JP3949241B2 - クランプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、操作レバーに連動したクランプ片のクランプ部による挟み込み、あるいは押さえ込み等によって、対象物を当該位置に一時的に固定可能とするクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械加工や溶接、あるいは部材の組み立て等の際に、被加工物を位置決めして一時的に固定、保持する手段、いわゆる治具として、たとえばクランプ装置(クランパーとも称する)が提供されている。そして、このようなクランプ装置として、たとえば、操作レバーの回動に連動するクランプ片を備えた、いわゆるトグル式の構成が知られている。
【0003】
このようなトグル式のクランプ装置は、たとえば、所定の作業台等に固定される本体を備え、この本体への支点の枢着のもとで、上記被加工物、つまり固定の対象物を作業台等との間に挟み込んで固定可能とするクランプ片が回動自在に支持されている。そして、本体に一端の枢着された回動自在なリンクの他端との連結点を支点とする操作レバーの作用点を、クランプ片の力点に枢着して、操作レバーに連動可能なクランプ片を有するクランプ装置が形成されている。
【0004】
このような構成のクランプ装置においては、操作レバー、クランプ片の跳ね上げ位置が固定解除位置として設定され、リンクの回動を伴った操作レバーの回動のもとでの、対応方向へのクランプ片の回動、ひいてはクランプ部の移動によって、対象物が固定可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、公知のクランプ装置においては、対象物の固定時における操作レバーのストッパ手段を持たないため、対象物の固定、固定解除は円滑、容易に行われる。
【0006】
しかし、その反面、固定解除方向への外力が固定位置の操作レバーに加わると、操作レバーは固定解除方向に簡単に回動してしまうため、固定位置での操作レバーに対するストッパ手段を持たない公知のクランプ装置においては、対象物の固定の際における、予期せぬ固定解除を伴うことは免れない。このようなクランプ装置の予期せぬ固定解除は、クランプ装置を治具とする各種作業の作業性、および作業の確実性、ならびに安全性の低下を招く虞れがある。
【0007】
また、公知のクランプ装置は、作業台等に本体を固定することで使用する構成であるため、クランプ装置の利用範囲の制限は避けられない。そして、公知のクランプ装置においては、固定可能な対象物の大きさが、本体に対するクランプ片の支点の高さのもとで限定されるため、対象物の大きさに対応したクランプ装置をその都度選択しなければならず、この点からも、作業性の低下は避けられない。
【0008】
そして、公知のクランプ装置は、固定解除位置における操作レバー、クランプ片の保持手段も持たず、クランプ片のほぼ垂直な位置を、これらの固定解除位置として設定しているにすぎない。つまり、固定解除後に解除位置、つまりクランプ片のほぼ垂直位置まで適切に回動させないと、クランプ片、操作レバーが固定方向に自重のもとで戻ってしまう虞れがあるため、この点からも、作業性、および安全性の低下が避けられない。
【0009】
この発明は、予期せぬ固定解除を防止可能としたクランプ装置の提供を目的としている。
【0010】
また、予期せぬ固定解除を防止することに加え、対象物の大きさの変化に適宜対応可能とするクランプ装置の提供を、この発明の別の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明によれば、操作レバーが、支点サイドの基部と、支点に対する力点サイドの把持部とに分離形成され、この把持部が、基部の端末に、基部に対する所定の初期位置から固定解除方向に回動可能、かつ当該初期位置から固定方向に回動不能に連結されている。そして、スライダが、操作レバーの基部、把持部のいずれか一方に、リターンばねの偏倚力に抗してスライド可能に配設され、リターンばねの偏倚力に抗した他方サイドへのスライドのもとで、スライダを当該他方に部分的な重合、係合させたときのみ、操作レバーの基部、把持部を固定解除方向に一体的に回動可能としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1(A) 、図2に示すように、この発明の実施の一形態に係るクランプ装置10においては、本体12に支点14a の枢着されたクランプ片14の力点14b が、回動自在なリンク16を介して本体に支点18a の連結された操作レバー18の作用点18b に、枢支ピン20によって枢着されている。
【0014】
たとえば、ボルト21等によって作業台22に固定される本体12は、一対の縦壁12a の対向配置により形成され、この本体をなす縦壁間に架設された枢支ピン24によって、先端にクランプ部14c の規定されたクランプ片14の支点14a が、本体に対して枢着されている。
【0015】
そして、操作レバー18の支点18a は、枢支ピン26によって本体12に一端の枢着されたリンク16の他端に、枢支ピン28により回動自在に連結されている。
【0016】
このような構成では、図1(A) に示すように、操作レバー18の下降位置、およびこれに対応するクランプ片14の下降位置において、固定の対象物30は作業台22とクランプ片のクランプ部との間に挟み込まれて固定される。そして、このような対象物30の固定状態から、操作レバー18に連動させてクランプ片14を解除方向に回動させれば、固定物からのクランプ部14c の離反により、対象物の固定は解除される(図1(B) 参照)。
【0017】
なお、このような、いわゆるトグル式のクランプ装置10の基本原理、およびその基本構成は一般的に公知であり、この基本構成自体はこの発明の趣旨でないため、ここでは詳細に説明しない。
【0018】
ここで、図1(A) 、図2を見るとわかるように、この発明においては、操作レバー18が支点サイドの基部18-1と、支点18a に対する力点サイドの把持部18-2とに分離形成されている。そして、この把持部18-2が、基部18-1の端末に、基部に対する所定の初期位置、たとえば直線位置から固定解除方向に回動可能、かつ当該直線位置から固定方向に回動不能に、連結ピン32によって連結されている。
【0019】
なお、把持部18-2は、たとえば、連結ピン32の挿着される先端の下面に、基部18-1の係合可能なストッパ34を一体的に有して形成され、直線位置における、基部へのストッパの係合によって、基部に対する直線位置から固定方向、つまりは下方(図中時計方向)への把持部の回動は規制される。
【0020】
そして、スライダ36が、たとえば、操作レバーの把持部18-2の中空部18-2a に、リターンばね38の偏倚力に抗してスライド可能、かつ離脱不能に配設されている。このスライダ36のスライド範囲は、図1(A) に一点鎖線で示す、基部18-1に対する非重合位置と、同図に実線で示す、基部に対する部分的な重合位置との間に規定されている。
【0021】
なお、リターンばね38として、たとえば、スライダ36に垂設された係止片40と、把持部の中空部18-2a に固定された係止ピン42との間に張設された引張コイルばねが利用できる。
【0022】
ここで、図1(A) 、図2に示すように、操作レバーの把持部18-2の自由端サイドの所定範囲は、合成樹脂製部材、あるいは硬質ゴム製部材等の被装によって、通常、グリップ44として規定される。そして、この発明においては、このグリップ44を把持した作業者の手の五指のうちのいずれかで操作可能な位置に、スライダ36が設けられる。この発明の実施の形態においては、親指で操作可能に、グリップ44に隣接する位置の把持部18-2の上面に、スライダ36は配設されている。
【0023】
図3(A) に示すように、スライダ36は、その通常時に、リターンばね38の偏倚力のもとで、基部18-1に重合しない非重合位置に偏倚、保持されており、この状態において、把持部18-2は、基部を固定解除方向に一体的に回動させる手段を持たないため、固定位置の操作レバー18に、矢印方向、つまり固定解除方向への外力が作用しても、把持部は、図3(B) に示すように、基部を伴うことなく、連結ピン32を中心として対応方向に回動するにすぎない。
【0024】
つまり、リターンばね38の偏倚力のもとで偏倚、保持されたスライダ36の初期位置においては、操作レバー18に固定解除方向への外力が作用しても、この外力は、基部18-1に対する把持部18-2の回動のもとでの吸収されるため、この外力のもとではクランプ片14は固定解除方向に回動されない。従って、クランプ部14c による対象物30の固定解除は生じない。
【0025】
これに対し、図1(A) に一点鎖線で示す初期位置から、スライダ36を、同図に実線で示す基部18-1との重合位置まで、リターンばね38の偏倚力に抗してスライドさせれば、このスライダと基部との部分的な係合のもとで、基部に対する把持部18-2の回動は阻止されるため、支点18a 、つまりは枢支ピン28を中心とした操作レバー18の全体的な回動が可能となり、この状態でのグリップ44の引き上げ操作、つまり固定解除方向への操作レバーの回動により、クランプ片のクランプ部14c による対象物30の固定解除が行われる。
【0026】
なお、対象物30の固定解除後、スライダ36に対する操作力を解除すれば、スライダはリターンばね38の偏倚力のもとで、初期位置に自動的に復帰する(図1(B) の一点鎖線参照)。そして、基部18-1に対する、直線位置から固定方向への把持部18-2の回動は、把持部先端のストッパ34によって規制されるため、図1(B) に示す固定解除位置から、把持部を固定方向に回動させれば、スライダ36とは無関係に、基部、把持部の直線位置のまま、操作レバー18は固定方向に一体的に回動される(図3(A) 参照)。
【0027】
上記のように、この発明の実施の一形態に係るクランプ装置10においては、操作レバー18によるクランプ片14の固定解除操作が、スライダ36のスライド操作によって任意に選択可能となっており、リターンばね38の偏倚力のもとでスライダを初期位置に偏倚、保持することにより、操作レバーに作用する外力を、基部18-1に対する把持部18-2の回動のもとで吸収するため、固定解除方向に作用する外力のもとでの対応方向へのクランプ片の回動は、確実に阻止できる。そのため、外力の作用に起因する、対象物30の予期せぬ固定解除が防止され、クランプ装置10を治具とする各種作業の作業性、および作業の確実性、ならびに安全性が容易、かつ確実に向上する。
【0028】
そして、リターンばね38によって偏倚力の付与されたスライダ36を、操作レバーの把持部18-2にスライド可能に設ければ足りるため、構成の複雑化が防止できる。
【0029】
更に、固定解除方向への操作レバー18の回動時にのみ、スライダ36を操作すれば足りるため、対象物30の固定時における操作性は、公知の構成と何ら変わらない。そして、操作レバーの把持部のグリップ44を把持した手の指で、スライダ36を基部方向にスライドさせれば足りるため、操作レバー18による固定解除操作も、この発明によれば円滑、容易に可能となる。
【0030】
なお、この発明の実施の一形態においては、基部18-1に対する直線位置を、把持部18-2の初期位置として例示しているが、操作レバー18の全体的な回動操作の可能な角度であれば、この直線位置に限定されず、他の位置、つまり基部からの適当な傾斜位置を、基部に対する把持部の初期位置としてもよい。
【0031】
また、スライダ36を把持部18-2に設けているが、これに限定されず、基部18-1にスライダをスライド可能に配設する構成としてもよい。この場合、スライダ36は、リターンばね38の偏倚力に抗したスライドのもとで、把持部18-2に部分的に重合可能に配設される。
【0032】
しかし、この発明の実施の形態のように、スライダ36を把持部18-2に設ければ、グリップ44を把持した手の指でのスライド操作が可能となるため、クランプ装置10が片手で操作でき、操作性が一層向上する。
【0033】
また、この発明の実施の一形態においては、下方への操作レバー18の回動位置を対象物30に対する固定位置としているが、これに限定されず、たとえば、上方への操作レバーの回動位置を、対象物に対する固定位置としてもよい。更に、操作レバー18、クランプ片14の回動方向は上下方向に限定されず、左右方向、つまりは水平方向に、操作レバー、クランプ片を回動可能としてもよい。
【0034】
更に、この発明の実施の一形態においては、クランプ装置10をトグル式として具体化しているが、これに限定されず、たとえば、カムを利用した、いわゆるカム式のクランプ装置等に、この発明を応用してもよい。
【0035】
ところで、上述したこの発明の実施の一形態においては、本体12の固定された作業台22と、クランプ片のクランプ部14c との間での挟み込みによって、対象物30を固定する構成を例示しているが、これに限定されず、たとえば、図4(A) 、図5に示す、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 のように、クランプ部114aとの間で対象物130 を固定可能な支持片48を、クランプ装置自体に持たせる構成としてもよい。
【0036】
この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においても、本体112 に支点114aの枢着されたクランプ片114 の力点114bが、回動自在なリンク116 を介して本体に支点118aの連結された操作レバー118 の作用点118bに、枢支ピン120 によって枢着されている。
【0037】
クランプ片の支点114aは、たとえば、本体112 の左右の縦壁間に架設された枢支ピン124 によって本体に枢着されている。そして、操作レバーの支点118aは、枢支ピン126 によって本体112 に一端の枢着されたリンク116 の他端に、枢支ピン128 により回動自在に連結されている。
【0038】
また、図4(A) および図5を見るとわかるように、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においては、クランプ片のクランプ部114cに対向する支持片48が、本体112 とは別体のベース体50の先端に一体に設けられるとともに、操作ダイヤル52を一端に一体的に有する調整スクリュー54が、対向位置にある一対の支持片56、58 によって回転自在、かつ軸線方向に移動不能に設けられている。そして、この調整スクリュー54への一体のナット60の螺合のもとで、本体112 が、ベース体50に対してスライド可能に連結されている。
【0039】
このような構成では、図4(A) に示すように、操作レバー118 の下降位置、およびこれに対応するクランプ片114 の前方位置(図中右方位置)において、固定の対象物130 はベース体の支持片48とクランプ片のクランプ部114cとの間に挟み込まれて固定される。そして、このような対象物130 の固定状態から、操作レバー118 に連動させてクランプ片114 を解除方向に回動させれば、固定物からのクランプ部114cの離反により、対象物の固定は解除される(図4(B) 参照)。
【0040】
また、図4(A) 、図5を見るとわかるように、この発明の実施の別形態においても、操作レバー118 が支点サイドの基部118-1 と、支点118aに対する力点サイドの把持部118-2 とに分離形成され、この把持部が、基部の端末に対し、下面のストッパ134 での係合のもとで、たとえば直線位置から固定解除方向のみに回動可能に、連結ピン132 によって連結されている。
【0041】
そして、スライダ136 が、たとえば、操作レバーの把持部118-2 に、上面のスリット62を介して、リターンばね138 の偏倚力に抗してスライド可能、かつ離脱不能に配設されている。このスライダ136 のスライド範囲は、図4(A) に一点鎖線で示す、基部118-1 に対する非重合位置と、同図に実線で示す、基部に対する部分的な重合位置との間に規定される。
【0042】
リターンばね138 として、たとえば、スライダ136 に垂設された係止片140 と、把持部118-2 に固定された係止ピン142 との間に張設された引張コイルばねが利用できる。
【0043】
そして、図4(A) 、図5に示すように、操作レバーの把持部118-2 の自由端サイドの所定範囲に合成樹脂製部材、あるいは硬質ゴム製部材等が被装され、これによって、当該部分がグリップ144 として規定される。
【0044】
なお、スライダ136 の設けられる位置は、前述した実施例と同様に、グリップ144 を把持した作業者の手の五指のうちのいずれかの指、たとえば、親指で操作可能な位置とされる。
【0045】
ここで、図4(A) を見るとわかるように、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においては、基部118-1 、把持部118-2 間の連結点、つまり連結ピン132 より前方に位置する把持部サイドの係止片64と、基部に固定された基部サイドの係止ピン66点との間に、引張コイルばねからなるばね手段68が張設されている。そして、このばね手段(引張コイルばね)68の偏倚力のもとで、把持部118-2 を基部118-1 に対する直線位置に復帰、保持可能に、このクランプ装置110 は構成されている。
【0046】
図6(A) に示すように、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においても、スライダ136 は、その通常時に、リターンばね138 の偏倚力のもとで、基部118-1 に重合しない非重合位置に偏倚、保持されているため、固定位置の操作レバー118 に、矢印方向、つまり固定解除方向への外力が作用しても、把持部は、図6(B) に示すように、基部を伴うことなく、連結ピン132 を中心として対応方向に回動する。
【0047】
つまり、リターンばね138 の偏倚力のもとで偏倚、保持されたスライダ136 の初期位置においては、操作レバー118 に固定解除方向への外力が作用しても、この外力は、基部118-1 に対する把持部118-2 の回動のもとでの吸収されるため、この外力のもとではクランプ片114 は固定解除方向に回動されない。従って、クランプ部114cによる対象物130 の固定解除は生じない。
【0048】
なお、外力のもとでの基部118-1 に対する把持部118-2 の回動の際においては、操作レバーの把持部118-2 がばね手段68の偏倚力に抗して回動することになるため、外力が解除されると、ばね手段の偏倚力のもとで初期位置、つまり基部との直線位置に、把持部は自動的に復帰される。
【0049】
そして、図4(A) に一点鎖線で示す初期位置から、スライダ136 を、同図に実線で示す基部118-1 との重合位置まで、リターンばね138 の偏倚力に抗してスライドさせれば、このスライダと基部との部分的な係合のもとで、基部に対する把持部118-2 の回動は阻止されるため、支点118a、つまりは枢支ピン128 を中心とした操作レバー118 の全体的な回動が可能となり、この状態でのグリップ144 の引き上げ操作、つまり固定解除方向への操作レバーの回動により、クランプ片のクランプ部114cによる対象物130 の固定解除が行われる。
【0050】
なお、対象物130 の固定解除後、スライダ136 に対する操作力を解除すれば、スライダはリターンばね138 の偏倚力のもとで、初期位置に自動的に復帰する(図4(B) の一点鎖線参照)。そして、基部118-1 に対する、直線位置から固定方向への把持部118-2 の回動は、把持部先端のストッパ134 によって規制されるため、図4(B) に示す固定解除位置からグリップ114 、つまり把持部を固定方向に回動させれば、スライダ136 とは無関係に、基部、把持部の直線位置のまま、操作レバー118 は固定方向に一体的に回動される(図6(A) 参照)。
【0051】
上記のように、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においても、スライダ136 をリターンばね138 の偏倚力のもとで初期位置に偏倚、保持することにより、操作レバーに作用する外力が、基部118-1 に対する基部118-2 の回動のもとで吸収可能となるため、固定解除方向に作用する外力のもとでの対応方向へのクランプ片の回動は、確実に阻止できる。そのため、外力の作用に起因する、対象物130 の予期せぬ固定解除が防止され、クランプ装置110 を治具とする各種作業の作業性、および作業の確実性、ならびに安全性が容易、かつ確実に向上するという効果が、このクランプ装置においても十分に確保できる。
【0052】
そして、このクランプ装置110 においては、支持片48の設けられたベース体50が、調整スクリュー54とナット60との螺合を介して、本体112 にスライド可能に設けられている。つまり、この構成においては、操作ハンドル54による調整スクリュー54の回転操作に伴う、調整スクリューに対するナット60の螺進、螺退によって、ベース体50、本体112 間が相対的に前後移動するため、この調整スクリューの回転操作のもとで、ベース体先端の支持片48と本体サイドのクランプ片のクランプ部114cとの間隔が、任意に調整できる。
【0053】
このように、支持片48とクランプ部114cとの間隔を変動させることで、クランプ装置110 によって固定可能な対象物130 の幅、あるいは径が多様化される。そして、この対象物130 の幅、あるいは径の多様化により、機種を変えることなく、クランプ装置110 が種々の幅、径の対象物に対応可能となるため、この点からも、作業性、および作業の確実性が向上する。
【0054】
更に、このクランプ装置110 は、本体112 とベース体50とをユニット状に組み合わせた構成、つまりクランプ片のクランプ部114cとの間で対象物130 を固定する支持片48がクランプ装置自体に設けられた構成であるため、その作業場所は作業台のある場所に限定されない。つまり、携帯工具の治具として、携帯工具と一体的に設けることも可能となるため、クランプ装置110 の利用範囲の拡張化が容易にはかられる。
【0055】
ここで、図4(A) 、図5に示すように、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置110 においては、たとえば、クランプ片の力点114bと操作レバーの作用点118aとを連結する枢支ピン120 、およびリンク116 の一端を本体112 に枢着する枢支ピン126 が、いずれも延出端120a、126a を有する形状とされ、この延出端間に、引張コイルばねからなる保持ばね70が張設されている。
【0056】
このような構成においては、操作レバー118 を固定解除位置に回動操作した時、保持ばね(引張コイルばね)70の偏倚力のもとで枢支ピン126 の方向に枢支ピン120 が偏倚、保持されるため、操作レバーはその固定解除位置に保持される。従って、固定方向への操作レバー118 の予期せぬ回動が確実に防止されるため、この点からも、作業の確実性、ならびに安全性が確保できる。そして、操作レバー118 を固定解除位置まで確実に回動させることなく、適当な位置で操作レバーへの操作力の付与を解除すれば、操作レバーは保持ばね70の偏倚力のもとで固定解除位置に確実に偏倚、保持されるため、作業性が一層向上する。
【0057】
ここで、この発明の実施の別形態においては、保持ばね70を枢支ピン120、126 間に張設する構成を例示している。しかし、保持ばね70は、クランプ片の力点114bと操作レバーの作用点118aとを連結する枢支ピン120 を本体112 に対して牽引すれば足りるため、枢支ピン126 への端末の係止に限定されず、たとえば、本体への直接的な対応端末の係止によって、保持ばねを張設してもよい。
【0058】
なお、図5においては、図面の明瞭化をはかるために、保持ばね70の図示を省略している。
【0059】
上述した発明の実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0060】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係るクランプ装置によれば、操作レバーに作用する外力を、基部に対する把持部の回動のもとで吸収するため、固定解除方向に作用する外力のもとでの対応方向へのクランプ片の回動は、確実に阻止でき、外力の作用に起因する、対象物の予期せぬ固定解除が防止される。従って、クランプ装置を治具とする各種作業の作業性、および作業の確実性、ならびに安全性が容易、かつ確実に向上する。
【0061】
そして、リターンばねの偏倚力の付与されたスライダを、操作レバーの把持部にスライド可能に設ければ足りるため、構成の複雑化が防止できる。
【0062】
更に、固定解除方向への操作レバーの回動時にのみ、スライダを操作すれば足りるため、対象物の固定時における操作性は低下しない。
【0063】
また、支持片の設けられたベース体を、本体に対し、調整スクリューとナットの螺合を介してスライド可能に設ける構成では、支持片とクランプ部との間隔の調整が任意に行えるため、クランプ装置の機種を変えることなく、種々の幅、径の対象物に対応可能となる。従って、この点からも、作業性、および作業の確実性が向上する。
【0064】
更に、支持片をクランプ装置自体に設けることで、携帯工具の治具として、このクランプ装置を携帯工具と一体的に設けることも可能となるため、クランプ装置の利用範囲の拡張化が容易にはかられる。
【0065】
そして、操作レバーの作用点とクランプ片の力点との間の枢支ピンを延出端付きとし、この延出端と本体との間に引張コイルばねからなる保持ばねを張設すれば、操作レバーは、保持ばねの偏倚力のもとで固定解除位置に保持される。従って、固定方向への操作レバーの予期せぬ回動が確実に防止されるため、この点からも、作業の確実性、ならびに安全性が確保できる。そして、操作レバーを固定解除位置まで確実に回動させることなく、適当な位置で操作レバーへの操作力の付与を解除すれば、操作レバーは保持ばねの偏倚力のもとで固定解除位置に確実に偏倚、保持されるため、作業性が一層向上する。
【0066】
また、グリップを把持した作業者の手の五指のうちの少なくともいずれかで操作可能に、スライダを配設すれば、グリップを把持した手の指でのスライド操作が可能となるため、クランプ装置が片手で操作でき、操作性が一層向上する。
【0067】
更に、操作レバーの基部に対する把持部の所定の初期位置を、相互間の直線位置とし、基部、把持部間の連結点より前方に位置する把持部サイドの係止点と、基部に固定された基部サイドの係止点との間に張設された引張コイルばねからなるばね手段の偏倚力のもとで、把持部を基部に対する直線位置に復帰、保持可能とすれば、外力の解除に伴って、把持部はばね手段の偏倚力のもとで初期位置に自動的に復帰するため、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定状態、固定解除状態における、この発明の実施の一形態に係るクランプ装置の各作動図である。
【図2】固定状態における、この発明の実施の一形態に係るクランプ装置の概略斜視図である。
【図3】固定状態、外力の作用状態における、この発明の実施の一形態に係るクランプ装置の各作動図である。
【図4】固定状態、固定解除状態における、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置の各作動図である。
【図5】固定状態における、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置の概略斜視図である。
【図6】固定状態、外力の作用状態における、この発明の実施の別形態に係るクランプ装置の各作動図である。
【符号の説明】
10、110 クランプ装置
12、112 本体
14、114 クランプ片
16、116 リンク
18、118 操作レバー
18-1、118-1 操作レバーの基部
18-2、118-2 操作レバーの把持部
30、130 対象物
36、136 スライダ
38、138 リターンばね
44、144 グリップ
48 支持片
50 ベース体
54 調整スクリュー
60 ナット
68 ばね手段(引張コイルばね)
70 保持ばね(引張コイルばね)

Claims (7)

  1. 支点を中心とする操作レバーの回動に連動した対応方向へのクランプ片の移動動作によって、クランプ片のクランプ部による対象物の固定、固定解除を行うクランプ装置であり、
    前記操作レバーが、支点サイドの基部と;支点に対する力点サイドの把持部と;に分離形成され、この把持部が、基部の端末に、基部に対する所定の初期位置から固定解除方向に回動可能、かつ当該初期位置から固定方向に回動不能に連結されるとともに、
    スライダが、操作レバーの前記基部、把持部のいずれか一方に、リターンばねの偏倚力に抗してスライド可能に配設され、当該リターンばねの偏倚力に抗した他方サイドへのスライドのもとで、スライダを当該他方に部分的な重合、係合させたときのみ、操作レバーの基部、把持部を固定解除方向に一体的に回動可能としたことを特徴とするクランプ装置。
  2. 本体サイドの回動自在なリンクとの連結点を支点とする操作レバーの作用点に、本体に支点の枢着されたクランプ片の力点を枢着し、支点を中心とする操作レバーの回動に連動した対応方向へのクランプ片の回動動作によって、クランプ片のクランプ部による対象物の固定、固定解除を行うクランプ装置であり、
    前記操作レバーが、支点サイドの基部と;支点に対する力点サイドの把持部と;に分離形成され、この把持部が、基部の端末に、基部に対する所定の初期位置から固定解除方向に回動可能、かつ当該初期位置から固定方向に回動不能に連結されるとともに、
    スライダが、操作レバーの前記基部、把持部のいずれか一方に、リターンばねの偏倚力に抗してスライド可能に配設され、当該リターンばねの偏倚力に抗した他方サイドへのスライドのもとで、スライダを当該他方に部分的な重合、係合させたときのみ、操作レバーの基部、把持部を固定解除方向に一体的に回動可能としたことを特徴とするクランプ装置。
  3. 本体サイドの回動自在なリンクとの連結点を支点とする操作レバーの作用点に、本体に支点の枢着されたクランプ片の力点を枢着し、支点を中心とする操作レバーの回動に連動した対応方向へのクランプ片の回動動作によって、クランプ片のクランプ部による対象物のクランプ、クランプ解除を行うクランプ装置であり、
    支点サイドの基部と;支点に対する力点サイドの把持部と;に分離形成された前記操作レバーの当該把持部が、当該基部の端末に、基部に対する所定の初期位置から固定解除方向に回動可能、かつ当該初期位置から固定方向に回動不能に連結され、
    スライダが、操作レバーの前記基部、把持部のいずれか一方に、リターンばねの偏倚力に抗してスライド可能に配設され、当該リターンばねの偏倚力に抗した他方サイドへのスライドのもとで、スライダを当該他方に部分的な重合、係合させたときのみ、操作レバーの基部、把持部を固定解除方向に一体的に回動可能とするとともに、
    クランプ片の前記クランプ部に対向した支持片を一体に有するベース体に、操作ダイヤルを一端に一体的に有する調整スクリューを回転自在、かつ軸線方向に移動不能に設け、この調整スクリューへの一体のナットの螺合のもとで、前記本体を、当該ベース体に対してスライド可能に連結したことを特徴とするクランプ装置。
  4. 操作レバーの作用点、クランプ片の力点間を枢着する枢支ピンを延出端付きとし、この延出端と本体サイドの所定の係止点との間に、操作レバー、クランプ片を固定解除方向に偏倚し保持する引張コイルばねを、保持ばねとして張設した請求項2または3記載のクランプ装置。
  5. 操作レバーの作用点、クランプ片の力点間、および本体、リンク間を枢着するそれぞれの枢支ピンを、いずれも延出端付きとし、この延出端間に、操作レバー、クランプ片を固定解除方向に偏倚し保持する引張コイルばねを、保持ばねとして張設した請求項2または3記載のクランプ装置。
  6. 操作レバーの把持部の所定範囲に、作業者の把持可能なグリップが規定されるとともに、このグリップを把持した作業者の手の五指のうちの少なくともいずれかでリターンばねの偏倚力に抗してスライド操作可能な位置に、スライダが配設された請求項1ないし5のいずれか記載のクランプ装置。
  7. 操作レバーの基部に対する把持部の所定の初期位置を、相互間の直線位置とし、
    基部、把持部間の連結点より前方に位置する把持部サイドの係止点と、基部に固定された基部サイドの係止点との間に張設された引張コイルばねからなるばね手段の偏倚力のもとで、把持部を基部に対する直線位置に復帰、保持可能とした請求項1ないし6のいずれか記載のクランプ装置。
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