JP3946420B2 - 圧延機及び圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静圧軸受支持ローラ方式のクーラント除去装置を備えた圧延機及び圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延機の作業ロールは、圧延材からの塑性変形による加工熱と圧延材とロールとの間に発生する摩擦熱などのために、圧延中は絶えず加熱される。この作業ロールの温度が高くなると、圧延精度が低下するばかりでなく、圧延材とロールの焼き付きが生じ、製品の表面品質が低下する。したがってこの作業ロールの過度の温度上昇を防止するために、通常、作業ロール表面にクーラント(圧延油)を噴射供給して冷却及び潤滑を行っている。
【0003】
ここで、圧延機で圧延された圧延材は、最終的には巻き取り装置に備えられた巻き取りローラにコイル状に巻き取られる。このとき、圧延材の表面に上記クーラントが付着残存したままだと、巻き取りローラと圧延材との間に滑りが生じて軸方向に巻きずれ(テレスコピック)が発生する。
【0004】
そこで、通常、圧延機の作業ロールと巻き取り装置との間にクーラント除去装置が設けられ、圧延材表面に付着したクーラントを除去するようになっている。このクーラント除去装置は、以前より用途や圧延材の種類等に応じて種々のものが提唱されており、例えば、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式がある。
【0005】
このチューブワイパー方式は、例えば特開平11−47817号公報に記載されているように、圧延材の上下面に接触矜持するようにホース(主としてゴム材からなる)をホルダーにて取り付け支持したものである。この方式では圧延材の板厚が変化しても、ある程度までホースの変形により、追従できるので、ワイピング後に圧延材表面に残存するクーラントの量(残油量という)を少なくすることができるようになっている。このとき特開平9−225521号公報記載のように、チューブの代わりにワイピングパッドを用いる場合もある。また、ゴム製又は金属製のクーラント除去ロール(水切りロール)を圧延材表面上で転動させてクーラントを除去するローラ方式等もある。
【0006】
上記特開平9−225521号ではこのローラ方式も開示されており、圧延材の板厚に応じてワイピングパッド方式とローラ方式とを使い分けるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては以下のような課題が存在する。
すなわち、チューブワイパー方式では、その構造上、ホースの消耗が激しいためその交換頻度が高く、また摩耗粉等が発生しその摩耗粉が板表面に付着するため厚延材表面品質の向上が困難であった。特に、板の通板速度が高速の領域では、すぐにホース表面が摩耗あるいは荒れて凹凸形状となる傾向にあって表面品質に影響を及ぼしたり、板幅方向に不均一な残油量分布となることによって後工程に影響を及ぼす場合があるため、一般には高速領域での使用には不向きであり、例えばある速度以上になると事実上使用不可能となる限界速度が存在していた。また、ワイピングパッド方式もほぼ同様の課題があった。
【0008】
一方、ローラ方式は上記のような摩耗の懸念はなく、高速領域においても使用可能であるが別の課題が存在する。つまりローラ方式は、上下一対のクーラント除去ローラで圧延材を挟み込んで通板させるとき圧延材上を流れてきたクーラントをクーラント除去ローラ表面で跳ね返らせ、その反発力を利用してクーラント除去を行うが、低速領域(特に極低速領域)では、上記反発力が小さくなって急激にクーラント除去性能が低下するため残油量が著しく増大する場合がある。
【0009】
ここで、通常の圧延の操業においては圧延条件や圧延材によって圧延速度は低速〜高速までの広範囲で操業される場合が多く、また主として高速で圧延される場合でも起動時には速度ゼロの状態から加速して高速領域に移行させることとなり、必ず極低速領域や低速領域を通過しなければならない。しかしながら、上記従来技術では前述したように、低速〜高速の全領域で良好なクーラント除去特性を確保するのは困難であった。
【0010】
また、特開平9−225521号公報においてもローラ方式とワイパーパッド方式の切り換えは圧延材の板圧のみによって行い、圧延速度が高速領域か低速領域かに応じて切り換えを行うものではないため、上記と同様、低速〜高速の全領域で良好なクーラント除去特性を確保するのは困難であった。
【0011】
本発明の目的は、圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域で良好なクーラント除去特性を確保できる圧延機及び圧延方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備え、圧延材を一方向にパスさせて圧延を行う圧延機において、圧延方向で見て少なくとも前記作業ロールの出側に位置し、クーラント除去ローラで前記圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の第1クーラント除去装置と、少なくとも前記出側に位置し、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の第2クーラント除去装置と、少なくとも圧延材の通板速度に応じて、前記第1及び第2クーラント除去装置について、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御する第1制御手段とを有する。
【0013】
通常の圧延の操業においては圧延条件や圧延材によって圧延速度は低速〜高速までの広範囲で操業される場合が多く、また主として高速で圧延される場合でも起動時には速度ゼロの状態から加速して高速領域に移行させることとなり、必ず極低速領域や低速領域を通過しなければならない。
【0014】
そこで、本発明においては、ローラ方式の第1クーラント除去装置と、チューブワイパー方式の第2クーラント除去装置とを圧延材の通板速度に応じて、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御し、具体的には、例えば圧延速度が所定速度を超えて高速領域となったら、第2クーラント除去装置を非作動状態とし、第1クーラント除去装置を作動状態とする。
【0015】
すなわち、上記の所定速度を超えた高速領域では第2クーラント除去装置を非作動状態とすることにより、ホース表面の摩耗等による表面品質への影響や板幅方向残油量分布の不均一化による後工程への影響等を回避することができ、上記所定速度までの低速領域では第2クーラント除去装置を作動状態とすることにより、第1クーラント除去装置に関してのクーラント除去ローラ表面におけるクーラント反発力の低下によるクーラント除去性能低下という弱点を補うことができる。これにより、圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域で良好なクーラント除去特性を確保できる。
【0016】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1制御手段は、少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに、前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とする。
【0017】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備え、圧延材を前記作業ロールの前後に複数回往復してパスさせて圧延を行う可逆式の圧延機において、前記作業ロールの前後にそれぞれ位置し、クーラント除去ローラで前記圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の2つの第1クーラント除去装置と、前記作業ロールの前後にそれぞれ位置し、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の2つの第2クーラント除去装置と、少なくとも圧延材の通板速度及び圧延方向に応じて、前記第1及び第2クーラント除去装置について、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御する第2制御手段とを有する。
【0018】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記第2制御手段は、圧延方向で見て前記作業ロールの入側においては前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とし、圧延方向で見て前記作業ロールの出側においては少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに、前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とする。
【0019】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記第1クーラント除去装置は、前記クーラント除去ローラの胴部を流体を介して支持する静圧軸受を備えた静圧軸受支持ローラ方式とする。
【0020】
ローラ方式のクーラント除去装置においては、一般に、クーラント除去ローラが小径であるほどクーラント除去(水切り)性能が高い。しかし、圧延材表面で転動するクーラント除去ローラは、その径が小さくなればなるほど所定圧延速度(すなわち、クーラント除去ローラの周速度)に対する回転数が増大し、軸受(ベアリング)への負荷が増大するので軸受の交換周期が短くなり生産性が低下する。通常の軸方向両端でのみ軸受(ベアリング)で支持する構造の場合、小径であるほどクーラント除去ローラそのものの剛性が下がるため小径化には限界があり、この結果クーラント除去性能の向上にも限界がある。
【0021】
そこで、本発明においては、圧縮空気を介してクーラント除去ローラの胴部を軸方向全長に渡って非接触状態で(ギャップをもって)浮上させて支持する静圧軸受支持方式とすることにより、上記通常のベアリング支持構造よりもさらに小径化が可能となるので、クーラント除去性能を向上できる。したがって、第1クーラント除去装置のクーラント除去性能を向上できる分、圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域でさらに良好なクーラント除去特性を確保できる。
【0022】
(6)上記目的を達成するために、本発明は、上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備えた圧延機を用いた圧延方法において、圧延方向で見て少なくとも前記作業ロールの出側にクーラント除去ローラで圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の第1クーラント除去装置及びゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の第2クーラント除去装置を配置し、少なくとも圧延材の通板速度に応じ、前記第1及び第2のクーラント除去装置についてのクーラント除去作業を行う作動状態とクーラント除去作業を行わない非作動状態とを切り換えて圧延を行う。
【0023】
(7)上記(6)において、好ましくは、少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに前記第1クーラント除去装置を前記作動状態として圧延を行う。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の圧延機の第1の実施の形態の全体構造を表す概略構成図である。この図1において、本実施の形態の圧延機は、圧延材1を上下一対の作業ロール2a,2bに対して複数回往復パスさせて直接圧延する可逆式の圧延機であり、圧延材1のパスライン上において、この作業ロール2a,2bを中心として略左右(図1中左右)対称に各機構が設けられている。すなわち、作業ロール2a,2bの両側において作業ロール2a,2bから近い順に、クーラント(圧延油)を上記作業ロール2a,2bに噴射するクーラント噴射装置3a,3bと、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bと、チューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bと、圧延材1の搬送方向を転換しそれぞれ2つ1組で構成されたデフレクトロール6a,6bと、圧延材1の巻き取り・巻き出しを行うリール7a,7bとを備えている。
【0025】
上記上下一対の作業ロール2a,2bは、圧延材1を挟持回転させて直接圧延するものであり、上下一対の中間ロール8a,8b及び上下一対の補強ロール9a,9bにより鉛直方向から支持され、いわゆる6段圧延機の一部を構成している。また、繁雑防止のため特に図示しないが、中間ロール8a,8b及び補強ロール9a,9bとともに、それぞれ両端を鉛直方向に油圧シリンダを備えたロールチョックを介してハウジングに支持されており、その油圧シリンダの伸縮により作業ロール2a,2bの胴部と圧延材1との距離が調節されるようになっている。また、図1に示すように、作業ロール2bが圧延機モータ10により回転駆動し、ギア11a,11bによりその駆動力が作業ロール2aにも伝達されるようになっている。
【0026】
クーラント噴射装置3a,3bは、それぞれ上記作業ロール2a,2bの両側に設けられ、クーラント供給装置(図示せず)から供給されたクーラントをそれぞれ作業ロール2a,2bの胴部表面に噴射し、作業ロール2a,2bの表面温度上昇を抑制するようになっている。
【0027】
上記ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bは静圧軸受支持構造のクーラント除去装置であり、それぞれ上下一対のクーラント除去ローラ12a,12bと、これらクーラント除去ローラ12a,12bを支持する静圧軸受13a,13bと、この静圧軸受13a,13bを圧延材1に押しつける押し付け手段としての油圧シリンダ14a,14bとを有している。
【0028】
静圧軸受13a,13bの内周面は半円筒型に形成されており、クーラント除去ローラ12a,12bがこの内周面に遊嵌されている。また、静圧軸受13a,13bの内周面には、軸方向に複数の微小のオリフィス(図示せず)が設けられており、例えばコンプレッサー(図示せず)から供給された圧縮空気をこのオリフィスを通じてクーラント除去ローラ12a,12bの胴部に噴射することで、クーラント除去ローラ12a,12bを静圧軸受13a,13bから(すなわち静圧軸受13a,13bの内周面から)浮上させて圧縮空気を介して非接触状態で(ギャップをもって)支持するようになっている。そして、クーラント除去ローラ12a,12bの胴部の露出している側(クーラント除去ローラ12aは下側、クーラント除去ローラ12bは上側)を圧延材1の表面に当接させることにより、クーラント除去ローラ12a,12bが回転しながら圧延材1の表面に付着したクーラントを拭き取るようになっている。
【0029】
また、図1に示すように、静圧軸受13a,13bは、それぞれ上記油圧シリンダ14a,14bのロッドの先端に取り付けられ、このロッドの伸縮により静圧軸受13a,13bと圧延材1との間の距離が調整され、これによってクーラント除去ローラ12a,12bの圧延材1に対する押し付け力が調整されるようになっている。
【0030】
また、油圧シリンダ14a,14bは、油圧駆動源としての油圧ポンプ15からの圧油がコントロールバルブ16a,16bを介してボトム側又はロッド側のチャンバに供給されることにより伸縮するようになっている。繁雑防止のため詳細は図示しないが、コントロールバルブ16a,16bは、例えば、両端にソレノイド(図示せず)を有する電磁比例弁型の3位置切換弁である。すなわち、コントローラ17からソレノイドに入力される指令信号に応じて切り換えられて油圧ポンプ15からの圧油の方向及び圧力を制御するようになっている。
【0031】
上記チューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bは、図1中に拡大して示したように、それぞれ上下一対の、例えばゴム等の弾性材料からなるチューブ18a,18bと、このチューブ18a,18bを把持するホルダ19a,19bと、このホルダ19a,19bを(すなわち、チューブ18a,18bを)圧延材1に押しつける押し付け手段としての油圧シリンダ20a,20bとを有している。
【0032】
ホルダ19a,19bの内面には、上記のチューブ18a,18bの胴部を確実に把持するとともに、チューブ18a,18bの胴部がホルダ19a,19bから所定高さをもって露出するような所定の幅と深さの断面を持つ溝19Aが軸長方向(圧延材1の板幅方向)に渡って形成されており、チューブ18a,18bの胴部の露出している側(チューブ18aは下側、チューブ18bは上側)を圧延材1の表面に当接させることにより、チューブ18a,18bが圧延材1に摺接して表面に付着したクーラントを拭き取るようになっている。
【0033】
また、図1に示すように、ホルダ19a,19bは、それぞれ上記油圧シリンダ20a,20bのロッドの先端に取り付けられ、このロッドの伸縮によりホルダ19a,19bと圧延材1との間の距離が調整され、これによってチューブ18a,18bの圧延材1に対する押し付け力が調整されるようになっている。
【0034】
また、油圧シリンダ20a,20bは、上記油圧シリンダ14a,14b同様、油圧駆動源としての油圧ポンプ15からの圧油がコントロールバルブ21a,21bを介してボトム側又はロッド側のチャンバに供給されることにより伸縮するようになっている。同じく繁雑防止のため詳細は図示しないが、コントロールバルブ21a,21bは、例えば、両端にソレノイド(図示せず)を有する電磁比例弁型の3位置切換弁であり、上記コントローラ17からソレノイドに入力される指令信号に応じて切り換えられて油圧ポンプ15からの圧油の方向及び圧力を制御するようになっている。
【0035】
リール7a,7bは、それぞれ圧延機のパスライン前後両端(図1中左右両端)に位置し、それぞれリール用駆動モータ(図示せず)により回転駆動して上記作業ロール2a,2bにより圧延された圧延材1をコイル状に巻き取り、あるいは巻き出すようになっている。すなわち、圧延方向が図1中左から右方向の場合、リール7bから巻き出された圧延材1が作業ロール2a,2bにより圧延され、リール7aにより巻き取られ、その後圧延方向が図1中右から左方向になった場合、リール7aから巻き出された圧延材1が作業ロール2a,2bによりさらに圧延され、リール7bにより巻き取られるようになっている。
【0036】
また、作業ロール2a,2bにより圧延された圧延材1を直接リール7a又は7bで巻き取る場合、圧延操業の進展とともにこのリール7a又は7bに巻き取られている圧延材コイルの径が大きくなり、作業ロール2a,2bによる圧延位置とリール7a,7bによる巻取り・巻き出し位置の位置関係が変化することになるが、作業ロール2a,2bとリール7a,7bの間にそれぞれ設けられたデフレクトロール6a,6bにより、圧延材コイルの径に関わらず上記位置関係を一定に保つようになっている。なお、繁雑防止のため特に図示しないが、リール7a,7bには所定の圧延速度で圧延するために、圧延材コイルの径の変化に応じてリール7a,7bの回転速度を制御するリール駆動制御装置がそれぞれ設けられている。
【0037】
以上のような基本構成の圧延機において、本実施の形態の最も大きな特徴は、圧延速度(圧延材1の通板速度)に応じて上記のコントローラ17が上記ローラ方式のクーラント除去装置4a,4b及びチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bの作動状態、非作動状態を制御することである。
【0038】
図1に示すように、上記の圧延機モータ10には、その回転数を検出する速度検出器(回転数検出器)22が設けられており、この回転数検出器22からの検出信号によりコントローラ17は常時圧延速度を認識するようになっている。また、図1に示すように、コントローラ17は、例えば上記回転数検出器22からの検出信号を入力する入力部(図示せず)と、この入力部を介して入力されたアナログの検出信号をデジタル信号化するA/D変換器17aと、制御に必要な定数(しきい値等)を格納するROM17bと、このROM17bに格納された定数と上記A/D変換器17aからのデジタル信号とを比較演算するCPU17cと、このCPU17cの演算結果に基づきアナログ信号を生成するD/A変換器17dと、このD/A変換器17dからのアナログ信号を上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21bの各ソレノイド(図示せず)、あるいは上記圧延機モータ10に指令信号(後述)として出力する増幅器(図示せず)とで構成されている。
【0039】
すなわち、ROM17bには予め圧延材1の通板速度(圧延速度)に対し、例えば、低速領域、中速領域、高速領域等の速度区分を区分する所定のしきい値S1,S2(後述)が設定されており、CPU17cは、回転数検出器22からの検出信号(A/D変換器17aでデジタル化された信号)から割り出された圧延速度と上記しきい値S1,S2とを常時比較演算し、その時点での圧延速度がどの速度区分にあるかを認識する。また、速度区分を認識したら、CPU17cは、それに応じて所定の指令信号(後述)を生成し、D/A変換器17d、増幅器(図示せず)を介して上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21bの各ソレノイド(図示せず)、あるいは上記圧延機モータ10に出力するようになっている。
【0040】
上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21bは上記指令信号に応じて、油圧シリンダ14a,14b及び20a,20bを制御し、クーラント除去装置4a,4b及び5a,5bをクーラント除去ローラ12a,12bあるいはチューブ18a,18bを圧延材1に当接させてクーラント除去作業を行う作動状態と、クーラント除去ローラ12a,12bあるいはチューブ18a,18bを圧延材1から離しててクーラント除去作業を行わない非作動状態とを切り換えるようになっている。
【0041】
なお、以上において、クーラント除去装置4a,4bが特許請求の範囲各項記載のクーラント除去ローラの胴部を流体を介して支持する静圧軸受を備えた静圧軸受支持ローラ方式であり、圧延方向で見て少なくとも前記作業ロールの出側に位置し、クーラント除去ローラで前記圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の第1クーラント除去装置を構成し、クーラント除去ローラ5a,5bが少なくとも前記出側に位置し、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の第2クーラント除去装置を構成する。
【0042】
また、コントローラ17が少なくとも圧延材の通板速度(及び圧延方向)に応じて、前記第1及び第2クーラント除去装置について、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御する第1(第2)制御手段を構成する。
【0043】
次に、本実施の形態の圧延機の基本動作を以下に説明する。
上記構成の圧延機において、圧延を開始するときは、まず作業ロール2a,2bをパスラインから離した状態で圧延材1を通板(但し、圧延材1は停止状態)し、作業ロール2a,2bを圧延材1に当接するように移動させ所定荷重で圧下する。そして、圧延機モータ10、リール用駆動モータ(図示せず)により、作業ロール2a,2b、リール7a,7bを回転駆動させ圧延材1を圧延する。
【0044】
このとき、作業ロール2a,2bは、圧延材1からの塑性変形による加工熱と圧延材1との間に発生する摩擦熱などのために、圧延中は絶えず加熱される。作業ロール2a,2bの表面温度が高くなると、圧延精度が低下するばかりでなく、圧延材1との間に焼き付きが生じ、製品の表面品質が低下する。したがって、作業ロール2a,2bの過度の温度上昇防止及び摩擦力低減のために、作業ロール2a,2bの胴部表面にクーラント(圧延油)をクーラント噴射装置3a又は3b(例えば出側となる方のみ)によって噴射供給することにより冷却及び潤滑を行う。
【0045】
また、作業ロール2a,2bで圧延された圧延材1は、最終的にリール7a又は7bにコイル状に巻き取られるが、圧延材1の表面に上記クーラントが付着残存したままだと、リール7a又は7bと圧延材1との間あるいは圧延材1相互間に滑りが生じて軸方向に巻きずれ(テレスコピック)が発生する。
【0046】
そこで、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bや、チューブワイパー方式のクーラント除去装置等5a,5bによって、上記巻きずれの発生を防止し、生産性の低下や圧延材1(ストリップ)の商品価値の低下、歩留りの低下を防止する。このとき、本実施の形態においては、前述のように、上記コントローラ17によって、圧延速度に応じてローラ方式のクーラント除去装置4a,4b及びチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bの作動状態及び非作動状態とを切り換える。このような切り換えを行うのは、以下のような理由による。
【0047】
一般に、チューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bでは、ホース(チューブ)18a,18bを圧延材1表面に摺接させて圧延材1表面のクーラントを除去するため、特に、圧延速度が高速の領域では、ホース18a,18bの消耗が激しくその交換頻度が高い。また摩耗粉等が発生しその摩耗粉が圧延材1表面に付着するため厚延材表面品質の向上が困難となる傾向にある。また、ホース18a,18b表面の摩耗等により板幅方向に不均一な残油量(圧延材表面に付着したクーラント量)分布となることによって後工程に影響を及ぼす傾向にあるため、高速領域での使用には不向きである。
【0048】
一方、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bは上記のような摩耗の懸念はないが、上下一対のクーラント除去ローラ12a,12bで圧延材を挟み込んで通板させるとき圧延材1上を流れてきたクーラントをクーラント除去ローラ12a,12b表面で跳ね返らせ、その反発力を利用してクーラント除去を行うため、低速領域(特に極低速領域)では、上記反発力が小さくなって急激にクーラント除去性能が低下するため残油量が著しく増大する傾向にある。このような傾向を図2により説明する。
【0049】
図2は、圧延速度と残油量の関係について、上記したローラ方式のクーラント除去装置(但し静圧軸受支持)とチューブワイパー方式のクーラント除去装置とのクーラント除去特性の一例を比較して示した図である。
【0050】
この図2において、上記したように、チューブワイパー方式のクーラント除去装置は、比較的低速の領域では安定したクーラント除去特性が得られるが、ある速度まで圧延速度が上昇すると、摩耗が激しくなる等の理由により事実上使用不可能となる。また、ローラ方式のクーラント除去装置は、チューブワイパー方式のクーラント除去装置に比べて全般的にクーラント除去特性が劣るが、高速領域でも使用可能である。しかし、低速領域、特に極低速領域では上記した理由から極端にクーラント除去特性が低下する。
【0051】
本実施の形態においては、上記の特性に基づき、上記コントローラ17によって、圧延速度に応じてローラ方式のクーラント除去装置4a,4b及びチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bの作動状態及び非作動状態とを切り換える。
【0052】
図3(a)及び図3(b)は本発明の圧延機の第1の実施の形態の低速領域〜中速領域におけるクーラント除去装置の運転状況の一例を表す図であり、図3(c)は本発明の圧延機の第1の実施の形態の高速領域におけるクーラント除去装置の運転状況の一例を表す図である(但し、いずれも図中左から右(例えば順方向)へと圧延している場合を例にとっている)。以下に各速度区分でのクーラント除去装置の動作及び作用を図3(a)〜(c)と併せて図1も適宜参照しつつ説明する。
【0053】
(i)圧延速度が低速領域〜中速領域のとき
すなわち、例えば圧延開始後加速していく比較的初期における低速領域〜中速領域では、上記コントローラ17のCPU17c(図1参照)が、上記の回転数検出器22(図1参照)からの検出信号を基にした演算結果(随時の圧延速度)が、ROM17bに格納された中速領域と高速領域を区分するしきい値S2より小さい(低速領域あるいは中速領域である)と判断し、上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21b(図1参照)のソレノイド(図示せず)に入側のローラ方式のクーラント除去装置4b及び出側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5aを作動状態とし、出側のローラ方式のクーラント除去装置4a及び入側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5bを非作動状態とする指令信号を出力する。
【0054】
すなわち、図3(a)に示すように、圧延方向が図中左から右方向の場合(例えば順方向)には、上記コントロールバルブ16b,21aは、油圧シリンダ14a,14b及び20a,20bのボトム側のチャンバに油圧ポンプ15からの圧油を供給し、入側のクーラント除去装置4bのクーラント除去ローラ12a,12b及び出側のクーラント除去装置5aのチューブ18a,18bを圧延材1の表面に適切に接触する位置まで移動させ、作業ロール2a,2bの入側のローラ方式のクーラント除去装置4b及び出側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5aを作動状態とする。このとき、上記コントロールバルブ16a,21bは、油圧シリンダ14a,14b及び20a,20bのロッド側のチャンバに油圧ポンプ15からの圧油を供給し、出側のクーラント除去装置4aのクーラント除去ローラ12a,12b及び入側のクーラント除去装置5bのチューブ18a,18bを圧延材1の表面から離れる位置まで移動させ、作業ロール2a,2bの出側のローラ方式のクーラント除去装置4a及び入側のチューブワイパー方式の5bを非作動状態とする。また、圧延方向が逆方向(図3(a)中右から左方向)の場合は、クーラント除去装置4a,5bを作動状態とし、クーラント除去装置4b,5a非作動状態とする。
【0055】
なお、このとき作業ロール2a,2bの出側においては、チューブワイパー方式のクーラント除去装置5aのみを作動状態としたが、低速領域と中速領域とを上記しきい値S1を用いて区分し、作業ロール2a,2bの出側において、低速領域では図3(a)のようにチューブワイパー方式のクーラント除去装置5aのみを作動状態とし、中速領域では図3(b)のようにローラ方式のクーラント除去装置4aも合わせて作動状態としてもよい。また、低速領域〜中速領域にかけてクーラント除去装置4a,5aを共に作動状態としても構わない。
【0056】
(ii)圧延速度が高速領域のとき
すなわち、例えば圧延開始後、ある程度時間が経ち、加速が終了した高速領域においては、上記コントローラ17のCPU17cは、圧延速度が中速領域と高速領域を区分するしきい値S2以上である(高速領域である)と判断すると、上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21bのソレノイドに入側及び出側のローラ方式のクーラント除去装置4a,4bを作動状態、入側及び出側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bを非作動状態とする指令信号を出力する。
【0057】
すなわち、図3(c)に示すように、圧延方向が図中左から右方向(例えば順方向)の場合、上記コントロールバルブ16a,16b及び21a,21bは、油圧シリンダ14a,14b及び20a,20bを制御し、入側及び出側のローラ方式のクーラント除去装置4a,4bを作動状態とし、入側及び出側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bを非作動状態とする。また、圧延方向が逆方向(図3(c)中右から左方向)の場合も同様である。
【0058】
なお、上記(i)(ii)のいずれの場合も圧延材の圧延方向で見て、作業ロール2a,2bの入側では、クーラント噴射装置3a又は3bがクーラントを除去する位置に対して圧延方向(出側)に位置することから、図4に示すように、逆流して流れてくるクーラント量は少なく、あまり高いクーラント除去特性は要求されない。したがって、図3(a)〜図3(c)を用いて上記したように、作業ロール2a,2bの入側においては、ローラ方式のクーラント除去装置のみを作動状態とすれば足りる。しかし、、これに限られず、低速領域〜中速領域では、入側において、チューブワイパー方式のクーラント除去装置を(あるいはローラ方式、チューブワイパー方式の両方を)作動状態としてもよいことは言うまでもない。要するに、高速領域においてチューブワイパー方式のクーラント除去装置を非作動状態とすればよい。
【0059】
以上のように、本実施の形態では、コントローラ17で圧延速度がしきい値S2を超えた高速領域であると判断された場合、チューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bを非作動状態とし、高速領域でも使用可能なローラ方式のクーラント除去装置4a,4bを作動状態とすることにより、チューブ18a,18bの表面の摩耗等による表面品質への影響や圧延材1の板幅方向の残油量分布の不均一化による後工程への影響等を回避することがでる。
【0060】
また、コントローラ17で圧延速度がしきい値S2を超えない低速領域〜中速領域であると判断された場合、少なくとも出側のチューブワイパー方式のクーラント除去装置5a,5bを作動状態とすることにより、圧延方向で見て作業ロール2a,2bの出側において、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bに関してのクーラント除去ローラ12a,12b表面におけるクーラント反発力の低下によるクーラント除去性能低下という弱点を補うことができる。以上のように、高速領域では主としてローラ方式、低速領域では主としてチューブワイパー方式と使い分けることで圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域で良好なクーラント除去特性を確保できる。
【0061】
また、ローラ方式のクーラント除去装置においては、一般に、クーラント除去ローラが小径であるほどクーラント除去(水切り)性能が高い。しかし、圧延材表面で転動するクーラント除去ローラは、その径が小さくなればなるほど所定圧延速度(すなわち、クーラント除去ローラの周速度)に対する回転数が増大し、軸受(ベアリング)への負荷が増大するので軸受の交換周期が短くなり生産性が低下する。通常の軸方向両端でのみ軸受(ベアリング)で支持する構造の場合、小径であるほどクーラント除去ローラそのものの剛性が下がるため小径化には限界があり、この結果クーラント除去性能の向上にも限界がある。
【0062】
そこで、本実施の形態においては、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bを圧縮空気を介してクーラント除去ローラ12a,12bの胴部を軸方向全長に渡って非接触状態で(ギャップをもって)浮上させて支持する静圧軸受支持方式とすることにより、上記通常のベアリング支持構造よりもさらに小径化が可能となるので、クーラント除去性能を向上できる。したがって、ローラ方式のクーラント除去装置4a,4bのクーラント除去性能を向上できる分、圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域でさらに良好なクーラント除去特性を確保できる。
【0063】
なお、上記のように、本実施の形態において、コントローラ17は、圧延機モータ10に対しても指令信号を出力可能な構成となっており、例えば、さらにクーラント除去特性を向上させたい場合等は、上記した圧延速度の速度区分に応じたクーラント除去装置4a,4b及び5a,5bの運転の切り換え制御と合わせて、圧延速度を制御するようにしてもよい。
【0064】
本発明の第2の実施の形態を必要に応じて適宜先の図1と合わせて図5により説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態におけるローラ方式のクーラント除去装置4a,4bとして、静圧軸受支持のローラの代わりにベアリング支持のローラを用いた実施の形態であり、その他の構造は第1の実施の形態と同様である。図5は、ベアリング支持のクーラント除去装置におけるクーラント除去ローラの支持構造を表す概略図である。
【0065】
本実施の形態においては、上記のようにローラ方式のクーラント除去装置4a,4bはベアリング支持構造のクーラント除去装置であり、図5に示すように、上下一対のクーラント除去ローラ23A,23Bが、その両端にそれぞれ突出した回転軸23Aa,23Ab及び23Ba,23Bbをそれぞれベアリング24Aa,24Ab及び24Ba,24Baにより回転自在に支持される構造となっている。
【0066】
ここで、図6は圧延速度と残油量の関係について、ローラ方式のクーラント除去装置(但しベアリング支持)とチューブワイパー方式のクーラント除去装置とのクーラント除去特性を比較した図であり、先の図2と比較して分かるように、一般に、静圧軸受支持構造のクーラント除去装置に比べてベアリング支持構造のクーラント除去装置はクーラント除去特性が若干下がる。これは、ローラ方式のクーラント除去装置において、クーラント除去ローラが小径であるほど高いクーラント除去特性が得られるが、小径であるほど(すなわち、クーラント除去ローラの周速度)に対する回転数が増大するため、ベアリング支持構造のクーラント除去装置では、軸受(ベアリング)への負荷が増大するため、小径化に限界があるためである。
【0067】
しかし、本実施の形態のようにローラ方式のクーラント除去装置4a,4bをベアリング支持構造のクーラント除去装置としても、本発明の基本的な効果である圧延速度の速度区分に応じてローラ方式及びチューブワイパー方式のクーラント除去装置4a,4b及び5a,5bの運転を切り換え制御することによる効果、すなわち、図6に示すような低速領域〜高速領域の全領域に渡って比較的良好なクーラント除去特性を得ることができる。さらに圧縮空気源としてのコンプレッサが不要となるためエネルギー効率が向上するという効果も得られる。
【0068】
なお、上記第1及び第2の実施の形態において、出側にて特に圧延材1に残存するクーラント量が多い場合等には、図7に示すように、クーラント除去装置4aの前側(図7中左側)に予めクーラントを大方拭き取る粗切りローラ25を設ければ、よりクーラント除去特性を向上することができる。この粗切りローラ25としては、チューブワイパー方式のクーラント除去装置、高速空気流を圧延材表面に吹き付けてクーラントを吹き飛ばすエアーブロー・吸引方式のクーラント除去装置、ゴムローラ方式又は金属ローラ方式のクーラント除去装置等、公知の構成のクーラント除去装置を適宜用いればよい。
【0069】
また、以上においては、1組の作業ロール2a,2bにより圧延材1を圧延する構成(1スタンド)としたが、これに限られず、例えば複数のスタンドを備えた圧延機等、他の圧延機にも適用できることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、圧延速度の速度区分に応じてチューブワイパー方式のクーラント除去装置及びローラ方式のクーラント除去装置の運転状況を切り換え制御するので、圧延速度の低速領域〜高速領域の全領域で良好なクーラント除去特性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延機の第1の実施の形態の全体構造を表す概略構成図である。
【図2】圧延速度と残油量の関係について、ローラ方式のクーラント除去装置(静圧軸受支持)とチューブワイパー方式のクーラント除去装置とのクーラント除去特性を比較した図である。
【図3】本発明の圧延機の第1の実施の形態の低速領域〜中速領域におけるクーラント除去装置の運転状況を表す図及び本発明の圧延機の第1の実施の形態の高速領域におけるクーラント除去装置の運転状況を表す図である。
【図4】作業ロールの入側及び出側における圧延材表面に残存するクーラント量を比較して模式的に示した図である。
【図5】本発明の圧延機の第2の実施の形態を構成するベアリング支持のクーラント除去ローラの支持構造を表す概略図である。
【図6】圧延速度と残油量の関係について、ローラ方式のクーラント除去装置(ベアリング支持)とチューブワイパー方式のクーラント除去装置とのクーラント除去特性を比較した図である。
【図7】圧延方向におけるパスライン上の最初のクーラント除去装置の前側に粗切りローラを設けた場合の状況を模式的に示した図である。
【符号の説明】
2a,b 作業ロール
4a,b クーラント除去装置(第1クーラント除去装置)
5a,b クーラント除去装置(第2クーラント除去装置)
10 圧延機モータ
17 コントローラ(第1制御手段、第2制御手段)
22 速度検出器(回転数検出器)
16a,16b コントロールバルブ
21a,21b コントロールバルブ
Claims (7)
- 上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備え、圧延材を一方向にパスさせて圧延を行う圧延機において、
圧延方向で見て少なくとも前記作業ロールの出側に位置し、クーラント除去ローラで前記圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の第1クーラント除去装置と、
少なくとも前記出側に位置し、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の第2クーラント除去装置と、
少なくとも圧延材の通板速度に応じて、前記第1及び第2クーラント除去装置について、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御する第1制御手段とを有することを特徴とする圧延機。 - 請求項1記載の圧延機において、前記第1制御手段は、少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに、前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とすることを特徴とする圧延機。
- 上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備え、圧延材を前記作業ロールの前後に複数回往復してパスさせて圧延を行う可逆式の圧延機において、
前記作業ロールの前後にそれぞれ位置し、クーラント除去ローラで前記圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の2つの第1クーラント除去装置と、
前記作業ロールの前後にそれぞれ位置し、ゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の2つの第2クーラント除去装置と、
少なくとも圧延材の通板速度及び圧延方向に応じて、前記第1及び第2クーラント除去装置について、クーラント除去作業を行う作動状態及びクーラント除去作業を行わない非作動状態の切り換えを制御する第2制御手段とを有することを特徴とする圧延機。 - 請求項3記載の圧延機において、前記第2制御手段は、圧延方向で見て前記作業ロールの入側においては前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とし、圧延方向で見て前記作業ロールの出側においては少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに、前記第1クーラント除去装置を前記作動状態とすることを特徴とする圧延機。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の圧延機において、前記第1クーラント除去装置は、前記クーラント除去ローラの胴部を流体を介して支持する静圧軸受を備えた静圧軸受支持ローラ方式であることを特徴とする圧延機。
- 上・下一対の作業ロール及びこれら作業ロールをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを備えた圧延機を用いた圧延方法において、
圧延方向で見て少なくとも前記作業ロールの出側にクーラント除去ローラで圧延材の表面のクーラントを除去するローラ方式の第1クーラント除去装置及びゴムチューブを圧延材表面に接触摺動させてクーラントを除去するチューブワイパー方式の第2クーラント除去装置を配置し、
少なくとも圧延材の通板速度に応じ、前記第1及び第2のクーラント除去装置についてのクーラント除去作業を行う作動状態とクーラント除去作業を行わない非作動状態とを切り換えて圧延を行うことを特徴とする圧延方法。 - 請求項6記載の圧延方法において、少なくとも所定速度以上の高速領域では、前記第2クーラント除去装置を前記非作動状態とするとともに前記第1クーラント除去装置を前記作動状態として圧延を行うことを特徴とする圧延方法。
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