JP3948128B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザー等に代表される遠紫外線のほか、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線の如き各種の放射線を用いる微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、リソグラフィーにおける加工サイズの微細化が進んでおり、近年では、0.3μm以下の微細加工を再現性よく行なうことの可能な技術が必要とされている。そのため、微細加工に用いられるレジストにおいても0.3μm以下のパターンを精度よく形成することが必要であるが、従来の可視光線(波長800〜400nm)または近紫外線(波長400〜300nm)を用いる方法では、0.3μm以下の微細パターンを高精度に形成することは極めて困難である。そこで、より短波長(波長300nm以下)の放射線の利用が鋭意検討されている。
このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)等に代表される遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線を挙げることができるが、これらのうち特にエキシマレーザーを用いるリソグラフィーが、その高出力、高効率特性等の理由から注目されている。このため、リソグラフィーに用いられるレジストに関しても、エキシマレーザーにより、0.3μm以下の微細パターンを高感度かつ高解像度で再現性よく形成できることが必要とされている。
エキシマレーザーに適したレジストとしては、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を生成する感放射線性酸発生剤を使用し、その酸の触媒作用によりレジストの感度を向上させた「化学増幅型レジスト」が提案されている。このような化学増幅型レジストとしては、例えば、特開昭59−45439号公報に、t−ブチル基あるいはt−ブトキシカルボニル基で保護された樹脂と感放射線性酸発生剤との組合せが、また特開昭60−52845号公報に、シリル基で保護された樹脂と感放射線性酸発生剤との組合せが、それぞれ開示されている。またその他にも、アセタール基を含有する樹脂と感放射線性酸発生剤とを含有するレジスト(特開平2−25850号公報)等、化学増幅型レジストに関しては多くの報告がなされている。
しかしながら、シリル基で保護された樹脂を用いたレジストは、レジストパターン形成後の基板に対する加工プロセスが終了した段階におけるレジストの基板との剥離性(以下、単に「基板との剥離性」という。)が劣り実用性に乏しい。また、t−ブトキシカルボニル基で保護された樹脂を用いたレジストは、露光部におけるt−ブトキシカルボニル基の脱離反応時にイソブテンと炭酸ガスが同時に発生するため、他のレジストと比べて、体積収縮が大きくなる欠点があった。さらに、アセタール基を含有する樹脂を用いたレジストは、近年デバイス製造に用いられている窒化シリコンや窒化チタンなどの塩基性基板上でも矩形のパターンが得られ易い利点があるが(例えば、Proc. SPIE Vol.3049, p314 参照)、露光部でのアセタール基の脱離反応時に低沸点のアルデヒドが副生するため、レジストパターンを形成するための光学系を汚染し易いこと、該樹脂がその構造に起因して剛性に乏しくレジストの耐熱性が低くなること、該樹脂中のアセタール基が不安定で長期保存時のハンドリングが難しいことなどの欠点を有している。一方、t−ブチル基で保護されたフェノール樹脂や、t−ブチルエステル構造を含有する樹脂を用いたレジストの場合、体積収縮や光学系の汚染、基板との剥離性、耐熱性、長期保存安定性などの点で、実用性の高いレジストが得られるが、窒化シリコンや窒化チタンなどの塩基性基板や、塩基性化合物を含む有機膜上では、パターン下部の裾切れが悪くなり、プロファイルが劣化するといった問題があった。
さらに、化学増幅型レジストの感放射線性酸発生剤として使用しうるジアゾジスルホン化合物に関して、特開平4−210960号公報に、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルスルホニルシクロヘキシルスルホニルジアゾメタン等のスルホニル基に結合した分岐状または環状のアルキル基を有する化合物が開示されるとともに、該化合物およびヒドロキシスチレン類とt−ブトキシスチレン類との共重合体を含むレジスト材料も提案されている(特開平4−211258号公報)。
しかしながら、これらのジアゾジスルホン化合物およびレジスト材料については、塩基性基板や、塩基性化合物を含む有機膜上におけるパターン下部の裾切れに関して全く検討されていない。
これに対して、デバイスの設計寸法が0.3μm以下と微細になり、線幅制御をより精密に行うことが必要となることから、前述したような諸問題を克服しつつ、特に、塩基性基板や、塩基性化合物を含む有機膜上でも裾引きを生じることのない、より優れた化学増幅型レジストの開発が強く求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来技術における前記状況に鑑み、特定の樹脂成分と特定のジアゾジスルホン化合物とを組み合わせることにより、特にKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザー等に代表される遠紫外線のほか、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線の如き各種の放射線に対して、高感度、高解像性能で、パターン形状に優れ、十分な耐熱性を有し、しかも塩基性基板上でも裾引きを生じることがなく、かつ光学系の汚染源となるようなガスを生成せず、体積収縮が無く、基板との剥離性が良好で、保存安定性に優れた化学増幅型レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は
(A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位とを有する樹脂、並びに
(B)下記式(3)で表されるジアゾジスルホン化合物
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
よって達成される。
【0005】
【化6】
Figure 0003948128
【0006】
〔式(1)において、R1 およびR2 は相互に独立に水素原子またはメチル基を示す。〕
【0007】
【化7】
Figure 0003948128
【0008】
〔式(2)において、R3 は水素原子またはメチル基を示し、R4 はt−ブチル基またはアセチル基を示し、R5 は水素原子またはメチル基を示す。〕
【0009】
【化8】
Figure 0003948128
【0010】
〔式(3)において、R6 およびR7 は相互に独立に1価の有機基を示し、かつR6 およびR7 の少なくとも一方が下記式(4)または式(5)で表される基である。
【0011】
【化9】
Figure 0003948128
【0012】
{式中、R8 〜R11は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基、または−COOR12(但し、R12は直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。)を示し、nは0〜2の整数である。}
【0013】
【化10】
Figure 0003948128
【0014】
{式中、R13〜R20は相互に独立に水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、または直鎖状もしくは分岐状のヒドロキシアルキル基を示し、R21およびR22は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示すか、あるいはR21とR22が相互に結合して式中の炭素原子および酸素原子と共に複素環構造を形成している2価の有機基を示す。}〕
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
本発明における(A)成分は、前記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」という)と前記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」という)とを有する樹脂(以下、「樹脂(A)」という。)からなる。
樹脂(A)において、繰返し単位(1)を与える好ましい単量体としては、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等を挙げることができる。
これらの単量体のうち、特に、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが好ましい。
前記繰返し単位(1)を与える単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
また、繰返し単位(2)を与える好ましい単量体としては、4−t−ブトキシスチレン、3−t−ブトキシスチレン、2−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、3−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、2−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、3−メチル−4−t−ブトキシスチレン、3−メチル−4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−アセトキシスチレン、3−アセトキシスチレン、2−アセトキシスチレン、4−アセトキシ−α−メチルスチレン、3−アセトキシ−α−メチルスチレン、2−アセトキシ−α−メチルスチレン、3−メチル−4−アセトキシスチレン、3−メチル−4−アセトキシ−α−メチルスチレン等を挙げることができる。
これらの単量体のうち、4−t−ブトキシスチレン、3−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−アセトキシスチレン、3−アセトキシスチレン、4−アセトキシ−α−メチルスチレンがさらに好ましく、特に4−t−ブトキシスチレンが好ましい。
前記繰返し単位(2)を与える単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
樹脂(A)において、繰返し単位(1)の含有率は、樹脂(A)中の全繰返し単位に対して、通常、20〜90モル%、好ましくは30〜85モル%、さらに好ましくは40〜80モル%である。この場合、繰返し単位(1)の含有率が20モル%未満では、レジストとしての感度が低下する傾向があり、一方90モル%を超えると、パターン形状が損なわれる傾向がある。
また、繰返し単位(2)の含有率は、樹脂(A)中の全繰返し単位に対して、通常、10〜50モル%、好ましくは15〜45モル%、さらに好ましくは20〜40モル%である。この場合、繰返し単位(2)の含有率が10モル%未満では、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方50モル%を超えると、微細パターンの接着性が低下する傾向がある。
【0018】
樹脂(A)は、場合により、前記繰返し単位(1)および繰返し単位(2)以外の繰返し単位(以下、「他の繰返し単位」という。)を有することもできる。
他の繰返し単位を与える単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、2−メトキシスチレン、4−メトキシ−α−メチルスチレン、3−メトキシ−α−メチルスチレン、2−メトキシ−α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類またはそれらの酸無水物類;前記不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステル、ベンジルエステル、イソボロニルエステル、1−アダマンチルエステル、トリシクロデカニルエステル等のエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の不飽和イミド類等の重合可能なエチレン性不飽和結合を1つ有する単官能性単量体(以下、「他の単官能性単量体」という。)を挙げることができる。
これらの他の単官能性単量体のうち、特に、スチレン、p−メトキシスチレン、イソボロニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート等が好ましい。
前記他の単官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
樹脂(A)において、他の単官能性単量体に由来する繰返し単位の含有率は、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)との合計に対して、50モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは40モル%以下である。
【0019】
さらに、樹脂(A)は、場合により、重合可能なエチレン性不飽和結合を2つ以上有する多官能性単量体を用いて、分岐構造を導入することもできる。このような分岐構造を与える多官能性単量体としては、例えば、特開平8−316888に記載されているような多官能性アクリレート類あるいは多官能性メタクリレート類や、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン等の多官能性芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
前記多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
多官能性単量体として、例えば、1,1−ジメチルエチレングリコールのジアクリレートあるいはジメタクリレートを用いた場合、下記式(6)で表される酸解離性の分岐構造を樹脂(A)に導入することができる。
【0020】
【化11】
Figure 0003948128
【0021】
また、樹脂(A)には、場合により、該樹脂中のフェノール性水酸基とジビニルエーテル化合物とを反応させることにより、アセタール性架橋基による分岐構造を導入することもできる。このような分岐構造を与えるジビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジビニルエーテル等を挙げることができる。
前記アセタール性架橋基による分岐構造の例としては、下記式(7)で表される分岐構造を挙げることができ、該分岐構造も酸解離性を有するものである。
【0022】
【化12】
Figure 0003948128
【0023】
〔式(7)において、Xは2価の有機基を示す。〕
樹脂(A)において、多官能性単量体に由来する繰返し単位および/またはアセタール性架橋基による分岐構造を含む繰返し単位の含有率は、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)との合計に対して、10モル%以下であることが好ましい。
【0024】
樹脂(A)は、例えば、次の方法により製造することができる。
(イ)繰返し単位(1)に対応するヒドロキシスチレン類と繰返し単位(2)に対応するヒドロキシスチレン誘導体類とを、場合により他の単官能性単量体や多官能性単量体と共に、共重合する方法。
(ロ)繰返し単位(2)に対応するヒドロキシスチレン誘導体類を、場合により他の単官能性単量体や多官能性単量体と共に、(共)重合したのち、塩基性触媒を用いて、(共)重合体中のアセトキシ基および/またはt−ブトキシ基を加水分解および/または加溶媒分解する方法。
(ハ)シリル基等の適当な保護基でフェノール性水酸基を保護したヒドロキシスチレン類と、繰返し単位(2)に対応するヒドロキシスチレン誘導体類とを、場合により他の単官能性単量体や多官能性単量体と共に、共重合したのち、保護基を選択的に脱離させる方法。
(ニ)前記(イ)〜(ハ)の方法により得られた樹脂(A)に、ジビニルエーテル化合物を用いてアセタール性架橋基による分岐構造を導入する方法。
前記(イ)の方法における共重合は、例えば、ラジカル重合開始剤等を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の方法により実施することができる。
また、前記(ロ)および(ハ)の方法における共重合は、例えば、(イ)の方法における共重合と同様の方法や、アニオン重合法等により実施することができる。
【0025】
樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、分岐構造をもたない場合、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜40,000である。この場合、樹脂(A)のMwが1,000未満であると、レジストとしたの感度や耐熱性が低下する傾向があり、一方100,000を超えると、現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
また、分岐構造をもたない樹脂(A)において、MwとGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という)との比(Mw/Mn)は、通常、1.0〜3.0、好ましくは1.0〜2.5である。
一方、分岐構造を有する場合、樹脂(A)のMwは、通常、5,000〜500,000、好ましくは7,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜150,000である。この場合、樹脂(A)のMwが5,000未満であると、レジストの解像度が低下する傾向があり、一方500,000を超えると、塗布性が悪化する傾向がある。
また、分岐構造を有する樹脂(A)のMw/Mnは、通常、1.5〜10.0、好ましくは2.0〜5.0である。
本発明において、樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
他の酸解離性基含有樹脂
本発明の感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A)以外の酸解離性基含有樹脂(以下、「他の酸解離性基含有樹脂」という。)を含有することができる。以下、他の酸解離性基含有樹脂について説明する。
他の酸解離性基含有樹脂は、酸解離性基で保護されたアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂からなる。ここで言う「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、他の酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに該樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
他の酸解離性基含有樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有するアルカリ可溶性樹脂、より具体的には、下記する式(8)〜(11)で表される繰返し単位を1種以上有するアルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で置換した構造を有する、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(a)」という。)等を挙げることができる。
【0027】
【化13】
Figure 0003948128
【0028】
〔式(8)において、R23は水素原子またはメチル基を示し、R24はハロゲン原子または炭素数1〜6の1価の有機基を示し、mは0〜3の整数である。〕
【0029】
【化14】
Figure 0003948128
【0030】
〔式(9)において、R25は水素原子またはメチル基を示す。〕
【0031】
【化15】
Figure 0003948128
【0032】
【化16】
Figure 0003948128
【0033】
〔式(11)において、R26〜R30は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。〕
樹脂(a)における酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、4−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−メチルチオベンジル基、3−メチルチオベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−シクロヘキシルチオエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−シクロヘキシルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換プロピル基としては、例えば、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基等を挙げることができる。
【0034】
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0035】
これらの酸解離性基のうち、メトキシメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、t−ブチル基、1−エトキシプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が好ましい。
樹脂(a)における酸解離性基の導入率(樹脂(a)中の酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合)は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%である。
樹脂(a)のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
樹脂(a)は、例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂に1種以上の酸解離性基を導入する方法、酸解離性基を有する1種以上の単量体を(共)重合する方法、酸解離性基を有する1種以上の重縮合成分を(共)重縮合する方法等によって製造することができる。
本発明において、樹脂(a)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
(B)成分
本発明における(B)成分は、前記式(3)で表されるジアゾジスルホン化合物(以下、「ジアゾジスルホン化合物(B)」という。)からなり、露光により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤」という。)として作用する成分である。
式(3)において、R6 およびR7 は、それらの炭素原子がそれぞれ式中の硫黄原子に結合している。
6 およびR7 の前記式(4)で表される基(以下、「脂環式置換基(α)」という。)において、R8 およびR10としては、水素原子、メチル基、シアノ基等が好ましく、R9 およびR11としては、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が好ましく、またnとしては、0または1が好ましい。
【0037】
また、前記式(5)で表される基(以下、「脂環式置換基(β)」という。)において、R13〜R20としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基等が好ましく、R21および
22の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましく、またR21とR22が相互に結合して式中の炭素原子および酸素原子と共に複素環構造を形成している2価の有機基としては、エチレン基、1,2−プロピレン基、2,3−ブチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ブチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が好ましい。
【0038】
さらに、R6 およびR7 の脂環式置換基(α)および脂環式置換基(β)以外の1価の有機基(以下、「他の1価の有機基」という。)としては、例えば、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基あるいはその置換誘導体、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基あるいはその置換誘導体、アリール基あるいはその置換誘導体、アラルキル基あるいはその置換誘導体、ノルボルニル基等を挙げることができる。
【0039】
他の1価の有機基の各置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基、アシル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができ、またアリール基の置換誘導体およびアラルキル基の置換誘導体における置換基としては、さらに、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基等を挙げることができる。
【0040】
式(3)におけるR6 およびR7 の少なくとも一方が脂環式置換基(α)あるいは脂環式置換基(β)であるジアゾジスルホン化合物(B)は、波長248nmにおけるモル吸光係数が相対的に小さいという特徴を有する。また、R6 およびR7 の他の1価の有機基としても、波長248nmにおけるモル吸光係数が相対的に小さい点から、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ノルボルニル基が好ましく、特に、t−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0041】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、後述するように、露光前および/または露光後の焼成温度を120℃〜160℃と、従来のi線レジストなどの焼成温度(70〜120℃程度)に比較して高い温度に設定することにより、特に優れた諸性能を発現する特徴を有するものであり、この特徴を生かすためには、熱分解温度の高いジアゾジスルホン化合物(B)を使用することが好ましい。例えば、熱分解開始温度が約130℃のビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン(この化合物の熱重量−示差熱分析(昇温速度10.0℃/分)の結果を、図1に示す。)は、本発明の感放射線性樹脂組成物におけるジアゾジスルホン化合物(B)として使用することが可能であるが、露光前および/または露光後の焼成温度を130℃以上にすると、未露光部分においても該化合物が一部熱分解するために、露光部とのコントラストが低下し、十分な解像性能や露光量マージンが得られないなどの弊害がおこる場合もある。この点では、例えば、熱分解開始温度が約150℃のビス(1、4―ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン(合成例6参照)や、熱分解開始温度が約160℃のビス(3、3―ジメチル−1、5−ジオキサスピロ[5.5]ドデカン−8−スルホニル)ジアゾメタン(合成例5参照)に代表される脂環式置換基(β)を有するジアゾジスルホン化合物(B)が、耐熱性も高く、特に好ましい化合物として挙げられる。
【0042】
本発明において、ジアゾジスルホン化合物(B)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ジアゾジスルホン化合物(B)の使用量は、他の成分の配合割合や使用条件にもよるが、樹脂(A)100重量部に対して、通常、0.3〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。この場合、ジアゾジスルホン化合物(B)の使用量が0.3重量部未満では、塩基性基板上での裾切れが悪くなり、良好なパターン形状が得られ難くなる傾向があり、一方20重量部を超えると、現像残りを生じやすくなる傾向がある。
【0043】
ジアゾジスルホン化合物(B)以外の酸発生剤成分
本発明においては、酸発生剤成分としてジアゾジスルホン化合物(B)を単独で用いることも可能であるが、オニウム塩化合物を併用する方が、解像性能、感度などの点で好ましい。
このようなオニウム塩化合物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート等のヨードニウム化合物;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート等のスルホニウム化合物等を挙げることができる。
前記オニウム塩化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
オニウム塩化合物の使用量は、他の成分の配合割合や使用条件にもよるが、ジアゾジスルホン化合物(B)に対して、重量比で、0.1〜20倍程度であることが好ましい。
【0044】
また、本発明においては、必要に応じて、ジアゾジスルホン化合物(B)およびオニウム塩化合物以外の酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」という。)をさらに配合することができる。
他の酸発生剤としては、例えば、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物等を挙げることができる。以下に、これらの化合物の例を示す。
スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物:
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等を挙げることができる。
スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物としては、例えば、下記式(12)で表される化合物を挙げることができる。
【0045】
【化17】
Figure 0003948128
【0046】
〔式(12)において、R31 はアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R32 はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。〕
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
【0047】
これらの他の酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の酸発生剤の使用量は、他の成分の配合割合や使用条件にもよるが、ジアゾジスルホン化合物(B)に対して、重量比で、20倍未満であることが好ましい。
他の添加剤
本発明においては、酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、未露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用等を有する酸拡散制御剤をさらに配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして、解像度が向上するとともに、露光後の引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、露光や焼成処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましく、その例としては、式R33R34R35N(但し、R33 、R34 およびR35 は相互に独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有する重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0048】
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることができる。
【0049】
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン等を挙げることができる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0050】
前記アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、2−ベンジルピリジン、4−ベンジルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
【0051】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物が好ましい。また、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリジン類が特に好ましい。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の使用量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、酸拡散制御剤の使用量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の使用量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によっては、パターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0052】
また、本発明においては、必要に応じて、界面活性剤や増感剤を配合することができる。
前記界面活性剤は、組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を示す。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートのほか、市販品として、エフトップEF301,EF303,EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171,F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,SCー101,SCー102,SCー103,SCー104,SCー105,SCー106(旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,No.95(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の使用量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
【0053】
前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達することにより、露光による酸の生成量を増加する作用を示すもので、レジストとしての見掛けの感度を向上させる効果を有する。
好ましい増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
増感剤の使用量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、50重量部以下である。
また、染料および/または顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、前記以外の添加剤として、4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等のハレーション防止剤、溶解制御剤、形状改良剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することもできる。
【0054】
溶剤
本発明の感放射線性樹脂組成物は、その使用に際して、全固形分の濃度が、例えば、通常、2〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となるように、溶剤に均一に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル等の乳酸エステル類;
ぎ酸n−アミル、ぎ酸i−アミル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸i−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
γ−ブチロラクトン等のラクトン類
等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0055】
レジストパターンの形成
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述したようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め70〜160℃程度の温度で焼成処理(以下、「プレベーク」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。
その際に使用される放射線としては、酸発生剤の種類に応じて、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線等を適宜選択して使用されるが、好ましくは遠紫外線あるいは荷電粒子線である。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、解像度、現像性、パターン形状、PED安定性等に優れ、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成するために、露光後に70〜160℃程度の温度、特に120〜160℃の温度で30秒以上焼成処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行うことが好ましい。この場合、露光後ベークの加熱温度が70℃未満であると、PED安定性が低下する傾向があり、特に120〜160℃の温度で露光後ベークを行うことにより、PED安定性、解像度、パターン形状等に優れた効果を達成することができる。
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液により、通常、10〜50℃、30〜200秒の条件で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物;アンモニア水;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルキルアミン類;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルカノールアミン類;複素環式アミン類;テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類;コリン;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を、通常、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適量添加することもできる。
このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
なお、レジストパターンを形成する際に、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
樹脂(A)の合成
合成例1
4−t−ブトキシスチレン300g、アゾビスイソブチロニトリル2gを、ジオキサン300gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を60℃に保持して、16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のメタノール中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。次いで、精製樹脂に、再度ジオキサン600gを加えたのち、希硫酸を加えて、60℃で1時間加水分解反応を行った。反応後、樹脂溶液を分液ロートに移し、これに大量の酢酸エチルと水を加えて十分に振り混ぜたのち、静置することにより、酢酸エチル層(上層)と水層(下層)とに分離させて、水層を廃棄する操作を、分離した水層が完全に中性になるまで繰り返した。次いで、樹脂溶液を減圧下で乾固し、得られた樹脂をアセトンに再溶解したのち、樹脂溶液を大量の水中に滴下することにより、樹脂を凝固させ、生成した白色粉末状の樹脂をろ過したのち、減圧下50℃で一晩乾燥した。
この樹脂は、Mwが18,000、Mw/Mnが1.75であり、13C−NMRにより分析した結果、4−ヒドロキシスチレンと4−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が、65:35であった。この樹脂を、樹脂(A-1)とする。
【0057】
合成例2
4−アセトキシスチレン162g、アゾビスイソブチロニトリル4g、t−ドデシルメルカプタン0.2gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、24時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。次いで、精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル100gを加えたのち、メタノール200g、トリエチルアミン100g、水30gを加えて、沸点にて還流させつつ、70分間加水分解反応を行なった。反応後、溶媒およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
この樹脂は、Mwが11,000、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとp−アセトキシスチレンとの共重合モル比が、65:35であった。この樹脂を、樹脂(A-2)とする。
【0058】
樹脂(a)の合成
合成例3
4−アセトキシスチレン107g、t−ブチルメタクリレート50g、アゾビスイソブチロニトリル6g、t−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。次いで、精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えたのち、メタノール300g、トリエチルアミン80g、水15gを加えて、沸点にて還流させつつ、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶媒およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
この樹脂は、Mwが12,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合モル比が、64:36であった。この樹脂を、樹脂(a-1)とする。
【0059】
合成例4
4−アセトキシスチレン100g、t−ブチルアクリレート25g、スチレン18g、アゾビスイソブチロニトリル6g、t−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル230gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。次いで、精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えたのち、メタノール300g、トリエチルアミン80g、水15gを加えて、沸点にて還流させつつ、8時間加水分解反応を行った。反応後、溶媒およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
この樹脂は、Mwが11,500、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとt−ブチルアクリレートとスチレンとの共重合モル比が、61:19:20であった。この樹脂を、樹脂(a-2)とする。
【0060】
ジアゾスルホン化合物(B)の合成
合成例5
2−シクロヘキセン−1−オン50g(0.52モル)を容量300ミリリットルのフラスコに入れ、水冷下、チオ酢酸40g(0.52モル)を内温が上昇しないように注意しながらゆっくり滴下して、6時間反応させたのち、82〜88℃および0.3〜0.5mmHgの条件下で減圧蒸留を行って、チオ酢酸エステル74gを得た。
次いで、このチオ酢酸エステル17.2g(0.1モル)を塩化メチレン80ミリリットルに溶解し、p−トルエンスルホン酸1.9g(0.01モル)、2,2−ジメチルプロパンジオール−1,3 17g(約0.2モル)を加え、室温で12時間攪拌したのち、トリエチルアミン1.5ミリリットルを加えて、塩化メチレンを減圧留去した。その後、10重量%食塩水200gを加えて攪拌したのち、反応生成物をn−ヘキサンで抽出し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過し、n−ヘキサンを減圧留去し、さらに室温で24時間減圧乾燥を行って、ケタール化合物14gを得た。
次いで、このケタール化合物5gをメタノール45ミリリットルに溶解したのち、ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液1ミリリットルを加え、室温で3時間攪拌して、チオエステル部分の加水分解反応を行った。その後、純水30ミリリットルを加え、メタノールを減圧留去して、pH1〜3になるまで3N−塩酸を加えたのち、反応生成物を塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過し、n−ヘキサンを減圧留去して、チオール化合物4gを得た。
次いで、このチオール化合物3gを塩化メチレン15ミリリットルに溶解して、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド160mg、水酸化ナトリウム1.5g、水15ミリリットルを加え、室温で1時間攪拌したのち、有機層を取り出し、10重量%塩化アンモニウム水溶液50ミリリットルで洗浄した。その後、有機層を取り出し、塩化メチレンを減圧留去して、ビスチオメタン化合物5gを得た。
次いで、このビスチオメタン化合物3gと酢酸アンモニウム2gをエタノール20ミリリットル中に混合し、タングステン酸ナトリウム1水和物60mgと31重量%過酸化水素水2gを加えて、80℃で2時間攪拌し、さらにジオキサン10ミリリットルを加えて80℃で6時間攪拌して、酸化反応を行った。その後、純水50ミリリットルを加えて冷却したのち、ろ過して、ビススルホニルメタン化合物3gを得た。
次いで、このビススルホニルメタン化合物150mgをアセトニトリル4ミリリットルに溶解して、トリエチルアミン1ミリリットルとp−トルエンスルホンアジド300mgを加え、室温で4時間攪拌したのち、アセトニトリルを減圧留去し、メタノール2ミリリットルを加えて、5℃の冷蔵庫に1週間静置して、下記式(13)で表されるジアゾジスルホン化合物(B-1)3gを白色固体として得た。
ジアゾジスルホン化合物(B-1)の 1H−NMR測定(90MHz、6重水素化ジメチルスルホキシド)による化学シフト(ppm)は、3.54(s,4H, Hb) 、3.45(s,4H, Hc) 、3.40(m,2H, Ha) 、2.60〜1.10(m,16H,シクロヘキシル部分の他の水素原子)、0.95(s,6H, Hd) 、0.90(s,6H, He) であり、FAB(高速原子衝撃法)質量分析値(m+H+ ) は、535であった。前記 1H−NMR測定における各水素原子Ha〜Heの位置は、下記式(14)に示すとおりである。
【0061】
【化18】
Figure 0003948128
【0062】
【化19】
Figure 0003948128
【0063】
ジアゾジスルホン化合物(B-1)の熱重量−示差熱分析(昇温速度10.0℃/分)の結果を、図2に示す。
【0064】
合成例6
2−シクロヘキセン−1−オン50g(0.52モル)を容量300ミリリットルのフラスコに入れ、水冷下、チオ酢酸40g(0.52モル)を内温が上昇しないように注意しながらゆっくり滴下して、6時間反応させたのち、82〜88℃および0.3〜0.5mmHgの条件下で減圧蒸留を行って、チオ酢酸エステル74gを得た。
次いで、このチオ酢酸エステル17.2g(0.1モル)を塩化メチレン80ミリリットルに溶解し、p−トルエンスルホン酸1.9g(0.01モル)、エチレングリコール10g(約0.2モル)を加え、室温で12時間攪拌したのち、トリエチルアミン1.5ミリリットルを加えて、塩化メチレンを減圧留去した。その後、10重量%食塩水200gを加えて攪拌したのち、反応生成物をn−ヘキサンで抽出し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過して、n−ヘキサンを減圧留去し、さらに室温で24時間減圧乾燥を行って、ケタール化合物10gを得た。
次いで、このケタール化合物5gをメタノール45ミリリットルに溶解したのち、ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液1ミリリットルを加え、室温で3時間攪拌して、チオエステル部分の加水分解を行った。その後、純水30ミリリットルを加え、メタノールを減圧留去して、pH1〜3になるまで3N−塩酸を加えたのち、反応生成物を塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過し、n−ヘキサンを減圧留去して、チオール化合物3gを得た。
次いで、合成例7と同様にして、このチオール化合物を塩化メチレンと反応させて、ビスチオメタン化合物5gを得たのち、酸化反応およびジアゾ化反応を行って、下記式(15)で表されるジアゾジスルホン化合物(B-2)3gを白色固体として得た。
ジアゾジスルホン化合物(B-2)の 1H−NMR測定(90MHz、6重水素化ジメチルスルホキシド)による化学シフト(ppm)は、3.90(s,8H, HbおよびHc) 、3.56(m,2H, Ha) 、2.30〜1.30(m,16H,シクロヘキシル部分の他の水素原子)であり、FAB(高速原子衝撃法)質量分析値(m+H- ) は、451であった。前記 1H−NMR測定における各水素原子Ha〜Hcの位置は、下記式(16)に示すとおりである。
【0065】
【化20】
Figure 0003948128
【0066】
【化21】
Figure 0003948128
【0067】
ジアゾジスルホン化合物(B-2)の熱重量−示差熱分析(昇温速度10.0℃/分)の結果を、図3に示す。
【0068】
合成例7
ジシクロペンタジエン360g、メチルメタクリレート700g、トルエン2500gを容量5リットルのオートクレーブに投入し、2,6−ジ−t―ブチルカテコール5000ppmを加えて、窒素雰囲気下、140℃で5時間反応させ、引き続き170℃で5時間反応させて、常法に従いディールス−アルダー反応を行ったのち、冷却した。その後、反応原料、トリシクロペンタジエン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NM)および8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]ドデカ−3−エン等の混合物である反応生成物から精密蒸留装置を用いて各成分に分離して、NM200gを得た。
次いで、NM100gをメタノール300gに溶解し、20〜30℃で2時間硫化水素ガスを吹き込んで反応させたのち、得られた液状物を90〜93℃および6トルの条件下で減圧蒸留して、2−メルカプト−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NM−SH)60gを無色油状物として得た。別に、4M塩酸/1,4−ジオキサン混合溶液(アルドリッチ社製)55ミリリットルに、パラホルムアルデヒド4.4gを加えたのち、先に得たNM−SH22gを加えて、室温で30分間攪拌した。その後、水600ミリリットルを加えたのち、ジエチルエーテルで反応生成物を抽出し、このジエチルエーテル溶液を、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧下室温で溶媒を除去して、モノクロロ体22gを得た。
次いで、このモノクロロ体12gを精製せずにそのままエタノールに溶解したのち、攪拌しながら、水酸化カリウム2.3g、シクロヘキサンチオール4.5ミリリットルおよびメタノール30ミリリットルの混合溶液を滴下して、ビスチオメタン化合物を合成し、その30分後、エタノール200ミリリットルを加えたのち、酢酸で反応液のpHを約7に調整した。その後、このエタノール溶液に酢酸アンモニウムgとタングステン酸ナトリウム0.72gを加えたのち、室温で攪拌しながら、31重量%過酸化水素24gを滴下した。その後、反応温度を80℃に上げて5時間攪拌し、さらに31重量%過酸化水素24gを加えて、5時間反応をさせたのち、室温に戻して、水300ミリリットルを加えた。その後、分離した油状の有機層を取り出して、ジクロロメタン50gに溶解したのち、10重量%炭酸ナトリウム水溶液200ミリリットルで洗浄し、室温で真空乾燥して、ビススルホニルメタン化合物8gを固体として得た。
別に、p−カルボキシベンゼンスルホン酸アジド2.5gとトリエチルアミン5ミリリットルをアセトニトリル30ミリリットルに溶解したのち、先に得たビススルホニルメタン化合物2.6gを加えて、室温で4時間攪拌した。その後、水250ミリリットルを加え、析出した油層を取り出し、溶媒を減圧下で留去して、10重量%炭酸ナトリウム水溶液100ミリリットルで洗浄し、室温で減圧濃縮して全量を10ミリリットルとしたのち、シリカゲルカラムを用いて精製した。その後、得られた溶液を室温で一晩減圧乾燥して、下記式(17)で表されるジアゾジスルホン化合物(B-3)1gを無色半固形物として得た。
【0069】
【化22】
Figure 0003948128
【0070】
実施例1〜9、比較例1〜3
表1(但し、部は重量に基づく。)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。
次いで、各組成物溶液を、シリコンウエハー上に回転塗布し、表2に示す温度と時間にてプレベークを行って、膜厚0.7μmのレジスト被膜を形成した。その後、このレジスト被膜に、(株)ニコン製KrFエキシマレーザー照射装置(商品名 NSR−2205 EX12B)を用い、KrFエキシマレーザー(波長248nm)をマスクパターンを介し露光量を変えて露光した。また一部の実施例では、KrFエキシマレーザーに替えて、簡易型の電子線直描装置(50KeV)を用い、電子線をマスクパターンを介し露光量を変えて露光した。露光後、表2に示す温度と時間にて露光後ベークを行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として用い、23℃で60秒間現像したのち、水で30秒間洗浄し、乾燥して、レジストパターンを形成させた。
各実施例および比較例の評価結果を、表3に示す。
【0071】
ここで、各レジストの評価は、下記の要領で実施した。
感度
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光量を変えて露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度
最適露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。
パターン形状
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmの1L1Sの方形状断面の下辺の寸法La と上辺の寸法Lb とを、走査型電子顕微鏡を用いて測定して、
0.85≦Lb /La ≦1
を満足するものを、パターン形状が「良」であるとし、この条件を満たさないものを、パターン形状が「不可」であるとした。
裾引き
最適露光量で露光してシリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmの1L1Sのパターン形状が「良」となる組成物について、窒化シリコン基板を用いて同様にしてレジストパターンを形成し、得られた線幅0.25μmの1L1Sの方形状断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察して、図4に示すLcとLdを測定し、Lc/Ld<0.05を満たす場合を、裾引きが「良」とし、この条件を満たさない場合を、裾引きが「不可」であるとした。
【0072】
樹脂(A-1) 〜(A-2) 、樹脂(a-1) 〜(a-2) およびジアゾジスルホン化合物(B-1) 〜(B-3) 以外の各実施例および比較例で用いた各成分は、下記の通りである。
樹脂(a)
a-3:ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の34モル%が1−エトキシエチル基で置換された樹脂(Mw=9,000)
a-4:ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の26モル%がt−ブトキシカルボニル基で置換された樹脂(Mw=8,000)
他の酸発生剤
b-1:ビス(4−t −ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート
b-2:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
b-3:ビス(4−t −ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート
b-4:トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート
b-5:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド
溶解制御剤
C-1:2,2−ビス(4−t−ブトキシフェニル)プロパン
酸拡散制御剤
D-1:ジシクロヘキシルメチルアミン
D-2:トリ−n−オクチルアミン
D-3:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
D-4:2−フェニルベンズイミダゾール
D-5:2−ベンジルピリジン
溶剤
E-1:乳酸エチル
E-2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0073】
【表1】
Figure 0003948128
【0074】
【表2】
Figure 0003948128
【0075】
【表3】
Figure 0003948128
【0076】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特にKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザー等に代表される遠紫外線のほか、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線の如き各種の放射線に対して、高感度、高解像性能で、パターン形状に優れ、十分な耐熱性を有し、しかも塩基性基板上でも裾引きを生じることがないのみならず、光学系を汚染することがなく、体積収縮が無く、かつ基板との剥離性が良好で、保存安定性に優れている。したがって、本発明の感放射線性樹脂組成物は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンの熱重量−示差熱分析の結果を示す図である。
【図2】ビス(3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ [5.5] ドデカン−8−スルホニル)ジアゾメタンの熱重量−示差熱分析の結果を示す図である。
【図3】ビス(1,4−ジオキサスピロ [4.5] デカン−7−スルホニル)ジアゾメタンの熱重量−示差熱分析の結果を示す図である。
【図4】レジストパターンの裾引きの評価要領を説明する図である。

Claims (1)

  1. (A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位とを有する樹脂、並びに
    (B)下記式(3)で表されるジアゾジスルホン化合物
    を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0003948128
    〔式(1)において、R1 およびR2 は相互に独立に水素原子またはメチル基を示す。〕
    Figure 0003948128
    〔式(2)において、R3 は水素原子またはメチル基を示し、R4 はt−ブチル基またはアセチル基を示し、R5 は水素原子またはメチル基を示す。〕
    Figure 0003948128
    〔式(3)において、R6 およびR7 は相互に独立に1価の有機基を示し、かつR6 およびR7 の少なくとも一方が下記式(4)または式(5)で表される基である。
    Figure 0003948128
    {式中、R8 〜R11は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基、または−COOR12(但し、R12は直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。)を示し、nは0〜2の整数である。}
    Figure 0003948128
    {式中、R13〜R20は相互に独立に水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、または直鎖状もしくは分岐状のヒドロキシアルキル基を示し、R21およびR22は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示すか、あるいはR21とR22が相互に結合して式中の炭素原子および酸素原子と共に複素環構造を形成している2価の有機基を示す。}〕
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