JP4415089B2 - インクジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法及びインクジェットプリンタヘッド - Google Patents
インクジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法及びインクジェットプリンタヘッド Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のインク室を備えるインクジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法及びインクジェットプリンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電部材で形成された側壁で仕切られた複数のインク室を有し、側壁の壁面に設けられた電極に駆動電圧を印加することにより側壁を変位させ、側壁の変位によりインク室内のインクの圧力を高めてそのインクを各インク室毎に設けられているノズルから吐出させるようにしたインクジェットプリンタヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなインクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査では、吐出性能(吐出速度、吐出体積、吐出角度等の性能)と画像性能(記録媒体上に形成された画像の品質)とを検査することが一般的である。
【0004】
従来のインクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査では、実際のインクや無色透明な溶剤インクを使用している。
【0005】
実際のインクを使用して製品出荷検査を行った場合には、上述した吐出性能や画像性能は検査できるが、製品出荷検査後の洗浄において実際のインク中に分散されている顔料を十分に洗浄できないことが現状である。このため、顔料が洗浄残りすることによりインクジェットプリンタヘッドの品質が低下するという問題や、インクジェットプリンタヘッドの洗浄時間が大幅にアップしてコスト高になるという問題がある。
【0006】
一方、無色透明な溶剤インクを使用して製品出荷検査を行った場合には、吐出性能の測定を良好に行うことができ、しかも、製品出荷検査後の洗浄を良好に行える。しかし、無色透明であるため、記録媒体上に形成された画像の品質を目視で確認することができないという問題がある。
【0007】
インクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査の有り方を考えた場合、吐出性能を検査する以上に画像性能を検査することが重要である。例えば、吐出性能に問題がなくても、記録媒体上でムラに見えたりスジに見えたりすることがあるので、目視による画像性能の評価は主観的な要素が大きいものの、大切な評価手段の一つとなっている。
【0008】
また、出荷したインクジェットプリンタヘッドが良品であることの証拠として、製品出荷検査時の画像サンプルを保存する必要性もある。
【0009】
このようなことから、インクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査において、吐出性能と画像性能とを同時に検査でき、かつ、検査後における洗浄を容易に行える検査用インクを使用することが望まれている。このような条件を満たす検査用インクとしては、無色透明な溶剤インク中に染料を含有させたインクが考えられる。
【0010】
なお、無色透明な溶剤インクは製造ロット毎の成分バラツキが少ないのに対し、その溶剤インクに染料を含有させた検査用インクは、製造ロット毎の成分バラツキが生じ易い。
【0011】
ところで、インクジェットプリンタヘッドを製造していく上で、圧電部材のロット毎のバラツキや製造バラツキ等により、各インクジェットプリンタヘッドの性能(吐出性能や画像性能)が変動することが知られている。各インクジェットプリンタヘッド毎の性能が変動した場合には、それらのインクジェットプリンタヘッドの電極に同じ値の駆動電圧を印加したのでは、吐出されるインクの体積が各インクジェットプリンタヘッド毎にバラツキを生じる。そこで、各インクジェットプリンタヘッド毎に吐出されるインクの体積が一定となる適正駆動電圧値を設定することが必要となる。
【0012】
【特許文献1】
特開昭63−252750号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査時において、インクジェットプリンタヘッドの温度バラツキや、検査用インクのロット毎の成分のバラツキ等により検査用インクの吐出体積が変動するので、適正駆動電圧値を精度良く設定することが困難である。
【0014】
本発明の目的は、インクジェットプリンタヘッド毎に適正駆動電圧値を精度良く設定することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法は、圧電部材で形成された側壁で仕切られた複数のインク室を有し、前記側壁の壁面に設けられた電極に駆動電圧を印加することにより前記側壁を変位させて前記インク室内のインクをノズルから吐出させるインクジェットプリンタヘッドにおいて、油性溶剤に油溶性染料を溶解度以下含有する検査用インクの当該油溶性染料を含有させる前の無色のインクを駆動電圧値の測定に用いるインクジェットプリンタヘッドのインク室に格納して前記電極に対して印加を行い所定体積吐出させたときの駆動電圧値と、このインク室に前記検査用インクを格納して前記電極に対して印加を行い前記所定体積吐出させたときの駆動電圧値との差を、前記検査用インクのロット毎の補正電圧値として求めるステップと、前記検査用インクが格納されている出荷用のインクジェットプリンタヘッドの電極に対して低電圧と高電圧とを印加して当該検査用インクを吐出させ、低電圧印加時の検査用インクの吐出体積と高電圧印加時の検査用インクの吐出体積とを測定する吐出体積測定ステップと、前記検査用インクに依存する温度補正係数と、設定温度から前記吐出体積測定ステップでの測定時の温度を減算した値とを乗算し、この乗算した値を前記吐出体積測定ステップで測定した低電圧印加時及び高電圧印加時の夫々の吐出体積に加算して、低電圧印加時及び高電圧印加時の夫々について温度補正済吐出体積を求める温度補正ステップと、前記低電圧の電圧値と前記高電圧との電圧値との差を前記低電圧印加時についての温度補正済吐出体積と前記高電圧印加時についての温度補正済吐出体積との差で除し、この除算の結果に、所望の目標吐出体積と前記低電圧印加時についての温度補正済吐出体積との差を乗じて目標駆動電圧値を算出する目標駆動電圧値算出ステップと、算出した前記目標駆動電圧値に前記検査用インクのロット毎の補正電圧値を加算して適正駆動電圧値を算出する適正駆動電圧値算出ステップと、を備える。また、本発明は、圧電部材で形成された側壁で仕切られた複数のインク室を有し、前記側壁の壁面に設けられた電極に駆動電圧を印加することにより前記側壁を変位させて前記インク室内のインクをノズルから吐出させるインクジェットプリンタヘッドにおいて、上記方法で設定された適正駆動電圧値がラベルに記載され、このラベルが貼り付けられることで当該適正駆動電圧値が明示されていることを特徴とするインクジェットプリンタヘッドについても規定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はインクジェットプリンタヘッドの概略構成を示す斜視図、図2はその一部を示す縦断正面図、図3は電極への駆動電圧印加に伴うインクの吐出動作を説明する縦断正面図である。
【0017】
図1、図2に示すように、このインクジェットプリンタヘッド1は、セラミックス材により形成された基板2を備え、この基板2の先端側に2枚の圧電部材3a,3bが埋め込まれている。これらの圧電部材3a,3bは、厚さ方向に互いに逆向きに分極されて接着剤で接着され、基板2に対しても接着剤で接着されている。
【0018】
圧電部材3a,3bと基板2とには、ダイヤモンドカッタを用いた溝加工により複数の溝4が形成され、隣合う溝4の間には圧電部材3a,3bからなる側壁5が形成されている。これらの溝4は、深さ、長さ、幅の各寸法、及びピッチが同一に形成されて並列に配列され、各側壁5の幅寸法も同一に形成されている。溝4のピッチはこのインクジェットプリンタヘッド1を用いて印字する場合の印字密度に応じて決定され、例えば、印字密度が150dpi(ドット/インチ)の場合のピッチは170μmとなる。
【0019】
各溝4毎に、その溝4の両側に位置する側壁5の壁面と溝4の底面とに電極6が無電解ニッケルメッキにより形成され、基板2の上面には各電極6に接続された配線7が形成されている。配線7は、駆動回路を内蔵したドライブICが搭載されたPC板(図示せず)に接続されている。
【0020】
基板2における圧電部材3a,3bが埋め込まれた側である先端側にはノズルプレート8が接着剤で接着され、圧電部材3aの上面側には天板9が接着剤で接着されている。そして、各溝4がノズルプレート8と天板9とで囲まれることによりインク室10が形成されている。ノズルプレート8には、各インク室10内のインクを吐出させるノズル11が各インク室10毎に一つずつ対応して形成され、天板9には各インク室10に連通する共通インク室12が形成されている。
【0021】
このようなインクジェットプリンタヘッド1では、印字する画像データに応じたドライブICの制御により配線7を介して電極6へ駆動電圧が印加され、駆動電圧の印加により側壁5が変位する。側壁5の変位によりインク室10内のインクの圧力が上昇し、その圧力上昇によってインク室10内のインクがノズル11から吐出され、吐出したインクが記録媒体に付着することにより画像形成が行われる。
【0022】
図3は、電極6へ駆動電圧を印加して側壁5を変位させ、ノズル11からインクを吐出させる様子を示している。ここでは、図示した3つのインク室10a,10b,10cのうち、中央のインク室10bのノズル11からインクを吐出させる場合を示している。
【0023】
中央のインク室10bの電極6に正の駆動電圧を印加し、両隣のインク室10a,10cの電極6を接地する。すると、インク室10bの両側の側壁5には、圧電部材3a,3bの分極方向と直交する方向に電界が作用し、側壁5はインク室10bの容積を大きくする方向に互いに逆向きに変位する(図3(a)参照)。
【0024】
つぎに、中央のインク室10bの電極6に正の駆動電圧を所定時間印加した後、中央のインク室10bの電極6に印加する駆動電圧を負に切り替え、両隣のインク室10a,10cの電極6を接地状態に維持する。すると、インク室10bの両側の側壁5には図3(a)の場合と逆向きの電界が作用し、側壁5はインク室10bの容積を小さくする方向に互いに逆向きに変位する(図3(b)参照)。
【0025】
側壁5が図3(a)の状態から図3(b)の状態へ変位することにより、インク室10b内のインクが加圧されて圧力が上昇し、インク室10b内のインクがこのインク室10bに連通しているノズル11から吐出する。
【0026】
ここで、このようなインクジェットプリンタヘッド1では、電極6に印加する駆動電圧の値が変わることにより側壁5の変位量も変わり、ノズル11から吐出されるインクの体積も変わる。したがって、ノズル11から吐出されるインクの体積を或る目標吐出体積とするためには、電極6に印加する駆動電圧値を各インクジェットプリンタヘッド1毎に適正な値(適正駆動電圧値)に設定することが必要である。
【0027】
以下、本実施の形態の特徴的部分である各インクジェットプリンタヘッド1毎に適正駆動電圧値を設定する方法について説明する。
【0028】
まず、或る一つのインクジェットプリンタヘッド1をマスターヘッドとして用い、検査用インクとマスターインクとを所定体積(例えば、42pl(ピコリットル))吐出させたときに電極6に印加した駆動電圧値を測定する。そして、検査用インクを所定体積吐出させたときの駆動電圧値とマスターインクを所定体積吐出させたときの駆動電圧値との差“β”を求める。この駆動電圧値の差“β”は、検査用インクのロット毎の補正電圧値であり、この補正電圧値“β”は、検査用インクとマスターインクとの比重差が主要因となって生じるものである。ここで、検査用インクは、油性溶剤に油溶性染料を溶解度以下含有する有色のインクである。マスターインクは、検査用インクに油溶性染料を含有させる前の無色のインクであり、検査用インクとの違いは油溶性染料を含有しない点のみである。また、マスターヘッドは、マスターインクを吐出させて駆動電圧値の測定を行ったインクジェットプリンタヘッド1であると定義でき、破損等により使用不可能になってもその都度作製可能である。
【0029】
補正電圧値“β”に関しては、図4に示すように、マスターヘッドを用いて検査用インクを所定体積(例えば、42pl)吐出させたときに電極6に印加した駆動電圧値を測定し、さらに、同じマスターヘッドを用いてマスターインクを所定体積(例えば、42pl)吐出させたときに電極6に印加した駆動電圧値を測定する。そして、それらの駆動電圧値が夫々21.8V、22.0Vであったとすると、補正電圧値“β”は、β=22.0−21.8=0.2(V)となる。この補正電圧値“β”は、検査用インクのロット毎に異なるもので、検査用インクの受け入れ時にその都度算出する。
【0030】
つぎに、製品として出荷される個々のインクジェットプリンタヘッド1の電極6に対し、低電圧V1(例えば、20V)と高電圧V2(例えば、24V)とを印加して上述した補正電圧値“β”を求めてある検査用インクを吐出させ、低電圧と高電圧とを印加したときの夫々の吐出重量を測定する。そして、測定した吐出重量を、当該インクジェットプリンタヘッド1におけるノズル11の数、各ノズル11から吐出したインク滴の数、検査用インクの比重で除算し、インク滴一滴当りの吐出体積の実測値(Vol・Lmes、Vol・Hmes)を算出する。この過程が吐出体積測定ステップとなる。なお、低電圧V1と高電圧V2との値としては、その間に後述する適正駆動電圧値が入る値を用いる。
【0031】
つぎに、低電圧と高電圧とを印加して各インクジェットプリンタヘッド1から検査用インクを吐出させる測定時において、インクジェットプリンタヘッド1の温度が設定温度に対してバラツキを生じることがある。そこで、上述した吐出体積測定ステップで算出されたインク滴の吐出体積の実測値(Vol・Lmes、Vol・Hmes)を温度補正し、温度補正済吐出体積(Vol・L、Vol・H)を求める。この過程が温度補正ステップとなる。この温度補正は、温度補正係数“α”と設定温度から測定時温度を減算した値“Δt”とを乗算した値を吐出体積の実測値(Vol・Lmes、Vol・Hmes)に加算することにより行う。
即ち、Vol・L=Vol・Lmes+α×Δt
Vol・H=Vol・Hmes+α×Δtとなる。
これらの低電圧V1と高電圧V2とを横軸に表わし、温度補正済吐出体積(Vol・L、Vol・H)を縦軸に示すと、図5に示すグラフとなる。
【0032】
温度補正係数“α”は、本実施の形態では0.5pl/℃としたが、これは検査用インクの体膨張率によって異なる値であり、0.2〜1.0pl/℃となることもある。
【0033】
つぎに、図5に示した低電圧V1と高電圧V2との2点の電圧値と、温度補正済吐出体積(Vol・L、Vol・H)との関係から、目標吐出体積(例えば、42pl)が得られる目標駆動電圧値Vrを算出する。この過程が目標駆動電圧値算出ステップとなる。この目標駆動電圧値Vrの算出する数式は、以下のように表わせる。
Vr=(V2−V1)/(Vol・H−Vol・L)×(目標吐出体積−Vol・L)+V1
ここで、上述した目標駆動電圧値Vrを算出した後、そのインクジェットプリンタヘッド1の電極6に対して目標駆動電圧値Vrを印加してノズル11から検査用インクを吐出させて印字サンプルを取り、目視、ドットアナライザーにより画像性能を評価し、合格したインクジェットプリンタヘッド1について洗浄、外観検査を行って製品出荷に備える。
【0034】
最後に、算出された目標駆動電圧値Vrに検査用インクのロット毎の補正電圧値“β”を加味し、適正駆動電圧値VO(VO=Vr+β)を算出する。この過程が適正駆動電圧値算出ステップとなる。
【0035】
このように本実施の形態では、温度補正ステップでは、温度補正係数“α”と設定温度から測定時温度を減算した値“Δt”とを乗算した値を測定した吐出体積に加算するので、測定時におけるインクジェットプリンタヘッド1の温度が設定温度から外れている場合でも、適正駆動電圧値の設定を精度良く行うことができる。
【0036】
また、本実施の形態では、検査用インクのロット毎の補正電圧値は、マスターインクをマスターヘッドで所定体積吐出させたときの駆動電圧値と、検査用インクをマスターヘッドで所定体積吐出させたときの駆動電圧値との差“β”として求め、この差“β”を考慮して適正駆動電圧値を算出するので、検査用インクにロット毎のバラツキが生じている場合でも適正駆動電圧値の設定を精度良く行うことができる。
【0037】
また、本実施の形態では、検査用インクは、油性溶剤に油溶性染料を溶解度以下含有する有色のインクであるので、この検査用インクを吐出させて形成した印字サンプルの画像性能を目視で評価することができる。さらに、この検査用インクは顔料を使用せずに染料を使用したものなので、インク吐出を行った後におけるインクジェットプリンタヘッド1の洗浄を容易に行える。
【0038】
また、本実施の形態では、マスターインクは、検査用インクに油溶性染料を含有させる前の無色のインクであるので、このマスターインクを用いて行う検査用インクのロット毎の補正電圧値の測定を精度良く行うことができる。
【0039】
ここで、製品出荷検査を終了したインクジェットプリンタヘッド1の製品出荷時には、そのインクジェットプリンタヘッド1の適正駆動電圧値VOが明示される。この明示は、適正駆動電圧値VOを記載したラベルをインクジェットプリンタヘッド1に貼り付けること等により行われる。このため、例えば、バーコードラベル等により明示された適正駆動電圧値VOを確認することにより複数のインクジェットプリンタヘッド1を組み付ける印刷装置の組立時において、インクに応じた印刷画質調整を容易に行える。また、市場における印刷装置の管理や保守等においても明示された適正駆動電圧値VOを確認することにより適正に対応することができる。なお、客先によっては、その客が実際に使用するインクに適した駆動電圧値に換算した値を明示する場合もある。このときの換算値は客先で使用するインクの種類により異なるが、適正駆動電圧値VOに対し、Y=aX+bの線形近似式で換算することができ、この換算値を適正駆動電圧値VOと共に明示することも可能である。なお、a、bは、インクの種類により決定される値である。
【0040】
【発明の効果】
本発明のジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法によれば、検査用インクを吐出させて行うインクジェットプリンタヘッドの製品出荷検査において、検査時におけるインクジェットプリンタヘッドの温度バラツキや、検査用インクのロット毎の成分バラツキがあっても、各インクジェットプリンタヘッド毎に適正駆動電圧値を精度良く設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインクジェットプリンタヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図2】その一部を示す縦断正面図である。
【図3】電極への電圧印加に伴うインクの吐出動作を説明する縦断正面図である。
【図4】補正電圧値“β”の求め方を示す説明図である。
【図5】低電圧V1と高電圧V2との値、及び、温度補正済吐出体積(Vol・L、Vol・H)から目標駆動電圧値を算出することを説明するグラフである。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタヘッド
3a,3b 圧電部材
5 側壁
6 電極
10 インク室
11 ノズル
Claims (2)
- 圧電部材で形成された側壁で仕切られた複数のインク室を有し、前記側壁の壁面に設けられた電極に駆動電圧を印加することにより前記側壁を変位させて前記インク室内のインクをノズルから吐出させるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
油性溶剤に油溶性染料を溶解度以下含有する検査用インクの当該油溶性染料を含有させる前の無色のインクを駆動電圧値の測定に用いるインクジェットプリンタヘッドのインク室に格納して前記電極に対して印加を行い所定体積吐出させたときの駆動電圧値と、このインク室に前記検査用インクを格納して前記電極に対して印加を行い前記所定体積吐出させたときの駆動電圧値との差を、前記検査用インクのロット毎の補正電圧値として求めるステップと、
前記検査用インクが格納されている出荷用のインクジェットプリンタヘッドの電極に対して低電圧と高電圧とを印加して当該検査用インクを吐出させ、低電圧印加時の検査用インクの吐出体積と高電圧印加時の検査用インクの吐出体積とを測定する吐出体積測定ステップと、
前記検査用インクに依存する温度補正係数と、設定温度から前記吐出体積測定ステップでの測定時の温度を減算した値とを乗算し、この乗算した値を前記吐出体積測定ステップで測定した低電圧印加時及び高電圧印加時の夫々の吐出体積に加算して、低電圧印加時及び高電圧印加時の夫々について温度補正済吐出体積を求める温度補正ステップと、
前記低電圧の電圧値と前記高電圧との電圧値との差を前記低電圧印加時についての温度補正済吐出体積と前記高電圧印加時についての温度補正済吐出体積との差で除し、この除算の結果に、所望の目標吐出体積と前記低電圧印加時についての温度補正済吐出体積との差を乗じて目標駆動電圧値を算出する目標駆動電圧値算出ステップと、
算出した前記目標駆動電圧値に前記検査用インクのロット毎の補正電圧値を加算して適正駆動電圧値を算出する適正駆動電圧値算出ステップと、
を備えることを特徴とするインクジェットプリンタヘッドにおける適正駆動電圧値設定方法。 - 圧電部材で形成された側壁で仕切られた複数のインク室を有し、前記側壁の壁面に設けられた電極に駆動電圧を印加することにより前記側壁を変位させて前記インク室内のインクをノズルから吐出させるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
請求項1記載の方法で設定された適正駆動電圧値がラベルに記載され、このラベルが貼り付けられることで当該適正駆動電圧値が明示されていることを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
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