JP3948324B2 - カーナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーナビゲーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から一般に知られているカーナビゲーション装置は、CD−ROMなどの大容量の記憶媒体に予め記憶されている道路地図データと、GPS(Global Positioning System)など移動中の自車両の現在位置を検出する機能等を備えており、これらを利用して、画面上に自車両の現在位置とその付近の道路地図を表示させることで、乗員に自車両の現在位置を提供することができる。また、予め設定される走行経路に沿って経路案内を行う、いわゆる経路誘導機能を使用することによって、乗員はより快適で疲労度の少ない運転を行うことができる。さらに、カーナビゲーション装置は、VICS(Vehicle Information and Communication System)などの外部情報から、ほぼリアルタイムな交通情報を取得することが可能となり、この交通情報を利用した様々な機能も登場している。
【0003】
この交通情報を利用した機能の一つとして渋滞規制音声案内がある。これは、外部から取得した渋滞や通行規制等の交通情報を基に、自車両の現在位置からその交通情報により特定される地点までの誘導経路上の距離と、その交通情報を音声で案内するというものである。例えば「およそ1km先、渋滞があります」というようなメッセージが提供される。このような渋滞規制音声案内を使用することにより、乗員は進路を妨げる要因を把握することが可能となり、その後のドライブプランの参考にすることができる。例えば、上述のようなメッセージの案内があったならば、乗員は渋滞発生地点へ到達する前に進路前方に渋滞が発生していることを把握することができる。さらに、自車両の現在位置から渋滞発生地点までの距離により、乗員は渋滞発生地点の手前に迂回可能な道路があるか否かを探索することが可能となる。そして、探索した結果、迂回可能な道路がある場合には渋滞を迂回することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の渋滞規制音声案内は、自車両の現在位置からの距離は把握できるものの、誘導経路上の渋滞等の発生地点が乗員にとって分かりづらいという問題があった。これは、距離という情報に対して、乗員は自身の距離に対する感覚に頼って場所の特定をしていたことに起因している。このような感覚に頼る特定の方法は、例えば数キロメートルのような距離が長い場合には通常困難である。また、例えば数百メートルのような距離が短い場合であっても、カーブの連続するワインディング道路やアップダウンの連続する山岳地帯の道路では、その道路形状上の理由により、乗員自身の感覚に頼ることが難しい。また、市街地の道路においても、周囲の構造物や他車両により進路の遠方を直視できないことから、案内される距離から直接的に地点を特定できない。
【0005】
このような問題に対して、乗員は画面に表示される地図をスクロールさせることで、その発生地点をある程度特定することが可能になる。しかしながら、地図のスクロールを運転操作中に行うと、乗員の視線は進路前方の交通状況から画面へ頻繁に移動することになる。その結果、乗員の本来の操作である運転に支障を生じかねない。
【0006】
さらに、乗員のカーナビゲーション装置の使い方としては、経路誘導機能を使用する場合の他に、単に自車両の現在位置を表示させるような場合がある。例えば、目的地に何度も行ったことがあるため走行経路を熟知している場合や、走行地域の地理に明るい場合である。このような場合には、乗員は経路誘導機能を使用しないため、従来の渋滞規制音声案内が使用できない。そのために、乗員は、突然発生する渋滞や交通規制に遭遇するという問題を抱えていた。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたもので、経路誘導機能の使用に係わらず、進路を妨げる要因の発生地点の名称を乗員へ案内することにより、乗員が直接的に進路を妨げる要因の発生地点を知ることができるカーナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のカーナビゲーション装置は、
自車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを格納する地図データ格納手段と、
自車両の外部から交通情報を獲得する交通情報獲得手段と、
乗員へ報知する報知手段とを有するカーナビゲーション装置であって、
経路誘導を行っていない場合にエリアを設定するものであり、複数のリンクからなる自車両の進行方向のリンク列と、当該リンク列の各々のリンクに接続される1つのリンクだけから形成されるエリアを設定するエリア設定手段と、
交通情報獲得手段によって獲得した前記交通情報により特定される地点が、エリア内に位置するのかを検索する地点検索手段と、
この地点検索手段により検索された交通情報により特定される地点が、エリア内に位置するときには、交通情報により特定される地点の名称と、この地点に対応する交通情報とを報知手段により乗員へ報知する地点案内手段とを有することを特徴とする。
【0009】
このように、本発明は自車両の進行方向のリンク列と、当該リンク列の各々のリンクに接続される1つのリンクだけから形成されるエリア内の交通情報に限定しているため、自車両の進行方向とは直接的に関係のない方向の交通情報を乗員に報知する必要がなくなる。また、交通情報により特定される地点を地名で報知するため、乗員は自身が認識している名称と照合することが可能となり、認識している名称であったならば、直接的にその発生地点を知ることができるようになる。
その結果、例えば自車両の進路前方で渋滞が発生しているとき、その渋滞地点の名称を乗員が認識している場合には、乗員はこの渋滞を回避するための迂回ルートを計画することが可能となる。その後、迂回ルートを走行することで、渋滞を通過するための時間を浪費することなく快適な運転を続けることができる。
【0011】
請求項2に記載のカーナビゲーション装置によれば、エリア設定手段は、自車両が走行している道路の道路種別に従って、エリアの設定を変更するエリア設定変更手段を備えることを特徴とする。
これにより、例えば、高速道路を自車両が走行している場合には、進行方向の遠方までエリアに含まれるように設定を変更したり、あるいは、交差点を頻繁に右左折しながら走行するような市街路や細街路を自車両が走行している場合には、リンク列の左右方向の遠方までエリアに含まれるように設定を変更したりすることができる。
このように、エリアの設定は、自車両が走行している道路の道路種別(一般道路や高速道路)に従って変更することによって、一層的確な設定が可能になる。
【0012】
請求項3に記載のカーナビゲーション装置のように、地点検索手段は、交通情報獲得手段によって獲得した交通情報により特定される地点が、リンク列上に位置するのかを検索すれば、乗員にとって直接的な交通情報のみを対象とすることができる。
これにより、自車両の進行方向と逆方向のような交通情報を乗員に報知することがなくなるため、乗員は不必要な情報や、多くの情報による混乱を招くことがなくなる。その結果、乗員は報知される交通情報のみを注意して走行すれば良いため、一層運転操作に集中できる。また、これは高速道路や国道等の幹線道路等、特に自車両の進路が限定される道路を走行している場合において非常に有効である。
【0013】
請求項4に記載のように、自車両の現在位置から地点検索手段が検索した地点までの距離を算出する距離算出手段を有し、地点案内手段は、距離算出手段により算出された距離を乗員へ報知することが望ましい。この場合、交通情報により特定される地点を乗員が探索する際に、名称と距離の2つの情報があれば、乗員はこの2つの情報に基づいて探索するため、名称のみ報知される場合に比べ更に探索し易くなる。
【0014】
請求項5に記載のカーナビゲーション装置によれば、交通情報獲得手段によって獲得した交通情報により特定される地点の名称を、地図データ格納手段から抽出する名称抽出手段とを有し、地点案内手段は、地点検索手段が検索した地点に対応する名称抽出手段が抽出した名称と、抽出した名称に対応する交通情報とを乗員へ報知することを特徴とする。
【0015】
これによって、道路沿いの建築物の名称や国道の道路名称等を乗員へ報知することが可能となる。その結果、例えば銀行や学校等、道路沿いの建築物の中で特に際立つような建築物の名称を乗員に報知することができ、交通情報により特定される地点がよりわかり易くなる。また、国道と交差するような交差点では、交差点名称に付け加えて国道の名称を報知することで、上記と同様な作用効果が期待できる。
【0016】
請求項6の記載のように、名称抽出手段は、交通情報獲得手段によって獲得した交通情報により特定される地点の周辺地点の名称を、地図データ格納手段から抽出するとよい。これは、例えば、交通情報により特定される地点が地域名称であるような、乗員にとってその地点を特定しにくい名称である場合に、その地点に近い道路沿いの建築物の名称や国道等の道路名称を抽出するものである。
【0017】
これにより、地域名のような特定しにくい地点を報知する場合に比べ、交通情報により特定される地点が乗員にとって把握し易くなる。
【0018】
請求項7に記載のカーナビゲーション装置では、データを記憶するメモリと、交通情報獲得手段により獲得される交通情報をメモリへ記憶させる交通情報登録手段とを有することを特徴とする。
【0019】
これにより、データを加工したりする際に、一時的に記憶させておきたいデータ等を記憶させることができる。その結果、複雑な処理を実施することが可能となる。
【0020】
請求項8に記載のカーナビゲーション装置は、乗員によってトリガが与えられた場合に、メモリに記憶された交通情報をロードする交通情報ロード手段を有し、この交通情報ロード手段によりロードされた交通情報により特定される地点の名称とこの名称に対応する交通情報とを、報知手段により乗員へ報知する交通情報閲覧手段を有することを特徴とする。
【0021】
これにより、乗員は過去の履歴を基に、例えば慢性的に自然発生する渋滞地点等を把握することできる。その結果、走行開始前であれば、その渋滞地点を避けるようなルートを選択することが可能となり、渋滞避けた快適なドライブができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態におけるカーナビゲーション装置に関して、図面に基づいて説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わるカーナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。同図が示すように、本実施形態のカーナビゲーション装置は、位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7、制御装置8、入出力回路9、表示装置10、インフラデータ受信機11、バスライン12、CPU13、ROM14、RAM15等から構成されている。
【0039】
位置検出器1は、位置検出手段であり、自車両の現在位置と進行方向を検出するために用いられる装置である。この位置検出器1は、地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ4、および衛星からの電波に基づいて自車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5から構成される。
【0040】
地磁気センサ2は、自車両の絶対方位を検出するためのものである。ジャイロスコープ3は、自車両の相対方位を検出するためのものであり、振動ジャイロ、光ファイバジャイロ、ガスレートジャイロ、ステアリング切り角センサなどの周知のセンサを採用することができる。距離センサ4は、自車両の移動距離を検出するものであり、車輪速センサや車速センサなどの周知のセンサを採用することができる。GPS受信機5は、周知のように、衛星から送信されるGPS信号をアンテナ5aを介して受信し、その受信信号から自車両の位置、速度、時刻を求めるようになっている。
【0041】
地図データ入力器6は、地図データ格納手段であり、CD−ROMやDVD−ROM等の大容量の記憶媒体が格納される。この地図データ入力器6はデコーダを内蔵している。このデコーダは、記憶媒体の記憶内容を地図データとして制御装置8が処理することができる形式のデータに変換するものである。
【0042】
ここで、地図データについて説明する。地図データは、描画データ、目印データ、経路データ等の各データを備えている。描画データとは、道路地図を後述する表示装置10の画面に表示するためのもので、ノード情報とリンク情報とを有している。これらは、地図上の各道路を、交差点、分岐点などを示すノードにより複数に分割し、そして2つのノード間をリンクとして規定し、それらリンクを接続することによって地図を構成している。なお、リンクの途中にノードが含まれる場合がある。
【0043】
ノード情報は、そのノードに固有の番号(ノードID)、位置座標、名称、交差点であるか否かを示すデータ等から構成されている。
【0044】
また、リンク情報は、リンクに固有の番号(リンクID)と、リンクの始端及び終端のノードの座標並びにリンク途中のノードの座標、道路種別(高速道路、国道、県道、上下線分離道路、サービスエリア、パーキングエリア等の道路の種別を示すもの)、道路幅員、所定方向(例えば南)に対するリンク角度等のデータから構成されている。
【0045】
一方、目印データとは、地名、建築物名、道路名と、それに対応する地図上の座標を関連付けたデータを構成している。
【0046】
そして、経路データは、上記ノード情報、リンク情報及びネットワーク情報を有している。この経路データにおけるリンク情報は、前記描画データにおけるリンク情報が有する情報の他に、リンク長のデータを有している。リンク長とは、そのリンクが示す道路の長さを示すデータである。ネットワーク情報は、各ノードでリンクがどのように接続されているかの情報、例えばノードAには、リンクB,C,D,Eが接続されているといったデータである。
【0047】
操作スイッチ群7は、各種のメカニカルスイッチから構成されている。なお、図示はしていないが、操作スイッチ群7と同等の機能を有するリモコンも備えられている。なお、操作スイッチ群7の一部が、後述する表示装置10の画面上のタッチパネルから構成されるようになっていても良い。
【0048】
表示装置10は、乗員への報知手段として用いられる。表示装置10は、図6(a)に示すように、位置検出器1から入力された自車両の現在位置を示す自車位置マーク100と、地図データ入力器6より入力された道路地図101を重ねて表示することができる画面を有している。また表示装置10は、液晶表示装置や陰極線管(CRT)表示装置等を用いることができる。なお、この表示装置10に音声信号の出力を可能にするためのスピーカを内蔵するタイプでも良い。
【0049】
インフラデータ受信機11は、交通情報獲得手段として用いられる。このインフラデータ受信機11は、外部からのデータを受信するものであり、外部情報提供センタ等から供給される渋滞情報や交通規制情報を専用アンテナ11aを介して受信する。例えば、VICSの道路交通情報はこれによって受信される。
【0050】
制御装置8は、通常のコンピュータとして構成されており、その内部には入出力回路9、バスライン12、CPU13、ROM14及びRAM15等が構成される。この制御装置8は、入出力回路9を介して、上記の位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7及びインフラ受信機11からの信号を取得する。また、制御装置8は、入出力回路9を介して表示装置10の表示制御を行うようになっている。
【0051】
さて、本実施形態では、自車両の進行方向の道路を中心とするエリアの設定処理(エリア設定処理)、またこのエリア内で交通情報により特定される渋滞や交通規制等の事象が発生しているか否かを検索する処理(エリア内検索処理)について、図2、図3、図4、図5のフローチャート及び図6、図7の道路地図のイメージ図を用いて説明する。なお、交通情報には渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報等、様々な種類の情報があるが、本実施形態で扱う交通情報は、渋滞情報を例として説明する。
【0052】
まず、図2のフローチャートに基づいて、エリア設定処理(S9)の直前までに行われる処理について、周知の機能を交えて説明する。なお、これから説明する処理は、ROM14に予め格納されている動作プログラムに従って実行される。はじめに、カーナビゲーション装置に電源が投入されると、表示装置10の画面には、道路地図101と自車位置マーク100を表示される(図6(a))。この表示処理はS1で行われるが、その詳細を図3(a)に従って説明する。はじめに、位置検出器1から自車両の現在位置の座標を抽出し(S1a)、自車両の現在位置を示す座標の周辺の道路地図を地図データ入力器6に格納されている地図データから抽出する(S1b)。そして、自車位置マーク100と周辺の道路地図101を表示装置10の画面へ表示させる(S1c)。
【0053】
次に、S2において、乗員による目的地の設定が行われていればS3を実行し、そうでなければS5を行う。本実施形態では、目的地の設定が無いとしてS5へ処理が移行する。そして、S5では、インフラデータ受信機11が交通情報を受信したかどうかの判断を行う。ここで、交通情報を受信していない場合には、終了確認の判断に移行し、カーナビゲーション装置を継続して使用する場合はS1へ処理が移行し、繰り返される。なお、本実施形態では交通情報を受信したとして、S6を実行する。
【0054】
S6では、受信した交通情報をRAM15へ記憶する。この交通情報には、発生地点の名称、発生地点の道路リンクの座標及び発生事象(渋滞)等が含まれる。ここで、道路リンクとは、主要な交差点毎を単位として分割したノードで表されるため、上述の地図データのノード情報やリンク情報の座標と対応する。なお、処理についての図示はないが、図6(a)に示すように、この交通情報の情報を基に、表示装置10の画面に表示されている道路地図101へ、この交通情報の道路リンク102を重ねて表示しても良い。
【0055】
続いて、経路誘導中の判断に移行する(S7)。本実施形態では、上述のように経路誘導を使用しない場合を想定しているので、S7の判断によってエリア設定処理(S9)へ処理が移行する。
【0056】
ここから、エリア設定処理について図4のフローチャート、図6及び図7の道路地図のイメージ図を用いて説明する。まず、図4に示すように、エリア設定処理では、位置検出器1から自車両の現在位置の座標を抽出する(S9a)。次に、予め設定された検索距離ddをROM14から抽出する(S9b)。なお、このROM14に記憶される検索距離ddはデフォルト値であり、乗員が変更することも可能である。そして、乗員が検索距離ddを変更した場合には、変更後の検索距離ddがRAM15に保存される。以後、RAM15に保存された検索距離ddをデフォルト値として抽出される。この検索距離ddは、自車両の現在位置からの道路上の距離を意味するもので、例えば1kmや10kmのような数値である。
【0057】
次に、S9aで抽出した自車両の現在位置の座標に基づいて、この座標がリンク上に位置するリンク(同図のリンクL0)を検索し、またリンクL0のリンク情報とネットワーク情報とを、地図データ入力器6に格納されている経路データから抽出しRAM15へ記憶する(S9c)。なお、このとき、リンクL0の始端の座標を自車両の現在位置の座標に書き換えて記憶する。そして、抽出したリンク情報のリンクの始端と終端の座標と自車両の現在位置の座標とから、自車両の現在位置からリンクL0の終端座標までの距離d0を算出する(S9d)。すると、図6(b)に示す距離d0が算出できる。なお、距離d0も検索距離ddと同様に数値である。
【0058】
ここで、検索距離ddから距離d0を減じ、この減じた結果を検索残距離m1とする(S9e)。次に、この検索残距離m1が正の値であるか否かの判断を行い(S9f)、その結果、m1が正の値であればエリア設定処理を継続し、そうでなければS9kへ処理が移行される。本実施形態では、図6(b)に示すように、検索距離ddから距離d0を減じた検索残距離m1は正の値であるので、エリア設定処理を継続する。
【0059】
続いて、リンクL0の終端のノードの座標と接続する全てのリンクを、地図データ入力器6に格納されている経路データのネットワーク情報から抽出する(S9g)。すると、図6(b)に示すように、リンクL0の終端のノードを始端とする3つのリンク(L11、L12、L13)が抽出できる。
【0060】
そこで、抽出された3つのリンクのうち、自車両が位置するリンクL0の道路幅員、道路種別、リンク角度等の条件を考慮して進行方向のリンクを検索する。そして、検索されたリンクのリンク情報とネットワーク情報とをRAM15へ記憶する(S9h)。ここで、進行方向のリンクを検索する方法をいくつか紹介する。例えば、リンクL0の道路種別が高速道路である場合は、今後もその高速道路を走行し続けるであろうという判断に基づいて進行方向のリンクを検索する。また、右左折をせずに直線的に走行し続けるであろうという判断に基づけば、リンク角度を条件に進行方向のリンクを検索する。その他、様々な検索方法が考えられるが、本実施形態ではリンク角度及び記憶媒体に格納された交通規制データ又は道なり方向を示すデータに基づいて検索する。すると、図6(b)に示すように、リンクL0のリンク角度に最も近いリンクL11が進行方向のリンクと検索される。
【0061】
ここで、検索残距離m1からリンクL11のリンク長(d1)を減じ、この減じた結果を検索残距離m2とする(S9i)。次に、検索残距離m2が正の値0であるか否かの判断を行い(S9j)、その結果、この検索距離m2が正の値であればエリア設定処理を継続し、そうでなければS9kへ処理が移行される。本実施形態では、図6(b)に示すように、検索残距離m2は正の値であるのでエリア設定処理を継続する。
【0062】
このように、検索残距離mi(i=2、3、・・・、n−1、n)が正の値でなくなるまでS9g、S9h、S9i及びS9jの処理を繰り返す。そして、S9jの判断において、検索残距離miが正の値でなくなったとき、S9kの処理へ移行する。この繰り返される処理によって、自車両の現在位置から検索距離ddまでの距離に含まれる進路方向の道路が設定される。
【0063】
S9kでは、RAM15に記憶した各リンクのリンク情報とネットワーク情報とを抽出し、各リンクのネットワーク情報におけるリンクの接続関係に基づいてリンク列を特定し、再びRAM15に記憶する。すると、図6(c)に示すようなリンクの列からなる進行方向の道路103を形成することができる。次に、進行方向の道路103を形成するリンク列のリンク情報をRAM15から抽出する(S9l)。すると、本実施形態では、図7(a)示すリンクL0、L11、L21、L31、L41となる。そして、各リンクのネットワーク情報をRAM15から抽出し、リンクL0の始端を除く各リンクの始端との接続関係に基づいてリンクのエリアを特定し、再びRAM15に記憶する(S9m)。すると、図7(b)に示すように、進行方向の道路103と接続するリンクからなるリンクエリアを形成することができる。
【0064】
このように、エリア設定処理は、はじめに所定の距離(検索距離dd)に含まれる自車両の進行方向のリンク列を特定し、そのリンク列に接続されるリンクを抽出することで、進行方向の道路を中心としたリンクエリアを設定することができる。
【0065】
さて、ここからは、設定されたリンクエリア内に、交通情報により特定される渋滞や交通規制等が発生しているか否かを検索する処理(エリア内検索処理)について、図2、図5(a)のフローチャート及び図7の道路地図のイメージ図を用いて説明する。この地点検索手段としてのエリア検索処理はS10a〜S10cにおいて行われる。
【0066】
まず、RAM15に記憶した渋滞道路リンク102の始端と終端のノードの座標を再度抽出する(S10a)。次に、リンクエリアのリンク情報を抽出する(S10b)。ここで、リンクエリアの全てのリンク(L0、L11、L12、L13、L21、L22、L23、L31、L32、L33、L41、L42)の始端と終端のノード座標が、渋滞道路リンク102の始端と終端のノード座標と一致するか否かを検索する(S10c)。すると、本実施形態では、図7(b)に示すように、渋滞道路リンク102とリンクL32とが一致していることから、設定したリンクエリア内に渋滞地点が存在することがわかる。
【0067】
従って、このような場合には、地点案内手段としての処理(S10d)が行われる。つまり、RAM15に記憶した交通情報の発生地点の名称と、発生事象(渋滞)を表示装置10の画面上に表示したり、あるいは表示装置10のスピーカから音声案内を行ったりして、乗員へ進行方向の道路のある地点において、渋滞が発生していることを報知する(S10d)。その後、終了判断に処理が移行し、乗員がカーナビゲーション装置の使用を継続するのであれば、S1に処理を移行して、以後同様に繰り返される。
【0068】
このように、本実施形態では、自車両の現在位置から進行方向の検索距離ddだけ進んだリンクと、この進行方向のリンクの各始端のノードと接続するリンクとによってリンクエリアを設定した。しかし、この設定したリンクエリアを拡大するような工夫も場合によっては有効である。例えば、リンクエリアを検索距離ddより長く設定したリンク列のみとする。すると、進行方向の道路が1つのみである高速道路を自車両が走行している場合には、進行方向の遠方の交通情報までエリア内検索が可能となる。さらに、進行方向の道路のリンク列と接続するリンクに加えて、これらのリンクの終端のノードと接続する全てのリンクをもリンクエリアに含めるとする。すると、自車両の進行方向に対して左右方向に幅広いリンクエリアとすることで、交差点を頻繁に右左折しながら走行するような市街路や細街路を自車両が走行している場合には、左右方向の遠方の交通情報まで検索が可能となる。このように、リンクエリアの設定は、自車両が走行している道路種別(一般道路や高速道路)に従って変更することによって、一層的確な検索が可能になる。
【0069】
さらに、本実施形態では、進路を妨げる地点の名称と発生事象(渋滞)とを乗員に報知しているが、これに加えて、自車両の現在位置から進路を妨げる地点までの距離を提供することも可能である(距離算出手段)。これは、S9dの処理においてd0と、自車両が位置するリンクL0の終端からL21の終端までのリンク列(この場合はL11及びL21)のリンク長とを足し合わせることで算出することができる。
【0070】
このように、表示装置10を用いて進路を妨げる地点の名称を乗員に提供することで、乗員は認識している地名や交差点名称等と照合することが可能となり、認識している名称であったならば、直接的にその発生地点を知ることができるようになる。その結果、例えば自車両の進行方向の道路で渋滞が発生しているとき、その渋滞を回避するための迂回ルートを事前に検索することが可能になる等、その後のドライブプランの参考となる。また、乗員には不必要な自車両の進行方向とは逆方向の交通情報を収集することがなくなるため、情報量の多さによる混乱を招くことがなくなる。
【0071】
そして、上述のように、経路誘導を使用せずに自車両の進路方向の発生事象を把握することができるため、経路誘導を使用するための設定を行う必要がなくなり、乗員にとっては簡単に使用できる。さらに、自車両の現在位置から進路を妨げる地点までの距離を名称と共に報知することで、進路の遠方を直視できるような状況において発生地点の特定に役立つものとなる。
【0072】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0073】
第2の実施形態において第1の実施形態と異なる点は、自車両の現在位置から乗員が設定した目的までの走行経路を形成する走行経路形成処理(経路形成手段)を実行し、この走行経路を表示装置10の画面上に表示して経路誘導する経路誘導処理(経路誘導手段)を実行し、そして、この経路誘導を実行中に、走行経路上に交通情報によって特定される地点が位置するかを検索する走行経路上検索処理(経路上地点検索手段)を実行する、といった3つの点で異なる。以後、これらについて順を追って説明する。
【0074】
まず、走行経路形成処理について、図2及び図3のフローチャート、図8の道路地図のイメージ図を用いて説明する。この走行経路形成処理は、周知のように、乗員によって設定された通過点や目的地に対し、自車両の現在位置から通過点を経由した目的地に至る走行経路を設定するものである。なお、自車両の現在位置表示処理(S1)は第1の実施形態と同様である。
【0075】
はじめに、図3(b)に図示していないが、乗員は、経路誘導を使用するために目的地の設定を行う。そして目的地が設定されると、目的地の設定の判断(S2)に従って、走行経路形成処理(S3)に処理が移行する。次に、同図に示すように、インフラデータ受信機11が交通情報を受信したかどうかの判断を行う(S3a)。ここで、交通情報を受信していない場合には、S3cに処理が移行する。本実施形態では、交通情報を受信したとしてS3bの処理を実行する。
【0076】
S3bでは、受信した交通情報を抽出し、またS3eでは、乗員によって設定された目的地を抽出する。そして、抽出した交通情報を考慮して、目的地までの最適な走行経路を算出する(S3f)。例えば、図8(a)に示すように、自車両の現在位置100から設定された目的地104までの最適な走行経路を計算する。
【0077】
この設定された走行経路は、例えば図8(b)に示すようなL0〜L5のリンク列として特定する。そして、このリンク列のリンク情報及びネットワーク情報はRAM15に記憶する(S3f)。
【0078】
続いて、経路誘導処理について図2及び図3のフローチャート、図8の道路地図のイメージ図を用いて説明する。この経路誘導処理は、周知のように、S3の走行経路形成処理により設定された走行経路に従って、経路案内を行うものである。まず、RAM15に記憶したリンク列(L0〜L5)のリンク情報及びネットワーク情報を抽出し(S4a)、図8(c)に示すような目的地104までの走行経路を表示装置10の道路地図上に強調表示させる(S4b)。そして、自車両の進行に伴って自車位置マーク100が走行経路上を移動するように表示させたり、また、交差点等で右左折する走行経路の場合には、交差点の拡大図を画面に表示したりする。
【0079】
上記S4の処理に続くS5及びS6の処理については、第1の実施形態と同様である。次に、S6の処理の後に経路誘導中であるか否かを判断する(S7)。本実施形態では、経路誘導が実施されているものと想定して、S8の走行経路上検索処理へ移行する。この走行経路上検索処理について、図5(b)のフローチャート及び図8(c)の道路地図のイメージ図を用いて説明する。この走行経路上検索処理は、経路誘導中に、走行経路上において渋滞等の進路を妨げる要因が発生しているか否かを検索するものである。
【0080】
はじめに、RAM15に記憶させたインフラデータ受信機11から獲得した交通情報の道路リンクの始点と終点のノードの座標を抽出する(S8a)。また、RAM15に記憶させた走行経路(リンク列)のリンク情報を抽出する(S8b)。そして、この道路リンクが走行経路(リンク列)内に含まれているか、あるいは一致するか否かを検索する(S8c)。本実施形態の場合では、図8(c)に示すように、渋滞道路リンク102はリンク列に含まれていないとともに、一致していないことがわかる。
【0081】
ここで、仮に渋滞道路リンク102がリンク列に含まれる、あるいは一致している場合には、S8dの処理が行われる(経路上地点案内手段)。つまり、RAM15に記憶させた受信した交通情報の発生地点の名称と、発生事象が渋滞であることを表示装置10の画面上に表示したり、あるいは表示装置10のスピーカから音声案内を行ったりする。これによって、乗員は、進行方向の道路のある地点において、渋滞が発生していることを把握することができる。その後、乗員がカーナビゲーション装置の使用を継続するのであれば、S1に処理を移行し、処理が繰り返される。
【0082】
このように、経路誘導中に走行経路上の進路を妨げる地点の名称と交通情報を乗員に提供することで、乗員は自ら設定した走行経路上の交通情報を知ることが可能となり、走行経路以外の不必要な交通情報を取得することがなくなる。また、地名等の名称を提供することにより、認識している地名や交差点名称と照合することが可能となる。
【0083】
これにより、例えば進路を妨げる地点を迂回するような走行経路を再度形成することが可能となり、進路を妨げる地点を通過することなく、かつ走行経路を誘導させながら目的地へたどり着くことができる。その結果、目的地まで快適なドライブが可能となる。
【0084】
なお、第1の実施形態と同じように、自車両の現在位置から進路を妨げる地点までの距離を提供することも有効である(経路上距離算出手段)。つまり、リンク列(L0〜L5)のリンク長から、リンクL0の始端から自車両の現在位置までのリンク長を減じることで、その距離が算出できる。
【0085】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0086】
第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態と異なる点は、インフラデータ受信機11が受信した交通情報の発生地点の名称を乗員に報知する替わりに、地図データ入力器6に格納される目印データの名称を乗員に報知するものである。
【0087】
インフラデータ受信機11は、交通情報により特定される発生地点の名称(交差点の名称等)、道路リンクのノードの座標及び発生事象を受信するので、名称に関する情報は1つである。これに対して、地図データ入力器6に格納されている目印データには、地名、建築物名、道路名と、それに対応する地図上の座標を関連付けたデータが格納されているので、いくつかの名称を使用することができる。ここでは、この目印データの名称を使用する例について、図2、図5(a)及び(b)のフローチャート、図9の道路地図のイメージ図を用いて説明する。
【0088】
まず、第2の実施形態で説明した走行経路形成処理(S3)により、図9に示すような走行経路105が形成されたとする。この走行経路105は、自車両の現在位置100から目的地104までの最適な走行経路である。また、その途中には都市間を結ぶ国道107とこれに交差する交差点109が存在し、この交差点の角には郵便局108が建築物として存在する。
【0089】
そして、第2の実施形態で説明した経路誘導処理(S4)により、上記走行経路に従って走行をはじめて間もなく、交差点109で事故が発生し、この交差点109より走行経路の前方が通行止めである旨の規制106が発生したとする。このとき、第2の実施形態であれば、インフラデータ受信機11が受信した交通情報により特定される発生地点の名称(この場合交差点109の名称)と交通規制であることを乗員に報知する。
【0090】
ここで、図9の道路地図において、交差点109の地点を表現する方法として3通り考えられる。1つ目は、インフラデータ受信機11が受信した交通情報により特定される発生地点の名称、つまり、交差点109の名称をそのまま報知するものである。2つ目は、交差点109の角に郵便局108が存在するので、この郵便局の名称を報知するものである。そして、3つ目は、交差点109は国道107と交差するため、「国道107との交差点」というような道路名称で報知するものである。
【0091】
この交差点109を表現する3通り(交通情報における名称、建築物の名称、道路名称)のうち、何れを用いるかは、乗員自らが選択して設定できるようにすると良い。これは、乗員によって周辺の地理に対する認識の程度が異なるため、この認識度合いによって設定を変更できるようにするためである。この処理は、図5(a)のS10d(名称抽出手段)及び同図(b)のS8d(経路上名称抽出手段)において、インフラデータ受信機11から抽出される交通情報により特定される発生地点の道路リンクのノードの座標を基に、乗員の設定に対応した名称を地図データ入力器6に格納されている目印データから抽出する。なお、この名称設定のデフォルトを交差点名称としてROM14に予め書き込んでおき、乗員が設定を変更した場合には、変更後の設定をRAM15へ保存する。以後、RAM15に保存された名称設定をデフォルトとすれば、乗員の認識の程度に沿った名称が抽出される。
【0092】
このように、乗員の地理に対する認識の程度によって、報知する名称の対象を変えることが可能となる。従って、報知される名称と自らが認識している名称を照合することで、交通情報により特定される発生地点の名称を一層直接的に特定することができる。その結果、乗員が認識していない名称を報知することがなくなり、場所を特定することができないようなケースも少なくなる。
【0093】
なお、本実施形態について、さらに拡張した考え方をすれば、仮に交通情報に基づくノードの座標と目印データの座標とが接近していなくとも、交通情報に基づくノードの座標の周辺に目印データが存在することも十分に起こり得る。
【0094】
例えば、図9に示すように、通行止め110地点の目印データは無いが、その周辺の目印データとして学校111があるときは、学校111の名称を乗員に報知することによって、乗員は場所の特定が可能となる。従って、上述のように、交通情報に基づくノードの座標と目印データの座標とが接近していなくとも、例えば、その道路リンクの始端と終端のノードの座標を中心とした、所定の距離(例えば20m等)を半径とした目印データの検索を行うことも有効である。そうすることで、目印データが検索された場合には、その目印データの名称を乗員に報知することができる。
【0095】
また、本実施形態では、第2の実施形態で説明した経路誘導を実行している場合について説明したが、第1の実施形態で説明したように、リンクエリア内における発生事象の名称を乗員の地理に対する認識の程度によって変えることも可能である。
【0096】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1〜第3の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0097】
第4の実施形態において、第1〜第3の実施形態と異なる点は、図2のS6において記憶させる過去の交通情報を乗員が閲覧できる、交通情報履歴閲覧機能を有するものである。そして、もう1つは、インフラデータ受信機11が交通情報を受信しない場合に、RAM15(メモリ)に記憶させた過去の交通情報を利用して、第2の実施形態において説明した、走行経路形成処理(図2のS3)を実行するものである。この2点のついて順を追って説明する。
【0098】
まず、交通情報履歴閲覧機能について、図2のフローチャート及び図10の画面表示のイメージ図を用いて説明する。第1〜第3の本実施形態では、S6において、交通情報を受信した場合には、その交通情報により特定される発生地点の名称(交差点の名称等)、道路リンクの始端と終端のノードの座標及び発生事象(渋滞等)をインフラデータ受信機11から受信し、その情報をRAM15に記憶している(交通情報登録手段)。従って、この記憶させた交通情報を表示装置10の画面上に表示することで、乗員は過去の交通情報を閲覧することが可能となる。
【0099】
例えば、S6においてRAM15に交通情報を記憶するときに、渋滞や規制等の発生事象毎にソートし、第1〜第3の実施形態で説明したデータの記憶と共に、閲覧用のデータとして図10に示すような各列の項目が対応した形式で記憶する。そして、図示していないが、走行を開始する前に、乗員の操作スイッチ群7からの入力により、過去の交通情報を閲覧する旨の操作があった場合には、表示装置10の画面上に図10に示すような表を表示させる(交通情報ロード手段、交通情報閲覧手段)。
【0100】
これにより、乗員は、例えば走行前に慢性的な渋滞地点を把握することができ、さらに、この渋滞地点を迂回する走行経路を計画することができる。また、走行経路形成処理(S3)により走行経路を形成する場合においても、これらを参考に、慢性的に渋滞するような地点を避けるような走行経路を設定することが可能となる。その結果、経路誘導の使用の有無に係わらず、渋滞を回避した快適なドライブをすることができる。
【0101】
次に、インフラデータ受信機11が交通情報を受信しない場合に、RAM15に記憶させた過去の交通情報を利用して、第2の実施形態において説明した走行経路形成処理(S3)を実行する処理について、図3(b)のフローチャートを用いて説明する。
【0102】
第2の実施の形態における走行経路形成処理(S3)の交通情報は、インフラデータ受信機11からリアルタイムに受信し、この受信したリアルタイムな交通情報を利用している。しかしながら、道路に敷設されているインフラが情報を提供していない時間帯であったり、あるいはインフラが故障していたりするような場合には、外部から交通情報を取得することができない。このような場合に、RAM15に記憶されている過去の交通情報を用いる。
【0103】
具体的には、S3aの交通情報を受信したか否かの判断において、交通情報を受信しない場合には、S3cに処理が移行する。そして、過去の交通情報を使用するか否かの判断を乗員に仰ぎ、使用する旨の指示があった場合には、過去の交通情報を抽出する(S3d)。なお、ここで抽出する交通情報は、RAM15に記憶された全ての交通情報ではなく、地域、日時、曜日、及び発生回数等の条件によって抽出されたものに限定する。この地域、日時、曜日、及び発生回数の抽出条件については、乗員が選択できるもので良い。
【0104】
以後、抽出した過去の交通情報を使用して、走行経路の算出と記憶(S3f)を実行する。なお、S5の判断においては、リアルタイムな交通情報ではないものの、過去の交通情報を抽出したことにより、同図のS6へ処理が移行する。これにより、交通情報を外部から受信できない場合でも、過去の交通情報を基に走行経路を形成することが可能となり、乗員へ過去の履歴に基づく経路誘導を実行することができる。
【0105】
ここで注意すべき点は、使用する交通情報は過去の履歴に基づいているため、あくまでもリアルタイムな情報ではないということを、乗員へ確実に伝達する必要がある。そのため、上述のS3cのように、乗員に過去の履歴を使用するかの選択をさせると、乗員による勘違いを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4の実施形態に係わる、カーナビゲーション装置の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】第1〜第4の実施形態に係わる、カーナビゲーション装置の概略的な全体の処理を説明するフローチャートである。
【図3】第1、第2、及び第4の実施形態に係わる、自車両の現在位置表示処理、走行経路形成処理、及び経路誘導処理を説明するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係わる、エリア設定処理を説明するフローチャートである。
【図5】第1〜第3の実施形態に係わる、エリア内検索処理、及び走行経路上検索処理を説明するフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係わる、道路地図のイメージ図である。
【図7】第1の実施形態に係わる、道路地図のイメージ図である。
【図8】第2の実施形態に係わる、道路地図のイメージ図である。
【図9】第3の実施形態に係わる、道路地図のイメージ図である。
【図10】第4の実施形態に係わる、表示装置10の画面表示のイメージ図である。
【符号の説明】
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
5a アンテナ
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御装置
9 入出力回路
10 表示装置
11 インフラデータ受信機
11a 専用アンテナ
12 バスライン
13 CPU
14 ROM
15 RAM
Claims (8)
- 自車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを格納する地図データ格納手段と、
前記自車両の外部から交通情報を獲得する交通情報獲得手段と、
乗員へ報知する報知手段とを有するカーナビゲーション装置であって、
経路誘導を行っていない場合にエリアを設定するものであり、複数のリンクからなる前記自車両の進行方向のリンク列と、当該リンク列の各々のリンクに接続される1つのリンクだけから形成されるエリアを設定するエリア設定手段と、
前記交通情報獲得手段によって獲得した前記交通情報により特定される地点が、前記エリア内に位置するのかを検索する地点検索手段と、
該地点検索手段により検索された前記交通情報により特定される地点が、前記エリア内に位置するときには、前記交通情報により特定される地点の名称と、前記地点に対応する前記交通情報とを前記報知手段により乗員へ報知する地点案内手段とを有することを特徴とするカーナビゲーション装置。 - 前記エリア設定手段は、前記自車両が走行している道路の道路種別に従って、前記エリアの設定を変更するエリア設定変更手段を備えることを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーション装置。
- 前記地点検索手段は、前記交通情報獲得手段によって獲得した前記交通情報により特定される地点が、前記リンク列上に位置するのかを検索することを特徴とする請求項1又は2記載のカーナビゲーション装置。
- 前記自車両の現在位置から前記地点検索手段が検索した地点までの距離を算出する距離算出手段を有し、
前記地点案内手段は、前記距離算出手段により算出された距離を乗員へ報知することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカーナビゲーション装置。 - 前記交通情報獲得手段によって獲得した前記交通情報により特定される地点の名称を、前記地図データ格納手段から抽出する名称抽出手段とを有し、
前記地点案内手段は、前記地点検索手段が検索した地点に対応する前記名称抽出手段が抽出した名称と、該抽出した名称に対応する前記交通情報とを乗員へ報知することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーナビゲーション装置。 - 前記名称抽出手段は、前記交通情報獲得手段によって獲得した前記交通情報により特定される地点の周辺地点の名称を、前記地図データ格納手段から抽出することを特徴とする請求項5記載のカーナビゲーション装置。
- データを記憶するメモリと、
前記交通情報獲得手段により獲得される前記交通情報を前記メモリへ記憶させる交通情報登録手段とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカーナビゲーション装置。 - 乗員によってトリガが与えられた場合に、前記メモリに記憶された前記交通情報をロードする交通情報ロード手段を有し、
該交通情報ロード手段によりロードされた前記交通情報により特定される地点の名称と前記名称に対応する前記交通情報とを、前記報知手段により乗員へ報知する交通情報閲覧手段を有することを特徴とする請求項7記載のカーナビゲーション装置。
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