JP3948336B2 - インクジェットヘッドの調整方法及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式インクジェットプリンタヘッドの調整方法等の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタに用いられているインクジェットプリンタヘッドにおいては、圧力室に隣接して設けられた圧電素子に電圧を印加することで、圧力室の容積を小さくしてインクをノズルから噴射させ、印刷を行う圧電式インクジェットプリンタヘッドが知られている。
【0003】
この圧電式インクジェットプリンタヘッドでは、シート状の圧電セラミック層上に、スクリーン印刷により内部電極層を印刷すると共に、該圧電セラミック層を積層してプレスして焼成してアクチュエータとしての圧電素子を製造していた。
【0004】
更に、以上のようにして製造したアクチュエータとしての圧電素子と、圧力室を形成するキャビティプレートとを接着し、更にキャビティプレートにポリイミド等から形成されたノズルプレートを接着することにより、圧電式インクジェットプリンタヘッドを製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記インクジェットプリンタヘッドにおいては、ノズルプレートに形成されたノズル径のばらつき、もしくは、圧電素子の特性のばらつきにより、インクの吐出特性のヘッド間におけるばらつきが生じる。
【0006】
そこで、従来は、すべてのヘッドにおいて適正なインク吐出速度が得られるように、圧電素子に対する駆動電圧を各ヘッド毎に調整していた。
【0007】
具体的には、ヘッド内にインクを注入し、前記駆動電圧を変えながら、インクの吐出状況を観察して、各ヘッドごとに適正な駆動電圧を決定していた。また、同様にして用紙上に印字を行い、その印字サンプルを見て、各ヘッドごとに適正な駆動電圧を決定していた。
【0008】
しかしながら、このような従来の調整方法によれば、ヘッド内に実際にインクを注入する必要があるため、ヘッドがインクで汚れてしまうという問題があった。
【0009】
また、従来の調整方法は、肉眼による評価工程を含むため、評価結果に個人差が生ずることがあった。
【0010】
更に、1つのヘッドが、各色のインクごとのヘッドユニットを複数備えた構成である場合には、従来の調整方法では各ヘッドユニットごとに駆動電圧が異なることがある。従って、プリンタに備える電源は、複数種類の電源電圧を一度に供給可能なように構成する必要があり、電源のコストが上昇するという問題があった。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、インクを注入することなく、簡単な構成でヘッドユニットの適正な駆動電圧を選択することができ、また複数のヘッドユニットで1つのヘッドを構成するとき各ヘッドユニットの駆動電圧を一定にすることのできるインクジェットヘッドの調整方法を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法は、前記課題を解決するために、複数のノズルを通してインクを吐出するための複数の圧力室を有するキャビティプレートと、駆動手段により駆動され前記複数の圧力室内の圧力を変動せしめる複数の圧電素子を有する圧電アクチュエータとを備えたユニットが、少なくとも1ユニットから構成されてなるインクジェットヘッドの調整方法であって、前記インクジェットヘッドのユニットのうちの1ユニットにおいて、前記複数のノズルの径の1ユニット内平均を算出する工程と、前記複数の圧電素子の静電容量の1ユニット内平均を算出する工程と、前記ノズル径の1ユニット内平均及び静電容量の1ユニット内平均と前記駆動手段から前記圧電素子へ印加すべき駆動電圧との関係を表す予め求めた関係式に基づいて、当該駆動電圧を算出する工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法によれば、まず、インクジェットヘッドの1ユニット内における複数のノズルの各ノズルの径を測定し、1ユニット内平均を算出する。次に、1ユニット内における前記複数の圧電素子の静電容量を測定し、1ユニット内平均を算出する。そして、前記ノズル径の1ユニット内平均及び静電容量の1ユニット内平均と、駆動手段から前記圧電素子へ印加すべき駆動電圧との関係を表す予め求めた関係式に基づいて、当該駆動電圧を算出する。従って、インクジェットヘッドにインクを注入することなく、各ユニットに最適な駆動電圧を選択することができる。
【0014】
【0015】
【0016】
請求項2に記載のインクジェットヘッドの調整方法は、前記課題を解決するために、請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法において、前記関係式は、前記ノズル径の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きと、前記静電容量の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きと、前記算出したノズル径の1ユニット内平均及び静電容量の1ユニット内平均と、前記駆動電圧とのそれぞれの関係を表す関係式であることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載のインクジェットヘッドの調整方法によれば、前記ノズル径の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きを予め求めておく。また、前記静電容量の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きについても予め求めておく。そして、ノズル径の1ユニット内平均と静電容量の1ユニット内平均とをそれぞれ変数で表し、前記それぞれの傾きと、これらの変数とを用いて、前記駆動電圧を表す前記関係式を求めておく。従って、上述のようにノズル径の1ユニット内平均を算出し、また静電容量の1ユニット内平均を算出した後、これらの算出した値を前記それぞれの変数に代入することにより、前記駆動電圧が求められる。
【0018】
請求項3に記載のインクジェットヘッドの調整方法は、前記課題を解決するために、請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法において、前記関係式は、前記ノズル径の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きをα、前記静電容量の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きをβ、前記算出したノズル径の1ユニット内平均をD、静電容量の1ユニット内平均をC、ノズル径の設計中心値をD0、静電容量の設計中心値をC0、駆動電圧の設計中心値をE0、駆動電圧に対する吐出速度の感度をε、駆動電圧をEとする時、
【0019】
[数2]
E=E0−[α(C−C0)+β(D−D0)]/ε
【0020】
で表される式であることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載のインクジェットヘッドの調整方法によれば、上述のように算出したノズル径の1ユニット内平均を変数Dに、また、上述のように算出した静電容量の1ユニット内平均を変数Cに代入することにより、簡単に駆動電圧Eが求められる。
【0022】
請求項4に記載のインクジェットヘッドの調整方法は、前記課題を解決するために、請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法において、前記駆動電圧を算出する工程は、静電容量の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、ノズル径の1ユニット内平均のみから前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する工程であることを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載のインクジェットヘッドの調整方法によれば、静電容量の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、ノズル径の1ユニット内平均のみから、前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する。従って、より一層簡単に駆動電圧が求められる。
【0024】
請求項5に記載のインクジェットヘッドの調整方法は、前記課題を解決するために、請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法において、前記駆動電圧を算出する工程は、ノズル径の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、静電容量の1ユニット内平均のみから前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する工程であることを特徴とする。
【0025】
請求項5に記載のインクジェットヘッドの調整方法によれば、ノズル径の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、静電容量の1ユニット内平均のみから、前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する。従って、より一層簡単に駆動電圧が求められる。
請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、請求項1乃至5の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法を用いたユニットが複数備えられ、前記算出した駆動電圧の値が同一または略同一のユニットを複数選択し、一のインクジェットヘッドとして組み立てる工程を更に備えることを特徴とする。
請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記ユニットが複数備えられている場合には、まず、上述した手順で各ユニットごとに最適な駆動電圧を算出する。次に、算出した駆動電圧の値が同一または略同一のユニットを複数選択し、一のインクジェットヘッドとして組み立てる。従って、一のインクジェットヘッドにおける各ユニットの駆動電圧は、一定または略一定となる。その結果、このインクジェットヘッドを備えるプリンタにおいては、インクジェットヘッドに対して単一の電圧を供給する電源を備えれば良い。その結果、電源に関するコストが低減される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。以下の説明は、圧電式インクジェットヘッドに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0027】
図1は、本実施形態におけるインクジェットヘッド1及び駆動装置30を示す概略図である。
【0028】
図1に示すように、インクジェットヘッド1は、キャビティプレート10と、圧電アクチュエータ20とから構成されている。
【0029】
また、キャビティプレート10には、インク供給源と接続するインク供給口11、マニホールド12、該マニホールド12にそれぞれ絞り部13を介して連通する複数の圧力室14、該圧力室14にディセンダ孔15を介して連通する複数のノズル16が形成されている。なお、絞り部13、圧力室14、ディセンダ孔15、及びノズル16は、それぞれ一つのキャビティプレート10に複数備えられている。
【0030】
このキャビティプレート10は、例えば42%ニッケル合金鋼板(42合金)製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する金属板を複数枚形成し、それぞれを接着剤にて重ね接合して積層した構造となっている。但し、金属に限らず、例えば、樹脂により形成してもよい。
【0031】
圧電アクチュエータ20は、例えば、特開平3−274159号公報に記載されたものと同様に、圧電シート、各圧力室14と対応した駆動電極が積層された構成となっており、各圧力室14に対応した圧電シートの部分が個々に変形するようになっている。
【0032】
駆動装置30は、予め記憶した駆動パルスをクロック信号にのせて、圧電アクチュエータ20に供給する。
【0033】
このような構成において、圧電アクチュエータ20における駆動電極に、駆動装置30により所定の電圧値を有する駆動パルスを供給すると、圧電効果による積層方向の歪みが発生する。そして、この歪みによる圧力にて、圧力室14の内容積が縮小されることにより、この圧力室14内のインクが、ノズル16から液滴状に吐出して、所定の印字が行われる。従って、この駆動パルスの電圧値が異なれば、インクの吐出(噴射)速度も異なることになる。
【0034】
但し、駆動パルスの電圧値を一定とした場合でも、インクジェットヘッド1は、個々のインクジェットヘッドにおいてインクの吐出特性にばらつきがあるため、インクの吐出速度にばらつきが生ずる。
【0035】
つまり、インクの吐出速度は、ノズル16の径の大きさによって大きな影響を受けるが、このノズル16の径の大きさは、加工する際の精度によってばらつきを生ずる。
【0036】
また、圧電アクチュエータ20の静電容量の違いも、前記インクの吐出速度に大きな影響を与えるが、この圧電アクチュエータ20の静電容量も、駆動電極を形成する際の加工精度やアクチュエータ素材のばらつきによる特性変化によってばらつきを生ずる。
【0037】
本発明の発明者は、前記ノズル16の径の大きさが、インクの吐出速度に与える影響を調べるため、1つのインクジェットヘッド1における全てのノズル16の径を測定して、その平均を算出すると共に、それぞれのノズル16におけるインクの吐出速度を測定して、その平均を算出した。
【0038】
なお、ノズル16の径の測定には、顕微鏡により拡大した画像にエッジ強調等の画像処理を施した後、寸法測定する方法等を用いることができる。
【0039】
また、それぞれのノズル16におけるインクの吐出速度の測定においては、同一周期でインクを吐出させている状態の静止画像を、吐出に同期して発光するストロボにより得る装置を用い、ストロボのタイミングをある時間だけずらした時の液滴の静止位置の変化から求める方法等を用いることができる。
【0040】
そして、このような測定と平均の算出を多数のサンプルを用いて行い、データの解析を行ったところ、ノズル径の平均と、吐出速度の平均との間には、一定の相関関係があることが判った。
【0041】
図2(A)に、このようにして得られたノズル径の平均と吐出速度の平均との関係を示す。
【0042】
また、同様に、圧電アクチュエータ20の静電容量の相違が、インクの吐出速 に与える影響を調べるため、1つの圧電アクチュエータ20における各圧力室14に対応する電極間の個々の静電容量を測定して、その平均を算出すると共に、それぞれのインクジェットヘッド1におけるインクの吐出速度を測定して、その平均を算出した。
【0043】
なお、静電容量は、インピーダンスアナライザーを用いて、圧電アクチュエータに一定周期の電圧を加えた時の電流値から求める方法等により測定することができる。
【0044】
そして、このような測定と平均の算出を多数のサンプルを用いて行い、データの解析を行ったところ、静電容量の平均と、吐出速度の平均との間には、一定の相関関係があることが判った。
【0045】
図2(B)に、このようにして得られた静電容量の平均と吐出速度の平均との関係を示す。
【0046】
図2(A)はノズル径の平均によって決まる吐出速度の平均の分布を示し、図2(B)は静電容量の平均によって決まる吐出速度の平均の分布を示す。
【0047】
これらの図2(A)及び図2(B)に示される結果を分析したところ、ノズル径の平均に対する吐出速度の平均の分布、及び静電容量の平均に対する吐出速度の平均の分布は、それぞれ所定の近似直線によって表すことができることが判った。
【0048】
これらの近似直線の傾きは、次のようにして求められる。まず、図2(A)の場合には、ノズル径の設計中心値をD0、吐出速度の設計平均値をV0として、点(D0,V0)を通るように近似直線を設定する。つまり、ノズル径が設計中心値D0の時には、吐出速度が設計平均値V0となるようにする。そして、点(D0,V0)を通り、図2(A)に示す吐出速度平均の分布の平均の位置を通るように近似直線を設定する。図2(A)に示すように、ノズル径平均の算出値がDの場合に、この近似直線から求められる吐出速度平均の算出値はVとなる。
【0049】
従って、この近似直線の傾きをβとすると、傾きβは、次式であらわすことができる。
【0050】
[数3]
β=(V0−V)/(D−D0)…(1)
【0051】
従って、この近似直線は、次式で表すことができる。
【0052】
[数4]
V=V0+β(D−D0)…(2)
【0053】
同様にして、図2(B)の場合には、静電容量の設計中心値をC0、吐出速度の設計平均値をV0として、点(C0,V0)を通るように近似直線を設定する。つまり、静電容量が設計中心値C0の時には、吐出速度が設計平均値V0となるようにする。そして、点(C0,V0)を通り、図2(B)に示す吐出速度平均の分布の平均の位置を通るように近似直線を設定する。図2(B)に示すように、静電容量径平均の算出値がCの場合に、この近似直線から求められる吐出速度平均の算出値はVとなる。
【0054】
従って、この近似直線の傾きをαとすると、傾きαは、次式であらわすことができる。
【0055】
[数5]
α=(V−V0)/(C0−C)…(3)
【0056】
従って、この近似直線は、次式で表すことができる。
【0057】
[数6]
V=V0+α(C−C0)…(4)
【0058】
式(2)、式(4)より、静電容量Cとノズル径Dが同時に変動した時の平均速度Vは次式で表される。
【0059】
[数7]
V=V0+α(C−C0)+β(D−D0)…(5)
【0060】
従って、インクジェットヘッド1のノズル径平均Dを算出し、更に静電容量平均Cを算出すれば、この式(5)を用いることにより、実際にインク吐出を行うことなく、このインクジェットヘッド1における平均速度Vを予測することができる。本実施形態では、この式(5)によって得られる速度Vを予測平均速度と呼ぶことにする。
【0061】
多数のサンプルを用いてノズル径平均Dと静電容量平均Cを算出し、式(5)を用いて予測平均速度Vを求め、実際に測定した平均速度とのずれを調べたところ、図2(C)に示すように、ほぼ正確に平均速度が予測できることが確認された。
【0062】
次に、圧電アクチュエータ20に対する駆動電圧と吐出速度については、以下のような関係が成立する。この駆動電圧の設計中心値をE0、駆動電圧に対する吐出速度の感度をεとすると、吐出平均速度Vは、次式で表される。
【0063】
[数8]
V=V0+ε(E−E0)…(6)
【0064】
ここで、式(5)と式(6)とから、VとV0を消去すると、次式が得られる。
【0065】
[数9]
E=E0−[α(C−C0)+β(D−D0)]/ε…(7)
【0066】
つまり、ノズル径平均Dを算出し、更に静電容量平均Cを算出して、式(7)を用いることにより、実際にインクの吐出動作を行わなくても、駆動電圧Eを予測することができる。本実施形態では、この駆動電圧Eを予測駆動電圧と呼ぶことにする。
【0067】
従って、新たに製造されたインクジェットヘッド1のノズル径平均Dと静電容量平均Cを算出し、式(7)を用いて予測駆動電圧Eを求めることにより、インクジェットヘッド1を予測駆動電圧Eに応じて分類することができる。
【0068】
その結果、例えば、1つのインクジェットヘッド1が複数のユニットから構成される場合には、同じ予測駆動電圧Eを示すユニットを選択してインクジェットヘッド1を組み立てることにより、インクジェットヘッド1に供給する駆動電圧Eは単一の電圧で良いことになる。その結果、プリンタに配置する電源には、インクジェットヘッド1に対して単一の電圧のみを供給することのできる電源を用いれば良いので、電源のコストを低減することができる。
【0069】
なお、ノズルの加工精度が高い場合等には、ノズル径平均を設計中心値で近似することにより、式(7)を次のように変形することができる。
【0070】
[数10]
E=E0−[α(C−C0)+βD0]/ε…(8)
【0071】
この場合には、静電容量平均Cのみを算出すれば良いので、より一層簡単に予測駆動電圧Eを算出することができる。
【0072】
また逆に、圧電アクチュエータの加工精度が高い場合等には、静電容量平均を設計中心値で近似することにより、式(7)を次のように変形することができる。
【0073】
[数11]
E=E0−[αC0+β(D−D0)]/ε…(9)
【0074】
この場合には、ノズル径平均Dのみを算出すれば良いので、より一層簡単に予測駆動電圧Eを算出することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動電圧を、ノズル径平均と静電容量平均との関係式で表すようにしたので、インクジェットヘッドに実際にインクを注入してインク吐出を行うことなく、簡単に駆動電圧を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における圧電式インクジェットヘッドの断面図である。
【図2】 (A)はノズル径平均とインク吐出速度平均の関係を示す図、(B)は静電容量平均とインク吐出速度平均の関係を示す図、(C)は(A)と(B)の関係から得られる関係式を用いて予測した平均速度と、実際に測定した平均速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 キャビティプレート
16 ノズル
20 圧電アクチュエータ
Claims (6)
- 複数のノズルを通してインクを吐出するための複数の圧力室を有するキャビティプレートと、駆動手段により駆動され前記複数の圧力室内の圧力を変動せしめる複数の圧電素子を有する圧電アクチュエータとを備えたユニットが、少なくとも1ユニットから構成されてなるインクジェットヘッドの調整方法であって、
前記インクジェットヘッドのユニットのうちの1ユニットにおいて、
前記複数のノズルの径の1ユニット内平均を算出する工程と、
前記複数の圧電素子の静電容量の1ユニット内平均を算出する工程と、
前記ノズル径の1ユニット内平均及び静電容量の1ユニット内平均と前記駆動手段から前記圧電素子へ印加すべき駆動電圧との関係を表す予め求めた関係式に基づいて、当該駆動電圧を算出する工程と、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの調整方法。 - 前記関係式は、前記ノズル径の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きと、前記静電容量の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きと、前記算出したノズル径の1ユニット内平均及び静電容量の1ユニット内平均と、前記駆動電圧とのそれぞれの関係を表す関係式であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法。
- 前記関係式は、前記ノズル径の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きをα、前記静電容量の1ユニット内平均と吐出速度の1ユニット内平均との相関関係を表す近似直線の傾きをβ、前記算出したノズル径の1ユニット内平均をD、静電容量の1ユニット内平均をC、ノズル径の設計中心値をD 0 、静電容量の設計中心値をC 0 、駆動電圧の設計中心値をE 0 、駆動電圧に対する吐出速度の感度をε、駆動電圧をEとする時、
[数1]
E=E 0 − [ α ( C−C 0) +β ( D−D 0)] /ε
で表される式であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの調整方法。 - 前記駆動電圧を算出する工程は、静電容量の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、ノズル径の1ユニット内平均のみから前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する工程であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法。
- 前記駆動電圧を算出する工程は、ノズル径の1ユニット内平均を設計中心値と仮定し、静電容量の1ユニット内平均のみから前記関係式を用いて前記駆動電圧を算出する工程であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの調整方法を用いたユニットが複数備えられ、前記算出した駆動電圧の値が同一または略同一のユニットを複数選択し、一のインクジェットヘッドとして組み立てる工程を更に備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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