶処理の加熱温度が低いため、TS+3285×nが低下している。
【0126】
製造No.29及び66は、AlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が低いため、製造No.25は、冷延率が高く、再結晶処理の加熱温度が低いため、製造No.55は、冷延率が低く、再結晶処理の加熱温度が低いため、製造No.58は、冷延率が高く、AlN析出処理の加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が低いため、製造No.59は、冷延率が低く、AlN析出処理の保持時間が短く、加熱温度が低く、再結晶処理の加熱温度が低いため、rL、rC及びTS+3285×nが低下している。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、ハイドロフォーム成形によって製造する構造用部品、配管等に好適な、r値及びn値をともに従来にないレベルまで向上させた、加工性に優れた高強度鋼管を提供することが可能になり、産業上の貢献が極めて大きい。
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.03〜0.5%、
Si:0.001〜3.0%、
Mn:0.01〜3.0%、
P:0.001〜0.15%、
S:0.05%以下、
Al:0.008〜0.3%、
N:0.001〜0.03%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、引張強度が380MPa以上であり、管軸方向及び円周方向のr値がともに1.3以上であって、管軸方向のn値「n」と引張強度「TS[MPa]」が、
TS+3285×n>1082
の関係を満たすことを特徴とする、加工性に優れた高強度鋼管。 - 前記管軸方向及び円周方向の降伏比が0.8以下であることを特徴とする、請求項1に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 質量%で、Zr及びMgの1種又は2種を合計で0.0001〜0.5%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 質量%で、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上を合計で0.001〜0.2%含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 質量%で、Sn、Cr、Cu、Ni、Co、W、Moの1種又は2種以上を合計で0.001〜2.5%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 質量%で、Bを0.0001〜0.01%含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 鋼片を加熱して熱間圧延を830℃以上で終了し、冷却して600℃以下で巻き取り、冷延率30%以上、75%未満の冷間圧延後、450℃〜600℃の範囲の保持時間を100s以上として、450℃以上、再結晶温度未満に加熱して冷却し、造管した後、再結晶温度以上、Ac1+50℃以下に加熱することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加工性に優れた鋼管の製造方法。
- 鋼片を加熱して熱間圧延を830℃以上で終了し、冷却して600℃以下で巻き取り、30%〜75%未満の冷間圧延後、造管し、450℃〜600℃の範囲の保持時間を100s以上として、再結晶温度以上、Ac1+50℃以下に加熱することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加工性に優れた鋼管の製造方法。
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