JP3949015B2 - 電解式汚水処理装置及びこれを用いた汚水処理施設 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水を浄化する汚水処理装置及び汚水処理施設に関し、特に汚水からリン及び窒素化合物を除去する汚水処理装置及び施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種汚水処理装置としては、例えば特開平10−192869号公報に記載されたものが知られている。この汚水処理装置は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する第1及び第2嫌気濾床槽、第2嫌気濾床槽で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する接触ばっ気槽(好気槽)、接触ばっ気槽で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽、沈殿槽で分離された上澄み液を電解処理する溶出槽(電解槽)、沈殿槽から溶出槽に移送する沈殿槽の上澄み液量を調節する分水量装置、沈殿槽の上澄み液を消毒してタンク外に排出する消毒槽などから構成されていた。
【0003】
従来の汚水処理装置においては、リンの除去は次のようにして行われていた。溶出槽(本発明でいう電解槽)に鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極をアノード及びカソードとする一対又は複数対の電極を設け、これら電極の極性を反転可能として構成する。溶出槽内では、アノードとして作用する鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極から2価の鉄イオン又はアルミニウムイオンが処理水中に供給される。そして、処理水中に供給された2価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを酸化させて3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンとし、処理水中に含まれる一部の3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを処理水中のオルトリン酸と反応させて難溶性リン化合物として溶出槽内に凝集沈殿させる。また、処理水中に含まれる残部の3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを溶出槽の処理水とともに第1嫌気濾床槽に返送し、この3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを第1嫌気濾床槽内に存在するオルトリン酸と反応させて難溶解性リン酸化合物としてさらに凝集沈殿させる。そして、これら凝集沈殿物を排出することによりリンを除去していた。
【0004】
また、上記従来の汚水処理装置において、窒素化合物の除去は次のようにして行われていた。第1嫌気濾床槽及び第2嫌気濾床槽で有機性の窒素をアンモニア性窒素に嫌気分解し、次ぎの処理槽である接触ばっ気槽において、硝酸菌や亞硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換する。次いで、溶出槽を経て第1嫌気濾床槽に返送されてきた硝酸性窒素や亞硝酸性窒素を、第1嫌気濾床槽に多く存在する脱窒菌により還元して窒素ガスとし、この窒素ガスを排出することにより窒素化合物を除去していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の汚水処理装置では、窒素化合物の除去は、接触ばっ気槽においてアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換するとともに、第1嫌気濾床槽において硝酸性窒素や亞硝酸性窒素を窒素ガスに還元するという生物処理のみにより行われていた。しかし、冬場は外気温度の低下に伴い生物処理機能が低下し、窒素化合物の除去能力が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に鑑みされたものである。その目的とするところは、外気温度の低下に伴う窒素化合物の除去能力の低下を防止するとともに、電解処理により効率よくリン及び窒素化合物を除去することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電解式汚水処理装置は、処理水を電解処理するための電解槽と、電解槽内において処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列とを有し、各窒素除去用電極は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなるカソードと不溶性金属材料からなるアノードとが対として構成され、各リン除去用電極は、鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極をアノード及びカソードとして一対の電極が構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された電解式汚水処理装置では、電解槽内において、窒素除去用電極のカソード側では、処理水中の硝酸イオン及び亞硝酸イオンが還元反応によりアンモニアに変換される。また、同電極のアノード側では、電極の表面から活性酸素及び次亜塩素酸が発生される。そして、処理水中において、アンモニアの脱窒作用により窒素ガスが生成され、この窒素ガスを放出することにより処理水から窒素が除去される。したがって、従来の汚水処理装置における生物処理による除去方法のように外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。
また、同電解槽内において、リン除去用電極のアノードから鉄又はアルミニウムイオンが処理水中に供給される。そして、この鉄又はアルミニウムイオンが処理水中において処理水中のオルトリン酸と反応して難溶性リン化合物として凝集沈殿する。したがって、この凝集沈殿物を廃棄することにより、処理水からリンが除去される。
また、電解槽内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列が形成されているので、電解槽内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【0009】
また、上記構成の電解式汚水処理装置において、前記電解槽の相対向する両側部の一側部に処理水流入部を設けるとともに他側部に処理水排出部を設け、また、前記窒素除去用電極及びリン除去用電極を、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する前記電極列間において窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように配置するのが好ましい。
【0010】
このように構成すると、処理水の流れ方向と直行する方向の電解槽の幅寸法を小さくすることができる。すなわち、窒素除去用電極はリン除去用電極より電極間電圧が高くなり電極間寸法が小さくなる。これに対し、リン除去用電極は、電極間寸法を小さくすると鉄の溶出物により短絡される危険性があるため、電極間寸法が大きく形成されている。したがって、窒素除去用電極同志又はリン除去用電極同志が隣り合うように各電極を配置された場合は、電解槽の寸法が大きくなるが、本発明のように窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように各電極を配置した場合は、電解槽の幅寸法(処理水の流れと直角方向の寸法)を小さくすることができる。
【0011】
さらに、上記のようにそれぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する電極列間において窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように配置した電解式汚水処理装置において、隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性を同一となるように構成することが好ましい。
このように構成すると、各電極を同一電源に接続しても隣接する電極列間での電解反応が起こらないので、対を成す電極板の消耗、特に対を成すリン除去用電極の電極板の消耗が均一化され、電極の寿命を長期化することができる。
【0012】
また、このリン除去用電極は、隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性が同一となるように構成されている電解式汚水処理装置において、対を構成する両電極に印加する電流の極性を、所定時間毎に両電極列において同時に反転可能として構成されているので、隣接する電極列間での電解反応が起こらないようにしながら、アノードとして作用する電極板の消耗を均一化させることができる。したがって、対を成す両電極板の寿命を均一化することができ、リン除去用電極の長寿命化を図ることができる。また、リン除去用電極を構成する両電極の交換時期を同一化することができ、交換作業の簡略化を図ることができる。
【0013】
また、このように隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性を同一となるように構成することに代えて、窒素除去用電極及びリン除去用電極のそれぞれを異なる電源に接続するようにしてもよい。
このように構成した場合も、隣接する電極列間での電解反応が起こらないので、対を成す電極板の消耗、特に対を成すリン除去用電極の電極板の消耗が均一化され、電極の寿命を長期化することができる。
【0014】
また、本発明に係る汚水処理施設は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する嫌気槽と、嫌気槽で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する好気槽と、好気槽で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽あるいは処理水槽と、沈殿槽あるいは処理水槽で分離された上澄み液を電解処理する上記記載の電解式汚水処理装置と、電解式汚水処理装置で処理された処理水を前記嫌気槽に返送する配管とを備えたことを特徴とする。
このように構成すると、生物処理による窒素化合物の除去と、電解処理によるリン除去及び窒素化合物の除去とを同時に行うことができる。したがって、外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するという従来の汚水処理施設にみられた問題を解消することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を汚水処理施設に具体化した実施の形態につき、図1〜図6に基づいて説明する。なお、図1は汚水処理施設の全体構成図であり、図2は同汚水処理施設に用いられている電解式汚水処理装置の正面配置図であり、図3は同電解式汚水処理装置の平面配置図であり、図4同電解式汚水処理装置の側断面配置図であり、図5は同参考用電解式汚水処理装置の正面配置図であり、図6は同参考用電解式汚水処理装置の平面配置図である。なお、これら図面において実線矢印は処理水の流れ方向を示す。
【0016】
汚水処理施設1は、地中に埋設されたタンク1aの内部を仕切壁2、3、4、4aにより第1嫌気濾床槽5、第2嫌気濾床槽6、接触ばっ気槽7、沈殿槽8、消毒槽9に区画して構成されている。また、沈殿槽8から第1嫌気濾床槽5への処理水返送管8bに電解式汚水処理装置10、分水計量装置11が設けられている。
【0017】
第1嫌気濾床槽5は、生活雑排水等の汚水を受け入れる槽である。第1嫌気濾床槽5は、処理水流入口5aから流入した汚水中に混入している夾雑物を第1嫌気濾床5bにより分離し、有機物を嫌気性微生物によって嫌気分解する。また、有機性の窒素をアンモニア性窒素に分解する。第1嫌気濾床槽5で嫌気分解処理された処理水は、移送管5cにより第2嫌気濾床槽6に移送される。
【0018】
第2嫌気濾床槽6は、内部に設けた第2嫌気濾床6aにより浮遊物質を捕捉し、嫌気性微生物により有機物を嫌気分解するとともに、有機性の窒素をアンモニア性窒素に分解する。第2嫌気濾床槽6で嫌気分解処理された処理水は、間欠式空気圧式ポンプ6bにより移送管6cを介し接触ばっ気槽7に移送される。
【0019】
接触ばっ気槽7は、内部に設けた接触材7aにより好気性微生物の培養を促進する。また、接触ばっ気槽7は、底部に配設した散気管7bから空気を放出して接触ばっ気槽7内を好気状態に維持する。そして、処理水の有機物を好気性微生物により好気分解するとともに、硝酸菌や亞硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換する。
【0020】
沈殿槽8は、接触ばっ気槽7で好気分解されて移送管7cを介し流入した処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する。この上澄み液の一部は、消毒槽9の消毒装置9aにおいて塩素系等の薬品により消毒されて排水口9bからタンク1a外に排水される。また、上澄み液の他部は、エアリフト8aにより汲み上げられ、分水計量装置11で流量調整され、処理水返送管8bを介して電解式汚水処理装置10に移送される。
【0021】
電解式汚水処理装置10は、本発明における重要な構成要素であって、処理水中の窒素化合物を電解処理して窒素ガスを発生させて排出することにより窒素を除去するとともに、処理水中のリンを難溶性リン化合物として沈殿させ、排出するものである。
電解式汚水処理装置10は、処理水を流通させる電解槽12を有する。この電解槽12は略直方体形状の水槽に形成されており、その短辺側一側には、沈殿槽8からの処理水を電解槽12に搬送するための処理水返送管8bが接続され、対向する短辺側には、電解槽12内の処理水を第1嫌気濾床槽5へ搬送するための処理水搬送管5dが接続されている。電解槽12内には、電極面が処理水の流れ方向と略平行となるように、処理水の流れ方向に窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが順に直列に配列された電極列X1と、電極面が処理水の流れ方向と略平行となるように、処理水の流れ方向にリン除去用電極16と窒素除去用電極15とが順に直列に配列された電極列X2とが設けられている。なお、これら電極15、16は全て同一の電源(図示せず)に接続されている。
【0022】
また、窒素除去用電極15は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなる板状のカソード15aと、不溶性金属材料からなる塩素イオン発生可能な板状のアノード15bとを一対として両者を平行に配置した平行平板電極である。
カソード15aを構成する具体的金属材料としては、銅と亜鉛の合金或いは燒結合金、銅と鉄の合金或いは燒結合金、銅とニッケルの合金或いは燒結合金、又は、銅とアルミニウムの合金或いは燒結合金などが用いられている。
また、アノード15bを構成する具体的材料としては、白金、イリジウム、パラジウム又はその酸化物などから構成される不溶性金属又はカーボンが用いられている。なお、この不溶性金属材料からなる電極の表面には塩素イオンを発生させる触媒が塗布されている。また、隣接する電極列X1、X2間において対向する電極は、互いに同一極性となるように配列されている。具体的には、この実施の形態では、電極列X1、X2のアノード15b同志が隣接する電極列X1、X2間において対向するように構成されているが(図3参照)、カソード15a同志を隣接する電極列X1、X2間において対向するように構成してもよい。
【0023】
一方、リン除去用電極16は、板状鉄材料からなる一対の電極16a、16bをアノード及びカソードとする平行平板電極である。そして、リン除去用電極16それぞれの両電極16a、16bに印加する電流の極性を所定時間毎に全て同時に反転させることにより、両電極16a、16b間でアノードとカソードとを切り換えるように構成されている。
【0024】
また、電解槽12内における電極列X1、X2の各下方底部には、散気管17が設けられている。散気管17は、図示しないブロワから空気が送られることにより、散気管17の管壁に設けられた空気吹出口から空気を吹き出し、鉄材料からなる電極16a、16b表面の生物膜や硝酸イオン等に起因する不動態膜等の膜を除去する。
【0025】
なお、上記電解式汚水処理装置10において、25は窒素除去用電極15の把手であり、26はリン除去用電極16の把手であり、35は窒素除去用電極15の電源コードであり、36はリン除去用電極16の電源コードである。
【0026】
そして、電解式汚水処理装置10の窒素除去用電極15の部分においては、次のような作用により、窒素除去が行われる。
すなわち、窒素除去用電極15に通電されると、カソード15a側では、処理水中に含まれる硝酸イオンが還元反応により亞硝酸イオンに変換される(反応A)。また、硝酸イオンの還元反応により生成された亞硝酸イオンは、更に、還元反応によりアンモニアに変換される(反応B)。以下に反応A及び反応Bを示す。
反応A:NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応B:NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
【0027】
一方、アノード15b側ではアノード15bの表面から活性酸素や次亜塩素酸が発生し、これにより処理水中におけるアンモニアの脱窒作用により窒素ガスを生成する(反応C乃至反応F)。以下に反応C乃至反応Fを示す。
【0028】
上式に示されるように、窒素除去用電極15の部分では、処理水中の硝酸性窒素、亞硝酸性窒素及びアンモニア性窒素などの窒素化合物が窒素ガスに変換される。そして、電解式汚水処理装置10は、この窒素ガスを放出することにより窒素除去を行っている。
【0029】
一方、電解式汚水処理装置10のリン除去用電極16においては、次のような作用により、リン除去が行われる。
すなわち、リン除去用電極16に対し一方の電極16a又は16bをアノードとし、他方の電極16b又は16aをカソードとするように電流が印加されると、アノード側で2価の鉄イオン(Fe2+)が生成される。アノードで生成された2価の鉄イオン(Fe2+)は、空気により酸化されて3価の鉄イオン(Fe3+)となる。次いで、3価の鉄イオン(Fe3+)は処理水中のオルトリン酸と反応し、難溶性のリン酸化合物として電解槽12の底部に凝集沈殿する。
本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10では、このようにして電解槽12の底部に凝集沈殿した難溶性のリン酸化合物が電解槽12外に排出することにより、リン除去を行っている。なお、アノード側電極は鉄を溶出して消耗する。そこで、両電極16a、16bに流す電流の極性を所定時間毎に規則的に反転させることにより、アノード又はカソードとして作用する電極を切り換えて、電極16a、16bを略均一に減少させて同時に交換できるようにしている。また、この反転切換は、隣接する電極列X1、X2間双方において同時に行っている。さらに、この反転切換は、電極列X1、X2間において対向する電極16bが同一極性となるように行われ、両電極列X1、X2間において電解反応が発生しないように配慮されている。
【0030】
また、上記のように構成された電解式汚水処理装置10においては、処理水返送管8bを介して送られてくる処理水は、電解槽12の入口側において流れの幅方向(処理水の流れと直角の方向)に分散され、電解槽12の出口側において再び集合されて処理水搬送管5dから排出される。なお、この電解槽12内の処理水の流れは、流れの幅方向に対しては混ざり合うことが殆どない。
この場合において、参考図である図5及び図6に示される電解式汚水処理装置110のように、1個の窒素除去用電極15と1個のリン除去用電極16とが並列に配置されている場合には、窒素除去用電極15側を流れる処理水について窒素は除去されるがリンは除去されない、また、リン除去用電極16側を流れる処理水については、窒素は除去されるがリンは除去されないという不均衡な作用が生ずる。ところが、本実施の形態のような場合は、各電極列X1、X2それぞれに1個の窒素除去用電極15と1個のリン除去用電極16とを備えているため、各電極列X1、X2側を流れる処理水についての窒素除去及びリン除去は、均等に行われる。
なお、図5及び図6には、窒素除去用電極15及びリン除去用電極16を各1個並列に配置した場合を示したが、複数の窒素除去用電極15及び複数のリン除去用電極16を用いても、これら電極15、16が処理水の流れに対しそれぞれ別個に直列に配置されている限り、窒素除去とリン除去とが不均衡に行われることに変わりはない。
【0031】
なお、電解式汚水処理装置10で処理された処理水は、処理水搬送管5dから第1嫌気濾床槽5に返送される。この処理水中には、電解槽12で未処理の硝酸性窒素や、亜硝酸性窒素や、3価の鉄イオン(Fe3+)が含まれている。
第1嫌気濾床槽5に返送された処理水中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、第1嫌気濾床槽5に多く存在する脱窒菌により還元され窒素ガスとして放出される。この汚水処理施設では、第1嫌気濾床槽5で発生した窒素ガスを放出することによっても窒素の除去が行われている。
また、第1嫌気濾床槽5に返送された処理水中の3価の鉄イオン(Fe3+)は、第1嫌気濾床槽5内に存在するオルトリン酸と反応し、難溶性のリン酸化合物として第1嫌気濾床槽5内の底部に凝集沈殿する。この汚水処理施設では、第1嫌気濾床槽5内の底部に凝集沈殿した難溶性のリン酸化合物を槽外に排出することによってもリンの除去が行われている。
【0032】
本実施の形態は以上のように構成されているので、次のような作用効果を奏する。
本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなるカソード15aと不溶性金属材料からなる塩素イオン発生可能なアノード15bとで構成された窒素除去用電極15における電解反応により、窒素が除去されるので、外気温度が低下する冬場に窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。
【0033】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、電解槽12の相対向する両側部の一側部に処理水流入部をなす処理水返送管8bを設けるとともに他側部に処理水排出部をなす処理水搬送管5dを設け、また、窒素除去用電極15及びリン除去用電極16を、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する電極列X1、X2間において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが隣り合うように配置されているので、窒素除去用電極15同志又はリン除去用電極16同志が隣り合うように配置されている場合に比し電解槽12の寸法を小さくすることができる。
【0034】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、上記のように、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置し、隣接する電極列X1、X2間において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが隣り合うように配置されるとともに、対を構成する両電極16a、16bに印加する電流の極性を、所定時間毎に両電極列X1、X2において同時に反転可能として構成されているので、隣接する電極列X1、X2間での電解反応が起こらないようにしながら、アノードとして作用する電極板の消耗を均一化させることができる。したがって、対を成す両電極16a、16bの寿命を均一化することができ、リン除去用電極16の長寿命化を図ることができる。また、リン除去用電極16を構成する両電極16a、16bの交換時期を同一化することができ、交換作業の簡略化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、電解槽12内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが交互に配置された複数の電極列(この場合2列の電極列X1、X2)が形成されているので、電解槽12内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【0036】
また、本実施の形態に係る汚水処理施設は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する嫌気槽(この場合嫌気濾床槽5、6)と、嫌気濾床槽5、6で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する好気槽(この場合接触ばっ気槽7)と、接触ばっ気槽7で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽8と、沈殿槽8で分離された上澄み液を電解処理して窒素及びリンを除去する電解式汚水処理装置10と、この電解式汚水処理装置10で処理された処理水を第1嫌気濾床槽5に返送する配管(この場合処理水搬送管5d)とを備えているので、生物処理による窒素化合物の除去と、電解処理によるリン除去及び窒素化合物の除去とを同時に行うことができる。したがって、外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するという従来の汚水処理施設にみられた問題を解消することができる。
【0037】
変形例.
上記実施の形態により説明した本発明は、次のように変形して具体化することもできる。
(1) 前記実施の形態においては、リン除去用電極16に鉄材料を用いたが、アルミニウム合金を用いてもよい。前記実施の形態においてはアノードから3価の鉄イオンを溶出し、この鉄イオンを用いてリン化合物を凝縮させるのに対し、この場合にはアノードからアルミニウムイオンを溶出し、このアルミニウムイオンを用いてリン化合物を凝縮させるものであり、前記実施の形態の場合と同様にリンを除去することができる。また、前記実施の形態の場合と同様に電極に流す電流の極性を変化させることにより、アノードとカソードとを定期的に変更することにより、対をなす両電極の寿命を均一化して長寿命化することができる。
(2) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15、リン除去用電極16はそれぞれ同一電源に接続されていたが、これを図7に示すようにそれぞれ別の電源に接続するように構成することもできる。
この場合には、図7に示すように、隣接する電極列X1、X2間において異性の電極列が配置されていても、隣接する電極列X1、X2間で電解反応が発生しない。したがって、対を構成する一方の電極の消耗が他に比し多くなるという心配がない。
(3) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15及びリン除去用電極16は各1個とされていたが、この数をさらに増加させてもよい。要は、どの位置を流れる処理水も窒素及びリンが均等に除去されるように、各電極列において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とを交互に直列に配置することが好ましい。
(4) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15及びリン除去用電極16は、それぞれの電極面が処理水の流れと略平行となるように配列されていたが、電極面を処理水の流れに直行させるようにしたものでもよい。図8の電解式汚水処理装置10Aは、このように構成した一例を示すものであって、前記実施の形態における処理水流入部をなす処理水返送管8b及び処理水排出部をなす処理水搬送管5dを電解槽12の短辺側から長辺側に変更することにより、窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが処理水の流れに直交するような電極列Y1、Y2を構成したものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、リン及び窒素化合物の除去が、電解処理により行われるので、従来の汚水処理装置における生物処理のみによる窒素化合物の除去方法のように、外気温度が低下する冬場に窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。また、電解槽内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列が形成されているので、電解槽内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る汚水処理施設に用いる汚水処理施設の全体構成図である。
【図2】同汚水処理施設に用いられている電解式汚水処理装置の正面配置図である。
【図3】同電解式汚水処理装置の平面配置図である。
【図4】同電解式汚水処理装置の側断面配置図である。
【図5】参考用電解式汚水処理装置の正面配置図であある。
【図6】同参考用電解式汚水処理装置の平面配置図である。
【図7】実施の形態に係る電解式汚水処理装置の変形例としての電源説明図である。
【図8】実施の形態に係る電解式汚水処理装置の変形例としての平面配置図である。
【符号の説明】
1 汚水処理施設
5 嫌気濾床槽
5d 処理水流出管
6 嫌気濾床槽
7 接触ばっ気槽
8 沈殿槽
10 電解式汚水処理装置
10A 電解式汚水処理装置
12 電解槽
15 窒素除去用電極
15a カソード
15b アノード
16 リン除去用電極
16a 電極
16b 電極
X1 電極列
X2 電極列
Y1 電極列
Y2 電極列
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水を浄化する汚水処理装置及び汚水処理施設に関し、特に汚水からリン及び窒素化合物を除去する汚水処理装置及び施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種汚水処理装置としては、例えば特開平10−192869号公報に記載されたものが知られている。この汚水処理装置は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する第1及び第2嫌気濾床槽、第2嫌気濾床槽で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する接触ばっ気槽(好気槽)、接触ばっ気槽で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽、沈殿槽で分離された上澄み液を電解処理する溶出槽(電解槽)、沈殿槽から溶出槽に移送する沈殿槽の上澄み液量を調節する分水量装置、沈殿槽の上澄み液を消毒してタンク外に排出する消毒槽などから構成されていた。
【0003】
従来の汚水処理装置においては、リンの除去は次のようにして行われていた。溶出槽(本発明でいう電解槽)に鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極をアノード及びカソードとする一対又は複数対の電極を設け、これら電極の極性を反転可能として構成する。溶出槽内では、アノードとして作用する鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極から2価の鉄イオン又はアルミニウムイオンが処理水中に供給される。そして、処理水中に供給された2価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを酸化させて3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンとし、処理水中に含まれる一部の3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを処理水中のオルトリン酸と反応させて難溶性リン化合物として溶出槽内に凝集沈殿させる。また、処理水中に含まれる残部の3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを溶出槽の処理水とともに第1嫌気濾床槽に返送し、この3価の鉄イオン又はアルミニウムイオンを第1嫌気濾床槽内に存在するオルトリン酸と反応させて難溶解性リン酸化合物としてさらに凝集沈殿させる。そして、これら凝集沈殿物を排出することによりリンを除去していた。
【0004】
また、上記従来の汚水処理装置において、窒素化合物の除去は次のようにして行われていた。第1嫌気濾床槽及び第2嫌気濾床槽で有機性の窒素をアンモニア性窒素に嫌気分解し、次ぎの処理槽である接触ばっ気槽において、硝酸菌や亞硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換する。次いで、溶出槽を経て第1嫌気濾床槽に返送されてきた硝酸性窒素や亞硝酸性窒素を、第1嫌気濾床槽に多く存在する脱窒菌により還元して窒素ガスとし、この窒素ガスを排出することにより窒素化合物を除去していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の汚水処理装置では、窒素化合物の除去は、接触ばっ気槽においてアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換するとともに、第1嫌気濾床槽において硝酸性窒素や亞硝酸性窒素を窒素ガスに還元するという生物処理のみにより行われていた。しかし、冬場は外気温度の低下に伴い生物処理機能が低下し、窒素化合物の除去能力が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に鑑みされたものである。その目的とするところは、外気温度の低下に伴う窒素化合物の除去能力の低下を防止するとともに、電解処理により効率よくリン及び窒素化合物を除去することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電解式汚水処理装置は、処理水を電解処理するための電解槽と、電解槽内において処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列とを有し、各窒素除去用電極は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなるカソードと不溶性金属材料からなるアノードとが対として構成され、各リン除去用電極は、鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極をアノード及びカソードとして一対の電極が構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された電解式汚水処理装置では、電解槽内において、窒素除去用電極のカソード側では、処理水中の硝酸イオン及び亞硝酸イオンが還元反応によりアンモニアに変換される。また、同電極のアノード側では、電極の表面から活性酸素及び次亜塩素酸が発生される。そして、処理水中において、アンモニアの脱窒作用により窒素ガスが生成され、この窒素ガスを放出することにより処理水から窒素が除去される。したがって、従来の汚水処理装置における生物処理による除去方法のように外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。
また、同電解槽内において、リン除去用電極のアノードから鉄又はアルミニウムイオンが処理水中に供給される。そして、この鉄又はアルミニウムイオンが処理水中において処理水中のオルトリン酸と反応して難溶性リン化合物として凝集沈殿する。したがって、この凝集沈殿物を廃棄することにより、処理水からリンが除去される。
また、電解槽内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列が形成されているので、電解槽内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【0009】
また、上記構成の電解式汚水処理装置において、前記電解槽の相対向する両側部の一側部に処理水流入部を設けるとともに他側部に処理水排出部を設け、また、前記窒素除去用電極及びリン除去用電極を、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する前記電極列間において窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように配置するのが好ましい。
【0010】
このように構成すると、処理水の流れ方向と直行する方向の電解槽の幅寸法を小さくすることができる。すなわち、窒素除去用電極はリン除去用電極より電極間電圧が高くなり電極間寸法が小さくなる。これに対し、リン除去用電極は、電極間寸法を小さくすると鉄の溶出物により短絡される危険性があるため、電極間寸法が大きく形成されている。したがって、窒素除去用電極同志又はリン除去用電極同志が隣り合うように各電極を配置された場合は、電解槽の寸法が大きくなるが、本発明のように窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように各電極を配置した場合は、電解槽の幅寸法(処理水の流れと直角方向の寸法)を小さくすることができる。
【0011】
さらに、上記のようにそれぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する電極列間において窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように配置した電解式汚水処理装置において、隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性を同一となるように構成することが好ましい。
このように構成すると、各電極を同一電源に接続しても隣接する電極列間での電解反応が起こらないので、対を成す電極板の消耗、特に対を成すリン除去用電極の電極板の消耗が均一化され、電極の寿命を長期化することができる。
【0012】
また、このリン除去用電極は、隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性が同一となるように構成されている電解式汚水処理装置において、対を構成する両電極に印加する電流の極性を、所定時間毎に両電極列において同時に反転可能として構成されているので、隣接する電極列間での電解反応が起こらないようにしながら、アノードとして作用する電極板の消耗を均一化させることができる。したがって、対を成す両電極板の寿命を均一化することができ、リン除去用電極の長寿命化を図ることができる。また、リン除去用電極を構成する両電極の交換時期を同一化することができ、交換作業の簡略化を図ることができる。
【0013】
また、このように隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性を同一となるように構成することに代えて、窒素除去用電極及びリン除去用電極のそれぞれを異なる電源に接続するようにしてもよい。
このように構成した場合も、隣接する電極列間での電解反応が起こらないので、対を成す電極板の消耗、特に対を成すリン除去用電極の電極板の消耗が均一化され、電極の寿命を長期化することができる。
【0014】
また、本発明に係る汚水処理施設は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する嫌気槽と、嫌気槽で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する好気槽と、好気槽で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽あるいは処理水槽と、沈殿槽あるいは処理水槽で分離された上澄み液を電解処理する上記記載の電解式汚水処理装置と、電解式汚水処理装置で処理された処理水を前記嫌気槽に返送する配管とを備えたことを特徴とする。
このように構成すると、生物処理による窒素化合物の除去と、電解処理によるリン除去及び窒素化合物の除去とを同時に行うことができる。したがって、外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するという従来の汚水処理施設にみられた問題を解消することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を汚水処理施設に具体化した実施の形態につき、図1〜図6に基づいて説明する。なお、図1は汚水処理施設の全体構成図であり、図2は同汚水処理施設に用いられている電解式汚水処理装置の正面配置図であり、図3は同電解式汚水処理装置の平面配置図であり、図4同電解式汚水処理装置の側断面配置図であり、図5は同参考用電解式汚水処理装置の正面配置図であり、図6は同参考用電解式汚水処理装置の平面配置図である。なお、これら図面において実線矢印は処理水の流れ方向を示す。
【0016】
汚水処理施設1は、地中に埋設されたタンク1aの内部を仕切壁2、3、4、4aにより第1嫌気濾床槽5、第2嫌気濾床槽6、接触ばっ気槽7、沈殿槽8、消毒槽9に区画して構成されている。また、沈殿槽8から第1嫌気濾床槽5への処理水返送管8bに電解式汚水処理装置10、分水計量装置11が設けられている。
【0017】
第1嫌気濾床槽5は、生活雑排水等の汚水を受け入れる槽である。第1嫌気濾床槽5は、処理水流入口5aから流入した汚水中に混入している夾雑物を第1嫌気濾床5bにより分離し、有機物を嫌気性微生物によって嫌気分解する。また、有機性の窒素をアンモニア性窒素に分解する。第1嫌気濾床槽5で嫌気分解処理された処理水は、移送管5cにより第2嫌気濾床槽6に移送される。
【0018】
第2嫌気濾床槽6は、内部に設けた第2嫌気濾床6aにより浮遊物質を捕捉し、嫌気性微生物により有機物を嫌気分解するとともに、有機性の窒素をアンモニア性窒素に分解する。第2嫌気濾床槽6で嫌気分解処理された処理水は、間欠式空気圧式ポンプ6bにより移送管6cを介し接触ばっ気槽7に移送される。
【0019】
接触ばっ気槽7は、内部に設けた接触材7aにより好気性微生物の培養を促進する。また、接触ばっ気槽7は、底部に配設した散気管7bから空気を放出して接触ばっ気槽7内を好気状態に維持する。そして、処理水の有機物を好気性微生物により好気分解するとともに、硝酸菌や亞硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性窒素や亞硝酸性窒素に変換する。
【0020】
沈殿槽8は、接触ばっ気槽7で好気分解されて移送管7cを介し流入した処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する。この上澄み液の一部は、消毒槽9の消毒装置9aにおいて塩素系等の薬品により消毒されて排水口9bからタンク1a外に排水される。また、上澄み液の他部は、エアリフト8aにより汲み上げられ、分水計量装置11で流量調整され、処理水返送管8bを介して電解式汚水処理装置10に移送される。
【0021】
電解式汚水処理装置10は、本発明における重要な構成要素であって、処理水中の窒素化合物を電解処理して窒素ガスを発生させて排出することにより窒素を除去するとともに、処理水中のリンを難溶性リン化合物として沈殿させ、排出するものである。
電解式汚水処理装置10は、処理水を流通させる電解槽12を有する。この電解槽12は略直方体形状の水槽に形成されており、その短辺側一側には、沈殿槽8からの処理水を電解槽12に搬送するための処理水返送管8bが接続され、対向する短辺側には、電解槽12内の処理水を第1嫌気濾床槽5へ搬送するための処理水搬送管5dが接続されている。電解槽12内には、電極面が処理水の流れ方向と略平行となるように、処理水の流れ方向に窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが順に直列に配列された電極列X1と、電極面が処理水の流れ方向と略平行となるように、処理水の流れ方向にリン除去用電極16と窒素除去用電極15とが順に直列に配列された電極列X2とが設けられている。なお、これら電極15、16は全て同一の電源(図示せず)に接続されている。
【0022】
また、窒素除去用電極15は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなる板状のカソード15aと、不溶性金属材料からなる塩素イオン発生可能な板状のアノード15bとを一対として両者を平行に配置した平行平板電極である。
カソード15aを構成する具体的金属材料としては、銅と亜鉛の合金或いは燒結合金、銅と鉄の合金或いは燒結合金、銅とニッケルの合金或いは燒結合金、又は、銅とアルミニウムの合金或いは燒結合金などが用いられている。
また、アノード15bを構成する具体的材料としては、白金、イリジウム、パラジウム又はその酸化物などから構成される不溶性金属又はカーボンが用いられている。なお、この不溶性金属材料からなる電極の表面には塩素イオンを発生させる触媒が塗布されている。また、隣接する電極列X1、X2間において対向する電極は、互いに同一極性となるように配列されている。具体的には、この実施の形態では、電極列X1、X2のアノード15b同志が隣接する電極列X1、X2間において対向するように構成されているが(図3参照)、カソード15a同志を隣接する電極列X1、X2間において対向するように構成してもよい。
【0023】
一方、リン除去用電極16は、板状鉄材料からなる一対の電極16a、16bをアノード及びカソードとする平行平板電極である。そして、リン除去用電極16それぞれの両電極16a、16bに印加する電流の極性を所定時間毎に全て同時に反転させることにより、両電極16a、16b間でアノードとカソードとを切り換えるように構成されている。
【0024】
また、電解槽12内における電極列X1、X2の各下方底部には、散気管17が設けられている。散気管17は、図示しないブロワから空気が送られることにより、散気管17の管壁に設けられた空気吹出口から空気を吹き出し、鉄材料からなる電極16a、16b表面の生物膜や硝酸イオン等に起因する不動態膜等の膜を除去する。
【0025】
なお、上記電解式汚水処理装置10において、25は窒素除去用電極15の把手であり、26はリン除去用電極16の把手であり、35は窒素除去用電極15の電源コードであり、36はリン除去用電極16の電源コードである。
【0026】
そして、電解式汚水処理装置10の窒素除去用電極15の部分においては、次のような作用により、窒素除去が行われる。
すなわち、窒素除去用電極15に通電されると、カソード15a側では、処理水中に含まれる硝酸イオンが還元反応により亞硝酸イオンに変換される(反応A)。また、硝酸イオンの還元反応により生成された亞硝酸イオンは、更に、還元反応によりアンモニアに変換される(反応B)。以下に反応A及び反応Bを示す。
反応A:NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応B:NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
【0027】
一方、アノード15b側ではアノード15bの表面から活性酸素や次亜塩素酸が発生し、これにより処理水中におけるアンモニアの脱窒作用により窒素ガスを生成する(反応C乃至反応F)。以下に反応C乃至反応Fを示す。
【0028】
上式に示されるように、窒素除去用電極15の部分では、処理水中の硝酸性窒素、亞硝酸性窒素及びアンモニア性窒素などの窒素化合物が窒素ガスに変換される。そして、電解式汚水処理装置10は、この窒素ガスを放出することにより窒素除去を行っている。
【0029】
一方、電解式汚水処理装置10のリン除去用電極16においては、次のような作用により、リン除去が行われる。
すなわち、リン除去用電極16に対し一方の電極16a又は16bをアノードとし、他方の電極16b又は16aをカソードとするように電流が印加されると、アノード側で2価の鉄イオン(Fe2+)が生成される。アノードで生成された2価の鉄イオン(Fe2+)は、空気により酸化されて3価の鉄イオン(Fe3+)となる。次いで、3価の鉄イオン(Fe3+)は処理水中のオルトリン酸と反応し、難溶性のリン酸化合物として電解槽12の底部に凝集沈殿する。
本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10では、このようにして電解槽12の底部に凝集沈殿した難溶性のリン酸化合物が電解槽12外に排出することにより、リン除去を行っている。なお、アノード側電極は鉄を溶出して消耗する。そこで、両電極16a、16bに流す電流の極性を所定時間毎に規則的に反転させることにより、アノード又はカソードとして作用する電極を切り換えて、電極16a、16bを略均一に減少させて同時に交換できるようにしている。また、この反転切換は、隣接する電極列X1、X2間双方において同時に行っている。さらに、この反転切換は、電極列X1、X2間において対向する電極16bが同一極性となるように行われ、両電極列X1、X2間において電解反応が発生しないように配慮されている。
【0030】
また、上記のように構成された電解式汚水処理装置10においては、処理水返送管8bを介して送られてくる処理水は、電解槽12の入口側において流れの幅方向(処理水の流れと直角の方向)に分散され、電解槽12の出口側において再び集合されて処理水搬送管5dから排出される。なお、この電解槽12内の処理水の流れは、流れの幅方向に対しては混ざり合うことが殆どない。
この場合において、参考図である図5及び図6に示される電解式汚水処理装置110のように、1個の窒素除去用電極15と1個のリン除去用電極16とが並列に配置されている場合には、窒素除去用電極15側を流れる処理水について窒素は除去されるがリンは除去されない、また、リン除去用電極16側を流れる処理水については、窒素は除去されるがリンは除去されないという不均衡な作用が生ずる。ところが、本実施の形態のような場合は、各電極列X1、X2それぞれに1個の窒素除去用電極15と1個のリン除去用電極16とを備えているため、各電極列X1、X2側を流れる処理水についての窒素除去及びリン除去は、均等に行われる。
なお、図5及び図6には、窒素除去用電極15及びリン除去用電極16を各1個並列に配置した場合を示したが、複数の窒素除去用電極15及び複数のリン除去用電極16を用いても、これら電極15、16が処理水の流れに対しそれぞれ別個に直列に配置されている限り、窒素除去とリン除去とが不均衡に行われることに変わりはない。
【0031】
なお、電解式汚水処理装置10で処理された処理水は、処理水搬送管5dから第1嫌気濾床槽5に返送される。この処理水中には、電解槽12で未処理の硝酸性窒素や、亜硝酸性窒素や、3価の鉄イオン(Fe3+)が含まれている。
第1嫌気濾床槽5に返送された処理水中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、第1嫌気濾床槽5に多く存在する脱窒菌により還元され窒素ガスとして放出される。この汚水処理施設では、第1嫌気濾床槽5で発生した窒素ガスを放出することによっても窒素の除去が行われている。
また、第1嫌気濾床槽5に返送された処理水中の3価の鉄イオン(Fe3+)は、第1嫌気濾床槽5内に存在するオルトリン酸と反応し、難溶性のリン酸化合物として第1嫌気濾床槽5内の底部に凝集沈殿する。この汚水処理施設では、第1嫌気濾床槽5内の底部に凝集沈殿した難溶性のリン酸化合物を槽外に排出することによってもリンの除去が行われている。
【0032】
本実施の形態は以上のように構成されているので、次のような作用効果を奏する。
本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなるカソード15aと不溶性金属材料からなる塩素イオン発生可能なアノード15bとで構成された窒素除去用電極15における電解反応により、窒素が除去されるので、外気温度が低下する冬場に窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。
【0033】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、電解槽12の相対向する両側部の一側部に処理水流入部をなす処理水返送管8bを設けるとともに他側部に処理水排出部をなす処理水搬送管5dを設け、また、窒素除去用電極15及びリン除去用電極16を、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置するとともに、隣接する電極列X1、X2間において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが隣り合うように配置されているので、窒素除去用電極15同志又はリン除去用電極16同志が隣り合うように配置されている場合に比し電解槽12の寸法を小さくすることができる。
【0034】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、上記のように、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置し、隣接する電極列X1、X2間において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが隣り合うように配置されるとともに、対を構成する両電極16a、16bに印加する電流の極性を、所定時間毎に両電極列X1、X2において同時に反転可能として構成されているので、隣接する電極列X1、X2間での電解反応が起こらないようにしながら、アノードとして作用する電極板の消耗を均一化させることができる。したがって、対を成す両電極16a、16bの寿命を均一化することができ、リン除去用電極16の長寿命化を図ることができる。また、リン除去用電極16を構成する両電極16a、16bの交換時期を同一化することができ、交換作業の簡略化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態に係る電解式汚水処理装置10は、電解槽12内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが交互に配置された複数の電極列(この場合2列の電極列X1、X2)が形成されているので、電解槽12内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【0036】
また、本実施の形態に係る汚水処理施設は、処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する嫌気槽(この場合嫌気濾床槽5、6)と、嫌気濾床槽5、6で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する好気槽(この場合接触ばっ気槽7)と、接触ばっ気槽7で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽8と、沈殿槽8で分離された上澄み液を電解処理して窒素及びリンを除去する電解式汚水処理装置10と、この電解式汚水処理装置10で処理された処理水を第1嫌気濾床槽5に返送する配管(この場合処理水搬送管5d)とを備えているので、生物処理による窒素化合物の除去と、電解処理によるリン除去及び窒素化合物の除去とを同時に行うことができる。したがって、外気温度が低下する冬場において窒素化合物の処理能力が低下するという従来の汚水処理施設にみられた問題を解消することができる。
【0037】
変形例.
上記実施の形態により説明した本発明は、次のように変形して具体化することもできる。
(1) 前記実施の形態においては、リン除去用電極16に鉄材料を用いたが、アルミニウム合金を用いてもよい。前記実施の形態においてはアノードから3価の鉄イオンを溶出し、この鉄イオンを用いてリン化合物を凝縮させるのに対し、この場合にはアノードからアルミニウムイオンを溶出し、このアルミニウムイオンを用いてリン化合物を凝縮させるものであり、前記実施の形態の場合と同様にリンを除去することができる。また、前記実施の形態の場合と同様に電極に流す電流の極性を変化させることにより、アノードとカソードとを定期的に変更することにより、対をなす両電極の寿命を均一化して長寿命化することができる。
(2) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15、リン除去用電極16はそれぞれ同一電源に接続されていたが、これを図7に示すようにそれぞれ別の電源に接続するように構成することもできる。
この場合には、図7に示すように、隣接する電極列X1、X2間において異性の電極列が配置されていても、隣接する電極列X1、X2間で電解反応が発生しない。したがって、対を構成する一方の電極の消耗が他に比し多くなるという心配がない。
(3) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15及びリン除去用電極16は各1個とされていたが、この数をさらに増加させてもよい。要は、どの位置を流れる処理水も窒素及びリンが均等に除去されるように、各電極列において窒素除去用電極15とリン除去用電極16とを交互に直列に配置することが好ましい。
(4) また、前記実施の形態において、電極列X1、X2を構成する窒素除去用電極15及びリン除去用電極16は、それぞれの電極面が処理水の流れと略平行となるように配列されていたが、電極面を処理水の流れに直行させるようにしたものでもよい。図8の電解式汚水処理装置10Aは、このように構成した一例を示すものであって、前記実施の形態における処理水流入部をなす処理水返送管8b及び処理水排出部をなす処理水搬送管5dを電解槽12の短辺側から長辺側に変更することにより、窒素除去用電極15とリン除去用電極16とが処理水の流れに直交するような電極列Y1、Y2を構成したものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、リン及び窒素化合物の除去が、電解処理により行われるので、従来の汚水処理装置における生物処理のみによる窒素化合物の除去方法のように、外気温度が低下する冬場に窒素化合物の処理能力が低下するおそれがない。また、電解槽内において、処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列が形成されているので、電解槽内の何の位置の処理水の流れに対しても略均等に窒素及びリンの除去が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る汚水処理施設に用いる汚水処理施設の全体構成図である。
【図2】同汚水処理施設に用いられている電解式汚水処理装置の正面配置図である。
【図3】同電解式汚水処理装置の平面配置図である。
【図4】同電解式汚水処理装置の側断面配置図である。
【図5】参考用電解式汚水処理装置の正面配置図であある。
【図6】同参考用電解式汚水処理装置の平面配置図である。
【図7】実施の形態に係る電解式汚水処理装置の変形例としての電源説明図である。
【図8】実施の形態に係る電解式汚水処理装置の変形例としての平面配置図である。
【符号の説明】
1 汚水処理施設
5 嫌気濾床槽
5d 処理水流出管
6 嫌気濾床槽
7 接触ばっ気槽
8 沈殿槽
10 電解式汚水処理装置
10A 電解式汚水処理装置
12 電解槽
15 窒素除去用電極
15a カソード
15b アノード
16 リン除去用電極
16a 電極
16b 電極
X1 電極列
X2 電極列
Y1 電極列
Y2 電極列
Claims (6)
- 処理水を電解処理するための電解槽と、電解槽内において処理水の流れ方向に対して窒素除去用電極とリン除去用電極とが交互に配置された複数の電極列とを有し、
各窒素除去用電極は、周期律表の第Ib族又は第IIb族の金属材料を含む導電体若しくは同族の金属材料を導電体に被覆したものからなるカソードと不溶性金属材料からなるアノードとが対として構成され、
各リン除去用電極は、鉄材料又はアルミニウム合金材料からなる電極をアノード及びカソードとして一対の電極が構成されている
ことを特徴とする電解式汚水処理装置。 - 前記電解槽は、相対向する両側部の一側部に処理水流入部が設けられるとともに他側部に処理水排出部が設けられ、前記窒素除去用電極及びリン除去用電極は、それぞれの電極板面が処理水の流れと略平行になるように配置されるとともに、隣接する電極列間において窒素除去用電極とリン除去用電極とが隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項1記載の電解式汚水処理装置。
- 前記窒素除去用電極及びリン除去用電極は、隣接する電極列間において対向する隣接側電極板の極性が同一となるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の電解式汚水処理装置。
- 各リン除去用電極は、両電極列において、対を構成する両電極に印加する電流の極性を、所定時間毎に両電極列において同時に反転するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の電解式汚水処理装置。
- 前記窒素除去用電極及びリン除去用電極のそれぞれは、異なる電源に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電解式汚水処理装置。
- 処理水中の有機物を嫌気性微生物により嫌気分解する嫌気槽と、嫌気槽で嫌気処理された処理水を好気性微生物により好気分解する好気槽と、好気槽で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する沈殿槽或いは処理水槽と、沈殿槽或いは処理水槽で分離された上澄み液を請求項1乃至5の何れか1項記載の電解式汚水処理装置と、この電解式汚水処理装置で処理された処理水を嫌気槽に返送する配管とを備えていることを特徴とする汚水処理施設。
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